【文献】
Samsung,"CSI feedback modes for DL CoMP",3GPP TSG RAN WG1 #68bis R1-121626,2012年 3月20日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg1_rl1/TSGR1_68b/Docs/R1-121626.zip
【文献】
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【文献】
Panasonic,Discussion on Size of CoMP Measurement Set,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #69 R1-122185,2012年 5月12日,URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/wg1_rl1/TSGR1_69/Docs/R1-122185.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、無線基地局装置は、送信ポイントとして置き換えることができる。
図1は、LTEシステムにおける上りリンク制御情報の送信方法の一例を示す図である。上述したように、上りリンク制御情報(UCI)は、上りユーザデータがない場合には、上りリンク制御チャネル(PUCCH)を介して送信される。一方、上りリンク制御情報(UCI)は、上りリンクスケジューリンググラント(ULグラント)(DCIフォーマット0/4)が下りリンク制御チャネル(PDCCH)を介して送信された場合(すなわち、上りユーザデータが存在する場合)には、当該ULグラントで指定された上りリンク共有チャネル(PUSCH)を介して上りユーザデータとともに送信される。
【0020】
例えば、上りリンク制御情報(UCI)の一つである非周期的チャネル状態情報(A−CSI)は、非周期的チャネル状態情報通知のトリガ(以下、A−CSIトリガという)がULグラント(DCIフォーマット0/4)に含まれているため、当該ULグラントに関連付けられたPUSCHを介して送信される。
【0021】
図2は、LTE−Aシステムにおける上りリンク制御情報の送信方法の一例を示す図である。LTE−Aシステムでは、複数のコンポーネントキャリア(CC)の統合によって広帯域化を図るため、ユーザ端末は、異なるコンポーネントキャリアの複数のサービングセルにおいて通信できるように構成される。一方で、LTE−Aシステムの上りリンク伝送においては、SC−FDMAの無線アクセス方式の適用が検討されている。このため、上りリンク伝送では、上りシングルキャリア送信の特性を維持するために単一のCC(すなわち、単一のサービングセル)から送信することが望ましい。
【0022】
上りリンク伝送を単一のCCで行う場合には、上りリンク制御情報(UCI)を送信するために、特定のCCのサービングセルを選択することが要求される。例えば、UCIが、PUCCHを介して送信される場合は、PUCCHが送信されるPCC(Primary Component Carrier)のサービングセルが選択される。一方、UCIが、PUSCHを介してユーザデータとともに送信される場合、ULグラントに関連付けられたCCのサービングセルが選択される。
【0023】
より具体的には、
図2Aに示すように、ユーザ端末からのA−CSIの通知が要求される場合(ULグラントにA−CSIトリガが含まれる場合)、当該ULグラントに関連付けられたSCC(Secondary Component Carrier))のサービングセル(Sセルとも呼ばれる)が選択され、選択されたSCCを用いてA−CSIを含むUCIが送信される。一方、
図2Bに示すように、ユーザ端末からのA−CSIの通知が要求されない場合、PCCのサービングセル(Pセルとも呼ばれる)が選択され、選択されたPセルを用いてUCIが送信される。また、LTE−Aシステムにおいては、複数のSCCが存在する場合で、ユーザ端末からのA−CSIの通知が要求されないときは、セルインデックスの小さいSCCを用いてUCIが送信される。
【0024】
図3は、LTE−AシステムにおけるA−CSIの送信方法の一例を示す図である。
図3に示すように、ネットワーク側において少なくとも一つの下りサービングセルを指定しようとする場合、ULグラント(DCIフォーマット0/4)に、A−CSIトリガだけでなく、所定のサービングセルを指定するビット情報を追加することが考えられる。例えば、
図3に示すように、既存のA−CSIトリガフィールド(1ビット)に1ビットを追加することにより、A−CSIを通知すべきか否かに加えて、どの下りサービングセルのA−CSIを通知すべきかを指定することが検討されている。
【0025】
例えば、
図3では、2ビットのA−CSIトリガフィールド(CSI Request fieldともいう)の値が“00”である場合、“A−CSIを送信しない”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“01”である場合、“ULグラントに関連付けられた上りCCに対応する下りCCのA−CSIを送信する”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“10”である場合、“ハイヤーレイヤシグナリングにより第1のセットとして指定された少なくとも一つのサービングセルについてのA−CSIを送信する”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールの値が“11”である場合、“ハイヤーレイヤシグナリングにより第2のセットとして指定された少なくとも一つのサービングセルについてのA−CSIを送信する”ことを示す。
【0026】
上述の例においては、ハイヤーレイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、MACシグナリング、報知信号)を用いた上位制御信号により第1のセット及び第2のセットを構成する少なくとも一つの下りサービングセルを予め通知することにより、A−CSIトリガフィールドの値が“10”及び“11”の場合に、2種類の通知パターンを実現する。
【0027】
例えば、ユーザ端末が2つのサービングセル(セル#0及び#1)を用いる場合、上位制御信号により、第1のセットとしてセル#0、第2のセットとしてセル#1が予め通知されるとする。この場合、ユーザ端末は、ULグラント(フォーマット0/4)に含まれるA−CSIトリガフィールドの値が“10”であれば、第1のセットのセル#0のA−CSIを無線基地局装置に通知する。一方、ユーザ端末は、A−CSIトリガフィールドの値が“11”であれば、第2のセットのセル#1のA−CSIを通知する。
【0028】
ここで、
図4を用いて下りリンクのCoMP送信について説明する。下りリンクのCoMP送信としては、Coordinated Scheduling/Coordinated Beamforming(CS/CB)と、Joint processingとがある。Coordinated Scheduling/Coordinated Beamformingは、1つのユーザ端末UEに対して1つのセルからのみ共有データチャネルを送信する方法であり、
図4Aに示すように、他セルからの干渉や他セルへの干渉を考慮して周波数/空間領域における無線リソースの割り当てを行う。一方、Joint processingは、プリコーディングを適用して複数のセルから同時に共有データチャネルを送信する方法であり、
図4Bに示すように、1つのユーザ端末UEに対して複数のセルから共有データチャネルを送信するJoint transmissionと、
図4Cに示すように、瞬時に1つのセルを選択し共有データチャネルを送信するDynamic Point Selection(DPS)とがある。また、干渉となる送信ポイントに対して一定領域のデータ送信を停止するDynamic Point Blanking(DPB)という送信形態もある。
【0029】
CoMP送受信を実現する構成としては、例えば、
図5Aに示すように、無線基地局装置(無線基地局装置eNB)に対して光ファイバ等で接続された複数の遠隔無線装置(RRE:Remote Radio Equipment)とを含む構成(RRE構成に基づく集中制御)と、
図5Bに示すように、無線基地局装置(無線基地局装置eNB)の構成(独立基地局構成に基づく自律分散制御)とがある。なお、
図5Aにおいては、複数の遠隔無線装置RREを含む構成を示すが、
図4に示すように、単一の遠隔無線装置RREのみを含む構成としてもよい。
【0030】
図5Aに示す構成(RRE構成)においては、遠隔無線装置RRE1,RRE2を無線基地局装置eNBで集中的に制御する。RRE構成では、複数の遠隔無線装置RREのベースバンド信号処理及び制御を行う無線基地局装置eNB(集中基地局)と各セル(すなわち、各遠隔無線装置RRE)との間が光ファイバを用いたベースバンド信号で接続されるため、セル間の無線リソース制御を集中基地局において一括して行うことができる。すなわち、独立基地局構成で問題となる無線基地局装置eNB間のシグナリングの遅延やオーバーヘッドの問題が小さく、セル間の高速な無線リソース制御が比較的容易となる。したがって、RRE構成においては、下りリンクでは、複数セル同時送信のような高速なセル間の信号処理を用いる方法が適用できる。
【0031】
一方、
図5Bに示す構成(独立基地局構成)においては、複数の無線基地局装置eNB(又はRRE)でそれぞれスケジューリングなどの無線リソース割り当て制御を行う。この場合においては、セル1の無線基地局装置eNBとセル2の無線基地局装置eNBとの間のX2インターフェースで必要に応じてタイミング情報やスケジューリングなどの無線リソース割り当て情報をいずれかの無線基地局装置eNBに送信して、セル間の協調を行う。
【0032】
CoMP送信は、セル端に存在するユーザ端末のスループットを改善するために適用する。このため、ユーザ端末がセル端に存在する場合にCoMP送信を適用するように制御する。この場合においては、無線基地局装置で、ユーザ端末からのセル毎の品質情報(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、又はRSRQ(Reference Signal Received Quality)、又はSINR(Signal Interference plus Noise Ratio)等の差を求め、その差が閾値以下である場合、すなわちセル間の品質差が小さい場合には、ユーザ端末がセル端に存在すると判断して、CoMP送信を適用する。一方、セル毎の品質情報の差が閾値を超える場合、すなわちセル間の品質差が大きい場合には、いずれかのセルの無線基地局装置に近いのでセルの中央付近にユーザ端末が存在すると判断して、CoMP送信を適用しない。
【0033】
CoMP送信を適用する場合には、ユーザ端末は、複数のセル毎のCSIを無線基地局装置(サービングセルの無線基地局装置)にフィードバックする。一方、CoMP送信を適用しない場合には、ユーザ端末は、サービングセルのCSIを無線基地局装置にフィードバックする。
【0034】
上述したように、LTE−Aシステムにおいては、キャリアアグリゲーション環境においてCoMP送信が行われるシナリオが考えられる。このようなシナリオにおいては、ユーザ端末は、異なる干渉レベルの複数の送信ポイントについての複数のCSIをフィードバックする必要がある。
【0035】
例えば、
図6Aに示すように、セル#1とセル#2のセル端にユーザ端末UEが存在しており、セル#1の無線基地局装置eNB#1(送信ポイント(TP)1)とセル#2の無線基地局装置eNB#2(TP2)とでCoMP送信する場合を想定すると、
図6Bに示す4通りのCSIが考えられる。すなわち、CSIとしては、TP1(CSI−RSリソース1)を用いて得られた一つのTP(TP1)以外の干渉の指標であるCSI1、TP1(CSI−RSリソース1)を用いて得られた2つのTP(TP1,TP2)以外の干渉の指標であるCSI3、TP2(CSI−RSリソース2)を用いて得られた一つのTP(TP2)以外の干渉の指標であるCSI2、TP2(CSI−RSリソース1)を用いて得られた2つのTP(TP1,TP2)以外の干渉の指標であるCSI4が考えられる。ここで、SMR(Signal Measurement Resource)1をTP1からの信号成分とし、IMR(Interference Measurement Resource)1をTP1以外の干渉成分とし、SMR2をTP2からの信号成分とし、IMR2をTP2以外の干渉成分とし、IMR3をTP1及びTP2以外の干渉成分としたとき、CSI1はSMR1及びIMR1で求められ、CSI2はSMR2及びIMR2で求められ、CSI3はSMR1及びIMR3で求められ、CSI4はSMR2及びIMR3で求められる。
【0036】
しかしながら、現状のキャリアアグリゲーションのフレームワークにおいては、それぞれのセルに対して一つのCSIをフィードバックするようになっており、CoMP送信が適用される際に、それぞれの送信ポイントについての複数のCSIをフィードバックすることがサポートされていない。
【0037】
そこで、本発明者らは、下り制御情報(DCI)のCSIリクエストフィールド及び/又はハイヤーレイヤシグナリング(RRCシグナリング、MACシグナリング、報知信号等)の使用を変更して、CoMP送信の際のそれぞれの送信ポイントについての複数のCSIフィードバックをサポートすることを見出し本発明をするに至った。
【0038】
本発明には、以下の3つの方法が含まれる。
(第1の方法)
第1の方法では、無線基地局装置において、CoMP送信を適用する際に、少なくとも一つのCSIを含むセットのCSIセット情報をハイヤーレイヤシグナリングすると共に、下り制御情報におけるCSIリクエスト情報を送信し、ユーザ端末において、CSIセット情報及びCSIリクエスト情報に基づいてCSIをフィードバックする。
【0039】
第1の方法では、CSI−RSリソース(SMR)と干渉(IMR)との間の複数の組み合わせで定義される複数のCSIをグループ化し、そのグループをCSIセットとして割り当てる。そして、そのように割り当てられたセットの情報をRRCシグナリング(または、MACシグナリング、報知信号)でユーザ端末に通知する。その後、CoMP送信が適用されたときに、DCIのCSIリクエストフィールドでCSIセットを通知する(A−CSI通知)。
【0040】
第1の方法は、具体的には、まず、
図7Aに示すCoMP適用時の新しいテーブルを規定する(ステップ1)。このテーブルは、無線基地局装置eNB及びユーザ端末UEで格納される。このとき、無線基地局装置は、CoMP適用時のそれぞれのユーザ端末の第1セット及び第2セット(CSIのセット情報)を決定する(ステップ2)。ここでは、
図7Bに示すように、CSI1、CSI2及びCSI3を第1セットとし、CSI4を第2セットとしている。なお、どのようにグループ化してそのグループをCSIセットに割り当てるかについては、CSIのフィードバックオーバーヘッド、CSIのトータル数、CSIの粒度、ユーザ端末UEの能力(
capability)、CoMP送信方法等により無線基地局装置が適宜決定する。
【0041】
図7Aでは、2ビットのA−CSIトリガフィールド(CSIリクエストフィールド)の値が“00”である場合、“A−CSIを送信しない”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“01”である場合、“サービングセル以外の干渉を仮定したときのサービングセルについてのA−CSIを送信する”ことを示す。なお、A−CSIトリガフィールドの値が“01”について、Rel.10LTEと同一の値になるように定義してもよい。また、A−CSIトリガフィールドの値が“10”である場合、“ハイヤーレイヤシグナリングにより第1セットのCSIをA−CSIとして送信する”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールの値が“11”である場合、“ハイヤーレイヤシグナリングにより第2セットのCSIをA−CSIとして送信する”ことを示す。
【0042】
無線基地局装置eNBは、CoMP適用時に、ユーザ端末に対して、上記のように決定したセット情報(CSIセット情報)をRRCシグナリング(または、MACシグナリング、報知信号)で送信する(ステップ3)。ここでは、セット情報は、CSI1、CSI2及びCSI3を第1セットとし、CSI4を第2セットとした情報である。次いで、無線基地局装置eNBは、CoMP適用時に、DCIを用いてCSIリクエスト情報(
図7Aに示すビット情報)をユーザ端末に送信する(ステップ4)。例えば、無線基地局装置eNBは、CoMP適用時に、DCIでビット”10”をユーザ端末に送信する。
【0043】
そして、ユーザ端末UEは、CSIリクエスト情報及びCSIセット情報にしたがってCSIを無線基地局装置eNBにフィードバックする(ステップ5)。例えば、ユーザ端末UEは、DCIでビット”10”を受信すると、
図7Aに示すテーブルにしたがって第1セットのCSIをフィードバックすることを知る。このとき、ユーザ端末UEは、無線基地局装置eNBからのRRCシグナリング(または、MACシグナリング、報知信号)で通知されたセット情報により、第1セットのCSIがCSI1、CSI2、CSI3を意味することを知っている。このため、ユーザ端末UEは、CSI1、CSI2、CSI3をPUSCH信号でフィードバックする。
【0044】
(第2の方法)
第2の方法では、無線基地局装置において、CoMP送信を適用する際に、どの干渉を干渉成分とするかの情報を、下り制御情報におけるCSIリクエスト情報として送信し、ユーザ端末において、CSIリクエスト情報に基づいてCSIをフィードバックする。どの干渉を干渉成分とするかとは、どのセル以外のセルの干渉を干渉成分とするかの情報を意味する。
【0045】
第2の方法では、CoMP送信が適用された時に、送信ポイントの干渉成分(どの干渉を干渉成分にするか)をユーザ端末に通知する(A−CSI通知)。これにより、第1の方法で通知したセット情報の通知が不要となり、シグナリングのオーバーヘッドを削減することができる。
【0046】
第2の方法は、具体的には、まず、
図8に示すCoMP適用時の新しいテーブルを規定する(ステップ1)。このテーブルは、無線基地局装置eNB及びユーザ端末UEで格納される。
図8では、2ビットのA−CSIトリガフィールド(CSIリクエストフィールド)の値が“00”である場合、“A−CSIを送信しない”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“01”である場合、“サービングセル以外の干渉を仮定したときのサービングセルについてのA−CSIを送信する”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“10”である場合、“すべてのサービングセルに対して1つの送信ポイント以外の干渉を干渉成分としたA−CSIを送信する”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールの値が“11”である場合、“すべてのサービングセルに対して
2つの送信ポイント以外の干渉を干渉成分としたA−CSIを送信する”ことを示す。
【0047】
無線基地局装置eNBは、CoMP適用時に、DCIを用いてCSIリクエスト情報(
図8に示すビット情報)をユーザ端末に送信する(ステップ2)。例えば、無線基地局装置eNBは、CoMP適用時に、DCIでビット”11”をユーザ端末に送信する。
【0048】
そして、ユーザ端末UEは、CSIリクエスト情報にしたがってCSIを無線基地局装置eNBにフィードバックする(ステップ3)。例えば、ユーザ端末UEは、DCIでビット”11”を受信すると、
図8に示すテーブルにしたがって、すべてのサービングセルに対して2つの送信ポイント以外の干渉を干渉成分としたA−CSIを送信することを知る。このとき、ユーザ端末UEは、2つの送信ポイント以外の干渉を干渉成分としたA−CSIであるCSI3及びCSI4をPUSCH信号でフィードバックする。
【0049】
(第3の方法)
第3の方法では、無線基地局装置において、CoMP送信を適用する際に、少なくとも一つの送信ポイントを含むセットのTPセット情報をハイヤーレイヤシグナリングすると共に、下り制御情報におけるCSIリクエスト情報を送信し、ユーザ端末において、TPセット情報及びCSIリクエスト情報に基づいてCSIをフィードバックする。
【0050】
第3の方法では、送信ポイントのセットを決め、CoMP送信が適用された時に、送信ポイントの干渉成分(どの干渉を干渉成分にするか)及び送信ポイントのセットをユーザ端末にRRCシグナリング(または、MACシグナリング、報知信号)で通知する(A−CSI通知)。
【0051】
第3の方法は、具体的には、まず、
図9に示すCoMP適用時の新しいテーブルを規定する(ステップ1)。このテーブルは、無線基地局装置eNB及びユーザ端末UEで格納される。このとき、無線基地局装置は、CoMP適用時のそれぞれのユーザ端末の第1セット及び第2セット(TPのセット情報)を決定する(ステップ2)。ここでは、TP1を第1セットとし、TP2を第2セットとしている。なお、どのようにTPをセットに割り当てるかについては、TPのトータル数、CSIのフィードバックオーバーヘッド、ユーザ端末UEの能力(
capability)、CoMPの送信方法等により無線基地局装置が適宜決定する。
【0052】
図9では、3ビットのA−CSIトリガフィールド(CSIリクエストフィールド)の値が“000”である場合、“A−CSIを送信しない”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“001”である場合、“サービングセル以外の干渉を仮定したときのサービングセルについてのA−CSIを送信する”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“010”である場合、“第1セットのサービングセルに対して1つの送信ポイント以外の干渉を干渉成分としたA−CSIを送信する”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“011”である場合、“第2セットのサービングセルに対して1つの送信ポイント以外の干渉を干渉成分としたA−CSIを送信する”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“100”である場合、“第1セットのサービングセルに対して2つの送信ポイント以外の干渉を干渉成分としたA−CSIを送信する”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“101”である場合、“第2セットのサービングセルに対して2つの送信ポイント以外の干渉を干渉成分としたA−CSIを送信する”ことを示す。
【0053】
無線基地局装置eNBは、CoMP適用時に、ユーザ端末に対して、上記のように決定したセット情報(TPセット情報)をRRCシグナリング(または、MACシグナリング、報知信号)で送信する(ステップ3)。ここでは、セット情報は、TP1(SMR1)を第1セットとし、TP2(SMR2)を第2セットとした情報である。次いで、無線基地局装置eNBは、CoMP適用時に、DCIを用いてCSIリクエスト情報(
図9に示すビット情報)をユーザ端末UEに送信する(ステップ4)。例えば、無線基地局装置eNBは、CoMP適用時に、DCIでビット”100”をユーザ端末に送信する。
【0054】
そして、ユーザ端末UEは、CSIリクエスト情報及びTPセット情報にしたがってCSIを無線基地局装置eNBにフィードバックする(ステップ5)。例えば、ユーザ端末UEは、DCIでビット”100”を受信すると、
図9に示すテーブルにしたがって、第1セットのサービングセルに対して2つの送信ポイント以外の干渉を干渉成分としたA−CSIを送信することを知る。このとき、ユーザ端末UEは、無線基地局装置eNBからのRRCシグナリング(または、MACシグナリング、報知信号)で通知されたセット情報により、第1セットのTPがTP1を意味することを知っている。このため、ユーザ端末UEは、CSI3をPUSCH信号でフィードバックする。
【0055】
次に、上述した本発明のシグナリング方法を実現するシナリオの例について説明する。
図10Aに示すシナリオは、送信ポイントTP1(eNB)のセルと送信ポイントTP2,TP3のセルとがオーバーレイしたシステム構成において、ユーザ端末UEにCoMP送信を適用するシナリオである。
【0056】
ここで、SMR1をTP1からの信号成分とし、IMR1をTP1以外の干渉成分とし、SMR2をTP2からの信号成分とし、IMR2をTP2以外の干渉成分とし、SMR3をTP3からの信号成分とし、IMR3をTP3以外の干渉成分とし、IMR4をTP1、TP2及びTP3以外の干渉成分としたとき、CSI1はSMR1及びIMR1で求められ、CSI2はSMR2及びIMR2で求められ、CSI3はSMR3及びIMR3で求められ、CSI4はSMR2及びIMR4で求められ、CSI5はSMR3及びIMR4で求められる。
【0057】
この場合において、TP1の周波数が周波数F1であり、TP2及びTP3の周波数が周波数F2であるとき、同じ周波数で一つのTP以外の干渉を干渉成分として得られたCSIと同じ周波数で2つのTP以外の干渉を干渉成分として得られたCSIとを分類すると
図10Bに示すようになる。すなわち、同じ周波数で一つのTP以外の干渉を干渉成分として得られたCSIはCSI1、CSI2及びCSI3であり、同じ周波数で2つのTP以外の干渉を干渉成分として得られたCSIはCSI4及びCSI5である。したがって、
図10Bに示す分類を用いることにより、上記第1の方法〜第3の方法を適用することができる。具体的には、第1の方法では、CSIの第1セットをCSI1とし、CSIの第2セットをCSI2〜CSI5とする。第3の方法では、TPの第1セットをTP1とし、TPの第2セットをTP2及びTP3とする。
【0058】
図11Aに示すシナリオは、送信ポイントTP1(eNB)のセルと送信ポイントTP2,TP3のセルとがオーバーレイし、さらに送信ポイントTP2,TP3のセルと送信ポイントTP4,TP5のセルとがオーバーレイしたシステム構成において、ユーザ端末UEにCoMP送信を適用するシナリオである。
【0059】
ここで、SMR1をTP1からの信号成分とし、IMR1をTP1以外の干渉成分とし、SMR2をTP2からの信号成分とし、IMR2をTP2以外の干渉成分とし、SMR3をTP3からの信号成分とし、IMR3をTP3以外の干渉成分とし、SMR4をTP4からの信号成分とし、IMR4をTP4以外の干渉成分とし、SMR5をTP5からの信号成分とし、IMR5をTP5以外の干渉成分とし、IMR6をTP1〜TP5以外の干渉成分としたとき、CSI1はSMR1及びIMR1で求められ、CSI2はSMR2及びIMR2で求められ、CSI3はSMR3及びIMR3で求められ、CSI4はSMR4及びIMR4で求められ、CSI5はSMR5及びIMR5で求められ、CSI6はSMR2及びIMR6で求められ、CSI7はSMR3及びIMR6で求められ、CSI8はSMR4及びIMR6で求められ、CSI9はSMR5及びIMR6で求められる。
【0060】
この場合において、TP1の周波数が周波数F1であり、TP2及びTP3の周波数が周波数F2であり、TP4及びTP5の周波数が周波数F3であるとき、同じ周波数で一つのTP以外の干渉を干渉成分として得られたCSIと同じ周波数で2つのTP以外の干渉を干渉成分として得られたCSIとを分類すると
図11Bに示すようになる。すなわち、同じ周波数で一つのTP以外の干渉を干渉成分として得られたCSIはCSI1、CSI2、CSI3、CSI4及びCSI5であり、同じ周波数で2つのTP以外の干渉を干渉成分として得られたCSIはCSI6、CSI7、CSI8及びCSI9である。したがって、
図11Bに示す分類を用いることにより、上記第1の方法〜第3の方法を適用することができる。
【0061】
例えば、複数のハイヤーレイヤシグナリング(RRCシグナリング、MACシグナリング、報知信号)でCSIセットを通知する。具体的には、
図12Aに示すように、CSI1、CSI2及びCSI6を第1RRCシグナリング(または、MACシグナリング、報知信号)の第1セットとし、CSI3及びCSI7を第1RRCシグナリング(または、MACシグナリング、報知信号)の第2セットとし、CSI4及びCSI5を第2RRCシグナリング(または、MACシグナリング、報知信号)の第1セットとし、CSI8及びCSI9を第2RRCシグナリング(または、MACシグナリング、報知信号)の第2セットとする。これにより、無線基地局装置eNBは、CoMP適用時に、
図12Bに示すテーブルを用いてCSIリクエスト情報をユーザ端末UEに送信する。
【0062】
また、拡張されたCSIリクエストフィールドを利用して、より多くのCSIセットをサポートする(ここでは3ビットにする)。具体的には、
図13Aに示すように、CSI1、CSI2及びCSI6を第1セットとし、CSI3及びCSI7を第2セットとし、CSI4及びCSI5を第3セットとし、CSI8及びCSI9を第4セットとする。これにより、無線基地局装置eNBは、CoMP適用時に、
図13Bに示すテーブルを用いてCSIリクエスト情報をユーザ端末UEに送信する。
図13Bでは、3ビットのA−CSIトリガフィールド(CSIリクエストフィールド)の値が“000”である場合、“A−CSIを送信しない”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“001”である場合、“サービングセル以外の干渉を仮定したときのサービングセルについてのA−CSIを送信する”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“010”である場合、“ハイヤーレイヤシグナリングにより第1セットのCSIをA−CSIとして送信する”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“011”である場合、“ハイヤーレイヤシグナリングにより第2セットのCSIをA−CSIとして送信する”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“100”である場合、“ハイヤーレイヤシグナリングにより第3セットのCSIをA−CSIとして送信する”ことを示す。また、A−CSIトリガフィールドの値が“101”である場合、“ハイヤーレイヤシグナリングにより第4セットのCSIをA−CSIとして送信する”ことを示す。これにより、無線基地局装置eNBは、CoMP適用時に、
図13Bに示すテーブルを用いてCSIリクエスト情報をユーザ端末UEに送信する。
【0063】
また、既存のDCIビット(例えば、CIF(Carrier indicator field)ビット)を利用してCSIリクエストフィールドを送信する。具体的には、
図14Aに示すように、CSI1、CSI2及びCSI6を第1セットとし、CSI3及びCSI7を第2セットとし、CSI4及びCSI5を第3セットとし、CSI8及びCSI9を第4セットとする。これにより、無線基地局装置eNBは、CoMP適用時に、
図14Bに示すテーブルを用いてCSIリクエスト情報をユーザ端末UEに送信する。
図14Bでは、2ビットのA−CSIトリガフィールド(CSIリクエストフィールド)とCIFとを組み合わせている。2ビットのA−CSIトリガフィールドの値が“00”であり、CIFの値が“000”ある場合、“A−CSIを送信しない”ことを示す。また、2ビットのA−CSIトリガフィールドの値が“01”であり、CIFの値が“000”ある場合、“サービングセル以外の干渉を仮定したときのサービングセルについてのA−CSIを送信する”ことを示す。また、2ビットのA−CSIトリガフィールドの値が“10”であり、CIFの値が“000”ある場合、“ハイヤーレイヤシグナリングにより第1セットのCSIをA−CSIとして送信する”ことを示す。また、2ビットのA−CSIトリガフィールドの値が“11”であり、CIFの値が“000”ある場合、“ハイヤーレイヤシグナリングにより第2セットのCSIをA−CSIとして送信する”ことを示す。また、2ビットのA−CSIトリガフィールドの値が“10”であり、CIFの値が“001”ある場合、“ハイヤーレイヤシグナリングにより第3セットのCSIをA−CSIとして送信する”ことを示す。また、2ビットのA−CSIトリガフィールドの値が“11”であり、CIFの値が“001”ある場合、“ハイヤーレイヤシグナリングにより第1セットのCSIをA−CSIとして送信する”ことを示す。これにより、無線基地局装置eNBは、CoMP適用時に、
図14Bに示すテーブルを用いてCSIリクエスト情報をユーザ端末UEに送信する。
【0064】
ここまで、第1の方法〜第3の方法について説明したが、すべての方法について、A−CSIトリガフィールドの代わりにULグラントのフィールドを用いても良い。また、上記第1の方法〜第3の方法について、各方法で1種類のテーブルを用いる場合を例に挙げているが、本発明においては、複数種類のテーブルを予め用意し、異なる時間リソース、周波数リソースにおいて、複数種類のテーブルを使い分けるようにしても良い。例えば、時間的に複数種類に分類された無線リソース(例えば、奇数サブフレームと偶数サブフレーム)において異なるテーブルを用いるようにしても良い。複数種類のテーブルを変更する方法としては、ハイヤレイヤシグナリング(RRCシグナリング、MACシグナリング、報知信号等)や下りリンク制御チャネル(PDCCHやユーザ端末固有のPDCCH(Enhanced-PDCCH))により、用いるテーブルを無線基地局装置からシグナリングで指定しても良く、ULグラント等の制御チャネルが送信された無線リソース位置(例えばControl Channel Elementの位置)に基づき、ユーザ端末が用いるテーブルを判断しても良い。また、上記実施の形態においては、第1の方法及び第2の方法についてA−CSIトリガフィールドが2ビットである場合を説明し、第3の方法についてA−CSIトリガフィールドが3ビットである場合を説明しているが、本発明はこれに限定されず、第1の方法及び第2の方法についてA−CSIトリガフィールドが3ビット以上であっても良く、第3の方法についてA−CSIトリガフィールドが2ビット又は4ビット以上であっても良い。この場合において、上述したように、既存のDCIビット(例えば、CIFビット)を利用することにより、A−CSIトリガフィールドのビット数を増加させずに、通知する情報量を増加させても良い。
【0065】
このように、本発明によれば、キャリアアグリゲーションのフレームワークにおいてCoMP送信が適用される際に、それぞれの送信ポイントについての複数のCSIをフィードバックすることができる。
【0066】
以下、
図15を参照しながら、本発明の実施の形態に係るユーザ端末10及び無線基地局装置20を有する無線通信システム1について説明する。ユーザ端末10及び無線基地局装置20は、LTE−Aをサポートしている。
【0067】
図15に示すように、無線通信システム1は、無線基地局装置20と、無線基地局装置20と通信する複数のユーザ端末10(10
1、10
2、10
3、・・・10
n、nはn>0の整数)とを含んで構成されている。無線基地局装置20は、上位局装置30と接続され、この上位局装置30は、コアネットワーク40と接続される。ユーザ端末10は、セル50において無線基地局装置20と通信を行うことができる。
【0068】
なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。上位局装置30はコアネットワーク40に包含されても良い。
【0069】
各ユーザ端末(10
1、10
2、10
3、・・・10
n)は、特段の断りがない限りLTE−A端末であるが、LTE端末を含むこともできる。また、説明の便宜上、無線基地局装置20と無線通信するのはユーザ端末10であるものとして説明するが、より一般的には移動端末も固定端末も含むユーザ装置(UE:User Equipment)でよい。
【0070】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用される。一方、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)及びクラスタ化DFT拡散OFDMが適用される。
【0071】
OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。クラスタ化DFT拡散OFDMは、非連続的なクラスタ化されたサブキャリアのグループ(クラスタ)を1台のユーザ端末UEに割り当て、各クラスタに離散フーリエ変換拡散OFDMを適用することにより、アップリンクの多元接続を実現する方式である。
【0072】
ここで、LTE−Aで規定される通信チャネル構成について説明する。下りリンクについては、各ユーザ端末10で共有されるPDSCHと、下りL1/L2制御チャネル(PDCCH、PCFICH、PHICH)とが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータ(上位レイヤの制御信号を含む)、すなわち、通常のデータ信号が伝送される。送信データは、このユーザデータに含まれる。なお、無線基地局装置20でユーザ端末10に割り当てた基本周波数ブロック(CC)やスケジューリング情報は、下りリンク制御チャネルによりユーザ端末10に通知される。
【0073】
上位制御信号は、キャリアアグリゲーション数の追加/削減、各コンポーネントキャリアにおいて適用される上りリンクの無線アクセス方式(SC−FDMA/クラスタ化DFT拡散OFDM)をユーザ端末10に対して通知するRRCシグナリング(または、MACシグナリング、報知信号)を含む。
【0074】
上りリンクについては、各ユーザ端末10で共有して使用されるPUSCHと、上りリンクの制御チャネルであるPUCCHとが用いられる。このPUSCHにより、ユーザデータが伝送される。PUCCHにより、下りリンクのCSI(CQI/PMI/RI)、ACK/NACK等が伝送される。また、SC−FDMAにおいてサブフレーム内周波数ホッピングが適用される。
【0075】
図16を参照しながら、本実施の形態に係る無線基地局装置20の全体構成について説明する。無線基地局装置20は、送受信アンテナ201a,201bと、アンプ部202a,202bと、送受信部203a,203bと、ベースバンド信号処理部204と、呼処理部205と、伝送路インターフェース206とを備えている。
【0076】
無線基地局装置20からユーザ端末10へ下りリンクで送信されるユーザデータは、無線基地局装置20の上位局装置30から伝送路インターフェース206を介してベースバンド信号処理部204に入力される。
【0077】
ベースバンド信号処理部204は、シーケンス番号付与等のPDCPレイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理を行う。
【0078】
ベースバンド信号処理部204は、さらにユーザ端末10に対してセル50における無線通信のための制御情報を報知チャネルで通知する。セル50における通信のための報知情報には、例えば、上りリンク又は下りリンクにおけるシステム帯域幅や、PRACHにおけるランダムアクセスプリアンブルの信号を生成するためのルート系列の識別情報(Root Sequence Index)等が含まれる。
【0079】
送受信部203a,203bは、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に周波数変換処する。RF信号は、アンプ部202で増幅されて送受信アンテナ201a,201bへ出力される。
【0080】
無線基地局装置20は、ユーザ端末10が送信した送信波を送受信アンテナ201a,201bで受信する。送受信アンテナ201a,201bで受信された無線周波数信号がアンプ部202a,202bで増幅され、送受信部203a,203bで周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部204に入力される。
【0081】
ベースバンド信号処理部204は、上りリンク伝送で受信したベースバンド信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理を行う。復号された信号は伝送路インターフェース206を介して上位局装置30に転送される。
【0082】
呼処理部205は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局装置20の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0083】
次に、
図17を参照しながら、本実施の形態に係るユーザ端末10の全体構成について説明する。ユーザ端末10は、複数の送受信アンテナ101a,101bと、アンプ部102a,102bと、送受信部103a,103bと、ベースバンド信号処理部104と、アプリケーション部105とを備えている。
【0084】
送受信アンテナ101a,101bで受信した無線周波数信号がアンプ部102a,102bで増幅され、送受信部103a,103bで周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部104でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等がなされる。この下りリンクのデータの内、下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部105に転送される。アプリケーション部105は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータの内、報知情報も、アプリケーション部105に転送される。
【0085】
一方、上りリンクのユーザデータは、アプリケーション部105からベースバンド信号処理部104に入力される。ベースバンド信号処理部104は、再送制御(HARQ)の送信処理や、チャネル符号化、DFT処理、IFFT処理を行う。送受信部103は、ベースバンド信号処理部104から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部102a,102bで増幅されて送受信アンテナ101a,101bより送信される。
【0086】
図18は、本実施の形態に係る無線基地局装置20が有するベースバンド信号処理部204及び一部の上位レイヤの機能ブロック図であり、主にベースバンド信号処理部204は送信処理部の機能ブロックを示している。
図18には、M個のコンポーネントキャリア(CC#1〜CC#M)数に対応可能な基地局構成が例示されている。無線基地局装置20の配下となるユーザ端末10に対する送信データが上位局装置30から無線基地局装置20に対して転送される。
【0087】
制御情報生成部300は、ハイヤーレイヤシグナリング(RRCシグナリング、MACシグナリング、報知信号)により送受信される上位制御信号を生成する。本発明の第1の方法においては、上位制御信号にCSIセット情報が含まれる。また、本発明の第3の方法においては、上位制御信号にTPセット情報が含まれる。また、上位制御信号は、コンポーネントキャリアCCの追加/削減を要求するコマンドを含んでもよい。また、上位制御信号は、ユーザ毎に生成されてもよい。
【0088】
データ生成部301は、上位局装置30から転送された送信データをユーザ別にユーザデータとして出力する。
【0089】
コンポーネントキャリア選択部302は、ユーザ端末10との無線通信に割り当てられるコンポーネントキャリアをユーザ毎に選択する。コンポーネントキャリア選択部302にユーザ毎に設定されたコンポーネントキャリアの割当て情報にしたがって、該当するコンポーネントキャリアのチャネル符号化部303へ上位制御信号及び送信データが振り分けられる。
【0090】
スケジューリング部310は、システム帯域全体の通信品質に応じて、配下のユーザ端末10に対するコンポーネントキャリアの割当てを制御する。また、ユーザ端末毎に選択されたコンポーネントキャリアの中からプライマリコンポーネントキャリア(PCC)が決められる。PCCはダイナミックに切り替えても良いし、準静的に切り替えても良い。
【0091】
また、スケジューリング部310は、各コンポーネントキャリアにおけるリソース割り当てを制御している。LTE端末ユーザとLTE−A端末ユーザとを区別してスケジューリングを行う。スケジューリング部310は、上位局装置30から送信データ及び再送指示が入力されると共に、上りリンクの受信信号を測定した受信部からチャネル推定値やリソースブロックのCQIが入力される。
【0092】
また、スケジューリング部310は、上位局装置30から入力された再送指示、チャネル推定値及びCQIを参照しながら、下りリンク割当て情報、上りリンク割当て情報、及び上下共有チャネル信号のスケジューリングを行う。移動通信における伝搬路は、周波数選択性フェージングにより周波数ごとに変動が異なる。そこで、ユーザデータ送信時に、ユーザ端末10に対してサブフレーム毎に通信品質の良好なリソースブロックを割り当てる(適応周波数スケジューリングと呼ばれる)。適応周波数スケジューリングでは、各リソースブロックに対して伝搬路品質の良好なユーザ端末10を選択して割り当てる。そのため、スケジューリング部310は、各ユーザ端末10からフィードバックされるリソースブロック毎のCQIを用いてスループットの改善が期待されるリソースブロックを割り当てる。
【0093】
また、スケジューリング部310は、ユーザ端末10との間の伝搬路状況に応じてCCEアグリゲーション数を制御する。セル端ユーザに対してはCCEアグリゲーション数を上げることになる。また、割り当てたリソースブロックで所定のブロック誤り率を満たすMCS(符号化率、変調方式)を決定する。スケジューリング部310が決定したMCS(符号化率、変調方式)を満足するパラメータがチャネル符号化部303,308,312、変調部304,309,313に設定される。
【0094】
ベースバンド信号処理部204は、1コンポーネントキャリア内での最大ユーザ多重数Nに対応したチャネル符号化部303、変調部304、マッピング部305を備えている。チャネル符号化部303は、データ生成部301から出力されるユーザデータ(一部の上位制御信号を含む)で構成される共有データチャネル(PDSCH)を、ユーザ毎にチャネル符号化する。変調部304は、チャネル符号化されたユーザデータをユーザ毎に変調する。マッピング部305は、変調されたユーザデータを無線リソースにマッピングする。
【0095】
また、ベースバンド信号処理部204は、複数のDCIフォーマットの中から所定のDCIフォーマットを使用して制御情報を生成する生成部(下り制御情報生成部306及び上り制御情報生成部311)を備えている。複数のDCIフォーマットには、ULグラントを内容とするDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット0/4)、DLグラントを内容とするDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット1A等)が含まれている。
【0096】
下り制御情報生成部306は、DLグラントを内容とするDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット1Aなど)を用いて、PDSCHを制御するための下り共有データチャネル用制御情報を生成する。当該下り共有データチャネル用制御情報は、ユーザ毎に生成される。また、当該下り共有データチャネル用制御情報は、PDSCHが割り当てられた上りサービングセルを識別する識別フィールド(CIF)が含まれる。
【0097】
上り制御情報生成部311は、ULグラントを内容とするDCIフォーマット(例えば、DCIフォーマット0/4)を用いて、PUSCHを制御するための上り共有データチャネル用制御情報を生成する。当該上り共有データチャネル用制御情報は、ユーザ毎に生成される。また、当該上り共有データチャネル用制御情報は、PUSCHが割り当てられた上りサービングセルを識別する識別フィールド(CIF)が含まれる。
【0098】
また、当該上り共有データチャネル用制御情報は、非周期的チャネル状態情報(A−CSI)を要求する要求フィールド(A−CSIトリガフィールド)を含む。A−CSIトリガフィールドには、ユーザ端末10からのA−CSIの通知を要求するか否かに応じて値が設定されてもよい。さらに、A−CSIトリガフィールドには、ユーザ端末10からA−CSIが通知されるべき下りサービングセルの組み合わせに応じて値が設定されてもよい。
【0099】
例えば、本発明の第1の方法においては、DCIにはCSIリクエスト情報(A−CSIトリガフィールド)として、例えば
図7Aに示すビット値が含まれる。また、本発明の第2の方法においては、DCIにはCSIリクエスト情報(A−CSIトリガフィールド)として、例えば
図8に示すビット値が含まれる。また、本発明の第3の方法においては、DCIにはCSIリクエスト情報(A−CSIトリガフィールド)として、例えば
図9に示すビット値が含まれる。なお、第3の方法においては、CSIリクエスト情報がCIFと組み合されている。
【0100】
また、当該上り共有データチャネル用制御情報は、RAフラグ、ユーザ端末毎に決定したリソースブロック数及びリソースブロック位置を示す割り当て情報、変調方式、符号化率及び冗長化バージョン、新規データか再生データ化を区別する識別子、PUSCH用の送信電力制御コマンド、復調用リファレンスシグナルのサイクリックシフト(CS for DMRS)、CQIリクエスト、A−SRSF、PMI/RI等を含んでもよい。
【0101】
また、ベースバンド信号処理部204は、ユーザ共通の下り制御情報である下り共通制御チャネル用制御情報を生成する下り共通チャネル用制御情報生成部307を備えている。
【0102】
また、ベースバンド信号処理部204は、1コンポーネントキャリア内での最大ユーザ多重数Nに対応したチャネル符号化部308、変調部309を備えている。チャネル符号化部308は、下り制御情報生成部306及び下り共通チャネル用制御情報生成部307で生成される制御情報をユーザ毎にチャネル符号化する。変調部309は、チャネル符号化された下り制御情報を変調する。
【0103】
また、ベースバンド信号処理部204は、生成した上り共有データチャネル用制御情報をユーザ毎にチャネル符号化するチャネル符号化部312と、チャネル符号化した上り共有データチャネル用制御情報をユーザ毎に変調する変調部313とを備える。
【0104】
参照信号生成部318は、チャネル推定、シンボル同期、CQI測定、モビリティ測定等の様々な目的に使用されるセル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)をリソースブロック(RB)内にFDM/TDMで多重して送信する。また、参照信号生成部318は、下りリンク復調用参照信号(UE specific RS)を送信する。
【0105】
上記変調部309,313でユーザ毎に変調された下り/上り制御情報は、制御チャネル多重部314で多重され、さらにインタリーブ部315でインタリーブされる。インタリーブ部315から出力される制御信号及びマッピング部305から出力されるユーザデータは下りチャネル信号としてIFFT部316へ入力される。また、下り参照信号がIFFT部316へ入力される。IFFT部316は、下りチャネル信号及び下り参照信号を逆高速フーリエ変換して周波数領域の信号から時系列の信号に変換する。サイクリックプレフィックス挿入部317は、下りチャネル信号の時系列信号にサイクリックプレフィックスを挿入する。なお、サイクリックプレフィクスは、マルチパス伝搬遅延の差を吸収するためのガードインターバルとして機能する。サイクリックプレフィックスが付加された送信データは、送受信部203に送出される。
【0106】
図19は、ユーザ端末10が有するベースバンド信号処理部104の機能ブロック図であり、LTE−AをサポートするLTE-A端末の機能ブロックを示している。なお、ユーザ端末10は、異なるコンポーネントキャリア(CC)の複数のサービングセルを用いて無線通信可能に構成されている。
【0107】
無線基地局装置20から受信データとして受信された下りリンク信号は、CP除去部401でCPが除去される。CPが除去された下りリンク信号は、FFT部402へ入力される。FFT部402は、下りリンク信号を高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)して時間領域の信号から周波数領域の信号に変換し、デマッピング部403へ入力する。デマッピング部403は、下りリンク信号をデマッピングし、下りリンク信号から複数の制御情報が多重された多重制御情報、ユーザデータ、上位制御信号を取り出す。なお、デマッピング部403によるデマッピング処理は、アプリケーション部105から入力される上位制御信号に基づいて行われる。デマッピング部403から出力された多重制御情報は、デインタリーブ部404でデインタリーブされる。
【0108】
また、ベースバンド信号処理部104は、下り/上り制御情報を復調する制御情報復調部405、下り共有データを復調するデータ復調部406及びチャネル推定部407を備えている。
【0109】
制御情報復調部405は、下りリンク制御チャネルから下り共通制御チャネル用制御情報を復調する共通制御チャネル用制御情報復調部405aと、下りリンク制御チャネルからサーチスペースをブラインドデコーディングして上り共有データチャネル用制御情報を復調する上り共有データチャネル用制御情報復調部405bと、下りリンク制御チャネルからサーチスペースをブラインドデコーディングして下り共有データチャネル用制御情報を復調する下り共有データチャネル用制御情報復調部405cとを備えている。
【0110】
データ復調部406は、ユーザデータ及び上位制御信号を復調する下り共有データ復調部406aと、下り共有チャネルデータを復調する下り共有チャネルデータ復調部406bとを備えている。
【0111】
共通制御チャネル用制御情報復調部405aは、下りリンク制御チャネル(PDCCH)の共通サーチスペースのブラインドデコーディング処理、復調処理、チャネル復号処理などによりユーザ共通の制御情報である共通制御チャネル用制御情報を取り出す。共通制御チャネル用制御情報は、下りリンクのチャネル品質情報(CQI)を含んでおり、マッピング部415に入力され、無線基地局装置20への送信データの一部としてマッピングされる。
【0112】
上り共有データチャネル用制御情報復調部405bは、下りリンク制御チャネル(PDCCH)のユーザ個別サーチスペースのブラインドデコーディング処理、復調処理、チャネル復号処理などによりユーザ固有の上り共有データチャネル用制御情報(例えば、ULグラント)を取り出す。復調された上り共有データチャネル用制御情報は、マッピング部415に入力されて、上り共有データチャネル(PUSCH)の制御に使用される。
【0113】
下り共有データチャネル用制御情報復調部405cは、下りリンク制御チャネル(PDCCH)のユーザ個別サーチスペースのブラインドデコーディング処理、復調処理、チャネル復号処理などによりユーザ固有の下り共有データチャネル用制御情報(例えば、DLグラント)を取り出す。復調された下り共有データチャネル用制御情報は、下り共有データ復調部406へ入力されて、下り共有データチャネル(PDSCH)の制御に使用される。
【0114】
下り共有データ復調部406aは、下り共有データチャネル用制御情報復調部405cから入力された下り共有データチャネル用制御情報に基づいて、ユーザデータや上位制御情報を取得する。上位制御情報(CSIセット情報、TPセット情報を含む)は、チャネル推定部407に出力される。下り共通チャネルデータ復調部406bは、上り共有データチャネル用制御情報復調部405bから入力された上り共有データチャネル用制御情報に基づいて、上り共通チャネルデータを復調する。
【0115】
チャネル推定部407は、ユーザ端末固有の参照信号,または共通参照信号を用いてチャネル推定する。推定されたチャネル変動を、共通制御チャネル用制御情報復調部405a、上り共有データチャネル用制御情報復調部405b、下り共有データチャネル用制御情報復調部405c及び下り共有データ復調部406aに出力する。これらの復調部においては、推定されたチャネル変動及び復調用参照信号を用いて復調処理を行う。
【0116】
ベースバンド信号処理部104は、送信処理系の機能ブロックとして、データ生成部411、チャネル符号化部412、変調部413、DFT部414、マッピング部415、IFFT部416、CP挿入部417、チャネル状態情報生成部418を備えている。
【0117】
データ生成部411は、アプリケーション部105から入力されるビットデータから送信データを生成する。チャネル符号化部412は、送信データに対して誤り訂正等のチャネル符号化処理を施し、変調部413はチャネル符号化された送信データをQPSK等で変調する。DFT部414は、変調された送信データを離散フーリエ変換する。マッピング部415は、DFT後のデータシンボルの各周波数成分を、無線基地局装置20に指示されたサブキャリア位置へマッピングする。IFFT部416は、システム帯域に相当する入力データを逆高速フーリエ変換して時系列データに変換し、CP挿入部417は時系列データに対してデータ区切りでサイクリックプレフィックスを挿入する。
【0118】
チャネル状態情報生成部418は、上り共有データチャネル用制御情報復調部405bで復調されたULグラントに基づいて周期的又は非周期的にチャネル状態情報(CSI(CQI/PMI/RI))を生成する。例えば、第1の方法においては、ユーザ端末UEは、DCIでビット情報を受信すると、無線基地局装置eNBからのRRCシグナリング(または、MACシグナリング、報知信号)で通知されたCSIセット情報と、
図7Aに示すテーブルに規定されている情報にしたがってCSIを算出し、そのCSIをPUSCH信号でフィードバックする。また、第2の方法においては、ユーザ端末UEは、DCIでビット情報を受信すると、
図8に示すテーブルに規定されている情報にしたがってCSIを算出し、そのCSIをPUSCH信号でフィードバックする。また、第3の方法においては、ユーザ端末UEは、DCIでビット情報を受信すると、無線基地局装置eNBからのRRCシグナリング(または、MACシグナリング、報知信号)で通知されたTPセット情報と、
図9に示すテーブルに規定されている情報にしたがってCSIを算出し、そのCSIをPUSCH信号でフィードバックする。
【0119】
なお、A−CSIトリガフィールドの各値に対して割り当てられるサービングセルは、予め無線基地局20からユーザ端末10に対して上位制御信号(例えば、RRCシグナリング)により通知されてもよいし、固定的にユーザ端末10に設定されていてもよい。
【0120】
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。