【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、本発明に係る少なくとも1つの負荷を動作させるためのドライバ回路、LED光源、及び負荷の動作方法によって解決される。他の従属請求項は本発明の好ましい実施形態に関する。
【0008】
本発明の基本的な概念は、自己駆動型のスイッチングドライバ回路、すなわち、フィードバックインダクタと誘導結合された蓄積インダクタを有するスイッチングコンバータを備えるスイッチングドライバ回路を提供すること、及び、蓄積インダクタを流れるインダクタ電流の制御のためだけでなく、更に前記ドライバ回路の入力及び/又は出力電圧における変動を補償するために、動作中に前記フィードバックインダクタによって供給されるフィードバック電圧を使用することである。
【0009】
本発明は、特にLEDを駆動する場合において、前記フィードバック電圧から前記入力及び出力電圧における変動を求めることができ、これにより複雑な追加回路構成又は電圧センサを要することなくかかる変動を補償することを可能にし、大衆市場用途に適した非常にコスト効率の高い構成を提供するという発明者の認識に基づく。
【0010】
したがって、本発明は少なくとも1つの負荷を流れる電流の改良された制御を可能にし、前記入力及び/又は出力電圧が変動したとしても、動作中に負荷に供給される平均電流をほぼ一定に保つ。したがって、LEDを駆動する場合、高品質な出力光が供給される。
【0011】
発明に係るドライバ回路は、電源から入力電圧を受信する入力部と、負荷に出力電圧を供給する出力部と、スイッチングデバイスに接続された蓄積インダクタを少なくとも含むスイッチングコンバータであって、前記スイッチングコンバータは、少なくとも充電モード及び放電モードの間での前記スイッチングデバイスの連続的スイッチング動作により平均出力電流を生成するよう配置されている、スイッチングコンバータとを少なくとも含む。ドライバ回路は更に、前記スイッチングデバイスの動作を制御するために少なくとも前記スイッチングデバイスと接続されたスイッチングコントローラを含む。
【0012】
入力部及び出力部は、それぞれ電源及び少なくとも1つの負荷への接続を可能にする任意の適切なタイプのものであり得る。入力部及び出力部は、対応する電気接続を可能にするために、例えばそれぞれが2つの電気端子、例えば接続ピン、半田パッド、コンセント接続子、又は任意の他の適切な接続子等を備えてもよい。接続は恒久的でも一時的でもよいが、少なくとも電源と入力部との間の接続に関しては後者が好ましい。
【0013】
本説明において、用語「接続された」又は「接続」は、それぞれの接続されたデバイス又は回路間を電流が流れ得るような導電接続を指す。接続は直接でもよいし、間接、すなわち中間要素又は回路を介してでもよい。
【0014】
入力部及び出力部は更なる構成要素又は回路を含んでもよい。例えば、入力部はスイッチングコンバータに単流又は直流電圧を供給するために整流器及び/又は平滑化ステージを備えてもよい。対応して、出力部は例えば接続された1つ以上の負荷に送られる電圧及び/又は電流を平滑化するフィルタデバイスを備えてもよい。あるいは又は更に、入力部及び/又は出力部は更なる機械的要素を備えてもよく、例えばドライバ回路が電源及び/又は負荷から取り外し可能に設けられる場合、少なくとも1つの対応する分離可能な電気コネクタ又はプラグを備えてもよい。特に少なくとも1つの接続された負荷がLEDユニットである場合、入力部及び/又は出力部がランプソケット、コネクタ、及び/又はカラー識別子を有する独立したフライングワイヤと合体されることが好ましい。
【0015】
上記したように、入力部は電源から入力電圧を受信するよう適合されている。電源は任意の適切なタイプのものでよく、例えば電源はAC商用電源ラインでもよい。この場合、入力電圧は交流電圧、すなわち110V又は220V商用電源接続からの電圧に対応し得る。あるいは、電源はDC電圧を提供する電気又は電子トランスでもよい。
【0016】
少なくとも1つの電気負荷は任意の適切な種類のものでよい。具体的には、ドライバ回路は例えば白熱電球、ハロゲン灯、又は蛍光灯等のランプ又は光源を動作させるためのランプドライバ回路でもよい。好ましくは、少なくとも1つの負荷はLEDユニットである。LEDユニットは任意の適切な種類のものでよく、本発明においては無機LED、有機LED、又は固体レーザ(例えばレーザダイオード等)等の任意の種類の固体光源であり得る少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を含んでもよい。LEDユニットが上記構成要素の2つ以上を直列及び/又は並列接続で有してもよいことは明らかである。発明に係るドライバ回路の動作中、複数のLEDユニットの直列及び/又は並列接続が例えばバッファステージ等の中間要素を介して出力部に接続されてもよい。
【0017】
一般照明目的のために、LEDユニットは好ましくは少なくとも1つのハイパワーLED、すなわち、比較的低い電圧、例えば3Vで最大1Aの高い定格電流を有するLEDを含んでもよい。好ましくは、前記ハイパワーLEDは50lmより高い光束を供給する。
【0018】
LEDユニットは明らかに更なる電気、電子、又は機械的要素を備えてもよく、例えば輝度及び/又は色を設定するためのコントローラ、平滑化ステージ、及び/又は1つ以上のフィルタコンデンサを備えてもよい。
【0019】
本発明に係るドライバ回路は、上述したように更にスイッチングコンバータを備える。スイッチングコンバータは少なくとも蓄積インダクタとスイッチングデバイスとを含む。スイッチングコンバータは他の構成要素を含んでもよい。スイッチングコンバータは、少なくとも充電モードと放電モードとの間でのスイッチングデバイスの連続的スイッチング動作により前記平均出力電流を生成するよう配置される。本説明において、用語「平均出力電流」は、動作中に出力部に接続された少なくとも1つの負荷に供給される時間平均電流を指す。
【0020】
蓄積インダクタは、電源と接続された際に磁場に電気エネルギーを蓄える任意の適切な種類のものでよい。好ましくは、蓄積インダクタは導電体の1つ以上の巻線を含む。最も好ましくは、蓄積インダクタは少なくとも1つのコイルを含む。
【0021】
スイッチングデバイスは、電源スイッチ等、少なくとも前記充電及び放電モードを可能にする任意の適切な種類のものでよい。好ましくは、スイッチングデバイスは少なくともトランジスタを含み、最も好ましくはMOSFETを含む。
【0022】
上記したように、スイッチングコンバータは少なくとも充電及び放電モードを可能にする。前記充電モードにおいて、蓄積インダクタは入力部及び電源に接続されて前記磁場に電気エネルギーを蓄える。ドライバ回路の全体構成に応じて、このモードにおいて負荷は入力部と接続されていてもよいし、非接続でもよい。
【0023】
放電モード中、蓄積インダクタは前記出力電圧を供給するために負荷に接続されている。通常、このモードにおいて蓄積インダクタは電源から切断されている。ただし、放電モードにおいてもmA単位の、例えば50mA未満の少量のアイドル電流が電源から蓄積インダクタに流れてもよいことに留意されたい。
【0024】
スイッチングコンバータは典型的なステップアップ及び/又はステップダウンコンバータの構成に対応してもよい。好ましくは、特に前記負荷がLEDユニットであり、前記入力電圧が商用電源電圧である場合、スイッチングコンバータは通常の降圧型コンバータ等のステップダウンコンバータである。最も好ましくは、ドライバ回路は非絶縁型スイッチングドライバ回路、すなわち前記出力部及び前記スイッチングコンバータが、例えばガルバニック絶縁を有することなく前記入力部に直列接続されるドライバ回路に対応する。
【0025】
本発明に係るドライバ回路は、上記のようにスイッチングコントローラを更に含む。スイッチングコントローラは、スイッチングデバイスのスイッチング動作を制御するために、すなわちスイッチングデバイスを充電モードから放電モードへ及びその逆に設定するために任意の適切なディスクリート及び/又は集積回路を含み得る。したがって、スイッチングコントローラは適切な制御接続を介して前記スイッチングコンバータ及び/又はスイッチングデバイスと接続されるべきである。コスト効率の更なる向上のため、スイッチングコントローラがディスクリート部品のみを備えることが好ましい。
【0026】
本発明によれば、スイッチングコントローラは少なくともフィードバックインダクタ及び電圧補償回路を備える。フィードバックインダクタは前記蓄積インダクタに誘導結合され、動作中、前記蓄積インダクタを流れるインダクタ電流の変動に対応するフィードバック電圧を供給する。フィードバックインダクタは任意の適切な種類のものでよい。好ましくは、フィードバックインダクタは導電体の1つ以上の巻線を含む。最も好ましくは、フィードバックインダクタは少なくとも1つのコイルを含む。フィードバックインダクタは任意の適切な構成によって、例えば共通の磁心を介して蓄積インダクタに誘導結合されてもよい。
【0027】
本発明によれば、電圧補償回路は前記フィードバックインダクタに接続され、前記フィードバック電圧から少なくとも1つの補償信号を決定する。前記補償信号は前記入力又は出力電圧に対応する。電圧補償回路は前記少なくとも1つの補償信号を決定する任意の適切な種類のものでよく、集積又はディスクリート回路を含むが、後者が好ましい。少なくとも1つの補償信号は任意の適切なアナログ又はデジタルタイプのものであり得る。
【0028】
本発明に係るスイッチングコントローラは、前記インダクタ電流に応じて前記充電及び放電モードの間で前記スイッチングデバイスを制御するよう構成される、すなわち、インダクタ電流に基づく電流制御を提供する。例えば、スイッチングコントローラは前記フィードバック電圧を所定の閾値と比較して、これに基づいてスイッチングデバイスのモードを設定するよう構成されてもよい、すなわち、所定の上限及び下限閾値の間での「閾値」電流制御を行ってもよい。スイッチング動作の制御は蓄積インダクタ自身を流れる電流に基づくため、対応する制御は、発振器等を用いるスイッチング制御に対して、典型的には「自己駆動制御」と呼ばれる。
【0029】
また、スイッチングコントローラは、前記電圧補償回路によって決定された前記少なくとも1つの補償信号に応じてスイッチング動作のデューティ比を制御するよう構成され、これは、前記入力又は出力電圧が変動したとしても負荷に供給される平均出力電流をほぼ一定に保つことを可能にする。この文脈において、用語「ほぼ(又は実質的に)一定」は平均出力電流が前記入力及び出力電圧から著しく独立している、すなわち、前記電圧の変動が平均出力電流にわずかな影響しか与えないことを意味する。
【0030】
好ましくは、15%の入力電圧の変動及び20%の出力電圧の変動の組み合わせに対して、平均出力電流の変動は5%未満である。最も好ましくは、出力電圧変動20%に対して、平均出力電流の変動は3%未満である。特に好ましくは、入力電圧変動15%に対して、平均出力電流の変動は4%未満である。
【0031】
特に発明に係るドライバ回路をLEDユニット等のランプを動作させるために用いる場合、スイッチングコンバータの平均出力電流はLEDの出力光束、すなわち輝度に対応する。よって、本発明は好適に、前記入力及び出力電圧が変動したとしても大体一定な光出力を可能にする、すなわち高品質光出力を提供する。
【0032】
この文脈において、用語「デューティ比」は、充電及び放電モードの総時間に対するスイッチングデバイスが充電モードにある時間として解される。
【0033】
したがって、上述したように、本発明は電源によって供給される入力電圧、又は出力電圧、すなわち負荷における電圧が変動する場合であっても一定平均出力電流を好適に供給する。
【0034】
入力電圧における変動は商用電源接続の場合、すなわち電源がAC商用電源ラインである場合、例えば通常のライン変動により生じ得る。LEDユニットとスイッチングコンバータとの直列接続を含む上記非絶縁型構成において、かかる変動は充電モード中、蓄積インダクタにおいて異なる時間で異なる電圧降下を生じ、よって電流消費の増加/減少、すなわち光束の対応する変化をもたらす。前記出力電圧における変動は、例えば接続されたLEDユニットの順電圧の変動に由来し得る。これは、例えば色制御可能RGB LEDユニットを使用する場合、又は発明に係るドライバ回路を互いに異なる順電圧を有する異なるLEDユニットとともに使用する場合に該当し得る。更に、LEDユニットに欠陥がある場合、すなわち、直列接続のいくつかのLEDがショートされる場合に出力電圧が変動し得る。本発明は、これらの場合においても実質的に一定の平均出力電流を供給し、よって汎用性の高いドライバ回路を提供する。
【0035】
電圧補償信号が入力電圧に対応し、入力電圧が変動する場合であっても平均出力電流がほぼ一定に保たれることが好ましいが、一方、本発明の一発展形によれば、電圧補償回路は前記フィードバック電圧から第1及び第2の補償信号を決定するよう構成される。第1の補償信号は入力電圧に対応し、第2の補償信号は出力電圧に対応する。当該好ましい実施形態に係るスイッチングコントローラは、前記第1及び第2の補償信号を受信し、前記第1及び第2の補償信号の両方に基づいてスイッチング動作のデューティ比を制御するよう構成される。
【0036】
スイッチング動作のデューティ比、よって供給される平均出力電流を変更することにより前記入力電圧及び前記出力電圧の両方の変動が補償されるので、当該実施形態は好適に更に改良された制御を可能にする。
【0037】
本実施形態におけるスイッチングコントローラは、上記電流制御に加えて、入力電圧又は出力電圧の変動に応じてデューティ比が適合されるよう、前記第1及び第2の補償信号の付加に基づいてデューティ比を制御するよう構成されてもよい。
【0038】
好ましくは、スイッチングコントローラは、前記第1の補償信号が上昇した場合、スイッチング動作のデューティ比が低下するよう構成される。本実施形態によれば、スイッチングコントローラはドライバ回路の入力電圧に基づく相互的なデューティ比を提供する。
【0039】
本実施形態は、特に上記非絶縁型構成において、入力電圧の上昇は抵抗の低下によりLEDユニットを流れる電流を著しく高くする、すなわち、対応して充電時間を短くするという認識に基づく。本実施形態によれば、したがってスイッチング動作のデューティ比は減少され、負荷に供給される平均電流、よって光束が一定に維持される。第1の補償信号が低下する他の場合において、スイッチングコントローラは最も好ましくは対応してデューティ比を上昇させて電流消費の減少を補償するよう構成されるべきである。
【0040】
上記の代わりに又は上記に加えて、スイッチングコントローラは好ましくは、前記第2の補償信号が上昇した場合、デューティ比が増加される、すなわち、ドライバ回路の出力電圧に基づく非相互的デューティ比制御を行うよう構成されてもよい。
【0041】
上記に対応して、例えば接続されたLEDユニットの順電圧の上昇による出力電圧の上昇は、特に上記非絶縁型構成において平均出力電流の減少をもたらす。この構成において、放電モード中、蓄積インダクタによって負荷に動作電力が供給されるため、出力電圧の上昇により、蓄積インダクタの放電が速くなり、よって放電モードの時間が減少する。平均出力電流の降下を補償するため、デューティ比が上昇される。更に、前記第2の補償信号が低下する場合、対応してスイッチング動作のデューティ比を低下させることが好ましいことは明らかである。
【0042】
前記入力及び/又は出力電圧に応じたデューティ比の線形制御が好ましいが、一般的に、出力部に接続された負荷の特性に応じた非線形制御を使用してもよい。
【0043】
本発明の更なる発展形によれば、電圧補償回路は充電モード中、フィードバック電圧から前記(第1の)補償信号を決定するよう構成される。
【0044】
上記したように、前記蓄積インダクタ及びフィードバックインダクタの誘導結合のため、フィードバック電圧はインダクタ電流の変動、すなわちその勾配に対応する。充電モードにおいて、このモードでは電源によって供給されるインダクタ電流によって蓄積インダクタの磁場に電気エネルギーが蓄えられる。充電モードにおけるインダクタ電流の上昇、すなわち勾配は、対応する印加電圧に依存する。したがって、充電モード中、入力電圧のより高い又は低い振幅は異なる電流勾配を生じ、よってフィードバック電圧の振幅に反映される。
【0045】
あるいは又は更に、電圧補償回路は放電モード中、フィードバック電圧から前記第2の補償信号を決定するよう構成されてもよい。
【0046】
放電モード中、蓄積インダクタによって負荷に電気エネルギーが送られる。インダクタの電気特性により、デバイスはインダクタ電流における変化に抵抗するので、負荷を流れる電流が可能になるまで電圧が生成される。したがって、生成される電圧は出力電圧に対応し(後続の追加要素を介する電圧降下は無視)、例えばLEDユニットを駆動する場合、その順電圧に対応する。出力電圧が高くなると蓄積インダクタの放電が速くなるので、このモードにおけるインダクタ電流の勾配は出力電圧に依存し、出力電圧における変化又は変動は対応するフィードバック電圧の振幅の変化をもたらす。
【0047】
このモードにおける蓄積インダクタの放電のため、フィードバック電圧は充電モードにおける極性とは反対の極性を示し得る。
【0048】
ただし、フィードバック電圧は必ずしも入力及び出力電圧の正確な振幅を反映しなくともよいことに留意されたい。電圧の変動、すなわち公称電圧からのずれを補償可能にするためには、フィードバック電圧が対応して変動を反映すれば十分だからである。
【0049】
充電及び放電モードのそれぞれにおいて、前記第1及び/又は第2の補償信号を決定するために、電圧補償信号は任意の適切な回路を備え得る。例えば、電圧補償回路は、フィードバックインダクタを対応する信号調整回路と反復的に接続する1つ以上のスイッチを含み、前記第1及び第2の電圧補償信号を生成してもよい。好ましくは、電圧補償回路は前記第1の補償信号を決定するための正電流経路、及び前記第2の補償信号を決定するための負電流経路を備え、両経路が前記フィードバックインダクタに接続されてもよい。各電流経路がそれぞれのモード中にのみ作動されることを確実にするために、充電モード中は電流が正電流経路に供給され、放電モード中は電流が負電流経路にのみ供給されるよう、反対の方向(極性)に配置された少なくとも1つのダイオードをそれぞれが有してもよい。
【0050】
上記インダクタ電流に基づく電流制御を提供するために、他の好ましい実施形態に係るスイッチングコントローラは、前記フィードバックインダクタと接続された第1の閾値回路であって、前記フィードバック電圧が所定の最小電流閾値に対応する場合、スイッチングデバイスを放電モードから充電モードに設定するよう構成された第1の閾値回路を含む。
【0051】
本実施形態は、フィードバック電圧によって反映されるインダクタ電流に基づく制御を提供する。第1の閾値回路は任意の適切な種類で良く、例えば前記フィードバック電圧を、前記最小電流閾値に対応する所定の最小電圧と比較する比較器を含んでもよい。好ましくは、所定の最小電流閾値はほぼ0A(+/−10mA)のインダクタ電流、すなわち約0Vのフィードバック電圧に対応する。
【0052】
更に又はあるいは、本発明の一発展形によれば、スイッチングコントローラは第2の閾値回路を含む。第2の閾値回路は、前記インダクタ電流に対応する電流制御信号が最大電流閾値に対応する場合、スイッチングデバイスを放電モードに設定するよう構成される。
【0053】
第2の閾値回路の動作は、上記した第1の閾値回路に対応する。第2の閾値回路は任意の適切な種類のものでよく、例えば前記電流制御信号を前記最大電流閾値に対応する所定の電圧と比較する比較器を含んでもよい。電流制御信号は、更なるフィードバックインダクタ又は別個の検出手段を用いてフィードバック電圧から導出され得る。最大電流閾値は用途に応じて、すなわち、負荷及び/又はスイッチングコンバータの電気的仕様に応じて設定されるべきである。
【0054】
好ましくは、第2の閾値回路は前記電圧補償回路に接続され、前記第1及び/又は第2の補償信号に基づいて前記電流制御信号及び/又は前記最大電流閾値を変動させることによって前記スイッチング動作のデューティ比を制御する。したがって、デューティ比は前記蓄積インダクタを流れるピークインダクタ電流を制御することによって設定される。
【0055】
本実施形態は、特に上記のように最小電流閾値が固定されている場合において、発明に係るドライバ回路の更に単純化された構成を提供する。この場合、デューティ比の制御は、前記最大電流閾値及び/又は電流制御信号にオフセット又はバイアスを与えることによって実現され得る。当業者には明らかなように、前記最大電流閾値を下げることによって、又は電流制御信号を上昇させることにより、デューティ比を下げてもよい。
【0056】
最も単純な回路構成を提供するためには、第2の閾値回路が前記第2の補償信号に応じて最大電流閾値にバイアスをかけるよう構成されることが好ましい。
【0057】
本実施形態において、出力電圧が上昇すると対応してデューティ比が上昇し、よって前記非相互的デューティ比制御が行われる。第2の補償信号は、例えば公称動作条件に対する所定の最大電流閾値に対応する基準電圧にオフセットを与えてもよい。
【0058】
他の好ましい実施形態において、第2の閾値回路は前記第1の補償信号に応じて電流制御信号にバイアスをかけるよう、すなわち、前記インダクタ電流に対応する前記電流制御信号にオフセットを与えるよう構成される。この実施形態によれば、入力電圧が上昇してよって第1の補償信号が上昇したことを定めるために、前記第1の補償信号によって前記電流制御信号にオフセットが与えられてデューティ比が下げられる、すなわち、上記相互的デューティ比制御を提供する。
【0059】
上記したように、電流制御信号は、例えば前記フィードバック電圧から決定され得る。他の好ましい実施形態によれば、発明に係るドライバ回路は、更に、前記電流制御信号を決定する電流センサを含む。電流センサは、少なくとも充電モード中、前記電流制御信号が前記インダクタ電流に対応するよう、前記蓄積インダクタに直列に接続される。電流センサは任意の適切な回路構成を含むことができるが、最も単純には、通常の電流検出抵抗器が使用されてもよい。
【0060】
本発明の他の好ましい実施形態において、スイッチングコントローラは更に開路検出器を含む。前記出力電圧が所定の安全電圧閾値を超えた場合にスイッチング動作のデューティ比を著しく減少させるよう、開路検出器は、第2の補償信号を所定の安全電圧閾値と比較するよう構成される。
【0061】
本実施形態は、オープン出力部状況、すなわち、出力部に負荷が接続されていない、又は負荷に欠陥がある場合に生じ得る危険に対処する上で特に好適である。特に、放電モード中に蓄積インダクタが負荷を介して放電されるスイッチングコンバータの上記非絶縁型構成においては、インダクタがインダクタ電流を維持しようとするので、オープン出力部状態では出力部における電圧が急激に上昇する。
【0062】
したがって、本実施形態はスイッチング動作のデューティ比を減少させることにより平均出力電流を制限し、よって供給される電気エネルギーを制限する。本実施形態において、用語「著しく」は、少なくとも50%、好ましくは90%、更に好ましくは92%、最も好ましくは95%の減少を指す。
【0063】
本発明の一発展形によれば、開路検出器は、出力電圧が前記所定の安全電圧閾値を超える場合、最大電流閾値を下げることによってデューティ比を減少させるよう構成される。
【0064】
開路検出器は任意の適切な構成のものでよいが、開路検出器が前記電圧補償回路と統合されていることが好ましい。
【0065】
上記において、本発明に係るドライバ回路における使用に適した複数のスイッチングコンバータの構成を説明した。特にドライバ回路を前記少なくとも1つのLEDユニットとともに用いる場合、スイッチングコンバータがタップスイッチングコンバータであることが好ましい。タップスイッチングコンバータの典型的な構成によれば、蓄積インダクタはスイッチングデバイスと直列に接続された第1及び第2の巻線を含む。
【0066】
本実施形態は、例えば商用電源電圧によって発光ダイオードを動作させなければならない場合等、入力電圧と出力電圧との間に比較的大きな差がある場合に特に好適である。典型的なタップスイッチングコンバータ構成は、第1の巻線と第2の巻線との間の巻線比に応じて電圧の適合を提供する。このような構成において、充電モード中、出力部は好ましくは第1及び第2の巻線と直列に接続されるべきである。最も好ましくは、放電モード中、出力部、すなわち負荷が蓄積インダクタの第1の巻線と接続されるよう、スイッチングコンバータは代替的電流経路を備えるべきである。
【0067】
本発明の他の実施形態によれば、上記のように少なくとも1つのLEDユニットと接続された本発明に係るドライバ回路を少なくとも含むLED光源が提供される。ドライバ回路及び/又はLEDユニットが上記好ましい実施形態の1つ以上に対応し得ることは明らかである。
【0068】
本発明の他の側面は、ドライバ回路によってLEDユニット等の負荷を動作させる方法に関連し、ドライバ回路は、電源から入力電圧を受信する入力部と、前記負荷に出力電圧を供給する出力部と、スイッチングデバイスに接続された蓄積インダクタを少なくとも含むスイッチングコンバータであって、前記スイッチングコンバータは、少なくとも充電モード及び放電モードの間での連続的スイッチング動作により平均出力電流を生成するよう配置されている、スイッチングコンバータとを含む。ドライバ回路は更に、前記蓄積インダクタに誘導結合されたフィードバックインダクタであって、前記蓄積インダクタを流れるインダクタ電流の変動に対応するフィードバック電圧を供給するフィードバックインダクタを含む。更に、前記フィードバックインダクタに電圧補償回路が接続される。電圧補償回路は、前記フィードバック電圧から、前記入力電圧又は前記出力電圧に対応する少なくとも1つの補償信号を決定する。
【0069】
本発明の当該側面によれば、スイッチングデバイスのスイッチング動作は前記インダクタ電流に基づいて制御され、スイッチング動作のデューティ比は前記少なくとも1つの補償信号に応じて制御され、前記入力電圧又は出力電圧が変動した場合、平均出力電流をほぼ一定に保たれる。本発明の当該側面が、上記好ましい実施形態の1つ以上に対応する実施形態において動作され得ることは明らかである。