特許第5770696号(P5770696)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5770696オペレータシステム、ユーザ端末、機器情報収集方法、及び、オペレータシステム用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770696
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】オペレータシステム、ユーザ端末、機器情報収集方法、及び、オペレータシステム用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   G06F13/00 353B
   G06F13/00 358A
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-197999(P2012-197999)
(22)【出願日】2012年9月9日
(65)【公開番号】特開2014-52924(P2014-52924A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2014年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【審査官】 佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−109258(JP,A)
【文献】 特開2006−129184(JP,A)
【文献】 特開2004−328269(JP,A)
【文献】 特開2004−056604(JP,A)
【文献】 特開平09−237240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電化製品と公衆回線網を介して通信可能に接続されたユーザ端末と、機器情報収集サーバと、オペレータ端末とが通信可能に接続されたオペレータシステムであって、
前記ユーザ端末は、
デバイスドライバと関連付けられて記憶されたデータ、各種ソフトウェアの設定ファイル、又は前記電化製品との間の通信記録のいずれかを検索し、検索した前記データ、前記設定ファイル又は前記通信記録の中身を走査することにより前記電化製品の情報を収集する走査手段と、
外部ネットワークを介して通信可能に接続された前記電化製品を前記走査手段による走査結果に基づいて検出する電化製品検出手段と、
前記電化製品検出手段によって検出した電化製品について、ネットワークアドレスと、機器や種別に関する製品情報との、少なくともいずれかを含む電化製品情報を取得し、前記機器情報収集サーバに対して送信する電化製品情報送信手段と、
を備え、
前記機器情報収集サーバは、
前記ユーザ端末から受信した前記電化製品情報を記憶する電化製品情報記憶手段と、
を備えるオペレータシステム。
【請求項2】
前記機器情報収集サーバが、
前記電化製品情報記憶手段によって記憶した電化製品情報に含まれたネットワークアドレスを用いて、前記ユーザ端末が通信可能に接続されたネットワークのネットワークマップを生成するネットワークマップ生成手段と、
を備える請求項1に記載のオペレータシステム。
【請求項3】
前記ネットワークマップに、前記電化製品の詳細情報を表示する表示手段と、をさらに備える請求項2に記載のオペレータシステム。
【請求項4】
機器情報収集サーバと通信可能に接続され、電化製品と外部ネットワークを介して通信可能に接続されたユーザ端末であって、
デバイスドライバと関連付けられて記憶されたデータ、各種ソフトウェアの設定ファイル、又は前記電化製品との間の通信記録のいずれかを検索し、検索した前記データ、前記設定ファイル又は前記通信記録の中身を走査することにより前記電化製品の情報を収集する走査手段と、
外部ネットワークを介して通信可能に接続された前記電化製品を前記走査手段による走査結果に基づいて検出する電化製品検出手段と、
前記電化製品検出手段によって検出した電化製品について、ネットワークアドレスと、機器や種別に関する製品情報との、少なくともいずれかを含む電化製品情報を取得し、前記機器情報収集サーバに対して送信する電化製品情報送信手段と、
を備えるユーザ端末。
【請求項5】
電化製品と公衆回線網を介して通信可能に接続されたユーザ端末と、機器情報収集サーバと、オペレータ端末とが通信可能に接続されたオペレータシステムが実行する機器情報収集方法であって、
前記ユーザ端末が、
デバイスドライバと関連付けられて記憶されたデータ、各種ソフトウェアの設定ファイル、又は前記電化製品との間の通信記録のいずれかを検索し、検索した前記データ、前記設定ファイル又は前記通信記録の中身を走査することにより前記電化製品の情報を収集するステップと、
外部ネットワークを介して通信可能に接続された前記電化製品を前記走査するステップによる走査結果に基づいて検出するステップと、
前記検出した電化製品について、ネットワークアドレスと、機器や種別に関する製品情報との、少なくともいずれかを含む電化製品情報を取得し、前記機器情報収集サーバに対して送信するステップと、
を備え、
前記機器情報収集サーバが、
前記ユーザ端末から受信した前記電化製品情報を記憶するステップと、
を備える機器情報収集方法。
【請求項6】
電化製品と公衆回線網を介して通信可能に接続されたユーザ端末と、機器情報収集サーバと、オペレータ端末とが通信可能に接続されたオペレータシステムを制御するオペレータシステム用プログラムであって、
デバイスドライバと関連付けられて記憶されたデータ、各種ソフトウェアの設定ファイル、又は前記電化製品との間の通信記録のいずれかを検索し、検索した前記データ、前記設定ファイル又は前記通信記録の中身を走査することにより前記電化製品の情報を収集する走査手段と、
外部ネットワークを介して通信可能に接続された前記電化製品を前記走査手段による走査結果に基づいて検出する電化製品検出手段、
前記電化製品検出手段によって検出した電化製品について、ネットワークアドレスと、機器や種別に関する製品情報との、少なくともいずれかを含む電化製品情報を取得し、前記機器情報収集サーバに対して送信する電化製品情報送信手段、
として、コンピュータであるユーザ端末を動作させるユーザ端末用プログラムと、
前記ユーザ端末から受信した前記電化製品情報を記憶する電化製品情報記憶手段、
として、コンピュータである機器情報収集サーバを動作させる機器情報収集サーバ用プログラムと、を備えるオペレータシステム用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ端末と外部ネットワークを介して接続された機器の情報を収集するオペレータシステム、ユーザ端末、機器情報収集方法、及び、オペレータシステム用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報技術の普及に伴い、今日では一部の一般家庭や多くの事業所において、ローカルエリアネットワークが構築されている。ユーザはパーソナルコンピュータやスマートフォン等の汎用的な処理を行える機器を用いて、通信可能に接続された印刷機、室内機等の特殊な機能を提供する機器を制御し、利用している。
【0003】
また、公衆回線網に接続されたユーザ端末を用いて、内部ネットワークには存在しない機器と通信を行い、当該機器の機能を発揮させることも行われている。例えば、オフィスにおいて、他部署のネットワークに属する共有プリンタで文書の印刷を行ったり、外出先から家に備えられた冷暖房のスイッチを入れることで、帰宅までに家の温度を整えたりといった例が挙げられる。
【0004】
一方で、ユーザ端末の高機能化、複雑化に伴い、遠隔地にいるオペレータからリモートサポートを受ける機会もまた増加している。そのような場合において、オペレータはユーザ端末を含むネットワークマップを閲覧し、参照することで、不具合の原因の推測に役立てたり、ネットワークのより効率的な運用について助言を行ったりすることができるため、ネットワークの構成に関する情報は、リモートサポートに寄与すると考えられる。
【0005】
例えば、特許文献1では、ネットワーク管理の混乱を招かない効率的な管理作業を実現するために、ネットワークマップの作成状態を明示する手法が明らかにされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許公開2008−47070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1において開示されている方法によれば、ネットワーク管理装置がネットワーク機器の情報に基づいてマップを作成して記憶するマップ記憶部と、指定されたマップ作成状態をマップと関連付けて記憶するマップ状態記憶部とを備えることで、不正確なネットワークマップの開示を回避することで、効率的な管理作業に寄与している。
【0008】
しかし、ユーザ端末が前記のように外部ネットワークを介して他の機器と通信を行っている場合においては、オペレータはローカルエリアネットワーク以外の当該機器の情報を参照できないために、ネットワーク構造を誤って把握してしまうおそれがある。
【0009】
そこで、本発明の発明者は、ユーザ端末が前記のように外部ネットワークを介して他の機器と通信を行っている場合においても、当該ユーザ端末にインストールされたデバイスドライバや、通信記録を参照することで、外部ネットワークに存在する機器に関する情報をも取得できる点に着目した。
【0010】
本発明は、ユーザ端末と外部ネットワークを介して接続された機器の情報を収集するオペレータシステム、ユーザ端末、機器情報収集方法、及び、オペレータシステム用プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0012】
第1の特徴に係る発明は、電化製品と公衆回線網を介して通信可能に接続されたユーザ端末と、機器情報収集サーバと、オペレータ端末とが通信可能に接続されたオペレータシステムであって、
前記ユーザ端末は、
デバイスドライバと関連付けられて記憶されたデータ、各種ソフトウェアの設定ファイル、又は前記電化製品との間の通信記録のいずれかを検索し、検索した前記データ、前記設定ファイル又は前記通信記録の中身を走査することにより前記電化製品の情報を収集する走査手段と、
外部ネットワークを介して通信可能に接続された前記電化製品を前記走査手段による走査結果に基づいて検出する電化製品検出手段と、
前記電化製品検出手段によって検出した電化製品について、ネットワークアドレスと、機器や種別に関する製品情報との、少なくともいずれかを含む電化製品情報を取得し、前記機器情報収集サーバに対して送信する電化製品情報送信手段と、
を備え、
前記機器情報収集サーバは、
前記ユーザ端末から受信した前記電化製品情報を記憶する電化製品情報記憶手段と、
を備えるオペレータシステムを提供する。
【0013】
第1の特徴に係る発明によれば、電化製品と公衆回線網を介して通信可能に接続されたユーザ端末と、機器情報収集サーバと、オペレータ端末とが通信可能に接続されたオペレータシステムにおいて、前記ユーザ端末は、デバイスドライバと関連付けられて記憶されたデータ、各種ソフトウェアの設定ファイル、又は前記電化製品との間の通信記録のいずれかを検索し、検索した前記データ、前記設定ファイル又は前記通信記録の中身を走査することにより前記電化製品の情報を収集し、外部ネットワークを介して通信可能に接続された前記電化製品を前記走査手段による走査結果に基づいて検出し、検出した電化製品について、ネットワークアドレスと、機器や種別に関する製品情報との、少なくともいずれかを含む電化製品情報を取得し、前記機器情報収集サーバに対して送信する。また、前記機器情報収集サーバは、前記ユーザ端末から受信した前記電化製品情報を記憶する。
【0014】
ここで、第1の特徴に係る発明はオペレータシステムのカテゴリであるが、機器情報収集方法、及び、オペレータシステム用プログラムのカテゴリにおいても、同様の作用、効果を奏する。
【0015】
第2の特徴に係る発明は、前記機器情報収集サーバが、
前記電化製品情報記憶手段によって記憶した電化製品情報に含まれたネットワークアドレスを用いて、前記ユーザ端末が通信可能に接続されたネットワークのネットワークマップを生成するネットワークマップ生成手段と、
を備える第1の特徴に係る発明であるオペレータシステムを提供する。
【0016】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明であるオペレータシステムにおいて、前記機器情報収集サーバは、前記記憶した電化製品情報に含まれたネットワークアドレスを用いて、前記ユーザ端末が通信可能に接続されたネットワークのネットワークマップを生成する。
【0017】
第3の特徴に係る発明は、第2の特徴に係る発明であって、前記ネットワークマップに、前記電化製品の詳細情報を表示する表示手段と、をさらに備えるオペレータシステムを提供する。
第3の特徴に係る発明によれば、前記ネットワークマップに、前記電化製品の詳細情報を表示する。
第4の特徴に係る発明は、機器情報収集サーバと通信可能に接続され、電化製品と外部ネットワークを介して通信可能に接続されたユーザ端末であって、
デバイスドライバと関連付けられて記憶されたデータ、各種ソフトウェアの設定ファイル、又は前記電化製品との間の通信記録のいずれかを検索し、検索した前記データ、前記設定ファイル又は前記通信記録の中身を走査することにより前記電化製品の情報を収集する走査手段と、
外部ネットワークを介して通信可能に接続された前記電化製品を前記走査手段による走査結果に基づいて検出する電化製品検出手段と、
前記電化製品検出手段によって検出した電化製品について、ネットワークアドレスと、機器や種別に関する製品情報との、少なくともいずれかを含む電化製品情報を取得し、前記機器情報収集サーバに対して送信する電化製品情報送信手段と、
を備えるユーザ端末を提供する。
【0018】
第4の特徴に係る発明によれば、機器情報収集サーバと通信可能に接続され、電化製品と外部ネットワークを介して通信可能に接続されたユーザ端末は、デバイスドライバと関連付けられて記憶されたデータ、各種ソフトウェアの設定ファイル、又は前記電化製品との間の通信記録のいずれかを検索し、検索した前記データ、前記設定ファイル又は前記通信記録の中身を走査することにより前記電化製品の情報を収集し、外部ネットワークを介して通信可能に接続された前記電化製品を走査結果に基づいて検出し、検出した電化製品について、ネットワークアドレスと、機器や種別に関する製品情報との、少なくともいずれかを含む電化製品情報を取得し、前記機器情報収集サーバに対して送信する。
【0019】
第5の特徴に係る発明は、電化製品と公衆回線網を介して通信可能に接続されたユーザ端末と、機器情報収集サーバと、オペレータ端末とが通信可能に接続されたオペレータシステムが実行する機器情報収集方法であって、
前記ユーザ端末が、
デバイスドライバと関連付けられて記憶されたデータ、各種ソフトウェアの設定ファイル、又は前記電化製品との間の通信記録のいずれかを検索し、検索した前記データ、前記設定ファイル又は前記通信記録の中身を走査することにより前記電化製品の情報を収集するステップと、
外部ネットワークを介して通信可能に接続された前記電化製品を前記走査するステップによる走査結果に基づいて検出するステップと、
前記検出した電化製品について、ネットワークアドレスと、機器や種別に関する製品情報との、少なくともいずれかを含む電化製品情報を取得し、前記機器情報収集サーバに対して送信するステップと、
を備え、
前記機器情報収集サーバが、
前記ユーザ端末から受信した前記電化製品情報を記憶するステップと、
を備える機器情報収集方法を提供する。
【0020】
第6の特徴に係る発明は、電化製品と公衆回線網を介して通信可能に接続されたユーザ端末と、機器情報収集サーバと、オペレータ端末とが通信可能に接続されたオペレータシステムを制御するオペレータシステム用プログラムであって、
デバイスドライバと関連付けられて記憶されたデータ、各種ソフトウェアの設定ファイル、又は前記電化製品との間の通信記録のいずれかを検索し、検索した前記データ、前記設定ファイル又は前記通信記録の中身を走査することにより前記電化製品の情報を収集する走査手段と、
外部ネットワークを介して通信可能に接続された前記電化製品を前記走査手段による走査結果に基づいて検出する電化製品検出手段、
前記電化製品検出手段によって検出した電化製品について、ネットワークアドレスと、機器や種別に関する製品情報との、少なくともいずれかを含む電化製品情報を取得し、前記機器情報収集サーバに対して送信する電化製品情報送信手段、
として、コンピュータであるユーザ端末を動作させるユーザ端末用プログラムと、
前記ユーザ端末から受信した前記電化製品情報を記憶する電化製品情報記憶手段、
として、コンピュータである機器情報収集サーバを動作させる機器情報収集サーバ用プログラムと、を備えるオペレータシステム用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザ端末と外部ネットワークを介して接続された機器の情報を収集するオペレータシステム、ユーザ端末、機器情報収集方法、及び、オペレータシステム用プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、オペレータシステム1の概要を説明するための概念図である。
図2図2は、オペレータシステム1の機能ブロック図である。
図3図3は、ユーザ端末10と機器情報収集サーバ200が実行する、機器情報収集処理の手順を表したフローチャート図である。
図4図4は、ユーザ端末10が表示するデバイスドライバの情報の一例である。
図5図5は、個々の電化製品50とデバイスドライバを結びつける設定画面の一例である。
図6図6は、機器情報収集サーバ200によって生成されたネットワークマップの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0024】
本発明の概要について説明する。オペレータシステム1において、機器情報収集サーバ200は、ユーザ端末10のデバイスドライバや、設定ファイル、通信記録を参照することで、ユーザ端末10と外部ネットワークである公衆回線網3を介して接続された電化製品50の情報を収集する。そして、電化製品50を含んだネットワーク構造をオペレータ端末150に対して送信することで、ユーザ端末10を含んだネットワークについてより正確な情報を得ることができ、ユーザ端末10に対する効率的なリモートサポートに寄与する。
【0025】
[オペレータシステム1のシステム構成]
図1は、本発明の好適な実施形態であるオペレータシステム1のシステム構成図である。オペレータシステム1は、ユーザ端末10、ルータ100、によって構成されるLAN(Local Area Network)101と、公衆回線網3(インターネット網や第3世代、第4世代通信網など)と、電化製品50と、オペレータ端末150と、機器情報収集サーバ200と、から構成される。
【0026】
ユーザ端末10は、公衆回線網3を介して、電化製品50、機器情報収集サーバ200と通信可能に接続されている。ユーザ端末10と各電化製品50は、LAN101で接続されている。オペレータシステム1内の通信は、無線通信、有線通信を問わない。ユーザ端末10が公衆回線網3と接続するために、ルータ100等のネットワーク機器を介して通信可能となっている。機器情報収集サーバ200と、オペレータ端末150との間の通信は、LAN経由であってもよいし、公衆回線網3を介してもよい。
【0027】
ユーザ端末10は、後述する機能を備えた一般的な情報端末であってよい。ユーザ端末10は、例えば、携帯電話、スマートフォン10b、複合型プリンタ、テレビ10a、ルータ又はゲートウェイ等のネットワーク機器、コンピュータ10cに加えて、冷蔵庫、洗濯機等の白物家電であってもよいし、電話機、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、電子辞書端末、携帯型音楽プレーヤ、携帯型コンテンツ再生・録画プレーヤ等の一般的な情報家電であってよい。
【0028】
電化製品50は、データ通信を行うことが可能な家庭用又は業務用の電化製品であって、例えば、パソコン50c、テレビ50b、電話機、コンピュータに加えて、携帯電話、携帯情報端末、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、携帯型音楽プレーヤ、オーディオコンポ、コンテンツ再生・録画プレーヤ、プリンタ、FAX機、コピー機、スキャナ機、MFP(多機能周辺装置、多機能プリンタ)等の情報家電のみならず、冷蔵庫、洗濯機、食器洗浄乾燥機、扇風機、エアコン、電気ストーブ、炊飯器、電子レンジ等の白物家電や、電気照明、サーバ、ルータ50a、ゲートウェイ、NAS(Network Attached Storage)等も含む。
【0029】
機器情報収集サーバ200は、ユーザ端末10から、電化製品50に関する情報を収集する機器情報収集サーバであって、後述する機能を備える。
【0030】
オペレータ端末150は、ユーザ端末10に対してリモートサポートを行うオペレータが利用する、一般的な情報端末である。
【0031】
[各機能の説明]
図2は、オペレータ端末150、機器情報収集サーバ200、携帯型端末10、電化製品50の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
【0032】
携帯型端末10、オペレータ端末150は、制御部として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える(有線によるLAN接続であってもよい)。
【0033】
さらに、携帯型端末10及びオペレータ端末150は、出力・入力部として、制御部で制御したデータや画像を出力表示する表示部を備え、かつ、ユーザやサポート者からの入力を受付けるタッチパネルやキーボード、マウス等を備える。加えて、携帯型端末10及びオペレータ端末150は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリによる、データのストレージ部を備える。
【0034】
携帯型端末10において、制御部が所定のプログラムを読み込むことで、通信部、出力・入力部、記憶部と協働して、電化製品アクセスモジュール13、リモートサポートモジュール15を実現する。電化製品アクセスモジュール13は、通信可能に接続された電化製品50を検出する電化製品検出モジュール11と、検出した電化製品50に対して機能の実行要求を送信する実行要求送信モジュール12とから構成される。リモートサポートモジュール15は、電化製品50の情報を送信する電化製品情報送信モジュール14を備える。
【0035】
電化製品50は、同様に、制御部として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、第3世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える(有線によるLAN接続であってもよい)。
【0036】
電化製品50において、制御部が所定のプログラムを読み込むことで、通信部と協働して、電化製品50の機能を発揮する機能実行モジュール51を実現する。
【0037】
機器情報収集サーバ200は、同様に、制御部として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイスを備える(有線であってもよい)。加えて、機器情報収集サーバ200は、記憶部として、ハードディスクや半導体メモリによる、データのストレージ部を備える。
【0038】
機器情報収集サーバ200の制御部が所定のプログラムを読み込むことで、通信部、記憶部と協働して、オペレータがオペレータ端末150を利用してリモートサポートを実行するためのリモートサポートモジュール201を実現する。リモートサポートモジュール201は、ユーザ端末10から電化製品50に関する情報を受信する電化製品情報受信モジュール202と、携帯型端末10が属するローカルエリアネットワークや、通信可能となっている外部ネットワークのネットワークマップを生成するネットワークマップ生成モジュール203から構成される。
【0039】
[リモートサポート処理]
図3は、ユーザ端末10と機器情報収集サーバ200が実行する、機器情報収集処理の手順を示したフローチャート図である。この機器情報収集処理の手順について説明する。
【0040】
はじめに、機器情報収集サーバ200の電化製品情報受信モジュール202は、ユーザ端末10に対して、電化製品情報の要求を送信する(ステップS01)。ユーザ端末10の電化製品情報送信モジュール14は、要求を受信し(ステップS02)、ユーザ端末10の電化製品検出モジュール11は、電化製品情報の収集を開始する。ここでは発明の趣旨を鑑み、簡単のため、外部ネットワークに接続された電化製品50に関してのみ処理を説明するが、実際に送信される情報には、内部ネットワークやUSB、Bluetooth等を介して接続された電化製品50の情報を含んでよい。
【0041】
ここで、通常ユーザ端末10と電化製品50との通信は、以下のように行われるものとする。すなわち、デバイスドライバや、ユーティリティソフトを介して、電化製品検出モジュール11が通信の送信先たる電化製品50を特定し、ユーザ端末10の実行要求送信モジュール12が、機能の発揮に係る実行命令や、それに必要なデータを送信する。電化製品50の機能実行モジュール51は実行要求受信し、それに従って機能を発揮する。
【0042】
そこで、情報の要求を受信したユーザ端末10の電化製品検出モジュール11は、デバイスドライバと関連付けられて記憶されたデータや、各種ソフトウェアの設定ファイルや、電化製品50との間の通信記録を検索し(ステップS03)、それらのファイルの中身を走査する(ステップS04)。そうすることで、ユーザ端末10と通信可能に接続された電化製品50の一覧を取得する(ステップS05)とともに、電化製品50それぞれについてネットワークアドレス(ステップS06)が明らかになる。また、デバイスドライバには通常ベンダーと共に製品情報が含まれているので、それも取得する(ステップS07)。
【0043】
図4は、ユーザ端末10が表示するデバイスドライバの情報の一例である。デバイスドライバの情報として、ドライバ名61、製品情報62、ドライバの提供者63、ドライバのバージョン64、ドライバの最終更新日65が含まれている。製品によっては、デバイスドライバそのものは個々の電化製品50と結びついておらず、デバイスドライバと個々の電化製品50を関連付けるのはもう一階層上の設定ファイルである場合もある。
【0044】
図5は、個々の電化製品50とデバイスドライバを結びつける設定画面の一例である。ここでは、印刷に用いるプリンタの設定として、プリンタの識別子71、ネットワークアドレス72が表示され、利用するドライバ名73と関連付けて表示されている。すなわち、仮にデバイスドライバのみを参照したことでネットワークアドレスが取得できなくても、設定ファイルが記憶された領域をデバイスドライバの名称で走査することで、電化製品50の識別子やネットワークアドレスが取得できる例を示している。
【0045】
電化製品情報送信モジュール14は、以上のように取得した電化製品50の一覧、電化製品50それぞれの製品情報、及び、ネットワークアドレスを、機器情報収集サーバ200に対して送信する(ステップS08)。電化製品情報受信モジュール202は、電化製品情報として受信し、機器情報収集サーバ200の記憶部に記憶させる(ステップS09)。
【0046】
次に、機器情報収集サーバのネットワークマップ生成モジュール203は、記憶した電化製品情報に基づいて、ネットワークマップを生成する(ステップS10)。
【0047】
図6は、機器情報収集サーバ200によって生成されたネットワークマップの一例である。ネットワークマップには各種機器がミニアイコンで表示されており、電化製品10を表すアイコン80や、電化製品10と同一のLANに接続された機器がアイコン70、71によって表されている。
【0048】
そして、ネットワークマップには、公衆回線網を表すアイコン90を隔てて、外部ネットワークを介してユーザ端末10と接続された電化製品50を表すアイコン91と、当該電化製品50が接続されたLAN92が図示されている。また、ネットワークマップには、電化製品50の識別子やIPアドレス等の詳細情報93が表示されていてよい。以上のようなアイコン91、LAN92、詳細情報93は、一覧として取得した電化製品50のそれぞれについて表示してよい。
【0049】
最後に、機器情報収集サーバ200のリモートサポートモジュール201は、生成したネットワークマップを、オペレータ端末150においてオペレータの閲覧に供するため、オペレータ端末150に対して送信する(ステップS11)。
【0050】
以上が、ユーザ端末10と機器情報収集サーバ200が実行する、機器情報収集処理の処理手順である。
【0051】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0053】
1 オペレータシステム、10 ユーザ端末、50 電化製品、150 オペレータ端末、200 機器情報収集サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6