(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
グリチルリチン酸塩、トリグリセリド由来の界面活性剤、セラミド、PCAのエステル、ペプチド、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、少なくとも1つの耐熱性スキンケア活性剤を更に含む、請求項1に記載の皮膚係合部材(22)。
L−メントール、p−メンタン(methane)−3,8−ジオール、イソプレゴール、メントキシプロパン−1,2,−ジオール、クルクミン、メンチルラクテート、ジンゲロール、イシリン、茶木油、メチルサリシレート、樟脳、ペパーミントオイル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、エチル3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート、2−イソプロピル−N,2,3−トリメチルブチルアミド、メントングリセロールケタール、メントングリセリン(Glyerine)アセタール、Coolact 10、及びこれらの混合物からなる群から選択される冷却剤を更に含む、請求項1または2に記載の皮膚係合部材(22)。
水溶性ポリマーの量が、前記固体ポリマーマトリックスの50重量%〜100重量%の量であり、前記水溶性ポリマーが、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリビニルイミダゾリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(polyhydroxyethymethacrylate)、シリコーンポリマー、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の皮膚係合部材(22)。
前記マトリックスが、前記固体ポリマーマトリックスの少なくとも35重量%の量で非水溶性ポリマーを更に含み、前記非水溶性ポリマーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、高耐衝撃性ポリスチレン、ブタジエンスチレンコポリマー、ポリアセタール、アクリロニトリル−ブタジエンスチレンコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の皮膚係合部材(22)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
I.抗刺激性剤
一実施形態では、本発明の剃毛補助剤組成物を含む皮膚係合部材は、抗刺激性剤を更に含む。抗刺激性剤はピリチオン、ピリチオンの多価金属塩、又はこれらの混合物であってもよい。小板状及び針晶構造などの、いかなる形態の多価金属のピリチオン塩も用いてよい。本明細書での使用に好ましい塩としては、多価金属のマグネシウム、バリウム、ビスマス、ストロンチウム、銅、亜鉛、カドミウム、ジルコニウム及びこれらの混合物から、より好ましくは亜鉛から形成されているものが挙げられる。本明細書で用いるのに更により好ましいのは、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリチオン」又は「ZPT」として知られている)であり、より好ましくは小板状粒子形態のZPTであり、ここで粒子の平均の大きさは、約20μmまで、好ましくは約5μmまで、より好ましくは約2.5μmまでである。
【0010】
ピリジンチオン抗菌剤及び抗ふけ剤は、例えば、米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。
【0011】
好ましい実施形態は、0.01%〜5%の、あるいは0.05%〜2%の、あるいは0.1%〜1%の、あるいは0.2%〜約0.7%の、あるいは約0.5%の抗刺激性剤を含む。
【0012】
一実施形態では、抗刺激性剤は、本明細書に記載される小板の形態の固体粒子である。
【0013】
組成物が皮膚上に残されるか、又は洗い流されるかによって、悪臭制御及び/又は抗菌の効果を含むがこれに限定されない、スキンケア組成物から望ましい他の効果を本発明の抗刺激性剤が有することができるということを当業者は理解するであろう。
【0014】
本発明の組成物は、任意に、有効量の亜鉛塩を含む。本発明の好ましい実施形態は、25℃で、約25重量%未満、より好ましくは約20重量%未満、より好ましくは約15重量%未満の組成物内での水溶解度を有する、有効量の亜鉛塩を含む。本発明の好ましい実施形態は、約0.001%〜10%の、より好ましくは約0.01%〜5%、より好ましくは約0.1%〜約3%の亜鉛塩を包含する。好ましい実施形態では、亜鉛塩は100nm〜30μmの平均粒径を有する。
【0015】
本発明の特定の実施形態に有用な亜鉛塩の例には、アルミン酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛及び酸化亜鉛を含む材料(即ちカラミン)、リン酸亜鉛(即ちオルトエステル及びピロリン酸塩)、亜鉛セレン化物、硫化亜鉛、亜鉛ケイ酸塩(即ちオルト及びメタ亜鉛ケイ酸塩)、ケイフッ化亜鉛、亜鉛ホウ酸塩、亜鉛水酸化物及びヒドロキシ硫酸塩、亜鉛含有層状材料、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。
【0016】
抗刺激性剤及び亜鉛塩を有する実施形態において、亜鉛塩と抗刺激性剤の比率は好ましくは5:100〜5;1、より好ましくは約2:10〜3:1、より好ましくは更に1:2〜2:1である。
【0017】
理論によって束縛されることを意図しないが、これらの抗刺激性剤は、炎症の低減若しくは制御、並びに特定の悪臭制御など、様々な利益を提供することができると考えられる。一実施形態において、組成物は悪臭制御剤など他の剤を更に含む。本発明の悪臭有効成分は、抗菌効果をもたらすことができる。このような悪臭有効成分は、微生物を破壊することができ、微生物の発達を阻止することができ、又は微生物の病原作用を予防することができる。悪臭有効成分の安全かつ有効な量は、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、又は約0.01重量%〜約5重量%、又は約0.05重量%〜約2重量%、又は約0.1重量%〜約1重量%、又は約0.3重量%〜約0.7重量%、又は約0.5重量%添加することができる。
【0018】
悪臭有効成分の例としては、β−ラクタム剤、キノロン剤、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、アミカシン、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロバニリド、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、ドキシサイクリン、カプレオマイシン、クロルヘキシジン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリ、クリンダマイシン、エタンブトール、イセチオン酸ヘキサミジン、メトロニダゾール、ペンタミジン、ゲンタマイシン、カナマイシン、リネオマイシン、メタサイクリン、メテナミン、ミノサイクリン、ネオマイシン、ネチルミシン、パロモマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ミコナゾール、塩酸テトラサイクリン、エリスロマイシン、亜鉛エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、ステアリン酸エリスロマイシン、硫酸アミカシン、塩酸ドキシサイクリン、硫酸カプレオマイシン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、塩酸クロルテトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸クリンダマイシン、塩酸エタンブトール、塩酸メトロニダゾール、塩酸ペンタミジン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸カナマイシン、塩酸リネオマイシン、塩酸メタサイクリン、馬尿酸メテナミン、マンデル酸メテナミン、塩酸ミノサイクリン、硫酸ネオマイシン、硫酸ネチルミシン、硫酸パロモマイシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸ミコナゾール、ケタコナゾール、塩酸アマンファジン、硫酸アマンファジン、オクトピロックス、パラクロロメタキシレノール、ナイスタチン、トルナフテート、亜鉛ピリチオン、クロトリマゾール、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0019】
II.耐熱性スキンケア活性剤
別の実施形態では、皮膚係合部材は、少なくとも1つの耐熱性スキンケア活性剤を更に含む。本明細書で定義される場合、耐熱性スキンケア活性剤は、皮膚科的使用に好適であり、かつ皮膚にそれらの所望の効果を提供するのに十分に活性なままで従来の剃毛補助剤(皮膚係合部材)押出成形条件で生存することができる、組成物である。一実施形態では、耐熱性スキンケア活性剤は実質的に、約120℃超、又は更には最高約200℃の温度等の昇温で長時間生存する。本明細書で定義される場合、実質的に生存するとは、以前に言及された昇温にさらされた後、材料の少なくとも25重量%、好ましくは少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも75重量%、好ましくは少なくとも90重量%が、最終製品への処理後にその分子構造を保持することを意味し、これは、LC−MS又はGC−MS等の適切な分析方法によって判定することができる。分子の生存をどのように測定するかについての詳細は、以下のセクションI(f)で提供される。
【0020】
一実施形態では、耐熱性スキンケア活性剤は、皮膚係合部材を形成する剃毛補助剤の押出成形温度を超える、気体への相転移温度(即ち、沸点又は昇華点)を有する。別の実施形態では、気体への相転移温度は、少なくとも120℃、又は少なくとも約150℃、又は少なくとも約180℃、最大約200℃である。
【0021】
当業者は、皮膚係合部材が、一般にまた潤滑ストリップとも称される剃毛補助剤を含むことを理解するであろう。これらの皮膚係合部材を、剃毛かみそり等の除毛装置で使用することができる。
【0022】
一実施形態では、少なくとも1つの耐熱性スキンケア活性剤は、グリチルリチン酸塩、トリグリセリド由来の界面活性剤、セラミド、ピロリドンカルボン酸のエステル、ペプチド、又はこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む。一実施形態では、少なくとも1つの耐熱性スキンケア活性剤の量は、皮膚係合部材の約0.1重量%〜約20重量%、又は約1重量%〜約15重量%、又は約5重量%〜約10重量%であることができる。
【0023】
a.グリチルリチン酸塩
甘草の根から単離されたグリチルリチン酸塩は、広く使用される抗炎症剤である。これは、コルチコステロイドの代謝に伴う11 β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ及び他の酵素を阻害する、グリチルレチン酸に代謝される。一実施形態では、グリチルリチン酸塩は、以下に示されるような二カリウム塩である。
【化1】
【0024】
Mafco、Sandream、又はBarnetから購入されてもよい。アンモニウム塩、ナトリウム塩、及びアルカノールアミン(例えば、トリエタノールアミン)塩を含むが、これらに限定されない、グリチルリチン酸塩の他の塩もまた使用されてもよい。グリチルリチン酸塩の一例は、BarnetのNet−DG(登録商標)である。
【0025】
b.トリグリセリド由来の界面活性剤
また、本発明のマルチ活性剤(multi-active)は、トリグリセリド由来の界面活性剤も含む。本発明のトリグリセリドは、複数の脂肪酸、オレイン脂肪酸、リノール脂肪酸、リノール酸、及びこれらの組み合わせを含む。好ましくは、脂肪酸の大部分は、オレイン脂肪酸及びリノール脂肪酸である。アニオン性界面活性剤は、加水分解によって、トリグリセリドのアルキル鎖を脂肪酸、メチルエーテル、又は脂肪アルコールに単離することによって形成される。単離されたアルキル鎖は、次いでエトキシ化される。エトキシ化されたアルキル鎖は、次いでカルボキシル化される。一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、オレイン酸をエトキシ化し、次いでカルボキシル化した生成物を含む。一実施形態では、アニオン性界面活性剤は、オリーブ油ポリエチレングリコール7カルボン酸ナトリウムである。一実施形態では、トリグリセリドは、大部分が不飽和である。本明細書で定義される場合、「大部分が不飽和」とは、界面活性剤を製造するのに使用されるトリグリセリドの少なくとも50重量%が飽和していないことを意味する。また、当業者は、大部分が不飽和のトリグリセリドには、モノ不飽和脂肪及び多価不飽和脂肪が含まれ、室温で液体の傾向があることも理解するであろう。1つの好適なトリグリセリド由来の界面活性剤は、伊国ミラノのB&T CompanyのOlivem(登録商標)450及び460である。
【0026】
好適な大部分が不飽和のトリグリセリドには、ヒマシ油、コーン油、オイチシカ油、オリーブ油、アマニ油、綿実油、パーム油、ピーナッツ油、ブドウ種子油(キャノーラ)、米糠油、ベニバナ油、ゴマ油、サトウモロコシ油、トール油、タング油(tongue oil)、大豆油、ヒマワリ油、アーモンド油、他の同様に同族の植物油、及びこれらの混合物等の植物由来の油が挙げられる。とりわけ、これらのトリグリセリドは、鹸化性であり、それによってアニオン性界面活性剤をもたらすと考えられる。好ましい一実施形態では、トリグリセリドは、オリーブ油、好ましくはオリーブ油ポリエチレングリコール7カルボン酸ナトリウムである。
【0027】
c.セラミド
セラミドは、多くの場合、皮膚脂質の類であると見なされる。皮膚脂質は、角質層の保水力を維持し、皮膚の健康を調整するという不可欠な機能を果たす。セラミドは、皮膚脂質の主構成要素であり、長鎖脂肪酸がアミド結合を介して連結される長鎖アミノアルコール(スフィンゴシン又はその誘導体のうちの1つ)から成るスフィンゴ脂質で構成される。偽セラミドであってもよいため、自然又は合成源を使用することができる。好ましくは、本明細書のスキンケア活性剤は、セラミド、コレステロール、スフィンゴシン、又はこれらの混合物を含む。本明細書で使用するのに好適な皮膚脂質の市販されるブレンドの非限定的な例には、CosmofermのSK Influxが挙げられる。
【0028】
また、セラミドは、Arch.Dermatol,Vol 123,1381〜1384,1987にも記載されている、又は仏国特許第FR−2,673,179号に記載されるもの、スクロース65ペンタラウレート、スクローステトラオレエート、スクロースペンタエルケート、スクローステトラエルケート、スクロースペンタタロウエート(sucrose pentatallowate)、スクローストリアピエート、スクローステトラピエート、スクロースペンタラピエート、スクローストリステアレート、及びスクロースペンタステアレート等の脂肪酸ポリエステル、及びこれらの混合物、ポリペプチド、並びに塩基アミノ酸から成るアミノ酸、具体的にはアルギニンである。
【0029】
d.ピロリドンカルボン酸(PCA)のエステル
ピロリドンカルボン酸はまた、PCA又はピログルタミン酸とも称される。ピログルタミン酸n−ヘキシルエステル、ピログルタミン酸n−オクチルエステル、エチル(efhyl)−2−〔ピログルタミルオキシ(pyroglutamoyloxy)〕−n−プロピオネート、リノレイル−2−〔ピログルタミルオキシ(pyroglutamoyloxy)〕−n−カプリレート、ラウリル−2−〔ピログルタミルオキシ(pyroglutamoyloxy)〕−n−カプリレート、ステアリル−2〔ピログルタミルオキシ(pyroglutamoyloxy)〕−n−カプリレート、グリセリルモノ(2〔ピログルタミルオキシ(pyroglutamoyloxy)〕−n−プロピオネート)、グリセリルモノ(2〔ピログルタミルオキシ(pyroglutamoyloxy)〕−n−カプリレート)、及びグリセリルジ(2〔ピログルタミルオキシ(pyroglutamoyloxy)〕−n−プロピオネート)等のLever Brothers Companyによって米国特許第4,774,255号に記載されるピログルタミン酸のエステル、(viii)Unileverによって第EP−A−0 403 238号に記載されるアリール置換エチレン、(ix)Unileverによって第EP−A−0 415 598号に記載されるモノN−アシル化アミノ酸、特に、N−アセチルグリシン、(x)3個〜25個の数の奇数の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族アルコール、特に、n−ノニルアルコール、(xi)3個〜25個の数の奇数の炭素原子を有する飽和又は不飽和脂肪族カルボン酸、特に、ノナン酸、並びに(xii)これらの混合物である。一実施形態では、ピロリドンカルボン酸(pyrrrolidone carboxylic acid)のエステルは、SolabiaからCERAMIDONE(登録商標)として市販される、PCAのオクチルドデシルエステルである。
【0030】
e.ペプチド
本発明の組成物は、ジ−、トリ−、テトラ−、及びペンタ−ペプチド並びに誘導体を含むが、これらに限定されない、安全かつ有効な量のペプチドを含有してもよい。
【0031】
本明細書で使用するとき、「ペプチド」とは、10個以下のアミノ酸を含むペプチド、及びこれらの誘導体、異性体、金属イオン(例えば、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウムなど)など他の種との錯体を意味する。本明細書で使用するとき、ペプチドとは、天然起源ペプチド及び合成ペプチドの両方を指す。また、本明細書で有用なのは、ペプチドが含まれている天然由来の組成物及び市販されている組成物である。好ましいペプチドは、少なくとも1つの塩基性アミノ酸(例えば、ヒスチジン、リジン、アルギニン)を含有する。より好ましいペプチドは、ジペプチドカルノシン(β−ala−his)、トリペプチドgly−his−lys、トリペプチドhis−gly−gly、トリペプチドgly−gly−his、トリペプチドgly−his−gly、テトラペプチドgly−gln−pro−arg、ペンタペプチドlys−thr−thr−lys−ser、及び上記のものの金属錯体、例えば、トリペプチドhis−gly−glyの銅錯体(ラミンとしても知られる)である。他の好適なペプチドとしては、ペプチドCK(arg−lys−arg);ペプチドCK+(ac−arg−lys−arg−NH2);及びペプチドE、arg−ser−arg−lysが挙げられる。好ましい市販されるトリペプチド誘導体含有組成物は、1000ppmのパルミトイル−gly−his−lysを含有し、仏国のSedermaから市販される、Paltenex(登録商標)又はMaxi−Lip(登録商標)である。好ましい市販されるペンタペプチド誘導体含有組成物は、100ppmのパルミトイル−lys−thr−thr−lys−serを含有し、仏国のSedermaから市販される、Matrixyl(登録商標)である。好ましい市販されるテトラペプチド誘導体含有組成物は、500ppmのパルミトイル−gly−gln−pro−argを含有し、仏国のSedermaから市販される、Rigin(登録商標)である。
【0032】
本明細書において有用なペプチド誘導体には、親油性誘導体、好ましくはパルミトイル誘導体が挙げられる。好ましくは、ペプチドは、パルミトイル−lys−thr−thr−lys−ser、パルミトイル−gly−his−lys、パルミトイル−gly−gln−pro−arg、それらの誘導体、及びこれらの組み合わせから選択される。好適なペプチドの別の例には、GenscriptのPal−GHKが挙げられる。
【0033】
III.追加のスキンケア活性成分
少なくとも1つの耐熱性スキンケア活性剤に加えて、また、局所適用に一般に使用される様々なスキンケア活性剤(「活性剤」)も使用することができる。少なくとも1つの耐熱性スキンケア活性剤及び追加の活性剤を、それぞれ純生成物として、及び/又は封入状で、皮膚係合部材に含むことができる。
【0034】
活性成分は、局所使用に好適な1つ以上のスキンケア活性剤であってもよい。「The CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition(1992)」には、スキンケアに関連する業界で一般に使用される様々な非限定的な化粧品及び医薬品の成分が記載されており、それらは本発明の組成物への使用に好適である。これらの成分の種類の例としては、研磨剤;吸着剤;芳香剤、顔料、着色剤/染料、精油、皮膚感覚剤、収斂剤等の美的成分(例えば、丁子油、樟脳、ユーカリ油、オイゲノール、マンサク留出物)、抗ニキビ剤、固化防止剤、消泡剤、抗菌剤(例えば、ヨードプロピルブチルカーバメート)、酸化防止剤、結合剤、生物学的添加物、緩衝剤、充填剤、キレート化剤、化学添加物、染料、化粧用収斂剤、化粧用殺生物剤、変性剤、薬用収斂剤、外用鎮痛剤、脂肪アルコール及び脂肪酸、被膜形成剤又は材料、例えば、組成物の被膜形成特性及び持続性を支援するためのポリマー(例えば、エイコセン及びビニルピロリドンのコポリマー)、不透明化剤、pH調整剤、噴射剤、還元剤、隔離剤、皮膚漂白及び美白剤、皮膚コンディショニング剤、皮膚鎮静剤及び/又は皮膚回復剤及び誘導体、皮膚治療剤、増粘剤、並びにビタミン及びその誘導体が挙げられる。追加の好適な皮膚治療活性剤の追加の非限定的な例は、米国特許公開第2003/0082219号のセクションI(即ち、ヘキサミジン、酸化亜鉛、及びナイアシンアミド)、米国特許第5,665,339号のセクションD(即ち、冷感剤、皮膚コンディショニング剤、日焼け止め及び顔料、並びに薬物)、及び米国特許公開第2005/0019356号(即ち、落屑活性剤、抗ニキビ活性剤、キレート剤、フラボノイド、並びに抗菌性及び抗真菌性活性剤)に挙げられている。しかしながら、多くの材料は2つ以上の効果をもたらすことがあること、又は2つ以上の作用機序を介して機能し得ることに留意すべきである。したがって、本明細書の分類は便宜上実施されたものであって、活性物質を、列挙した特定の1つ又は複数の用途に制限しようとするものではない。
【0035】
f.冷感剤
好適な冷却剤の非限定例としては、L−メントール、p−メンタン(methane)−3,8−ジオール、イソプレゴール、メントキシプロパン−1,2,−ジオール、クルクミン、メンチルラクテート(例えばSymriseのFrescolat ML)、ジンゲロール、イシリン、茶木油、メチルサリシレート、樟脳、ペパーミントオイル、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、エチル3−(p−メンタン−3−カルボキサミド)アセテート、2−イソプロピル−N,2,3−トリメチルブチルアミド、メントングリセロールケタール、メントングリセリン(Glyerine)アセタール、Coolact 10、及びこれらの混合物が挙げられる。これら及び他の冷却剤が既知であり、米国特許公開第2008/0300314A1号、米国特許第5,451,404号、及び同第7,482,373号等の様々な公表文献に記載されている。更に別の実施形態では、冷却剤は、様々な剃毛補助剤での使用について前述した1つ以上の冷却剤を含む。例えば、米国特許第5,095,619号、同第5,713,131号、同第5,095,619号、同第5,653,971号、同第6,298,558号、同第6,944,952号、及び同第6,295,733号を参照のこと。
【0036】
一実施形態では、皮膚係合部材は、1つ以上の冷却剤を更に含む。冷涼又は冷たいという感覚は、低温又は化学冷感剤などの刺激による末梢神経繊維での受容体の活性化によるということが、今や確立されている。この冷感剤は脳へ移動する電気化学信号を作り出し、次いで到着信号を解釈し、整理し、知覚又は感覚に統合する。異なる部類の受容体が、哺乳類の知覚神経繊維において冷温又は化学冷感剤の刺激を感じることに関係していると見なされてきた。それらの受容体のうち、寒冷を感知することに関与する主要な候補は、寒冷感受性及びメントール感受性の受容体(CMR1)又はTRPM8であることが特定されかつ指定されている。受容体のTRPM8という専門用語は、低温、メントール、及びその他の化学冷感剤を含む刺激により活性化される一過性受容体電位(TRP)ファミリーの非選択的カチオンチャネルとしてのその特徴付けから来ている。しかしながら、皮膚又は口腔表面上での心地よい冷涼感の知覚に潜在する正確な機構は、現在明確には理解されていない。TRPM8受容体がメントール及びその他の冷感剤により活性化されることが立証されている一方で、知覚される全体的な感覚が心地よく、冷涼感があり、清涼であるために、他のどの受容体が関与している可能性があり、それらの受容体がどの程度刺激される又は場合によっては抑制される必要があるのかについては、完全には理解されていない。例えば、メントールは冷感剤として広く使用されているが、メントールはその他の感覚、例えばヒリヒリする感じ、灼熱感、穿痛感、及び刺すような感覚、並びにミントの匂い及び苦い味も生じさせ得る。したがって、メントールは寒冷、温熱、痛み及び味覚受容体などの多くの異なる受容体に作用することが推測される。しかしながら、苦味又は刺激などの望ましくない感覚のない心地よい冷涼などの特定の感覚をどの受容体活性がもたらすかの分離方法は容易には識別できない。特定の知覚剤の使用から望ましい感覚だけが引き出されるように冷感剤又はその他の知覚剤の活性をどのように制御するかも明らかではない。そのため、本発明は、除毛プロセス中に使用者に冷涼効果をもたらす感覚剤として作用する、シクロヘキサン(上述される)の特定の合成誘導体の追加に着目する。冷涼感を更に補うために、追加の感覚剤を使用することができる。
【0037】
天然起源又は合成起源の多数の冷感剤化合物が知られている。最もよく知られている化合物は、メントール、とりわけI−メントールであり、これは特にハッカ(Mentha arvensis)L及びミドリハッカ(Mentha viridis)Lのペパーミント油にもともと見られる。メントールの異性体のうち、I−異性体が最も広く自然に存在し、通常は、冷感剤特性を有するメントールという名称で呼ばれるものである。L−メントールは独特のペパーミントの香りを有し、かつ清潔でさわやかな味を有し、皮膚及び粘膜表面に適用された際に冷涼感を与える。メントールのその他の異性体(ネオメントール、イソメントール、及びネオイソメントール)は、ある程度類似しているが同一ではない香り及び味を有する(即ち、いくらかは、土のような、樟脳、かび臭いとして表される、好ましくない雰囲気を有する)。異性体の中で最大の違いは、その冷感効力である。L−メントールは最も強力な冷涼をもたらす、即ち約800ppbの最低冷涼閾値を有し、即ちこれは冷涼効果をはっきりと認識できる濃度である。この濃度において、他の異性体では冷涼効果がない。例えば、d−ネオメントールは、約25,000ppbの冷涼閾値を有し、l−ネオメントールは、約3,000ppbの冷涼閾値を有すると報告されている。〔R.Emberger and R.Hopp,「Synthesis and Sensory Characterization of Menthol Enantiomers and Their Derivatives for the Use in Nature Identical Peppermint Oils,」Specialty Chemicals(1987),7(3),193〜201〕。この研究は、冷涼及び新鮮さ並びにこれらの分子の活性に対する立体化学の影響の観点からI−メントールの優れた知覚特性を実証した。
【0038】
合成冷感剤のうち、多くは、メントールの誘導体であるか、又はメントールと構造的に関連する。すなわち、シクロヘキサン部分を含有し、カルボキサミド、ケタール、エステル、エーテル及びアルコールを含む官能基で誘導体化される。例には、「WS−3」として商用的に既知のN−エチル−ρ−メンタン−3−カルボキサミド等のρ−メンタンカルボキサミド化合物、並びにWS−5(N−エトキシカルボニルメチル−ρ−メンタン−3−カルボキサミド)、及びWS−14(N−tert−ブチル−ρ−メンタン−3−カルボキサミド)等の系列内の他のものが挙げられる。メンタンカルボキシエステルの例には、WS−4及びWS−30が挙げられる。メントールと構造的に無関係の合成カルボキサミド冷却剤の例は、「WS−23」として既知のN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタナミドである。合成冷感剤の追加の例には、全てTakasagoから入手可能なTK−10として既知の3−(1−メントキシ)−プロパン−1,2−ジオール、イソプレゴール(商標名Coolact P)、及びρ−メンタン−3,8−ジオール(商標名Coolact 38D)等のアルコール誘導体、MGAとして既知のメントングリセロールアセタール、メンチルアセテート、メンチルアセトアセテート、Haarmann and Reimerによって供給されるFrescolat(登録商標)として既知のメンチルラクテート、及びV.Maneからの商標名Physcoolのモノメンチルスクシネート等のメンチルエステルが挙げられる。TK−10は、Amanoらの米国特許第4,459,425号に記載されている。メントールの他のアルコール及びエーテル誘導体は、例えば、第GB 1,315,626号及び米国特許第4,029,759号、同第5,608,119号、及び同第6,956,139号に記載されている。WS−3及び他のカルボキサミド冷却剤は、例えば、米国特許第4,136,163号、第4,150,052号、第4,153,679号、第4,157,384号、第4,178,459号及び第4,230,688号に記載されている。追加のN−置換ρ−メンタンカルボキサミドは、国際公開第WO 2005/049553A1号に記載されており、N−(4−シアノメチルフェニル)−ρ−メンタンカルボキサミド、N−(4−スルファモイルフェニル)−ρ−メンタンカルボキサミド、N−(4−シアノフェニル)
p−メンタンカルボキサミド、N−(4−アセチルフェニル)−ρ−メンタンカルボキサミド、N−(4−ヒドロキシメチルフェニル)−ρ−メンタンカルボキサミド、及びN−(3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−ρ−メンタンカルボキサミドが挙げられる。他のN−置換ρ−メンタンカルボキサミドには、N−((5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル)カルボニル)グリシンエチルエステル及びN−((5−メチル−2−(1−メチルエチル)シクロヘキシル)カルボニル)アラニンエチルエステル等の国際公開第WO 2006/103401号、並びに米国特許第4,136,163号、同第4,178,459号、及び同第7,189,760号に開示されるもの等のアミノ酸誘導体が挙げられる。グリシン及びアラニン等のアミノ酸を含むメンチルエステルは、例えば、第EP 310,299号、並びに米国特許第3,111,127号、同第3,917,613号、同第3,991,178号、同第5,703,123号、同第5,725,865号、同第5,843,466号、同第6,365,215号、同第6,451,844号、及び同第6,884,903号に開示されている。ケタール誘導体は、例えば、米国特許第5,266,592号、同第5,977,166号、及び同第5,451,404号に記載されている。メントールに構造的には関連していないが、同様の生理学的冷涼効果を有すると報告されている追加の剤には、3−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オン(3−MPC)、5−メチル−2−(1−ピロリジニル)−2−シクロペンテン−1−オン(5−MPC)、及び2,5−ジメチル−4−(1−ピロリジニル)−3(2H)−フラノン(DMPF)を含む、米国特許第6,592,884号に記載されるα−ケトエナミン誘導体、WeiらのJ.Pharm.Pharmacol.(1983),35:110〜112に記載されるイシリン(AG−3−5、化学名1−〔2−ヒドロキシフェニル〕−4−〔2−ニトロフェニル〕−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン−2−オンとしても既知)が挙げられる。メントール及び合成冷感剤の冷感剤活性に関する論評には、H.R.WatsonらのJ.Soc.Cosmet.Chem.(1978),29,185〜200、及びR.Eccles,J.Pharm.Pharmacol.,(1994),46.618〜630が挙げられる。
【0039】
IV.封入状活性剤
一実施形態では、本発明の皮膚係合部材は、少なくとも1つの封入状活性剤を更に含む。封入状活性剤は、上述される抗刺激性剤、耐熱性スキンケア活性剤、又は冷却剤等の別のスキンケア組成物であることができる。一実施形態では、前記少なくとも1つの封入状活性剤の量(カプセル及び封入状活性剤の重量を含む)は、前記皮膚係合部材の約0.01重量%〜約50重量%、あるいは約10重量%〜約45重量%、あるいは約15重量%〜約35重量%である。封入状活性剤は、同一の成分又は異なる成分を含有することができる。また、封入状活性剤は、成分の混合物を含むこともできる。
【0040】
米国特許第5,653,971号、及び同第5,713,131号に記載されるもの等のシクロデキストリン包接錯体、並びに/又は別の封入技術で封入状にすることができる。本発明の抗刺激性剤を、純成分として(組成物への直接添加物として)、及び/又は封入状で含むことができる。一実施形態では、抗刺激性剤のうちの1つ以上は、純形態及び封入状の両方で存在することができる。一実施形態では、抗刺激性剤のうちの1つは、純形態であることができ、別の抗刺激性剤は、カプセルであることができる。
【0041】
一実施形態では、封入状活性剤は、2つ以上の冷却剤、例えばL−メントール+メンチルラクテート(Frescolat ML)、L−メントール+メントングリセリンアセタール(Frescolat MGA)、又はL−メントール+Coolact 10を含む。更に別の実施形態では、封入状活性剤は、少なくとも1つの冷却剤及び芳香剤、鉱物油、又はこれらの組み合わせを含む。別の実施形態では、冷却剤は、国際公開第WO 2007115593号に記載されるもの等のメントールとメンチルラクテートとの混合物(Fresocolat Plusとして市販される)、又は米国特許第6,897,195号に記載される、重量比が1:4〜4:1の範囲のメントールとメンチルラクテートとの共融混合物を含むことができる。
【0042】
利用することができる好適な冷却剤には、メンチルラクテート、メンチルエトキシアセテート、メントングリセリンアセタール、3−1メントキシプロパン−1,2−ジオール、エチル1−メンチルカーボネート、(IS、3S,4R)−p−メント−8−エン−3−オル、メンチルピロリドン25カルボキシレート、例えば、N−エチル−pメンタン−3−カルボキサミドを含むN−置換−p−メンタン−3−カルボキサミド(参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,136,163、号に記載される)、非環式カルボキサミド等の不揮発性メントール類似体が挙げられる。
【0043】
シクロデキストリン包接錯体に利用可能である好適な皮膚無痛化剤は、メントール、樟脳、オイゲノール、ユーカリプトール、サフロール、サリチル酸メチル、及び前述のメントール類似物を含む。任意の好適なシクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、メチル−β−シクロデキストリン、及びアセチル−β−シクロデキストリン等のα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、及び修飾シクロデキストリンを含む包接錯体を形成するように利用されてもよい。好ましいシクロデキストリンは、β−シクロデキストリン及びγ−シクロデキストリンである。
【0044】
マトリックス材料がシクロデキストリン包接錯体を含むとき、マトリックス材料はまた有利には、水と接触すると包接錯体中の皮膚鎮静剤と置換し、それによって使用中に皮膚係合部材材料からの皮膚鎮静剤の放出を促進する置換剤も、最大65約10重量%、好ましくは約2〜7重量%含んでよい。置換剤は、シクロデキストリンと、皮膚鎮静剤と形成される錯体よりも安定な錯体を形成できる物質であり、したがって、皮膚係合部材が水と接触すると、錯体中の皮膚鎮静剤と置換される。好適な置換剤は、界面活性剤、安息香酸、及び特定のアミン(例えば、尿素)を含む。前述の冷却剤、シクロデキストリン包接錯体、及び置換剤に関する更なる詳細は、米国特許第5,653,971号、及び同第5,713,131号に見出すことができる。
【0045】
シクロデキストリン包接錯体以外の封入技術の非限定的な例には、米国特許第7,115,282号に記載されるナノ及びマイクロ粒子が挙げられる。本発明のナノ粒子は本来疎水性である。一実施形態では、ナノ粒子は、約0.01マイクロメートル〜約10マイクロメートル、又は約0.05マイクロメートル〜約5マイクロメートル、又は約0.1マイクロメートル〜約2マイクロメートルの範囲の平均直径を有する。任意の個々の粒子のこの線寸法は、粒子表面上の2点を結んだ最長の直線の長さを表す。一実施形態では、一部のナノ粒子が1つ以上の感水性マイクロ粒子内に封入される。一実施形態では、皮膚係合部材に存在する大部分のナノ粒子が、かかる感水性マイクロ粒子内に封入される。マイクロ粒子は、約2.0マイクロメートル〜約100マイクロメートル、又は20マイクロメートル〜約100マイクロメートルの平均粒径を有する。
【0046】
一実施形態では、封入状活性剤中の活性剤又は複数の活性剤の量は、ナノ粒子の約20重量%〜約90重量%、好ましくは約30重量%〜約75重量%の範囲である。一実施形態では、封入状活性剤中の活性剤又は複数の活性剤の量は、マイクロ粒子の約10重量%〜約60重量%、又は約30重量%〜約50重量%の範囲である。また、最低10重量%、最低5重量%、又は最低1重量%等、より少ない量の封入状活性剤を使用することもできる。
【0047】
V.マトリックス材料
皮膚係合部は、中に前記少なくとも1つの抗刺激性剤が存在するマトリックス材料を更に含む。上述されるように、剤を純形態で含むことができる、又は剤を封入することができる。マトリックス材料は、固体ポリマーマトリックス又は皮膚軟化剤の形状であってよい。
【0048】
g.固体ポリマーマトリックス
一実施形態では、皮膚係合部材は、約150℃〜約250℃の融点を有する水溶性ポリマー材料と、任意に非水溶性ポリマー材料とを含む、固体ポリマーマトリックスを含む。一実施形態では、マトリックスは、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシメタクリレート、ポリビニルイミダゾリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(polyhydroxyethymethacrylate)、シリコーンポリマー、及びこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、水溶性ポリマーを含む。一実施形態では、かかる水溶性ポリマーは、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0049】
一実施形態では、皮膚係合部材は、Gillette、Schick、又はBICのかみそりカートリッジで使用されるもの等の市販される皮膚係合部材に一般に見られる任意の他の成分を含む。そのような皮膚係合部材の非限定的な例には、米国特許第6301785号、同第6442839号、同第6298558号、同第6302785号、並びに米国特許公開第2008/060201号、及び同第2009/0223057号に開示されるものが挙げられる。一実施形態では、皮膚係合部材は、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルイミダゾリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、シリコーンコポリマー、スクロースステアレート、ビタミンE、石鹸、界面活性剤、パンテノール、アロエ、ポリエチレングリコール等の可塑剤;髭軟化剤;シリコーンオイル、Teflon(登録商標)ポリテトラフルオロエチレン粉末(DuPontによって製造される)、及びワックス等の更なる滑沢剤;メントール、樟脳、オイゲノール、ユーカリプトール、サフロール、及びサリチル酸メチル等の精油;Hercules Regalrez 1094及び1126等の粘着付与剤;不揮発性冷却剤、皮膚鎮静剤とシクロデキストリンとの包接錯体;芳香剤;かゆみ止め/反対刺激性材料;レゾルシノール等の抗菌性/角質溶解性材料;Candillaワックス及びグリシルレチン酸等の抗炎症剤;硫酸亜鉛等の収斂剤;プルロニック及びイコノール(iconol)材料等の界面活性剤;スチレン−b−EOコポリマー等の相溶剤;鉱物油、ポリカプロラクトン(PCL)、並びにこれらの組み合わせからなる群から選択される皮膚係合部材成分を更に含む。
【0050】
水溶性ポリマーは好ましくは、皮膚係合部材の少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、マトリックスの最大約99重量%、又は最大約90重量%含まれる。より好ましい水溶性ポリマーは、POLYOX(Dowから入手可能)又はALKOX(Meisei Chemical Works,Kyoto,Japanから入手可能)として広く知られるポリエチレンオキシドである。これらのポリエチレンオキシドは好ましくは、約100,000〜600万、最も好ましくは約300,000〜500万の分子量を有するであろう。最も好ましいポリエチレンオキシドは、約40〜80%の約500万の平均分子量を有するポリエチレンオキシド(例えば、POLYOX COAGULANT)と、約60〜20%の約300,000の平均分子量を有するポリエチレンオキシド(例えば、POLYOX WSR−N−750)とのブレンドから成る。また、ポリエチレンオキシドブレンドは、有利に、最大約10重量%のPEG−100等の低分子量(即ち、MW<10,000)ポリエチレングリコールも含有する。
【0051】
一実施形態では、マトリックスは更に、約0.5%〜約50%、好ましくは約1%〜約20%のポリカプロラクトン(好ましくは分子量が30,000〜60,000ダルトン)を含む。米国特許第6,302,785号を参照のこと。
【0052】
別の実施形態では、皮膚係合部材は、ポリエチレングリコール等の低分子量水溶性放出促進剤(MW<10,000、例えば、1〜10重量%のPEG−100)、架橋ポリアクリル等の水膨潤性放出促進剤(例えば、2〜7重量%)、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、ビタミンE、アロエ、冷却剤、精油、髭軟化剤、収斂剤、薬剤等の他の従来の皮膚係合部材成分を含有してもよい。皮膚係合部材及び/又はかみそりカートリッジが有効耐用期間又は最適性能の限界に達したことの指標を使用者に提供するように、着色剤を含有する部分を、着色剤を放出する(例えば、浸出又は摩擦によって)ように設計し、それによって剃毛中に、好ましくは色付き部分が摩耗するとストリップが変色するようにすることができる。その部分は、例えば、約0.1重量%〜約5.0重量%(好ましくは約0.5重量%〜3重量%)の染料を含有してもよい。
【0053】
マトリックスは更に、水溶性ポリマーが分散される非水溶性ポリマーを含んでよい。好ましくは、皮膚係合部材の約0重量%〜約50重量%、より好ましくは約5重量%〜約40重量%、最も好ましくは約15重量%〜約35重量%の濃度で非水溶性ポリマーを含む。使用され得る好適な非水溶性ポリマーには、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリスチレン(PS)、ブタジエン−スチレンコポリマー(例えば、中及び高耐衝撃性ポリスチレン)、ポリアセタール、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー、エチレンビニルアセテートコポリマー、ポリウレタン、並びにこれらのブレンド、例えば、ポリプロピレン/ポリスチレンのブレンド、又はポリスチレン/耐衝撃性ポリスチレンのブレンドが挙げられる。
【0054】
好ましい1つの非水溶性ポリマーは、ポリスチレン、好ましくはIneosからのStyrenics 5410(即ち、ポリスチレン−ブタジエン)等の汎用ポリスチレン又はBASF 495F KG21等の高耐衝撃性ポリスチレンである。ストリップ又はいずれかの部分は、生産中及び使用中の双方において、適正な機械的強度をもたらすために、十分な量で非水溶性ポリマーを含有する必要がある。
【0055】
VI.除毛ヘッド
除毛装置は通常、除毛ヘッドと、除毛ヘッドが取り付けられるハンドル、つまり把持部とを含む。除毛装置は、手動又は電動であってよく、湿式及び/又は乾燥用途で用いてよい。除毛ヘッドは、除毛装置が脱毛器具と共に使用される場合は幅広いこすり落とし表面を含み得、又は装置が剃毛かみそりである場合はかみそりカートリッジを含み得る。除毛ヘッドは、交換可能であり得る、又はカートリッジ連結構造体に枢動可能に接続され得る。一態様では、カートリッジ連結構造体は、除毛ヘッドを解除可能に係合するために少なくとも1つのアームを含む。
【0056】
除毛ヘッドは、第1の末端部と第2の末端部との間に位置する1つ以上の伸長縁部であって、かかる第1の末端部に向かって延びる先端部を含む、1つ以上の伸長縁部を含む。除毛ヘッドがかみそりカートリッジである場合、1つ以上の伸長縁部はブレードを含んでよい。例えば、米国特許第7,168,173号は、複数のブレードを伴うかみそりカートリッジを含む、Gillette Companyから市販されるFusion(登録商標)かみそりを概略的に記載する。加えて、かみそりカートリッジは、ガード並びに皮膚係合部材を含んでもよい。様々なかみそりカートリッジが本発明に従って使用可能である。フィン、ガード、及び/又は剃毛補助剤を伴う、及び伴わない好適なかみそりカートリッジの非限定的な例には、The Gillette CompanyによってFusion(登録商標)、Venus(登録商標)製品ラインで販売されるもの、並びに米国特許第7,197,825号、同第6,449,849号、同第6,442,839号、同第6,301,785号、同第6,298,558号、同第6,161,288号、及び米国特許公開第2008/060201号に開示されるものが挙げられる。当業者は、本皮膚係合部材を、1枚、2枚、3枚、4枚、若しくは5枚のブレードを有するものを含む、任意の現在販売されているシステム又は使い捨てかみそりと共に使用することができることを理解するであろう。除毛装置の別の例は、除毛組成物、すなわち脱毛剤と使用するこすり落とし縁部である。
【0057】
一実施形態では、かかる少なくとも1つの皮膚係合部材は、除毛プロセス中に皮膚と接触するカートリッジの部分上で、ブレード前方及び/又は後方に位置する。1つ以上の伸長縁部の「前方」にある機構は、例えば、除毛装置で処理される表面が伸長縁部と接触する前にその機構に接触するように配置される。伸長縁部の「後方」にある機構は、除毛装置で処理される表面が伸長縁部と接触した後にその機構に接触するように配置される。複数の皮膚係合部材が除毛装置上に提供される場合、同じ又は異なり得る。異なっているとは、異なる担体、異なる皮膚係合部材を有する、又はシース及び組成物の両方が異なっていることを意味する。
【0058】
一実施形態では、カートリッジは、使用者の皮膚に係合するための少なくとも1つの伸長された可撓性突出を含むガードを含む。一実施形態では、少なくとも1つの可撓性突出は、前記1つ以上の伸長された縁部に一般に平行である可撓性フィンを含む。別の実施形態では、かかる少なくとも1つの可撓性突出部は、かかる1つ以上の伸長縁部と概ね平行ではない少なくとも1つの部分を含む可撓性フィンを含む。好適なガードの非限定的な例には、現在のかみそりのブレードで使用されるもの、並びに米国特許第7,607,230号及び同第7,024,776号(エラストマー/可撓性フィンバーを開示する)、米国特許公開第2008/0034590号(湾曲ガードフィンを開示する)、同第2009/0049695A1号(上表面と下表面との間に延在する少なくとも1つの通路を形成するガードを有するエラストマーガードを開示する)に開示されるものが挙げられる。一実施形態では、かかる皮膚係合部材は、カートリッジ上のガードの後方かつかかる伸長縁部の前方に位置する。別の実施形態では、皮膚係合部材は、カートリッジ上のガードの前方に位置する。この実施形態は、ガードと接触する前に皮膚係合部材を供給するのに特に有用であり得る。
【0059】
VII.製造方法
本発明の皮膚係合部材は、押出成形、又は射出成形、圧縮、超音波若しくは高周波焼結、及びスロットコーティング等の別の高温処理によって製造される。一実施形態では、本発明の抗刺激性剤を含む皮膚係合部材を、別の剃毛補助剤で更にコーティングすること、又はそれに別の剃毛補助剤を積層することができる。一実施形態では、成形又は押出成形の前に、抗刺激性剤を含むストリップの構成要素の全てをブレンドすることができる。構成要素は、自由流動粉末であることが好ましい可能性があるが、しかしながら、液体皮膚活性剤が、ストリップ内の粉末形態の他の構成要素の1つ以上に吸収されてもよい。
【0060】
ブレンドされた構成要素は、約6.89〜13.79MPa(1000〜2000psi)のバレル圧、約10〜50rpmのローター速度、並びに約150℃〜185℃の温度及び約170℃〜185℃のダイ温度を伴う、Haake System 90、1.91cm(3/4インチ)の直径の押出成形機を通して押出成形されてもよい。あるいは、175℃〜200℃、好ましくは185℃〜190℃の処理温度、20〜50rpm、好ましくは25〜35rpmのスクリュー速度、12.41〜34.47MPa(1800〜5000psi)、好ましくは13.79〜24.13MPa(2000〜3500psi)の押出圧力を伴う、3.18cm(1 1/4インチ)の1軸スクリュー押出成形機が採用されてもよい。押出成形されたストリップは、約25℃まで空冷される。ストリップを射出成形するために、最初に粉末ブレンドをペレットに押出成形することが好ましい。これは、3.18又は3.81cm(1 1/4又は1 1/2インチ)の1軸押出成形機において、温度120℃〜180℃、好ましくは140℃〜150℃、スクリュー速度20〜100rpm、好ましくは45〜70rpmで実施できる。次に、任意にホットランナシステムを備えた1個取キャビティ又は多数個取キャビティであってよい、単一材料成形又は多材料成形機のいずれかでペレットを成形する。処理温度は、165℃〜250℃、好ましくは180℃〜225℃であってよい。射出圧は、勢いよく流れ出ることなく完全にかかる部分を充填するのに十分であるべきである。キャビティ寸法、形状、及び数に応じて、射出圧は2.07〜17.24MPa(300〜2500psi)の範囲であってよい。サイクル時間は、同じパラメータに依存し、3〜30秒、最適には通常約6〜15秒の範囲であってよい。一実施形態では、1つ以上の投入物を予熱することができる、又はそれらを周囲温度で投入することができる。
【0061】
VIII.図の詳細
図1及び
図2を参照すると、かみそりカートリッジ14はハウジング16を含み、このハウジング16は3枚のブレード18、フィン付きエラストマーガード20、及びカートリッジの皮膚係合部分(この場合はキャップ)上に配置された皮膚係合部材22を含む。皮膚係合部材22は2層を有するように示され、第1の層はマトリックス及び本発明の封入状活性剤であってよく、第2の層は従来の剃毛補助剤であってよく、又はその逆であってよい。皮膚係合部材は、好ましくは、開口部に、又はプレート若しくはカートリッジの背面の他の平らな表面上に係止される(接着剤、取り付け具、又は溶融接合を介して)。
図3に示す皮膚係合部材32は、皮膚係合部材32が全体的に均質な組成物、及び均一でわずかに湾曲した上部平面を有すること以外は、皮膚係合部材22と同様である。
【実施例】
【0062】
以下の実施例は、本発明に従って作製される。実施例のそれぞれは、0.5%〜約3%等の様々な量のジンクピリチオン等の抗刺激性剤を含むことができる。また、そのような実施例に、1%〜約5%の量の酸化亜鉛も含むことができる。また、上記に開示される様々な他の量も使用することができる。
【0063】
(実施例1)
【表1】
【0064】
(実施例2)
【表2】
【0065】
(実施例3)
【表3】
【0066】
(実施例4)
【表4】
【0067】
(実施例5)
【表5】
【0068】
GC−MSを介して分子生存を測定
実施例1又は2等の皮膚係合部材を含有するペプチドの分子生存を試験することができる。更に、Pal−GHKを含む試料皮膚係合部材を試験することができる。ペプチドは、皮膚係合部材から、50/50/1のメタノール/水/ギ酸中で120分間超音波分解することによって抽出される。マトリックス干渉を評価するために、対照皮膚係合部材(ペプチドを含まないが、全ての他の成分を同一の割合で含む)に試料手順を実施する。Waters XBridge Phenylカラム(2.1×50mm、2.5μm粒子)等の適切なカラムで、ペプチド(即ち、Pal−GHK)の逆相液体クロマトグラフィーを行う。陽イオンモードの多重反応モニタリング(MRM)MS/MS条件の下で動作する質量分析によって、検出及び定量化を行う。
【0069】
Net−DGは、実施例3の皮膚係合部材から、メタノール中で120分間超音波分解することによって抽出することができる。加えて、マトリックス干渉を評価するために、対照皮膚係合部材に、同一の手順を実施する。Waters XBridge Shield RP18カラム(2.1×50mm、2.5μm粒子)等の適切なカラムで、Net−DGの逆相液体クロマトグラフィーを行う。陽イオンモードの多重反応モニタリング(MRM)MS/MS条件の下で動作する質量分析によって、検出及び定量化を行う。
【0070】
OliveMの構成要素は、実施例4の皮膚係合部材から、メタノール中で120分間超音波分解することによって抽出することができる。加えて、マトリックス干渉を評価するために、Olivemを含まない対照皮膚係合部材に、同一の手順を実施する。Ace 5 C8カラム(2.1×50mm、5μm粒子)等の適切なカラムで、OliveM構成要素の逆相液体クロマトグラフィーを行う。陽イオンモードの多重反応モニタリング(MRM)MS/MS条件の下で動作する質量分析によって、検出及び定量化を行う。
【0071】
Ceramidoneは、実施例5の皮膚係合部材から、メタノール中で例えば120分間超音波分解することによって抽出することができる。マトリックス干渉を評価するために、対照皮膚係合部材(Ceramidoneを含まない)に、試料手順を実施した。Waters XBridge Shield RP18カラム(2.1×50mm、2.5μm粒子)等の適切なカラムで、Ceramidoneの逆相液体クロマトグラフィーを行う。陽イオンモードの多重反応モニタリング(MRM)MS/MS条件の下で動作する質量分析によって、検出及び定量化を行う。
【0072】
本明細書の全体を通じて与えられる全ての最大の数値限定は、それよりも小さい数値限定を、そうしたより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているものと同様にして包含するものと理解すべきである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての最小の数値限定は、それよりも大きい全ての数値限定を、そうしたより大きい数値限定が恰も本明細書に明確に記載されているものと同様にして包含するものである。本明細書の全体を通じて与えられる全ての数値範囲は、そうしたより広い数値範囲に含まれる全てのより狭い数値範囲を、そうしたより狭い数値範囲の全てが恰も本明細書に明確に記載されているものと同様にして包含するものである。
【0073】
特に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、及び請求の範囲における全ての部、比、及び百分率は重量基準であり、全ての数値限定は、当該技術分野により提供される通常の程度の精度で使用される。
【0074】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0075】
「発明を実施するための形態」において引用する全ての文献は、その関連部分において参照として本明細書に組み込まれるものであるが、いずれの文献の引用も、こうした引用が本発明の先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照によって組み込まれる文書における意味又は定義と対立する限りにおいて、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義を優先するものとする。特に指定のない限り、前置詞の「a」、「an」、及び「the」は「1つ以上」を意味する。
【0076】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。