【実施例】
【0014】
図1A及び
図1Bは本発明の一実施例における左側端部及び右側端部検出器と左側及び右側横針装置移動用モータの制御装置のハード・ブロック図、
図2A乃至
図2Cは本発明の一実施例における左側端部及び右側端部検出器と左側及び右側横針装置移動用モータの制御装置の動作フロー図、
図3A及び
図3Bは本発明の一実施例における左側端部及び右側端部検出器と左側及び右側横針装置移動用モータの制御装置の動作フロー図、
図4は枚葉印刷機の概略構成図、
図5は見当合わせ部の平面図、
図6は
図5のA-A線断面図、
図7は
図5のB矢視図、
図8は
図5のC-C線断面図、
図9は
図8のD-D線断面図、
図10Aは左側端部及び右側端部検出器の正面図、
図10Bは左側端部及び右側端部検出器の平面図である。
【0015】
図4に示すように、枚葉印刷機は、給紙装置10から送り出された紙(シート状物)Wは、前当て11によって一旦止められた後、左側横針装置12A又は右側横針装置12Bによって引かれて、前当て・横当て規制位置に位置決めがなされる。即ち、天地方向と左右方向の見当合わせが行われるのである。
【0016】
この後、スイング13の爪にくわえられて印刷装置14における第1印刷ユニット14aの圧胴15に受け渡され、版胴16によってゴム胴17に転写されたインキにより第1色目の印刷が施される。第1色目の印刷が施された紙Wは中間胴18を経て第2印刷ユニット14bに送られ、第2色目の印刷が施される。この後、渡胴19から受取胴20に受け渡され、ここから搬送チェーン21の爪にくわえられて排紙装置22に排紙されるようになっている。
【0017】
前記見当合わせ部は、
図5に示すように、左右の機台フレーム30間にブラケット31を介して差板32が横架されると共に、この差板32の上方に位置して左右の機台フレーム30間に横架されたステー33上には、ブラケット34を介して紙暴れ抑制用の板ばね35が左右方向へ複数枚に亘って支持される。前記差板32の先端部に近接して、前述した前当て11が左右方向へ複数箇所に亘って配設され、それぞれが使用位置と退避位置への進退が可能になっている。
【0018】
また、
図6乃至
図9にも示すように、左,右の機台フレーム30間には、図示しないカップリングで原動側の軸と連結されて回転するカム軸36が軸架されており、このカム軸36の真上には、角ステー37が両端部を機台フレーム30に固定されて支架されている。
【0019】
そして、前述した左側及び右側横針装置12A,12Bは、互いに全く対称的に形成され、左右の機台フレーム30にそれぞれ近接してカム軸36と角ステー37とで支持されている。これらの左側及び右側横針装置12A,12Bに紙Wの角折れを検出する光電式の端部検出器が一体的に組み付けられる。即ち、左側横針装置12Aに第1の左側端部検出器125Aと第2の左側端部検出器125Bが左右方向に所定の距離L
1だけ離間して支持され、右側横針装置12Bに第1の右側端部検出器126Aと第2の右側端部検出器126Bが左右方向に所定の距離L
2だけ離間して支持されるのである(
図5参照)。
【0020】
また、角ステー37の左右方向中央部には水平板状の紙ガイド部37aが固設され、この紙ガイド部37aと左側横針装置12Aとの間と同じく紙ガイド部37aと右側横針装置12Bとの間には、角ステー37に案内されて左右方向に伸縮可能な平面視で亀甲状の紙ガイド38A,38Bがそれぞれ介装される(
図5参照)。
【0021】
前記左側及び右側横針装置12A,12Bは、同一構造のものが角ステー37上に紙ガイド38A,38Bを挟んで対称に配設されるものであるので、その具体的な構造を左側横針装置12Aに例をとって説明する。
【0022】
左側横針装置12Aの紙受け台40は、本体40aと上板40bとで形成され、上板40bを本体40aにボルト締めすることにより一体化されて角ステー37に嵌装されている(
図6及び
図9参照)。また、カム軸36には、両端面外周部に山部と谷部とからなるカム面41a,41bを備えたカム41の内輪が固定されており、このカム41の外輪は、紙受け台40の本体40aに形成された円形ボスに嵌着固定されている。
【0023】
図6及び
図8中の符号42は外周の一部を紙受け台40の上板40bに設けられた孔に臨入させて紙受け台40の軸受部で軸支された紙受けころであって、上端が上板40bの表面と同高となるように位置されており、その外周部には、カム41のカム面41bに対接するカムフォロア43が枢着されている。
【0024】
カムフォロア43の枢軸と紙受け台40の本体40aに突設したばね掛け44との間には、カムフォロア43をカム面41bに圧接させる方向の回動力を紙受けころ42に付勢する引張りばね45が張架されており、カム軸36とともにカム41が回転することにより、紙受けころ42が引張りばね45を伸縮させながら
図8中に矢印Fで示すように所定周期で往復回動するように構成されている。
【0025】
また、紙受け台40に設けられた軸受部40cには、水平状のころアーム46と三叉状のカムレバー47とが前後に同位相となるように重なって回動自在に枢支されており(
図8参照)、前記ころアーム46の遊端部に枢着された押えころ48は、紙受けころ42の真上に位置してこれに対接されている。また、カムレバー47の下端部に枢着されたカムフォロア49は、カム41のカム面41aに対接されている(
図9参照)。
【0026】
前記ころアーム46とカムレバー47との間には、これらを互いに反対方向に回動させるように付勢する圧縮コイルばね50が介装されていると共に、前記ころアーム46には、この付勢による回動を規制するつまみ付きのピン51が先端をカムレバー47に当接させて回動自在に嵌合されている(
図8参照)。
【0027】
図8中の符号52は前記ころアーム46にねじ込まれ圧縮コイルばね50の付勢力を調節するボルト、符号53はボルト52を調節位置で固定するナットである。また、符号54は前記ころアーム46にねじ込まれて先端部をカムレバー47の穴に係合されたガイドボルトであって、これには固定用のナット55が螺合されている。
【0028】
そして、カムレバー47の水平遊端部下方には、圧縮コイルばね56が紙受け台40の本体40aの穴に装填されており、カムフォロア49をカム41のカム面41aに圧接させる方向の回動力をカムレバー47に付与している。一方、前記ころアーム46の先端部には、紙受け台40の上板40bと対接する押え板57が一体形成されており、この押え板57と上板40bとの間に紙Wが挿入されるようになっている。
図8中58は紙Wの側端縁を当接させて左右方向の見当を揃える横当て(ゲージ)である。
【0029】
また、
図8に示すように、前記つまみ付きのピン51の先端部には、突き針時(左側横針装置12A不使用時)に押えころ48を非作動状態に規制するストッパ59がピン51に直交するようにして付設されている。詳説すると、前記ストッパ59は、引針時(左側横針装置12A使用時)には、前記ころアーム46下面の長溝46a内に位置して押えころ48を紙受けころ42に対接させている。ところが、突き針時には、前記ストッパ59が長溝46a内からの脱出後に90度回転させられて前記ころアーム46下面の一般部46bに位置することで、前記ころアーム46側をカムレバー47側に対して図中鎖線で示すように反時計方向に強制回動させて押えころ48を紙受けころ42から離間させ、当該押えころ48を非作動状態とするようになっている。図示例では、前記ころアーム46下面の一般部46bには長溝46aと直交する浅溝46cが形成され、突き針時に前記ストッパ59を位置決めすることが可能になっている。
【0030】
このように構成されるため、給紙を開始すると、カム軸36と共にカム41が回転し、カム面41bの作用によりカム41の1回転につき1往復の割で紙受けころ42が
図8中の矢印F方向に往復回動する。また、カムレバー47がカム面41aの作用によりカム41の1回転につき1往復の割で圧縮コイルばね56を伸縮させながら往復回動し、圧縮コイルばね50の付勢力でピン51をカムレバー47に当接させたころアーム46も一体となって揺動する。従って、押えころ48が紙受けころ42に対して対接したり離間したりするように昇降する。
【0031】
そして、押えころ48が上昇していて押え板57と上板40bとが開いているときに紙Wが差板32上へ送り込まれてきて押え板57と上板40bとの間へ挿入されると同時に押えころ48が下降し、紙受けころ42が
図8中の反時計方向へ回動するので、紙Wは両方のころ48,42に挟持されて
図8中の左方へ移動し、側端縁を横当て58に当接させて左右方向の見当が揃えられる。これに先立ち紙Wは前端を前当て11に当接させて天地方向の見当が揃えられている。そして、次回に押えころ48が上昇したときに紙Wがスイング13の爪でくわえられて印刷装置14における第1印刷ユニット14aへ運び去られるとともに、次の紙Wが送り込まれてきて前述した動作を繰り返す。以上、横針装置について簡単に説明したが、詳細な説明については、本出願人による特許文献3に開示された横針装置と略同構成であるからその説明を省略する。
【0032】
このようにして印刷を行った紙Wの裏面に印刷を行う場合には、印刷後に排紙装置22で積み上げられた紙Wをそのままひっくり返して給紙装置10へ移動させ、1枚ずつ給紙して裏面へ印刷する。この場合、左側及び右側横針装置12A,12Bによる見当合せの基準となる紙端が表面への印刷の場合とは反対側になるので所謂引き針から突き針への切換えを行わなければならない。
【0033】
そこで、後述する左側横針装置移動機構及び左側横針装置移動用駆動源により左側横針装置12Aを退避位置に移動させると共に、前述した方法で押えころ48を作動状態から非作動状態に切り換える一方、右側横針装置移動機構及び右側横針装置移動用駆動源により右側横針装置12Bを紙サイズに応じた使用位置に移動させると共に、前述したように押えころ48を非作動状態から作動状態に切り換える。尚、前記退避位置も前述したように左側及び右側横針装置12A,12Bに紙Wの角折れを検出する光電式の検出器125A,125B,126A,126Bが一体的に組み付けられるので、紙サイズに応じて決定される。
【0034】
左側及び右側横針装置12A,12Bの紙受け台40の本体40aに、カム軸36に近接して固定された雌ねじ部材60のねじ孔には、カム軸36及びステー37と平行して片側の機台フレーム30と、ステー37中央部の図示しない軸受板端部の軸受とに両端部が軸支されたねじ軸61のねじ部がそれぞれ螺合されている(
図6及び
図9参照)。これら雌ねじ部材60とねじ軸61とで前述した左側横針装置移動機構と右側横針装置移動機構が構成される。
【0035】
さらに、前記軸受板には、各ねじ軸61の回転駆動手段としての左側横針装置移動用モータ(左側横針装置移動用駆動源)130と右側横針装置移動用モータ(右側横針装置移動用駆動源)134が当該モータ130,134に連結駆動される左側横針装置移動用モータ用ロータリ・エンコーダ132と右側横針装置移動用モータ用ロータリ・エンコーダ136と共に固定されている(
図1B参照)。
【0036】
従って、左側横針装置移動用モータ130と右側横針装置移動用モータ134が回転すると、各ねじ軸61が回転し、各ねじ軸61と各雌ねじ部材60との螺合により左側横針装置12Aと右側横針装置12Bの全体が各々独立してステー37上を移動し、紙サイズに応じた所定位置に位置決めされる。以上、左側及び右側横針装置移動機構と左側及び右側横針装置移動用駆動源について簡単に説明したが、詳細な説明については、本出願人による特許文献2に開示されたものと略同構成であるからその説明を省略する。
【0037】
そして、本実施例では、
図6及び
図7に示すように、左側横針装置12Aの紙受け台40上に支持ブロック62とL字ブラケット63と支持フレーム64と取付板65を介して前述した第1の左側端部検出器125Aと第2の左側端部検出器125Bが一体的に取り付けられている。勿論、右側横針装置12Bの紙受け台40上にも同様にして第1の右側端部検出器126Aと第2の右側端部検出器126Bが取り付けられるので、左側横針装置12Aの紙受け台40に例をとって詳細に説明する。
【0038】
前記支持ブロック62は紙受け台40の本体40aに上板40bを通してボルト66で結合される。この支持ブロック62には、横当て58に側端縁を当接させる紙Wの有無を検出する光電式のセンサ68がブラケット67を介して取り付けられる。L字ブラケット63はその垂直板部がボルト69で支持ブロック62に結合されると共に、その水平板部に支持フレーム64の基端部がボルト70で結合される。この支持フレーム64の先端面に取付板65がボルト71で結合される。この取付板65は、
図10A及び
図10Bに示すように、基板部65aと二股板部65bとからなり、二股板部65bの左右両側面部に第1の左側端部検出器125Aと第2の左側端部検出器125Bがボルト72でそれぞれ結合される。
【0039】
前記第1の左側端部検出器125Aと第2の左側端部検出器125Bの検出信号は、リード線73を介して後述する制御装置100に入力される。尚、紙Wの角折れを検出する光電式の端部検出器について簡単に説明したが、詳細な説明については、本出願人による特許文献1に開示された検出器と略同構成であるからその説明を省略する。
【0040】
また、前記第1の左側端部検出器125Aと前記第2の左側端部検出器125B間の左右方向の距離L
1は、紙Wが右側横針装置12Bに横当て規制された場合に、前記左側横針装置12Aを紙Wの左側端から逃がす距離に設定されると共に、前記第1の右側端部検出器126Aと前記第2の右側端部検出器126B間の左右方向の距離L
2は、紙Wが左側横針装置12Aに横当て規制された場合に、前記右側横針装置12Bを紙Wの右側端から逃がす距離に予め設定されている。
【0041】
そして、本実施例では、前述した制御装置100が、前記一対の横針装置のうち、左側横針装置12Aが選択された場合には、左側横針装置12Aに支持された第1の左側端部検出器125Aおよび右側横針装置12Bに支持された第2の右側端部検出器126Bからの信号により紙Wの角折れを検出すると共に、左側横針装置移動用モータ130を駆動制御して前記左側横針装置12Aを紙Wの紙サイズに応じた位置に移動させる一方右側横針装置移動用モータ134を駆動制御して前記右側横針装置12Bを前記第2の右側端部検出器126Bで前記紙Wの右端部を検出できる位置に移動させ、前記右側横針装置12Bが選択された場合には、右側横針装置12Bに支持された第1の右側端部検出器126Aおよび左側横針装置12Aに支持された第2の左側端部検出器125Bからの信号により紙Wの角折れを検出すると共に、右側横針装置移動用モータ134を駆動制御して前記右側横針装置12Bを紙Wの紙サイズに応じた位置に移動させる一方左側横針装置移動用モータ130を駆動制御して前記左側横針装置12Aを前記第2の左側端部検出器125Bで前記紙Wの左端部を検出できる位置に移動させるようになっている。
【0042】
また、前記制御装置100は、左側横針装置12Aが選択された場合の右側横針装置12Bの位置が、{(紙Wの左右方向の長さに応じた右側横針装置12Bの位置)−(第1の右側端部検出器126Aと第2の右側端部検出器126B間の左右方向の距離L
2)}の位置であり、前記右側横針装置12Bが選択された場合の左側横針装置12Aの位置が、{(紙Wの左右方向の長さに応じた左側横針装置12Aの位置)−(第1の左側端部検出器125Aと第2の左側端部検出器125B間の左右方向の距離L
1)}の位置であるように、左側横針装置移動用モータ130および右側横針装置移動用モータ134を駆動制御するようにもなっている。
【0043】
即ち、制御装置100は、
図1A及び
図1Bに示すように、CPU101、ROM102及びRAM103の他に、各入出力装置104〜113及びインタフェース114がBUS(母線)で接続されて構成されている。
【0044】
このBUSには、選択された横針装置記憶用メモリM100、紙サイズ記憶用メモリM101、印刷速度記憶用メモリM102、紙サイズ−左側横針装置位置変換用テーブル記憶用メモリM103、紙サイズに応じた左側横針装置位置記憶用メモリM104、紙サイズ−右側横針装置位置変換用テーブル記憶用メモリM105、紙サイズに応じた右側横針装置位置記憶用メモリM106、紙端から横針装置を逃がす距離記憶用メモリM107、目標とする左側横針装置位置記憶用メモリM108、目標とする右側横針装置位置記憶用メモリM109が接続されている。
【0045】
また、BUSには、左側横針装置位置検出用カウンタのカウント値記憶用メモリM110、現在の左側横針装置位置記憶用メモリM111、右側横針装置位置検出用カウンタのカウント値記憶用メモリM112、現在の右側横針装置位置記憶用メモリM113、印刷機回転位相検出用カウンタのカウント値記憶用メモリM114、現在の印刷機の回転位相記憶用メモリM115、角折れ検出位相記憶用メモリM116が接続されている。
【0046】
さらに、入出力装置104には、左側横針装置選択スイッチ115、右側横針装置選択スイッチ116、プリセット開始スイッチ117、印刷開始スイッチ118、印刷停止スイッチ119、入力装置120、表示器121、及び、フロッピー(登録商標)・ディスクドライブやプリンタ等の出力装置122が接続されている。
【0047】
入出力装置105には、紙サイズ設定器123、印刷速度設定器124が接続され、また、入出力装置106には、第1の左側端部検出器125A、第2の左側端部検出器125B、第1の右側端部検出器126A、第2の右側端部検出器126Bが接続されている。
【0048】
入出力装置107には、左側横針装置移動用モータ・ドライバ129を介して左側横針装置移動用モータ130が接続され、また、入出力装置108には、左側横針装置位置検出用カウンタ131を介して前記左側横針装置移動用モータ130に連結駆動される左側横針装置移動用モータ用ロータリ・エンコーダ132が接続されている。
【0049】
入出力装置109には、右側横針装置移動用モータ・ドライバ133を介して右側横針装置移動用モータ134が接続され、また、入出力装置110には、右側横針装置位置検出用カウンタ135を介して前記右側横針装置移動用モータ134に連結駆動される右側横針装置移動用モータ用ロータリ・エンコーダ136が接続されている。
【0050】
入出力装置111には、右側横針装置用原点位置検出器137と左側横針装置用原点位置検出器138が接続され、それぞれの検出信号により前記右側横針装置位置検出用カウンタ135と左側横針装置位置検出用カウンタ131がリセットされるようになっている。
【0051】
入出力装置112には、D/A変換器139と原動モータ・ドライバ140を介して原動モータ141が接続されている。
【0052】
入出力装置113には、印刷機回転位相検出用カウンタ142を介して前記原動モータ141に連結駆動される原動モータ用ロータリ・エンコーダ143が接続されている。原動モータ用ロータリ・エンコーダ143は前記原動モータ・ドライバ140にも接続されている。また、前記印刷機回転位相検出用カウンタ142は前記原動モータ141に付設された印刷機用原点位置検出器144の検出信号によりリセットされるようになっている。
【0053】
そして、インタフェース114には、給紙装置10と印刷装置14が接続されている。
【0054】
以下に、上述した第1の左側端部検出器125A、第2の左側端部検出器125B、第1の右側端部検出器126A、第2の右側端部検出器126Bと左側横針装置移動用モータ130、右側横針装置移動用モータ134の動作について説明する。
【0055】
制御装置100は、
図2A乃至
図2Cと
図3A及び
図3Bに示す動作フローにしたがって動作する。
【0056】
即ち、ステップP1で左側横針装置選択スイッチ115がONか否かを判断し、可であればでステップP2で選択された横針装置記憶用メモリM100に、1を上書きしてステップP3に移行する一方、否であれば直にステップP3に移行する。
【0057】
次に、前記ステップP3で右側横針装置選択スイッチ116がONか否かを判断し、可であればステップP4で選択された横針装置記憶用メモリM100に、2を上書きしてステップP5に移行する一方、否であれば直にステップP5に移行する。
【0058】
次に、前記ステップP5で紙サイズ設定器123に入力が有ったか否かを判断し、可であればステップP6で紙サイズ設定器123に入力された値を読み込んで紙サイズ記憶用メモリM101に上書きしてステップP7に移行する一方、否であれば直にステップP7に移行する。
【0059】
次に、前記ステップ
P7で印刷速度設定器124に入力が有ったか否かを判断し、可であればステップP8で印刷速度設定器124に入力された値を読み込んで印刷速度記憶用メモリM102に上書きしてステップP9に移行する一方、否であれば直にステップP9に移行する。
【0060】
次に、ステップP9でプリセット開始スイッチ117がONか否かを判断し、可であればステップP10で紙サイズ−左側横針装置位置変換用テーブルを、紙サイズ−左側横針装置位置変換用テーブル記憶用メモリM103から読込む一方、否であればステップP1に戻る。
【0061】
次に、ステップP11で紙サイズを、紙サイズ記憶用メモリM101から読込んだ後、ステップP12で紙サイズ−左側横針装置位置変換用テーブルを用いて、紙サイズより、紙サイズに応じた左側横針装置位置を演算して紙サイズに応じた左側横針装置位置記憶用メモリM104に記憶する。
【0062】
次に、ステップP13で紙サイズ−右側横針装置位置変換用テーブルを、紙サイズ−右側横針装置位置変換用テーブル記憶用メモリM105から読込んだ後、ステップP14で紙サイズを、紙サイズ記憶用メモリM101から読込む。
【0063】
次に、ステップP15で紙サイズ−右側横針装置位置変換用テーブルを用いて、紙サイズより、紙サイズに応じた右側横針装置位置を演算して紙サイズに応じた右側横針装置位置記憶用メモリM106に記憶した後、ステップP16で選択された横針装置記憶用メモリM100の内容を読込む。
【0064】
次に、ステップP17で選択された横針装置記憶用メモリの内容=1か否かを判断し、可であればステップP18で紙サイズに応じた左側横針装置位置を、紙サイズに応じた左側横針装置位置記憶用メモリM104から読込んだ後、ステップP19で紙サイズに応じた左側横針装置位置を、目標とする左側横針装置位置記憶用メモリM108に上書きする。
【0065】
次に、ステップP20で紙端から横針装置を逃がす距離を、紙端から横針装置を逃がす距離記憶用メモリM107から読込んだ後、ステップP21で紙サイズに応じた右側横針装置位置を、紙サイズに応じた右側横針装置位置記憶用メモリM106から読込む。
【0066】
次に、ステップP22で紙サイズに応じた右側横針装置位置より紙端から横針装置を逃がす距離を減算し、目標とする右側横針装置位置を演算して目標とする右側横針装置位置記憶用メモリM109に上書きした後、ステップP23で左側横針装置移動用モータ・ドライバ129に、逆転指令を出力する。
【0067】
次に、前記ステップP17で否であれば、ステップP24で紙端から横針装置を逃がす距離を、紙端から横針装置を逃がす距離記憶用メモリM107から読込んだ後、ステップP25で紙サイズに応じた左側横針装置位置を、紙サイズに応じた左側横針装置位置記憶用メモリM104から読込む。
【0068】
次に、ステップP26で紙サイズに応じた左側横針装置位置より紙端から横針装置を逃がす距離を減算し、目標とする左側横針装置位置を演算して目標とする左側横針装置位置記憶用メモリ
M108に上書きした後、ステップP27で紙サイズに応じた右側横針装置位置を、紙サイズに応じた右側横針装置位置記憶用メモリM106から読込む。
【0069】
次に、ステップP28で紙サイズに応じた右側横針装置位置を、目標とする右側横針装置位置記憶用メモリM109に上書きした後、前記ステップP23に移行する。
【0070】
次に、ステップP29で左側横針装置用原点位置検出器138がONになると、ステップP30で左側横針装置移動用モータ・ドライバ129への逆転指令出力を停止し、その後ステップP31で右側横針装置移動用モータ・ドライバ133に、逆転指令を出力する。
【0071】
次に、ステップP32で右側横針装置用原点位置検出器137がONになると、ステップP33で右側横針装置移動用モータ・ドライバ133への逆転指令出力を停止する。
【0072】
次に、ステップP34で左側横針装置移動用モータ・ドライバ129に、正転指令を出力した後、ステップP35で左側横針装置位置検出用カウンタ131からカウント値を読込んで左側横針装置位置検出用カウンタのカウント値記憶用メモリM110に記憶する。
【0073】
次に、ステップP36で左側横針装置位置検出用カウンタ131のカウント値より、現在の左側横針装置位置を演算して現在の左側横針装置位置記憶用メモリM111に記憶した後、ステップP37で目標とする左側横針装置位置を、目標とする左側横針装置位置記憶用メモリM108から読込む。
【0074】
次に、ステップP38で現在の左側横針装置位置=目標とする左側横針装置位置か否かを判断し、可であればステップP39で左側横針装置移動用モータ・ドライバ129への正転指令出力を停止する一方、否であればステップP35に戻る。
【0075】
次に、ステップP40で右側横針装置移動用モータ・ドライバ133に、正転指令を出力した後、ステップP41で右側横針装置位置検出用カウンタ135からカウント値を読込んで右側横針装置位置検出用カウンタのカウント値記憶用メモリM112に記憶する。
【0076】
次に、ステップP42で右側横針装置位置検出用カウンタ135のカウント値より、現在の右側横針装置位置を演算して現在の右側横針装置位置記憶用メモリM113に記憶した後、ステップP43で目標とする右側横針装置位置を、目標とする右側横針装置位置記憶用メモリM109から読込む。
【0077】
次に、ステップP44で現在の右側横針装置位置=目標とする右側横針装置位置か否かを判断し、可であればステップP45で右側横針装置移動用モータ・ドライバ133への正転指令出力を停止する一方、否であればステップP41に戻る。
【0078】
以上の動作フローにより、左側横針装置12Aが選択された場合には、左側横針装置移動用モータ130を駆動制御して前記左側横針装置12Aを紙Wの紙サイズに応じた位置に移動させる一方右側横針装置移動用モータ134を駆動制御して右側横針装置12Bを前記第2の右側端部検出器126Bで前記紙Wの右端部を検出できる位置に移動させ、前記右側横針装置12Bが選択された場合には、右側横針装置移動用モータ134を駆動制御して前記右側横針装置12Bを紙Wの紙サイズに応じた位置に移動させる一方左側横針装置移動用モータ130を駆動制御して前記左側横針装置12Aを前記第2の左側端部検出器125Bで前記紙Wの左端部を検出できる位置に移動させる。
【0079】
つまり、
図5のように、左側横針装置12Aが選択された場合、左側横針装置12Aが紙Wの紙サイズに応じた位置に位置付けられた時に第1の左側端部検出器125Aで紙Wの左端部を検出でき、右側横針装置12Bが紙Wの紙サイズに応じた位置から第1の右側端部検出器126Aと第2の右側端部検出器126B間の左右方向の距離L
2だけ原点位置に近い右側に位置付けられた時に第2の右側端部検出器126Bで紙Wの右端部を検出でき、逆に、右側横針装置12Bが選択された場合、右側横針装置12Bが紙Wの紙サイズに応じた位置に位置付けられた時に第1の右側端部検出器126Aで紙Wの右端部を検出でき、左側横針装置12Aが紙Wの紙サイズに応じた位置から第1の左側端部検出器125Aと第2の
左側端部検出器125B間の左右方向の距離L
1だけ原点位置に近い左側に位置付けられた時に第2の
左側端部検出器125Bで紙Wの
左端部を検出できる。尚、この実施例では、前記距離L
1=距離L
2で、その値が紙端から横針装置を逃がす距離として設定されている。
【0080】
次に、ステップP46で印刷開始スイッチ118がONされると、ステップP47で印刷速度を、印刷速度記憶用メモリM102から読込む。
【0081】
次に、ステップP48で原動モータ・ドライバ140に、D/A変換器139を介して印刷速度を出力した後、ステップP49で給紙装置10に、給紙開始指令を送信すると共に、ステップP50で印刷装置14に、印刷開始指令を送信する。
【0082】
次に、ステップP51で印刷機回転位相検出用カウンタ142からカウント値を読込んで印刷機回転位相検出用カウンタのカウント値記憶用メモリM114に記憶した後、ステップP52で印刷機回転位相検出用カウンタ142のカウント値より、現在の印刷機の回転位相を演算して現在の印刷機の回転位相記憶用メモリM115に記憶する。
【0083】
次に、ステップP53で角折れ検出位相を、角折れ検出位相記憶用メモリM116から読込んだ後、ステップP54で現在の印刷機の回転位相=角折れ検出位相か否かを判断する。
【0084】
次に、前記ステップP54で可であれば、ステップP55で選択された横針装置記憶用メモリM100の内容を読込む一方、否であればステップP51に戻る。
【0085】
次に、ステップP56で選択された横針装置記憶用メモリの内容=1か否かを判断し、可であればステップP57で第1の左側端部検出器125Aの出力を読込む。
【0086】
次に、ステップP58で第1の左側端部検出器125Aの出力がOFFか否かを判断し、可であれば後述するステップP66へ移行する一方、否であればステップP59で第2の右側端部検出器126Bの出力を読込む。
【0087】
次に、ステップP60で第2の右側端部検出器126Bの出力がOFFか否かを判断し、可であれば後述するステップP66へ移行する一方、否であればステップP61に移行する。
【0088】
次に、前記ステップP56で否であれば、ステップP62で第1の右側端部検出器126Aの出力を読込む。
【0089】
次に、ステップP63で第1の右側端部検出器126Aの出力がOFFか否かを判断し、可であれば後述するステップP66へ移行する一方、否であればステップP64で第2の左側端部検出器125Bの出力を読込む。
【0090】
次に、ステップP65で第2の左側端部検出器125Bの出力がOFFか否かを判断し、可であれば後述するステップP66へ移行する一方、否であればステップP61に移行する。
【0091】
次に、前記ステップP61で印刷停止スイッチ119がONか否かを判断し、可であれば前述したステップP66で給紙装置10に、給紙停止指令を送信する一方、否であればステップP51に戻る。
【0092】
次に、ステップP67で印刷装置14に、印刷停止指令を送信した後、ステップP68で原動モータ・ドライバ140に、停止指令を出力する。
【0093】
以上の動作フローにより、左側横針装置12Aが選択された場合には、左側横針装置12Aに支持された第1の左側端部検出器125Aおよび右側横針装置12Bに支持された第2の右側端部検出器126Bからの信号により紙Wの角折れを検出し、前記右側横針装置12Bが選択された場合には、右側横針装置12Bに支持された第1の右側端部検出器126Aおよび左側横針装置12Aに支持された第2の左側端部検出器125Bからの信号により紙Wの角折れを検出する。
【0094】
このようにして、本実施例によれば、左側及び右側横針装置12A、12Bに一体的に設けた一対の第1,第2左側端部検出器125A,125B及び第1,第2右側端部検出器126A,126Bを、左側及び右側横針装置12A、12Bのどちらを使用するかの設定に応じて、一対の第1,第2左側端部検出器125A,125B及び第1,第2右側端部検出器126A,126Bのうち第1か第2のどちらの左側端部検出器125A,125B及び右側端部検出器126A,126Bを使用するかが、自動的に選択されるので、稼働率を上げると共にオペレータの負担を軽減することができる。
【0095】
尚、上記実施例では、第1の左側端部検出器125Aと第2の左側端部検出器125B間の左右方向の距離L
1及び第1の右側端部検出器126Aと第2の右側端部検出器126B間の左右方向の距離L
2を同じ値とし、かつ、紙端から横針装置を逃がす距離として説明したが、距離L
1を左側横針装置12Aが原点位置に位置付けられた時に第2の左側端部検出器125Bで右側横針装置12Bで位置決めされた紙Wの
左端部を検出できる距離とし、距離L
2を右側横針装置12Bが原点位置に位置付けられた時に第2の右
側端部検出器126Bで左側横針装置12Aで位置決めされた紙Wの
右端部を検出できる距離とした場合、従来のように、左側横針装置12Aが選択された場合、左側横針装置12Aが紙Wの紙サイズに応じた位置に位置付けられた時に第1の左側端部検出器125Aで紙Wの左端部を検出でき、右側横針装置12Bが右側の原点位置に退避された時に第2の右側端部検出器126Bで紙Wの右端部を検出でき、逆に右側横針装置12Bが選択された場合、右側横針装置12Bが紙Wの紙サイズに応じた位置に位置付けられた時に第1の右側端部検出器126Aで紙Wの右端部を検出でき、左側横針装置12Aが左側の原点位置に退避された時に第2の左側端部検出器125Bで紙Wの左端部を検出できるようになり、従来のように、一方の横針装置が選択された場合、他方の横針装置を退避位置に退避したままの状態でも紙Wの両端部を検出できるようになる。
【0096】
また、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で横針装置の構造や移動機構の変更等各種変更が可能であることはいうまでもない。