(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770382
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】オイルを通さない作動槽を有するホーニング加工機
(51)【国際特許分類】
B23F 19/05 20060101AFI20150806BHJP
B24B 33/04 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
B23F19/05
B24B33/04
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-530223(P2014-530223)
(86)(22)【出願日】2012年9月13日
(65)【公表番号】特表2014-530110(P2014-530110A)
(43)【公表日】2014年11月17日
(86)【国際出願番号】EP2012067968
(87)【国際公開番号】WO2013037897
(87)【国際公開日】20130321
【審査請求日】2014年5月8日
(31)【優先権主張番号】102011082869.9
(32)【優先日】2011年9月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507195508
【氏名又は名称】フェルゾマート・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100173521
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 淳司
(74)【代理人】
【識別番号】100062317
【弁理士】
【氏名又は名称】中平 治
(74)【代理人】
【識別番号】100153419
【弁理士】
【氏名又は名称】清田 栄章
(72)【発明者】
【氏名】イェーガー・ヘルムート・エフ
【審査官】
村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第102005005993(DE,A1)
【文献】
独国特許出願公開第10011941(DE,A1)
【文献】
特開2002−126967(JP,A)
【文献】
米国特許第6164881(US,A)
【文献】
特開2004−042178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23F 19/05
B24B 33/04
B23Q 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホーニング加工機(1)であって、
スピンドルネック(3b)及びスピンドルヘッド(3a)を有する、モーターにより移動可能な工作物スピンドル(3)を含み、
ホーニングリング(23)の為のツールスピンドル(4)を含み、および、
この中に工作物スピンドル(3)およびツールスピンドル(4)が配置される機械ハウジング(2)を含むホーニング加工機(1)において、
機械ハウジング(2)内に作動槽(5)が配置されており、この作動槽がツールスピンドル(4)をオイルを通さないよう取り囲むこと、
作動槽(5)が、空所部(36)を有する窓部(35)を備え、その際、工作物スピンドル(3)がスピンドルヘッド(3a)でもって空所部(36)を通って作動槽(5)内へと導入可能であるので、工作物スピンドル(3)のスピンドルネック(3b)が、空所部(36)をオイルを通さないよう密閉すること、
および窓部(35)が作動槽(5)にオイルを通さないようスライド可能に支承されているので、窓部(35)が、工作物スピンドル(3)の調節動作(ZU)の間、ツールスピンドル(4)に対して相対的に連行され、その際、ツールスピンドル(4)が、ホーニングリング(24)の為のポット形状のホルダー(20)を備え、その際、ポット形状のホルダー(20)の開かれた側(OS)が空所部(36)の方に向けられ、およびポット形状のホルダー(20)の開かれた側(OS)と反対側の閉じられた側(GS)が、ツールスピンドル(4)の駆動モーター(30)に固定されていることを特徴とするホーニング加工機(1)。
【請求項2】
ツールスピンドル(4)が、そのスピンドル軸(VA)に関して垂直方向に向けられていることを特徴とする請求項1に記載のホーニング加工機(1)。
【請求項3】
作動槽(5)が、作動ホッパーとして形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のホーニング加工機(1)。
【請求項4】
作動ホッパーが、好ましくは、中央下方のオイル排出部(33)を備えることを特徴とする請求項3に記載のホーニング加工機(1)。
【請求項5】
作動槽(5)の内部室が、ツールスピンドル(4)によって作動槽(5)内に必要とされる空間の最大3倍、好ましくは2倍の大きさであることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のホーニング加工機(1)。
【請求項6】
作動槽(5)が爆発開放配管(14)に接続されており、特にその際、爆発開放配管(14)が、ホーニング加工機(1)の上の領域に案内されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のホーニング加工機(1)。
【請求項7】
工作物スピンドル(3)が、スピンドルヘッド(3a)にほじされた工作物(9)が、10000回転/分またはそれ以上の回転数、好ましくは15000回転/分またはそれ以上の回転数で回転するよう形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のホーニング加工機(1)。
【請求項8】
ホーニング加工機(1)が、電気制御装置(8)を備え、この電気制御装置によって少なくとも、工作物スピンドルの回転数と移動動作が制御可能であること、
および、電気制御装置(8)が、工作物スピンドル(3)のスピンドルヘッド(3a)に保持された工作物(9)のホーニング処理の後に、工作物(9)をオイルを通さない作動槽(5)内で高回転数で乾燥するためにプログラムされていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のホーニング加工機(1)。
【請求項9】
電気制御装置(8)が、工作物(1)の乾燥の際に、先行する工作物(9)のホーニング処理の際よりもより高回転数を駆動するようプログラムされていることを特徴とする請求項8に記載のホーニング加工機(1)。
【請求項10】
電気制御装置(8)のプログラムに従った請求項8または9に記載のホーニング加工機(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホーニング加工機に関する。当該ホーニング加工機は、スピンドルネックとスピンドルヘッドを有するモーターにより移動可能な工作物スピンドル、ホーニングリングの為のツールスピンドル、および工作物スピンドルとツールスピンドルがこの中に配置される機械ハウジングを含む。
【背景技術】
【0002】
そのようなホーニング加工機は、例えば会社PRAEWEMA Antriebstechnik(駆動技術)GmbH社のパンフレット(ドイツ国Eschwege/Werra町にて出版)から公知である。
【0003】
ホーニングの際、例えば歯車、またはギアのようなかみ合せられる工作物においては、歯面がいわゆるホーニングリングに押付けられる。このホーニングリングはしばしばセラミック材料からなるか、またはセラミック材料によりコーティングされている。これによって工作物の歯面の材料が、取り去られる。ホーニングリングは、円形状の基礎形状を有しており、そしてその放射方向内側に向けられた側に歯面を有している。工作物とホーニングリングの押付けの間、ホーニングリングはツールスピンドルにより回転する。同様に工作物も工作物スピンドルにより回転する。
【0004】
ホーニングリングと工作物の押付けの際に、多大な熱が発生する。ホーニングリングと工作物の過加熱を防止するために、これらはオイルによって冷却される。その際、オイルはホーニングリングと工作物の接触領域に高圧で噴射される。オイルは、その際同時に、旋削くずおよび摩耗くずを押し流す。
【0005】
高速で回転するホーニングリングと更に高速で回転する工作物へのオイルの噴射によって、細かい油霧が発生する。この油霧は、ホーニング加工機内に広まり、そして実質手金いホーニング加工機内全体、例えば、機械ハウジングの内壁および天井部に付着する。工作物は、ホーニング処理の後、しばしばオイルにより湿っており、および場合によっては更なる処理の前に洗浄を受ける必要がある。ホーニング加工機は、全体として、生産ライン中で著しい汚染源になり得る。
【0006】
例えば「SynchroFine 205 HS」のような先行技術(上記参照)では、中間壁によってホーニング加工機の部分、例えば工作物供給の領域がツールスピンドルに関して陰にされ、油霧の拡散を抑える。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】パンフレット「SynchroFine 205 HS」、PRAEWEMA Antriebstechnik GmbH社、ドイツ国出版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題について。本発明の課題は、油霧の拡散をより良好に抑えるホーニング加工機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の簡単な説明。本発明の課題は、冒頭に記載した形式のホーニング加工機によって解決される。このホーニング加工機は、機械ハウジング内に作動槽が配置されおり、この作動槽がツールスピンドルをオイルを通さないよう取り囲んでいること、
作動槽が、空所部を有する窓部を有し、その際工作物スピンドルが、スピンドルヘッドでもって空所部を通って作動槽内に導入可能であるので、工作物スピンドルのスピンドルネックが空所部をオイルを通さないよう密閉すること、
および、窓部が、作動槽にオイルを通さないようスライド可能に支承されているので、窓部が工作物スピンドルの調節動作の間、ツールスピンドルに対して相対的に連行されることにおいて際立っている。
【0010】
本発明に従い、ツールスピンドルは作動槽により取り囲まれている。この作動槽が油霧をその内部室に制限する。作動槽は、その際、機械ハウジング内に配置されており、および機械ハウジングと独立して形成されている。
【0011】
工作物スピンドルまたは、これに担持される工作物の作動槽に対するアクセスの為に、空所部(開口部)を有する窓部が設けられている。空所部内には、工作物スピンドルが固定された工作物と共に導入されるので、スピンドルネックは、空所部を完全にオイルを通さないよう密閉する。スピンドルネックが開口部を密閉している限り、例えば本来のホーニング処理の際にオイルをホーニングリングと工作物の接触領域へ噴射すること、または工作物からオイルを取り去ることなど、作動室内では油霧を伴う過程が行われる。工作物スピンドルは、導入された状態において、ホーニングリングに対する調整動作の為に必要な動作自由度を有している、というのは窓部がその他の作動槽にスライド可能に支承されているからである。
【0012】
オイルシール性を確立するために、窓部の空所部の縁部には、および窓部の支承部の領域中には、例えばゴム製のシールが設けられていることが可能である。工作物タイプの交換の際または摩耗の際にホーニングリングを交換することができるよう、作動槽は、典型的には更に取り外し可能なカバーをまたはドア部を有する。このカバーまたはドア部もまた、例えばゴム製のシールによって隙間をふさがれていることが可能である。作動槽は、典型的には完全にまたは部分的に薄板、特に薄鋼板から製造されている。
【0013】
オイルを通さない作動槽によって、油霧が、機械ハウジングの内壁または天井部へ付着することが防止されることが可能である。オイルの付着または堆積は、作動槽の内部領域に制限されることが可能である。工作物スピンドルによって密閉される窓部の空所部のもと、作動槽の内部でのオイルの分離によって、その上、簡単な方法で極めてクリーンな工作物が得られる。このことはホーニング処理に引き続くプロセスにとってしばしば有利である。
【0014】
油霧を作動槽の内部室に制限することによって、ホーニング加工機の大部分もが、オイル・空気混合物の爆発の危険性から保護される。作動室を機械ハウジング内に配置することによって、機械ハウジングの壁部および天井部は、爆発の際に追加的に保護壁として機能する。
【0015】
本発明の有利な実施形。発明に係るホーニング加工機の有利な実施形において、ツールスピンドルはそのスピンドル軸に関して垂直方向に向けられている。これは、工作物スピンドルの支承を簡単にし、そしてツールスピンドルは特に簡単にピックアップ工程中に、そのスピンドル軸でもって同様に垂直方向に向けられた工作物スピンドルによって供給されることが可能である。
【0016】
作動槽が作動ホッパーとして形成されている一つの実施形は有利である。ホッパー形状(漏斗形状)のもと、モーターによる駆動部(例えば電動モーター)はスペース省略的に漏斗の狭められた領域中に配置されることが可能である。狭い漏斗領域は、典型的には下に向か合っており、この場合使用されたオイルが簡単に集められることが可能である。
【0017】
作動ホッパーが、好ましくは中央下方のオイル排出部を備えるこの実施形の発展形は有利である。下方のオイル排出部を通して使用されたオイルは簡単に除去されることができる。(放射方向で)中央の位置は、実践において選択された。しかしまた、中央でない配置のオイル排出部も可能である。望まれる場合、除去されたオイルが洗浄または浄化の後に再びホーニングプロセス中に使用されることが可能である。
【0018】
ツールスピンドルがホーニングリングの為のポット形状のホルダーを備え、その際、ポット形状のホルダーの開かれた側が空所部の方に向けられ、ポット形状のホルダーの開かれた側と反対側の閉じられた側が、ツールスピンドルの駆動モーターに固定されている一つの実施形は特に有利である。これによって、特にホルダーの周回する側方部に放射方向外側に位置するモーターによって駆動されるホルダーと比較して、ツールスピンドルのコンパクトな構成が可能とされる。閉じられた側での駆動モーターの固定は、この実施形では典型的には、一つの軸を介して行われる。この軸は閉じられた側に形成されるか、または固定されている。作動ホッパーを使用する際に、その内部室が最善に利用されることが可能である。その上、閉じられた側を形成するホルダーの底部材内に、ホーニングリングを挟み込むための液圧システムの部分(部材)を収納することが可能である。これによって同様にコンパクトな構成があたえられる。底部材は、好ましくは連続的に形成される。しかしまた、空所部または孔部を有していることも可能である。そこ部材はホルダーを機械的に安定化している
。
【0019】
特に有利な実施形は、作動槽の内部室が、作動槽内でツールスピンドルによって必要とされる空間の最大3倍、好ましくは2倍の大きさであることを意図する。これによって、油霧によって汚染される可能性のある空間が小さく保たれる。ツールスピンドルによって取られる空間に対して約2倍の大きさを有する作動室の内部室は、実践で良好な経験をもたらした。すべての必要な部材は作動槽内に良好に収納されることが可能である。爆発によって基本的に危険にさらされる空間は、最小限となる。
【0020】
作動槽が、爆発開放配管に接続されており、特にその際、爆発開放配管がホーニング加工機の上の領域内に案内されている一つの実施形も有利である。爆発開放配管によって、作動室の壁部が爆発の場合に破裂し、または互いに裂けることが防止される。圧力波は、開放配管によって漏出することができる。これによって当該環境下の作業者が良好に保護される。ホーニング加工機の上(特にホーニング加工機が設置されている建物の屋根の領域中)には、通常作業者は滞在していない。これによって、そこに案内される爆発開放配管のもとでの安全性が再び高められる。
【0021】
スピンドルヘッドに保持される工作物を10000回転/分またはそれ以上、好ましくは15000回転/分またはそれ以上の回転数で回転するよう、工作物スピンドルが形成されている一つの実施形は有利である。この高い回転数により、工作物が乾燥されることが可能である。つまり、問題となる量のオイル(および汚染)はもはや工作物に留まらない。
【0022】
本発明に係るホーニング加工機の特に有利な実施形は、ホーニング加工機が電気制御装置を備え、この電気制御装置によって少なくとも、工作物スピンドルの回転数と移動動作が、制御されることが可能であること、
および電気制御装置が、工作物スピンドルのスピンドルヘッドに保持される工作物のホーニング処理の後、工作物をオイルを通さない作動槽内で高い回転数でもって乾燥するようプログラムされていることを意図する。ホーニング処理の際には、工作物はオイル(および汚染)でもって湿らされる。高い回転数での乾燥によって、工作物は乾燥され(そして浄化される)。その際、オイルは、作動槽の内部室内のみに分散し、(そして機械ハウジング内には分散されず、特に機械ハウジング壁部と機械ハウジング天井部には分散されない)。というのは、スピンドルネックが窓部の空所部を密閉しているからである。乾燥は、ホーニングリングとのかみ合い無しに行われる。本発明の枠内で、特に5000回転の回転数は高いものとして有効であり、有利には乾燥の際の回転数は少なくとも10,000回転/分である。
【0023】
この実施形の有利な発展形においては、電気制御装置が、工作物の乾燥の際に、先行する工作物のホーニング処理におけるよりも高い回転数が駆動されるようプログラムされている。これによって工作物の乾燥および洗浄が改善されることが可能である。望まれる場合、乾燥の際の乾燥(および洗浄)は、圧力空気の吹き込みによっても完全されることが可能である。その際、圧力空気は基本的にあらゆる回転数領域において使用することができるという点、注意されたい。
【0024】
同様に本発明の枠内に、上述した実施形またはその上述した発展形の、電気制御装置のプログラムに従う使用が含まれる。先行するホーニング処理の後の乾燥によって、特に清潔かつ乾燥した工作物が得られる。
【0025】
本発明の別のメリットは、明細書および図面から生じる。同様に、上述した特徴および更に説明される特徴は、発明に従いそれ自体個々で使用されることが可能であるし、または任意の組合せで使用されることが可能である。示された実施形および記載された実施形は、最終的列挙と理解されず、むしろ本発明の描写に対する例示的特徴を有している。
【0026】
本発明は図面に表されており、および実施例に基づき詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図2a】
図1の作動槽内のツールスピンドルの垂直方向簡略断面図。外に移動した工作物スピンドルを有する。
【
図2b】
図1の作動槽内のツールスピンドルの垂直方向簡略断面図。中に移動した工作物スピンドルを有するが、しかし工作物はホーニングリングとかみ合っていない。
【
図2c】
図1の作動槽内のツールスピンドルの垂直方向簡略断面図。中に移動した工作物スピンドルを有する。工作物スピンドルは、ホーニングリングとかみ合っている。
【
図3】
図2のツールスピンドルのポット形状のホルダーの水平方向簡略断面図。周回する液圧的シール要素の高さでの断面図。断面平面の下に位置する構造を追加的に記入してある。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、ホーニング加工機1を示す。このホーニング加工機は、工作物スピンドル3とツールスピンドル4を含んでいる。その際、ツールスピンドル4はオイルを通さない作動槽5内に配置されており、よって
図1では覆い隠されている。更に検査ステーション6、積載ステーションおよび電気制御装置8が含まれる。示された実施形においては、電気制御装置8と積載ステーション7の一部は、ホーニング加工機1の機械ハウジング2の外側に配置されている。他の構造グループは、機械ハウジング2内に配置されている。機械ハウジング2には、側壁部、天井部、および底プレートが属する。これらが、内部室IRを取り囲んでいる。
【0029】
積載ステーション7に詳細には記載されない方式で供給される工作物9は、積載ステーション7のベルトコンベアシステムによって、機械ハウジング2内の開口部10を通って内部室IRないへと連行される。そこで垂直方向に伸縮可能で、かつポータルシステム12上を水平方向に移動可能である把持部11によって工作物9は捕まれ、そして検査ステーション6へと連行され、そして検査ホルダー6a上に載置される。マスター歯車6bは、その後、検査ホルダー6a上の工作物9に水平方向で近づき、そしてこれに押付けられる。押付けの際のマスター歯車6bの移動位置から、工作物9の品質を推測することができる。更なる処理の為に不適切と判断された工作物9は、把持部11によって積載ステーション7へと戻って連行され、そして搬出される。
【0030】
ホーニング処理の為に適当と判断された工作物9は、工作物スピンドル3によってピックアップ工程中に掴まれ、ポータルシステム13の参加のもと(十字式可動台13aを有するので、工作物スピンドル3は水平方向および垂直方向に移動することができる)、位置固定的なツールスピンドル4へと連行され、そしてそこでホーニング処理を受ける(
図2a−2c参照)。引き続いて、工作物9は工作物スピンドル3からポータルシステム13によって積載ステーション7へと戻って連行されそして搬出される。
【0031】
電気制御装置8は、その際、積載ステーション7、検査ステーション6、ポータルシステム12を含む把持部11、ポータルシステム13を含む工作物スピンドル3(回転数および相対フェーズに関しても)、およびツールスピンドル4(回転数および相対フェーズに関しても)を管理する。破線で記入された監視回線および制御回線参照。電気制御装置は、工作物搬送のコーディネーション、ロール検査、および乾燥も含めたホーニング処理の実施(下記参照)を行う。電気制御装置8は、代替的構造では機械ハウジング2内に配置されることも可能である。
【0032】
ツールスピンドル4は、ここでは漏斗形状に形成された作動槽5内に配置されている。作動槽5は(工作物スピンドル3の為の空所部を例外とする。下記参照。)、全ての側に独自のオイルを通さない境界を有しており、好ましくはこれは薄鋼板製であり、および特に機械ハウジング2の壁部と壁部を共有していない(天井部および底プレートを含めて)。作動槽5はここでは調整フットの上に支承されている。作動槽5は、爆発開放配管14を有している。この爆発開放配管は、ホーニング加工機1の上に向かって案内されており、好ましくは、建物の天井を通過して戸外へと案内されている。
【0033】
図2aは
図1の作動槽5内のツールスピンドル4の領域を詳細に示す。
【0034】
ツールスピンドル4は、ポット形状のホルダー20を有している。このホルダーは、開かれた側OSが上に向けられ、および閉じられた側GSが下に向けられている。ポット形状のホルダー20は、底部材21および周回する側方部22を有している。周回する側方部22は、その内側に周回する、液圧式の延伸要素23を備えており、この延伸要素によってホーニングリング24が放射方向Rで挟み込まれ、そしてホルダー20内で中心合せされることが可能である。点で表された液圧媒体25の圧力が上昇する際、延伸要素23は放射方向内側に向かって伸ばされ、および反対のことが行われる。液圧媒体25の圧力は、調節要素(ここでは、液圧媒体25によって満たされた液圧チャンバー27の部分容積を決定する調節スクリュー)によって調節されることが可能である。液圧式の延伸要素23は、複数の液圧配管28によって液圧チャンバー27に接続されている。液圧チャンバー27、調節要素、および部分的に液圧配管28は、底部材21内に配置されている。その結果、ツールスピンドル4は、放射方向で(
図2aの水平方向)コンパクトに形成されることが可能である(液圧システムについて
図3も参照)。
【0035】
ホルダー20は、底側に軸29を有している。この軸にホルダー20が支承されており、およびこの軸を介してホルダー20が駆動モーター30、ここでは電動モーターにより駆動されることが可能である。ホルダー20(およびこれにともないホーニングリング24も)は、ホーニング処理の為に垂直軸VAを中心として回転する。ホルダー20内には、更に排出チャネル31が設けられている。この排出チャネルを通してオイルがポット形状のホルダー20から流出することが可能である。作動槽5は、オイルの為に中央下側の排出部33を有しており、これを通して湿潤オイルが排出することができる。
【0036】
作動槽5は、ホルダー20(軸29およびホーニングリング24を含む)および駆動モーター30を有するツールスピンドル4を漏斗状に取り囲んでいる。作動槽5の境界壁は、オイルを通さないよう形成されている。ツールスピンドル4(「ポット」内の、周回する側方部22によって取り囲まれた空間を含む)によって取られた作動槽5の内部室の部分容積は、ここではおよそ、作動槽5の内部室の全容積の半分に相当する。つまり作動槽5の内部室は、ツールスピンドル4によって必要とされる空間のおよそ二倍の大きさである。
【0037】
作動槽5の上側はカバー34により形成されている。このカバーは、通常運転中は詳細に説明されない方式で他の作動槽5にしっかりとオイルを通さないよう固定されており、およびホーニングリング24の交換の為に取り外されることができる。作動槽5は、その他にはドア部等を有さない。カバー34は、窓部35を有している。この窓部は、断面が両側でC字形状の支承部37内に水平方向Hにカバー34中にスライド可能に支承されている。カバー34は(窓部35を含み)、空所部(開口部)36を除いて、作動槽5の上方の領域をオイルを通さないよう密閉する。
【0038】
空所部36を通して工作物スピンドル3が作動槽5内に導入されることが可能である。この為、工作物9を担持する工作物スピンドル3のスピンドルヘッド3aが、まず空所部36内へと進入する。
図2aにしめされた状況においては、この為、工作物スピンドル3は下に向かって移動する必要がある。
【0039】
空所部36を有する窓部35が、工作物スピンドル3のちょうど下に位置しない限り、窓部35は工作物スピンドル3の楔面3cを介してカバー34内のその支承部37内で整向されるので、工作物スピンドル3を更に下降させると、最終的にはスピンドルネック3bが空所部36をオイルを通さないよう閉鎖する。
図2bを参照されたい。
【0040】
その後、工作物9は工作物スピンドル3の左に向かっての移動によってホーニングリング24へと届けられる。矢印ZUを参照されたい。その際、窓部35がその支承部37内で連行され、つまり左に向かってスライドされる。
【0041】
そして
図2cは、工作物9、ここでは歯車が、その歯面でもって完全にホーニングリング24の歯面内に入り込む位置を示す。この位置においてホーニングリング24は、垂直軸VAを中心として観点し、工作物9は同様に垂直スピンドル軸SAを中心に回転し、そして互いに押付けられる。すくなくとも押付けの間、オイルノズル32aを介してオイルが冷却の為、およびホーニングリング(ツール)24と工作物9の接触領域KBの摩耗くずを押し流すために噴射される。
【0042】
工作物9のホーニング処理の後、これは工作物スピンドル3によって再び水平方向に右に向かって、例えば
図2bの位置へと引き戻される。ここで、工作物スピンドル3は(オイルノズル32aへのオイル供給を止められた際に)、もう一度工作物9と共に高回転で運転され、工作物9を乾燥させる。好ましくは、乾燥の際の回転数は、ホーニング処理の間よりも高い。乾燥の際の典型的な回転数は、本発明の枠内では、少なくとも10,000回転/minである。乾燥の間工作物9から離されるオイルは、作動槽5内に留まる。というのは、空所部36はいずれにせよスピンドルネック3bによって封鎖されており、よって作動槽5は完全い封鎖密閉されているからである。乾燥の後、工作物9は、工作物スピンドル3によって作動槽5から空所部36を通して上に向かって引き戻されることができる。
【0043】
図3は、ホルダー20の液圧システムの部分を水平断面図として表している。断面平面の下に位置する、覆い隠された構造が破線で記入されている。
【0044】
周回する側方部22の内側には、周回する液圧式の延伸要素23が形成されており、これがここでは4つの星形に推移する液圧配管28を介して、底部材21内の(放射方向で)中央の液圧チャンバー27と接続されている。これによって液圧チャンバー27の圧力が調節される(唯一の)調節要素(
図2aの調節スクリューの参照符号26を参照されたい)によって、液圧配管28を通じて延伸要素23内の圧力が簡単に調節されることが可能である。
【0045】
同様に排出チャネル31が記入されている。この排出チャネルによってオイルが底部材21を通過して作動槽5の下の領域内に導出されることが可能である。外側に向かって運ばれるオイルを、すでのホルダー20の回転の間に遠心力によって良好に導出することができるよう、底部材21の上側の排出チャネル31は、周回する側方部22の近傍にも開口することが可能であり、および特に周回する側方部22へのエッジ部内にも開口することが可能である。