(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態に係るポンプ装置は、ケーシングと、可動部材と、第1の弁と、第2の弁と、第3の弁とを具備する。
上記ケーシングは、吸入口と、吐出口と、上記吸入口及び上記吐出口と各々連通可能なポンプ室とを有する。
上記可動部材は、上記ケーシングの内部を移動可能であり、上記ポンプ室への流体の吸入と上記ポンプ室からの上記流体の排出とを交互に行う。
上記第1の弁は、上記吸入口と上記ポンプ室との間に取り付けられ、上記吸入口から上記ポンプ室への上記流体の流れを許容する。
上記第2の弁は、上記ポンプ室と上記吐出口との間に取り付けられ、上記ポンプ室の流体が第1の圧力以上である場合に上記ポンプ室から上記吐出口への上記流体の流れを許容する。
上記第3の弁は、上記ケーシングに取り付けられ、上記吸入口と上記吐出口との間の上記流体が上記第1の圧力よりも大きい第2の圧力以下の場合に上記吸入口から上記吐出口へ向かう上記流体の流れを制限する。
【0010】
上記ポンプ装置において、可動部材は、ポンプ室の容積を周期的に変化させることで、ポンプ室への流体の吸入とポンプ室からの流体の排出とを交互に行う。流体は、気体でもよいし、液体でもよい。流体の吸入時、吸入口から第1の弁を介してポンプ室へ流体が導入される。流体の排出時、ポンプ室へ導入された流体は、ポンプ室において可動部材により第1の圧力以上に圧縮されることで第2の弁を開放し吐出口から吐出される。以上の動作が繰り返されることで、吐出口から第1の圧力以上の圧力で流体が吐出される。
【0011】
第2の弁は、ポンプ室内の圧力が上記第1の圧力以上に達した時点で開弁し、ポンプ室から吐出口への流体の流れを許容する。従って例えばポンプ装置の運転停止時に、吸入口より第1の圧力以上の圧力で流体がポンプ室へ導入されると、第2の弁を開放して吐出口へ向かう流体の流れが形成されることになる。
【0012】
そこで上記ポンプ装置は、第3の弁を有する。第3の弁は、第1の圧力よりも大きい第2の圧力以下の流体の流れを制限する。従ってポンプ装置の運転停止時、吸入口から第1の圧力以上、第2の圧力以下の圧力を有する流体がポンプ室へ導入された場合でも、第3の弁により流体の流れが阻害され、吐出口からの流体の吐出が抑えられる。これにより運転停止時における流体の不用意な吐出が抑制される。
【0013】
また上記ポンプ装置によれば、ポンプ装置の運転停止時における流体の不用意な吐出を抑制できるため、吸入口に流体圧源が接続されるポンプシステムにも適用することができる。これにより、運転停止時に吐出口から流体が漏出することによってシステムに不具合が生じるおそれを解消することができる。
【0014】
上記第2の圧力は適宜設定可能であり、例えば、吸入口に導入される流体の圧力、あるいは、運転停止状態で吐出される流体の許容流量等を基準として設定される。「流れを制限する」には、「流れを遮断する」という意味と、「流れを遮断せずともその流量を低下させる」という意味とが含まれる。
【0015】
第3の弁は、ケーシングに取り付けられる。第3の弁は、吸入口側に取り付けられてもよいし、吐出口側に取り付けられてもよい。一実施形態では、第3の弁は、第2の弁よりも吐出口側に配置される。これにより、ポンプ室へ導入される流体の流れを阻害することなく安定したポンプ性能を確保することができる。
【0016】
第3の弁は、上記第2の圧力以下の流体の流れを完全に遮断できる構造であってもよいし、上記第1の圧力と上記第2の圧力との間で段階的に開度が変化する構造であってもよい。前者の場合、第3の弁は、例えば電磁弁等で構成することができる。
【0017】
一方、後者の場合、第3の弁は、圧力に応じて開度が大きくなる弁構造が採用される。例えば第3の弁は、弁座と、上記弁座に着座可能であり上記第1の圧力以上第2の圧力以下の圧力に応じて開度が連続的に変化する弁部材とを有する。このような弁構造を有する弁として、例えばアンブレラバルブが適用可能である。これにより、上記ポンプ装置から吐出される流体の低流量制御が可能となる。
【0018】
上記ケーシングは、上記第2の弁と上記第3の弁との間を連絡する流路の一部が拡張された空間部をさらに有してもよい。上記空間部は、吐出される流体の脈動を緩衝するバッファ空間として機能する。これにより流体の脈動を低減でき、安定した流量で流体を吐出することができる。また、吐出流量に基づいてポンプ装置の駆動を制御する場合においては、ポンプ装置の安定した駆動制御が可能となる。
【0019】
上記ポンプ装置はダイアフラムポンプで構成することができる。この場合、上記可動部材は、上記ポンプ室を区画する変形可能なダイアフラムを含む。これにより、小型のポンプ装置を提供することができる。
【0020】
本発明の一実施形態に係るポンプシステムは、ポンプ装置と、圧力源と、処理部とを具備する。
上記ポンプ装置は、ケーシングと、可動部材と、第1の弁と、第2の弁と、第3の弁とを有する。
上記ケーシングは、上記圧力源と連絡する吸入口と、上記処理部と連絡する吐出口と、上記吸入口及び上記吐出口と各々連通可能なポンプ室とを有する。
上記可動部材は、上記ケーシングの内部を移動可能であり、上記ポンプ室への流体の吸入と上記ポンプ室からの上記流体の排出とを交互に行う。
上記第1の弁は、上記吸入口と上記ポンプ室との間に取り付けられ、上記吸入口から上記ポンプ室へ向かう上記流体の流れを許容する。
上記第2の弁は、上記ポンプ室と上記吐出口との間に取り付けられ、上記ポンプ室から上記吐出口へ向かう、第1の圧力以上の上記流体の流れを許容する。
上記第3の弁は、上記ケーシングに取り付けられ、上記吸入口から上記吐出口へ向かう、上記第1の圧力よりも大きい第2の圧力以下の上記流体の流れを制限する。
上記圧力源は、上記吸入口に接続され、上記第2の圧力以下の流体を上記ポンプ装置へ供給する。
上記処理部は、上記吐出口に接続され、上記ポンプ装置から吐出される流体を処理する。
【0021】
上記ポンプシステムによれば、ポンプ装置の運転停止時、圧力源から第1の圧力以上、第2の圧力以下の圧力を有する流体がポンプ室へ導入された場合でも、第3の弁により流体の流れが阻害され、吐出口からの流体の吐出が制限される。これにより運転停止時における流体の不用意な吐出が抑制される。また、運転停止時に吐出口から流体が漏出することによってシステムに不具合が生じるおそれを解消することができる。
【0022】
上記処理部は特に限定されず、ポンプ装置から吐出される流体を用いてエネルギーや動力を生成するための各種機器、例えば、改質器、燃焼器、発電機、シリンダ装置、各種エンジンを含む。
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0024】
<第1の実施形態>
[ポンプシステム]
図1は、本発明の一実施形態に係るポンプシステムの概略を示す図である。本実施形態のポンプシステム1は、圧力源2と、ポンプ装置3と、処理部4、制御部5とを有する。
【0025】
圧力源2はポンプ装置3の吸入側(一次側)に接続され、処理部4はポンプ装置3の吐出側(二次側)に接続される。圧力源2は、所定圧の流体(気体または液体)を収容するタンク、ボンベ等の容器でもよいし、コンプレッサ等の圧力発生源であってもよい。ポンプ装置3は、圧力源2から導入される圧力P1の流体を所定の圧力P2に高めて処理部4へ供給する昇圧ブロワあるいは昇圧ポンプとして機能する。処理部4は、ポンプ装置3から供給された流体を処理し、エネルギーや動力等を生成する。制御部5は、ポンプ装置3の運転を制御するが、処理部4を含むシステム全体を制御してもよい。
【0026】
ポンプシステム1は、例えば燃料電池システムに適用される。この場合、圧力源2は、燃料タンクに相当し、ポンプ装置3は燃料ガス(例えば都市ガス(メタン)、LPG(液化プロパンガス))を昇圧して処理部4へ供給する。処理部4には、燃料ガスを水素に転換する改質器、水素を蓄える燃料電池、水素と酸素を反応させる発電部等が含まれる。
【0027】
[ポンプ装置]
次に、
図2を参照してポンプ装置3の詳細を説明する。
図2は、ポンプ装置3の構造を示す断面図である。本実施形態においてポンプ装置3は、ダイアフラムポンプで構成される。
【0028】
ポンプ装置3は、金属製のケーシング10と、駆動部20とを有する。ケーシング10は、ポンプ本体11と、ポンプヘッド12と、ポンプヘッドカバー13とを有する。駆動部20は、モータ21と、モータケース22とを有する。
【0029】
ポンプ本体11は、ケーシング10の内部に、可動部材30を収容する動作空間105を形成する。可動部材30は、ダイアフラム31と、ダイアフラム31に固定された固定具32と、固定具32をモータ21に連結するコネクティングロッド33とを有する。
【0030】
ダイアフラム31は、円盤形状のゴム材料で形成されており、その周縁部がポンプ本体11とポンプヘッド12との間に挟持されている。固定具32は、ダイアフラム31の中央部に固定されており、ダイアフラム31を上下から挟むように組み付けられた複数の部品で構成されている。コネクティングロッド33は、ダイアフラム31の中心部を貫通するように固定具32と一体化される。コネクティングロッド33は、軸受34を介して、モータ21の回転軸210に取り付けられた偏心カム35の周面に連結される。
【0031】
ポンプヘッド12は、吸入口101と、吐出口102とを有し、環状の台座110の上面に配置されている。台座110は、ポンプ本体11の上部の開口端部に取り付けられ、ポンプヘッド12と共にダイアフラム31の周縁部を挟持する。ポンプヘッド12は、ダイアフラム31との間にポンプ室100を形成する。
【0032】
ポンプヘッド12は、吸入口101とポンプ室100との間を連絡する吸入通路T1と、ポンプ室100と吐出口102との間を連絡する吐出通路T2とをそれぞれ有する。ポンプ室100は、吸入通路T1及び吐出通路T2を介して、吸入口101及び吐出口102にそれぞれ連通可能である。吸入通路T1及び吐出通路T2には、吸入弁41(第1の弁)及び吐出弁42(第2の弁)がそれぞれ取り付けられている。
【0033】
吸入弁41は、吸入通路T1を形成する吸入孔h1を閉塞するようにポンプヘッド12に取り付けられる。吸入弁41は、ポンプ室100に臨む吸入孔h1の端部に取り付けられたリード弁で構成され、吸入口101からポンプ室100へ向かう流体の流れを許容する。吸入弁41の開弁圧(吸入弁41の開放に必要な最低圧力)は特に限定されず、ポンプ装置の動作時にポンプ室100へ所定流量のガスが導入される程度の開弁圧を有していればよい。従って吸入弁41の開弁圧は、圧力源2からポンプ装置3へ供給されるガスの圧力よりも低い圧力であってもよい。
【0034】
一方、吐出弁42は、吐出通路T2を形成する吐出孔h2を閉塞するようにポンプヘッド12に取り付けられる。吐出弁42は、ポンプ室100とは反対側の吐出孔h2の端部に取り付けられたリード弁で構成され、ポンプ室100から吐出口102へ向かう流体の流れを許容する。吐出弁42の開弁圧(吐出弁42の開放に必要な最低圧力)は特に限定されず、目的とする吐出圧力が得られる圧力に設定され、本実施形態では吸入弁41の開弁圧よりも大きな圧力(第1の圧力)に設定される。
【0035】
ポンプヘッドカバー13は、ポンプヘッド12の上部に取り付けられる。吸入通路T1及び吐出通路T2は、ポンプヘッド12とポンプヘッドカバー13とが組み合わされることでそれぞれ形成される。ポンプ本体11、ポンプヘッド12及びポンプヘッドカバー13は、複数本のネジ部材Bを用いて一体的に固定される。
【0036】
モータ21は、回転数制御が可能な直流ブラシレスモータで構成され、円筒状のモータケース22の内部に収容される。モータ21は、回転軸210と、ステータ211と、ロータ212とを有する。ステータ211はモータケース22の内面に固定され、ロータ212は回転軸210の周囲に固定されている。回転軸210は、軸受23,24を介してモータケース22に支持されており、その先端部には偏心カム35の回転中心に取り付けられている。
【0037】
偏心カム35は、その回転中心が軸受34のインナレースに対して偏心するように形成されている。従ってモータ21の駆動により回転軸210がその軸回りに回転すると、偏心カム35が回転軸210と共に回転することで、可動部材30が動作空間105の内部において上下方向に往復移動する。これにより、ポンプ室100の容積が周期的に変化し、所定のポンプ機能が得られることになる。可動部材30の往復移動量(ストローク量)は、偏心カム35の偏心量によって決定される。
【0038】
ポンプ装置3は、弁機構50(第3の弁)をさらに有する。本実施形態において弁機構50は、吐出口102に取り付けられる。弁機構50は、ポンプ装置3の運転停止時におけるガスの吐出口102からのガスの流出を制限する機能を有する。
【0039】
図3は弁機構50の構成を示す断面斜視図、
図4はその断面図をそれぞれ示している。弁機構50は、ゴム製の弁部材51と、弁部材51を収容する金属製のハウジング52とを有する。
【0040】
ハウジング52は、ケーシング10の吐出口102に接続される第1の端部521と、処理部4に連絡する管路(図示略)に接続される第2の端部522とを有する。第1の端部521の周囲にはシールリング54が装着されており、このシールリング54によって第1の端部521が吐出口102の内部に気密に取り付けられる。
【0041】
ハウジング52の内部には、第1の端部521と第2の端部522との間を連絡する内部通路523が形成されている。内部通路523のほぼ中央部には、中心部とその周囲に複数の孔531を有する壁部53が内部通路523の壁面に垂直に形成されており、これらの孔531を介して第1の端部521と第2の端部522との間が連通可能とされる。
【0042】
弁部材51は、アンブレラバルブで構成される。すなわち弁部材51はほぼ円盤状に形成され、その中心部に形成された軸部511が壁部53の中心孔に装着されることで内部通路523に配置される。弁部材51の周縁部512は、第2の端部522に臨む壁部53の表面に形成された弁座532に弾性的に接触しており、第2の端部522側から第1の端部521側への流体の流れを阻止する。すなわち弁部材51は、逆流防止弁として機能する。
【0043】
一方、弁部材51は、第1の端部521側から第2の端部522側への順方向の流体の流れに対しては、所定の圧力以上で開弁することで当該流体の流れを許容する。この場合、弁部材51は、
図4に示すように周縁部512が第2の端部522側へ弾性変形することで弁座532から離間し、弁部材51による内部通路523の遮断状態が解除される。上記所定の圧力より低い流体圧の下では、周縁部512は弁座532へ着座し、内部通路523の遮断状態が維持される。
【0044】
弁部材51には、各種プロセスガスに対して耐性を有するゴム材料が用いられる。例えば、プロセスガスにメタンやプロパン等が用いられる場合には、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、フッ素ゴム(FKM)など、メタンやプロパン等の炭化水素系ガスに対して耐性を有するゴム材料が弁部材51に用いられる。弁部材51の厚み、大きさは特に限定されず、各種仕様に対応できる開弁圧を確保することができる厚み、大きさに個々に設定される。
【0045】
すなわち弁部材51の開弁圧(弁部材51の開放に必要な最低圧力)は、少なくとも、吐出弁42の開弁圧(第1の圧力)よりも高い圧力に設定される。そして弁部材51は、その開弁圧よりも高い所定の圧力(第2の圧力)以下のガスの流れを制限する。
【0046】
弁部材51の開弁圧は、ポンプシステム1の圧力源2から供給されるガス圧P1を参照して決定される。本実施形態では、弁部材51の開弁圧は、圧力源2のガス圧P1よりも高い圧力に設定される。これにより圧力源2のガス圧P1が吐出弁42の開弁圧よりも大きい場合であっても、ポンプ装置3の運転停止時における吐出口102から処理部4へのガスの流出を遮断し、処理部4へのガスの流出を確実に防止することができる。
【0047】
なお後述するように、上記弁部材の開弁圧は、圧力源2のガス圧P2よりも低い圧力に設定されてもよい。
【0048】
[ポンプ装置の動作]
次に、以上のように構成されるポンプ装置3の典型的な動作例を説明する。
【0049】
ポンプ装置3は、駆動部20のモータ21を起動させることで駆動される。モータ21の回転数は、例えばポンプ装置3の吐出側に設置された流量計に基づいて一定の吐出流量となるように制御部5によって制御される。モータ21は、回転軸210を介して偏心カム35を回転させることで、可動部材30を動作空間105において所定ストロークで往復移動させる。これにより、ポンプ室100を区画するダイアフラム31が上下移動し、ポンプ室100の容積が周期的に変化する。
【0050】
可動部材30は、ポンプ室100の容積を周期的に変化させることで、ポンプ室100へのガスの吸入とポンプ室100からのガスの排出を交互に行う。すなわち、吸入口101に接続された圧力源2から吸入弁41を介して、圧力P1(例えば2kPa(ゲージ圧))の燃料ガスがポンプ室100へ導入される。ポンプ室100へ導入された燃料ガスは、ポンプ室100において可動部材により圧縮されることで昇圧され、吐出弁42及び弁機構50を開放させる。以上の動作が繰り返されることで、吐出口102から処理部4へ圧力P2(例えば15kPa(ゲージ圧))の燃料ガスが吐出される。
【0051】
ここで、吐出弁42は、ポンプ室100内の圧力が吐出弁42の開弁圧以上に達した時点で開弁し、ポンプ室100から吐出口102へのガスの流れを許容する。従ってポンプ装置3の運転停止時に、吸入口101より吐出弁42の開弁圧以上の圧力でガスがポンプ室100へ導入されると、吐出弁42を開放して吐出口102へ向かうガスの流れが形成されることになる。
【0052】
そこで本実施形態のポンプ装置3においては、吐出口102に弁機構50が取り付けられている。弁機構50は、圧力源2のガス圧(P1)よりも高い開弁圧を有する。従ってポンプ装置3の運転停止時、吸入口101から圧力P1のガスがポンプ室100へ導入された場合でも、弁機構50によりガスの流れが阻止され、吐出口102から処理部4へのガスの流出が防止される。このように運転停止時におけるガスの不用意な吐出が抑制されるため、システムに不具合が生じるおそれを解消することができる。
【0053】
また本実施形態において弁機構50は、導入圧に応じて開度を連続的に変化させることができる構造を有する。これによりポンプ装置6の運転再開時に吐出圧に応じて弁機構50を開放でき、迅速に必要流量のガスを処理部4へ供給することができる。
【0054】
図5は、
図6に示した実験条件においてポンプ装置3の運転及び停止を繰り返したときのポンプ装置3の吐出流量の時間変化を示している。
図6において、aはバッファタンク、bは圧力計、cは吸入配管、dはブロワであり、本実施形態のポンプ装置3に相当する。eは圧力計、fは吐出配管、gは固定オリフィス、hは流量計である。
【0055】
図5に示すように、吐出流量の最小値は0であり、ポンプ装置3の運転停止時、弁機構50によるガスの閉切り機能が正常に働いていることが確認された。また、ポンプ装置6の吐出流量は一定値に安定に維持され、再現性が高いことも確認された。
【0056】
図7は、ポンプ装置6のモータ21に入力される回転数制御電圧(Vsp)に対するポンプ装置6の吐出流量の変化を示す一実験結果である。ポンプ装置6が組み込まれる配管システムは、
図6に示した配管例と同様とした。
【0057】
図7に示すように、ポンプ装置の運転開始後、所定の回転数に達した時点でガスの吐出が開始され、その流量はポンプ装置の駆動回転数にほぼ比例して上昇することが確認された。このように本実施形態によれば、ガスの閉切り機能と安定した吐出流量制御を実現することができる。
【0058】
<第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態に係るポンプ装置を示している。以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
【0059】
本実施形態のポンプ装置6は、吐出口102に取り付けられる弁機構60の構成が上述の第1の実施形態と異なる。弁機構60は、アンブレラバルブを構成する弁部材61を有し、
図3及び
図4に示した第1の実施形態と同様な形態でハウジング62の内部通路に設置されている。
【0060】
本実施形態の弁機構60は、吐出弁42の開弁圧(第1の圧力)以上、かつ、圧力源2のガス圧P1(第2の圧力)以下のガスの流出を制限する機能を有する点で、第1の実施形態と共通する。しかし本実施形態における弁機構60は、ポンプ装置6の運転停止時、吐出口102から処理部4へのガスの流出は許容するが、その流出量を所定以下に抑制する機能を有する点で、第1の実施形態と異なる。
【0061】
すなわち本実施形態の弁部材61の開弁圧は、圧力源2のガス圧P1よりも低い圧力に設定される。本実施形態の弁機構60は、ガス圧に応じて開度を連続的に変化させることができる構造であるため、弁機構60に導入されるガス圧に応じて処理部4側へ流出するガスの流量を制御することができる。
【0062】
この場合、弁部材61を全開させるのに必要な圧力は、圧力源2のガス圧P1よりも大きい圧力(例えば、ポンプ装置3の通常運転時の吐出圧(P2)以下)に設定される。これにより吐出弁42の開弁圧(第1の圧力)以上、かつ、圧力源2のガス圧P1(第2の圧力)以下のガスの流量を弁機構60によって制御することが可能となる。
【0063】
本実施形態によれば、ポンプ装置6の運転停止時において圧力源2から供給されるガス流量を所定流量に絞って処理部4へ供給することができる。これによりポンプ装置6の上流側あるいは下流側にオリフィス等の絞り弁を別途設ける必要がなくなり、システムの部品点数の削減を図ることができる。本実施形態は、ポンプ装置6の運転停止時にも処理部4へ所定流量以下のガスを供給する必要があるシステムに好適に用いられる。
【0064】
<第3の実施形態>
図9は、本発明の第3の実施形態に係るポンプ装置を示している。以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
【0065】
本実施形態のポンプ装置7は、ポンプ本体11と、ポンプヘッド72と、ポンプヘッドカバー73とを含むケーシング70を有する。ポンプヘッド72には、吸入口101と吐出口102とがそれぞれ形成されている。吐出口102には、第1の実施形態で説明した弁機構50が取り付けられる。
【0066】
またポンプヘッド72には、吸入通路T1と、吐出通路T2と、バッファタンク721とがそれぞれ形成されている。これら通路の少なくとも一部はポンプヘッド72の上面から外部へ露出されており、シール部材を介してポンプヘッドカバー73で覆われることで外気と遮断される。
【0067】
一般的に、ダイアフラム型のポンプは、構造的に、吐出ガスに脈動が発生する。ポンプの駆動回転数を吐出ガスの流量の測定値に基づいて制御する場合、脈動が大きいと正確な流量を測定することができず、ポンプの駆動制御が不安定となる。また、吐出ガスが燃料ガスの場合、脈動によって燃焼が不安定になり、あるいは不完全燃焼を招くおそれがある。
【0068】
そこで本実施形態のポンプ装置7は、吐出通路T2と吐出口102との間にバッファタンク721を有する。バッファタンク721は、吐出弁42(吐出通路T2)と弁機構50との間にこれらを連絡する流路の一部を拡張した空間部74を形成する。バッファタンク721は、吐出弁42から吐出されるガスの脈動を緩衝する機能を有する。
【0069】
本実施形態のポンプ装置7によれば、弁機構50から吐出されるガスの脈動を低減し、安定した流量でガスを吐出することができる。また、吐出流量に基づいてポンプ装置7の駆動を制御する場合においては、ポンプ装置7の安定した駆動制御が可能となる。さらにポンプとバッファタンクとが一体化されているため、ポンプシステムのガス流路に別途バッファタンクを設ける必要がなくなり、システムの構成の簡素化を図ることができる。
【0070】
バッファタンク721の空間部74の容積は、吐出弁42から吐出されるガスの脈動(圧力幅)に基づいて定められる。
図10は、本発明者らが行った一実験結果であり、バッファ容積(cc)と吐出口102から吐出されるガスの圧力幅との関係を示している。
図10に示すように、空間部74の容積が大きいほど圧力幅を小さくできる。例えば、空間部74の容積を120cc以上とすることで、脈動幅を0.75kPa以下に抑えることができる。
【0071】
<第4の実施形態>
図10は、本発明の第4の実施形態に係るポンプ装置を示している。以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
【0072】
本実施形態のポンプ装置8は、ケーシング80と、駆動部20と、バッファタンク81とを有する。ケーシング80は、吸入口101と、吐出口102とを有し、吸入口101から吸入されたガスを図示しないポンプ室で昇圧し、バッファタンク81を介して、昇圧したガスを吐出口102から吐出する。
【0073】
図11は、バッファタンク81及び吐出口102の断面図である。バッファタンク81の内部には所定容積の空間部74が形成され、吐出ガスの脈動を低減する。吐出口102は空間部74に連通しており、吐出口102の内部には、弁部材51が取り付けられている。弁部材51は、第1の実施形態と同様な構成を有し、所定圧力以下のガスの流出を制限する機能を有する。
【0074】
以上のように構成される本実施形態においても上述の各実施形態と同様の作用効果を得ることができる。本実施形態のポンプ装置8によれば、弁機構としての弁部材51がケーシング80に支持されているため、部品点数の削減を図ることができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0077】
例えば以上の実施形態では、所定圧力以下の流体の流れを制限する弁機構は吐出口に取り付けられたが、これに限られず、例えば吐出弁と吐出口の間の吐出通路上に上記弁機構が設けられてもよい。
【0078】
また上記弁機構を構成する弁部材は、アンブレラバルブに限られず、例えばボール弁やバタフライバルブ等で構成されてもよい。
【0079】
さらに以上の実施形態では、ポンプ装置はダイアフラムポンプで構成されたが、これに限られず、ルーツポンプ等の他のポンプ装置にも本発明は適用可能である。ルーツポンプの場合、ポンプ室の容積を変化させる可動部材としては、相互に対向して配置されるロータに対応する。