(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770750
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】コロナ放電イオン化バーにおける気体イオンからの汚染物質の分離
(51)【国際特許分類】
H05F 3/04 20060101AFI20150806BHJP
H01T 19/04 20060101ALI20150806BHJP
H01T 23/00 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
H05F3/04 J
H01T19/04
H01T23/00
【請求項の数】35
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-552920(P2012-552920)
(86)(22)【出願日】2011年2月8日
(65)【公表番号】特表2013-519978(P2013-519978A)
(43)【公表日】2013年5月30日
(86)【国際出願番号】US2011024010
(87)【国際公開番号】WO2011100226
(87)【国際公開日】20110818
【審査請求日】2014年1月31日
(31)【優先権主張番号】13/021,020
(32)【優先日】2011年2月4日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/337,701
(32)【優先日】2010年2月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【弁理士】
【氏名又は名称】曽根 太樹
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ゲフター
【審査官】
関 信之
(56)【参考文献】
【文献】
特表昭63−503180(JP,A)
【文献】
特開2002−305096(JP,A)
【文献】
特開2006−236763(JP,A)
【文献】
特開2008−226647(JP,A)
【文献】
特開2008−256868(JP,A)
【文献】
特開2010−153342(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0006478(US,A1)
【文献】
特開2007−48682(JP,A)
【文献】
米国特許第5847917(US,A)
【文献】
米国特許第5447763(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05F 3/04
H01T 19/04
H01T 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電荷中和目標の誘引性非イオン化電界に向かって清浄なイオン化気体流を方向付けるイオン化バーであって、非イオン化気体流を受け取り、前記電荷中和目標から離れて汚染気体流を排出し、複数の電極にコロナ放電を誘起するのに十分なイオン化電位が印加されるイオン化バーにおいて、
前記非イオン化気体流を受け取り、前記電荷中和目標に向けて前記清浄なイオン化気体流を方向付ける少なくとも1つの気体通路と、
該イオン化バーから、また、前記電荷中和目標から離れて前記汚染気体流を排出する少なくとも1つの排気通路と、
複数のシェル組立体とを具備し、
各シェル組立体が、
シェルであって、前記非イオン化気体流の一部が該シェルに入るように、前記気体通路に気体連通するオリフィスを有するシェルと、
前記イオン化電位の印加に応答してイオンと汚染副生成物とを含むプラズマ領域を生成する少なくとも1つのイオン化電極であって、前記プラズマ領域のサイズに実質的に等しい距離だけ、該電極が前記シェルのオリフィスから奥まった位置に配置されるように前記シェル内に配設されており、それにより、前記生成されるイオンの少なくとも実質的な部分が前記非イオン化気体流内に移動し、それにより、前記非イオン化電界によって前記電荷中和目標に向かって引き寄せられる前記清浄なイオン化気体流が形成される、少なくとも1つのイオン化電極と、
前記排気通路および前記シェルに気体連通する少なくとも1つの排気ポートであって、前記シェル内でかつ前記シェルのオリフィスの近くに、前記シェル外でかつ前記オリフィスの近くの前記非イオン化気体流の圧力よりも低い気体圧を与え、それにより、前記非イオン化気体流の一部が前記シェル内に流れ、前記汚染副生成物の少なくとも実質的な部分を、前記排気通路によって排出される前記汚染気体流内に一掃する、少なくとも1つの排気ポートとを備えるイオン化バー。
【請求項2】
前記イオン化電極は、前記シェルのオリフィスに向く鋭利な尖端点を有するテーパ付きピンを含み、
前記排気ポートは、導電性中空ソケットを備え、該導電性中空ソケット内で、前記テーパ付きピンは、前記イオン化電位を、前記排気ポートを通して前記ピンに印加されるように着座する請求項1に記載のイオン化バー。
【請求項3】
前記イオン化電位は、前記イオン化電極の正のコロナ放電閾値および負のコロナ放電閾値の双方を周期的に超える無線周波数電位であり、それにより、前記プラズマ領域が実質的に電気的に平衡し、前記副生成物が実質的に中和される請求項1に記載のイオン化バー。
【請求項4】
前記副生成物の少なくとも実質的な部分は、前記排気ポートを通して排気され、オゾンおよび窒素酸化物からなる群から選択される気体である請求項1に記載のイオン化バー。
【請求項5】
前記イオン化電位は、前記イオン化電極の正のコロナ放電閾値および負のコロナ放電閾値の双方を周期的に超える無線周波数電位であり、それにより、前記イオン化電極が正イオンおよび負イオンの双方を生成する請求項1に記載のイオン化バー。
【請求項6】
前記シェルのオリフィスは所定直径の概ね円形であり、
前記シェルのオリフィスの直径と前記奥まった位置の距離との比は、約0.5〜約2.0である請求項1に記載のイオン化バー。
【請求項7】
前記イオン化電極は、金属導体、非金属導体、半導体、単結晶シリコンおよびポリシリコンからなる群から選択される材料で作られ、
前記排気ポートは、低圧源に接続されており、約1リットル/分〜20リットル/分の範囲で前記シェル内に気体流を提供し、それにより、前記副生成物の少なくとも実質的な部分を排気する請求項1に記載のイオン化バー。
【請求項8】
前記非イオン化気体は正電荷を持った気体であり、
前記イオン化電位は無線周波数イオン化電位であり、
前記イオン化電極は、電子、正イオンおよび負イオン、並びに副生成物を含むプラズマ領域を生成する請求項1に記載のイオン化バー。
【請求項9】
前記気体通路は、前記シェル組立体の隣接する組立体の間に配設された複数のノズルを更に備え、該複数のノズルを通して、非イオン化気体が、前記電荷中和目標に向けて方向付けられ、それにより、前記イオン化気体流を前記電荷中和目標に向けて押しやることができる請求項1に記載のイオン化バー。
【請求項10】
前記イオンの少なくとも実質的な部分を前記シェルのオリフィスに通して、前記電荷中和目標に向けて方向付けられる前記非イオン化気体流内に移動させる非イオン化電界を前記プラズマ領域内に重ね合わせる少なくとも1つの非イオン化電極を更に備える請求項1に記載のイオン化バー。
【請求項11】
電荷中和目標の誘引性非イオン化電界に向かって清浄なイオン化気体流を方向付けるイオン化バーであって、非イオン化気体流を受け取り、前記電荷中和目標から離れて汚染気体流を排出し、コロナ放電を誘起するのに十分なイオン化電位が印加されるイオン化バーにおいて、
前記非イオン化気体流を受け取るとともに、前記電荷中和目標に向けて前記清浄なイオン化気体流を方向付ける手段と、
該イオン化バーから、また、前記電荷中和目標から離れて前記汚染気体流を排出する手段と、
複数のシェル組立体とを具備し、
前記シェル組立体は、
シェルであって、前記非イオン化気体流の一部が該シェルに入ることができるように、前記受け取る手段に気体連通するオリフィスを有するシェルと、
前記イオン化電位の印加に応答してイオンと汚染副生成物とを生成する生成手段であって、それにより、前記生成されるイオンの少なくとも実質的な部分が前記非イオン化気体流内に移動し、それにより、前記非イオン化電界によって前記電荷中和目標に向かって引き寄せられる前記清浄なイオン化気体流が形成される、イオンと汚染副生成物とを生成する生成手段と、
前記シェル内でかつ前記オリフィスの近くに、前記シェル外でかつ前記オリフィスの近くの前記非イオン化気体流の圧力よりも低い気体圧を付与する付与手段であって、前記排出する手段および前記シェルに気体連通し、それにより、前記非イオン化気体流の一部が前記シェル内に流れ、前記汚染副生成物の少なくとも実質的な部分を、前記排出する手段によって排出される前記汚染気体流内に一掃する付与手段と、
前記イオン化電位の印加に応答してイオンと汚染副生成物とを含むプラズマ領域を生成する、先端を有する少なくとも1つのイオン化電極であって、前記プラズマ領域のサイズに実質的に等しい距離だけ、前記先端が前記シェルのオリフィスから奥まった位置に配置されるように前記シェル内に配設される、少なくとも1つのイオン化電極とを備えるイオン化バー。
【請求項12】
前記付与手段は、導電性中空ソケットを備え、該導電性中空ソケット内で、前記イオン化電極は、前記イオン化電位を、前記付与手段を通して前記電極に印加することができるように着座する請求項11に記載のイオン化バー。
【請求項13】
前記イオン化電位は、前記イオン化電極の正のコロナ放電閾値および負のコロナ放電閾値の双方を周期的に超える無線周波数電位であり、それにより、前記プラズマ領域が実質的に電気的に平衡し、前記副生成物が実質的に中和される請求項12に記載のイオン化バー。
【請求項14】
前記副生成物の少なくとも実質的な部分は、前記付与手段を通して排気され、オゾンおよび窒素酸化物からなる群から選択される気体である請求項11に記載のイオン化バー。
【請求項15】
前記イオン化電位は、前記生成手段の正のコロナ放電閾値と負のコロナ放電閾値の双方を周期的に超える無線周波数電位であり、それにより、前記生成手段が正イオンと負イオンの双方を生成する請求項11に記載のイオン化バー。
【請求項16】
前記生成手段は、イオンのコロナ放電中にプラズマ領域を生成する、鋭利な尖端点を有するテーパ付きエミッターピンを含み、前記尖端点は、前記シェルのオリフィスに向き、かつ、前記プラズマ領域のサイズに実質的に等しい距離だけ前記シェルのオリフィスから奥まった位置に配置され、
前記シェルのオリフィスは所定直径の概ね円形であり、
前記シェルのオリフィスの直径と前記奥まった位置との距離との比は、約0.5〜約2.0である請求項11に記載のイオン化バー。
【請求項17】
前記生成手段は、金属導体、非金属導体、半導体、単結晶シリコンおよびポリシリコンからなる群から選択される材料で作られ、
前記付与手段は、低圧源に接続されており、約0.1リットル/分〜20リットル/分の範囲で前記シェル内に気体流を提供し、それにより、前記副生成物の少なくとも実質的な部分を排気する請求項11に記載のイオン化バー。
【請求項18】
前記非イオン化気体は正電荷を持った気体であり、
前記イオン化電位は無線周波数イオン化電位であり、
前記生成手段は、電子、正イオンおよび負イオン並びに副生成物を含むプラズマ領域を生成する請求項11に記載のイオン化バー。
【請求項19】
前記非イオン化電界は、前記イオンの少なくとも実質的な部分を前記シェルのオリフィスに通して、前記電荷中和目標に向けて方向付けられる前記非イオン化気体流内に移動させる非イオン化電界を前記プラズマ領域内に重ね合わせる少なくとも1つの非イオン化電極を更に備える請求項11に記載のイオン化バー。
【請求項20】
電荷中和目標の誘引性非イオン化電界に向かって清浄なイオン化気体流を方向付けるイオン化バーであって、非イオン化気体流を受け取り、前記電荷中和目標から離れて汚染気体流を排出し、少なくとも1つの電極においてコロナ放電を誘起するのに十分なイオン化電位が印加されるイオン化バーにおいて、
前記非イオン化気体流を受け取り、前記電荷中和目標に向けて前記清浄なイオン化気体流を方向付ける少なくとも1つの気体通路と、
イオン化バーから、また、前記電荷中和目標から離れて前記汚染気体流を排出する少なくとも1つの排気通路と、
少なくとも1つのシェル組立体とを具備し、
前記シェル組立体は、
シェルであって、前記非イオン化気体流の一部が該シェルに入るように、前記気体通路に気体連通するオリフィスを有するシェルと、
前記イオン化電位の印加に応答して電荷キャリアと汚染副生成物とを含むプラズマ領域を生成する少なくとも1つのイオン化電極であって、前記プラズマ領域のサイズに実質的に等しい距離だけ、その先端が前記シェルのオオリフィスから奥まった位置に配置されるように前記シェル内に配設されており、それにより、前記生成される電荷キャリアの少なくとも実質的な部分が前記非イオン化気体流内に移動し、それにより、前記非イオン化電界によって前記電荷中和目標に向かって引き寄せられる前記清浄なイオン化気体流が形成される、少なくとも1つのイオン化電極と、
前記排気通路および前記シェルに気体連通する少なくとも1つの排気ポートであって、前記シェル内でかつ前記シェルのオリフィスの近くに、前記シェル外でかつ前記シェルのオリフィスの近くの前記非イオン化気体流の圧力よりも低い気体圧を与え、それにより、前記非イオン化気体流の一部が前記シェル内に流れ、前記汚染副生成物の少なくとも実質的な部分を、前記排気通路によって排出される前記汚染気体流内に一掃する、少なくとも1つの排気ポートとを備えるイオン化バー。
【請求項21】
複数のシェル組立体を具備し、
各シェル組立体は、前記シェルのオリフィスに向く鋭利な尖端点を有するテーパ付きピンを有する1つのイオン化電極を有し、
各シェル組立体は、導電性中空ソケットを備える排気ポートを有し、該導電性中空ソケット内で、前記テーパ付きピンは、前記イオン化電位を、前記排気ポートを通して前記ピンに印加することができるように着座する請求項20に記載のイオン化バー。
【請求項22】
実質的に直線状のコロナワイヤを備える1つのイオン化電極を有する1つのシェル組立体が存在し、前記1つのイオン化電極は、イオン化電位を与えられると、電荷キャリアと汚染副生成物とを含む概ね円柱状のプラズマ領域を生成し、
前記シェルのオリフィスは、前記コロナワイヤに少なくとも概ね平行である方向に細長いスロットである請求項20に記載のイオン化バー。
【請求項23】
実質的に直線状のコロナソーブレードを備える1つのイオン化電極を有する1つのシェル組立体が存在し、前記1つのイオン化電極は、イオン化電位を与えられると、電荷キャリアと汚染副生成物とを含む概ね平坦なプラズマ領域を生成し、
前記シェルのオリフィスは、前記コロナソーブレードに少なくとも概ね平行である方向に細長いスロットである請求項20に記載のイオン化バー。
【請求項24】
前記非イオン化電界は、前記イオンの少なくとも実質的な部分を、前記シェルのオリフィスに通して、前記電荷中和目標に向けて方向付けられる前記非イオン化気体流内に移動させる非イオン化電界を前記プラズマ領域内に重ね合わせる少なくとも1つの非イオン化電極を更に備える請求項20に記載のイオン化バー。
【請求項25】
電荷中和目標の誘引性非イオン化電界に向かって清浄なイオン化気体流を方向付けるイオン化バーであって、非イオン化気体流を受け取り、前記電荷中和目標から離れて汚染気体流を排出し、正イオン化電極においてコロナ放電を誘起するのに十分な正イオン化電位を受け取り、負イオン化電極においてコロナ放電を誘起するのに十分な負イオン化電位が印加されるようにしたイオン化バーにおいて、
前記非イオン化気体流を受け取り、前記電荷中和目標に向けて前記清浄なイオン化気体流を方向付ける少なくとも1つの気体通路と、
該イオン化バーから、また、前記電荷中和目標から離れて前記汚染気体流を排出する少なくとも1つの排気通路と、
少なくとも1つの正シェル組立体と、
少なくとも1つの負シェル組立体とを具備し、
前記少なくとも1つの正シェル組立体が、
前記気体通路に気体連通するオリフィスを有し、前記非イオン化気体流の一部が流入するようにした正シェルと、
前記正イオン化電位の印加に応答してイオンと汚染副生成物とを含むプラズマ領域を生成する、先端を有する少なくとも1つの正イオン化電極であって、前記プラズマ領域のサイズに実質的に等しい距離だけ、前記先端が前記シェルのオリフィスから奥まった位置に配置されるように前記正シェル内に配設されており、それにより、前記生成されるイオンの少なくとも実質的な部分が前記非イオン化気体流内に移動し、それにより、前記非イオン化電界によって前記電荷中和目標に向かって引き寄せられる前記清浄なイオン化気体流が形成される少なくとも1つの正イオン化電極と、
前記排気通路および前記シェルに気体連通する少なくとも1つの排気ポートであって、前記正シェル内でかつ前記オリフィスの近くに、前記正シェル外でかつ前記オリフィスの近くの前記非イオン化気体流の圧力よりも低い気体圧を与え、それにより、前記非イオン化気体流の一部が前記正シェル内に流れ、前記汚染副生成物の少なくとも実質的な部分を、前記排気通路によって排出される前記汚染気体流内に一掃する、少なくとも1つの排気ポートとを備え、
前記少なくとも1つの負シェル組立体が、
前記気体通路に気体連通するオリフィスを有し、前記非イオン化気体流の一部が流入する負シェルと、
前記負イオン化電位の印加に応答して、イオンと汚染副生成物とを含むプラズマ領域を生成する、先端を有する少なくとも1つの負イオン化電極であって、前記プラズマ領域のサイズに実質的に等しい距離だけ、前記先端が前記シェルのオリフィスから奥まった位置に配置されるように前記負シェル内に配設されており、それにより、前記生成されるイオンの少なくとも実質的な部分が前記非イオン化気体流内に移動し、それにより、前記非イオン化電界によって前記電荷中和目標に向かって引き寄せられる前記清浄なイオン化気体流が形成される、少なくとも1つの負イオン化電極と、
前記排気通路および前記シェルに気体連通する少なくとも1つの排気ポートであって、前記負シェル内でかつ前記オリフィスの近くに、前記負シェル外でかつ前記オリフィスの近くの前記非イオン化気体流の圧力より低い気体圧を与え、それにより、前記非イオン化気体流の一部が前記負シェル内に流れ、前記汚染副生成物の少なくとも実質的な部分を、前記排気通路によって排出される前記汚染気体流内に一掃する、少なくとも1つの排気ポートとを備えて成るイオン化バー。
【請求項26】
複数対の正シェル組立体および負シェル組立体を備え、
該正シェル組立体および負シェル組立体は、負シェル組立体が1つおきに配置され、かつ、前記シェルのオリフィスが全て、少なくとも概ね前記電荷中和目標に向くように配置される請求項25に記載のイオン化バー。
【請求項27】
前記気体通路は、前記シェル組立体の隣接する組立体の間に配設された複数のノズルを更に備え、該複数のノズルを通して、非イオン化気体が、前記電荷中和目標に向けて方向付けられ、それにより、前記清浄なイオン化気体流が前記電荷中和目標に向けて押しやることができる請求項26に記載のイオン化バー。
【請求項28】
前記正イオン化電位を受け取り、該正イオン化電位を前記複数の正イオン化電極に提供する、前記複数の正イオン化電極に電気結合された正導電性バスと、
前記負イオン化電位を受け取り、該負イオン化電位を前記複数の負イオン化電極に提供する、前記複数の負イオン化電極に電気結合された負導電性バスとを更に備える請求項26に記載のイオン化バー。
【請求項29】
前記排気通路は電気絶縁表面を更に備え、
前記正のバスおよび前記負のバスの少なくとも一方は、前記排気通路の前記電気絶縁表面上に配設される請求項28に記載のイオン化バー。
【請求項30】
前記イオン化バーは、前記正イオン化電位が印加される正導電性バスを更に備え、
前記正イオン化電極はテーパ付きピンを含み、前記先端は前記テーパ付きピンの自由端に鋭利な尖端点を備え、
前記排気ポートは、導電性中空ソケットを備え、該導電性中空ソケット内に前記テーパ付きピンが着座し、前記導電性中空ソケットは前記正導電性バスに電気結合し、それにより、前記正イオン化電位を、前記排気ポートおよび前記正のバスを通して前記テーパ付きピンに印加することができる請求項25に記載のイオン化バー。
【請求項31】
前記副生成物の少なくとも実質的な部分は、前記排気ポートを通して排気され、かつ、オゾンおよび窒素酸化物からなる群から選択される気体である請求項25に記載のイオン化バー。
【請求項32】
前記負イオン化電極はテーパ付きピンを含み、前記先端は、前記テーパ付きピンの自由端に鋭利な尖端点を備え、
前記負シェルのオリフィスは所定直径の概ね円形であり、
前記負シェルのオリフィスの直径と前記奥まった位置の距離との比は、約0.5〜約2.0である請求項25に記載のイオン化バー。
【請求項33】
前記負イオン化電極は、金属導体、非金属導体、半導体、単結晶シリコンおよびポリシリコンからなる群から選択される材料で作られ、
前記負排気ポートは、低圧源に接続されており、約1リットル/分〜20リットル/分の範囲で前記負シェル内に気体流を提供し、それにより、前記副生成物の少なくとも実質的な部分を排気する請求項25に記載のイオン化バー。
【請求項34】
前記正および負のシェル組立体は、
前記正イオン化電極に印加される前記イオン化電位が、前記負イオンの少なくとも実質的な部分を前記非イオン化気体流内に移動させるのに十分な非イオン化電界を、前記負シェル組立体の前記プラズマ領域にかけるように、また、
前記負イオン化電極に印加される前記イオン化電位が、前記正イオンの少なくとも実質的な部分を前記非イオン化気体流内に移動させるのに十分な非イオン化電界を、前記正シェル組立体の前記プラズマ領域にかけるように、前記イオン化バーに沿って位置決めされる請求項25に記載のイオン化バー。
【請求項35】
前記非イオン化電界は、前記イオンの少なくとも実質的な部分を、前記シェルのオリフィスに通して、前記電荷中和目標に向けて方向付けられる前記非イオン化気体流内に移動させる非イオン化電界を前記プラズマ領域内に重ね合わせる少なくとも1つの非イオン化電極を更に備える請求項25に記載のイオン化バー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.発明の分野
本発明は、気体イオンの生成にコロナ放電を使用する静電荷中和装置の分野に関する。より詳細には、本発明は、半導体、電子機器、医薬品の製造、並びに同様のプロセスおよび用途において一般に遭遇するような、清浄な環境および超清浄な環境において電荷を中和する清浄なイオン化した気体の流れ(イオン化気体流)を生成することに関連する。
【0002】
[関連案件の相互参照]
本出願は、2010年2月11日に出願された「Separating Contaminants From Gas Ions In Corona Discharge Ionizers」という名称の同時係属中の米国出願第61/337,701号の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張するものであり、また、米国出願第12/799,369号の一部継続出願である。この米国出願第12/799,369号は、2009年4月24日に出願された「Separating Particles and Gas Ions in Corona Discharge Ionizers」という名称の米国仮出願第61/214,519号、2009年9月16日に出願された「Separating Particles and Gas Ions in Corona Discharge Ionizers」という名称の米国仮出願第61/276,792号、2009年10月26日に出願された「Covering Wide Areas With Ionized Gas Streams」という名称の米国仮出願第61/279,784号、および、2010年2月11日に出願された「Separating Contaminants From Gas Ions In Corona Discharge Ionizers」という名称の米国仮出願第61/337,701号の優先権を主張している。これらの出願は全て、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の説明
清浄環境におけるプロセスおよび操作は、特に、電気絶縁された全ての表面上に静電電荷を生成し蓄積する傾向がある。これらの電荷は、望ましくない電界を生成し、この望ましくない電界は、大気エーロゾルを表面に誘引し、誘電体に電気的ストレスを生成し、半導電性材料および導電性材料内に電流を誘導し、かつ生産環境において電気放電およびEMIを起こす。
【0004】
これらの静電気障害を軽減する最も効率的な方法は、帯電した表面にイオン化気体流を供給することである。このように気体をイオン化することによって、望ましくない電荷の有効な補償または中和が可能となり、その結果、望ましくない電荷に伴う汚染、電界およびEMIの影響が低減される。気体をイオン化する1つの従来の方法は、コロナ放電として知られている。コロナ放電に基づくイオン化装置(例えば、公開されている特許出願である特許文献1、特許文献2を参照)は、小さな空間でエネルギー効率およびイオン化効率が高いという点で望ましい。しかし、こうしたコロナ放電装置は、(鋭利な尖端点または薄いワイヤの形態の)高電圧イオン化電極またはエミッターが、所望の気体イオンを生成するのと同時に望ましくない汚染物質を生成するという1つの欠点が知られている。コロナ放電はまた、例えば周囲空気内で水蒸気の微小液滴の形成を促すことがある。
【0005】
周囲空気または気体雰囲気におけるコロナ放電に伴うエミッターの表面侵食および/または化学反応から、また、固体汚染副生成物が生成されることがある。表面侵食は、コロナ放電中のエミッター材料のエッチングまたはスパッタリング(sputtering)の結果生じる。特に、負電荷を持つ空気等の気体がコロナ放電内に存在すると、コロナ放電によって酸化反応を生じる。その結果として、エミッターの先端に、望ましくない気体(オゾンおよび窒素酸化物等)並びに固体付着物の形態のコロナ放電の副生成物が生じる。こうした理由で、汚染粒子の放出を減らすため、強い耐腐食性がある材料から作られたエミッターを使用することが従来から行われている。しかし、この方法は、それ自身の欠点を有し、すなわち、半導体製造等の技術的プロセスと相容れないタングステン等のエミッター材料の使用を必要とすることが多い。半導体シリコンウェハーの製造中に電荷を中和するのに用いられるイオン化装置の好ましいシリコンエミッターは、所望の耐エッチング性および耐腐食性を備えていない。
【0006】
コロナイオン化装置におけるエミッターの侵食および酸化の作用を減らす従来の代替形態は、気体の主流と同じ方向に流れる清浄乾燥空気(clean dry air)(CDA)や窒素等の気体流、つまりシースでエミッター(複数の場合もあり)を絶えず包囲することである。このシースは、通常、公開されている日本出願である特許文献3および特許文献4に図示および説明されているように、気体の気体供給源によって提供される。
【0007】
特許文献5の「Silicon Ion Emitter Electrodes」および特許文献6の「Silicon Ion Emitter Electrodes」は、関連するエミッターを開示しており、それらの特許の全体の内容は参照により本明細書に援用される。半導体ウェハーの酸化を回避するために、製造業者は、アルゴンや窒素のような正電荷を持つ気体の雰囲気を利用する。コロナ放電によるイオン化は、双方の場合に汚染粒子の生成を伴い、後者の場合、エミッター侵食は、電子放出および電子衝撃によって悪化する。これらの粒子はシースととともに移動し、電荷中和の対象物を汚染する可能性がある。そのため、この状況において、1つの問題についての解決法は、実際には別の問題を生じる。
【0008】
周囲空気または気体中で動作する、AC直列型イオン化装置と、ACイオン化装置またはパルス状DCイオン化装置との間には幾つかの重要な差異が存在する。すなわち、直列型イオン化装置の単一エミッターは、周囲雰囲気(すなわち気体)から隔離され、イオン化セルに影響を及ぼす帯電した対象物からの電界が存在しない。
【0009】
対照的に、周囲イオン化装置エミッター(複数の場合もあり)では、帯電した対象物との間に電界が形成され、この電界がイオン雲の移動に関与する。さらに、周囲イオン化装置内のエミッター(複数の場合もあり)は、周囲雰囲気または気体から隔離されない。その結果、周囲イオン化装置では、真空流だけでは、エミッター汚染の問題を解決しない。実際には、イオン化装置の内部の真空流が、周囲空気の一部について誘引作用(吸引)を生じ、この誘引作用は、次に、エミッターの先端の周りに、「ファズボール(fuzz ball)」として知られる、一種のデブリの蓄積をもたらす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第20070006478号
【特許文献2】特開2007048682号
【特許文献3】特開2006236763号
【特許文献4】米国特許第5,847,917号
【特許文献5】米国特許第5,447,763号
【特許文献6】米国特許第5,650,203号
【発明の概要】
【0011】
本発明は、以下の利点の1つまたは複数を提供する、すなわち、(1)イオン化バーにおいてコロナ放電電極によって必然的に生成されるかなりの数の粒子汚染物質に、目標または対象物を晒すことなく、中和すべき帯電した目標または対象物の静電的中和を行うこと、(2)イオン化バーのコロナ放電によって必然的に生じる化学反応によるかなりの量の(オゾン、窒素酸化物等のような)副生成物気体に、中和すべき帯電した目標または対象物を晒すことなく、帯電した目標または対象物の静電的中和を行うこと、(3)イオン化バーにおけるコロナ放電電極上でのファズボールおよび/または他のデブリの形成/汚染を防止または低減し、それにより、こうしたコロナ放電電極のメンテナンスフリー時間を延ばすこと、(4)空気(気体)支援技法および/または多周波数コロナ放電によるイオン化技法の組合せによって、電荷中和目標または対象物に対するイオン輸送を改善する、超清浄イオン化バーを設けることによって、上述した必要性を満たし、また、関連技術の上述した欠点および他の欠点を克服することができる。
【0012】
本発明によるイオン化バーは、AC高圧電源(HVPS)に適合するACイオン化電極を有する単一シェル組立体、或いは、複数シェル組立体を含むことができる。代替的には、本発明によるイオン化バーは、正DC電源に適合する専用正電極と負DC電源に適合する専用負電極との双方を含むことができる。
【0013】
本発明は、電荷中和目標の誘引性非イオン化電界に清浄なイオン化気体流を方向付けるイオン化バーの形態をとることができる。本発明のイオン化バーは、非イオン化気体流を受け取り、電荷中和目標から離れて汚染気体トリームを排出し、複数の電極においてコロナ放電を誘起するのに十分なイオン化電位が印加されることができる。本発明のイオン化バーは、非イオン化気体流を受け取り、目標に向けて清浄なイオン化気体流を方向付ける少なくとも1つの気体通路と、イオン化バーおよび目標から離れて汚染気体流を排出する少なくとも1つの排気通路とを含むことができる。本発明のイオン化バーはまた、それぞれがシェルと、少なくとも1つのイオン化電極と、少なくとも1つの排気ポートとを含む、複数のシェル組立体を含むことができる。シェルは、非イオン化気体流の一部がシェルに入ることができるように、該シェルおよび気体通路に気体連通するオリフィスを有することができる。イオン化電極は、イオン化電位の印加に応答してイオンと汚染副生成物とを含むプラズマ領域を生成する先端を有することができる。イオン化電極は、プラズマ領域のサイズ
に略等しい距離だけ、先端が、シェル内で該シェルのオリフィスから奥まった位置に配置されるように配設することができ、それにより、生成されるイオンの少なくとも実質的な部分が非イオン化気体流内に移動し、それにより、非イオン化電界によって電荷中和目標に向かって引き寄せられる清浄なイオン化気体流が形成される。イオン化電極はまた、伸張した薄いワイヤまたは鋸歯状バンドとして構成することができる。排気ポートは、排気通路に気体連通することができ、また、シェル内でかつオリフィスの近くに、シェル外でかつオリフィスの近くの非イオン化気体流の圧力よりも低い気体圧を与えることができ、それにより、非イオン化気体流の一部がシェル内に流れ、汚染副生成物の少なくとも実質的な部分を、排気通路によって排出される汚染気体流内に一掃する(sweep)。
【0014】
関連する形態では、本発明は、電荷中和目標の誘引性非イオン化電界に向かって清浄なイオン化気体流を方向付けるイオン化バーを対象とすることができる。この本発明のイオン化バーは、非イオン化気体流を受け取り、電荷中和目標から離れて汚染気体流を排出し、正イオン化電極においてコロナ放電を誘起するのに十分な正イオン化電位を受け取り、負イオン化電極においてコロナ放電を誘起するのに十分な負イオン化電位が印加される。本発明は、非イオン化気体流を受け取り、電荷中和目標に向けて清浄なイオン化気体流を方向付ける少なくとも1つの気体通路と、イオン化バーから、また、電荷中和目標から離れて汚染気体流を排出する少なくとも1つの排気通路とを有するイオン化バーの形態をとることができる。
【0015】
この形態では、本発明のイオン化バーはまた、少なくとも1つの正シェル組立体を含むことができ、該少なくとも1つの正シェル組立体は、正シェルであって、非イオン化気体流の一部が正シェルに入ることができるように、気体通路に気体連通するオリフィスを有する、正シェルと、正イオン化電位の印加に応答してイオンと汚染副生成物とを含むプラズマ領域を生成する、先端を有する少なくとも1つの正イオン化電極とを有し、正電極は、プラズマ領域のサイズ
に略等しい距離だけ、先端がシェルのオリフィスから奥まった位置に配置されるように正シェル内に配設されており、それにより、生成されるイオンの少なくとも実質的な部分が非イオン化気体流内に移動し、それにより、非イオン化電界によって電荷中和目標に向かって引き寄せられる清浄なイオン化気体流が形成される。正シェル組立体はまた、排気通路およびシェルに気体連通する少なくとも1つの排気ポートを含むことができ、該少なくとも1つの排気ポートは、正シェル内でかつオリフィスの近くに、正シェル外でかつオリフィスの近くの非イオン化気体流の圧力よりも低い気体圧を与え、それにより、非イオン化気体流の一部が正シェル内に流れ、汚染副生成物の少なくとも実質的な部分を、排気通路によって排出される汚染気体流内に一掃する。
【0016】
この形態では、本発明のイオン化バーは、少なくとも1つの負シェル組立体を更に含むことができ、該少なくとも1つの負シェル組立体は、負シェルであって、非イオン化気体流の一部が負シェルに入ることができるように、気体通路に気体連通するオリフィスを有する、負シェルと、負イオン化電位の印加に応答してイオンと汚染副生成物とを含むプラズマ領域を生成する、先端を有する少なくとも1つの負イオン化電極とを有する。負電極は、プラズマ領域のサイズ
に略等しい距離だけ、先端がシェルのオリフィスから奥まった位置に配置されるように負シェル内に配設することができ、それにより、生成されるイオンの少なくとも実質的な部分が非イオン化気体流内に移動し、それにより、非イオン化電界によって電荷中和目標に向かって引き寄せられる清浄なイオン化気体流が形成される。負シェル組立体は、排気通路およびシェルに気体連通する少なくとも1つの排気ポートを更に含むことができ、該少なくとも1つの排気ポートは、負シェル内でかつオリフィスの近くに、負シェル外でかつオリフィスの近くの非イオン化気体流の圧力よりも低い気体圧を与え、それにより、非イオン化気体流の一部が負シェル内に流れ、汚染副生成物の少なくとも実質的な部分を、排気通路によって排出される汚染気体流内に一掃する。
【0017】
当然ながら、本発明の上述した方法は、本発明の上述した装置とともに使用するのに特によく適合する。同様に、本発明の装置は、上述した本発明の方法を実施するのによく適している。
【0018】
本発明の多くの他の利点および特徴は、好ましい実施形態の以下の詳細な説明、特許請求の範囲および添付図面から、当業者に明らかになるであろう。
【0019】
本発明の好ましい実施形態は、同様の数字が同様のステップおよび/または構造を示す添付図面を参照して以下で述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1a】電荷中和目標または対象物の一部とともに示す本発明の1つの好ましい実施形態によるイオン化バーの一部を示す図である。
【
図1b】別の好ましいイオン化バーの断面図であり、バーはページの平面から外に延在し、変形の設計を有するシェル組立体を通して断面が取られている。
【
図1c】
図1a、
図1bおよび
図1dの実施形態に示すイオン化電極(複数の場合もあり)に印加することができる代表的な無線周波数ACイオン化電位を示す図である。
【
図1d】更に別の好ましいイオン化バーの断面図であり、バーはページの平面から外に延在し、更に別の変形の設計を有するシェル組立体を通して断面が取られている。
【
図2a】電荷中和目標または対象物の一部とともに示す本発明の別の好ましい実施形態によるイオン化バーの一部を示す図である。
【
図2b】
図2aの実施形態に示すイオン化電極(複数の場合もあり)に印加することができる代表的なパルス状DCイオン化電位を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
好ましい超清浄ACコロナ放電によるイオン化バー100の本発明の概念が、
図1aの部分断面図に示される。
図1aに示すように、好ましい直線状イオン化バー100は、複数のノズル/ポート29によって分離することができる複数の直線的に配設されたシェル組立体20(それぞれ、エミッター5およびシェル4を有する)を備えることができ、複数のノズル/ポート29は、非イオン化空気/気体通路2′に気体連通し、また、中和すべき帯電した目標または対象物Tに向けられる。空気/気体ポート(複数の場合もあり)/ノズル(複数の場合もあり)29は、帯電した目標または対象物Tに向かって電荷キャリア10、11を輸送するのを補助することができる。さらに、イオン化バー100は、低圧排気通路14を含むことができる。排気通路14は、インツール(in-tool)/生産真空ライン(図示せず)か、組込み式真空源(図示せず)か、または、エミッターシェルのオリフィス7の近くの気体圧およびエミッターシェル4の外の気体圧より低い圧力を維持することができる当該技術分野で知られている多くの同様の機構の任意の機構に接続することができる。通路2′は、高圧気体源(図示せず)に接続することができ、高圧気体源は、イオン化装置および/または非イオン化ノズル/オリフィス/ジェット29/29′について約0.1リットル/分〜20.00リットル/分の範囲の容積で通路2′に清浄気体流3を供給することができる。しかし、約0.1リットル/分〜10.00リットル/分の範囲の流量が最も好ましい。気体は、CDA(清浄乾燥空気)若しくは窒素(若しくは別の正電荷を有する気体)または、当該技術分野で知られている多くの同様の機構(高清浄度気体(例えば窒素)源等)のうちのいずれかとすることができる。
【0022】
少なくとも1つの高電圧バス17を、例えば、少なくともバス17に隣接する部分が好ましくは非導電性である真空/排気通路14の下側壁上に配置することができる。バス17は、好ましくは、管路26に電気的に連通し、管路26は、中空導電性管路の形態をとることができ、また、少なくとも2つの機能を果たすことができる。すなわち、エミッター5との電気的な連通を提供すること、および、エミッターシェル4から低圧副生成物流(コロナ放電により生成される汚染物質を含む)を排出することである。管路26は、真空通路14で終端する1つの開口端、および、コロナ放電電極またはエミッター5を内部に受け入れることができる保持ソケットを形成する別の端を有することができる。管路26は、導電性材料または半導電性材料で部分的にまたは全体的に形成することができ、また同様に、バス17に印加されるイオン化電圧がエミッター5に印加されるように、イオン化電極5に電気的に連通していることができる。気体イオン化は、高圧電源(HVPS−図示せず)からのAC電圧出力が、エミッター5のコロナ放電閾値を超えると始まる。当該技術分野で知られているように、これは、エミッター先端の近くにありかつ概してエミッター先端から出る、概ね球状のプラズマ領域12内のAC(または、以下で論じる代替的な実施形態では、DCまたはパルス状のDC)コロナ放電による正のイオン10および負のイオン11の生成をもたらす。このコロナ放電は、また、望ましくない汚染副生成物15の生成をもたらす。保護エミッターシェル4がなければ、副生成物15は、エミッター5の先端から出るイオンの風、拡散および電気反発力に起因して目標または対象物Tに向かって連続して移動することになることが認識されるであろう。そのため、汚染副生成物15は、(新たに生成されたイオンとともに)非イオン化気体流3内に一掃され、電荷中和目標または対象物Tに向かって方向付けられ、目標または対象物は、汚染されることになる(清浄な電荷中和の目的を損なう)。
【0023】
一方で、エミッターシェル4の存在および排気通路14が与える低気体圧に起因して、エミッター5によって生成されるプラズマ領域12内のおよび/またはプラズマ領域12の近くの気体流パターンは、汚染物質15が気体流3に入ることを防止する。特に、
図1aに示す構成は、オリフィス7の近くの非イオン化気体流と(シェル4内の)プラズマ領域12との間に圧力差を生成する。この圧力差のため、高速気体流3の一部が、通路2′からオリフィス7を通りシェル4内に漏れる。この気体流は、コロナ放電により生成される副生成物15の実質的に全てを、プラズマ領域12から排気ポート14内に誘導する誘引力を生成する。副生成物15は、既述したようにイオン10、11を主気体流内に押しやる同じイオンの風、拡散および電気的力を受けることを当業者は理解するであろう。しかし、本発明は、気体流部分が、こうした対向する力を克服するのに十分に強い条件を生成することを意図する。結果として、イオン10、11並びに副生成物15は、空気力学的にかつ電気的に分離され、異なる方向に移動する。すなわち、正のイオン10および負のイオン11は、非イオン化気体流内に移動し、それにより、帯電した対象物Tに向かって下流に流れるイオン化気体流が形成される。対照的に、副生成物15は、排気ポート14に向かって、また好ましくは、副生成物コレクター、フィルターまたはトラップ(図示せず)に排気および/または一掃される。
【0024】
図1aを更に参照すると、管路26は、管路26のエミッターソケット端の近くでかつエミッター5に非常に近接して少なくとも1つの開口(複数の場合もあり)または小孔(複数の場合もあり)を有することができる。図示するように、エミッター5および管路26のエミッターソケット端は、好ましくは、中空シェル4の内部に配置され、エミッター5の放電端は、距離Rだけオリフィス7の内側に間隔を空けて配置される(または、同義的にオリフィス7から奥まった位置に配置される)(例えば、
図1bを参照のこと)。この奥まった位置の距離Rが大きくなればなるほど、プラズマ領域12からの汚染副生成物が、より容易に、低圧排気流によって排気通路14に向かって一掃される可能性がある。通路を通る約0.1リットル/分〜約20リットル/分の範囲の低圧気体流が、この目的のために適切であり得ることが判明している。より好ましくは、広範囲(例えば、10ナノメートル〜1000ナノメートル)の粒子サイズを確実に排気するために、流量は、イオン化装置またはイオン化組立体について約1リットル/分〜10リットル/分とすることができる。一方で、奥まった位置の距離Rが小さくなればなるほど、プラズマ領域12からのイオンが、より容易に、オリフィス7を通って、所望に応じて主気体流2のイオンドリフト領域内に移動する可能性がある。これらの競合する考慮事項の最適なバランスのために、距離Rが、エミッター5の先端でコロナ放電によって生成されるプラズマ領域12のサイズ(プラズマ領域は通常、幅が約1ミリメートルである)に少なくとも概ねまた好ましくは実質的に等しくなるように選択される場合に、最適なイオン/副生成物分離を達成することができることが判明している。さらに、好ましい距離Rは、円形オリフィス7の直径D(約2ミリメートル〜3ミリメートルの範囲にある)と概ね同程度とすることができる。最も好ましくは、D/R比は、約0.5〜約2.0の範囲とすることができる。
【0025】
図1aを更に参照すると、
図1aに示すイオン化バー100の中には複数の方向矢印が示されている。これらの矢印が、イオン化バー100を通って移動する2つの主要な気体流、すなわち、シェル4の周りで流動して電荷キャリア10、11を目標または対象物Tへ向けて押し流す気体流3、および、真空通路14と周囲環境との間の圧力差に起因して排気通路14を通して汚染気体および汚染粒子を引き寄せる低圧吸引流れである真空流15を表していることは、当業者は容易に理解するであろう。こうして、低圧吸引流または真空流15によって、エミッター5の先端は周囲環境からを少なくとも実質的に隔離される。さらに、また、既述したように、低圧吸引流または真空流15は、固体汚染粒子および他のコロナ放電に伴う副生成物や気体を取り込み、それらを、管路26を通して真空通路14内へ(また、重要なことには、目標または対象物Tから離れて)輸送する。
【0026】
実際には、気体流3の大きさと粒子を伴った気体流15の大きさとの間の関係(例えば、気体流比3/15)は、イオン化装置の清浄度およびイオン輸送効率を規定するうえで重要である。そして、この気体流比は、種々の環境や用途の下で最適性能を達成するために変わる可能性がある。例えば、帯電した目標または対象物Tが、イオン化バー100に非常に近接して位置決めされる(半導体作製用途ではしばしばそうであるが)場合、気体流3の速度は、例えば約23m/min〜30m/min(75フィート/分〜約100フィート/分)に制限すべきである。
【0027】
或る特定の気体流比3/15において、イオンエミッター(複数の場合もあり)5のプラズマ領域12が周囲雰囲気から隔離され、エミッター5の先端上でのデブリ蓄積が大幅に抑制され、コロナ放電により生成される汚染副生成物の実質的に全てが除去されよう。そのため、幾つかの最も好ましい実施形態では、気体流3、15の双方(および、特に気体流比3/15)が、種々の因子(イオン化組立体20と帯電した目標または対象物Tとの間の距離等)に応じて調整され、それにより、汚染副生成物の移動を管理することができる。
【0028】
対照的に、中和すべき帯電した目標または対象物Tが、イオン化バー100から更に一層遠位に配置される場合、気体流3を増加すべきである。その理由は、こうした条件下では、帯電した目標または対象物Tが形成する電界が弱くなり(すなわち、より低い電界強度がイオン化バーに存在することになり)、イオン輸送が、主に気流つまり気体流3によって行われることになるからである。しかし、気体流3は、汚染粒子15がプラズマ空間12から流出し、目標または対象物Tに向かって流れることを可能にするほど大きくてはならない。
【0029】
再び
図1aを参照すると、既述のようにイオン化バー100をAC電源とともに使用する場合には、参照電極(複数の場合もあり)6を設けて、(1)エミッター5の先端でのイオン生成を容易にし、(2)エミッター5の先端から電荷キャリア10、11を移動させるための電界を形成するようにしてもよい。電気絶縁された参照電極6は、好ましくは、イオン化バー100の1つの外側表面を形成する概ね平坦な面として配設され、それにより、プラズマ領域12を形成するイオン化電界に加えて、比較的低い強度の(非イオン化)電界が同イオン化電界に形成される。
【0030】
エミッター5に印加される電位は、約3キロボルト〜約15キロボルトの範囲とすることができ、また、通常、約9キロボルトである。参照電極6に印加される電位は、約0ボルト〜約1000ボルトの範囲とすることができ、約30ボルトが最も好ましい。非イオン化気体が空気である場合、この非イオン化電圧は、0(零)ボルト未満に振れる場合がある。無線周波数のイオン化電位が好ましくはキャパシタを通してイオン化電極5に印加されることに留意されたい。同様に、参照電極は、フィードバック信号を引き出すことができるキャパシタ−インダクタ(受動LC回路)を通して「接地する(grounded)」ことができる。こうして、この構成によって、イオン化電極5と非イオン化電極6との間に電界が形成される。電極間の電位差がコロナ放電を確立するのに十分であれば、電流が、エミッター5から参照電極6に向かって流れることになる。エミッター5と参照電極6の双方は、キャパシタによって絶縁されるため、比較的小さなDCオフセット電圧が自動的に確立され、存在する場合がある任意の過渡的イオン化バランスオフセットが、約0(零)ボルトの不活性状態(quiescent state)に減少することになる。
【0031】
代替形態として、イオン化シェル組立体20の近傍および/またはイオン化シェル組立体20の間に配置される専用ノズル29(
図2aの速度キャップを有するノズル29′も参照のこと)からの別の気体流によって、帯電した対象物へのイオン雲を移動させるようにしてもよい。ノズル29は、高圧の清浄気体通路2′に連通させることができ、各ノズル29の断面積は、好ましくは、各シェルのオリフィス7の断面積よりも著しく小さい。その結果、各ノズル29によって(シェル組立体と比較して)一層高速の気体流が生成され、該高速の気体流に周囲空気を効率的に取り込み、イオンを取入れ(収集し)、該イオンを遠位の(例えば、1000mm以上離れた)帯電した目標または対象物Tに移動させることが可能となる。こうして、ノズル29からの気体流は、イオンを、中和すべき帯電した目標または対象物Tに輸送し、それにより、イオン化装置の効率を著しく高めるのに役立つ。この概念は、2006年10月6日に出願され、2010年4月13日に発行された、「Air Assist For AC Ionizers」という名称の米国特許第7,697,258号に開示されており、その内容全体が参照により本明細書に援用される。本発明は、すぐ上に述べた米国特許第7,697,258号に開示されている発明(複数の場合もあり)に適合する。
【0032】
多周波数高電圧波形は、イオン化電位として、本明細書に開示される本発明のイオン化バーに印加することができ、こうした波形の代表的な例が
図1cに示される。この特性を有する波形は、2008年3月14日に出願され、2010年10月12日に発行された、「Prevention Of Emitter Contamination With Electronic Waveforms」という名称の米国特許第7,813,102号に詳細に開示されており、その内容全体が参照により本明細書に援用される。これらの教示によれば、多周波数AC電圧成分(12kHz〜15kHz)は、信号の振幅がイオン化電極(複数の場合もあり)のコロナ放電閾値電圧(可能な最低電圧)に略等しいとき、効率的なイオン化を提供する。これはまた、エミッター侵食およびコロナ放電による副生成物の生成速度を減少させる。さらに、高周波イオン化は、固体粒子およびエミッターシェルの壁の起こり得る電荷を中和する。同様に、上述した米国特許第7,813,102号の教示によれば、イオン化電位は、イオンを目標に向けて「偏向させる(polarize)」または「押出す(push)」低周波成分を有することができる。この成分の電圧振幅は、一般に、イオン化電極と目標との間の距離の関数である。こうして、電気的(および固有の拡散)力は、イオン10、11の少なくとも実質的な部分を、プラズマ領域12から移動させ、シェル4を出るように(同様に参照電極6の方向に横方向に移動しながら、出口オリフィス7を通って、目標または対象物Tに向かうように)させる。電界強度が、電極5の近くにおいて低いため、イオン10、11は、主(非イオン化)気体流3内に一掃され(それにより、清浄なイオン化気体流が形成され)、中和目標表面または対象物Tに向かって方向付けられる。したがって、本発明の幾つかの実施形態は、イオン化装置から中和すべき帯電した目標へ移動するようにイオンを押しやるために、気体流とACイオン化電位の低周波成分との双方を使用することができる。本明細書で述べる本発明に適合するイオン化電位を提供するための更なるオプションは、2010年10月20日に出願された、「Self-Balancing Ionized Gas Streams」という名称の米国特許出願第12/925,360号に見出すことができ、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
【0033】
イオン化電極5は、好ましくは、鋭利な尖端点を有するテーパ付きピンとして構成されるが、当該技術分野で知られている多くの異なるエミッター構成が、本発明によるイオン化シェル組立体で使用するのに適することは理解されよう。限定されないが、これらは、尖端点、小さな径のワイヤ、ワイヤループ等を含むことができる。さらに、エミッター5は、(それが使用されることになる特定の用途または環境に主に応じて)金属、並びに、シリコン、単結晶シリコン、ポリシリコン、シリコンカーバイド、セラミックスおよびガラスのような導電性および半導電性である非金属を含む、当該技術分野で知られている非常に様々な材料から作ることができる。
【0034】
通路2′および14は、(それが使用されることになる特定の用途/環境に応じて)多数の既知の金属材料および非金属材料から作ることができ、それらの材料は、ポリカーボネート、テフロン(商標)、非導電性セラミック、石英、またはガラス等のプラズマ耐性のある絶縁材料を含むことができる。代替的には、通路の限られた部分は、所望に応じて上述した材料から作ることができる。別のオプションの代替形態として、通路2′および/または14の一部または全ては、所望に応じてプラズマ耐性絶縁材料のスキンでコーティングすることができる。
【0035】
エミッターシェル4は、(それが使用されることになる特定の用途/環境に応じて)多数の既知の金属材料および非金属材料から作ることができ、それらの材料は、ポリカーボネート、テフロン(商標)、非導電性セラミック、石英、またはガラス等のプラズマ耐性のある絶縁材料を含むことができる。代替的には、シェルのオリフィスの近くのシェルの部分だけを、上述した材料から作ることができる。別のオプションの代替形態として、エミッターシェル4の一部または全ては、プラズマ耐性絶縁材料のスキンでコーティングすることができる。
【0036】
ここで
図1bを考慮すると、複数の等価な設計の変形形態を示すのに役立つ、本発明の関連する好ましい実施形態による超清浄イオン化バーの一部が示される。
図1bに示すように、イオン化バー100′は、(同様の参照符号の使用によって示されるような)
図1aのイオン化バー100の物理特性と同様の幾つかの物理特性を有することができ、この実施形態の動作の原理は、既述したものと同じである。したがって、上記のバー100の説明は、すぐ下で論じる差異を除いて、バー100′にも適用される。
図1bに示す第1の差異は、通路2′の壁およびシェル4′の壁が、
図1aに示すものと僅かに異なることである。さらに、設計の選択の問題として、通路2′の壁と参照電極6′との間に、ギャップが付加されている。さらに、(管路26′に電気的に連通されないが、イオン化高圧電源に電気的に連通される)イオン化ワイヤ5′が、テーパ付きピン5と置換されている。さらに、イオン化ワイヤ5′が、管路26′からイオン化電位を受け取らないため、管路26′は、絶縁材料で形成することができる。ワイヤ5′は、管路26′に軸方向に位置合わせされる(したがって、同心である)ことができ、管路26′は、プラズマ領域12の近くに概ね円形のアパーチャを提供するために、概ね「ストロー状(straw-shaped)」とすることができる。当然ながら、副生成物15は、このアパーチャに流入し、それにより、管路26′の対向端を介して排気通路に輸送されることができる。
【0037】
図1dに示す別の代替的な実施形態では、スロットイオン化バー100aは、細長い(実質的に直線状の)コロナワイヤ5″を備える1つのイオン化電極を有する1つのみの細長いシェル組立体20″を有することができ、コロナワイヤ5″は、排気ポート26″を有する細長いシェル4″内に位置決めされ、イオン化電位を与えられると、電荷キャリア10、11および汚染副生成物を含む概ね円柱状のプラズマ領域12aを生成する。細長いシェル4″は、コロナワイヤ5″に少なくとも概ね平行である(ページの平面から出る)方向に細長いシェルのオリフィス7′(スロット等)を有することができる。本明細書で論じた他の実施形態の場合と同様に、この実施形態も、細長いシェル4″を包囲する気体通路2″(より大きく細長い高圧通路等)を含むことができ、それにより、気体通路2″を通過する清浄気体3の僅かな部分が、細長いシェルに入って、汚染物質15を、排気ポート26″を通して排気通路14′内に一掃する。当然ながら、他の実施形態に関して論じられるように、コロナ放電により生成されるイオン10、11の実質的な部分が、依然として非イオン化気体流3に入って、目標に方向付けられる清浄なイオン化気体流が形成される。1つまたは複数の参照電極(複数の場合もあり)6′の使用はオプションであり、また、全体を通して提供される記述に基づいて通常の当業者の技量内にある。この実施形態の変形形態では、実質的に直線でかつ細長いコロナソーブレード(図示せず)を、当業者の技量内の等価な設計の選択として、コロナワイヤ5″の代わりに用いることができる。
【0038】
ここで
図1cを参照すると、
図1aおよび
図1bの実施形態に示すイオン化電極(複数の場合もあり)に印加することができる代表的な無線周波数ACイオン化電位40が示される。ACイオン化信号40は、好ましくは、約3kV〜約15kVの振幅および約12kHzの好ましい周波数を有する無線周波数成分を有することができる。ACイオン化信号40は、好ましくは、約100V〜約2kVの振幅および0.1Hz〜約100Hzの好ましい周波数を有する低周波AC(押出し)成分を有することもできる。当該技術分野で知られているように、この一般的な特質のイオン化信号は、イオン化を起こさせるだけでなく、生成されたイオンを、プラズマ領域の外へ、また、所望の方向に「押出す」のにも役立つことができる。
【0039】
本発明の超清浄イオン化バーの別の好ましい実施形態は、DC動作モードまたはパルス状DC動作モードで働くように構成することができる。
図2aに示すように、超清浄イオン化バー100″は、(同様の参照符号の使用によって示される)
図1aおよび
図1bのイオン化バー100および100′の物理構成と同様の物理構成を有することができる。したがって、上記のバー100および100′の説明は、すぐ下で論じる差異を除いて、バー100″にも適用される。
図2aに示すように、バー100″は、それぞれ、正の高電圧バス17bおよび負の高電圧バス17aに電気的に連通する少なくとも2つのシェル組立体20′および20″(専用の正のエミッターおよび負のエミッターをそれぞれ有する)を有することができる。バス17aおよび17bは、高圧/清浄気体通路2′および/または排気通路14の非導電性部分上に位置決めすることができる。イオン化バー100″が非イオン化参照電極を全く必要としないことを当業者は(本明細書に含まれる開示を考慮して)容易に理解するであろう。それは、正シェル組立体20″および負シェル組立体20′が、コロナ放電により生成されるイオン雲を、これらの正シェル組立体と負シェル組立体との間で横方向に移動させる反対極性の対で配列されるからである。すなわち、
図2aに示すような参照電極6の存在は、純粋にオプションであることが理解され、この理由は、以下の段落で更に説明される。
【0040】
最も好ましい実施形態では、複数対の正シェル組立体20″および負シェル組立体20′は、負シェル組立体が1つおきに配置され、かつ、シェルのオリフィスが全て、少なくとも概ね電荷中和目標に向くようにイオン化バー100″に沿って位置決めされる。この構成では、正イオン化電極に印加されるイオン化電位は、負イオン10の少なくとも実質的な部分を非イオン化気体流内に移動させるのに十分な非イオン化電界を、負シェル組立体20′のプラズマ領域12′にかける。これに関して、当該技術分野で知られているように、約99%のイオン再結合レートが一般的であり、したがって、1%未満のイオンでさえも、文脈を考慮すると、生成されるイオンの実質的な部分と考えることができることが留意される。同様に、負イオン化電極に印加されるイオン化電位は、正イオンの少なくとも実質的な部分を非イオン化気体流内に移動させるのに十分な非イオン化電界を、正シェル組立体20″のプラズマ領域12″にかける。
【0041】
当該技術分野で知られているように、正エミッターは、負エミッターよりも、エミッター侵食に起因してより多くの汚染粒子およびデブリを生成する傾向がある。本発明の特定のDCまたはパルス状DCの実施形態によれば、正シェル組立体20″用の真空流15(すなわち気体流比3/15)は、好ましくは、汚染除去が、不等のレートで、また、異なるタイプのシェル組立体20′および20″における汚染生成レートに比例して行われることができるように、負シェル組立体20′のものよりも高くするべきである。
【0042】
イオン化バー100″に印加することができるパルス状DC(正および負の)イオン化波形(それぞれ、50pおよび50n)の代表的な例が
図2bに示される。代表的な波形50pおよび50nで示すように、電圧振幅、パルス周波数および/または継続時間は、任意の所与の用途において目標または対象物に均衡した正のイオン雲および負のイオン雲を輸送するために必要に応じて変更することができる。さらに、高電圧パルスは、真空および/または可変上流気体流と同期して、イオン化装置の効率を高め、粒子生成/デブリ蓄積を最小限に抑えることができる。
図2aの好ましい実施形態に適用されると、正のパルス状DC信号50pは、バス17aを介してシェル組立体20′に与えられ、負のパルス状DC信号50nは、バス17bを介してシェル組立体20″に与えられることになる。信号50pおよび50nのそれぞれについて、従来のパルス状DC振幅範囲および周波数範囲を使用することができる。単に例として、信号50pおよび50nの振幅は、約3kV〜約15kVとすることができ、信号50pおよび50nの周波数は、約0.1Hz〜約200Hzとすることができる。当該技術分野で知られているように、この一般的な特質を有するイオン化信号は、イオン化を起こさせるだけでなく、生成されたイオンを、プラズマ領域の外へ、また、所望の方向に「押出す」のにも役立つことができる。
【0043】
本発明を、最も実用的でかつ好ましい実施形態であると現在のところ考えられるものに関連して述べたが、本発明が、開示された実施形態に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内に含まれる種々の変更および均等な構成を包含することを意図されることが理解されるべきである。上記の説明に関して、例えば、サイズ、材料、形状、形態、機能および動作方法、組立ておよび使用の変形形態を含め、本発明の部品についての最適な寸法関係は、当業者に容易に明らかになると思われ、また、図面に示され、明細書で述べられるものに対する全ての均等な関係は、添付の特許請求の範囲によって包含されることが意図されることが認識されるべきである。したがって、上記は、本発明の原理の例証的な、網羅的でない説明であると考えられる。
【0044】
動作例においてまたは別途指示される場合以外は、明細書および特許請求の範囲で使用される、成分の量、反応条件等を指す全ての数字または表現は、全ての事例で用語「約(about)」によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、それとは反対であることが指示されない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に示される数値パラメーターは、本発明が得ることを所望する所望の特性に応じて変化し得る近似値である。最低でも、また、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとする試みとしてではなく、各数値パラメーターは、報告される有効桁数を考慮して、また、通常の丸め技法を適用することによって、少なくとも解釈されるべきである。
【0045】
本発明の広い範囲を記載する数値範囲およびパラメーターは近似値ではあるが、特定の例で記載される数値は、できる限り厳密に報告される。しかし、どの数値も、本質的に、それらのそれぞれの試験的測定において見出される標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を含む。
【0046】
同様に、本明細書で列挙されるどの数値範囲も、その範囲内で部分和を取られる全てのサブ範囲を含むことを意図されることが理解されるべきである。例えば、「1〜10」の範囲は、1という列挙される最小値および10という列挙される最大値間の全てのサブ範囲を含み、かつ、1という列挙される最小値および10という列挙される最大値を含み、すなわち、1以上の最小値および10以下の最大値を有することが意図される。開示される数値範囲は、連続しているため、最小値と最大値との間の全ての値を含む。別途明確に指示されない限り、本願で指定される種々の数値範囲は近似値である。
【0047】
以下の説明のために、用語「上側」、「下側」、「右」、「左」、「垂直」、「水平」、「上部」、「底部」およびそれらの派生語は、図面の図において方向を示すものとして本発明に関連するものとする。しかし、本発明は、それとは反対であることが明記される場合を除いて、種々の代替的な変形形態およびステップシーケンスを仮定することが理解される。添付の図面に示し、以下の明細書に述べる特定のデバイスおよびプロセスは、単に本発明の例示的な実施形態であることも理解されるべきである。したがって、本明細書で開示する実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、制限するものとして考えられるべきではない。