(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記簡易ベッド作動システムは、上記前アクチュエータおよび/または上記後アクチュエータが手動で上昇または下降できるようにする手動引外し部品を備える、請求項1記載の簡易ベッド。
上記前キャリジ部材と連結され、前プーリと滑り係合された前キャリジテンション部材であって、上記前キャリジテンション部材は各前脚の動きを同期させる、上記前キャリジテンション部材と、
上記後キャリジ部材と連結され、後プーリと滑り係合された後キャリジテンション部材であって、上記後キャリジテンション部材は各後脚の動きを同期させる、上記後キャリジテンション部材と、をさらに備える、請求項1記載の簡易ベッド。
上記後脚は、1対の後ヒンジ部材を備え、後ヒンジ部材の各々は上記他端で上記支持枠に枢着され、上記一端で上記後脚の1つに枢着されている、請求項8記載の簡易ベッド。
上記前ヒンジ部材の1つと前車輪リンク機構とに係合された前タイミングベルトであって、上記支持枠の上記前端を上記前脚により上昇または下降させると、上記前タイミングベルトが上記前車輪リンク機構を回転させる、上記前タイミングベルトと、
上記後ヒンジ部材の1つと後車輪リンク機構とに係合された後タイミングベルトであって、上記支持枠の上記後端を上記後脚により上昇または下降させると、上記後タイミングベルトが上記後車輪リンク機構を回転させる、上記後タイミングベルトと、をさらに備える、請求項9記載の簡易ベッド。
上記前脚は、上記前脚同士の間で延び上記前脚と共に移動可能な前横ばりを備え、上記後脚は、上記後脚同士の間で延び上記後脚と共に移動可能な後横ばりを備える、請求項9記載の簡易ベッド。
上記操作制御装置は、上記前アクチュエータおよび後アクチュエータを作動させるか又は作動しないようにするか、の表示を与える視覚表示部品を備える、請求項13記載の簡易ベッド。
上記操作制御装置は、発動されると上記前脚および上記後脚が同時に引込みおよび/または伸張できるようにする同期モード部品を備えるコントロールボックスを備える、請求項13記載の簡易ベッド。
上記前端は、積載表面上で積載表面フックと係合するフック係合バーを備え、上記フック係合バーと上記積載表面フックとを係合すると、上記簡易ベッドが上記積載表面から滑って後退することを防ぐ、請求項1記載の簡易ベッド。
上記少なくとも1つの前車輪および/または上記少なくとも1つの後車輪に連結されたロック機構をさらに備える、上記簡易ベッドであって、上記ロック機構は、上記少なくとも1つの前車輪および/または上記少なくとも1つの後車輪を旋回状態と固定された状態との間で移行させる、請求項1記載の簡易ベッド。
上記支持枠に枢着された伸縮式リフトハンドルをさらに備える、上記簡易ベッドであって、上記伸縮式リフトハンドルは垂直のハンドル状態から横向きのハンドル状態へ回転可能である、請求項1記載の簡易ベッド。
コントローラエリアネットワークプロトコル、ブルートゥースプロトコル、ジグビープロトコル、またはそれらの組合せに準拠する通信信号を送受信するように操作できる通信部材をさらに備える、請求項1記載の簡易ベッド。
簡易ベッドを積載表面上に積込むか、積載表面上から積卸す方法であって、上記簡易ベッドが、上記簡易ベッドの1対の前脚に連結された前アクチュエータと、上記簡易ベッドの1対の後脚に連結された後アクチュエータとを備える、方法において、
簡易ベッドの前端が上記積載表面の上方にあり、上記簡易ベッドの中央部が上記積載表面から離れており、上記1対の前脚が上記簡易ベッドの下方の面と接触していないとともに上記1対の後脚が上記簡易ベッドの下方の面と接触しているとき、上記前アクチュエータで上記1対の前脚を作動する段階と、
上記簡易ベッドの上記前端が上記積載表面の上方にあり、上記簡易ベッドの上記中央部が上記積載表面の上方にあるとき、上記後アクチュエータで上記1対の後脚を作動する段階とを有する、方法。
第1の方向または第2の方向を示す入力信号を受信する段階であって、上記信号が第1の方向を示すときには上記1対の前脚および上記1対の後脚が独立に下降され、または、上記信号が第2の方向を示すときには上記1対の前脚および上記1対の後脚が独立に上昇される、入力信号を受信する段階をさらに有する、請求項34記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図中に述べられた実施形態は例示のためのものであり、本文書中に記載した実施形態を限定することを考えていない。さらに、図面と実施形態の個々の構成は詳細な説明を考慮すればより十分に明らかになり理解されるであろう。
【0016】
図1を参照しながら、運搬および積載用のロールイン型簡易ベッド10を示す。ロールイン型簡易ベッド10は、前端17および後端19からなる支持枠12からなる。本文書中に用いる場合、前端17は積載端、すなわち、最初に積載表面上に積み込まれるロールイン型簡易ベッド10の端部、と同義である。逆に、本文書中に用いられる場合、後端19は、最後に積載表面上に積み込まれるロールイン型簡易ベッド10の端部である。さらに、ロールイン型簡易ベッド10に患者を搭載すると、患者の頭部は前端17により近く向くであろうし、患者の足は後端19により近く向くと思われることに留意したい。したがって、“頭部端”という語句は“前端”という語句と交換可能に用いられることがあり、“足部端”という語句は“後端”という語句と交換可能に用いられることがある。さらに、語句“前端”と語句“後端”は交換可能であることに注目したい。したがって、これらの語句は判りやすくするために一貫して用いているが、本文書中に記載された実施形態は、本開示発明の範囲から逸脱しない程度に覆すことがある。一般に、本文書中で用いる場合、“患者”という用語は、生物または以前生きていた存在、例えば、人間、動物、死体等、を指す。
【0017】
図2と3を合わせて参照すると、前端17および/または後端19は伸縮自在に嵌められるようになっていてよい。一つの実施形態では、前端17は伸張および/または引込できる(
図2において一般的に矢印217により示される)。他の実施形態では、後端19は伸張および/または引込できる(
図2において一般的に矢印219により示される)。したがって、前端17と後端19との間の全長は増加および/または減少でき、大きさが様々な患者を収容するようになっている。さらに、
図3に描いたように、前端17は伸縮式リフトハンドル150からなっていてよい。伸縮式リフトハンドル150は支持枠12から離れる方向に伸張して持上げ力を与え、支持枠12に近づく方向に短縮して格納されるようになっていてよい。ある実施形態では、伸縮式リフトハンドル150は支持枠12に回動可能に連結され、垂直のハンドル状態から横向きのハンドル状態へ、またその逆に、回転可能である。伸縮式リフトハンドル150は、垂直のハンドル位置と横向きのハンドル位置に固定できる。1つの実施形態では、伸縮式リフトハンドル150を横向きのハンドル位置に置くと、伸縮式リフトハンドル150は支持枠12に隣接した掴み面を与え、手のひらを実質的に上向きおよび/または下向きにした状態で各伸縮式リフトハンドル150が手で掴めるようになっている。逆に、伸縮式リフトハンドル150を垂直のハンドル位置に置くと、親指を実質的に上向きおよび/または下向きにして各伸縮式リフトハンドル150が手で掴めるようになっている。
【0018】
図1と2を合わせて参照すると、支持枠12は、前端17と後端19との間を延びる1対の平行な横サイド部材15からなってよい。この横サイド部材15には種々の構造が考えられている。一つの実施形態では、横サイド部材15は1対の間隔を置いて配置された金属軌道でよい。他の実施形態では、横サイド部材15は、付属クランプ(図示せず)と係合可能なアンダーカット部115からなる。このような付属クランプは、点滴静注のためのポールのような患者用医療付属品をアンダーカット部115に着脱可能に連結するのに利用してよい。アンダーカット部115は横サイド部材の全長に沿って設けることにより、ロールイン型簡易ベッド10上の多くの異なった箇所に付属品が着脱可能に取付けられるようにしてよい。
【0019】
再び
図1を参照すると、ロールイン型簡易ベッド10は、支持枠12に連結された1対の伸縮可能な前脚20と、支持枠12に連結された1対の伸縮可能な後脚40からもなる。ロールイン型簡易ベッド10は、例えば金属構造物または複合構造物等の硬質材料からなっていてよい。具体的には、支持枠12、前脚20、後脚40、またはそれらの組合せは、炭素線維および樹脂構造物からなってよい。本文書中により詳細に記載したように、ロールイン型簡易ベッド10は前脚20および/または後脚40を伸ばすことにより多くの高さまで上昇させてよく、ロールイン型簡易ベッド10は前脚20および/または後脚40を縮めることにより多くの高さまで下降させてもよい。“上昇”、“下降”、“上方”、“下方”、“高さ”のような用語は本文書中では、基準(例えば、簡易ベッドを支持する表面)を用いて重力と並行の線に沿って測定した物体同士の距離関係を示すのに用いられることを注意したい。
【0020】
特定の実施形態では、前脚20と後脚40は各々横サイド部材15に連結されていてよい。
図8を参照すると、前脚20は横サイド部材15の軌道に摺動自在に連結された前キャリジ部材28からなっていてよく、後脚40も横サイド部材15の軌道に摺動自在に連結された後キャリジ部材48からなっていてよい。
図5A〜6Eおよび
図10を参照すると、ロールイン型簡易ベッド10を上昇または下降させると、キャリジ部材28および/または48はそれぞれ横サイド部材15の軌道に沿って内側または外側へ摺動する。
【0021】
図5A〜6Eに示すように、簡易ベッドを側方から見ると、前脚20と後脚40は、具体的には前脚20と後脚40が支持枠12(例えば横サイド部材15(
図1〜4))に連結されているそれぞれの箇所で、互いに交差していてよい。
図1の実施形態に示すように、後脚40は前脚20の内方に配置されてよい;すなわち、後脚40が各々前脚20同士の間に位置するように、後脚40同士が互いから間隔を置いて配置されるよりも大きな間隔を置いて前脚20同士が互いから離されて配置されてよい。さらに、前脚20と後脚40は、ロールイン型簡易ベッド10が転動できるようにする前車輪26と後車輪46からなってよい。
【0022】
1つの実施形態では、前車輪26と後車輪46は旋回キャスタ車輪または旋回固定車輪であってよい。以下に述べるように、ロールイン型簡易ベッド10を上昇および/または下降させると、前車輪26と後車輪46は同期して、ロールイン型簡易ベッド10の面と車輪26、46の面とが実質的に平行になるようにしてもよい。例えば、後車輪46は各々後車輪リンク機構47に連結していてよく、前車輪26は各々前車輪リンク機構27に連結していてよい。ロールイン型簡易ベッド10を上昇および/または下降させると、前車輪リンク機構27と後車輪リンク機構47は回転して、車輪26、46の面を制御してよい。
【0023】
ロック機構(図示せず)は前車輪リンク機構27および後車輪リンク機構47の1つに配置されて、操作員が車輪方向のロックを選択的に可能および/または不可能にするようにしてもよい。1つの実施形態では、ロック機構は前車輪26の1つおよび/または後車輪46の1つに連結されている。このロック機構は、車輪26、46を旋回状態と方向が固定された状態との間で移行させる。例えば、旋回状態では、車輪26、46は自由に旋回可能となり、これにより、ロールイン型簡易ベッド10が容易に回転できるようにしてよい。方向が固定された状態では、車輪26、46はアクチュエータ(例えば、ソレノイドアクチュエータ、遠隔操作サーボ機構など)により真直ぐな状態に作動されてよい。すなわち、前車輪26は直線方向に向けられ、固定され、後車輪46は自由に旋回し、これにより、後端19から押している操作員はロールイン型簡易ベッド10を前方に向けられる。
【0024】
再び
図1を参照すると、ロールイン型簡易ベッド10は、前脚20を動かすように構成されている前アクチュエータ16と、後脚40を動かすように構成されている後アクチュエータ18とからなる簡易ベッド作動システムからなっていてもよい。簡易ベッド作動システムは、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18との両者を制御するように構成されている1つのユニット(例えば集中型モータおよびポンプ)からなってよい。例えば、簡易ベッド作動システムは、バルブ、制御ロジック等を利用して前アクチュエータ16、後アクチュエータ18またはこれら両者を駆動できる1つのモータを持つ1つのハウジングからなってよい。あるいは、
図1に示したように、簡易ベッド作動システムは、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18とを別個に制御するように構成されている別個のユニットからなってよい。この実施形態では、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18は各々、アクチュエータ16または18を駆動する個々のモータを持つ別個のハウジングを含んでよい。アクチュエータは本実施形態においては油圧アクチュエータまたはチェーンリフトアクチュエータとして示されているが、その他種々の構造物も適したものと考えられている。
【0025】
図1を参照すると、前アクチュエータ16は支持枠12に連結され、前脚20を作動し、ロールイン型簡易ベッド10の前端17を上昇および/または下降させるように構成されている。さらに、後アクチュエータ18は支持枠12に連結され、後脚40を作動し、ロールイン型簡易ベッド10の後端19を上昇および/または下降させるように構成されている。簡易ベッド作動システムは、モータ付き、油圧式、またはそれらの組合せでよい。さらに、ロールイン型簡易ベッド10は、どのような適当な動力源により動力を供給されてもよい。例えば、ロールイン型簡易ベッド10は、その動力源として約24V(公称電圧)または約32V(公称電圧)のような電圧を供給できる電池からなってよい。
【0026】
前アクチュエータ16と後アクチュエータ18は、前脚20と後脚40を同時または独立に作動するように操作可能である。
図5A〜6Eに示すように、同時および/または独立作動はロールイン型簡易ベッド10を種々の高さに位置づけることができる。
【0027】
支持枠12を上昇、下降させるだけでなく、前脚20と後脚40を引き込ませるのに適したアクチュエータが本文書中では考えられている。
図3と8に示したように、前アクチュエータ16および/または後アクチュエータ18は、チェーンリフトアクチュエータ(例えば、米国ミシガン州スターリングハイツのセラピッド社製チェーンリフトアクチュエータ)を含んでよい。あるいは、前アクチュエータ16および/または後アクチュエータ18は、車輪および車軸アクチュエータ、油圧ジャッキアクチュエータ、油圧コラムアクチュエータ、伸縮式油圧アクチュエータ電動モータ、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、リニアアクチュエータ、スクリューアクチュエータなども含んでよい。例えば、本文書中に記載されたアクチュエータは、約350ポンド(約158.8kg)の動的力と約500ポンド(約226.8kg)の静的力を与えることができるものでよい。さらに、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18は集中配置されたモータ系または多くの独立したモータ系により操作されてよい。
【0028】
図1〜2と7A〜7Bに略図で示された1つの実施形態では、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18は、ロールイン型簡易ベッド10を作動させるための油圧アクチュエータからなる。
図7Aに示されたこの実施形態において、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18は二重ピギーバック油圧アクチュエータである。二重ピギーバック油圧アクチュエータは、対になって互いにおぶさった(すなわち、機械的に連結された)4つの延設したロッドを持つ4つの油圧シリンダからなる。したがって、二重ピギーバックアクチュエータは、第1のロッドを持つ第1の油圧シリンダ、第2のロッドを持つ第2の油圧シリンダ、第3のロッドを持つ第3の油圧シリンダ、そして第4のロッドを持つ第4の油圧シリンダからなる。
【0029】
図示した実施形態においては、二重ピギーバック油圧アクチュエータは、実質的に“H”形(すなわち、2つの垂直部が1つの交差部により接続されている)の剛性支持枠180からなる。剛性支持枠180は、2つの垂直部材184に、これら2つの垂直部材184の各々のほぼ中央で連結されたクロス部材182からなる。ポンプモータ160と流体溜め162は、クロス部材182に連結されており、しかも流体が連通されるように連結されている。1つの実施形態では、ポンプモータ160と流体溜め162は、クロス部材182のそれぞれ反対側に配置されている(例えば、流体溜め162はポンプモータ160の上方に配置されている)。具体的には、ポンプモータ160は、約1400ワットのピーク出力を持つブラシ付き双方向回転電動モータでよい。剛性支持枠180は、さらなる剛性を与えるため、また、作動中にクロス部材182に対する垂直部材184の動きに抵抗するため、追加のクロス部材または支持板を含んでよい。
【0030】
各垂直部材184は1対の互いにおぶさった油圧シリンダ(すなわち、第1の油圧シリンダと第2の油圧シリンダまたは第3の油圧シリンダと第4の油圧シリンダ)からなり、この場合、第1のシリンダはロッドを第1の方向に延ばし、第2のシリンダはロッドを実質的に逆の方向に延ばしている。これらのシリンダを主従形態に配置すると、垂直部材184のうち1つは、上部主シリンダ168と下部主シリンダ268からなる。垂直部材184のうち他の1つは、上部従シリンダ169と下部従シリンダ269からなる。主シリンダ168、268は互いにおぶさり、ロッド165、265を実質的に互いに反対方向に延ばす一方、主シリンダ168、268は互いの垂直部材184中に置かれ、および/または、ロッド165、265を実質的に同一方向に延ばしてもよい、ことに注意してほしい。
【0031】
図7Bを参照すると、2つのシリンダを流体が連通するように配置することにより、主従油圧回路が形成される。具体的には、上部主シリンダ168は上部従シリンダ169と流体連通状態になっており、流体接続部170を介して作動油を通してよい。ポンプモータ160は、流体溜め162に貯えられた作動油を加圧する。上部主シリンダ168は、上部主ピストン164の片側に置かれた第1の主容積172でポンプモータ160から加圧された作動油を受取る。加圧された作動油は上部主ピストン164を変位させるにつれて、上部主ピストン164に連結された上部主ロッド165は上部主シリンダ168から延出し、二次作動油は上部主ピストン164の他の側に置かれた第2の主容積174から移される。この二次作動油は流体接続部170を通して送られ、上部従ピストン166の片側に置かれた従容積176で受取られる。上部主シリンダ168から移された二次作動油の容積は実質的に従容積176と等しいので、上部従ピストン166と上部主ピストン164は実質的に同じ速度で変位され、実質的に同じ距離を走行する。したがって、上部従ピストン166に連結された上部従ロッド167と、上部主ロッド165とは実質的に同じ速度で変位され、実質的に同じ距離を走行する。
【0032】
図7Aを参照しなおすと、下部主シリンダ268を下部従シリンダ269と流体連通状態で配置することにより、同様の主従油圧回路が形成される。したがって、下部主ロッド265と下部従ロッド267は実質的に同じ速度で変位され、実質的に同じ距離を走行する。もう1つの実施形態では、分流器を用いて、ポンプモータ160からの加圧作動油の流通を調節し、流れを上部主シリンダ168と下部主シリンダ268とで実質的に等しく分け、これによりロッド165、167、265、267の全てを一斉に動かすようにしてよい。すなわち、この流体を両方の主シリンダで等しく分け、上部ロッドと下部ロッドとを同時に動かすことができる。ロッド165、167、265、267の変位の方向はポンプモータ160により制御される。すなわち、作動油の圧力は比較的に高く設定することにより、圧力油を主シリンダに供給して相当する脚を上昇させてもよく、比較的に低く設定することにより、圧力油を主シリンダから引抜いて相当する脚を下降させてもよい。
【0033】
簡易ベッド作動システムを典型的に動力付きとすると、簡易ベッド作動システムは、操作員が前および後アクチュエータ16、18を手動で上昇または下降できるように構成されている手動引外し部品(例えば、ボタン、テンション部材、スイッチ、連結装置またはレバー)を備えてもよい。1つの実施形態では、手動引外し部品は前および後アクチュエータ16、18の駆動ユニット同士を切り離して、手動操作が容易に行われるようにする。したがって、例えば、駆動ユニット同士を切り離し、ロールイン型簡易ベッド10を手動で上昇させる場合、車輪26、46は地面と接触したままでよい。手動引外し部品は、ロールイン型簡易ベッド10上の様々な位置に配設してよく、例えば、ロールイン型簡易ベッド10の後端19または側面に配設してよい。
【0034】
ロールイン型簡易ベッド10が水平であるかどうかを決定するには、センサ(図示せず)を利用して、距離および/または角度を測ってよい。例えば、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18は各々、各アクチュエータの長さを測定するエンコーダからなってよい。1つの実施形態では、エンコーダはリアルタイムエンコーダであり、簡易ベッドに動力が入っている又は入っていない(手動制御)時のアクチュエータの全長の動きまたはアクチュエータの長さの変化を検出するように操作可能である。種々のエンコーダが考えられるが、1つの商業的に具体化したエンコーダは、米国ミネソタ州ウォータータウンのミッドウエストモーションプロダクツ社(Midwest Motion Products, Inc.)により製造された光学式エンコーダでよい。他の実施形態では、簡易ベッドは角度センサからなり、例えば電位差計回転式センサ、ホール効果回転式センサなどのような、実際の角度または角度変化を測定するものである。角度センサは、前脚20および/または後脚40の枢着部の何れかの角度を検出するように操作できる。1つの実施形態では、角度センサは前脚20および後脚40に操作可能に連結されて、前脚20の角度と後脚40の角度との差(角度Δ)を検出する。積載状態角度は、約20度のような角度、またはロールイン型簡易ベッド10が搭載状態(積込みおよび/または積降しを示す)にあることを一般的に示す他の角度に設定してよい。したがって、角度Δが積載状態角度を超えると、ロールイン型簡易ベッド10は搭載状態にあることを検出し、搭載状態にあることに依存した何らかの行動を行ってよい。
【0035】
本文書中で用いる場合、用語“センサ”は、物理量を測定し、それを物理量の測定値に相関する信号に変換する装置を意味する、と留意すべきである。さらに、用語“信号”は、一つの箇所から他の箇所に伝達可能である、電流、電圧、磁束、DC、AC、正弦波、三角波、方形波などのような電気的、磁気的または光学的波形を意味する。
【0036】
図3を参照すると、前脚20はさらに、1対の前脚20同士の間で水平に延び、これら前脚20と共に移動可能な前横ばり22からなってよい。また、前脚20は、一端で支持枠12に枢着され、他端で前脚20に枢着された1対の前ヒンジ部材24からなる。同様に、1対の後脚40は、1対の後脚40同士の間で水平に延び、これら後脚40と共に移動可能な後横ばり42からなる。また、後脚40は、一端で支持枠に枢着され、他端で後脚40に枢着された1対の後ヒンジ部材44からなる。具体的実施形態では、前ヒンジ部材24と後ヒンジ部材44は、支持枠12の横サイド部材15に枢着されてよい。本文書中に用いる場合、“枢着”とは、2つの物体が直線運動に抵抗するように、またこれら物体間の回転または揺動を容易にするように互いに連結されていることを意味する。例えば、前および後ヒンジ部材24、44はそれぞれ前および後キャリジ部材28、48と共に摺動しないが、前および後脚20、40が上昇、下降、引込または開放される際に回転または枢動する。
図3の実施形態に示すように、前アクチュエータ16は前横ばり22に連結されてよく、後アクチュエータ18は後横ばり42に連結されてよい。
【0037】
図4を参照すると、前端17も1対の前負荷車輪70からなってよく、ロールイン型簡易ベッド10を積載表面500(例えば、救急車の床)上に搭載する手助けをするように構成されている。ロールイン型簡易ベッド10は、積載表面500に対する前負荷車輪70の場所(例えば、当該表面上方の距離または当該表面との接触)を検出するように動作可能なセンサからなってよい。1つ以上の実施形態においては、前負荷車輪センサはタッチセンサ、近接センサ、または前負荷車輪70が積載表面500上方にある時、これを検出するのに有効な他の適当なセンサ、からなる。1つの実施形態では、前負荷車輪センサは、前負荷車輪から負荷車輪下方の表面までの距離を直接または間接に検出するように位置あわせされた超音波センサである。具体的には、本文書中に記載された超音波センサは、表面が超音波センサから規定可能範囲内の距離にある時に(例えば、表面の距離が第1の距離より大きいが、第2の距離よりは小さい時に)表示を出すように操作可能でよい。したがって、この規定可能な範囲は、ロールイン型簡易ベッド10の一部が積載表面500に近接すると、センサにより正の表示が出されるように設定してよい。
【0038】
さらなる実施形態では、多数の前負荷車輪センサは、両方の前負荷車輪70が積載表面500に対し規定可能な範囲内にある時のみ(すなわち、前負荷車輪70は表面と接触していることを示すように距離を設定してよい)、前負荷車輪センサが発動されるように、直列状態にあってよい。これに関連して用いる場合、“発動される”は、前負荷車輪70は両方とも積載表面500上方にあるという信号を前負荷車輪センサがコントロールボックス50に送ることを意味する。両方の前負荷車輪70が積載表面500上にあるようにするのが重要と思われる。ロールイン型簡易ベッド10が坂にいる救急車に搬入される状況では、特にそうである。
【0039】
本文書中に記載された実施形態において、コントロールボックス50は処理装置と記憶装置からなるか、またはそれらと操作可能に連結されている。処理装置は、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、または機械で読み取れる指示を実行できるその他の演算装置でよい。電子記憶装置はRAM、ROM、フラッシュメモリー、ハードドライブ、または機械で読み取れる指示を保存できる装置でよい。さらに、距離センサは、下表面と部品―例えば、前端17、後端19、前負荷車輪70、前車輪26、中間負荷車輪30、後車輪46、前アクチュエータ16、または後アクチュエータ18―との距離が決定されるようにロールイン型簡易ベッド10のどの部分に連結されてもよいことを注意しておきたい。
【0040】
さらなる実施形態では、ロールイン型簡易ベッド10は他の装置(例えば、救急車、診断システム、簡易ベッド付属品、またはその他の医療器具)と通信する能力を持つ。例えば、コントロールボックス50は、通信信号を送受信するように操作できる通信部材からなってもよいし、またはこの通信部材と操作可能に連結されてもよい。通信信号は、コントローラエリアネットワーク(Controller Area Network (CAN))プロトコル、ブルートゥース(Bluetooth)プロトコル、ジグビー(ZigBee)プロトコル、またはその他の通信プロトコルに準拠する信号でよい。
【0041】
前端17はフック係合バー80からなっていてもよく、これは典型的には前負荷車輪70同士の間に配設されており、前方および後方に旋回するように動作できる。
図3のフック係合バー80はU形であるが、フック、ストレートバー、円弧形バー等のようなその他様々な構造物を用いてもよい。
図4に示したように、フック係合バー80は、積載表面500上で積載表面フック550と係合するように操作できる。積載表面フック550は、救急車の床面上ではありふれている。フック係合バー80と積載表面フック550とを係合すると、ロールイン型簡易ベッド10が積載表面500から滑って後退することを防ぐと思われる。さらに、フック係合バー80は、フック係合バー80と積載表面フック550との係合を検出するセンサ(図示せず)からなってよい。このセンサは、タッチセンサ、近接センサ、または積載表面フック550の係合を検出するのに操作可能な他の適当なセンサ、からなってよい。1つの実施形態では、フック係合バー80と積載表面フック550との係合は、前アクチュエータ16を発動させ、これにより前脚20を引き込ませる準備をして積載表面500への搭載に備えるように構成してよい。
【0042】
さらに
図4を参照すると、前脚20は前脚20に取り付けられた中間負荷車輪30からなってよい。1つの実施形態では、中間負荷車輪30は前脚20上で前横ばり22に隣接して配置してよい。前負荷車輪70と同様に、中間負荷車輪30は、中間負荷車輪30が積載表面500から離れている距離を測定するように作用するセンサ(図示せず)からなってよい。このセンサは、タッチセンサ、近接センサ、または中間負荷車輪30が積載表面500の上方にあることを検出するように作用する他の適当なセンサ、からなってよい。本文書中により詳細に説明しているように、負荷車輪センサは、これらの車輪が輸送手段の床上にあることで、後脚40が安全に引き込められることを検出してよい。幾つかの追加の実施形態では、前負荷車輪センサのように、中間負荷車輪センサは直列状態にあってよく、これには、負荷車輪が積載表面500上方にあることをセンサが示す前に、すなわち、コントロールボックス50に信号を送る前に、中間負荷車輪30は両方とも積載表面500上方になければならない。1つの実施形態では、中間負荷車輪30が積載表面から設定距離内にあるとき、中間負荷車輪センサは信号を出してよく、これにより、コントロールボックス50に後アクチュエータ18を発動させる。図は中間負荷車輪30が前脚20だけに置かれているものとして描いているが、中間負荷車輪30は後脚40上に配置されてもよく、または、中間負荷車輪30が前負荷車輪70と協力して積込および/または積卸を容易にするようなロールイン型簡易ベッド10上の他の位置(例えば、支持枠12)に配置されてもよいとも考えている。
【0043】
さらに、
図8と11に示すように、ロールイン型簡易ベッド10は、前キャリジ部材28と後キャリジ部材48とに連結されたキャリジテンション部材120からなるテンション部材およびプーリシステム200からなる。キャリジテンション部材120は、前キャリジ部材28同士をつなげるループを形成している。キャリジテンション部材120はプーリ122と滑り係合して、前キャリジ部材28を通して延びている。同様に、キャリジテンション部材120は、後キャリジ部材48同士をつなげるループを形成している。キャリジテンション部材120はプーリ122と滑り係合して、後キャリジ部材48を通して延びている。キャリジテンション部材120は前キャリジ部材28と後キャリジ部材48が一斉に動く(一般的に、
図11の矢印で表す)ようにする。すなわち、前脚20同士が一斉に動き、後脚40同士が一斉に動くようにする。
【0044】
前キャリジ部材28の両方のキャリジテンション部材120と後キャリジ部材48の両方のキャリジテンション部材120とを連結することにより、プーリシステムは前脚20または後脚40の平行移動を確保し、支持枠12の左右の揺れを減らし、横サイド部材15内の曲げを減らす。このプーリシステムは、ロールイン型簡易ベッド10の両側の運動が同期される(例えば、前脚20の各々、後脚40の各々、および/または他の部品)ようにするタイミングシステムを設けるという追加の利点を持ってもよい。このタイミングシステムは、キャリジテンション部材120とプーリ122を
図11に示した実施形態で配列することにより達成してよい。この実施形態においては、キャリジテンション部材120は交差させ、一方の前脚20が他方の前脚20と別個に動けないようにしている。本文書中で用いる場合、語句“テンション部材”は、例えばケーブル、コード、ベルト、リンク機構、チェーンなどのような、張力を介して力を伝えることができる実質的に可撓性のある細長い構造物を意味する。
【0045】
図9を参照すると、1つの実施形態において、ロールイン型簡易ベッド10はタイミングベルトおよび歯車システム201からなる。歯車システム201は、前脚20の少なくとも一部内に配置されたタイミングベルト130からなる。タイミングベルト130は、前脚20に枢着された歯車132と係合している。歯車132の1つは前ヒンジ部材24と連結され、歯車のもう1つは前車輪リンク機構27と連結されている。前脚20が作動されるにつれて枢動する前ヒンジ部材24は、前脚20に対して歯車132を枢動させる。前ヒンジ部材24に連結された歯車132が回転すると、タイミングベルト130はこの回転を前車輪リンク機構27に連結された歯車132に伝える。
図9に描かれた実施形態では、前ヒンジ部材24に連結された歯車132は、前車輪リンク機構に連結された歯車132の直径の半分である。したがって、前ヒンジ部材24の回転Δ1は、前ヒンジ部材24の回転Δ1の大きさの半分である前車輪リンク機構27の回転Δ2を引起すであろう。具体的には、前ヒンジ部材24が10度回転すると、直径の差に起因して前車輪リンク機構27は5度回転するだけであろう。本文書中に記載されたタイミングベルトおよび歯車システム201に加え、他の部品、例えば油圧システムまたは回転センサ、も本発明中で利用可能と考えられる。すなわち、タイミングベルトおよび歯車システム201は、角度検出センサと、前車輪リンク機構27を作動するサーボ機構とに交換してよい。本文書中に用いている語句“タイミングベルト”は、歯車またはプーリに摩擦係合するように構成されているテンション部材を意味する。
【0046】
さらなる実施形態では、前脚20の両方はタイミングベルトおよび歯車システム201からなる。このような実施形態において、前脚20により支持枠12の前端17を上昇又は下降させると、前車輪リンク機構27の回転を引起す。さらに、後脚40はタイミングベルトおよび歯車システム201からなってよく、この場合、後脚40により支持枠12の後端19を上昇又は下降させると、後車輪リンク機構47の回転を引起す。このように、前脚20および後脚40の各々がタイミングベルトおよび歯車システム201からなる実施形態においては、前車輪26と後車輪46とは、前車輪26および後車輪46が様々な簡易ベッド高さで表面を横断して転動できることを確実にする。したがって、ロールイン型簡易ベッド10は支持枠12が実質的に地面に並行である時、どの高さでも左右に転動してよい。すなわち、前脚20と後脚40は実質的に同一の長さまで作動される。
【0047】
再び
図3を参照すると、ロールイン型簡易ベッド10は、それぞれ前および後アクチュエータ16、18が張力または圧縮力を受けているかどうかを検出するように構成されている前アクチュエータセンサ62と後アクチュエータセンサ64からなってよい。本文書中で用いた用語“テンション”は、引張力がセンサにより検出されていることを意味する。そのような引張力は通常、アクチュエータに連結された脚から負荷が取除かれていることに係わる。すなわち、脚および/または車輪が支持枠12の下方の表面と接触しないで支持枠12から吊り下げられている。さらに、本文書中で用いた用語“圧縮”は、押圧力がセンサにより検出されていることを意味する。そのような引張力は通常、アクチュエータに連結された脚に負荷がかかっていることに係わる。すなわち、脚および/または車輪が支持枠12の下方の表面と接触して、連結しているアクチュエータに圧縮ひずみを移している。1つの実施形態では、前アクチュエータセンサ62と後アクチュエータセンサ64は支持枠12に連結されている。しかしながら、他の箇所または形態が本発明では考えられる。センサは近接センサ、ひずみゲージ、ロードセル、ホール効果センサ、または前アクチュエータ16および/または後アクチュエータ18が張力または圧縮力を受けている時には、これを検出するように作用するその他の適当なセンサでよい。さらなる実施形態において、前アクチュエータセンサ62および後アクチュエータセンサ64は、ロールイン型簡易ベッド10上に置かれた患者の体重を検出する(例えば、ひずみゲージを利用する場合)ように作用してよい。
【0048】
図1〜4を参照すると、ロールイン型簡易ベッド10の動きは操作制御装置を介して制御してよい。再び
図1の実施形態を参照すると、後端19はロールイン型簡易ベッド10用の操作制御装置からなってよい。本文書中で用いる場合、操作制御装置は、前脚20、後脚40、支持枠12の動きを制御することによりロールイン型簡易ベッド10を積込、積卸する際に操作員が用いる部品である。
図2を参照すると、操作制御装置はロールイン型簡易ベッド10の後端19に配置された1つ以上の手動制御装置57(例えば、伸縮式ハンドル上のボタン)からなってよい。さらに、操作制御装置はロールイン型簡易ベッド10の後端19に配置されたコントロールボックス50を含んでよく、既定独立モードおよび同期または“シンクロ”モードから転換する際に簡易ベッドにより用いられる。コントロールボックス50は1つ以上のボタン54、56からなってよく、これらのボタンにより、簡易ベッドではシンクロモードになると、前脚20と後脚40の両方が同時に上昇および下降できる。具体的な実施形態では、シンクロモードは一時的に行うだけでよく、簡易ベッド操作はある時間の経過後、例えば約30秒後、既定のモードに戻るであろう。さらなる実施形態では、ロールイン型簡易ベッド10を積込および/または積卸する際にシンクロモードを利用してよい。様々な位置が考えられているが、コントロールボックスを後端19のハンドル同士の間に配設してよい。
【0049】
手動制御の実施形態の代わりとして、コントロールボックス50は、ロールイン型簡易ベッド10を上昇、下降させるのに使用できる部品を含んでもよい。1つの実施形態では、この部品はトグルスイッチ52であり、簡易ベッドを上昇(+)または下降(−)できる。他のボタン、スイッチ又はつまみも適している。本文書中により詳細に説明しているように、ロールイン型簡易ベッド10中にセンサ類を統合することで、ロールイン型簡易ベッド10の位置により、上昇、下降、引込みまたは解除されるように操作できる前脚20または後脚40を制御するのにトグルスイッチ52を用いてよい。1つの実施形態では、トグルスイッチはアナログ式である(すなわち、アナログスイッチの圧力および/または変位は作動速度に比例する)。操作制御装置は、視覚表示部品58からなってよく、この部品は、前および後アクチュエータ16、18を作動させるか又は作動しないようにするか、それにより上昇、下降、引込または解除させてよいかどうかを操作員に教えるように構成されている。本実施形態において操作制御装置はロールイン型簡易ベッド10の後端19に配置されているが、操作制御装置を支持枠12の他の位置、例えば前端17または支持枠12の側面、に位置づけることも考えられている。よりいっそうの実施形態では、操作制御装置は、ロールイン型簡易ベッド10に物理的に取付けられていなくてもロールイン型簡易ベッド10を制御できる着脱可能に取付けできる無線遠隔制御装置中に位置してよい。
【0050】
図4に示したような他の実施形態では、ロールイン型簡易ベッド10はさらに、照明が少ないか視界の悪い環境でロールイン型簡易ベッド10を照らすように構成された光帯片140からなってよい。光帯片140はLED、電球、燐光物質、またはそれらの組合せからなってよい。光帯片140は、照明不良または視界不良の環境を検出するセンサにより起動してよい。さらに、簡易ベッドは光帯片140用のオンオフボタンまたはスイッチからなってもよい。
図4の実施形態において光帯片140は支持枠12の側面に沿って設置されているが、光帯片140は前および/または後脚20、40上や、ロールイン型簡易ベッド10上のその他様々な箇所に配置可能とも考えられている。さらに、光帯片140は救急車の非常灯に類似した緊急標識として利用してよいことに留意すべきである。このような緊急標識は、この緊急標識に注意を向けさせるように、また、例えば光原てんかん、まぶしさ、光走性のような危険要因を軽減させるように、警告灯を順次に配列するように構成されている。
【0051】
ロールイン型簡易ベッド10の実施形態が同時に作動される場合について言えば、
図4の簡易ベッドは伸長された形態で描かれているので、前アクチュエータセンサ62と後アクチュエータセンサ64は、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18が圧縮力を受けていることを検出する。すなわち、前脚20と後脚40とが下面と接触しており、積載状態にあることを検出する。前および後アクチュエータセンサ62、64が、前および後アクチュエータ16、18がそれぞれ圧縮され、
図2に示すように操作制御装置を用いて操作員により上昇または下降できる(例えば、下降には“−”、上昇には“+”)ことを検出すると、前および後アクチュエータ16、18は両方とも作動可能となる。
【0052】
図5A〜5Cを合わせて参照すると、同時作動を介してロールイン型簡易ベッド10の実施形態が上昇される(
図5A〜5C)か下降される(
図5C〜5A)様子が模式的に示されている(わかり易くするため、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18は
図5A〜5Cでは図示していない)。図示した実施形態において、ロールイン型簡易ベッド10は、1対の前脚20と1対の後脚40と滑り係合された支持枠12からなる。前脚20の各々は、支持枠12に回転可能に連結された前ヒンジ部材24に回転可能に連結されている(例えば、キャリジ部材28、48を介して(
図8))。後脚40の各々は、支持枠12に回転可能に連結された後ヒンジ部材44に回転可能に連結されている。図示した実施形態において、前ヒンジ部材24は支持枠12の前端17に向かって回転可能に連結されており、後ヒンジ部材44は支持枠12に対しその後端19に向かって回転可能に連結されている。
【0053】
図5Aはロールイン型簡易ベッド10を最も低い輸送位置で描いている(例えば、後車輪46と前車輪26は表面と接触し、前脚20は前脚20が後端19に向かって支持枠12の一部と接触するように支持枠12と滑り係合し、後脚40は後脚40が前端17に向かって支持枠12の一部と接触するように支持枠12と滑り係合している)。
図5Bはロールイン型簡易ベッド10を中間の輸送位置で描いている;すなわち、前脚20と後脚40が支持枠12に沿った中間の輸送位置にある。
図5Cはロールイン型簡易ベッド10を最も高い輸送位置で描いている;すなわち、本文書中により詳細に記載したように、前負荷車輪70が簡易ベッドを支えるのに十分な高さに設定できる所望の最大高さにあるように前脚20と後脚40が支持枠12に沿って位置づけされている。
【0054】
本文書中に記載した実施形態は、患者を輸送手段に搭載することに備えて、患者を輸送手段より下方の位置から持ち上げる(例えば、地面から救急車の積載表面の上方に)のに利用してよい。具体的には、前脚20と後脚40を同時に作動し、これらの脚を支持枠12に沿って摺動させることにより、ロールイン型簡易ベッド10を最も低い輸送位置(
図5A)から中間の輸送位置(
図5B)または最も高い輸送位置(
図5C)へ上昇させてよい。上昇の過程で、この作動は、前脚を前端17に向かって摺動させ前ヒンジ部材24を中心に回転させ、後脚を後端19に向かって摺動させ後ヒンジ部材44を中心に回転させる。具体的には、使用者はコントロールボックス50(
図2)と対話して、ロールイン型簡易ベッド10を上昇させたいことを示す入力を与えてもよい(例えば、トグルスイッチ52で“+”を押すことにより)。ロールイン型簡易ベッド10は、その現在位置(例えば、最も低い輸送位置または中間の輸送位置)から最も高い輸送位置へ到達するまで上昇される。最も高い輸送位置へ達すると、この作動は自動的に止まってよい。すなわち、ロールイン型簡易ベッド10をさらに高く上昇させるには、追加の入力が必要である。入力はロールイン型簡易ベッド10および/またはコントロールボックス50に電子的、音響的または手動等の如何なる方法で与えてもよい。
【0055】
前脚20と後脚40を同時に作動し、これらの脚を支持枠12に沿って摺動させることにより、ロールイン型簡易ベッド10を中間の輸送位置(
図5B)または最も高い輸送位置(
図5C) から最も低い輸送位置(
図5A)へ下降させてよい。具体的には、下降の過程で、この作動は、前脚を後端19に向かって摺動させ前ヒンジ部材24を中心に回転させ、後脚40を前端17に向かって摺動させ後ヒンジ部材44を中心に回転させる。例えば、使用者はロールイン型簡易ベッド10を下降させたいことを示す入力を与えてもよい(例えば、トグルスイッチ52で“−”を押すことにより)。この入力を受取ると、ロールイン型簡易ベッド10は、その現在位置(例えば、最も高い輸送位置または中間の輸送位置)から最も低い輸送位置へ到達するまで下降する。ロールイン型簡易ベッド10が最も低い高さ(例えば、最も低い輸送位置)に達すると、この作動は自動的に止まってよい。幾つかの実施形態では、移動中に前脚20と後脚40が作動していることを視覚的に示す表示をコントロールボックス50(
図1)が与える。
【0056】
1つの実施形態では、ロールイン型簡易ベッド10が最も高い輸送位置(
図5C)にある時、前脚20は前積載指標221で支持枠12と接触しており、後脚40は後積載指標241で支持枠12と接触している。前積載指標221と後積載指標241を
図5Cで支持枠12の中央近くに置かれたものとして描くが、前積載指標221と後積載指標241が支持枠12に沿ったどの位置にも置かれている付加的な実施形態も考えられる。例えば、ロールイン型簡易ベッド10を所望の高さまで作動し、最も高い輸送位置を設定したいことを示す入力を与えることにより(例えば、トグルスイッチ52で“+”と“−”を同時に押して10秒間保持することにより)、最も高い輸送位置を設定してもよい。
【0057】
もう1つの実施例では、ロールイン型簡易ベッド10をある設定時間(例えば30秒間)最も高い輸送位置上方に上昇させるといつでも、コントロールボックス50は、ロールイン型簡易ベッド10が最も高い輸送位置を越えており、ロールイン型簡易ベッド10を下降させる必要がある、という表示を出す。この表示は視覚的、音響的、電子的、またはそれらの組合せでよい。
【0058】
ロールイン型簡易ベッド10が最も低い輸送位置にある時(
図5A)、前脚20は支持枠12の後端19に近い箇所に置かれた前平坦指標220で支持枠12に接触していてよく、後脚40は支持枠12の前端17に近い箇所に置かれた後平坦指標240で支持枠12に接触していてよい。さらに、本文書中で用いる場合、用語“指標”は支持枠12沿いの位置を意味し、例えば横サイド部材15に形成された溝中の障害物、ロック機構、またはサーボ機構により制御される止め具のような機械的止め具または電気的止め具に相当する。
【0059】
前アクチュエータ16は、後アクチュエータ18と独立に支持枠12の前端17を上昇または下降するように作用可能である。後アクチュエータ18は、前アクチュエータ16と独立に支持枠12の後端19を上昇または下降するように作用可能である。前端17または後端19を独立に上昇させることにより、ロールイン型簡易ベッド10は、ロールイン型簡易ベッド10が平坦でない表面上、例えば、階段や丘、を動かされる時、支持枠12を水平または実質的に水平に維持できる。具体的には、前脚20または後脚40の1つに張力がかかっている場合、表面と接触していない組の脚(すなわち、張力を受けている組の客)はロールイン型簡易ベッド10により作動される(例えば、ロールイン型簡易ベッド10を縁石をよけて動かす)。ロールイン型簡易ベッド10のさらなる実施形態は自動的に水平になるように操作できる。例えば、後端19が前端17より低い場合、トグルスイッチ52の“+”を押すと、ロールイン型簡易ベッド10を上昇させるより前に後端19を上昇させて水平にし、トグルスイッチ52の“−”を押すと、ロールイン型簡易ベッド10を下降させるより前に前端17を下降させて水平にする。
【0060】
図2に描かれた1つの実施形態では、ロールイン型簡易ベッド10は、前アクチュエータ16に作用する第1の力を示す前アクチュエータセンサ62からの第1の負荷信号と、後アクチュエータ18に作用する第2の力を示す後アクチュエータセンサ64からの第2の負荷信号とを受ける。第1の負荷信号と第2の負荷信号はコントロールボックス50により実行されたロジックにより処理されてよく、ロールイン型簡易ベッド10が受けた入力に対するロールイン型簡易ベッド10の応答を決定する。具体的には、ユーザ入力をコントロールボックス50に入力してもよい。ユーザ入力は、コントロールボックス50によりロールイン型簡易ベッド10の高さを変える指令を示す制御信号として受け取られる。一般的に、第1の負荷信号が張力を示し第2の負荷信号が圧縮力を示す時、前アクチュエータは前脚20を作動し、後アクチュエータ18は実質的に静止したままである(例えば、作動されない)。したがって、第1の負荷信号だけが引張状態を示す時、前脚20はトグルスイッチ52の“−”を押すことにより上昇される、および/またはトグルスイッチ52の“+”を押すことにより下降されてもよい。一般的に、第2の負荷信号が張力を示し第1の負荷信号が圧縮力を示す時、後アクチュエータ18は後脚40を作動し、前アクチュエータ16は実質的に静止したままである(例えば、作動されない)。したがって、第2の負荷信号だけが引張状態を示す時、後脚40はトグルスイッチ52の“−”を押すことにより上昇される、および/またはトグルスイッチ52の“+”を押すことにより下降されてもよい。幾つかの実施形態においては、アクチュエータは初動(低速発進)後に比較的緩徐に作動してよく、比較的急速に作動する前の支持枠12の急な動きを和らげる。
【0061】
図5C〜6Eを合わせて参照すると、患者を輸送手段に搬入する際に、本文書中に記載された実施形態では独立作動を利用してよい(わかり易くするため、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18は
図5C〜6Eでは図示されていないことに留意されたい)。具体的には、ロールイン型簡易ベッド10は以下に記載した工程にしたがい積載表面500上に搭載できる。はじめに、ロールイン型簡易ベッド10を最も高い輸送位置(
図5C)に置くか、または、前負荷車輪70が積載表面500より高いところに置かれている位置に置いてよい。ロールイン型簡易ベッド10が積載表面500上に搭載されると、ロールイン型簡易ベッド10は前および後アクチュエータ16、18を介して上昇され、前負荷車輪70が積載表面500上方に配設されるようにする。
図10に示した1つの実施形態では、ロールイン型簡易ベッド10が搭載され続けると、フック係合バー80が積載表面500(例えば救急車寝台)の積載表面フック550上方で旋回させてよい。次に、前負荷車輪70が積載表面500に接触するまで(
図6A)、ロールイン型簡易ベッド10を下降させてよい。
【0062】
図6Aに示したように、前負荷車輪70は積載表面500の上方にある。1つの実施形態では、負荷車輪が積載表面500に接触した後、前1対の脚20は前アクチュエータ16で作動できる。これは、前端17が積載表面500の上方にあるからである。
図6Aと6Bに示したように、ロールイン型簡易ベッド10の中央部は積載表面500から離れている(すなわち、ロールイン型簡易ベッド10の十分大きな部分は積載端縁502を越えて搭載されてはいない。これは、ロールイン型簡易ベッド10の重量の大部分が車輪70、26および/または30により片持ち梁的に支持可能だからである)。前負荷車輪が十分に搭載されると、ロールイン型簡易ベッド10は少ない量の力で水平に保持できる。さらに、このような位置では、前アクチュエータ16には張力がかかっており、後アクチュエータ18には圧縮力がかかっている。したがって、例えば、トグルスイッチ52の“−”を操作すると、前脚20が上昇される(
図6B).1つの実施形態では、前脚20が積載状態をもたらすほど上昇された後は、前アクチュエータ16と後アクチュエータ18の操作はロールイン型簡易ベッドの場所による。幾つかの実施形態では、前脚20が上昇すると、コントロールボックス50の視覚表示部品58上に視覚的表示が出る(
図2)。この視覚的表示は色コード化されていてよい(例えば、作動中の脚は緑で、作動中でない脚は赤で)。前アクチュエータ16は、前脚20が十分に引き込められると、自動的に作用を停止してよい。さらに、前脚20の引込中、前アクチュエータセンサ62は張力を検出してよく、この時点で、前アクチュエータ16は前脚20をより高速で上昇させてよく、例えば、約2秒以内に充分引込めてよい、と留意すべきである。
【0063】
前脚20が引込められた後、中間負荷車輪30が積載表面500上に搭載されるまで(
図6C)ロールイン型簡易ベッド10を前方に付勢してよい。
図6Cに示したように、前端17とロールイン型簡易ベッド10の中央部は積載表面500上方にある。その結果、1対の後脚40は後アクチュエータ18で引込むことができる。具体的には、超音波センサを設置して、いつ中央部が積載表面500上方に来るのかを検出してよい。積載状態中に中央部が積載表面500上方に位置する時(例えば、前脚20と後脚40とが積載状態角度より大きな角度Δを持つ時)、後アクチュエータを作動さえてよい。1つの実施形態において、中間負荷車輪30が積載端縁502を充分に越えたときコントロールボックス50(
図2)により表示を出して(例えばブザー音を発して)、後脚40の作動に備えてもよい。
【0064】
支点として作用すると思われるロールイン型簡易ベッド10のいずれかの部分が積載端縁502を充分に越えた位置にあり、後脚40が引込められて、ロールイン型簡易ベッド10の中央部が積載表面500上方にあるとき、後端19を持ち上げるのにわずかな量の力が必要である(例えば、搭載してよいロールイン型簡易ベッド10の重量の半分未満が後端19で支持される必要がある)、ことに留意すべきである。さらに、ロールイン型簡易ベッド10の場所の検出は、ロールイン型簡易ベッド10上に置かれたセンサおよび/または積載表面500の上またはこれに隣接したセンサにより行ってよいことに留意すべきである。例えば、救急車は、積載表面500および/または積載端縁502に対するロールイン型簡易ベッド10の位置づけを検出するセンサと、この情報をロールイン型簡易ベッド10に伝達する通信手段を有してよい。
【0065】
図6Dを参照すると、後脚40が引込められた後、ロールイン型簡易ベッド10を前方に付勢してよい。1つの実施形態では、後脚の引込め中に、後アクチュエータセンサ64は後脚40が搭載されていないことを検出してよく、この時点で、後アクチュエータ18がより高速で後脚40を上昇してよい。後脚40が充分に引き込められると、後アクチュエータ18は自動的に作動を停止してよい。1つの実施形態では、ロールイン型簡易ベッド10が積載端縁502を充分に越えた時(例えば、後アクチュエータが積載端縁502を越えるほど充分に積込または積卸された時)、コントロールボックス50(
図2)により表示を出してよい。
【0066】
簡易ベッドが積載表面上に搭載されると(
図6E),前および後アクチュエータ16、18は救急車に固定的に連結されることにより非作動状態にしてよい。救急車とロールイン型簡易ベッド10は各々、連結に適した部品、例えば、おす−めすコネクタ、を嵌合させてもよい。さらに、ロールイン型簡易ベッド10は、簡易ベッドが救急車に充分配置されると位置あわせを行い、アクチュエータ16、18の固定をもたらす信号を送るセンサからなってよい。さらに他の実施形態では、ロールイン型簡易ベッド10はアクチュエータ16、18を固定する簡易ベッド締結具に接続され、ロールイン型簡易ベッド10を充電する救急車動力システムにさらに連結されてもよい。そのような救急車充電システムの商品例は、フェロワシントン社(Ferro-Washington, Inc.)により製造されたインテグレーテッドチャージングシステム(Integrated Charging System,ICS)である。
【0067】
図6A〜6Eを合わせて参照すると、ロールイン型簡易ベッド10を積載表面500から積み降ろす際に、本文書中に記載された実施形態では上記のような独立作動を利用してよい。具体的には、ロールイン型簡易ベッド10は締結具から外して積載端縁502に向かって付勢してよい(
図6E〜6D)。後車輪46を積載表面500から開放すると(
図6D)、後アクチュエータセンサ64は後脚40が積卸されたことを検出し、後脚40を下降させる。幾つかの実施形態では、例えば、簡易ベッドが正しい箇所に位置づけされていない(例えば、後車輪46が積載表面500上方にある、または中間負荷車輪30が積載端縁502から離れている)ことをセンサが検出した場合、後脚40は下降しないようにしてもよい。1つの実施形態では、後アクチュエータ18が作動状態にある時(例えば、中間負荷車輪30が積載端縁502に近い時、および/または後アクチュエータセンサ64が張力を検出している時)、表示がコントロールボックス50(
図2)により出されてよい。
【0068】
ロールイン型簡易ベッド10が積載端縁502に対して適正に位置づけられると、後脚40は延ばすことができる(
図6C)。例えば、後脚40はトグルスイッチ52上の“+”を押すことにより、延ばしてよい。1つの実施形態では、後脚40が下降されると、コントロールボックス50の視覚表示部品58上に視覚的表示が出される(
図2)。例えば、ロールイン型簡易ベッド10が積載状態にあり、後脚40および/または前脚20が作動される時、視覚的表示が出されてもよい。このような視覚的表示は、作動中にロールイン型簡易ベッドが動かされる(例えば引張られる、押される、または転動される)べきでないことを合図するものでよい。後脚40が床に接触すると(
図6C)、後脚40には負荷がかかり、後アクチュエータセンサ64は後アクチュエータ18を非作動とする。
【0069】
前脚20が積載表面500から離れたこと(
図6B)をセンサが検出すると、前アクチュエータ16が作動される。1つの実施形態では、中間負荷車輪30が積載端縁502にある時、コントロールボックス50(
図2)から表示が出されてよい。前脚20は前脚20が床に接触する(
図6A)まで延ばされてよい。例えば、前脚20は、トグルスイッチ52上の“+”を押すことにより延ばしてよい。1つの実施形態では、前脚20が下降すると、コントロールボックス50の視覚表示部品58(
図2)上に視覚的表示が出される。
【0070】
図4と10に戻ると、フック係合バー80が積載表面500上の積載表面フック550と係合するように作用可能な実施形態においては、ロールイン型簡易ベッド10を積卸しする前にフック係合バー80が外される。例えば、フック係合バー80を回転させて、積載表面フック550を避けてもよい。あるいは、フック係合バー80が積載表面フック550を避けるように、
図4に示した位置からロールイン型簡易ベッド10を上昇させてもよい。
【0071】
本文書中に記載した実施形態は、患者支持面のような支持面を支持枠に連結することにより様々な大きさの患者を運搬するのに用いてよいことを理解するべきである。例えば、持上げ式担架または保育器は支持枠に着脱可能に連結させてよい。したがって、本文書中に記載した実施形態は、幼児から肥満患者までの患者を搭載し運搬するのに利用してよい。さらに、本文書中に記載した実施形態は、操作員が単一のボタンを保持して、独立に関着させた脚を作動させる(例えばトグルスイッチ上の“−”を押して、簡易ベッドを救急車に積込む、またはトグルスイッチ上の“+”を押して、簡易ベッドを救急車から積み降ろす)ことにより、救急車への積込および/または救急車からの積卸を行ってよい。具体的には、ロールイン型簡易ベッド10は操作制御装置からの信号のような入力信号を受信してよい。この入力信号は、第1の方向または第2の方向(下降または上昇)を示すものでよい。この信号が第1の方向を示す時にはそれぞれ独立に1対の前脚および1対の後脚は下降させてよく、信号が第2の方向を示す時には独立に上昇させてよい。
【0072】
本文書中では、“好ましくは”、“一般的に”、“通常は”、“典型的には”のような用語は、請求した実施形態の範囲を限定するために、または、ある種の構成が請求した実施形態の構造または機能にとり臨界的、不可欠、または重要でさえあることを意味するために、利用されるのではないことをさらに留意すべきである。むしろ、これらの用語は、本開示発明の特定の実施形態において利用してよいか、または利用してはならない択一的な又は付加的な構成を強調することだけを意図している。
【0073】
本開示発明を説明、定義する上で、定量的比較、数値、測定、その他の表現に起因すると思われる固有の不確実性の程度を表すのに本文書中では用語“実質的に”が利用されることを、さらに注意しておきたい。定量的表現が問題となっている主題の基礎的機能に変化を与えずに、述べられた基準から変化している程度を表すにも用語“実質的に”が利用される。
【0074】
具体的実施形態について言及したが、添付した請求項に規定した本開示発明の範囲を逸脱しない程度に種々の変更や変形が可能であることは明らかであろう。より具体的には、本開示発明の幾つかの側面は好適または特に有益であるとして本文書中に明記したが、本開示発明はこれら具体的実施形態の好ましい側面に必ずしも限定されないものと考えられる。