特許第5770669号(P5770669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5770669-自動車シートに用いるシート・バック 図000002
  • 特許5770669-自動車シートに用いるシート・バック 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770669
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】自動車シートに用いるシート・バック
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/20 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   B60N2/20
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2012-75555(P2012-75555)
(22)【出願日】2012年3月29日
(65)【公開番号】特開2013-203284(P2013-203284A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133098
【氏名又は名称】株式会社タチエス
(74)【代理人】
【識別番号】100141221
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 和明
(72)【発明者】
【氏名】今用 和也
(72)【発明者】
【氏名】中尾 洋志
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 俊紀
(72)【発明者】
【氏名】荒井 一宏
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−054239(JP,A)
【文献】 実開平04−048038(JP,U)
【文献】 特開2011−143843(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 2/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート・バック・パッドが、それの肩口にレバー・ポケットを開口させて シート・バック・フレームに組み付けられ、表皮が、そのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケットに対応する箇所に斜め十文字に切り込んで開口を形成して被せ状態でそのレバー・ポケットを開口可能になし、非伸縮性生地製帯片が、そのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケット上の上下方向の中央部で、左右方向に渡されて両端でその表皮のその開口の左右開口縁に縫い付けられ、そして、ロック解除レバー・ユニットが、その非伸縮性生地製帯片上からそのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケットに押し込んではめ込まれる共に、非伸縮性生地製帯片の上下で、そのシート・バック・フレームに固定的に取り付けられ、そして、パッドの外側倒れが、シート・バック・パッドのそのレバー・ポケットにおいてぴんと張られるその非伸縮性生地製帯片で阻止されるところの自動車シートに用いるシート・バック。
【請求項2】
そのロック解除レバー・ユニットが、そのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケットにはめ込まれてそのシート・バック・フレームに固定的に取り付けられるベースと、そのベース上下方向に揺動可能に支持されるロック解除レバーとで組み立てられる請求項1に記載の自動車シートに用いるシート・バック。
【請求項3】
そのベースが、硬質樹脂から方形枠に成形され、そして、そのロック解除レバーが、硬質樹脂から成形され、その方形枠にはめ合わせられてピンでその方形枠に上下方向に揺動可能に支持され、そして、リターン・スプリングで復帰される請求項2に記載の自動車シートに用いるシート・バック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車シートに用いるシート・バックに関し、詳細には、ロック解除レバーが配置される肩口で側面側パッドの外側倒れを防止するシート・バックの改善に関する。
【背景技術】
【0002】
バンのセカンド・シートでは、リクライニング・デバイスのロック解除レバーがシート・バックの肩口に配置されるのが一般的である。
この種のシート・バックでは、そのロック解除レバーまわりで側面側パッド内にはフレーム・メンバーが配置されなかったり埋め込まれないので、乗員が触ると、その外力で側面側パッドが外側に倒れ込み、表皮の開口縁端末が現われて外観品質が低下される不具合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011−143843公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明の課題は、ロック解除レバーを配置する肩口で側面側パッドの外側倒れ込みを防止できて外観品質を向上するところの自動車シートに用いるシート・バックを提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の自動車シートに用いるシート・バックは、シート・バック・パッドが、それの肩口にレバー・ポケットを開口させて シート・バック・フレームに組み付けられ、表皮が、そのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケットに対応する箇所に斜め十文字に切り込んで開口を形成して被せ状態でそのレバー・ポケットを開口可能になし、非伸縮性生地製帯片が、そのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケット上の上下方向の中央部で、左右方向に渡されて両端でその表皮のその開口の左右開口縁に縫い付けられ、そして、ロック解除レバー・ユニットが、その非伸縮性生地製帯片上からそのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケットに押し込んではめ込まれる共に、非伸縮性生地製帯片の上下で、そのシート・バック・フレームに固定的に取り付けられ、そして、パッドの外側倒れが、シート・バック・パッドのそのレバー・ポケットにおいてぴんと張られるその非伸縮性生地製帯片で阻止される。
【発明の効果】
【0006】
この発明の自動車シートに用いるシート・バックでは、その非伸縮性生地製帯片が、そのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケット上で左右方向に渡されて両端でその表皮のその開口の左右開口縁に縫い付けられ、そして、その非伸縮性生地製帯片上からそのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケットに押し込んではめ込まれてそのシート・バック・フレームに固定的に取り付けられるそのロック解除レバー・ユニットによってぴんと張られるので、パッドの外側倒れがそのぴんと張られるその非伸縮性生地製帯片によって阻止され、そのパッドの外側倒れが防止され、外観品質が向上され、そして特に、破材がその非伸縮性生地製帯片に利用できて歩溜りなどに関係なく安価に外観品質が向上可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ミニ・バンの折りたたみセカンド・シートにおいて折りたたみセンター・シートを一体化させた左の折りたたみシートに活用されるところのこの発明の自動車シートに用いるシート・バックの具体例を示した斜視図である。
図2】ロック解除レバー・ユニットを取り付ける前の状態でそのシート・バックの肩口部分を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明の自動車シートに用いるシート・バックは、シート・バック・パッドが、それの肩口にレバー・ポケットを開口させて シート・バック・フレームに組み付けられ、表皮が、そのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケットに対応する箇所に斜め十文字に切り込んで開口を形成して被せ状態でそのレバー・ポケットを開口可能になし、非伸縮性生地製帯片が、そのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケット上の上下方向の中央部で、左右方向に渡されて両端でその表皮のその開口の左右開口縁に縫い付けられ、そして、ロック解除レバー・ユニットが、その非伸縮性生地製帯片上からそのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケットに押し込んではめ込まれる共に、非伸縮性生地製帯片の上下で、そのシート・バック・フレームに固定的に取り付けられ、そして、パッドの外側倒れが、シート・バック・パッドのそのレバー・ポケットにおいてぴんと張られるその非伸縮性生地製帯片で阻止される。
【0009】
そして、そのロック解除レバー・ユニットは、そのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケットにはめ込まれてそのシート・バック・フレームに固定的に取り付けられるベースと、そのベースに上下方向に揺動可能に支持されるロック解除レバーとで組み立てられる。
【0010】
そのベースは、硬質樹脂から方形枠に成形され、そして、そのロック解除レバーは、硬質樹脂から成形され、その方形枠にはめ合わせられてピンでその方形枠に上下方向に揺動可能に支持され、そして、リターン・スプリングで復帰されるのが望ましい。
【実施例1】
【0011】
以下、特定されて図示された具体例に基づいて、この発明の自動車シートに用いるシート・バックを説明するに、図1および図2は、ミニ・バンの左右6対4分割型折りたたみ
セカンド・シート30に活用されるところのこの発明の自動車シートに用いるシート・バックの具体例10を示し、この場合、その折りたたみセカンド・シート30は、折りたたみセンター・シート32を一体化させた左の折りたたみシート31と右の折りたたみシート(図示せず)とに6対4に分割され、そして、その左の折りたたみシート31は、シート・ベース(図示せず)、センター・クッション34を一体化させてフォールド機構(図示せず)でそのシート・ベースの前端に連結され、そのシート・ベース上にロック可能にされてそのフォールド機構でそのシート・ベース上から前方へ跳ね上げ可能にされる左のシート・クッション33、センター・バック35を一体化させて左右のリクライニング・デバイス38、39でそのシート・ベースのインナーおよびアウター・サイドの後端にヒンジ結合されてそのシート・ベースに前倒しおよび角度調整可能に支持され、そして、ウォークイン機構(図示せず)で前傾される左のシート・バック10、左のヘッドレスト36、センター・ヘッドレスト37、およびそのシート・ベースに被せられる樹脂アンダー・カバー(図示せず)などで組み立てられる。勿論、その左右のリクライニング・デバイス38、39は、ロック解除機構を備える。
そのロック解除機構は、ロック解除レバー・ユニット22をその左のシート・バック10の肩口11に配置させてそのロック解除レバー・ユニット22のロック解除レバー24の操作でその左右のリクライニング・デバイス38、39はロック解除される。勿論、そのロック解除レバー24は、プッシュ・プル・ケーブル(図示せず)でその左右のリクライニング・デバイス38、39のロック爪(図示せず)に連結される。
【0012】
この左のシート・バック10では、シート・バック・パッド12が、それの肩口13にレバー・ポケット14を開口させてシート・バック・フレーム(図示せず)に組み付けられ、また、表皮15が、そのシート・バック・パッド12のそのレバー・ポケット14に対応する箇所に斜め十文字16、17に切り込んで開口18を形成して被せ状態でそのレバー・ポケット14を開口可能になし、さらに、非伸縮性生地製帯片21が、そのシート・バック・パッド12のそのレバー・ポケット14上で左右方向に渡されて両端でその表皮15のその開口18の左右開口縁19、20に縫い付けられ、さらには、そのロック解除レバー・ユニット22が、その非伸縮性生地製帯片21上からそのシート・バック・パッド12のそのレバー・ポケット14に押し込まれてはめ込まれ、そして、そのシート・バック・フレームのフロントおよびリア・ブラケット25、26に固定的に取り付けられる。
【0013】
なお、図2に示すように、以上の非伸縮性生地製帯片21は、そのシート・バック・パッド12のそのレバー・ポケット上の上下方向の中央部で、左右方向に渡されて両端でその表皮のその開口の左右開口縁に縫い付けられ、非伸縮性生地製帯片21の上下に空間を有し、その空間より、ロック解除レバー・ユニット22がシート・バック・フレームに固定的に取り付けられる。
そして、ロック解除レバー・ユニット22は、そのシート・バック・パッド12のそのレバー・ポケット14にはめ込まれてそのシート・バック・フレームのそのフロントおよびリア・ブラケット25,26に固定的に取り付けられるベース23と、ピン(図示せず)でそのベース23に上下方向に揺動可能に支持されるロック解除レバー24などで組み立てられる。




















【0014】
そのベース23は、硬質樹脂から方形枠に成形され、また、そのロック解除レバー24も硬質樹脂から成形され、その方形枠23にはめ合わせられてそのピンでその方形枠23に上下方向に揺動可能に支持され、そして、リターン・スプリング(図示せず)で復帰される。
【0015】
したがって、この左のシート・バック10では、その非伸縮性生地製帯片21が、そのシート・バック・パッド12のそのレバー・ポケット14に押し込まれてはめ込まれ、そして、そのシート・バック・フレームに固定的に取り付けられるそのロック解除レバー・ユニット22によってぴんと張られるので、その肩口11、13で側面側パッドの外側倒れがそのぴんと張られるその非伸縮性生地製帯片21によって阻止され、そのパッドの外側倒れが防止され、外観品質が向上され、そして特に、破材がその非伸縮性生地製帯片21に利用できて歩溜りなどに関係なく安価で外観品質が向上可能になる。
【0016】
先に図面を参照して説明されたところのこの発明の特定された具体例から明らかであるように、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、この発明の内容は、その発明の性質(nature)および本質(substance)に由来し、そして、それらを内在させると客観的に認められる別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応し(be commensurate with)、そして、その発明の成立に必須である。
【産業上の利用可能性】
【0017】
上述から理解されるように、この発明の自動車シートに用いるシート・バックは、シート・バック・パッドが、それの肩口にレバー・ポケットを開口させてシート・バック・フレームに組み付けられ、表皮が、そのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケットに対応する箇所に斜め十文字に切り込んで開口を形成して被せ状態でそのレバー・ポケットを開口可能になし、非伸縮性生地製帯片が、そのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケット上で左右方向に渡されて両端でその表皮のその開口の左右開口縁に縫い付けられ、そして、ロック解除レバー・ユニットが、その非伸縮性生地製帯片上からそのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケットに押し込んではめ込まれ、そして、そのシート・バック・フレームに固定的に取り付けられ、そして、そのシート・バック・パッドのそのレバー・ポケットにおいてその非伸縮性生地製帯片をぴんと張らせるので、この発明の自動車シートに用いるシート・バックでは、その肩口で側面側パッドの外側倒れが、そのぴ
んと張られるその非伸縮性生地製帯片によって阻止され、そのパッドの外側倒れが防止され、外観品質が向上され、そして、特に、破材がその非伸縮性生地製帯片に利用できて歩溜まりなどに関係なく安価で外観品質が向上可能になり、その結果、自動車、特に、バンやワゴンのリア・シートにとって非常に有用で実用的である。
【符号の説明】
【0018】
10 シート・バック/左のシート・バック
11 肩口
12 シート・バック・パッド
13 肩口
14 レバー・ポケット
15 表皮
16 斜め十文字
17 斜め十文字
18 開口
19 左開口縁
20 右開口縁
21 非伸縮性生地製帯片
22 ロック解除レバー・ユニット
23 ベース/方形枠
24 ロック解除レバー
25 フロント・ブラケット
26 リア・ブラケット
30 左右6対4分割型折りたたみセカンド・シート
31 左の折りたたみシート
32 折りたたみセンター・シート
33 左のシート・クッション
34 センター・クッション
35 センター・バック
36 左のヘッドレスト
37 センター・ヘッドレスト
38 左のリクライニング・デバイス
39 右のリクライニング・デバイス
図1
図2