(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、通常型とダブルアクション型とを同じ制御盤で制御できるようにする予作動式スプリンクラ消火設備を提供すること、通常型とダブルアクション型とを建物に併用する場合でも共通の制御盤を使用でき、通常型からダブルアクション型に変更する場合でも制御盤を変更する必要がない予作動式スプリンクラ消火設備を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るスプリンクラ消火設備は、
第1の警報弁を開放する
第1の起動弁と、前記
第1の警報弁の二次側に接続され気体または液体が加圧充填される
第1の二次側配管と、前記
第1の二次側配管に取り付けられる
第1の閉鎖型スプリンクラヘッドと、火災現象に基づく物理量を検出して信号を送信する
第1の火災感知器と、前記
第1の二次側配管内の圧力が設定圧力以下になると接点を閉じる
第1の圧力スイッチ
と、を備え
た第1のスプリンクラ消火設備
と、
第3の警報弁を開放する第3の起動弁と、前記第3の警報弁の二次側に接続され気体または液体が加圧充填される第3の二次側配管と、前記第3の二次側配管に取り付けられる第3の閉鎖型スプリンクラヘッドと、火災現象に基づく物理量を検出して信号を送信する第3の火災感知器と、を備えた第3のスプリンクラ消火設備と、前記第1の火災感知器が送信した信号を受信すると第1の起動弁制御信号線に前記第1の起動弁を開放する信号を送信し、前記第3の火災感知器が送信した信号を受信すると第3の起動弁制御信号線に前記第3の起動弁を開放する信号を送信する制御盤を備え、前記第1の起動弁制御信号線は前記第1の圧力スイッチを経由して前記第1の起動弁に接続され、前記第3の起動弁制御信号線は前記第3の起動弁に直接接続され、前記第1のスプリンクラ消火設備は前記第1の火災感知器の送信する信号と前記第1の圧力スイッチが接点を閉じたことにより前記第1の起動弁を開放して前記第1の警報弁を開放し、前記第3のスプリンクラ消火設備は前記第3の火災感知器の送信する信号により前記第3の起動弁を開放して前記第3の警報弁を開放し、前記第1のスプリンクラ消火設備と前記第3のスプリンクラ消火設備とを共通の前記制御盤で制御することを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明に係るスプリンクラ消火設備は、
第2の警報弁を開放する
第2の起動弁と、前記
第2の警報弁の二次側に接続され気体または液体が加圧充填される
第2の二次側配管と、前記
第2の二次側配管に取り付けられる
第2の閉鎖型スプリンクラヘッドと、火災現象に基づく物理量を検出して信号を送信する
第2の火災感知器と
、前記
第2の二次側配管から分岐して、前記気体または液体を前記
第2の二次側配管の外へ排出する急速排気弁と、前記急速排気弁の二次側に接続され、前記急速排気弁が排出した気体または液体の圧力が設定圧力以上になると接点を閉じる
第2の圧力スイッチ
と、を備え
た第2のスプリンクラ消火設備
と、
第3の警報弁を開放する第3の起動弁と、前記第3の警報弁の二次側に接続され気体または液体が加圧充填される第3の二次側配管と、前記第3の二次側配管に取り付けられる第3の閉鎖型スプリンクラヘッドと、火災現象に基づく物理量を検出して信号を送信する第3の火災感知器と、を備えた第3のスプリンクラ消火設備と、前記第2の火災感知器が送信した信号を受信すると第2の起動弁制御信号線に前記第2の起動弁を開放する信号を送信し、前記第3の火災感知器が送信した信号を受信すると第3の起動弁制御信号線に前記第3の起動弁を開放する信号を送信する制御盤を備え、前記第2の起動弁制御信号線は前記第2の圧力スイッチを経由して前記第2の起動弁に接続され、前記第3の起動弁制御信号線は前記第3の起動弁に直接接続され、前記第2のスプリンクラ消火設備は前記第2の火災感知器の送信する信号と前記第2の圧力スイッチが接点を閉じたことにより前記第2の起動弁を開放して前記第2の警報弁を開放し、前記第3のスプリンクラ消火設備は前記第3の火災感知器の送信する信号により前記第3の起動弁を開放して前記第3の警報弁を開放し、前記第2のスプリンクラ消火設備と前記第3のスプリンクラ消火設備とを共通の前記制御盤で制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、火災感知器の作動を受けて起動弁を開放する信号を、警報弁の二次側配管内圧力の低下を監視する圧力スイッチを経由して起動弁に送信することにより、通常型に使用する制御盤で制御することができる。これにより火災感知器の作動と二次側配管内圧力の低下との2つの信号により起動弁を開放するダブルアクション型と、火災感知器の作動により警報弁を開放する通常型とを共通の制御盤で併用したり、通常型からダブルアクション型へ制御盤を変更せずにリニューアルしたりすることができる。
【0009】
また、本発明においては、火災感知器の作動を受けて起動弁を開放する信号を、警報弁の二次側配管に接続した急速排気弁二次側の圧力上昇を監視する圧力スイッチを経由して起動弁に送信することにより、通常型に使用する制御盤で制御することができる。これにより火災感知器の作動と急速排気弁二次側の圧力上昇との2つの信号により警報弁を開放するダブルアクション型と、火災感知器の作動により警報弁を開放する通常型とを共通の制御盤で併用したり、通常型からダブルアクション型へ制御盤を変更せずにリニューアルしたりすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1
図1は本発明の実施の形態1に係る予作動式スプリンクラ消火設備の説明図である。
図1では、ダブルアクション型を制御盤に接続して用いる場合を例に挙げて説明する。
本実施の形態1に係るスプリンクラ消火設備は、警報弁1と警報弁1を開放する起動弁2と手動起動弁13とを備えている。
警報弁1の一次側には一次側配管16が接続され、一次側配管16は図示しない消火ポンプおよび消火水槽等に接続されている。
警報弁1の二次側には二次側配管3が接続され、二次側配管3には図示しない閉鎖型スプリンクラヘッドが設けられ、警戒区域の天井面等に設置されている。二次側配管3の末端には図示しない末端試験弁が設けられている。また、二次側配管3には二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7が接続されており、二次側配管3内の圧力が設定圧力以下になると圧力低下信号を送信する。
【0012】
図示しない火災感知器は監視区域の天井面等に設置され電気的に図示しない火災受信機に接続されている。火災受信機は火災信号線17により電気的に消火設備制御盤6に接続される。消火設備制御盤6は起動弁制御信号線18(二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7の一次側)を介して電気的に二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7に接続されている。二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7は、常時は開の2つの接点を持ち、図示しない第1の接点には二次側圧力低下信号線19が接続され、二次側配管3内の圧力が低下したことを消火設備制御盤6に表示するために使用している。図示しない第2の接点は起動弁2に起動弁制御信号線18(二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7の二次側)を介して接続されている。第2の接点が閉じると消火設備制御盤6と起動弁2が起動弁制御信号線18により電気的に接続される。
なお、本実施の形態1では、第1の接点は二次側配管3内の圧力が設定圧力以下になったときに閉じる設定になっているが、常時は閉じていて二次側配管3内の圧力が設定圧以下になったときに開く設定としてもよい。
【0013】
警報弁1はピストン室22、ピストン23、弁座24、警報弁開放配管25および警報弁閉止配管26等により構成されている。警報弁開放配管25および警報弁閉止配管26は、それぞれピストン室22に接続されている。
警報弁開放配管25は、基端側がピストン室22に接続され、その二次側で一旦2経路に分岐し、第1の経路には起動弁2が、第2の経路には手動起動弁13が接続され、起動弁2および手動起動弁13の二次側で1つの経路に合流する。1つに合流した警報弁開放配管25は排水配管15に接続されている。
警報弁閉止配管26は一次側配管16と、警報弁閉止オリフィス11及び逆止弁12を経由してピストン室22に接続されている。
【0014】
警報弁1は起動弁2および手動起動弁13を閉止した状態で警報弁閉止配管26から加圧水を流入させるとピストン室22に加圧水が充水され、該水圧とスプリング27の付勢力とによってピストン23が弁座24に押しつけられ閉止する。
また、警報弁1は閉止状態から起動弁2もしくは手動起動弁13を開放するとピストン室22内の圧力が低下する。つまり、一次側配管16から警報弁閉止配管26を通って加圧水がピストン室22に送られるが、警報弁閉止オリフィス11の孔径が警報弁開放配管25の配管内径より小さく、ピストン室22の排水量が充水量より多いためピストン室22内の水圧は低下する。そのため、警報弁1は一次側配管16の圧力によってピストン23が押されて開放し、一次側配管16と二次側配管3が連通する。
【0015】
以上のように構成された本実施の形態1の作動を監視時、火災時、誤作動時に分けて説明する。
<監視時>
監視時には、警報弁1は閉止しており、二次側配管3内には空気等の気体が所定の圧力(例えば0.2MPa)で加圧充填されている。
また、監視時には、一次側配管16内に水等の液体消火剤が所定の圧力(例えば1MPa)で加圧充填されている。
【0016】
<火災時>
火災が発生すると一般的に閉鎖型スプリンクラヘッドよりも先に火災感知器が作動する。火災感知器が作動すると火災信号が火災受信機から火災信号線17を通って消火設備制御盤6に送信される。
消火設備制御盤6は火災信号を受信すると、起動弁制御信号線18に起動弁開信号を送信するが、二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7が作動していないので第2の接点が開いているため起動弁開信号は起動弁2に送信されない。
【0017】
引き続き閉鎖型スプリンクラヘッドが開放すると二次側配管3内の空気が放出され、二次側配管3内の圧力が低下する。二次側配管3内の圧力が設定圧以下になると、二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7が作動し、第1の接点および第2の接点が閉じられる。第1の接点が閉じることにより二次側圧力低下信号線19が消火設備制御盤6と接続され消火設備制御盤6は二次側配管内の圧力が低下していることを表示する。また、第2の接点が閉じることにより、第2の接点の一次側と二次側の起動弁制御信号線18が電気的に接続されるため、起動弁開信号が起動弁2に送信される。
【0018】
起動弁開信号を受信した起動弁2は開放し、警報弁1のピストン室22内の水を排水し、警報弁1が開放する。警報弁1が開放すると一次側配管16と二次側配管3が連通し、加圧水が二次側配管3に流入し、閉鎖型スプリンクラヘッドから放水する。
【0019】
<誤作動時>
火災感知器が例えば煙感知器であった場合に、火災感知器が例えば大量のたばこの煙を火災と判断した場合、火災感知器から火災信号を受信した火災受信機は、火災信号線17を通じて消火設備制御盤6に火災信号を送信する。火災信号を受信した消火設備制御盤6は、起動弁制御信号線18に起動弁開信号を送信するが、二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7が作動していないので第2の接点が開いているため起動弁開信号は起動弁2に送信されない。
【0020】
閉鎖型スプリンクラヘッドは、たばこの火程度では作動しないので、二次側配管3内の圧力は低下せず二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7は時間が経過しても作動しない。このため、警報弁1は開放せず、二次側配管3内に水が流入することはなく、煙を排出後、火災受信機および消火設備制御盤6を復旧するだけでよく、二次側配管3内の水抜き作業は必要ない。
【0021】
また、閉鎖型スプリンクラヘッドに荷物をぶつけるなどの衝撃を与えて破損した場合、二次側配管3内の加圧空気が放出され二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7が作動し第1の接点および第2の接点が閉じる。第1の接点が閉じたため消火設備制御盤6には、二次側配管3内の圧力が低下していることが表示される。
【0022】
このとき、火災感知器が作動する要因は存在しないため火災信号は送信されない。従って消火設備制御盤6から起動弁開信号は送信されず、警報弁1が開放しないので二次側配管3内に水が流入することはない。このため閉鎖型スプリンクラヘッドを交換後、二次側配管3内に加圧空気を充填し、消火設備制御盤6を復旧するだけでよく、二次側配管3内の水抜き作業は必要ない。
【0023】
なお、ダブルアクション型と通常型とを共通の制御盤で併用する場合、起動弁制御信号線18を弁1の数量に対応して複数設け、通常型に接続する起動弁制御信号線18を二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7を経由せずに直接起動弁2に接続すればよい。
また、通常型からダブルアクション型に変更する場合は、制御盤6と起動弁2とを直接接続していた起動弁制御信号線18を二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7の第2の接点を経由するように接続すればよい。
【0024】
また、本実施の形態1の二次側配管3(もしくは警報弁1の二次側配管3に常時通じている部分)に後述の実施の形態2に記載する急速排気弁8を接続してもよい。この場合、閉鎖型スプリンクラヘッドが作動した後、二次側配管3内の加圧空気がより早く抜けるため、閉鎖型スプリンクラヘッドからの放水開始を早めることができる。
【0025】
実施の形態2
図2は本発明の実施の形態2に係るスプリンクラ消火設備の説明図である。
ここでは、実施の形態1と異なる点について記載する。
本実施の形態2が実施の形態1と異なる点は、二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7に代えて、急速排気弁8および急速排気弁作動検知用圧力スイッチ9が設置されている点である。急速排気弁8を使用することで、二次側配管3内の空気をより早く抜くことができるため、閉鎖型スプリンクラヘッドが作動してから放水を開始するまでの時間を短縮することができる。
【0026】
二次側配管3(もしくは警報弁1の二次側配管3に常時通じている部分)には急速排気弁8が接続され、急速排気弁8の二次側には排気制御オリフィス10が接続され、排気制御オリフィス10の二次側は大気開放されている。なお排気制御オリフィス10の孔径は排気量が急速排気弁8の排気量より少なくなるように設定されている。急速排気弁8と排気制御オリフィス10の間には、急速排気弁作動検知用圧力スイッチ9が設置されており、急速排気弁8から排気された空気による圧力上昇が設定圧力(例えば0.05MPa以上)となった場合に急速排気弁作動信号を送信する。二次側配管3内の圧力低下を検知するより、急速排気弁二次側配管14の圧力上昇を検知する方が早いため、閉鎖型スプリンクラヘッドが作動してから起動弁2を開放する時間を早くすることができる。
【0027】
急速排気弁作動検知用圧力スイッチ9は、常時は開の2つの接点を持ち、図示しない第1の接点には急速排気弁作動信号線20が接続され、急速排気弁8により二次側配管3内の圧力が排出された空気が排気制御オリフィス10との間に滞留して圧力が上昇したこと、つまりは急速排気弁8が開放したことを消火設備制御盤6に表示するために使用している。図示しない第2の接点は、その一次側が一次側の起動弁制御信号線18を介して消火設備制御盤6に接続され、その二次側が二次側の起動弁制御信号線18を介して起動弁2に接続されている。第2の接点が閉じると消火設備制御盤6と起動弁2が起動弁制御信号線18により電気的に接続される。
なお、本実施の形態2では、第1の接点は急速排気弁8からの排気圧力が設定圧力以上になったときに閉じる設定になっているが、常時は閉じていて急速排気弁8からの排気圧力が設定圧以上になったときに開く設定としてもよい。
【0028】
急速排気弁8について、
図4を用いて説明する。急速排気弁8は上部フラム806と下部フラム807との間にオイル808を充填し、密閉してオイル室811を形成している。オイル室811にはディスク802が上部オイル室812と下部オイル室813を隔てるように設置されており、ディスク802には、上部オイル室812と下部オイル室813を連通する小穴であるオイル用オリフィス803が開けられている。ディスク802はガイドロッド814によって弁体801と接続されている。
【0029】
下部フラム807の下側にはフラム室816が形成され、二次側配管接続部809と連通し、フラム室816と弁体室815が連通している。弁体801は弁体室815内にあり、弁体室815と排気部810とを連通させたり、遮断させたりする。排気部810の二次側には急速排気弁作動検知用圧力スイッチ9および排気制御オリフィス10が接続され大気開放されている。
【0030】
急速排気弁8は監視状態では二次側配管接続部809からフラム室816に二次側配管3内に充填された空気の圧力によって下部フラム807を押し上げ、起動スプリング804を圧縮している。このとき弁体801は復旧スプリング805に押しつけられるようにして閉止している。
【0031】
閉鎖型スプリンクラヘッドが作動して、二次側配管3内の圧力が低下すると下部フラム807を押し上げる力が減少し、圧縮されていた起動スプリング804が伸長し、上部フラム806を押し下げる。このとき上部オイル室812のオイル808は、オイル用オリフィス803を通って下部オイル室813へ移動するが、オイル用オリフィス803を通るオイル808の抵抗が大きいためディスク802を押し下げ、ガイドロッド814によって弁体801を開放させる。弁体801が開放すると二次側配管3内に充填された空気が二次側配管接続部809、フラム室816、弁体室815、排気部810の順に通って排気される。
【0032】
一方で二次側配管3の空気の圧力が温度変化等によってゆっくり下がった場合、オイル808がオイル用オリフィス803を通る際の抵抗が小さいため、ディスク802が移動せずにオイル808がオイル用オリフィス803を通り下部オイル室813へ移動する。この場合、起動スプリング804が伸長した分は下部フラム807が伸びることで相殺する。ディスク802が移動しないため弁体801は開放せず二次側配管3内の空気は排出されない。
【0033】
以上のように構成された本実施の形態2の作動を火災時、誤作動時に分けて説明する。なお、実施の形態1と異なる点について記載する。また、監視時は実施の形態1と同様の動きとなるため省略する。
【0034】
<火災時>
火災が発生して火災感知器が作動すると、消火設備制御盤6から起動弁制御信号線18に起動弁開信号を送信するが、急速排気弁作動検知用圧力スイッチ9が作動していないので第2の接点が開いているため起動弁開信号は起動弁2に送信されない。
【0035】
引き続き閉鎖型スプリンクラヘッドが開放すると二次側配管3内の空気が放出され、二次側配管3内の圧力が低下する。これを検知した急速排気弁8が開放し、二次側配管3内の空気はより早く排気される。急速排気弁8が排気した空気は排気制御オリフィス10によって、急速排気弁二次側配管14の急速排気弁8と排気制御オリフィス10との間で滞留し、この間の圧力が上昇する。この圧力が急速排気弁作動検知用圧力スイッチ9の設定圧力以上になると、急速排気弁作動検知用圧力スイッチ9が作動し、第1の接点および第2の接点が閉じられる。第1の接点が閉じることにより急速排気弁作動信号線20が消火設備制御盤6と接続され消火設備制御盤6は急速排気弁8が開放していることを表示する。また、第2の接点が閉じることにより、第2の接点の一次側と二次側の起動弁制御信号線18が電気的に接続されるため、起動弁開信号が起動弁2に送信され、警報弁1が開放し閉鎖型スプリンクラヘッドから放水する。
【0036】
<誤作動時>
火災感知器が非火災報を送信した場合、火災信号を受信した消火設備制御盤6は、起動弁制御信号線18に起動弁開信号を送信するが、急速排気弁作動検知用圧力スイッチ9が作動していないので第2の接点が開いているため起動弁開信号は起動弁2に送信されない。
【0037】
このとき閉鎖型スプリンクラヘッドは作動しないので、二次側配管3内の圧力は低下せず急速排気弁8は開放しない。このため急速排気弁作動検知用圧力スイッチ9は時間が経過しても作動しない。このため、警報弁1は開放せず、二次側配管3内に水が流入することはない。
【0038】
また、閉鎖型スプリンクラヘッドが衝撃等によって破損した場合、二次側配管3内の加圧空気が放出され、急速排気弁8が開放し、急速排気弁作動検知用圧力スイッチ9が作動し第1の接点および第2の接点が閉じる。第1の接点が閉じたため消火設備制御盤6には、急速排気弁8が開放したことが表示される。
【0039】
このとき、火災感知器は作動しないため火災信号は送信されず、消火設備制御盤6から起動弁開信号は送信されない。このため、警報弁1開放せず、二次側配管3内に水が流入することはない。
【0040】
なお、ダブルアクション型と通常型とを共通の制御盤で併用する場合、起動弁制御信号線18を弁1の数量に対応して複数設け、通常型に接続する起動弁制御信号線18を急速排気弁作動検知用圧力スイッチ9を経由せずに直接起動弁2に接続すればよい。
また、通常型からダブルアクション型に変更する場合は、制御盤6と起動弁2を直接接続していた起動弁制御信号線18を急速排気弁作動検知用圧力スイッチ9の第2の接点を経由するように接続すればよい。
【0041】
以上のように、二次側圧力低下監視用圧力スイッチ7の第2の接点または急速排気弁作動検知用圧力スイッチ9の第2の接点によってダブルアクション型としているため、消火設備制御盤6は通常型と同じものが使用できる。
このため、特定部分だけダブルアクション型とし、その他の部分を通常型とする場合でも共通の消火設備制御盤6を使用することができる。また、通常型をダブルアクション型に変更する場合でも消火設備制御盤6をそのまま使用することができる。
【0042】
なお、本実施の形態1および2では、二次側配管3内に空気を加圧充填しているが、空気以外の気体、例えば窒素や、水等の液体を加圧充填する方法としてもよい。