(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0001】
(関連出願の相互参照)
なし。
【0002】
シロキサンは、オルガノハロシランの加水分解物から製造され、典型的には、塩化銅のような触媒の存在下で、金属ケイ素が有機ハロゲン化物と反応する直接法によって製造される。オルガノハロシランの加水分解物において、他のものよりも優れたいくつかのシロキサンの生成に作用するプロセスが探求されているが、これらの方法には制限がある。再配列又は平衡反応によって、他のシロキサンからシロキサンを製造するための、発展したプロセスもある。
【0003】
そのような平衡反応の1つのタイプとしては、イオン交換樹脂触媒のような平衡触媒の存在下でシロキサンを反応させる工程を含む。しかし、反応速度及びイオン交換触媒を再使用する能力は、これらの平衡触媒によって改善され得る。イオン交換触媒は、典型的には、一回の平衡反応の後、大幅に減少するため、後の平衡反応では、新たなイオン交換樹脂触媒を使用する必要がある。このように、反応時間及びイオン交換触媒の処分が、シロキサンを製造するための平衡プロセスのコストを大幅に増加させる。
【0004】
本発明者らは、イオン交換樹脂触媒を含んでいる平衡反応のための反応時間を、反応中のイオン交換樹脂触媒の水量を適度に調整することによって減少できることを見出した。ある場合には、ここで述べられた水量の制限範囲を外れたイオン交換樹脂を用いて行った平衡反応と比較して、反応時間を50%程度削減できる。また本発明者らは、平衡反応に使用した後、イオン交換触媒の水量を適正範囲に再調整することで、後続反応でイオン交換樹脂触媒が再利用できることも見出した。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、イオン交換樹脂触媒の乾燥質量に対し6〜19質量%の水を含有するイオン交換樹脂触媒の存在下で、少なくとも2つのシロキサンの反応させることにより、前記シロキサン結合の再配列によってシロキサンの製造を行う方法である。
【0007】
前記少なくとも2つのシロキサンは、第1及び第2のシロキサンを含む。前記第1のシロキサンは、Si-O-Si結合を有する何らかのオルガノシロキサンである。一の実施形態では、前記第1のシロキサンは、環状シロキサン、非環状シロキサン、又はそれらの混合物である。
【0008】
適当な環状シロキサン、別名、環状のシロキサンは、既知のもので、商業的に利用できる材料である。前記環状シロキサンは、一般式 (R
2SiO)
nを有し、ここでRはそれぞれ独立して水素又はヒドロカルビル基、nは3〜12、3〜8、4〜6、4、5又は6の整数である。一の実施形態では、各Rは独立して水素又はC1〜C20のヒドロカルビル基;他の実施形態では、水素又はC1〜C10のヒドロカルビル基;また他の実施形態では、水素又はC1〜C7のヒドロカルビル基;さらに他の実施形態では、水素又はC1〜C4のヒドロカルビル基;さらにまた他の実施形態では、メチル基である。ヒドロカルビル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、トリフルオロプロピル、n−ブチル、第2級ブチル、第3級ブチル、ビニル、アリル、プロペニル、トリル及びベンゾイルがある。一の実施携帯では、全R基の少なくとも80%がメチル又はフェニル基であり;他の実施形態では、全R基の少なくとも80%がメチル基である。一の実施形態では、実質的に全てのR基がメチル基である。適当な環状シロキサンの例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ペンタ(メチルビニル)シクロペンタシロキサン、テトラ(フェニルメチル)シクロテトラシロキサン、テトラメチヒドロシクロテトラシロキサン、及び、ペンタメチヒドロシクロペンタシロキサンである。一の実施形態では、前記環状シロキサンは、環状シロキサンの混合物であり;他の実施形態では、前記環状シロキサンは、オクタメチルシクロテトラシロキサン及びデカメチルシクロペンタシロキサンからなり;また他の実施形態では、前記環状シロキサンは、オクタメチルシクロテトラシロキサン又はデカメチルシクロペンタシロキサンからなり、さらに他の実施形態では、前記環状シロキサンは、オクタメチルシクロテトラシロキサンからなる。
【0009】
上述した環状シロキサンの代わりか、又は、それに加えて、前記第1のシロキサンは、一般式R
aSiO
4-aの構成単位を有する何らかのオルガノシロキサンであり、ここでRは上記と同様であり、「a」は、0〜3、1〜3又は1.8〜2.2の値を持つ。一の実施形態では、第1のオルガノシロキサンは、ジアルキルシロキサンからなり;他の実施形態では、前記第1のオルガノシロキサンは、ジメチルシロキサンからなる。一の実施形態では、前記第1のオルガノシロキサンは、式R
3SiO
1/2(ここで各Rは上記と同様である)のシロキサン基で末端ブロック化した実質的に鎖状材料からなる。
【0010】
前記第1のシロキサンを構成するケイ素原子の数は変化する。一の実施形態では、前記第1のシロキサンは2〜200のケイ素原子;他の実施形態では、3〜150のケイ素原子;また他の実施形態では、3〜20のケイ素原子を有するオルガノシロキサン材料である。
【0011】
ここで用いられる第1のシロキサンの量も変化する。一般的には、前記第1のシロキサンは前記反応混合物の質量に対し10〜99質量%であり;他の実施形態では、前記第1のシロキサンは前記反応混合物の質量に対し50〜95質量%であり;さらに他の実施形態では、前記第1のシロキサンは前記反応混合物の質量に対し65〜85質量%である。当業者は、本工程によって製造されたシロキサンの所望の鎖長を達成するため、前記第2のシロキサンを用いて第1のシロキサンの量を調整する方法を知っているであろう。ここで用いられる混合物の反応は、表現するのであれば、シロキサン、触媒及び溶媒を含んだ全ての反応物について言及する。
【0012】
前記第2のシロキサンは末端ブロッカーである。該末端ブロッカーは、その他の材料の量と共に、小さな分子量のポリマーもたらすより多くの末端ブロッカーによって、本発明による方法から得られたポリシロキサンの分子量を制御する。適した末端ブロッカーは、118g/モル以上の分子量のポリシロキサンを含む。一の実施形態では、前記末端ブロッカーは、MD
XMの一般式からなる、ポリシロキサン又はポリジメチルシロキサンであり、ここでMがR
3SiO-、Dが-SiR
2O-(Rは上記と同様である)、xが0〜20又は6〜9の整数である。例えば、前記末端ブロッカーは、ヘキサメチルジシロキサンである。一の実施形態では、前記第2のシロキサンは、少なくとも1つのケイ素結合水素原子を有する。少なくとも1つのケイ素結合水素原子を有する水素原子を有する第2のシロキサンの例としては、テトラメチルジシロキサン、ヘキサメチルトリシロキサン、オクタメチルテトラシロキサンであり、ここで前記水素原子は、末端又は内部構成単位である。
【0013】
前記第2のシロキサンのケイ素原子の数は変化する。一の実施形態では、ケイ素元素の数は2〜200であり;他の実施形態では、ケイ素元素の数は2〜100であり;また他の実施形態では、ケイ素元素の数は2〜50であり;さらに他の実施形態では、ケイ素元素の数は2〜10である。シリコン結合R基を有するシロキサンは、既知なものであり、商業的に利用可能なものである。例えばオルガノクロロシランの加水分解物のような、従来知られた技術によって、それらは製造される。
【0014】
記載されているように、ここで用いられる末端ブロッカーの量は所望のポリマー鎖長によって決まり、当業者にとって通常の実験を用いて決められる。一般的に、前記反応混合物の0.1〜75質量%が末端ブロッカーである。一の実施形態では、前記末端ブロッカーは前記反応混合物の0.1〜50質量%である。ここで用いられる前記反応混合物は、シロキサン、触媒及び溶媒を含んだ全ての反応物について言及する。
【0015】
一の実施形態では、前記末端ブロッカーは、少なくとも1つのシリコン結合水素原子を有し、前記第1のシロキサンは、1分子当たり本質的に0のシリコン結合水素原子である。この実施形態では、第1及び第2シロキサンの割合は、前記反応混合物中の全シロキサンの質量に対し、ケイ素結合水素の質量で50〜10000ppm(parts per million)であり;他の実施形態では、前記割合は、前記反応混合物中の全シロキサンの質量に対し、100〜5000ppm(parts per million)のケイ素結合水素であり;さらに他の実施形態では、前記割合は、前記反応混合物中の全シロキサンの質量に対し、200〜4000ppm(parts per million)のケイ素結合水素である。ケイ素結合水素のppmは、末端ブロッカー1分子あたりのケイ素結合水素基の数を保持している間の末端ブロッカー分子量の変化、プロセス中に含まれる末端ブロッカー量の変化、又は、プロセス中の分子量及び末端ブロッカー量の変化の組合せによって変化する。第1のシロキサン及び末端ブロッカーの割合の変化は、本プロセスから得られたシロキサンの分子量に影響を与えると考えられる。当業者は、製造されるシロキサンの分子量を変化させるためプロセス中の前記末端ブロッカーの分子量及び量を変化させるによって、プロセスにおけるケイ素結合水素のppmを変化させる方法を知っているであろう。
【0016】
前記イオン交換触媒は、異種の酸触媒である。有用な触媒としては、ポリスチレンジビニルベンゼンのような酸性イオン交換樹脂であり、ミシガン州ミッドランドのダウケミカルカンパニー、により製造されたDowex(登録商標)DR−2030、及び、ロームアンドハースコーポレーションにより製造されたAmberlyst(登録商標)として販売される。
【0017】
本発明による方法の酸性イオン交換樹脂触媒は、前記酸性イオン交換樹脂触媒の乾燥質量に対し3〜19質量%の水を含有する。他の実施形態では、反応開始時で、イオン交換樹脂触媒の乾燥質量に対し6〜19質量%の水を含有し;また他の実施形態では、イオン交換樹脂触媒の乾燥質量に対し6〜13質量%の水を含有し;さらに他の実施形態では、イオン交換樹脂触媒の乾燥質量に対し9〜12質量%の水を含有する。
【0018】
水の%は、未使用の酸性イオン交換樹脂触媒に対する乾燥により損失した質量のバランスによって決まる。例えば、水の%は、質量損失解析装置の秤で4インチアルミニウム質量皿を判別することで決まる。前記秤は、風袋を0グラムの質量にする。前記酸性イオン樹脂触媒は、薄層がアルミニウムプレートの全範囲を覆うまで(およそ2.8グラム)、前記アルミニウムプレート上に注がれた。前記秤の表面は、熱処理が禁止され、前記酸性イオン交換触媒は150℃まで熱され、保持される。前記酸性イオン交換樹脂触媒の質量損失が、60秒間の開始投入質量の0.5%よりも小さくなるとき、前記秤を冷却し、測定を停止する。測定が停止した後の、この質量が、ここで用いられる前記酸性イオン交換樹脂触媒の「乾燥質量」である。水の含有量は、サンプルの最終質量を差し引いたサンプルの開始質量を、サンプルの最終質量によって除し、100を乗じたものである。供給された前記酸性イオン交換樹脂触媒の質量%が要求される範囲の下限を下回るとき、前記水の含有量は、所望の範囲内の水をもたらすべく、前記酸性イオン効果樹脂触媒又は前記反応混合物への水を追加することによって上昇する。前記酸性イオン交換樹脂触媒の水が要求される範囲の上限をこえる場合、前記イオン交換樹脂触媒の水の含有量を所望の範囲内まで減らす。前記イオン交換樹脂触媒の水の含有量を所望の範囲内とするべく、例えば、乾燥室での乾燥や、十分な水を消費するためにSi-Hを含むオルガノシロキサンを用いたプロセスの実施により、前記酸性イオン樹脂触媒の水を減らす。前記酸性イオン交換樹脂触媒が減少すると、所望の水含有量の範囲に前記触媒を保持するか又は持っていくため、該酸性イオン交換樹脂の水の含有量を一般的に増加させる必要がある。
【0019】
Si-H含有シロキサンが、開始反応の第1又は第2のシロキサンであり、水と反応する唯一の官能基であるとき、前記酸性イオン交換樹脂触媒に加えられる水は、未使用の酸性イオン交換樹脂触媒を用いた前記開始反応の開始に先立つか又は近づいたとき、及び、前記反応後に、全シロキサン中の前記Si-H含有量(例えば、ケイ素結合水素原子の量)を測定することによって決められる。前記開始時と前記終了時の値の差が、その後決まる。前記Si-H含有量の差は、一部の水がSi-Hの二部分と反応することによってシロキサン及び水素ガスを生成するために存在する水と反応するSi-Hの量である。そのため、後続の運転において前記酸性イオン交換樹脂触媒又は前記反応混合物に加えられる前記水の部分は、前記反応の開始から終了までのSi-Hの差によって決定されるものとして、反応したSi-Hの二部分のための一部の水を差し引くことによって決められる。
【0020】
前記Si-Hは、2129cm
-1のピークを用いた赤外分光法によって測定される。前記ピークの面積が測定され、公知のIRプロシージャに基づいてSi-H含有材料の公知のスタンダードと比較される。当業者であれば、上述した特定の範囲内の質量%の水とするべく、前記酸性イオン交換樹脂触媒に水を加える方法を知っているであろう。ここで述べられた範囲内に触媒の水を調整することで、予想以上に、反応速度及び前記酸性温交換樹脂触媒の再生能力が大きくなる。
【0021】
前記第1及び第2シロキサンがSi-H基を含んでいない場合、もしある場合には、同じ酸性イオン交換触媒を用いた後続運転における前記触媒の活性を維持するために追加される水の量は、酸性イオン交換樹脂の水含有量を所望の範囲とし、反応速度の最適化を図るために加える水の最適量を決める一連の運転を行うことで決定される。そのため、前記シロキサン中のビニル基のような官能基に基づいて、当業者は、シロキサン中の特定の官能基と反応する水の量を決定でき、同様の触媒を用いた後続の反応での反応速度を最適化するために前記触媒中で置き換えられる。
【0022】
前記反応混合物中の触媒の量は変化する。実際には上限がないものの、前記触媒の量は、一般的には、前記反応混合物の0.1〜75質量%である。他の実施形態では、前記触媒は前記反応混合物の0.1〜5質量%であり、さらに他の実施形態では、前記触媒は前記反応混合物の0.1〜1.5質量%である。
【0023】
前記反応の温度は変化する。一の実施形態では、前記反応温度は常温から110℃であり;他の実施形態では、前記反応温度は20〜110℃であり;また他の実施形態では、前記反応温度は23〜80℃である。前記反応温度の上限は、前記触媒が、副生物に分解又は開裂を始める温度である。当業者であれば前記反応温度の調整方法を知っているであろう。
【0024】
本発明で実施される際の前記圧力は、大気圧以上で変化する。一の実施形態では、前記圧力は27〜16000kPaであり;他の実施形態では、前記圧力は67〜5100kPaであり;さらに別の実施形態では93〜1025kPaである。ここで用いられる前記圧力は実際の圧力である。当業者であれば、例えば前記反応容器のヘッドスペース及び通気孔中に高圧の窒素を送り込むことによって、本発明の前記圧力の監視及び調整方法を知っているであろう。
【0025】
本発明による製造方法は、高分子量、例えば1×10
6〜100×10
6の水性ポリマー及びゴムを含むあらゆる種類のオルガノシロキサンの製造に用いられる。前記オルガノシロキサンの分子量は、反応に用いられる材料の濃度に影響を受ける。前記触媒は、低い触媒濃度で適当な時間でポリマーの形成を可能とするように十分に活性である。このように、本発明による方法は、一般式R
aSiO
(4-a) /2(ここで、Rは上記と同様であり、「a」は0〜3の数値である)の構成単位を有するオルガノポリシロキサンの製造に有用である。前記製造されたオルガノポリシロキサンは、一の実施形態では、末端ブロック構成単位を除いて実際に全ての構成単位でaの数値は2であり、前記シロキサンは実質的に、R(R
2SiO)
pSiR
3(ここで、Rは上記と同様であり、pは整数である)の一般式の鎖状ポリマーである。しかしながら、aが0又は1である少量の構成単位が存在することも可能である。前記鎖中にそのような構成単位を有するポリマーは、分岐がある。一の実施形態では、各Rは独立して、水素、ヒドロキシル基、又は、メチル基若しくはフェニル基のようなアリール基を意味する。本発明の範囲内である水含有量(%)を有するイオン交換樹脂触媒を用いた本発明による方法によって製造される前記オルガノポリシロキサンの粘度は、25℃で3〜500mm
2/sであり、選択的には、3〜150 mm
2/sである。
【0026】
前記反応は、何らかの適当な反応槽内で実施される。例えば、プロペラブレード及びバッフルのように、前記反応混合物をかき混ぜる手段を有するバッチタンク又は圧力容器が用いられる。
【実施例】
【0027】
後述の実施例は、本発明による実施形態の実証がされている。後述の実施例で開示される技法は、本発明の実施に際して十分に機能することが本発明者により発見された技法を表し、このためその実施に好ましい形態を構成していると見なすことができることが、当業者により理解されるものとする。しかしながら、当業者は、本開示を鑑みて、開示される特定の実施形態において多くの変更を行い、本発明の意図及び範囲を逸脱することなく、同様又は類似の結果を依然として得ることができることを理解しているものとする。全てのパーセンテージについては、質量%を表す。
【0028】
(実施例1)
フライトごとに3つの丸刃がある2つのフライト及び封管を持った攪拌器を備える1200ガロンの攪拌カーボンスチール圧力容器に、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4)及びテトラメチルジシロキサンを、表1に挙げた名目ppmのケイ素結合水素(Si-H)含有量となるような割合で加えた。次に、前記シリコーン及びイオン交換樹脂触媒に対して1%のポリスチレンジビニルベンゼンスルホン酸(DOWEX 2030 Monosphere)を前記容器に加えた。前記イオン交換樹脂触媒の水%は、供給量として、前記触媒の乾燥質量に基づいて3.5%である。その後、前記触媒の乾燥質量に基づいて、表1に挙げられた前記イオン交換触媒の水%へともっていくため水を加えた。その後、前記容器の中身を16時間(試験番号13〜15は7時間)攪拌した。攪拌後、前記イオン交換樹脂触媒をおよそ1時間定着させた。1時間後、前記シロキサンを試料中のD
4の量の測定のために取り出した。該D
4の内容は、n−ウンデカンの内部スタンダードを用いるガスクロマトグラフィ(GC)によって測定された。該GCは、0.25μm厚さのフィルムを用いた30mの溶融シリカカラムを用いて実施した。オーブンのプログラムは60℃で1分保持し、その後、1分あたり15℃で320℃へ上昇させる。注入ポートは、3.4ml/minのカラムヘリウム流量、40:1の分割比で、300℃で保持する。FED検出器は300℃で運転する。前記注入のサイズは、1μLである。反応因子は、以下のものとされる:ウンデカン(1.000)、D4(2.03)、D5(1.95)。2gの前記材料を、0.03gのn−ウンデカン及び4.0gのエチルエーテルと共にバイアル内で混合した。前記Si-Hの内容は、赤外分光法によって測定された。2129cm
-1のピークを使用、該ピークの面積を、測定し、公知のIRプロシージャに基づき公知のSi-H含有材料のスタンダードと比較した。前記Si-Hを、開始投入完了後、IRにより測定した。
【0029】
【表1】
【0030】
表1での結果は、適量の前記イオン交換触媒の水%による反応を実施することで、16時間の反応したD
4の量が増加することを示す。
【0031】
(実施例2)
フライトごとに3つの丸刃がある2つのフライト及び封管を持った攪拌器を備える1200ガロンの攪拌カーボンスチール圧力容器に、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4)及びテトラメチルジシロキサンを、3200ppmの名目ppmケイ素結合水素(Si-H)含有量となるような割合で加えた。次に、前記シリコーン及びイオン交換樹脂触媒に対して1%のポリスチレンジビニルベンゼンスルホン酸(DOWEX 2030 Monosphere)を前記容器に加えた。前記イオン交換樹脂触媒の水%は、供給量として、前記触媒の乾燥質量に基づいて3.5%である。その後、前記触媒の乾燥質量に基づいて、表1に挙げられた前記イオン交換触媒の水%へともっていくため水を加えた。その後、前記容器の中身を7時間攪拌した。攪拌後、前記イオン交換樹脂触媒をおよそ1時間定着させた。1時間後、前記シロキサンを、試料中のD
4の量の測定のために抽出した。その後、生成物を、底に少量の材料及び前記いい温交換樹脂触媒が残っている前記容器の外へと移した。その後、前記イオン交換樹脂触媒の水%を12%に戻るよう増加させるため、前記イオン交換樹脂触媒に該イオン交換樹脂触媒の乾燥質量に対して5%の水を加えた。続いて、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4)及びテトラメチルジシロキサンを、表1に挙げた名目ppmのケイ素結合水素(Si-H)含有量となるような割合で、前記イオン交換樹脂触媒を含んだ容器に再び加え、該容器の中身を常温で7時間攪拌した。7時間後、前記イオン交換樹脂触媒をおよそ1時間定着させ、前記シロキサンを抽出し、D
4を分析した。水を前記イオン交換樹脂触媒に加える前記プロセスを繰り返し、同じイオン交換触媒を用いて6回の反応を実施し、5回の反応は前記イオン交換樹脂触媒に再び水を加え、再利用することで行った。前記D
4の内容は、ガスクロマトグラフィー(GC)によって測定し、前記Si-Hの内容は実施例1で述べた赤外分光法によって決定した。結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
表2の結果を、表1の比較例と比較したとき、新たな実施の度に触媒に水を加えることによって、前記イオン交換樹脂触媒を良好に再利用できることがわかる。