特許第5770725号(P5770725)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5770725低次アシル基ジェランゴムのポスト抽出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770725
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】低次アシル基ジェランゴムのポスト抽出方法
(51)【国際特許分類】
   C08B 37/00 20060101AFI20150806BHJP
   C12P 19/04 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   C08B37/00 P
   C12P19/04 C
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-518727(P2012-518727)
(86)(22)【出願日】2010年6月2日
(65)【公表番号】特表2012-532235(P2012-532235A)
(43)【公表日】2012年12月13日
(86)【国際出願番号】CN2010000782
(87)【国際公開番号】WO2011003269
(87)【国際公開日】20110113
【審査請求日】2013年5月30日
(31)【優先権主張番号】200910158365.6
(32)【優先日】2009年7月9日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】200910158366.0
(32)【優先日】2009年7月9日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511208911
【氏名又は名称】浙江帝斯曼中肯生物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000073
【氏名又は名称】特許業務法人プロテック
(74)【代理人】
【識別番号】100167070
【弁理士】
【氏名又は名称】狹武 哲詩
(72)【発明者】
【氏名】楊 宝毅
(72)【発明者】
【氏名】呉 炳華
(72)【発明者】
【氏名】許 懐遠
(72)【発明者】
【氏名】朱 正学
(72)【発明者】
【氏名】瀋 ユービン
(72)【発明者】
【氏名】王 雪剛
(72)【発明者】
【氏名】楊 利強
(72)【発明者】
【氏名】王 佳良
(72)【発明者】
【氏名】江 文慧
(72)【発明者】
【氏名】包 聖強
(72)【発明者】
【氏名】盛 小林
(72)【発明者】
【氏名】瀋 孝琴
【審査官】 土橋 敬介
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/076719(WO,A1)
【文献】 特表2002−517568(JP,A)
【文献】 米国特許第04377636(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08B 37/00
C12P 19/04
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
JSTChina(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発酵液の温度を80℃〜90℃に上げ、酸化防止剤を添加するとともに、アルカリを添加してpH値を調整し、アシル基を脱する発酵液の脱アシル基処理ステップ(1)と、
ステップ(1)の発酵液にセルラーゼ、リゾチーム及びプロテアーゼを添加することにより、発酵液における不溶性の不純物と菌糸体断片をできるだけ除去する発酵液の酵素処理ステップ(2)と、
ステップ(2)による酵素処理後の発酵液に、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウムの水溶性塩又はこれらの組み合わせを添加して凝集してからpH値をアルカリ性に調整し、固体・液体を分離することにより、発酵液の水及び色素を大分除去し、ジェランゴム粗生成物を得る発酵液の凝集ステップ(3)と、
ステップ(3)において得られたジェランゴム粗生成物を清澄化処理し、清澄化された低次アシル基ジェランゴム溶液を得るジェランゴム清澄化処理ステップ(4)と、
ステップ(4)において得られたジェランゴム脱アシル基清澄化溶液に、アルカリ金属イオンを添加することによってゲルを生成し、固体・液体を分離する脱アシル基ジェランゴム溶液脱水処理ステップ(5)と、
ステップ(5)において得られたジェランゴムを小さな粒子に細かく刻んで、キレート工程によりジェランゴムにおける二価陽イオン又は多価陽イオンを大分除去し、徹底的な脱色効果を達するために、少し圧搾乾燥した後のジェランゴムを低級アルコールに浸漬させて撹拌・濾過するキレート及び脱色処理ステップ(6)と、
ステップ(6)において得られたジェランゴムを圧搾乾燥し、固体材料を乾燥かつ粉砕し、高透明度低次アシル基清型ジェランゴム製品を得る乾燥粉砕ステップ(7)と、を含むことを特徴とする低次アシル基ジェランゴムのポスト抽出方法。
【請求項2】
発酵液の温度を80℃〜90℃に上げ、酸化防止剤を添加するとともに、アルカリを添加してpH値を調整し、アシル基を脱する発酵液の脱アシル基処理ステップ(1)と、
ステップ(1)の発酵液にセルラーゼ、リゾチーム及びプロテアーゼを添加することにより、発酵液における不溶性の不純物と菌糸体断片をできるだけ除去する発酵液の酵素処理ステップ(2)と、
ステップ(2)による酵素処理後の発酵液に、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウムの水溶性塩又はこれらの組み合わせを添加して凝集してからpH値をアルカリ性に調整し、固体・液体を分離することにより、発酵液の水及び色素を大分除去し、ジェランゴム粗生成物を得る発酵液の凝集ステップ(3)と、
ステップ(3)において得られたジェランゴム粗生成物を清澄化処理し、清澄化された低次アシル基ジェランゴム溶液を得るジェランゴム清澄化処理ステップ(4)と、
ステップ(4)において得られたジェランゴム脱アシル基清澄化溶液に、アルカリ金属イオンを添加することによってゲルを生成し、固体・液体を分離する脱アシル基ジェランゴム溶液脱水処理ステップ(5)と、
ステップ(5)において得られたジェランゴムを小さな粒子に細かく刻んで、イオン交換工程によりジェランゴムにおける二価陽イオンを大分除去し、徹底的な脱色効果を達するために少し圧搾乾燥した後のジェランゴムを低級アルコールに浸漬させて撹拌・濾過するイオン交換及び脱色処理ステップ(6)と、
ステップ(6)において得られたジェランゴムに適当な量のキレート剤及び酸を添加し、撹拌してジェランゴムと均一に混合するようにするステップ(6′)と、
ステップ(6′)において得られたジェランゴム固体材料を乾燥かつ粉砕し、高透明度の低次アシル基清型ジェランゴム製品を得る乾燥粉砕ステップ(7)と、を含むことを特徴とする組織培養基に用いられる低次アシル基ジェランゴムのポスト抽出方法。
【請求項3】
ステップ(1)において脱アシル基後に酸を添加してpH値を中性に調整し、温度を40℃以下にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(1)において添加する酸化防止剤はアスコルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、システインから選ばれた1種又は2種以上であり、濃度が100〜300ppmであることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ステップ(1)において添加したpH調整用のアルカリはNaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ステップ(1)においてアルカリを用いてpH値を9.5〜11の範囲に調整することを特徴とする前記請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ステップ(1)において、pH調整用のアルカリを先に10%濃度の溶液にすることを特徴とする前記請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(1)において温度を85℃〜90℃の間にすることを特徴とする前記請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(1)において、pH調整用の酸が無機酸又は有機酸であることを特徴とする前記請求項に記載の方法。
【請求項10】
無機酸が塩酸、硫酸、リン酸から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
有機酸がギ酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸から選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
ジェランゴムを含む発酵液の温度を80〜90℃に上げ、酸化防止剤を発酵液に添加し、アルカリを添加してpH値を調整することにより、アシル基ジェランゴムを得ることを特徴とするジェランゴムのアシル基を脱する方法。
【請求項13】
請求項1,2又は12に記載の脱アシル基ジェランゴムを得るための酸化防止剤の使用方法。
【請求項14】
酸化防止剤がアスコルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、システインからなる群より選ばれることを特徴とする請求項13に記載の酸化防止剤の使用方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微生物抽出の分野に関し、特に低次アシル基ジェランゴムのポスト抽出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ジェランゴムは、現在、性能が最も優れている増粘剤、安定剤の一つであると言え、かつ優れたゲル化特性を有する。ジェランゴムゲルは使いやすく、優れた風味放出性と高い熱安定性を有し、口に溶解しやすく、高い透明度を有し、ゲル化の時間及び温度が調整・制御可能であり、ゲルがpHに影響されにくく、製品が安定し、多種のテクスチャ特性等を有する。
【0003】
ジェランゴムは、自然界から幅広く選別・分離した細菌----スフィンゴモナス・パウチモビリス(Sphingomonas paucimobilis)が発酵して生成した親水性コロイドであり、有用な特性が多くある。
【0004】
ジェランゴムの分子基本構造は重複する四糖単位からなるメインチェーンであり、前記重複する四糖単位を構成するメインチェーンし単糖はD-ブドウ糖、D‐グルコン酸、D-ブドウ糖及びL-ラムノースである。このような多糖の天然形態に、単位につき1.5のO−アシル基ラジカルがあり、その中には単位につき1のO−アシルグリセロール置換基があり、一つ単位において、一つのO−アセチル置換基がある。アシルグリセロールが3−結合されているブドウ糖残基の2位にあって、アセチルが6位の上にある。アシル基がアルカリに脱されやすいので、天然形態のジェランゴムから脱アシル基の形態の製品が得られるのに対し、天然形態のジェランゴムは高次アシル基製品とも呼ばれている
【0005】
高次アシル基ジェランゴムは、11〜13%のアシルグリセロール及び4〜5%のアセチルを有し、アシル基全体の含有量が15〜18%の間にある(重量比)。低次アシル基のジェランゴムは含有量1%未満のアシルグリセロール及び含有量1%未満のアセチルを有し、アシル基全体の含有量が2%以下にある。
【0006】
アシル基がゲルの性質に対して顕著な影響を与え、高次アシル基型は柔軟性・弾性に優れ、脆性を有しないゲルを生成できるのに対し、低次アシル基ジェランゴムは堅く、弾性を有せず、非常にもろいゲルを生成する。
【0007】
低次アシル基ジェランは、現在、食品工業と組織培養基等の分野に大幅に用いられている、低次アシル基ジェラン製造工程に対し、特に上記分野の低次アシル基ジェラン製造工程に関する詳細な記載は少ない。
【0008】
低次アシル基非清型のジェランゴム製品は17%程度(重量百分比)の蛋白質を有するので、不透明であるのに対し、低次アシル基清型のジェランゴム製品は濾過工程により不溶性の物質を大分除去するため、生成したゲルが澄んで透明し、極めて高い透明度を有する。低次アシル基清型ジェランゴムが食品工業等の分野に応用することはよりありふれ、通常、多くの場合は、ジェランゴムとは、低次アシル基清型の製品を指している。
【0009】
従来の低次アシル基清型ジェランゴムの製造工程のデメリットとしては、コロイドの蛋白を徹底的に除去するには割に困難であり、製品の透明度もある程度に影響され、通常、80%以上に達するだけである。それとともに、製造された低次アシル基清型ジェランゴムは一部の二価金属陽イオンを有するため、ジェランゴム製品が溶解しにくく、生成したゲルがやや白く、製品の品質も影響を受ける。また、従来の低次アシル基ジェランゴムの製造工程には、発酵液の凝集段階で用いられた二価又は多価金属塩凝集がまだ高次アシル基状態のジェランゴム製品であり、高次アシル基ジェランゴムが二価又は多価金属塩に反応する程度が低次アシル基ジェランより非常に低いので、そのために従来の方法による凝集の効率が高くなく、製品の製造率も影響を受ける。
【0010】
目下のところ、組織培養基のゲル、通常は寒天を使う。しかし、寒天の不純物及び阻害要因(硫元素を含む)が植物組織の成長にも影響を与えるので、低次アシル基清型ジェランゴム製品は寒天の代用品として潜在力が大きくある。なぜかというと、ジェランゴムの純度が高く、しかも工業発酵という方法で製造するので、海藻から抽出してきた寒天と比較すると、製品の品質がもっと安定である。ジェランゴムが溶液にした後、ゲル化の時間が寒天より短いので時間も節約できる。又、ジェランゴムが高温の状態で非常に安定で、好熱性微生物の培養にも非常に適応する。一部の植物組織の培養試験から見ると、ジェランゴムを使った基が組織の成長を加速させることができる。それに、ジェランゴムの使用量がただ寒天の1/3であり、また糸状菌の汚染にも抵抗できて、移植の内にも清めやすい。又、ジェランゴムが生成したゲルは非常に高い透明度を有するので、ジェランゴムを使えば根系及び組織成長の様子を簡単に観察できる。そのために、低次アシル基ジェランが組織培養基の面にも幅広い利用の潜在力も持っている。
【0011】
現在、工業製造の食品向けの低次アシル基ジェランゴムが組織培養基の製品に使われることができるが、アメリカのCPKelco会社のGELZANTMCMタイプのジェランゴムとSigma会社のPhytagelタイプのジェランゴムと比べて、中国製の食品向けジェランゴムの培養基の応用にはまだたくさんの問題があり、具体的には以下の通りである。
【0012】
1.食品向け低次アシル基ジェランの溶解性能が悪く、分散性がよくなく、結団しやすく、水和の温度を80℃以上にする必要がある。しかし、中国国外の培養基タイプのジェランゴムの分散性が優れ、水和の温度が60℃程度である。
【0013】
2.通常の食品向けのジェランゴムが具体的な使用過程には、先ずコロイドを溶解してから金属イオンを入れるという順番を厳守すべきであり、ジェランゴム粉末と金属塩を混合してから溶解する場合、溶解が非常に困難であるとともに、オパール色の綿状沈殿もたくさん出る。しかし、中国国外の培養基タイプのジェランゴムは前述の問題点がない。
【0014】
3.通常の食品向けのジェランゴムの強さが900 g/cm2以上であるが、中国国外の培養基タイプジェランゴムの強さが400〜600 g/cm2の間にある。また、通常の食品向けのジェランゴムの透明度が85%程度であるのに対して、中国国外の培養基タイプのジェランゴムの透明度が90%以上である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、低次アシル基ジェラン製造工程の側面に存在する各問題点を解決するため、新たな低次アシル基ジェランの製造方法を提供することを目的とする。さらに、新たな低次アシル基清型ジェランゴム及び新たな組織培養基に用いられる低次アシル基清型ジェランゴムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は低次アシル基ジェランゴムのポスト抽出方法に関し、ジェランゴム発酵液の脱アシル基処理ステップと、酵素処理ステップと、二価又は多価金属陽イオンにより低次アシル基状態ジェランゴムを凝集するステップと、ジェランゴム溶液の清澄化処理ステップと、ジェランゴム溶液の脱水処理ステップと、二価又は多価陽イオンを除去・脱色するステップと、乾燥・粉砕ステップとを含む。好ましくは、乾燥・粉砕ステップ前に適当な量のキレート剤/酸系に配合し、ジェランゴムを用いる過程に超過添加可能な二価陽イオンをキレートするとともに、pH値の相対的な安定性を保つステップも含む。具体的には、この低次アシル基ジェランゴムのポスト抽出方法は、
発酵液の温度を80℃〜90℃に上げ、酸化防止剤を添加するとともに、アルカリを添加してpH値を調整し、アシル基を脱する発酵液の脱アシル基処理ステップ(1)と、
発酵液の不溶性の不純物と菌糸体断片をできるだけ除去するためにステップ(1)の発酵液に異なる酵素製剤を添加し、さらに詳しく説明すると、一種の酵素加水分解酵素製剤を添加して保温酵素加水分解してから他種の酵素を添加して保温酵素加水分解し、これに基づいて類推する発酵液の酵素処理ステップ(2)と、
ステップ(2)酵素処理後の発酵液に、水溶性のアルカリ金属を添加して凝集してからpH値をアルカリ性に調整し、固体・液体を分離することにより、発酵液の水及び色素を大分除去し、濃縮のジェランゴム粗生成物を得る発酵液の凝集ステップ(3)と、
ステップ(3)に得られたジェランゴム粗生成物を清澄化処理し、清澄化された低次アシル基ジェランゴム溶液を得るジェランゴム清澄化処理ステップ(4)と、
ステップ(4)に得られたジェランゴム脱アシル基清澄化溶液に、アルカリ金属イオンを添加することによってゲルを生成し、圧搾しかつ脱水する脱アシル基ジェランゴム溶液脱水処理ステップ(5)と、
ステップ(5)に得られたジェランゴムを小さな粒子に細かく刻んで、イオン交換工程又はキレート工程によりジェランゴムにおける二価陽イオン又は多価陽イオンを大分除去し、徹底的な脱色効果を達するために少し圧搾乾燥した後のジェランゴムを低級アルコールに浸漬させて撹拌・濾過する二価又は多価陽イオン除去及び脱色処理ステップ(6)と、
ステップ(6)に得られたジェランゴム固体材料を乾燥かつ粉砕し、高透明度の低次アシル基清型ジェランゴム製品を得る乾燥粉砕ステップ(7)と、を含む。
【0017】
好ましくは、ステップ(6)とステップ(7)の間に、下記のステップをも含む。すなわち、
ステップ(6)において得られたジェランゴムに適当な量のキレート剤及び酸を添加し、撹拌してジェランゴムと均一に混合するようにするステップ(6′)を含む。
【0018】
さらに詳しく説明すると、
発酵液の温度を85℃〜90℃に上げ、発酵液に適当な酸化防止剤を添加するとともに、アルカリを添加してpH値を9.5〜11の間に調整してゆっくりと、10min〜15min程度撹拌し続け、ジェランゴムのメインチェーンのアシルグリセロール及びアセチルを脱する。その後酸を添加し、pH値を中性に調整し、温度を40℃以下に下げる発酵液の脱アシル基処理ステップ(1)と、
ステップ(1)に得られた発酵液に、異なる濃度の、もうすでに少量の水で溶解して分散したセルラーゼ、リゾチーム、及び中性プロテアーゼ又はアルカリプロテアーゼであるプロテアーゼを順に添加し、それぞれ異なる時間を維持する発酵液酵素処理ステップ(2)と、
ステップ(2)の材料の温度を35℃以下に下げ、二価又は多価水溶性金属塩を入れて、低次アシル基ジェランが凝集してからアルカリを添加しpH値を調整し、遠心分離又は圧搾法によりし固体・液体を分離する発酵液凝集処理ステップ(3)と、
ステップ(3)に得られた材料を分解した後に、10〜20倍量の脱イオン水で溶解し、酸を添加しpH値を中性に調整し、温度を85〜90℃に上げてから、徹底的な溶解効果に達するために十分に撹拌し、プレートとフレーム又はバン式を利用し加圧ろ過し、高速遠心分離又は微孔濾過膜で濾過し、ステップ(3)に得られた脱アシル基ジェランゴム溶液を清澄化処理し、溶液のゲル化を防止するために清澄化処理の時の温度を65℃以上にし、得られた清澄化溶液の透明度は92%以上であるジェランゴム清澄化処理ステップ(4)と、
ステップ(4)に得られた清澄化されたジェランゴム脱アシル基溶液に、適当な量の金属陽イオン塩類を添加することによりゲルを生成し、それを圧搾しかつ脱水し、得られた水分含有量の80%程度の低次アシル基清型ジェランゴムのゴムブロック又はフィルムである脱アシル基ジェランゴム溶液脱水処理ステップ(5)と、
ステップ(5)に得られた水分含有量80%のジェランゴムを小さな粒子に細かく刻んで、それを3〜5倍量の一価アルカリ金属塩を適当に添加して処理された水に入れて、浸漬させてまた撹拌し、イオン交換の形態でコロイドを二価陽イオン塩の形態から一価陽イオン塩の形態に転換すること又はコロイドの二価又は多価陽イオンを除去するために、3〜5倍重量のキレート剤を適当に添加して処理した水に入れて、浸すかつ高速で撹拌する。又、徹底的な色素を脱する効果を達するために、処理されたジェランゴム溶液を圧搾しかつ脱水してから2倍重量の低級アルコールに入れて、浸すかつ高速撹拌し、濾過する二価又は多価陽イオン除去及び脱色処理ステップ(6)と、
ステップ(6)に得られた生成物を75〜80℃において乾燥かつ粉砕し(その95%を80網目の篩を通過させる)、低次アシル基清型ジェランゴム製品が得られる乾燥粉砕ステップ(7)とを含む。
【0019】
好ましくは、ステップ(6)と(7)の間には、下記のステップをも含む。すなわち、
ステップ(6)に得られたジェランゴムに適当な量のキレート剤/酸系を添加することにより、ジェランゴムを用いる過程に超過添加可能な二価陽イオンをキレートするとともに、pH値の相対的な安定性を保ち、この時ジェランゴムの水分の含有量が80%程度であり、キレート剤/酸とジェランゴムを混合させて、均一に撹拌し、キレート剤/酸系において、キレート剤と酸が混合してから添加してもよく、順に添加してもよいという適当な量のキレート剤/酸系を配合するステップ(6′)を含む。
【0020】
本発明の各ステップの具体的なプロセス条件は、以下のとおりである。
【0021】
ステップ1 に添加した酸化防止剤がアスコルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、システインから選ばれた1種又は2種以上であるが、それに限られていない。添加した酸化防止剤の濃度は、好ましくは100〜300ppmであり、より好ましくは150〜250ppm(発酵液で計算)である。
【0022】
ステップ1に添加したpH調整用のアルカリはNaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3から選ばれた1種又は2種以上であるが、それに限定されていない。良いのはNaOH、KOH、より好ましくはNaOHである。
【0023】
ステップ1に、アルカリを用いてpH値を9.5〜11の間に調整し、より好ましくはpH値が10程度である。
【0024】
ステップ1に、pH調整用のアルカリは先に10%濃度の溶液にする。
【0025】
ステップ1に、温度を85〜90℃の間に維持し、より好ましくは温度を86〜88℃の間に維持する。
【0026】
ステップ1に、時間を10min〜15minに維持し、より好ましくは時間を10min程度維持する。
【0027】
ステップ1に、pH調整用の酸は無機酸でもよく、有機酸でも良い。無機酸は塩酸、硫酸及びリン酸から選ばれた1種又は2種以上を含むが、それに限られていない。有機酸はギ酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸又は酒石酸から選ばれた1種又は2種以上を含むが、それに限られていない。実際的製造において、好ましくは無機酸であり、より好ましくは塩酸である。酸の添加量は、発酵液体系のpHを7程度に調整できる程度の量である。
【0028】
ステップ1に、pH調整用の酸は先ず10%濃度の溶液にする。
【0029】
ステップ2の酵素加水分解条件それぞれは、セルラーゼの濃度は、好ましくは500〜2000ppmであり、より好ましくは1000〜1500ppmである。酵素加水分解の時間は、好ましくは4h〜8hであり、より好ましくは5h〜6hである。酵素加水分解の温度は、好ましくは40℃〜50℃であり、より好ましくは43℃〜45℃である。リゾチームの濃度は、好ましくは50〜300ppmであり、より好ましくは100〜200ppmである。酵素加水分解の時間は、好ましくは2h〜4hであり、より好ましくは2.5h〜3.5hである。酵素加水分解の温度は、好ましくは30℃〜40℃であり、より好ましくは35℃〜37℃である。プロテアーゼの濃度は、好ましくは100〜1000ppmであり、より好ましくは300〜500ppm(発酵液で計算)である。酵素加水分解の時間は、好ましくは1h〜5hであり、より好ましくは2h〜3hである。酵素加水分解の温度は、好ましくは30℃〜40℃であり、より好ましくは30℃〜35℃である。前記プロテアーゼは中性プロテアーゼ又はアルカリプロテアーゼである。
【0030】
ステップ3に用いられる水溶性金属塩は、マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウムの水溶性塩又はその組み合わせを含むが、それに限られていない。
【0031】
ステップ3に用いられる水溶性アルカリ金属の添加量は、好ましくは発酵液の質量の0.1%〜0.5%を占めるが、より好ましくは0.3%〜0.4%である。
【0032】
ステップ3に用いられるアルカリは、KOH、NaOH、Na2CO3、NaHCO3、Na3PO4から選ばれた1種又は2種以上を含むが、それに限られていない。
【0033】
ステップ3に用いられる固体・液体を分離する装置は、チャンバー型ポリプロピレンプレートとフレームフィルタープレス又はバッグ圧搾機から選ばれてもよいが、それに限られておらず、好ましくはチャンバー型ポリプロピレンプレートとフレームフィルタープレスである。
【0034】
ステップ4に分解したジェランゴムの繊維の長さは10cmを超えてはいけなく、繊維の水分の含有量は80%程度にする。
【0035】
ステップ4 に分解したジェランゴムの繊維を10から20倍量の脱イオン水で溶解し、15〜20倍の脱イオン水がより好ましい。溶液を加熱し、温度を80〜95℃にし、好ましくは85〜90℃である。
【0036】
ステップ4に、清澄化装置は、プレートとフレーム又はバン式で加圧ろ過し、又は高速遠心分離又は微孔濾過膜で濾過しもよいが、それに限られていない。好ましくはプレートとフレーム又はバン式で加圧ろ過する。
【0037】
ステップ4に、溶液のゲル化を防止するために清澄化処理の温度は65℃以上にする。温度を75℃程度にするのはより好ましい。
【0038】
ステップ5に、ゲルが生成する時、添加した金属塩は、溶性一価アルカリ金属塩(塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウムから選ばれた1種又は2種以上である)、二価アルカリ土類金属塩(塩化カルシウム、塩化マグネシウム)及び多価金属(塩化鉄)塩等又はその組み合わせであってもよいが、それに限られていない。好ましくは一価アルカリ金属塩系と二価アルカリ土類金属塩系である。コストの要素も含めば、二価アルカリ土類金属塩系はより好ましい。

【0039】
ステップ5に、ゲルが生成した時に、添加した一価アルカリ金属塩が清澄化ゾルの0.8〜1.2%(重量比)を占め、添加した二価金属塩は清澄化されたゾルの0.05〜0.1%(重量比)を占める。
【0040】
ステップ5に、ゲル生成時に、添加した溶性金属塩は先ず30%濃度の溶液にする。
【0041】
ステップ5に、用いられた固体・液体を分離する装置はチャンバー型ポリプロピレンプレートとフレームフィルタープレス又はバッグ圧搾機であってもよいが、それに限られていない。好ましくはチャンバー型ポリプロピレンプレートとフレームフィルタープレスである。
【0042】
ステップ6に、ゲル切断機を使って、シル基ジェランを円柱の小さな粒子まで細かく刻んで、粒子の直径は3mm未満であり、長さは12mm未満である。
【0043】
ステップ6に用いられる一価金属陽イオンは、溶性一価アルカリ金属塩(塩化カリウム、塩化ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウムから選ばれた1種又は2種以上)であってもよいが、それに限られていない。添加量は、溶液の濃度が5000〜10000ppmに達するのは好ましく、より好ましくは6000〜8000ppmである。
【0044】
ステップ6に用いられるキレート剤は、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ソーダ、メタリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウムから選ばれた1種又は2種以上であってもよく、それに限られていない。キレート剤は、好ましくはクエン酸ナトリウムとヘキサメタリン酸ソーダが良く、クエン酸ナトリウムがより好ましい。添加したキレート剤の添加量、溶液の濃度が1000〜10000ppmであるのは好ましく、より好ましくは5000〜8000ppmである。
【0045】
ステップ6に用いられる脱水圧搾装置は、バッグ圧搾機である。
【0046】
ステップ6に用いられる低級アルコールはエタノール、イソプロパノールとブタノールから選ばれた1種又は2種以上である。好ましくは、エタノールとイソプロパノールであり、より好ましくはイソプロパノールである。添加量は、好ましくはジェランゴムの湿粒子の重量の2〜4倍であり、より好ましくは2.5〜3.5倍である。
【0047】
ステップ6′に用いられるキレート剤は、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、ヘキサメタリン酸ソーダ、メタリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウムから選ばれた1種又は2種以上であってもよく、それに限られていない。実際的製造において、良く用いられたキレート剤はリン酸塩キレート剤であり、より好ましくはヘキサメタリン酸ソーダである。
【0048】
ステップ6′に用いられる酸は無機酸又は有機酸である。無機酸は、塩酸、硫酸又はリン酸から選ばれた1種又は2種以上であってもよいが、それに限られていない。有機酸は、ギ酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸又は酒石酸から選ばれた1種又は2種以上であってもよいが、それに限られていない。実際の製造には、良く用いられた酸は有機酸で、より好ましくはクエン酸である。
【0049】
ステップ6′に用いられるキレート剤の添加量が、最終的な乾燥製品の9〜10%(質量比)を占め、用いられた酸は最終的な乾燥製品の0.5〜1%(質量比)を占める。
【0050】
ステップ7に用いられる乾燥装置は、真空乾燥と沸騰乾燥であってもよく、それに限られていない。温度を75〜80℃の間に制御し、時間を1h〜1.5hの間に制御する。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下に本発明を実施例によってさらに説明するが、本発明は何らこれらに限定されることはない。つまり、これらの実施例は本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。

(一)低次アシル基清型ジェランゴムの抽出
【0052】
実施例1
A.発酵液脱アシル基処理
凝集缶の中に、10m3のジェランゴム発酵液を90℃まで昇温し、撹拌し続けている状態で、アスコルビン酸を添加し、濃度を150ppmにする。さらに、10%濃度のKOHを入れて、pHを10.0にし、90℃の条件で10分ゆっくり撹拌し続けてから10%濃度の塩酸を入れて、pHを7.0に調整し、得られた溶液を次のステップに入る。
【0053】
B.発酵液の酵素処理
撹拌しながら15kgのセルラーゼを入れて、温度を45℃にし、5.5時間ゆっくり撹拌し続ける。その後には2kgのリゾチームを添加し、温度を35℃にし、3時間ゆっくりと撹拌し続けてから4kgの中性プロテアーゼを添加し、温度を33℃にし、2.5時間撹拌し続ける。
【0054】
C.発酵液の凝集
上記の液体に塩化マグネシウム30kgをゆっくりと添加し、20min撹拌し続けてから水酸化ナトリウム20kgを添加し、10minを撹拌し続け、材料をポンプでバン式プレートとフレーム加圧ろ過機に濾過し、濾液を廃水処理所に入れて、得られた950kgの湿ろ過ケーキを次のステップのために準備する。
【0055】
D.ジェランゴム清澄化処理
Cに得られたろ過ケーキを先に散乱機で短い繊維に分解し、重量の15倍量によって脱イオン水を入れて、溶液を加熱し90℃まで温度を上げる。溶液に適当な珪藻土を添加し、均一に撹拌し、温度を85℃に維持し、事前に珪藻土ろ過助剤を塗ってあるチャンバー型プレートとフレームフィルタープレスでジェランゴム溶液を循環に濾過し(得られた清澄化ジェランゴム溶液は分光光度計で測定した透明度が92%を超えるまで)、清澄化された溶液をゲル缶に入れる。
【0056】
E.脱アシル基ジェランゴム溶液脱水処理
ゲルの生成を避けるために、Dに得られた清澄化されたジェランゴム溶液の温度を65℃以上にしてから、溶液に30%濃度の塩化カリウム溶液400Lを入れて、5分ほどゆっくりと撹拌した後に、温度を50℃以下を強制的にする。生成した固く、脆性のあるゲルのコロイドをチャンバー型プレートとフレームフィルタープレスで圧搾し、水分含有量の80%程度のジェランゴムフィルム又はゴムブロック500kgが得られる。
【0057】
F.キレート及び脱色処理
Eに得られたジェランゴムゴムブロック又はフィルムをゲル切断機で円柱の小さな粒子に細かく刻んで、粒子の直径は3mm未満であり、長さは12mm未満である。ジェランゴム小さな粒子を3倍の量の脱イオン水に入れて、それと同時にメタリン酸カリウムを入れて、濃度を5000ppmにし、溶液を10分ほどゆっくりと撹拌してから濾過膜で濾過する。フィルタ廃棄物を2.5倍の重量のエタノール溶液に浸漬させてかつ30分ほど高速撹拌する。バッグ圧搾機を使ってエタノールの溶液を脱し、濡れたジェランゴムのばらばらしている粒子495kgが得られる
【0058】
G.乾燥粉砕
Fに得られた生成物を沸騰乾燥機により、75℃において乾燥しかつ粉砕し、その95%を80網目の篩を通過させる。低次アシル基清型ジェランゴム製品100kgが得られる。
【0059】
実施例2
A.発酵液脱アシル基処理
凝集缶の中に、10m3のジェランゴム発酵液を90℃まで昇温し、撹拌し続けている状態で、エリソルビン酸ナトリウムを添加し、濃度を200ppmにする。さらに、10%濃度のNaOHを入れて、pHを10.0にし、90℃の条件で10分ゆっくり撹拌し続けてから10%濃度の酢酸を入れて、pHを7.0に調整し、得られた溶液を次のステップに入る。
【0060】
B.発酵液の酵素処理
撹拌しながら15kgのセルラーゼを入れて、温度を43℃にし、5時間ゆっくり撹拌し続ける。その後には2kgのリゾチームを添加し、温度を33℃にし、3時間ゆっくりと撹拌し続けてから4kgのアルカリプロテアーゼを添加し、温度を35℃にし、3時間撹拌し続ける。
【0061】
C.発酵液の凝集
上記の液体に塩化カルシウム35kgをゆっくりと添加し、20min撹拌し続けてから水酸化カリウム20kgを添加し、10minを撹拌し続け、材料をポンプでバン式プレートとフレーム加圧ろ過機に濾過し、濾液が廃水処理所に入って、得られた950kgの濡れたろ過ケーキを次のステップのために準備する。
【0062】
D.ジェランゴム清澄化処理
Cに得られたろ過ケーキを先に散乱機で短い繊維に分解し、重量の15倍量によって脱イオン水を入れて、溶液を加熱し90℃まで温度を上げる。微孔濾過膜でジェランゴム溶液を循環に濾過し(得られた清澄化ジェランゴム溶液は分光光度計で測定した透明度が92%を超えるまで)、澄んだ溶液をゲル缶に入れる。
【0063】
E.脱アシル基ジェランゴム溶液脱水処理
ゲルの生成を避けるために、Dに得られた清澄化されたジェランゴム溶液の温度を65℃以上にしてから、溶液に30%濃度の塩化ナトリウム溶液400Lを入れて、5分ほどゆっくりと撹拌した後に、温度を50℃以下を強制的にする。生成した固く、脆性のあるゲルのコロイドをチャンバー型加圧板フィルタープレスで圧搾し、含有量の80%程度のジェランゴムフィルム又はゴムブロック500kgが得られる。
【0064】
F.キレート及び脱色処理
Eに得られたジェランゴムゴムブロック又はフィルムをゲル切断機で円柱の小さな粒子に細かく刻んで、粒子の直径は3mm未満であり、長さは12mm未満である。ジェランゴム小さな粒子を3倍の量の脱イオン水に入れて、それと同時にクエン酸ナトリウムを入れて、濃度を5000ppmにし、溶液を10分ほどゆっくりと撹拌してから濾過膜で濾過する。フィルタ廃棄物を2.5倍の重量のイソプロパノール溶液に浸漬させてかつ30分ほど高速撹拌する。バッグ圧搾機を使ってエタノールの溶液を脱し、濡れたジェランゴムのばらばらしている粒子495kgが得られる。
【0065】
G.乾燥粉砕
Fに得られた生成物を沸騰乾燥機により、75℃において乾燥しかつ粉砕し、その95%を80網目の篩を通過させる。低次アシル基清型ジェランゴム製品100kgが得られる。
【0066】
実施例3
A.発酵液脱アシル基処理
凝集缶の中に、10m3のジェランゴム発酵液を90℃まで昇温し、撹拌し続けている状態で、メタ重亜硫酸カリウムを添加し、濃度を250ppmにする。さらに、10%濃度のKOHを入れて、pHを10.0にし、90℃の条件で10分ゆっくり撹拌し続けてから10%濃度のクエン酸を入れて、pHを7.0に調整し、得られた溶液を次のステップに入る。
【0067】
B.発酵液の酵素処理
撹拌してから15kgのセルラーゼを入れて、温度を43℃にし、5時間ゆっくり撹拌し続ける。その後には2kgのリゾチームを添加し、温度を33℃にし、3時間ゆっくりと撹拌し続けてから4kgのアルカリプロテアーゼを添加し、温度を35℃にし、3時間撹拌し続ける。
【0068】
C.発酵液の凝集
上記の液体に塩化亜鉛35kgをゆっくりと添加し、20min撹拌し続けてから炭酸ソーダ20kgを添加し、10min撹拌し続け、材料をポンプでバン式プレートとフレーム加圧ろ過機に濾過し、濾液が廃水処理所に入って、得られた950kgの濡れたろ過ケーキを次のステップのために準備する。
【0069】
D.ジェランゴム清澄化処理
Cに得られたろ過ケーキを先に散乱機で短い繊維に分解し、重量の15倍量によって脱イオン水を入れて、溶液を加熱90℃まで温度を上げる。溶液に適当な珪藻土を添加し、均一に撹拌し続け、温度を85℃に維持し、事前に珪藻土ろ過助剤を塗ってあるチャンバー型プレートとフレームフィルタープレスでジェランゴム溶液を循環に濾過し、得られた清澄化ジェランゴム溶液は分光光度計で測定した透明度が92%を超え、澄んでいる溶液をゲル缶に入れる。
【0070】
E.脱アシル基ジェランゴム溶液脱水処理
ゲルの生成を避けるために、Dに得られた清澄化されたジェランゴム溶液の温度を65℃以上にしてから、溶液に30%濃度の塩化カルシウム溶液25Lを入れて、5分ほどゆっくりと撹拌した後に、温度を強制的に50℃以下にする。生成した固く、脆性のゲルのコロイドをチャンバー型ポリプロピレンプレートとフレームフィルタープレスで圧搾し、水分含有量の80%程度のジェランゴムフィルム又はゴムブロック500kgが得られる。
【0071】
F.キレート及び脱色処理
Eに得られたジェランゴムゴムブロック又はフィルムをゲル切断機で円柱の小さな粒子に細かく刻んで、粒子の直径は3mm未満であり、長さは12mm未満である。ジェランゴムの小さな粒子を3倍の量の脱イオン水に入れて、それと同時にトリポリリン酸カリウムを入れて、濃度を5000ppmにし、溶液を10分ほどゆっくりと撹拌してから濾過膜で濾過する。フィルタ廃棄物を2.5倍の重量のエタノール溶液に浸漬させてかつ30分ほど高速撹拌する。バッグ圧搾機を使ってエタノールの溶液を脱し、濡れたジェランゴムのばらばらの粒子495kgが得られる。
【0072】
G.乾燥粉砕
Fに得られた生成物を沸騰乾燥機により、75℃において乾燥しかつ粉砕し、その95%を80網目の篩を通過させる。低次アシル基清型ジェランゴム製品100kgが得られる。
【0073】
従来の低次アシル基ジェランゴムのポスト抽出方法と比べ、上記のステップは以下のメリットを有する。
【0074】
1.発酵液は高温で細菌絶滅の時の温度を利用して脱アシル基処理をしたため、ステップを簡潔化にするとともに本発明の全体的なステップは従来ステップと比べて使ったエネルギーがやや減少したこと、
【0075】
2.製品が凝集する前にもうすでに脱アシル基処理をしたため、二価又は多価金属陽イオンを使って、低次アシル基ジェランの凝集の効率を高めて、製造効率を向上させたこと、
【0076】
3.製品品質が大変改善され、中国国外の進んでいるレベルに達する。製品外観が良く、透明度が高く、製品ゲル強度が高い。具体的には、色彩度が83%を超え、透明度が85%を超え、またゲル強度が1000g/cm2を超えること、
【0077】
4.後期のキレートステップを通し、二価金属陽イオンをほとんど除いたため、生成したゲルのやや白っぽいという現象が消えて、製品の品質をレベルアップさせること。
【0078】
(二)組織培養基に用いられる低次アシル基清型ジェランゴムの抽出
【0079】
実施例4
A.発酵液脱アシル基処理
凝集缶の中に、10m3のジェランゴム発酵液を90℃まで昇温し、撹拌し続けている状態で、アスコルビン酸を添加し、濃度を150ppmにする。さらに、10%濃度のKOHを入れて、pHを10.0にし、90℃の条件で10分ゆっくり撹拌し続けてから10%濃度の塩酸を入れて、pHを7.0に調整し、得られた溶液を次のステップに入る。
【0080】
B.発酵液の酵素処理
撹拌してから15kgのセルラーゼを入れて、温度を45℃にし、5.5時間ゆっくり撹拌し続ける。その後には2kgのリゾチームを添加し、温度を35℃にし、3時間ゆっくりと撹拌し続けてから4kgの中性プロテアーゼを添加し、温度を33℃にし、2.5時間撹拌し続ける。
【0081】
C.発酵液の凝集
上記の液体に塩化マグネシウム35kgをゆっくりと添加し、20min撹拌し続けてから水酸化ナトリウム20kgを添加し、10minを撹拌し続け、材料をポンプでバン式プレートとフレーム加圧ろ過機に濾過し、濾液が廃水処理所に入って、得られた950kgの濡れたろ過ケーキを次のステップのために準備する。
【0082】
D.脱アシル基ジェランゴム溶液脱水処理ンゴム清澄化処理
Cに得られたろ過ケーキを先に散乱機で短い繊維に分解し、重量の15倍量によって脱イオン水を入れて、溶液を加熱し90℃まで温度を上げる。溶液に適当な珪藻土を添加し、均一に撹拌し続き、温度を85℃に維持し、事前に珪藻土ろ過助剤を塗ってあるチャンバー型ポリプロピレンプレートとフレームフィルタープレスでジェランゴム溶液を循環に濾過し(得られた清澄化ジェランゴム溶液は分光光度計で測定した透明度が92%を超えるまで)、清澄化された溶液をゲル缶に入れる。
【0083】
E.脱アシル基ジェランゴム溶液脱水処理
ゲルの生成を避けるために、Dに得られた清澄化されたジェランゴム溶液の温度を65℃以上にしてから、溶液に30%濃度の塩化カリウム溶液400Lを入れて、5分ほどゆっくりと撹拌した後に、温度を50℃以下を強制的にする。生成した固く、脆性のゲルのコロイドをチャンバー型ポリプロピレンプレートとフレームフィルタープレスで圧搾し、水分含有量の80%程度のジェランゴムフィルム又はゴムブロック500kgが得られる。
【0084】
F.イオン交換及び脱色処理
Eに得られたジェランゴムゴムブロック又はフィルムをゲル切断機で円柱の小さな粒子に細かく刻んで、粒子の直径は3mm未満であり、長さは12mm未満である。ジェランゴムの小さな粒子を3倍の量の脱イオン水に入れて、それと同時に塩化カリウム溶液を入れて、濃度を5000ppmにし、溶液を10分ほどゆっくりと撹拌してから濾過膜で濾過する。フィルタ廃棄物を2.5倍の重量のエタノール溶液に浸漬させてかつ30分ほど高速撹拌する。バッグ圧搾機を使ってエタノールの溶液を脱し、濡れたジェランゴムばらばらの粒子495kgが得られる。
【0085】
G.適当な量のキレート剤/酸系の配合
Fに得られたジェランゴムにヘキサメタリン酸ソーダ10キログラムを添加してからクエン酸1キログラムを添加し、均一に混合する。
【0086】
H.乾燥粉砕
Gに得られた生成物を沸騰乾燥機により、75℃において乾燥しかつ粉砕する(その95%を80網目の篩を通過させるまで)。低次アシル基清型ジェランゴム製品110kgが得られる。
【0087】
実施例5
A.発酵液脱アシル基処理
凝集缶の中に、10m3のジェランゴム発酵液を90℃に昇温し、撹拌し続けている状態で、エリソルビン酸ナトリウムを添加し、濃度を200ppmにする。さらに、10%濃度のNaOHを入れて、pHを10.0にし、90℃の条件で10分ゆっくり撹拌し続けてから10%濃度の酢酸を入れて、pHを7.0に調整し、得られた溶液を次のステップに入る。
【0088】
B.発酵液の酵素処理
撹拌してから15kgのセルラーゼを入れて、温度を43℃にし、5時間ゆっくり撹拌し続ける。その後には2kgのリゾチームを添加し、温度を33℃にし、3時間ゆっくりと撹拌し続けてから4kgのアルカリプロテアーゼを添加し、温度を35℃にし、3時間撹拌し続ける。
【0089】
C.発酵液の凝集
上記の液体に塩化カルシウム35kgをゆっくりと添加し、20min撹拌し続けてから水酸化カリウム20kgを添加し、10minを撹拌し続け、材料をポンプでバン式加圧板加圧ろ過機に濾過し、濾液が廃水処理所に入って、得られた950kgの濡れたろ過ケーキを次のステップのために準備する。
【0090】
D.ジェランゴム清澄化処理
Cに得られたろ過ケーキを先に散乱機で短い繊維に分解し、重量の15倍量によって脱イオン水を入れて、溶液を加熱し90℃まで温度を上げる。微孔濾過膜でジェランゴム溶液を循環に濾過し、得られた清澄化されたジェランゴム溶液は分光光度計で測定した透明度が92%を超え、澄んでいる溶液をゲル缶に入れる
【0091】
E.脱アシル基ジェランゴム溶液脱水処理
ゲルの生成を避けるために、Dに得られた清澄化されたジェランゴム溶液の温度を65℃以上にしてから、溶液に30%濃度の塩化ナトリウム溶液400Lを入れて、5分ほどゆっくりと撹拌した後に、温度を50℃以下を強制的にする。生成した固く、脆性のゲルのコロイドをチャンバー型ポリプロピレンプレートとフレームフィルタープレスで圧搾し、水分含有量の80%程度のジェランゴムフィルム又はゴムブロック500kgが得られる。
【0092】
F.イオン交換及び脱色処理
Eに得られたジェランゴムゴムブロック又はフィルムをゲル切断機で円柱の小さな粒子に細かく刻んで、粒子の直径は3mm未満であり、長さは12mm未満である。ジェランゴム小さな粒子を3倍の量の脱イオン水に入れて、それと同時に塩化ナトリウム溶液を入れて、濃度を7000ppmにし、溶液を10分ほどゆっくりと撹拌してから濾過膜で濾過する。フィルタ廃棄物を2.5倍の重量のイソプロパノール溶液に浸漬させてかつ30分ほど高速撹拌する。バッグ圧搾機を使ってイソプロパノールの溶液を脱し、濡れたジェランゴムばらばらの粒子495kgが得られる。
【0093】
G.適当な量のキレート剤/酸系の配合
Fに得られたジェランゴムにクエン酸ナトリウム10.5キログラムを添加してからリンゴ酸1キログラムを添加し、均一に混合する。
【0094】
H.乾燥粉砕
Gに得られた生成物を沸騰乾燥機を通し、75℃において乾燥しかつ粉砕する(その95%を80網目の篩を通過させるまで)。低次アシル基清型ジェランゴム製品110kgが得られる。
【0095】
実施例6
A.発酵液脱アシル基処理
凝集缶の中に、10m3のジェランゴム発酵液を90℃まで昇温し、撹拌し続けている状態で、ピロ亜硫酸を添加し、濃度を250ppmにする。さらに、10%濃度のKOHを入れて、pHを10.0にし、90℃の条件で10分ゆっくり撹拌し続けてから10%濃度のクエン酸を入れて、pHを7.0に調整し、得られた溶液を次のステップに入る。
【0096】
B.発酵液の酵素処理
撹拌してから15kgのセルラーゼを入れて、温度を43℃にし、5時間ゆっくり撹拌し続ける。その後には2kgのリゾチームを添加し、温度を33℃にし、3時間ゆっくりと撹拌し続けてから4kgのアルカリプロテアーゼを添加し、温度を35℃にし、3時間撹拌し続ける。
【0097】
C.発酵液の凝集
上記の液体に塩化亜鉛35kgをゆっくりと添加し、20min撹拌し続けてから炭酸ソーダ20kgを添加し、10minを撹拌し続け、材料をポンプでバン式プレートとフレーム加圧ろ過機に濾過し、濾液が廃水処理所に入って、得られた950kgの湿ろ過ケーキを次のステップのために準備する。
【0098】
D.ジェランゴム清澄化処理
Cに得られたろ過ケーキを先に散乱機で短い繊維に分解し、重量の15倍量によって脱イオン水を入れて、溶液を加熱し90℃まで温度を上げる。溶液に適当な珪藻土を添加し、均一に撹拌し続き、温度を85℃に維持し、事前に珪藻土ろ過助剤を塗ってあるチャンバー型ポリプロピレンプレートとフレームフィルタープレスでジェランゴム溶液を循環に濾過し(得られた清澄化ジェランゴム溶液は分光光度計で測定した透明度が92%を超えるまで)、清澄化された溶液をゲル缶に入れる。
【0099】
E.脱アシル基ジェランゴム溶液脱水処理
ゲルの生成を避けるために、Dに得られた清澄化されたジェランゴム溶液の温度を65℃以上にしてから、溶液に30%濃度の塩化カルシウム溶液25Lを入れて、5分ほどゆっくりと撹拌した後に、温度を50℃以下を強制的にする。生成した固く、脆性のあるゲルのコロイドをチャンバー型ポリプロピレンプレートとフレームフィルタープレスで圧搾し、水分含有量の80%程度のジェランゴムフィルム又はゴムブロック500kgが得られる。
【0100】
F.イオン交換及び脱色処理
Eに得られたジェランゴムゴムブロック又はフィルムをゲル切断機で円柱の小さな粒子に細かく刻んで、粒子の直径は3mm未満であり、長さは12mm未満である。ジェランゴム小さな粒子を3倍の量の脱イオン水に入れて、それと同時に硫酸カリウム溶液を入れて、濃度を8000ppmにし、溶液を10分ほどゆっくりと撹拌してから濾過膜で濾過する。フィルタ廃棄物を2.5倍の重量のエタノール溶液に浸漬させてかつ30分ほど高速撹拌する。バッグ圧搾機を使ってエタノールの溶液を脱し、濡れたジェランゴムのばらばらの粒子495kgが得られる。
【0101】
G.適当な量のキレート剤/酸系の配合
Fに得られたジェランゴムにメタリン酸カリウム9.5キログラムを添加してからリンゴ酸0.8キログラムを添加し、均一に混合する。
【0102】
H.乾燥粉砕
Gに得られた生成物を真空乾燥機を通し、75℃において乾燥しかつ粉砕し、その95%を80網目の篩を通過させる。低次アシル基清型ジェランゴム製品108kgが得られる。
【0103】
従来の食品向け低次アシル基ジェランゴムのポスト抽出方法と比べ、上記のステップによって生成した組織培養基に適用の低次アシル基ジェランは以下のメリットを有する。
【0104】
ジェランゴムの分散性が良く、水和の温度が60℃であり、割と低い温度で溶解することができ、透明度の非常に高いゲルを配合すること、
ジェランゴム粉末と金属塩を混合してから溶解すれば、溶解が非常に困難であることがないとともに、たくさんのオパール色の綿状沈殿が出る現象は生じないこと、
製品品質が大幅に改善され、中国国外の進んでいるレベルに達する。製品外観に優れ、高い透明度と製品ゲル強度を有する。具体的には、色彩度が83%を超え、透明度が90%を超え、またゲル強度が400〜650g/cm2の範囲にあること。