【実施例】
【0035】
以下の実施例は、例示的な目的のためにのみ提供される。実施例は、現在説明される発明のより完全な理解を助けるためにのみ本明細書に含まれている。実施例は、いかなる態様でも本明細書に記載または請求される本発明の範囲を限定することはない。
【0036】
(実施例1)
従来の離乳対分離早期離乳の成長成績モデル:
敷地外の分離早期離乳管理条件で飼育したブタと、雌親による出産および飼育が行なわれたのと同じ農場の場所で従来通りに飼育されたブタとの比較を用いて、成長成績における分離を与えるためのモデルを確立した。11組の同腹仔からの88匹の交雑した去勢ブタおよび未経産雌ブタを19日齢で離乳させた。44匹のブタの一方のグループを雌ブタの群から12km離れた分離哺育室に移し、残りのブタは離乳前の場所に位置する哺育施設に移した。各施設において、ブタを16個の囲いの中に割当て、離乳後のday11、18および25に体重および飼料消失を測定して、1日平均増体量(average daily gain:ADG)、1日平均飼料摂取(average daily feed intake:ADFI)、および増体量:飼料を定めた。離乳後のday1、3、11および25にサンプリングのために各施設から4匹のブタを選択して、細胞単離のために大静脈穿刺によって血液サンプルを得てから、ブタを人道的に安楽死させて、微生物分析および免疫細胞単離のための胃腸管組織を得た。下の表1は、従来通り飼育されたブタに比べて、分離早期離乳管理系で飼育されたブタに対して観察された1日平均増体量および1日平均飼料摂取応答が改善したこと(P<0.10)、ならびに研究の終わり(離乳後25日)に分離早期離乳されたブタに対して観察されたブタ体重がより重かったこと(P<0.01)を示す。
【0037】
【表1】
(実施例2)
屋外対従来の飼育の成長成績モデル:
若いブタの成長成績のより強固な分離を提供するために第2のモデルを確立し、ここでブタは従来の閉じられた分娩施設で飼育されるか、または屋外管理系で出産された。この実験のために各施設で144匹のブタを識別した。従来通り飼育されたブタはインディアナ州に位置し、一方で屋外飼育されたブタはコロラド州に位置した。どちらの施設のブタも類似の遺伝的背景を有した(PIC C−22×PIC280)。6日齢および14日齢ならびに離乳の24時間前(18日齢)の各時間間隔で、各施設すなわち屋外および屋内から6匹のブタをランダムに選択して屠殺し、離乳前の期間の胃腸微生物集団および免疫細胞発生を測定した。各施設からの126匹のブタを19日齢で離乳させて、アーカンソー州に位置する敷地外哺育施設に移動させた。到着すると、各グループからのブタを同じ施設内の別々の部屋に入れて、2グループ間のミクロフローラへの露出を防ぐためにこれらのグループを分離し続けながら、離乳後の期間における成長成績をモニタした。フェーズ1(離乳後のday0から11)、フェーズ2(離乳後のday11から25)、およびフェーズ3(離乳後のday25から39)として定義される各食餌フェーズの終わりに、ブタの体重および飼料消失を定めた。離乳後のday1、3、7、10および24にサンプリングのために各グループから6匹のブタを選択して、細胞単離のために大静脈穿刺によって血液サンプルを得てから、ブタを人道的に安楽死させて、微生物分析および免疫細胞単離のための胃腸管組織を得た。従来の雌ブタ施設で出産されたブタは、屋外施設で飼育されたブタに比べて、離乳時の初期体重が数値的に大きかった(5.18対5.74±0.28;P=0.16)。しかしながら、予め屋外で飼育されたブタは、従来の閉じられた施設で出産されたブタよりも各フェーズの終わりにおける1日平均増体量、1日平均飼料摂取、および体重が大きかった(P<0.01)(下の表2を参照)。
【0038】
【表2】
(実施例3)
免疫測定およびフローサイトメトリ分析:
血液および胃腸サンプルから免疫細胞を単離し、実施例1および2の両方の成長成績モデルから以下を含む免疫測定値の組を得た:白血球百分率;末梢血単核球増殖およびサイトカイン増殖;胃腸の形態、杯状細胞計数、および空腸組織からの免疫組織化学;ならびに末梢血および空腸組織から単離した細胞に対するフローサイトメトリ分析。細胞単離法および実験手順は過去に科学文献に発表されている(Davis et al.,2004;Brown et al.,2006a;Brown et al.,2006b)。免疫組織化学およびフローサイトメトリ分析に対する免疫細胞サブセットを定めるために用いられた抗体パネルを下の表3に示す。
【0039】
【表3】
腸形態、杯状細胞分化、および胃腸免疫細胞集団によって定められた、従来通りのブタおよび分離早期離乳ブタの胃腸発達および健康の差は、過去に文献において報告されている(Brown et al.,2006a)。従来通りの飼育と屋外飼育成長モデルとの比較において用いられた2つの離乳前管理系によっても免疫発達が変わった。具体的には、離乳後の期間に、従来の管理系および屋外管理系の間で末梢血中のリンパ球集団が異なっており、ここで予め屋外で飼育されたブタは、従来通り飼育されたブタに比べて離乳3日後の血中リンパ球の割合が低かった(P<0.05)が、離乳10日後には割合が高くなった(P<0.05)(管理系×day相互作用、P<0.01;
図1)。さらに、末梢血単核球のフローサイトメトリ分析から、授乳期間に従来の閉じられた施設で飼育されたブタは、離乳前(40.90対26.95±4.99;P<0.05)および離乳後(34.78対19.26±4.55;P<0.05)の期間に、活性化分子CD25を発現する白血球の割合が高いことが明らかになった。これらのデータは、異なる飼育系によって、各系のブタが分離されるとき(離乳前)および2つのグループが類似の離乳後管理系に入れられるときの両方の期間における免疫発達がいかに変わるかを示している。胃腸の発達においても差が明らかであり、ここでは従来の閉じられた施設で飼育されたブタの方が、屋外飼育されたブタよりも離乳前の十二指腸内の絨毛の高さが大きく(P<0.01)、陰窩の深さが小さかった(P<0.05)が、離乳後は従来通り飼育されたブタよりも屋外飼育されたブタの方が十二指腸の絨毛の高さ、陰窩の深さ、および面積が大きかった(P<0.01)(下の表4を参照)。このことは、胃腸管の空腸内の免疫細胞発生の違いによってさらに証明される。この例は、離乳前にCD25活性化分子を発現する白血球の割合が高いこと(12.44対8.99±1.22;P<0.05)、離乳後24日間に予め屋外で飼育したブタにおけるCD8を発現するリンパ球の割合が高いこと(25.08対16.49±3.49;P<0.05)、および免疫組織化学分析によって証明されたとおり、授乳期間にブタを従来の閉じられた系よりも屋外系で飼育したときの方が離乳前(30.6対18.4±4.4)および離乳後(26.0対35.1±3.7)期間において抗原提示分子の主要組織適合複合体II(major histocompatability complex−II:MHC−II)を発現する白血球の割合が高いことを含む。
【0040】
【表4】
(実施例4)
胃腸細菌の単離および同定:
組織処理。細菌細胞単離のために、食道部、十二指腸、空腸および回腸を含む胃腸部分を回収した。25mLの滅菌洗浄緩衝液(0.3mM KH
2PO
4、1mM MgSO
4、および0.05%システイン塩酸塩、pH7.0)で2回洗浄することによって、各腸部分から管腔材料を取除いた。滅菌鉗子で管部分を横方向に切断し、25mLの滅菌0.1%ペプトン希釈緩衝液によって、あらゆる残りの管腔材料を再び取除いた。腸部分を99mLの滅菌ペプトン希釈緩衝液とともに滅菌whirl−pakバッグに入れ、ストマッカー(stomacher)中で30秒間粉砕して、コロニー形成または粘液に結合している細菌を放出させた。粉砕後の溶液を、腸部分は除いて滅菌250mL遠心管に注ぎ入れた。この細菌細胞含有溶液に対して、13,170×gにて10分間の遠心分離を行なった。その後上清を捨てて、ペレットに10mLの滅菌MRS+10%グリセロールブロスを加え、再懸濁してその後のDNA単離まで−20℃で凍結した。
【0041】
DNA単離。DNA単離の前に、凍結した離乳後の胃腸部分サンプル(N=128)を氷上で融解した。溶液を30秒間ボルテックスして不均一なサンプルを得、かつ凝集した細胞または凍結の際に小球材料に結合したおそれのある細胞をばらばらにした。次いで2mLの混合細胞を滅菌1M Whatmanミルク濾紙で濾過することで、DNA単離プロセスを妨げる小球材料を除去した。DNA単離プロセスは以下のとおりに続けられた:0.5mLの細胞を15mLのコニカルチューブに加え、15mLの50mM Tris−HCl、10mM EDTA(T
50E
10)溶液、pH7.5で洗浄した後、2,485×gにて10分間遠心分離して、PCRを阻害する物質を除去した。この洗浄および遠心分離の工程を再び繰り返した。わずかに改変したRoche Genomic DNA Isolation Kit(Roche Diagnostics Corp.,Indianapolis,IN)の指示に従って、ペレット状の細胞を単離した。すべてのリン酸緩衝食塩水溶液をT
50E
10に置換え、推奨される5mg/mLリゾチーム溶液をT
50E
10に溶解した100mg/mLリゾチーム溶液に置換えた。単離後、Picogreen dsDNA Quantitationキット(Molecular Probes,Eugene,OR)およびTD−360 Mini−Fluorometer(Turner Biosystems,Sunnyvale,CA)を用いてDNAを定量化した。
【0042】
PCR増幅およびT−RFLP分析。適切な量の増幅産物を提供し、かつPCRの変動を減らすために、各腸部分サンプル(食道部を除く)からのDNA50ngを用いた増幅反応を3つ組で行なった。食道部の部分からのDNAはこの範囲で検出できないことがしばしばあったため、2μLの食道部DNA単離サンプルをPCR反応に加えた。5’−テトラクロロフルオレセイン標識8Fドメインプライマー(5’AGAGTTTGATYMTGGCTCAG3’)および1406Rユニバーサルプライマー(5’ACGGGCGGTGTGTRC3’)を用いて、16S rRNA遺伝子コード領域(Baker,et al.,2003)の大部分を増幅した。
【0043】
100μLの反応混合物は、1×PCR緩衝液、280μMの濃度の各デオキシヌクレオシド三リン酸(deoxynucleoside triphosphate:dNTP)、1.5mMのMgCl
2、12.5pMの塩化テトラメチルアンモニウム(tetramethylammonium chloride:TMAC)、77pMの各プライマーおよび10UのPlatinum Taq(Invitrogen,Madison,WI)を含んだ。この高濃度のTaqは、微小量のPCR阻害物質の影響を克服するための手段として我々の研究室が定めたものである。市販のTaq酵素に見出される混入DNAの影響をモニタするために、正および負の対照が含まれた。PCR条件は、95℃にて5分間、94℃にて30秒間の変性を30サイクル、57.5℃にて30秒間のアニーリング、および72℃にて120秒間の伸長であった。最後のサイクルは72℃にて7分間の最終伸長を含んだ。1%アガロースゲル内を走行させて、臭化エチジウムにて染色し、UVトランスイルミネータで可視化することによって、PCR産物の純度を確認した。各サンプルから3つ組で行なわれた蛍光標識PCR増幅産物をプールしてから、Qiagen PCR Clean Up Kit(Qiagen,Valencia,CA)を用いてプライマーから精製し、80μLに濃縮した。その後、精製したサンプルを等体積に4つに分けた。アリコートのうちの3つは、別個に10UのBfaI、HaeIIIまたはMspIのいずれかによって37℃にて4時間消化され、第4のアリコートは必要に応じて第4の制限酵素分析を行なうために20℃にて保存された。BfaIを用いた消化からのTRFは文字Bで示され、HaeIIIによるTRFを示すために文字Hが用いられ、MspIに対してMが用いられる。すべてのTRF呼称は断片のサイズも含んでおり、たとえばB100.79はBfaIによって生じた101bpTRFである。3つの制限酵素を用いることによって、各TRFを最小数の菌種に分類学的に同定する可能性が改善された。消化されたDNAを次いでNucleotide Clean Up Kit(Qiagen)で精製して、DNAシーケンサにおける分解能を改善した。2μLのT−RFLP産物を3μLのプレミックス添加緩衝液と混合し、このプレミックス添加緩衝液は2μLのブルーデキストラン/EDTA緩衝液(Applied Biosystems)と、0.5μLのGeneScan500 TAMARAサイズ基準(Applied Biosystems)と、0.5μLのホルムアミドとを含んだ。Genescanモード(Laragen,Los Angeles,CA)におけるモデルABI PRISM 377 Genetic Analyzer(Applied Biosystems)を用いた電気泳動によってT−RFを分析した。局所的サザン法を用いるGeneScan3.1ソフトウェア(Applied Biosystems)を用いて断片サイズを推定した。50〜500bpの範囲外のサイズのT−RFおよび50相対蛍光単位未満のピーク高さのT−RFは分析から除外した。
【0044】
T−RFマッチングによる細菌の同定。各サンプリング日からの各個別のブタ腸部分からのサンプルT−RFLPデータを、特定化したT−RFLP伸長を用いてBionumerics Gel ComparIIパッケージ(Applied Maths,Austin,TX)にインポートした。Gel ComparIIプログラムを用いて0.5%の位置公差を用いて3つの制限酵素すべてに対する正確なバンドマッチングを容易にし、3つの制限酵素に由来するT−RFによって操作的分類単位(operational taxonomic units:OTU)として同定された菌種を定めた。
【0045】
(実施例5)
胃腸細菌の成長成績および免疫特徴に対する相関性:
実施例1および2の両方において同定された細菌集団を、各試験からの成長成績因子および免疫特徴測定値と別々に相関させた。両方の分析に対する方法を説明する:OTUをExcelにエクスポートし、2進文字(0、1)として有/無に変換するか、または定量的な形のままでlog
10変換して正規分布を提供した。実験単位として囲いを用いて、各ブタの成績データ(ADG、ADFI、ブタ体重および飼料効率)に対して各データ組をプロットおよび回帰した。各個別のブタから取られた免疫データ結果をlog
10変換して、各時点の各個別動物のT−RFLPデータに対して回帰した。これらのデータは2つの基本的なやり方で分析された。第1に、Canoco Software Package(v4.5−Biometris,Wageningen,Netherlands)を用いて、グラフィカルプロットを伴う分類法を適用することで、共同体または集団OTU全体と研究パラメータ(腸部分、成績、免疫因子または管理実行)のそれとの関係を理解した。第2に、個別のOTUを各個別の変数またはパラメータに対して回帰して、直接の単変量関係を定めた。制約付き順序法(Constrained ordinal methods)を適用して、支配変数の存在下でのOTU集団対変数の関係の決定を可能にした。
【0046】
スケーリングは種間の相関に焦点を置き、種スコアを標準偏差で割った。サンプルおよび種データを集めたが、希少種を過度に重要視することを避けるために標準化は行なわなかった。免疫学的回帰のために、データ分析の前にすべての免疫因子データをlog
10変換した。各環境変数との関係における種集団(全種またはOTU)データの統計的有意性は、499の非制限的置換を用いたMonte Carlo Permutationsによって定められた。成績または免疫の結果に関係する各個別OTUの統計的有意性も、SAS分析パッケージ(SAS Institute,Cary,NC)による一般線形モデル(General Linear Model:GLM)−最小2乗方法論を行なって単変量の態様で定められ、ガウス分布による一般化線形モデルもCanocoを用いて適用された。後者の方法は古典的なGLM法の延長である。次いで、正または負の成績関係を有するOTUを、Idaho大学のMicrobial Community Analysis(MiCA)およびRibosomal Database ProjectからのT−RFLP Analysis Program(TAP;Marsh et al.,2000)の両方を用いて、3つの制限酵素すべての結果と比較することによって推定的に同定した。3つの酵素を使用することによって、特定のOTU組を示し得る潜在的菌種の数を著しく減らし、潜在的偽−TRFの影響をふるい落とすことを助けた。集団クラスター回帰(RDA)および個別OTU回帰(GLM)手順の両方を用いて、処置または日などの変数とは独立してOTUを分析した。
【0047】
(実施例6)
成長成績との相関に基づくプロバイオティク細菌の同定:
成績基準、特に1日平均増体量、ブタ体重、および1日平均飼料摂取に対するTRFの有意な相関に基づいて、潜在的プロバイオティクスとしての細菌を選択した。実施例1に記載した従来離乳対分離早期離乳管理モデルにおいて、L.acidophilusに関連するTRFは、哺育の初期部分(フェーズ1)における1日平均増体量、哺育期間の3つのフェーズすべてにおけるブタ体重、ならびに初期および後期哺育期間における1日平均飼料摂取に対して最もよく正の相関を示した(P<0.05)(下の表5を参照)。
【0048】
【表5】
L.salivarius、P.acidilactici、およびL.delbruedkiiに関連する他のTRFも、改善された増体量、体重および飼料摂取に正の相関を示した(P<0.10)。屋外の牧場分娩施設に比べて、従来の閉じられた分娩施設で飼育されたブタに基づくモデルでは、再びL.acidophilusに関連するいくつかのTRFが、1日平均増体量、ブタ体重、および1日平均飼料摂取に対して正の相関を示した(P<0.10)(下の表6を参照)。
【0049】
【表6】
実施例1と同様に、L.salivariusおよびP.acidilacticiに関連する他のTRFも、成長成績に正の相関を示した(P<0.10)。加えて、L.delbruedkii、L.lactisおよびL.crispatusに関連するいくつかのTRFが、屋内対屋外モデルにおける成長成績因子に断続的に正の相関を示した。離乳前の成績に関連するデータは、従来の離乳対分離早期離乳管理モデルにおいては集められなかった。L.acidophilus、P.acidilactici、およびL.crispatusに関連するTRFは、屋内対屋外飼育モデルにおける特に6、13および18日齢で、離乳前期間の子ブタの体重に正の相関を示した(P<0.10)(下の表7を参照)。
【0050】
【表7】
TRFおよびdayに対する相関関係を用いて、特定のTRFに関連する細菌がいつブタの胃腸管に存在するはずかを定めることができ、プロバイオティク株の投与のタイミングに対処するための戦略の開発を可能にできる。従来の離乳対分離早期離乳管理モデルにおいて、L.acidophilusに関連するTRFは、離乳の直前(18日齢)には存在に正の相関を示し(P<0.07)、生命の初期(7日齢)および離乳後には存在に負の相関を示した(P<0.05)(下の表8を参照)。
【0051】
【表8】
これとは対照的に、L.delbruedkiiに関連するTRFは、生命の初期(7および14日齢)には存在に正の相関を示した(P<0.10)が、18日齢およびそれより後には存在に負の相関を示した(P<0.10)。L.salivariusおよびP.acidilacticiに関連するいくつかのTRFは、離乳前および離乳後の期間のさまざまな日において、存在に正および負の相関を示した(P<0.10)。屋内対屋外飼育モデルにおいて、L.acidophilusに関連するTRFは、離乳前および初期離乳移行(20日齢)の際には存在と明らかな負の相関を示し、22日齢の後には存在と正の相関を示した(下の表9を参照)。離乳前および離乳後期間の間で明確に分かれていないが、一般的にL.salivarius、L.delbruedkii、L.lactisおよびL.crispatusに関連するTRFは22日齢およびその後に存在に正の相関を示し(P<0.05)、P.acidilacticiは離乳前および離乳移行において存在に正の相関を示した(P<0.05)。
【0052】
【表9】
(実施例7)
免疫特徴との相関に基づくプロバイオティク細菌の同定:
ブタの体循環(末梢血)および胃腸管内の免疫集団に特定のTRFを関連付けて相関関係を作り、プロバイオティク細菌の投与が若いブタにおけるこれらの組織の免疫特徴にどのように影響するかを予測できるようにしてもよい。両方の成長モデルからの、特定のTRFに対する正および負の関連を有する免疫集団を下の表10および表11に列挙している。一般的に、潜在的プロバイオティク細菌に関連するTRFは、末梢血および胃腸管における活性化、記憶およびガンマデルタT細胞サブセットに対して正の相関を示した(P≦0.05)。
【0053】
【表10】
【0054】
【表11-1】
【0055】
【表11-2】
(実施例8)
RAPD PCR分析によるプロバイオティク細菌の株同定:
目的のTRFに対する高いピーク高さをもたらした腸サンプルを、乳酸生成細菌に対して選択的にプレーティングした。コロニーを拾ってブロスに入れ、24時間生育させた時点で、細胞培養液からDNAを単離した。5’−テトラクロロフルオレセイン標識8Fドメインプライマー(5’AGAGTTTGATYMTGGCTCAG3’)および1406Rユニバーサルプライマー(5’ACGGGCGGTGTGTRC3’)のRAPD PCRフィンガープリントを比較することによって、単離体の類似性を評価した。単離体に対して、BfaI、HaeIIIおよびMspIを用いたTRFLPも行なうことによって、それらの単離体が目的のTRFを有することを確認した。目的のTRFは、成績の増加に関連した表5、6、7、および8中のTRFすべてであった。敷地内/敷地外試験および屋内/屋外試験からの、表5および表6におけるTRFのサイズがわずかに異なるのは、Bionumericsソフトウェアにおいて用いた位置許容度および最適化の設定のためであるが、株選択プロセスにおいてはこれらを同じとみなした。表12は、上記のわずかな差を説明するために、TRFの長さおよびTRFの長さプラスマイナス2塩基対によって目的のTRFを示している。1つの乳酸菌株からのTRF配列を別の乳酸菌株からのTRF配列と比べるとき、もしそれらの株が同じTRFを有していれば約90%の配列同一性があるものと発明者らは考えている。
【0056】
上に示すとおりの1つまたは複数の目的のTRFを含んだRAPDの9個のクラスターに関連するRAPD PCRフィンガープリント、TRFLPプロファイル、およびその結果もたらされるデンドログラムを
図2に示す。4つのクラスターがLactobacillus acidophilusに関連するTRFを含み、3つがLactobacillus salivariusに関連するTRFを含み、2つがPediococcus acidilacticiに関連するTRFを含んでいた。各クラスターから代表的な株を選択した:L.acidophilus o246iL7fv、L.acidophilus PlBc8、L.acidophilus PlB c6、L.acidophilus PLGfl、L.salivarius o246e8、L.salivarius PL2i4、L.salivarius o246e 33w、P.acidilactici o246e 42、およびP.acidilactici PlJ e3。
【0057】
【表12】
すべての乳酸菌単離体からのRAPDプロファイルを包含するデンドログラム内のこれら9個の候補株の同定から、これら9個の候補DFM株は、同種の株の間でも互いに異なるRAPDプロファイルを有することが明らかである。たとえば、RAPDプロファイルによると、P.acidilactici株o246e 42は、P.acidilactici株PlJ e3と約10%しか類似しておらず、異なる種の多くの菌株は、これらの菌株が互いに有する類似性よりも高い類似性を同種の株に対して有する。
【0058】
(実施例9)
離乳前および離乳後の期間における補給の利益を定めるための、プロバイオティク株の動物テスト:
上に挙げた各種からの1つの株を選択して、これら特定の細菌の存在と若いブタにおける成長成績の改善との関連を検証するための最初の動物テストに供した。Lactobacillus acidophilus PlB c6、Lactobacillus salivarius o246e 33w、およびPediococcus acidilactici PlJ e3を含む3つのプロバイオティク株を選択して、選択されたプロバイオティク株が離乳前および離乳後の生産期間における若いブタの成長成績を改善することの有効性を定めるためのテストに供した。3つの潜在的プロバイオティク株であるLactobacillus acidophilus PlB c6、Lactobacillus salivarius o246e 33w、およびPediococcus acidilactici PlJ e3を、雌ブタの食餌に組み合わせて含ませ、離乳後の子ブタの食餌に個別に含ませた。雌ブタを、処置当り4匹の雌ブタの8つの処置グループに分けて、同腹仔を8つの処置のうちの1つにランダムに割当てて、離乳前および離乳後にプロバイオティク生物を投与する影響、ならびに哺育期間に組み合わせまたは個別で投与する影響を定めた(下の表13を参照)。雌ブタ(離乳前)にはトップドレスした(topdressed);子ブタ(離乳後)に対しては、完全な食料の部分として食餌にDFMを混合した。8つのプロバイオティク処置を処方して、合計cfuが1つの生物に由来するものか3つの選択生物の組み合わせに由来するものかにかかわらず、雌ブタまたはブタに1×10
9合計cfu/ブタ/日を送達し、複数の生物を用いるときは各生物が(CFUに基づいて)等量含まれるようにした。
【0059】
【表13】
3株の組み合わせによる3つの処置を比較した対比記載は、L.acidophilus PlB c6、L.salivarius o246e 33w、およびP.acidilactici PlJ e3の組み合わせが雌ブタに投与されたときに、授乳期間の第3週における子ブタの体重および1日平均増体量を改善する(P=0.03)ことを示す(下の表14を参照)。哺育期間における反復が限られていたため(4反復/処置)、プロバイオティク処置の結果によるものと考えられる子ブタの成績の何らかの差は検出できなかった(データは示さず)。
【0060】
【表14】
(実施例10)
授乳の際に雌ブタに3つのプロバイオティク株の組み合わせを補給することによる有益な応答を確認しさらに定めるための動物テスト:
授乳期間に雌ブタにLactobacillus acidophilus PlB c6、Lactobacillus salivarius o246e 33w、およびPediococcus acidilactici PlJ e3の3株のプロバイオティクの組み合わせを給餌することによる有益な応答を、処置当り20個の囲いによる以下の処置配置において、P.acidilactici PlJ e3およびL.salivarius o246e 33wの組み合わせならびにP.acidilactici PlJ e3単独をもテストすることによってこれらの株をさらに評価する第2の研究において確認した:(1)対照食餌、(2)Pediococcus acidilactici PlJ e3、Lactobacillus salivarius o246e 33w、およびLactobacillus acidophilus PlB c6の各々を3.34×10
8cfu/ブタ/日ずつ含む、合計計数1×10
9合計cfu/ブタ/日の3種すべての直接給餌微生物株を補給した対照食餌、(3)Pediococcus acidilactici PlJ e3およびLactobacillus salivarius o246e 33wの各々を5.0×10
8ずつ含む、合計計数1×10
9の2種の直接給餌微生物株を補給した対照食餌、ならびに(4)1×10
9のPediococcus acidilactici PlJ e3のみを補給した対照食餌。すべての処置を雌ブタに対してトップドレスした。
【0061】
3株の組み合わせによる補給は、ここでも非補給雌ブタからのブタに比べて授乳の第3週の子ブタの1日平均増体量を改善した(P<0.05)(下の表15を参照)。対照と有意に異なったわけではないが、P.acidilactici PlJ e3のみを補給された子ブタ哺育雌ブタの1日平均増体量は数値的に大きく、3株の組み合わせを補給された子ブタ哺育雌ブタに近かった。3株の組み合わせまたはP.acidilactici PlJ e3のみのいずれを雌ブタに補給しても、同腹仔内の子ブタ体重の変動の増加を防ぎ、P.acidilactici PlJ e3のみの補給は授乳期間を通じて同腹仔内の子ブタ体重の変動を減少させた(処置×時間相互作用、P=0.06;
図3を参照)。
【0062】
【表15】
(実施例11)
生産の哺育フェーズにおける補給の利益を定めるための、プロバイオティク株の動物テスト:
合計480匹のブタを離乳させ、初期体重に基づいてブロックし、合計120個の囲いに4匹のブタ/囲いで収容した。哺育期間の最初の2週間の間、子ブタに6つの食餌処置を投与した(20の囲い/処置)。食餌処置は以下のとおりであった。1)哺育フェーズの最初の2週間、離乳したブタに対照食餌を投与;2)対照食餌に、直接給餌微生物候補生物であるLactobacillus acidophilus,PlB c6を1×10
9cfu/ブタ/日にて補い、哺育食餌中に2週間投与;3)対照食餌に、直接給餌微生物候補生物であるLactobacillus salivarius,o246e 8を1×10
9cfu/ブタ/日にて補い、哺育食餌中に2週間投与;4)対照食餌に、直接給餌微生物候補生物であるLactobacillus salivarius,Pl2 i4を1×10
9cfu/ブタ/日にて補い、哺育食餌中に2週間投与;5)対照食餌に、直接給餌微生物候補生物であるLactobacillus salivarius,o246e 33wを1×10
9cfu/ブタ/日にて補い、哺育食餌中に2週間投与;6)対照食餌に、直接給餌微生物候補生物であるPediococcus acidilactici,o246e 42を1×10
9cfu/ブタ/日にて補い、哺育食餌中に2週間投与。
【0063】
試験の最後の4週間は、すべてのブタに共通の哺育食餌を給餌した。毎週ブタの体重および飼料消失を定めて、6週間の試験の間、各囲いに対するADG、ADFIおよび飼料効率を算出した。
【0064】
L.salivarius o246e 33wの補給は、非補給ブタおよびL.salivarius Pl2 i4を給餌されたブタに比べて、離乳の第2週の飼料効率を改善した(p<0.05)(表15)。対照処置に比べて統計学的に有意ではないが(p>0.05)、P.acidilactici O246e 42を給餌されたブタは、試験の第6週に最低のFEを有した。これと同じ株およびL.salivarius O246e 8は、L.acidophilus PlB c6およびL.salivarius Pl2 i4を給餌されたブタに比べて改善された(p<0.05)飼料効率をもたらした(表16)。
【0065】
【表16】
(実施例12)
潜在的病原性細菌に対する負の相関に基づくプロバイオティク細菌の同定:
選択されたプロバイオティク株を表す胃腸管内の特定のTRFの存在を、病原体を定めるTRFの存在と関連付けて相関関係を作り、プロバイオティク細菌の投与が若いブタにおけるこれらの組織における病原性生物の存在にどのように影響するかを予測できるようにしてもよい。L.acidophilus(表17)およびL.salivarius(表18)として定められたTRFの存在は、クロストリジウム、マイコバクテリウムおよびパスツレラ菌種として定められたいくつかの病原体を定めるTRFの存在に対して負の相関を示し(P<0.05)、これらのプロバイオティク細菌が胃腸管に存在するときにはこれらの病原体が存在する可能性が低いことを示した。
【0066】
【表17】
【0067】
【表18】
本発明の異なる可能な特徴およびさまざまなやり方を例示するために上記にさまざまな実施形態を示して説明しており、これらの特徴は組み合わされてもよいことが理解される。上記の実施形態の異なる特徴をさまざまなやり方で組み合わせることとは別に、他の修正も本発明の範囲内にあるとみなされる。本発明が上述の実施形態に限定されることは意図されておらず、以下に示される請求項によってのみ制限されることが意図されている。よって本発明は、文字通りまたは同等のものとしてこれらの請求項の範囲内に入るすべての代替的実施形態を包含する。
【0068】
【数1】
【0069】
【数2】
【0070】
【数3】
【0071】
【数4】