(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
垂直配向型液晶表示素子は、二枚の表裏ガラス基板間に配置される液晶層内の液晶分子配向が、基板に対して略垂直に配向する垂直配向(vertical alignment; VA)モード液晶セルを略クロスニコルに配置された偏光板間に配置することにより構成される。ガラス基板法線方位から観察したとき、垂直配向型液晶表示素子の背景表示部(電圧無印加部)の光透過率は、略クロスニコルに配置された偏光板のそれとほぼ等しく、非常に低い。このため、垂直配向型液晶表示素子は、高コントラスト比での表示を比較的容易に実現することができる。
【0003】
VAモード液晶セルにおいて、表裏基板内面間に、垂直方向から傾斜した均一な配向処理を施す方法として以下の技術が公知である。たとえば(i)配向膜としてSiO
xなどの金属酸化膜を、基板内面となる面に、基板法線より傾いた方向から斜方蒸着することにより、蒸着した表面を鋸形状に形成し、この表面形状効果によって均一配向を実現する方法、(ii)ポリイミドなどの有機配向膜材料を基板内面となる面に成膜した後、配向膜面に紫外線を基板法線より斜め方位から照射する、いわゆる光配向処理方法(たとえば、特許文献1参照)、(iii)ある特定の表面自由エネルギを有する垂直配向膜を、基板内面となる面に成膜した後ラビング処理する方法(たとえば、特許文献2参照)である。これらの方法は、電圧無印加時のVAモード液晶セルの液晶層において、ある一方位に液晶分子を配向可能なモノドメイン配向処理方法である。
【0004】
図12(A)は、従来の垂直配向型液晶表示素子の概略を示す断面図であり、(B)〜(D)は、その電極構造の一部を示す概略的な平面図である。
【0005】
図12(A)を参照する。従来の垂直配向型液晶表示素子は、表側基板11、裏側基板12、及び両基板11、12間に配置された垂直配向液晶層13を含んで構成される。表側基板11は、表側ガラス基板11a、表側ガラス基板11a上に形成されたセグメント透明電極11b、及び、表側ガラス基板11a、セグメント透明電極11b上に形成された表側垂直配向膜11cを含んで構成される。同様に、裏側基板12は、裏側ガラス基板12a、裏側ガラス基板12a上に形成されたコモン透明電極12b、及び、裏側ガラス基板12a、コモン透明電極12b上に形成された裏側垂直配向膜12cを含んで構成される。セグメント透明電極11b及びコモン透明電極12bは、たとえば酸化インジウムスズ(indium tin oxide; ITO)で形成される。
【0006】
表側及び裏側垂直配向膜11c、12cには、たとえば上記した配向処理方法(ii)または(iii)により、一方位に配向処理が施されている。表側及び裏側基板11、12と平行な面内に、紙面垂直奥方位を12時方位(90°方位)、紙面右方位を3時方位(0°方位)、紙面垂直手前方位を6時方位(270°方位)、紙面左方位を9時方位(180°方位)とする方位座標系を定めるとき、一例として、表側垂直配向膜11cには12時方位、裏側垂直配向膜12cには6時方位に、液晶分子が一様に配向するように、配向処理がなされている。
【0007】
垂直配向液晶層13は、表側基板11の表側垂直配向膜11cと、裏側基板12の裏側垂直配向膜12cとの間に配置された略垂直配向する液晶層である。たとえば負の誘電率異方性を有する液晶材料を用いて形成され、モノドメイン構造を有する。たとえば、セグメント透明電極11bとコモン透明電極12bとの間に電圧が印加されない状態においては、液晶層13の液晶分子は、表側及び裏側基板11、12に対して略垂直に配列する。両電極11b、12b間に閾値電圧より大きい電圧が印加されると(以下、電圧印加時または電圧印加状態)、液晶層13内の液晶分子の大部分は、基板11、12の面内方向に向かって配向処理方位へ倒れる。
【0008】
スペーサ14は、たとえば表側基板11と裏側基板12との間の間隔を保持する。両基板11、12は、シール部15により貼り合わされている。
【0009】
表側視角補償板16、表側偏光板18が、この順に、液晶層13とは反対側の表側ガラス基板11a上に配置される。同様に、裏側視角補償板17、裏側偏光板19が、この順に、液晶層13とは反対側の裏側ガラス基板12a上に配置される。表側、裏側偏光板18、19は、たとえば略クロスニコルに、かつ、基板面と平行な面内において吸収軸方位が、液晶層13の厚さ方向の中央に位置する液晶分子の電圧無印加時における配向方位(6時方位)と、45°の角度をなすように配置されている。一例として、表側偏光板18は、吸収軸方位が45°−225°方位となるように配置され、裏側偏光板19は、吸収軸方位が135°−315°方位となるように配置される。
【0010】
表側、裏側視角補償板16、17は、負の一軸または負の二軸の光学異方性を有する視角補償板である。表側、裏側視角補償板16、17に面内遅相軸が存在する場合、表側、裏側視角補償板16、17は、遅相軸と、近接する偏光板18、19の透過軸とが略平行となるように配置される。
【0011】
図示は省略したが、裏側偏光板19の外側にバックライトが配置される。バックライトから発せられた光は、裏側偏光板19及び裏側視角補償板17を透過して液晶セルに入射する。セグメント透明電極11bとコモン透明電極12bとの間に閾値電圧より大きい電圧が印加されていないとき、及び、電圧が印加されている場合でも、表示部(基板11、12の法線方向に関して両電極11b、12bが重なって形成され、表示が行われる領域)以外の領域においては、液晶セルに入射し、これを透過した光は、表側偏光板18で遮光される。このため、表側偏光板18の外側から液晶表示素子を観察する観察者に対して、暗表示(黒表示)が行われる。他方、両電極11b、12b間に閾値電圧より大きい電圧が印加された状態の表示部においては、液晶セルに入射した光は、液晶セル及び表側偏光板18を透過する。このため、表側偏光板18の外側から液晶表示素子を観察する観察者に対して、明表示(白表示)が行われる。
【0012】
図12(B)、(C)は、それぞれセグメント透明電極11b、コモン透明電極12bの一部を示す概略的な平面図である。また、
図12(D)は、表側基板11の鉛直上方(基板法線方向)から観察した両電極11b、12bの一部を示す概略的な平面図である。
【0013】
図12(A)〜(D)に示す液晶表示素子は、表示部の形状を主にセグメント電極11bの形状によって実現する、いわゆるセグメント表示液晶表示素子である。セグメント表示液晶表示素子においては、電極の形状により、任意形状の表示部を作製することができる。
図12(B)〜(D)には、表示部が「AUTO」の文字列となる電極11b、12b領域を示した。なおセグメント表示液晶表示素子は、たとえば単純マトリクス駆動、一例としてマルチプレックス駆動により動作される。
【0014】
「AUTO」の表示を実現するため、セグメント透明電極11bは、たとえば
図12(B)に示す形状に、表側ガラス基板11a上に形成される。また、コモン透明電極12bは、
図12(C)に示す形状に、裏側ガラス基板12a上に形成される。表側基板11と裏側基板12とは、電極11b、12b形成面が対向するように略平行配置され、両基板11、12の法線方向から見たとき、両電極11b、12b形成領域の重なり部分が、「AUTO」のみとなるように、たとえば
図12(D)に示すように位置合わせされ、貼り合わされている。
図12(B)〜(D)に示す電極構造と、モノドメイン垂直配向液晶層とを組み合わせることにより、表示部以外の良好な暗表示を実現することが可能となる。
【0015】
図12(A)〜(D)に示した液晶表示素子は、12時方位からは、明表示状態が良好に観察され、逆に6時方位からは明表示が観察されない極角方位観察角度が存在することが知られている。12時方位は最良視認方位と呼ばれ、6時方位は反視認方位と呼ばれる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
従来の垂直配向型液晶表示素子を電圧印加時に反視認方位から見ると暗状態が観察される。しかし表示部に、最良視認方位または反視認方位と略直交する辺(たとえば
図12(A)〜(D)に示す例においては「A」の横棒)が存在する場合には、その辺のエッジ(表示部の輪郭線)付近で光抜けが生じる。そして光抜けの度合いに不均一が観察され、表示品位を低下させる場合がある。更に、同じ表示パターンにもかかわらず、反視認方位から見たときに表示部エッジ付近の光抜け状態に違いが観察されることがあり、表示パターンの配置によっては表示品位を低下させる。これらの表示品位の低下が認められるのは、反視認方位を中心に、時計回り方向、反時計回り方向の各方向に、それぞれ約70°以内の範囲から観察した場合においてである。
【0022】
光抜けは、最良視認方位または反視認方位と略直交する辺のエッジ付近以外でも、電圧印加状態において斜め電界の影響を受ける表示部のエッジ付近で認められる。この場合にも、反視認方位を中心に、時計回り方向、反時計回り方向の各方向に、それぞれ約70°以内の範囲で、表示品位が低下する。
【0023】
本願発明者らは、光抜けやその度合いの不均一が生じる理由を以下のように考察した。
【0024】
図1は、
図12(A)〜(D)に示した従来の垂直配向型液晶表示素子について、
図12(A)とは異なる断面の液晶セル部分を示す概略図である。前述のように、表側垂直配向膜11cには12時方位、裏側垂直配向膜12cには6時方位に、ラビング処理が施されている。このため電圧印加状態においては、液晶層13の厚さ方向の中央に位置する液晶分子(液晶層中央分子13m)は、6時方位に倒れるように傾斜する。このため、液晶表示素子の最良視認方位は12時方位となり、反視認方位は6時方位となる。
【0025】
セグメント透明電極11b及びコモン透明電極12bのエッジ部においては、液晶層13内に斜め電界が生じる。本図には、液晶層13内の斜め電界を破線で示した。斜め電界の影響を強く受ける液晶層13内の領域では、液晶層中央分子13mが斜め電界に直交するように配向する。したがって電極11b、12bのエッジ付近の一部領域においては、液晶層中央分子13mの配向方位が、斜め電界の影響を受けない領域(配向膜11c、12c上の配向処理方位で液晶分子の配向方位が決定される領域)の液晶層中央分子13mの配向方位とは逆方位(180°異なる方位)となる。このようにモノドメイン構造を有する液晶表示素子であっても、電圧印加状態の表示部内は、実質的にエッジ付近で配向方位が異なるマルチドメイン構造が実現されている。これにより、反視認方位からであるにもかかわらず、表示部のエッジ付近で光抜けが観察されると考えられる。
【0026】
図2(A)及び(B)は、それぞれ
図12(A)〜(D)に示した従来の垂直配向型液晶表示素子の表示部「AUTO」の「A」の文字の横棒付近、及び、「U」の文字の下側曲線部分の電圧印加時配向組織を示す偏光顕微鏡写真である。
【0027】
図2(A)を参照する。「A」の横棒部分の上側エッジ付近に、曲線状の暗領域(暗線)が2本形成されているのが認められる。本願発明者らは、この暗領域について以下のように考えた。
【0028】
図3は、「A」の横棒部分の上側エッジ付近における、暗領域と液晶層中央分子13mの配向方位との関係を示す概略的な平面図である。本図には、矢印の向きでその位置における電圧印加時の液晶層中央分子13mの配向方位を示した。
【0029】
図示するように、斜め電界の影響を受けない領域の液晶層中央分子13mの配向方位(電圧無印加時における配向方位)は6時方位である。また「A」の横棒の上側エッジにおける液晶層中央分子13mの配向方位は12時方位となる。暗領域は、両者の中間に2本(たとえば第1の暗領域(暗線)及び第2の暗領域(暗線))形成される。
【0030】
液晶層中央分子13mの配向方位が相互に逆方位である両者の中間領域においては、一方側から他方側に向かって、液晶層中央分子13mの配向方位は連続的に変化する。このため第1の暗領域は、たとえば液晶層中央分子13mの配向方位が、表側偏光板吸収軸方位(45°−225°方位)と平行な方位である、45°方位となる位置に形成される。また第2の暗領域は、たとえば液晶層中央分子13mの配向方位が、裏側偏光板吸収軸方位(135°−315°方位)と平行な方位である、315°方位となる位置に形成される。
【0031】
第1及び第2の暗領域が形成されている領域と、3時方位または9時方位で隣接している領域においては、液晶層中央分子13mの配向方位が連続的に変化する向き(回転方向)は逆となる。たとえば第1及び第2の暗領域が形成されている領域において、液晶層中央分子13mの配向方位が右方向に回転するように連続的に変化するとき、それに隣接する領域においては、液晶層中央分子13mの配向方位は左方向に回転する。このため、たとえば液晶層中央分子13mの配向方位が135°方位となる位置を結んで、「A」の横棒の上側エッジに近い暗領域が形成され、225°方位となる位置を結んで、「A」の横棒の上側エッジから遠い暗領域が形成される。そして液晶層中央分子13mの配向方位が連続的に変化する向きが逆となる位置に、液晶分子の配向が不連続となるディスクリネーションが現れる。
【0032】
このように、本願発明者らは、液晶層中央分子13mの配向方位が相互に逆方位となる領域の中間の領域に生じる暗領域は、たとえば液晶層中央分子13mを電圧無印加時における配向方位と逆方位に配向させる斜め電界に起因し、液晶層中央分子13mの配向方位が偏光板の吸収軸方位と略平行になる位置に形成されており、また、ディスクリネーションは、液晶層中央分子13mの配向方位が連続的に変化する向きが逆となる位置に形成される、と考えた。
【0033】
再び、
図2(A)を参照する。本願発明者らの考察は、「A」の横棒の上側エッジ付近に曲線状の暗領域が2本形成されているのが認められる一方で、斜め電界の影響を受ける領域と受けない領域の液晶分子の配向方位が同方位となる下側エッジには暗領域は認められないことと整合する。
【0034】
なお、本願発明者らが同じ電極パターンについて研究した結果、「A」の横棒部分の上側エッジ付近に発生するディスクリネーションの位置、及び、暗領域の曲線形状は全く異なり、不規則であることがわかった。このことから本願発明者らは、暗領域パターンの不規則性により、反視認方位から観察したときの光抜けに不均一が生じていると考えた。
【0035】
以上は、液晶層中央分子13mの配向方位が、電圧印加時と無印加時とで相互に逆方位となる位置(たとえば表示部「A」の横棒の上側エッジ)についての考察であった。続いて、これを拡張した範囲について考察する。
【0036】
図2(A)を参照すると、「A」の左右の斜め線(スロープ)部分では、内側エッジ、外側エッジの双方の近傍に暗領域が1本発生しているのが認められる。
【0037】
図4は、「A」の左側の斜め線部分の内外エッジにおける、液晶層中央分子13mの電圧印加時配向方位を示す概略的な平面図である。本図には、矢印の向きでその位置における電圧印加時の液晶層中央分子13mの配向方位を示した。
【0038】
図示するように、電圧印加時の内側エッジにおいては、液晶層中央分子13mは、電圧無印加時における配向方位を基準として、反時計回り方向に45°以上135°未満の角度だけ回転した方位に配向する。したがって「A」の斜め線部分の内側エッジ近傍の暗領域は、液晶層中央分子13mの配向方位が、裏側偏光板吸収軸方位(135°−315°方位)と平行な方位である、315°方位となる位置に形成されると考えられる。
【0039】
また、電圧印加時の外側エッジにおいては、液晶層中央分子13mは、電圧無印加時における配向方位を基準として、時計回り方向に45°以上135°未満の角度だけ回転した方位に配向する。したがって「A」の斜め線部分の外側エッジ近傍の暗領域は、液晶層中央分子13mの配向方位が、表側偏光板吸収軸方位(45°−225°方位)と平行な方位である、225°方位となる位置に形成されると考えられる。
【0040】
図4には「A」の左側の斜め線部分について示したが、右側の斜め線部分についても同様に考えることができる。すなわち右側の斜め線部分の内側エッジにおいては、電圧印加時、液晶層中央分子13mは、電圧無印加時における配向方位を基準として、時計回り方向に45°以上135°未満の角度だけ回転した方位に配向する。このため暗領域は、液晶層中央分子13mの配向方位が、表側偏光板吸収軸方位(45°−225°方位)と平行な方位である、225°方位となる位置に形成される。
【0041】
また、右側の斜め線部分の外側エッジにおいては、電圧印加時、液晶層中央分子13mは、電圧無印加時における配向方位を基準として、反時計回り方向に45°以上135°未満の角度だけ回転した方位に配向する。このため暗領域は、液晶層中央分子13mの配向方位が、裏側偏光板吸収軸方位(135°−315°方位)と平行な方位である、315°方位となる位置に形成される。
【0042】
このように考えると、暗領域は、液晶層中央分子13mの電圧印加時の配向方位が、表側または裏側偏光板18、19の吸収軸の方位と略平行となる位置を結んで形成され、したがって液晶層中央分子13mの電圧印加時の配向方位と、電圧無印加時における配向方位とのなす角が45°未満である位置の近傍には発生せず、45°以上135°未満である位置の近傍には1本だけ発生し、135°以上である位置の近傍には2本発生するということができる。
【0043】
暗領域が発生する表示部エッジにおいては、反視認方位を中心に、時計回り方向、反時計回り方向の各方向に、それぞれ約70°以内の範囲から観察した場合に、光抜けが認められる。最良視認方位が変化することから観察方位によっては光抜けが生じると考えられる。
【0044】
図2(B)を参照する。電圧印加時の「U」の文字の下側曲線部分においては、上側エッジの全体、及び下側エッジの一部に暗領域の発生が認められる。これについても、
図3及び
図4を参照して行った説明と同様の説明を加えることができる。なお、上側エッジの全体で暗領域が形成されるのは、「U」の文字の下側曲線部分の上側エッジ(輪郭線)を構成する電極エッジはすべて、
図12(B)〜(D)に示されるようにセグメント透明電極11bの電極エッジであるためである。「U」の文字の下側曲線部分の下側エッジ(輪郭線)は、
図12(B)〜(D)に示されるように、その一部がコモン透明電極12bの電極エッジで構成され、残部はセグメント透明電極11bの電極エッジで構成される。暗領域の発生が認められるのは、下側エッジ(輪郭線)がコモン透明電極12bの電極エッジで構成されている部分である。
【0045】
反視認方位を中心に、時計回り方向、反時計回り方向の各方向に、それぞれ約70°以内の範囲から表示部エッジを見たとき、光抜けが観察されないようにする一方法として、たとえば光抜けの原因である斜め電界が生じないように、セグメント透明電極及びコモン透明電極の構造を工夫することが挙げられる。
【0046】
図5(A)〜(C)に、光抜けを抑止する電極構造の一例を示す。
図5(A)、(B)は、それぞれセグメント透明電極11b’、コモン透明電極12b’の一部を示す概略的な平面図であり、
図5(C)は、基板法線方向から見た両電極11b’、12b’の一部を示す概略的な平面図である。
【0047】
たとえば
図5(A)及び(B)に示すように、表示部におけるセグメント透明電極11b’とコモン透明電極12b’の電極形状を可能な限り等しくするとともに、引き回し線接続部分を極力細くすることにより、
図5(C)に示すように、両電極11b’、12b’のエッジを面位置で重ねることが可能となる。しかし実際には、このような電極構造を採用した場合、基板の重ね合わせ時に位置ずれが生じることがありえ、また、引き回し線が細くなることで配線抵抗が高くなり、長い引き回しが困難となるため、液晶表示素子の大きさに制約を生じさせることになる。更に、表示パターンによっては、面位置で重ねるパターン設計が極めて困難なケースも考えられる。
【0048】
本願発明者らは、たとえば
図12(A)〜(D)に示す従来の垂直配向型液晶表示素子の電極構造に対し、表示部エッジ(輪郭線)に対応する領域に開口部を配置して、開口部近傍の一部の斜め電界の方位を従来とは逆方位とすることにより、反視認方位を中心に、時計回り方向、反時計回り方向の各方向に、それぞれ約70°以内の範囲から表示部エッジを見たときの光抜けを抑制可能な液晶表示素子を作製した。この液晶表示素子は、暗領域の発生位置及び曲線形状を制御し、暗領域パターンの不規則性を解消して、光抜けの不均一性を抑止することが可能な液晶表示素子でもある。
【0049】
図6は、実施例によるモノドメイン垂直配向型液晶表示素子の概略を示す断面図である。実施例による垂直配向型液晶表示素子は、
図12(A)〜(D)に示した従来例とは、セグメント透明電極11B及びコモン透明電極12Bにおいて相違する。その他の構成要件は、従来例と同様である。
【0050】
以下、
図6を参照しながら、実施例によるモノドメイン垂直配向型液晶表示素子の製造方法を説明する。
【0051】
片面が研磨処理され、その表面にSiO
2アンダーコートが施された後、ITO膜が成膜された青板ガラス基板を2枚準備し、フォトリソグラフィ工程及びエッチング工程で各基板のITO膜をパターニングして、セグメント透明電極11Bの形成された表側ガラス基板11a、及び、コモン透明電極12Bの形成された裏側ガラス基板12aを作製する。必要に応じて、電極11B、12Bの一部表面上にSiO
2などによる絶縁層を形成してもよい。
【0052】
電極11B、12B付きのガラス基板11a、12aをアルカリ溶液等で洗浄した後、 電極11B、12B上及びガラス基板11a、12a上に、(株)チッソ石油化学製の垂直配向膜をフレキソ印刷法にて塗布し、クリーンオーブン内で180℃で30分間焼成する。こうして得られた表側及び裏側垂直配向膜11c、12cの各々に、綿製ラビング布を用いて、基板面内の所定の一方位にラビング処理を施す。こうして、表側ガラス基板11a、表側ガラス基板11a上に形成されたセグメント透明電極11B、及び、表側ガラス基板11a、セグメント透明電極11B上に形成された表側垂直配向膜11cを含んで構成される表側基板(セグメント基板)11を得る。また、裏側ガラス基板12a、裏側ガラス基板12a上に形成されたコモン透明電極12B、及び、裏側ガラス基板12a、コモン透明電極12B上に形成された裏側垂直配向膜12cを含んで構成される裏側基板(コモン基板)12を得る。
【0053】
表側基板11の全面に、乾式散布法にて粒径約5μmの(株)早川ゴム製黒色プラスチックスペーサを散布する。裏側基板12には約4.5μmの(株)日本電気硝子製ロッド状ガラススペーサ14を混入した、(株)三井化学製熱硬化型シール材15をディスペンサで所定のパターンに塗布する。その後、両基板11、12を、電極11B、12B形成面が対向し、配向方位(ラビング方位)がアンチパラレルとなるように位置合わせして略平行に貼り合わせ、熱圧着にてシール材を硬化させて空セルを完成させる。表側基板11、裏側基板12の配向方位は、それぞれ12時方位、6時方位である。
【0054】
誘電率異方性Δεが負の(株)メルク製液晶材料を、真空注入法を用いて空セルに注入した後、プレス処理をしながら封止し120℃にて1時間焼成する。
【0055】
表側及び裏側ガラス基板11a、12a表面に、(株)ポラテクノ製偏光板SHC13Uを、表側及び裏側偏光板18、19が略クロスニコルとなり、かつ各偏光板18、19の吸収軸が、ラビング処理により定められる液晶層13の厚さ方向の中央に位置する液晶分子の配向方位(電圧無印加時の配向方位、6時方位)と略45°をなすように貼り合わせる。必要に応じて、表側、裏側ガラス基板11a、12aと偏光板18、19との間に、表側、裏側視角補償板16、17を配置することができる。最後に、液晶セルの電極取り出し端子にリードフレームを取り付ける。
【0056】
なお、測定の結果、実施例による垂直配向型液晶表示素子の液晶層13の厚さは約4.3μm、液晶層13におけるプレチルト角は約89.9°であった。液晶層13のリタデーションは約1100nmである。
【0057】
図7(A)〜(C)は、実施例によるモノドメイン垂直配向型液晶表示素子のセグメント透明電極11B及びコモン透明電極12Bを示す概略的な平面図である。
【0058】
図7(A)に、セグメント透明電極11Bの構造を示す。セグメント透明電極11Bは、
図12(B)に示した従来例のセグメント透明電極11bとは、開口部20を備える点において異なる。
【0059】
図7(B)に、コモン透明電極12Bの構造を示す。コモン透明電極12Bは、
図12(C)に示した従来例のコモン透明電極12bとは、開口部21を備える点において異なる。セグメント透明電極11B、コモン透明電極12Bの電極パターンの外形は、それぞれ従来例におけるセグメント透明電極11b、コモン透明電極12bのそれと等しい。
【0060】
図7(C)は、基板11、12法線方向から見た電極11B、12B配置を示す概略的な平面図である。電極11B、12Bは、
図12(D)に示した従来例の電極11b、12bと同様に、両基板11、12の法線方向から見たとき、両電極11B、12B形成領域の重なり部分が、「AUTO」のみとなるように位置合わせされている。
【0061】
開口部20、21は、実施例による液晶表示素子を基板11、12法線方向から見たとき、「AUTO」という表示部のエッジ(輪郭線)部分に配置されるように、電極11B、12Bに形成されている。また、開口部20、21は、開口部20、21を有しない従来例の電圧印加状態において、配向膜11c、12c上の配向処理方位で液晶分子の配向方位が決定される領域の液晶層中央分子13mの配向方位と、電極エッジ部の液晶層13に生じる斜め電界の影響を受ける領域の液晶層中央分子13mの配向方位との不一致によって、暗領域の発生が著しい領域に形成されている。更に、開口部20、21は、表示部のエッジ部分にエッジをもたない方の電極11B、12B(表示部のエッジ部分を自らの電極エッジで構成する電極と対向する電極)に形成されている。
【0062】
図8(A)〜(C)は、開口部の形状及び配置の例を示す概略的な平面図である。
【0063】
図8(A)には、「AUTO」の「A」の横棒の上側エッジ部分のコモン透明電極12Bに形成された開口部21を示した。
【0064】
開口部21は、たとえば長辺の長さLが0.0656mm、短辺の長さWが0.0328mmの矩形状である。複数の開口部21は、表示部のエッジ部分(セグメント透明電極11Bの「A」を示す電極部分の横棒の上側エッジ部分)に沿って、たとえば開口部21の並び方向と表示部のエッジ部分とが平行になるように、一例として、開口部21の長辺が表示部のエッジ部分と平行になるように、コモン透明電極12Bに形成される。この場合たとえば、
図8(A)に示すように、複数の開口部21は、隣接する開口部21が一定の間隔S、たとえば0.0328mmを隔てて、規則的に並ぶように形成される。
【0065】
外観から矩形状開口部21の存在を目視できない大きさにすることが好ましいため、短辺の長さWは0.05mm以下とするのが望ましい。また、長辺の長さLと短辺の長さWの比は2:1に限られない。隣接する開口部21間の距離Sを0とすることも可能であるが、電極が断線しないように配慮する必要がある。Sを0としたとき、長辺の長さLは、表示部の意匠形状に依存する。Sは0.1mm以下とすることが望ましい。0.1mmを超える場合、後述する、隣接開口部21間に発生する暗領域の形状が、完全には制御できなくなる場合が生じるためである。
【0066】
図8(B)に、セグメント透明電極11Bの「A」を示す部分の横棒の上側エッジと、コモン透明電極12Bに形成される開口部21との位置関係を示す。本図に示すように、開口部21は、基板11、12法線方向から見たとき、たとえば各開口部21の内部にセグメント透明電極11Bのエッジが存在するように(各開口部21がセグメント透明電極11Bのエッジ上に重なるように配置されるように)、コモン透明電極12Bに形成される。このように実施例による液晶表示素子は、基板11、12法線方向から見たとき、表示部のエッジ(輪郭線)を構成する一方電極の電極エッジ上の少なくとも一部領域に、他方電極の開口部が配置された電極構造を有する。
【0067】
なお、実施例による液晶表示素子においては、たとえば「U」の文字の下側曲線部分の上側、下側エッジに沿う開口部21、20も、長辺の長さLが0.0656mm、短辺の長さWが0.0328mmの矩形状に形成される。
【0068】
図8(C)に示すように、開口部20、21は、基板11、12法線方向から見たとき、たとえばその長辺が、対向する電極12B、11Bのエッジと平行になるように曲線状に形成されていてもよい。開口部20、21は、矩形状である場合も含め、電極12B、11Bのエッジの線形状に対応する形状を備える開口部とすることができる。
【0069】
図9(A)及び(B)は、それぞれ実施例による垂直配向型液晶表示素子の表示部「AUTO」の「A」の文字の横棒付近、及び、「U」の文字の下側曲線部分の電圧印加時配向組織を示す偏光顕微鏡写真である。
【0070】
図9(A)のI部(「A」を表示する横棒の上側エッジ)を参照する。I部においては、上側エッジの凹範囲(「A」の横棒の上側エッジのうち3時−9時方位(表示部エッジが全体として延在する方位、セグメント透明電極11Bのエッジの延在方位、開口部21の配列方位)エッジが開口部21の長辺エッジで構成される範囲)に暗領域の発生は見られない。他方、上側エッジの凸範囲(「A」の横棒の上側エッジのうち3時−9時方位エッジがセグメント透明電極11Bエッジで構成される範囲、開口部21間の範囲)に規則的な暗領域の発生が見られる。これは
図9(B)のM部(表示部のエッジ部分の接線方向と3時−9時方位とのなす角が45°未満である下側曲線部分のエッジ)においても同様である。
【0071】
本願発明者らの研究の結果、隣接する開口部21間の距離Sを0.1mm以下とした場合、「A」の横棒の上側エッジの凸範囲に現れる暗領域の形状はほぼ等しくなり、暗領域パターンの不規則性が解消され、表示部エッジにおける光抜けの度合いが均一化されることがわかった。
【0072】
図10は、
図9(A)のI部における液晶層中央分子13mの電圧印加時配向方位を示す概略的な平面図である。本図には、矢印の向きでその位置における電圧印加時の液晶層中央分子13mの配向方位を示した。
【0073】
図示するように、上側エッジの凸範囲の3時−9時方位に延びるエッジ上では、斜め電界による液晶層中央分子13mの配向方位は、
図3に示した場合と等しく、12時方位となる。また、「A」の横棒の上側エッジを表示する表示部エッジを構成する開口部短辺上における液晶層中央分子13mは、開口部内部に向かう、開口部長辺に平行な方位(3時方位または9時方位)に配向する。更に、「A」の横棒を表示する表示部の中央部(エッジから離れた部分)の液晶層中央分子13m配向方位(電圧無印加時における液晶層中央分子13mの配向方位)は、6時方位である。
【0074】
規則的な暗領域の発生が見られる上側エッジの凸範囲においては、液晶層中央分子13mの配向方位が12時方位となるエッジ上と、6時方位となる中央部との間で、一方側から他方側に向かって、液晶層中央分子13mの配向方位が連続的に変化する。連続的に変化する中で、液晶層中央分子13mが、表側偏光板吸収軸方位(45°−225°方位)と平行な方位である225°方位、または、裏側偏光板吸収軸方位(135°−315°方位)と平行な方位である315°方位に配向する位置に暗領域が発現していると考えられる。
【0075】
他方、上側エッジの凹範囲では、3時−9時方位に延びるエッジ上における、斜め電界による液晶層中央分子13mの配向方位は、電圧無印加時の配向方位と等しく6時方位となる。このため上側エッジの凹範囲においては、暗領域は出現しない。
【0076】
図9(B)のM部を参照すると、
図9(A)のI部と同様の効果を得るためには、表示部エッジに沿う開口部の長辺エッジと、電圧無印加時の液晶層中央分子13mの配向方位とは、必ずしも略直交していなくてよいことがわかる。(
図9(A)のI部においては、両者は略直交している。)本願発明者らの研究によれば、
図12(A)〜(D)に示す、開口部を備えない電極構造の液晶表示素子の、電圧無印加時の液晶層中央分子13mの配向方位と、斜め電界による液晶層中央分子13mの配向方位とが45°以上異なる表示部エッジに、同様に開口部を配置した場合において、開口部の長辺エッジと電圧無印加時の液晶層中央分子13mの配向方位とのなす角が45°より大きく135°未満という関係を満たせば、開口部エッジ領域(凹範囲)に暗領域は発生しないことがわかった。
図9(A)に示すJ部及びK部、
図9(B)に示すN部及びO部においては、開口部エッジ領域(凹範囲)と開口部間領域(凸範囲)の双方に暗領域が発生している。J部、K部、N部及びO部においては、上述の関係が満たされていないためである。
【0077】
図11は、
図9(A)のJ部における液晶層中央分子13mの電圧印加時配向方位を示す概略的な平面図である。本図には、矢印の向きでその位置における電圧印加時の液晶層中央分子13mの配向方位を示した。
【0078】
J部においては、表示部エッジの延在方位(セグメント透明電極11Bのエッジの延在方位、開口部21の配列方位)と、電圧無印加時における液晶層中央分子13mの配向方位とのなす角は約25°である。このため上述した、開口部エッジ領域(凹範囲)に暗領域が発生しない条件(開口部の長辺エッジと電圧無印加時の液晶層中央分子13mの配向方位とのなす角が45°より大きく135°未満という関係)が満たされていない。
【0079】
図11に示すように、J部においては、表示部の凸範囲エッジ(セグメント透明電極11Bのエッジで構成されるエッジ)における液晶層中央分子13mの配向方位と、電圧無印加時の液晶層中央分子13mの配向方位とのなす角は約115°である。また、表示部の凹範囲エッジ(開口部21の長辺エッジで構成されるエッジ)における液晶層中央分子13mの配向方位と、電圧無印加時の液晶層中央分子13mの配向方位とのなす角は約65°である。更に、表示部エッジを構成する開口部短辺上における液晶層中央分子13mは、開口部内部に向かう、開口部長辺に平行な方位に配向する。したがって、凸範囲、凹範囲の双方において、「A」の斜め線を表示する表示部の外側エッジと中央部(エッジから離れた部分)との間に、液晶層中央分子13mの配向方位が、表側または裏側偏光板の吸収軸方位と平行となる位置が現れる。この位置及びその周辺に、本図に示すような暗領域が形成されると考えられる。
【0080】
凸範囲と凹範囲の双方に暗領域が発生しているJ部においても、
図9(A)に示されるように、その発生パターンは規則的で安定している。本願発明者らの研究の結果、隣接する開口部21間の距離Sを0.1mm以下とした場合、凸範囲、凹範囲の各範囲に現れる暗領域の形状は、それぞれほぼ等しくなり、暗領域パターンの不規則性が解消され、表示部エッジにおける光抜けの度合いが均一化される。その結果、外観上均一な表示状態が得られることがわかった。
【0081】
なお、
図2(A)及び(B)に示すように、開口部を備えない電極構造の液晶表示素子(
図12(A)〜(D)に示す、従来の液晶表示素子)においても、J部、K部、N部、及びO部の暗領域は、I部のそれに比べ、比較的均一に発生している。しかしながら、
図9(A)のL部のように、周辺の球状等ギャップ材やゴミの影響により、部分的に暗領域形状が乱れる可能性がある。J部、K部、N部、及びO部に開口部を配置することは、この対策としても非常に有効である。
【0082】
近傍に2本の暗領域が形成される位置(液晶層中央分子13mの電圧印加時の配向方位と、電圧無印加時の配向方位とのなす角が135°以上である位置)の一部または全部に開口部を設けることで、表示品質を著しく良好にすることができる。また、近傍に1本の暗領域が形成される位置(液晶層中央分子13mの電圧印加時の配向方位と、電圧無印加時の配向方位とのなす角が45°以上135°未満である位置)の一部または全部に開口部を設けることで、表示品質を良好にすることができる。
【0083】
更に、
図9(A)に示すP部は、電圧印加時の斜め電界による液晶層中央分子13mの配向方位と、電界無印加時の液晶層中央分子13mの配向方位とが、略一致する表示部エッジである。2つの配向方位のなす角が45°未満である場合は、表示部エッジに暗領域は観察されない。したがってこの条件下にある表示部エッジには、開口部を設ける必要はないとも考えられる。ただし、液晶層中央分子13mの電圧印加時の配向方位と、電圧無印加時の配向方位とのなす角が45°未満である位置の一部または全部に、開口部を設けたとしても、開口部が存在するエッジ付近に暗領域が発生する配向状態が得られることになり、隣接する開口部21間の距離Sを0.1mm以下とすれば、外観上の表示均一性を特に悪化させることはなく、場合によっては、たとえば表示部全体のバランスの観点から表示品質を向上させることも可能である。このため基板11、12法線方向から見たとき、すべての表示部エッジに開口部を配置する構成を採用することもできる。
【0084】
なお、これらの場合において、開口部20、21は、表示部のエッジ(輪郭線)が、セグメント透明電極11Bのエッジとコモン透明電極12Bに形成された開口部21のエッジ、及び、コモン透明電極12Bのエッジとセグメント透明電極11Bに形成された開口部20のエッジの少なくとも一方を用いて構成されるように設けられればよい。
【0085】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0086】
たとえば、実施例においては、垂直配向膜11c、12cの双方に配向処理を施したが、たとえば一方のみに配向処理を行ってもよい。更に、液晶層13の液晶分子がツイストするように配向処理、またはカイラル材の添加がなされていてもよい。
【0087】
その他、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者には自明であろう。