特許第5770415号(P5770415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5770415メーラータイプのビジネスフォームを製造する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770415
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】メーラータイプのビジネスフォームを製造する方法
(51)【国際特許分類】
   B42D 15/02 20060101AFI20150806BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20150806BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20150806BHJP
   B42D 15/08 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   B42D15/02 501M
   C09J201/00
   C09J11/06
   B42D15/08 C
   B42D15/08 B
【請求項の数】2
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2009-4228(P2009-4228)
(22)【出願日】2009年1月13日
(65)【公開番号】特開2009-166495(P2009-166495A)
(43)【公開日】2009年7月30日
【審査請求日】2012年1月10日
(31)【優先権主張番号】12/016,524
(32)【優先日】2008年1月18日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴードン シスラー
(72)【発明者】
【氏名】グイキン ソン
(72)【発明者】
【氏名】ティー ブライアン マカネニー
(72)【発明者】
【氏名】ジョン エム ビアバッティン
【審査官】 居島 一仁
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−524058(JP,A)
【文献】 特開平08−048956(JP,A)
【文献】 特開2006−015508(JP,A)
【文献】 特開平08−110719(JP,A)
【文献】 特開2004−131115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00−19/00
C09J 1/00−5/10
C09J 9/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メーラータイプのビジネスフォームを製造する方法であって、
少なくとも1種の基材の上に複数の協同パターンとして加圧シール凝集剤を適用する工程であって、ここで、前記加圧シール凝集剤が、シラン促進剤と、1種または複数の感圧性化合物を含む水性感圧性化合物の配合物と、を含む工程と、
前記少なくとも1種の基材の上で前記複数の協同パターンを乾燥する工程と、
印刷プロセスの間に、前記少なくとも1種の基材の上の前記複数の協同パターンの上にメルカプト官能基またはアミノ官能基を有する官能化ポリジメチルシロキサンを含む定着器オイルの薄膜を適用する工程と、
を含み、
前記シラン促進剤が、アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシ−シランを含み、
前記感圧性化合物が、アルキルアクリレートポリマおよびコポリマ;アルキルアクリレート類とアクリル酸とのコポリマ;アルキルアクリレート類と、アクリル酸と、乳酸ビニル類とのターポリマ;アルキルビニルエーテルポリマおよびコポリマ;ポリイソアルキレン類;ポリアルキルジエン類;アルキルジエン−スチレンコポリマ;スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマ;ポリジアルキルシロキサン類;ポリアルキルフェニルシロキサン類;天然ゴム;合成ゴム;塩素化ゴム;ラテックスクレープ;ロジン;クマロン樹脂;アルキドポリマ;ポリアクリレートエステル類、またはそれらの混合物を含む方法。
【請求項2】
メーラータイプのビジネスフォームを製造する方法であって、
シラン促進剤を、水性感圧性化合物のエマルションと混合して、加圧シール凝集剤を形成する工程であって、ここで、前記シラン促進剤がアミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシ−シランを含んでいる工程と、
前記加圧シール凝集剤を、少なくとも1種の紙シートの上に複数の協同パターンとしてコーティングする工程と、
前記少なくとも1種のコーティングされた紙シートを、デジタル印刷のための定着系を通過するように適用する工程であって、ここで、前記定着系が、メルカプト官能基またはアミノ官能基を有する官能化ポリジメチルシロキサンを含む定着器オイルの適用を含んでいる工程と、
を含み、
前記感圧性化合物が、アルキルアクリレートポリマおよびコポリマ;アルキルアクリレート類とアクリル酸とのコポリマ;アルキルアクリレート類と、アクリル酸と、乳酸ビニル類とのターポリマ;アルキルビニルエーテルポリマおよびコポリマ;ポリイソアルキレン類;ポリアルキルジエン類;アルキルジエン−スチレンコポリマ;スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマ;ポリジアルキルシロキサン類;ポリアルキルフェニルシロキサン類;天然ゴム;合成ゴム;塩素化ゴム;ラテックスクレープ;ロジン;クマロン樹脂;アルキドポリマ;ポリアクリレートエステル類、またはそれらの混合物を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、感圧性材料に関し、より詳しくは、メーラータイプのビジネスフォーム(mailer type business form)において使用される加圧シール凝集剤(pressure seal cohesives)に関する。
【背景技術】
【0002】
(たとえば、小切手用紙(check stock)のための)セルフメーラーフォームは、一般的に公知である。そのようなフォームを用いて、メッセージを印刷(またはタイプ)してから、郵送に適した郵便物の形に折りたたみ、シールすることができる。それらのメーラーは、用紙の連続ウェブから製造され、メインフレームコンピュータの高速プリンタで使用することが意図されている。たとえば、カスタムセルフメーラーは、ビジネスステーショナリの重要な一部を代表するものであるが、それには、折りたたみ、シールして特定の構造とするように設計されたレーザ接着用紙(laser bond stocks)が含まれていてよい。
【0003】
セルフメーラーの設計において、感圧接着剤を条片状にコーティングして、それをシールの際に相互に接触するように配置することができる。シーリング操作の前に、セルフメーラーに印刷機で印刷するが、その場合、トナー画像を、定着ロールを用いて支持体(たとえば、普通紙シート)の上に固定または定着させることができる。定着ロールの剥離性を良好に確保、維持しようとして、通常は、定着操作の間に定着ロールに対して剥離剤/定着器オイルが適用されてきた。典型的には、それらの剥離剤/定着器オイルには、トナーのオフセットを防止するために、非官能性または官能性シリコーンオイルの薄膜が適用される。
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,029,827号明細書
【特許文献2】米国特許第4,101,686号明細書
【特許文献3】米国特許第4,185,140号明細書
【特許文献4】米国特許第5,157,445号明細書
【特許文献5】米国特許第5,512,409号明細書
【特許文献6】米国特許第5,516,361号明細書
【特許文献7】米国特許第5,531,813号明細書
【特許文献8】米国特許第5,716,747号明細書
【特許文献9】米国特許第5,747,212号明細書
【特許文献10】米国特許第6,183,929号明細書
【特許文献11】米国特許第4,918,128号明細書
【特許文献12】米国特許第5,427,851号明細書
【特許文献13】米国特許第6,383,653号明細書
【特許文献14】米国特許第6,602,944号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、定着操作の間に感圧性条片の上に剥離剤/定着器オイルの薄膜が形成されるために、それが条片を汚染して、その後のシーリングの失敗を導くという問題が生じるが、これは官能化定着ロール材料および/またはシリコーン剥離オイルを使用した場合であってさえも起こりうる。たとえば、デジタルカラー作成プリンタでは、メルカプトまたはアミノの官能基を有する、官能化ポリジメチルシロキサン(PDMS)剥離オイルを採用している。官能化PDMS剥離オイルに伴う約3種の基本的な問題が存在する。第一には、その凝集性材料が定着ニップの中で軟化して、オフセットが起こり、プリンタを汚染すること;第二には、その剥離オイルが、凝集性結合(cohesive bond)が形成される性能を妨害すること;そして、第三には、凝集剤の上に剥離オイルが連続的に存在していることから、スタックされたシートでブロッキングが生じることである。
【0006】
従来技術のそれらおよびその他の問題を克服するために、官能化PDMSオイルを使用した場合であっても、定着操作のための、メーラータイプのビジネスフォームにおいて使用するための加圧シール凝集剤が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、メーラーフォームと、前記メーラーフォームを凝集的にシールするために前記メーラーフォームの上に分配された、加圧シール凝集剤の複数のパターンと、を含み、前記加圧シール凝集剤が、少なくとも1種の感圧性化合物と混合されたシラン促進剤を含む、メーラータイプのビジネスフォームである。
【0008】
また、前記メーラータイプのビジネスフォームにおいて、前記シラン促進剤が、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、1−アミノ−2−(ジメチルエトキシシリル)プロパン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルジメチルメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルシラントリオール、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチル−トリメトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシル−トリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレン−トリアミン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、およびアミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン、からなる群より選択される少なくとも1種のシラン化合物を含むことが好ましい。
【0009】
また、本発明は、メーラータイプのビジネスフォームを製造する方法であって、少なくとも1種の基材の上に複数の協同パターンとして加圧シール凝集剤を適用する工程であって、ここで、前記加圧シール凝集剤が、シラン促進剤と、1種または複数の感圧性化合物を含む水性感圧性化合物の配合物と、を含む工程と、前記少なくとも1種の基材の上で前記複数の協同パターンを乾燥する工程と、印刷プロセスの間に、前記少なくとも1種の基材の上の前記複数の協同パターンの上に定着器オイルの薄膜を適用する工程と、を含む方法である。
【0010】
また、本発明は、メーラータイプのビジネスフォームを製造する方法であって、シラン促進剤を、水性感圧性化合物のエマルションと混合して、加圧シール凝集剤を形成する工程であって、ここで、前記シラン促進剤がアミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシ−シランを含んでいる工程と、前記加圧シール凝集剤を、少なくとも1種の紙シートの上に複数の協同パターンとしてコーティングする工程と、前記少なくとも1種のコーティングされた紙シートを、デジタル印刷のための定着系を通過するように適用する工程であって、ここで、前記定着系が、定着器オイルの適用を含んでいる工程と、を含む方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
したがって、例示的な実施態様では、メーラータイプのビジネスフォームを形成するための、加圧シール凝集剤と、その加圧シール凝集剤の製造および使用のための方法が提供される。開示された加圧シール凝集剤によって、メーラーフォームにおける改良された凝集性が得られることとなった。特に、その加圧シール凝集剤には、たとえば、感圧性凝集剤化合物および/または感圧性接着剤化合物を含む少なくとも1種の水性感圧性化合物の配合物と混合した、少なくとも1種のシラン促進剤を含むことができる。その混合されるシラン促進剤は、加圧シール凝集剤の約0.5重量%〜約2.5重量%の範囲の濃度を有していて、(たとえば、ゼロックス(Xerox)アイジェン・スリー(iGen3)上での)デジタル印刷プロセスの際に、感圧性化合物が定着器オイル(たとえば、官能化PDMSオイル)によって汚染された場合であっても、その感圧性化合物の相溶性を改良することができる。
【0012】
本明細書の開示においては、特に断らない限り、「加圧シール凝集剤」または「凝集剤」という用語は、圧力をかけることによって、感圧性の凝集性材料がそれ自体に対して凝集的に結合するような系を指している。加圧シールメーラーの場合においては、その凝集性結合は、1種または複数の感圧性化合物および1種または複数のシラン促進剤を含む加圧シール凝集剤材料の調和された条片の配置と、特定の折り目パターンとを開発することによって達成することができる。例示的な実施態様においては、加圧シール凝集剤を、周囲温度で100ポンド/線インチまたはそれ以上のオーダーの圧力を使用して(たとえば条片対条片の形態でシールして)凝集性結合を形成させ、適切に周囲温度に保持されるように設計することができる。定着操作の後、たとえば電子写真(xerographic)式またはドライトナー式の定着系の後に、かなりの量のシリコーン定着器オイルが適用された後であってさえも、開示された加圧シール凝集剤が剥離凝集剤として使用できることが見出された。
【0013】
本明細書の開示においては、特に断らない限り、「シラン促進剤」という用語は、1種または複数のシラン化合物を含み、そして接着/凝集性能、たとえば凝集性能を改良するための少なくとも1種の感圧性化合物と混合された接着/凝集促進剤を指している。たとえば、結果として得られる、シラン促進剤(1種または複数)および感圧性化合物(1種または複数)を含む加圧シール凝集剤は、印刷プロセスにおいて定着器(たとえば、アイジェン・スリー(iGen3)定着器)を通過して定着器オイルによって汚染された後でも、セルフメーラーのための凝集性能を与えることができる。
【0014】
一つの例示的な実施態様においては、その「シラン促進剤(silane promoter)」は、たとえば約1〜約5種のシラン化合物、たとえば約1〜3種のシラン化合物の混合物を含む凝集促進剤とすることができる。シラン化合物としては、たとえば、アルキルオキシシラン化合物、グリシドオキシシラン化合物、またはその他のシラン化合物が挙げられる。「シラン促進剤」のさらなる例としては、次式で表される少なくとも1個のシラン基を有する有機シラン化合物を挙げることができる。
【0015】
−Si(R)3−m
【0016】
式中、Rは、アルキル、アリール、ビニルなどを含めたC〜C30ヒドロカルビル(hydrocarbyl)とすることができるが、ここでそのヒドロカルビルには、ハロゲン、窒素、酸素または硫黄原子をさらに含んでいてもよい。Rの具体例としては、メチル、エチル、プロピル、オクチル、フェニル、メタクリルオキシプロピル、アミノプロピル、アミノエチルアミノプロピル、フェニルアミノプロピル、クロロプロピル、メルカプトプロピル、アクリルオキシプロピル、3−グリシドオキシプロピル、トリフルオロプロピル、ヘプタデカフルオロデシル、およびイソシアナトプロピル基などが挙げられる。Xは、加水分解性官能基、C〜C20アルコキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシレート基、アリールアルキルオキシ基、およびアリールオキシ基、ハロゲンまたは水素原子を表していてよく、mは1、2または3の整数とすることができる。
【0017】
各種の実施態様において、Rは、非加水分解性有機基することができ、Xは、加水分解性基とすることができ、mは1、2または3の整数とすることができる。たとえば、Xとしては、ハライド、カルボキシル基、アルコキシル基、アリールアルキルオキシ基、およびアリールオキシ基が挙げられる。各種の実施態様において、加水分解性シラン化合物には、合計して2個の加水分解性のX基を含むことができる。シラン化合物は、アミノ基、メルカプト基、エポキシ基、ビニル基からなる群より選択される官能基を含んでもよい。
【0018】
本明細書で使用するのに好適なシラン化合物としては以下のものが挙げられる。アミノアルキルシラン、メルカプトアルキルシランおよびそれらの混合物であり、たとえば、4−アミノブチルトリエトキシシラン、1−アミノ−2−(ジメチルエトキシシリル)プロパン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルジメチルメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノイソブチルジメチルメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルシラントリオール、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−アミノエチル−アザ−2,2,4−トリメチルシラシクロペンタン、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチル−トリメトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシル−トリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、3−(トリエトキシシリル)プロピル無水コハク酸、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソ−シアヌレート、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレン−トリアミン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリクロロシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、アミノシラン塩酸塩、3−グリシドオキシプロピルトリメトキシシラン(Z−6040(ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能);KBM403(シンエツ(Shin−Etsu)から入手可能))、メチルトリメトキシシラン(Z−6070(ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能);KBM13(シンエツ(Shin−Etsu)から入手可能))、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(Z−6030(ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能);KBM502(シンエツ(Shin−Etsu)から入手可能))、アミノプロピルトリメトキシシラン(Z−6011(ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能);KBM903(シンエツ(Shin−Etsu)から入手可能))、アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン(KBM603(シンエツ(Shin−Etsu)から入手可能)またはダウ(DOW)Z6032(ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能);KBM603(シンエツ(Shin−Etsu)から入手可能))、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン(KBM7103(シンエツ(Shin−Etsu)から入手可能))、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン(KBM7803(シンエツ(Shin−Etsu)から入手可能))、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(KBE9007(シンエツ(Shin−Etsu)から入手可能))、アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE903(シンエツ(Shin−Etsu)から入手可能))、アミノエチルアミノプロピルトリエトキシシラン(KBE603(シンエツ(Shin−Etsu)から入手可能))、アルキルトリメトキシシラン(ダウ(DOW)HV10(ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能))、ならびにトリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ビニルメトキシシラン、テトラ(2−メトキシエトキシ)シラン(ダウ(DOW)4040プライム・コート(Prime Coat)(ダウ・コーニング(Dow Corning)から入手可能))を有するコーティング、それらの混合物などである。好適なシラン促進剤としてはさらに、コネチカット州ウィルトン(Wilton, Conn.)のGE・シリコーンズ(GE Silicones)により、シルクエスト(Silquest)(登録商標)、コートオシル(CoatOSil)(登録商標)、NXT(登録商標)、XL−パール(XL−Pearl)(商標)およびシルキャット(Silcat)(登録商標)の商標として販売されているものが挙げられる。例としては、シルクエスト(Silquest)(登録商標)の商標で販売されている以下の型番が挙げられる。A1101、A1102、A1126、A1128、A1130、A1230、A1310、A162、A174、A178、A187、A2120である。たとえば、シルクエスト(Silquest)(登録商標)A−2120は、N(ベータ−アミノエチル)ガンマ−アミノプロピルメチルジメトキシ−シランの接着促進剤である。
【0019】
各種の実施態様において、「シラン促進剤」を、ホットメルト製本用接着剤を定着器オイルで汚染されたアイジェン・スリー(iGen3)印刷物の上で使用することを可能とする、接着促進剤とすることができる。
【0020】
シラン促進剤は、感圧性化合物が、印刷中にアイジェン・スリー(iGen3)定着器またはその他の定着器から付着された官能化PDMS定着器オイルによって汚染されている場合であってさえも、その感圧性化合物の適応性を改良するために使用することができる。各種の実施態様において、シラン促進剤は、(たとえば、その中に添加することで)感圧性化合物の配合物と混合して、本発明に開示の加圧シール凝集剤を形成することが可能であるが、ここでそのシラン促進剤は、加圧シール凝集剤全質量を基準にして約0.5%〜約2.5%のレベルで混合することができる。いくつかの実施態様においては、その混合したシラン促進剤を、感圧性化合物の配合物に直接添加することも可能である。また別な実施態様においては、シラン化合物を、水性の緩衝溶液中で形成させてから、感圧性化合物(配合物)と混合することもできる。
【0021】
各種の実施態様において、シラン促進剤は、感圧性化合物の凝集を促進させて、加圧シール凝集剤を形成させることができるが、その場合、加圧シール凝集剤がその上に定着器オイルを有しているかどうか、あるいは、その加圧シール凝集剤が少なくとも部分的に定着器オイルにおいて覆われているかどうかには関係ない。凝集性結合は、印刷プロセスの後でシーリングする場合ならば、シラン促進剤−混合感圧性化合物の部分と、その接合部分との間において形成させることができる。
【0022】
「感圧性化合物の配合物(pressure sensitive compound formulation)」には、周囲温度で加えた圧力の下でそれ自身に対してシールされるように設計された化学現象に基づく水性エマルションを使用した、1種または複数の感圧性化合物が含まれていてよい。
【0023】
「感圧性化合物(pressure sensitive compound)」としては、慣用される感圧性化合物、たとえば関連分野の当業者には公知の慣用される感圧接着剤および/または凝集剤が挙げられる。慣用される感圧性化合物としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。アルキルアクリレートポリマおよびコポリマ;アルキルアクリレート類とアクリル酸とのコポリマ;アルキルアクリレート類と、アクリル酸と、乳酸ビニル類とのターポリマ;アルキルビニルエーテルポリマおよびコポリマ;ポリイソアルキレン類;ポリアルキルジエン類;アルキルジエン−スチレンコポリマ;スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマ;ポリジアルキルシロキサン類;ポリアルキルフェニルシロキサン類;天然ゴム;合成ゴム;塩素化ゴム;ラテックスクレープ;ロジン;クマロン樹脂;アルキドポリマ;およびポリアクリレートエステル類、ならびにそれらの混合物である。例としてはさらに、以下のものが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。ポリイソブチレン類、ポリブタジエン類、もしくはブタジエン−スチレンコポリマ、およびそれらの混合物;シリコーン系化合物たとえば、ポリジメチルシロキサン、および他の樹脂および/またはオイルと組み合わせたポリメチルフェニルシロキサンである。その他の好適な「感圧性化合物」としては、粘着付与熱可塑性樹脂および粘着付与熱可塑性エラストマが挙げられるが、ここでその粘着付与剤には、組成物のタック(tack)を上昇させる1種または複数の化合物を含むことができる。
【0024】
一つの例示的な実施態様においては、その「感圧性化合物」には、各種レベルの顔料粒子たとえばシリカゲルと組み合わせることが可能な各種のアクリレートモノマと共重合させることによって変性された天然ゴムラテックスを含む感圧性材料を含むことができるし、また、あるレベルの他のラテックスさらにはデンプンを含むこともできる。感圧性凝集剤の一例においては、100重量部の天然ゴム(たとえば、静電的に(electrosterically)安定化された天然ゴムのグラフトおよびブロックターポリマ)と、そのゴムの重量を基準に表して以下の量の成分とを含むことができる。約5〜35%(たとえば、約28%)の1種または複数のアクリレートモノマ(たとえばメタクリル酸メチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、および/またはメタクリル酸イソボルニル);約0.5〜8%のアクリル酸および/または約1〜10%の4−アセトキシスチレン;約0〜20%のアクリル酸エチルヘキシル;約1〜50%(たとえば、約10〜30%)の微細硬質粒子状物質(たとえばシリカゲル);0〜50%(好ましくは約10〜30%)のデンプン;ならびに0〜40%(好ましくは、少なくとも約5%)のカルボキシル化スチレン−ブタジエンラテックス、もしくはカルボキシル化ポリクロロプレンラテックス、もしくはスチレン−アクリレート−アクリロニトリルラテックス、もしくはビニル−ピリジンスチレン−ブタジエンラテックス、もしくは予備架橋させた天然ゴムラテックス、または粘着付与剤、またはそれらの組合せである。
【0025】
本明細書に開示された加圧シール凝集剤は、シラン促進剤(1種または複数)および感圧性化合物(1種または複数)の混合物も含めて、各種の用途を有することが可能であり、そのような用途としては(これらに限定される訳ではないが)、加圧シールメーラー、製品シート(product sheet)、パンフレット(brochure)、プレゼンテーションフォルダ(presentation folder)、情報シート(informational sheet)、便せん(stationery)およびそれらの組合せなどが挙げられるが、本明細書の記述全体において、説明のために、「メーラー(mailer)」または「メーラータイプのビジネスフォーム(mailer type business form)」という用語を用いる。
【0026】
図1は、本発明の教示に従って、開示された加圧シール凝集剤を使用した、メーラータイプのビジネスフォームを製造する例示的な方法100を示す図である。図から判るように、方法100は工程110で開始される。工程120では、感圧性化合物の配合物を得ることができる。感圧性化合物の配合物は、たとえば、慣用される加圧シール凝集剤配合物であってよい。
【0027】
工程130では、シラン促進剤たとえば、アミノ官能化シラン接着促進剤を、得られた感圧性化合物の配合物と混合することによって、本明細書に開示された加圧シール凝集剤を得ることができるが、ここでは簡単な混合操作を使用することによって、その2種の材料を均質にブレンドすることができる。各種の実施態様において、その混合操作は、低剪断のアジテータを使用したバッチ操作で実施することもできるし、あるいは、たとえばインラインの静的なミキサ(in−line static mixer)を用いて連続的に実施することもできる。先に開示されているように、シラン促進剤は、質量で合計100部の加圧シール凝集剤に対して、約0.5〜2.5部の範囲の質量割合で加えることができる。
【0028】
工程140では、そのようにして形成された加圧シール凝集剤を基材の上に、協同パターン(cooperating pattern)で適用することができる。その基材は、最終的にはメーラータイプのビジネスフォームを形成させるための、たとえば紙用紙(paper stock)からの紙シートとすることができる。その紙用紙としては、たとえば、レーザ接着用紙(laser bond stock)、小切手用紙、またはその他各種所望の紙用紙が挙げられる。加圧シール凝集剤の適用は、コーティング法、析出法、または印刷法など各種の実施方法を用いて実施することができるが、これらの方法に限定される訳ではない。各種の実施態様においては、ロッドコーティング法、各種のロールコーター構成、アニロックス−フレキソ(anilox−flexo)もしくはオフセットグラビア、その他を使用することができる。
【0029】
別な方法として、工程130および工程140における加圧シール凝集剤の形成および適用は、まず、所望の紙ウェブの上にパターン化された感圧接着剤/凝集剤を適用し、次いでその適用されたパターン化感圧接着剤/凝集剤の上にシラン促進剤を適用して、加圧シール凝集剤を形成することにより実施することもできる。この方法においては、加圧シール凝集剤にはシラン促進剤(1種または複数)および感圧性化合物(1種または複数)をさらに含んでいることも可能であるが、ここで、そのシラン促進剤は、質量で合計100部の加圧シール凝集剤に対して、約0.5〜2.5部の範囲の質量割合を有する。
【0030】
加圧シール凝集剤の協同パターンは、ビジネスフォームの所望のタイプに応じて、例示的な紙のシート/ウェブの片面または両面の上に予め決めておくことができる。それぞれの協同パターンは、それに続くシーリングプロセスの間に、相互に接触して配置されるような、マッチング(メーティング(mating))パターンを有することができる。その協同パターンは、特定の用途に合わせて、たとえば、ある種の幾何学的配置を有する配列、またはそれぞれの配列を分散させて並べることができる。それに加えて、その協同パターンは、単一のメーラーフォームの上での使用において、同一の幾何学的形状を使用するか、または異なった幾何学的形状を使用して形成することもできる。その幾何学的形状としては、長方形、三角形、正方形、円、および(たとえば、長くて細い)条片(strip)などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。さらに、その協同パターンは、単一の加圧シールメーラーフォームの上で、均質の厚みを有していてもよいし、あるいは各種異なった厚みを有していてもよい。たとえば、協同パターンのいくつかが、1種の幾何学的形状および/または1種の厚みを有し、他のものが別な1種または複数の異なった幾何学的形状および/または厚みを有していてもよい。各種の実施態様において、そのメーラータイプのビジネスフォームが、オフセットプレプリンティング(offset pre−printing)と、加圧シール凝集剤の協同パターンに加えて、折り目付け(scoring)および目打ち(perforation)のいくつかのパターンとを有することができる。
【0031】
工程150では、メーラータイプのビジネスフォームの上に加圧シール凝集剤を適用した後に、乾燥プロセスを実施することができる。例示的な実施態様においては、コーティング操作において加圧シール凝集剤を、コンバータ(たとえば、マイヤーロッド(meyer rod)またはアンロックスフレキソ(anlox flexo))によってレーザ接着用紙に適用し、さらに各種の方法、特にたとえば、輻射乾燥法(radiant drying)、熱風乾燥法、RF(高周波)乾燥法などを使用して乾燥させることが可能である。
【0032】
工程160では、次いで、乾燥させた紙シート/メーラーフォームを、たとえば、アイジェン・スリー(iGen3)電子写真(xerographic)または乾式トナープリンタのようなデジタル印刷機上で、各種のデータ(標準的または個別の情報)を印刷するための基材として導入することができる。本明細書で使用するとき、「デジタル印刷可能な(digital printable)」という用語は、レーザ法、インクジェット法、加熱質量転写法(thermal mass transfer)、加熱色素転写法(thermal dye transfer)、静電法、イオン蒸着法(ion deposition)、電子ビーム画像形成法、固体インクジェット法、およびドットマトリックス印刷法などのデジタル印刷方法によって印刷することが可能であることを指している。印刷では、黒色および/またはカラー印刷媒体(たとえば、液状インキ、リボン、またはトナー粉体)を使用することができる。
【0033】
工程170では、電子写真(xerographic)デジタル印刷の定着段階において、加圧シール凝集剤の協同パターンを、たとえばアイジェン・スリー(iGen3)定着器の中を通過させたり、および/またはその上に定着器オイルの膜が付着したりする可能性がある。たとえば、その印刷基材(たとえば、メーラータイプのビジネスフォーム)は、アイジェン・スリー(iGen3)の定着操作の間に、例として8.5×11インチの紙シートに対して、約4〜約20mgのアミノ−官能化PDMSオイルが付着する可能性がある。先に開示されているように、定着器オイルで汚染された加圧シール凝集剤は、シラン促進剤(1種または複数)を感圧性化合物(1種または複数)に添加しているために、受容可能な凝集性結合を得ることができる。
【0034】
メーラーの形成を完了させるためには、その印刷プロセスに続けて、プリンタから出てくるときに、そのフォームを紙シート/ウェブから剥離し、折りたたんでメーラーとすることができる。メーラーフォームが折りたたまれて、加圧シール凝集剤のマッチングさせた協同パターンを接触するように移動させ、次いでシーリングさせることができる。別な方法として、その協同パターンを移動させて、同様にコーティングされたその紙シートと接触する第二の紙シートと相互に接触するようにもできる。
【0035】
次いで、その折りたたんだメーラータイプのビジネスフォームに対して、協同パターンが重なりあった位置に相当する領域にシーリング圧力をかけることができる。たとえば、加圧シーラーにその折りたたんだメーラーを通過させて、加圧シール凝集剤(たとえば、定着器オイルで汚染された加圧シール凝集剤)を活性化させて、フォームのエッジ部分をシールして完成したメーラー製品を形成させることができる。各種の実施態様において、その折りたたみプロセスおよび加圧シーリングプロセスは、カスタマイズされた加工装置を用いて実施することができるが、それは、工程160でのデジタル印刷に関連して、インラインであっても、オフラインであってもよい。加圧シール業界からは、何種ものそのような装置が供給されているが、たとえばムーア・ノース・アメリカ(Moore North America)からのPS−4スピーディシーラー(Speedisealer)が挙げられる。方法100は、工程180で完結させることができる。
【実施例】
【0036】
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0037】
例示的な本発明の適用方法を、ゼロックス(Xerox)印刷技術を用いて実施した。例示の感圧性化合物の配合物を例示のシラン促進剤(たとえば、シルクエスト(Silquest)A2120)と混合して、加圧シール凝集剤を形成させた。次いで、その加圧シール凝集剤を、90gsmのゼロックス・カラー・エキスプレッションズ・プラス(Xerox Color Expressions Plus)用紙にマイヤーロッドを用いてコーティングし、および/またはマティス(Mathis)ラボドライヤ中、温度80℃で約90秒間の時間をかけて乾燥させた。その加圧シール凝集剤コーティングされた紙シートを、次いで、たとえばゼロックス・アイジェン・スリー(Xerox iGen3)のために設計されたアミノ官能性のPDMS剥離オイルを含むゼロックス定着器流体(Xerox Fuser Fluids)を用いて運転されているゼロックス・アイジェン・スリー定着器(Xerox iGen3 fuser)の中に、まず、50枚の標準の75gsm電子写真用紙(Xerographic bond)を走らせて、剥離剤の計量システムを安定化させてから、通過させた。次いで、その紙シートを半分(すなわち、二つ折り)、または各種所望の形態(たとえば、三つ折り)に折りたたんで、そのコーティングされた加圧シール凝集剤の一つのパターンがそれにマッチするパターンに接触するように位置させ、次いで、シーリングプロセスにかけたが、それには、たとえば、シートをシールするための市販の加圧シールユニットと同等に調節した圧力の2ロールスチールラボカレンダ(2−roll steel lab calendar)を使用した。
【0038】
定着器オイルで汚染された加圧シール凝集剤(すなわち、感圧性化合物とシラン促進剤の両方を含むもの)の接着強度を、当業者公知の剥離試験を用いて測定したが、そこでは、剥離試験の際の繊維引き裂き(fiber tear)のパーセンテージが高いことによって満足のいく凝集性結合が示される。「満足のいく凝集性結合」という用語は、加圧シール凝集剤の凝集性結合の破壊よりも前に、紙基材の結合および/または強度(たとえば、凝集性/接着性結合、または紙の凝集力)が破壊され、そしてこの望ましい状態が「繊維引き裂き(fiber tear)」に示されている、ということを意味している。この実施例においては、カレンダニップ圧力を用いたシーリングプロセスの後に、貼り合わせた加圧シール凝集剤を引き離すようにして剥離試験を実施して、繊維引き裂きを測定した。
【0039】
カレンダのニップ圧力を調節して、対照結合物で、100%の繊維引き裂きを有する強い接着強度が達成されるようにした。その対照結合物には感圧性化合物のみを含んでいるものであって、ここで、定着器工程は実施せず(すなわち、その対照サンプルでは定着器オイルの汚染はない)、また感圧性化合物にはシラン促進剤は添加しなかった。当業者には公知のことであるが、感圧性化合物に促進剤を添加せずに定着器工程を実施した場合には、その折りたたまれた紙は、接着強度を失い、定着器オイルの汚染のためにカレンダニップを通過させた後では、繊維引き裂きなしで再開封(re−open)することができる、ということに留意されたい。
【0040】
メーラーフォームが印刷定着器を出てから約1時間(結果を図2A〜2Cに示す)または約24時間(結果を図3A〜3Cに示す)経過後に剥離試験を実施した。加圧シール凝集剤のために使用するシラン促進剤の濃度を変化させて、加圧シール凝集剤の全質量を基準にして、シラン促進剤の質量濃度が、約1.5%(図2Aおよび3A参照)、約2.0%(図2Bおよび3B参照)、および約2.5%(図2Cおよび3C参照)となるようにした。さらに、図2A〜2Cおよび図3A〜3Cの中のそれぞれのサンプルには、それぞれ折りたたみ線202および302を有しているが、これは、そのメーラーフォームを線202または302に従って折りたたんでから、加圧シールしたことを示している。さらに、それぞれのサンプルには、図2A〜2Cにおいては210、220、および230、図3A〜3Cにおいては310、320、および330で示されるような繊維引き裂き領域(fiber tear area)を含んでいるが、それらは、「剥離(peeling)」にかけたときの、開示された加圧シール凝集剤の凝集性結合によって生じたものである。より具体的には、接着強度を印刷後1時間で測定するような図2A〜2Cに示されているのは、それぞれ約1.5%、2.0%および2.5%のシラン促進剤の質量濃度を有する加圧シール凝集剤では、繊維引き裂きが約20.8%、25%および25%であった。それに対して、接着強度を印刷後24時間で測定するような図3A〜3Cに示されているように、それぞれ約1.5%、2.0%および2.5%のシラン促進剤の質量濃度を有する加圧シール凝集剤では、繊維引き裂きが約80%、75%および90%であった。これらの繊維引き裂きの結果(表1参照)から、シラン促進剤を添加したことによって、メーラータイプのビジネスフォーム上の定着器オイルで汚染された加圧シール凝集剤で、所望の接着強度が達成されたことが判る。
【0041】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明の教示に従って、開示された加圧シール凝集剤を使用した、メーラータイプのビジネスフォームを製造する例示的な方法を示す図である。
図2A】本発明の教示に従って接着された加圧シール凝集剤の、一連の例示的な剥離試験の結果を示す図である。
図2B】本発明の教示に従って接着された加圧シール凝集剤の、一連の例示的な剥離試験の結果を示す図である。
図2C】本発明の教示に従って接着された加圧シール凝集剤の、一連の例示的な剥離試験の結果を示す図である。
図3A】本発明の教示に従って接着された加圧シール凝集剤の、また別な一連の例示的な剥離試験の結果を示す図である。
図3B】本発明の教示に従って接着された加圧シール凝集剤の、また別な一連の例示的な剥離試験の結果を示す図である。
図3C】本発明の教示に従って接着された加圧シール凝集剤の、また別な一連の例示的な剥離試験の結果を示す図である。
【符号の説明】
【0043】
100 方法、110,120,130,140,150,160,170,180 工程、202,302 折りたたみ線、210,220,230,310,320,330 繊維引き裂き領域。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C