【0017】
油性成分としては、成分(A)〜(D)以外の成分であり、化粧料に一般に使用される動物油、植物油、合成油等の起源の固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類等が挙げられる。
成分(A)〜(C)以外のワックスとしては、通常化粧料に使用されるものであれば、特に制限されないが、具体的には、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマー、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、水添マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、ポリイソブチレン、セレシンワックス、オゾケライトワックス、モクロウ、ミツロウ、ゲイロウ、カルナウバワックス等が挙げられる。
その他の油性成分としては、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリブテン、等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の油脂類、ホホバ油、トリオクタン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、コレステロール脂肪酸エステル、フィトステロール脂肪酸エステル、トリグリセライド、リンゴ酸ジイソステアリル等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、高重合度メチルフェニルポリシロキサン、架橋型ポリエーテル変性メチルポリシロキサン、オレイル変性オルガノポリシロキサン、ベヘニル変性オルガノポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、アルコキシ変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等のシリコーン類、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、デキストリン脂肪酸エステル、イソステアリン酸アルミニウム、12−ヒドロキシステアリン酸等の油性ゲル化剤類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0019】
界面活性剤としては、化粧料一般に用いられている界面活性剤であればいずれのものも使用でき、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
水性成分としては、水に可溶な成分であれば何れでもよく、水の他に、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、アロエベラ、ウイッチヘーゼル、ハマメリス、キュウリ、レモン、ラベンダー、ローズ水等の植物抽出液が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えばベンゾフェノン系、PABA系、ケイ皮酸系、サリチル酸系、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等、美容成分としては例えばビタミン類、消炎剤、生薬等、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル、フェノキシエタノール、1,2−ペンタジオール等が挙げられる。
【実施例】
【0021】
以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
実施例1〜9及び比較例1〜6:口紅
表1に示す処方及び下記に示す製造方法により、口紅を製造した。得られた各口紅について、以下の評価方法により、(a)崩れるようなのびの軽い使用感、(b)発色の良さ、(c)付着の良さ、(d)化粧膜の均一性について評価した。この結果も併せて表1に示す。
【0022】
【表1】
※1:TOWAX−3P3(東亜化成社製)
※2:CIREBELLE108(CIREBELLE社製)
※3:高融点キャンデリラワックスFR100(日本ナチュラルプロダクツ社製)
※4:PERFORMALENE500(融点83〜92℃、ニューフェーズテクノロジー社製)
※5:エルデュウPS−306(味の素社製)
※6:AEROSIL300(日本アエロジル社製)
※7:FLAMENCO SPARKLE GOLD220J(BASF社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(9)を100℃〜110℃にて加熱溶解する。
B:Aに成分(10)〜(16)を加えて、均一に混合する。
C:Bを脱泡後、100℃に加熱した後スティック状口紅容器に直接流し込み、冷却後、口紅を得た。
【0023】
(評価方法)
(a)〜(d)の項目について、各試料について専門パネル20名による使用テストを行った。各試料を口唇に1度塗布し、パネル各人が下記絶対評価にて6段階に評価し、評点をつけ、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記4段階判定基準により判定した。
尚、評価項目(a)は塗布時の感触について、また、評価項目(b)〜(d)は、塗布後の化粧膜について評価した。評価項目(b)は一度塗布の化粧膜で、十分な発色が得られているかを評価した。
<評価項目>
(a)崩れるようなのびの軽い使用感
(b)発色の良さ
(c)付着の良さ
(d)化粧膜の均一性
<6段階絶対評価>
(評点):(評価)
5:非常に良い
4:良い
3:やや良い
2:普通
1:やや悪い
0:悪い
<4段階判定基準>
◎:4点以上 :非常に良好
○:3点以上で4点未満 :良好
△:1.5点以上で3点未満 :やや不良
×:1.5点未満 :不良
【0024】
表1から明らかなごとく、本発明の実施例1〜9は、比較例1〜6に比べて、崩れるようなのびの軽い使用感、発色の良さ、付着の良さ、化粧膜の均一性のすべての点で満足のいくものであった。
一方、成分(A)のコメヌカロウを含有しない比較例1では、口紅が柔らかくなり、崩れるようなのびの軽さが得られず、均一な膜を得られず、付着の良さおよび化粧膜の均一性の点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(B)のフィッシャートロプシュワックスを含有しない比較例2では、口紅が若干固くなるため、崩れるようなのびの軽い使用感の点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(C)のキャンデリラワックスを含有しない比較例3では、口紅自体は柔らかいものの、唇に塗布する際に上滑りしてしまい、化粧膜がしっかり形成されずに、一度塗りで発色する化粧膜の点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(D)の長鎖アシルアミノ酸ステロール誘導体を含有しない比較例4では、化粧膜のべたつきが強く、崩れるようなのびの軽い使用感および発色の良さの点で満足のいくものが得られなかった。また、成分(A)の含有比が高すぎる比較例5では、口紅が非常に固くなり、発色の良さの点で満足のいくものが得られなかった。さらに、成分(B)の含有比が高すぎる比較例6では、口紅が固くなり、崩れるようなのびの軽い使用感の点で満足のいくものが得られなかった。
【0025】
実施例10:リップグロス
(成分) (%)
1.コメヌカロウ※1 6
2.フィッシャートロプシュワックス※2 2
3.キャンデリラワックス※3 0.5
4.2−エチルヘキサン酸セチル 10
5.ポリブテン 20
6.重質流動イソパラフィン※8 5
7.ラウロイルグルタミン酸ジ
(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)※5 5
8.メチルフェニルポリシロキサン 5
9.酢酸液状ラノリン 10
10.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
11.リンゴ酸ジイソステアリル 10
12.シリル化処理無水ケイ酸※9 1
13.赤色202号 0.05
14.ホウケイ酸(Ca/Al)※10 5
15.ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・
エポキシ積層末※11 1
16.雲母チタン※7 5
17.ローズマリーエキス 0.1
18.香料 0.1
※8:パールリーム24(日油社製)
※9:AEROSILR972(日本アエロジル社製)
※10:メタシャイン1080RC−Y(日本板硝子社製)
※11:アルミフレークシルバー0.15mm(角八魚燐箔社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(11)を100〜110℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分(12)〜(18)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、100℃に加熱した後スティック状の口紅容器に直接流し込み、冷却後、リップグロスを得た。
本発明の実施例10のリップグロスは、崩れるようなのびの軽い使用感、発色の良さ、付着の良さ、化粧膜の均一性のすべての点で満足のいくものであった。
【0026】
実施例11:リップクリーム
(成分) (%)
1.コメヌカロウ※1 5
2.フィッシャートロプシュワックス※2 2
3.キャンデリラワックス※3 2
4.デカイソステアリン酸ポリグリセリル 1
5.ラウロイルグルタミン酸ジ
(フィトステリル/オクチルドデシル)※14 5
6.ワセリン 6
7.α−オレフィンオリゴマー※15 5
8.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
9.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
10.酸化亜鉛 1
11.酸化チタン 0.1
12.黄色4号 0.1
13.ヒアルロン酸 0.1
※14:エルデュウPS−203(味の素社製)
※15:SILKFLO364NF(LIPO CHEMICALS INC社製)
(製造方法)
A:成分(1)〜(9)を100〜110℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分(10)〜(13)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、100℃に加熱した後スティック状口紅容器に流し込み、冷却後、リップクリームを得た。
本発明の実施例11のリップクリームは、崩れるようなのびの軽い使用感、付着の良さ、化粧膜の均一性のすべての点で満足のいくものであった。
【0027】
実施例12:W/O型リップクリーム
(成分) (%)
1.コメヌカロウ※1 5
2.フィッシャートロプシュワックス※2 2
3.キャンデリラワックス※3 2
4.デカイソステアリン酸ポリグリセリル 1
5.ラウロイルグルタミン酸ジ
(フィトステリル/オクチルドデシル)※14 5
6.ワセリン 6
7.ジメチルポリシロキサン 5
8.トリイソステアリン酸ジグリセリル 残量
9.PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 3
10.精製水 10
11.1,3−ブチレングリコール 5
12.赤色226号 0.01
13.酢酸トコフェロール 0.1
(製造方法)
A:成分(1)〜(9)を100〜110℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分(10)〜(13)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、100℃に加熱した後スティック状口紅容器に流し込み、冷却後、リップクリームを得た。
本発明の実施例12のW/O型リップクリームは、崩れるようなのびの軽い使用感、付着の良さ、化粧膜の均一性のすべての点で満足のいくものであった。