特許第5770786号(P5770786)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エアバス オペレーションズ リミテッドの特許一覧

特許5770786ウィングボックス製造ツールセット及びウィングボックス製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770786
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】ウィングボックス製造ツールセット及びウィングボックス製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/06 20060101AFI20150806BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20150806BHJP
   B64C 3/26 20060101ALI20150806BHJP
   B64F 5/00 20060101ALI20150806BHJP
   B29K 105/08 20060101ALN20150806BHJP
   B29L 31/30 20060101ALN20150806BHJP
【FI】
   B29C67/14 J
   B29C67/14 G
   B29C67/14 P
   B64C1/00 B
   B64C3/26
   B64F5/00 D
   B29K105:08
   B29L31:30
【請求項の数】6
【外国語出願】
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-128617(P2013-128617)
(22)【出願日】2013年6月19日
(62)【分割の表示】特願2009-524221(P2009-524221)の分割
【原出願日】2007年7月25日
(65)【公開番号】特開2013-230687(P2013-230687A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2013年6月26日
(31)【優先権主張番号】0616121.0
(32)【優先日】2006年8月14日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】510286488
【氏名又は名称】エアバス オペレーションズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】AIRBUS OPERATIONS LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】マーク エドウィン ファンネル
【審査官】 長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−248997(JP,A)
【文献】 特開平11−216782(JP,A)
【文献】 特開2001−253393(JP,A)
【文献】 特開2003−034297(JP,A)
【文献】 特表2010−500199(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 70/06
B64C 1/00
B64C 3/26
B64F 5/00
B29K 105/08
B29L 31/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの内側成形面ツールであって、前記少なくとも2つの内側成形面ツールの各々は内側面および外側面を備え、前記外側面の各々は凹部一式を備える、内側成形面ツールと、
少なくとも2つの外側成形面ツールと、
上面および当該上面の反対側の下面を備える少なくとも1つのスペーサプレートであって、前記少なくとも1つのスペーサプレートの各々は着脱可能に前記内側成形面ツール間に嵌合し、前記スペーサプレートの前記上面および前記下面は前記内側成形面ツールの前記内側面に係合して、前記内側成形面ツール間の所望の間隔を維持できる、スペーサプレートと、
を含むウィングボックス製造ツールセット。
【請求項2】
内側面を備える第一内側成形面ツールの外側面上の第一凹部一式内に、複数の縦桁を含む第一構成要素一式を配置することと、
内側面を備える第二内側成形面ツールの外側面上の第凹部一式内に、複数の縦桁を含む第二構成要素一式を配置することと、
少なくとも1つのスペーサプレートを前記内側成形面ツール間に嵌合させることであって、前記スペーサプレートは前記内側成形面ツールの内側面に係合して前記内側成形面ツール間の所望の間隔を維持し、前記少なくとも1つのスペーサプレートの各々は上面および当該上面の反対側の下面を備え、前記少なくとも1つのスペーサプレートの各々は、前記上面および下面が前記内側成形面ツールの前記内側面に係合するように嵌合し、
前記内側成形面ツールの周りに層を形成して第一および第開口端を備える管状部品を形成することと、
外側成形面ツールを前記内側成形面ツールの反対側面に嵌合することと、
前記層と前記内側および前記外側成形面ツール間の前記構成要素とを圧縮して、ウィングボックスを成形することと、
前記少なくとも1つのスペーサプレートを取り外すことと、
前記スペーサプレートを取り外した後に、前記開口端の少なくとも1つを通して前記内側成形面ツールを前記ウィングボックスから外すことと、
を含む、ウィングボックス製造方法。
【請求項3】
少なくとも1つの内側成形面ツール上の凹部一式内に、複数の縦桁を含む構成要素一式を配置することと、
前記少なくとも1つの内側成形面ツールの周囲に層を形成して第一および第開口端を備える管状部品を形成することと、
第一被膜を第一外側成形面ツール上に敷設することと、
被膜を第外側成形面ツール上に敷設することと、
前記少なくとも1つの内側成形面ツールの反対側面に、前記第一および第被膜を有する前記第一および第外側成形面ツールを嵌合することであって、前記第一被膜を前記少なくとも1つの内側成形面ツールと前記第一外側成形面ツールとの間に配置し、前記第被膜を前記少なくとも1つの内側成形面ツールと前記第外側成形面ツールとの間に配置し、
前記層と前記第一および第被膜と前記少なくとも1つの内側成形面ツールおよび前記外側成形面ツール間の前記構成要素とを圧縮してウィングボックスを成形することと、
前記開口端の少なくとも1つを通して前記ウィングボックスから前記少なくとも1つの内側成形面ツールを取り外すことと
を含む、ウィングボックス製造方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの内側成形面ツールに巻きつけて、前記層が形成されることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記層が前記少なくとも1つの内側成形面ツールに巻きつけられることに従って、前記少なくとも1つの内側成形面ツールが回転することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記外側成形面ツールは前記内側成形面ツールの反対側に嵌合するときに被膜を有し、前記ウィングボックスは前記層と前記被膜と前記内側成形面ツールおよび前記外側成形面ツール間の構成要素とを圧縮して成形することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形ツール、ツールセット、成形ツールを製造する方法および複合部品のような部品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5902535号は、単一工程の成形操作で構成要素を成形する樹脂膜注入用の内側成形面(IML)ツールについて記載している。内側成形面ツールは、モジュール式設計における複数の心棒を備えている。心棒はプレフォームアセンブリ上に個々に組み立てられ、心棒の下側の表面構造はプレフォームアセンブリの縦桁およびインターコスタルと整合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5902535号明細書
【発明の概要】
【0004】
本発明の第一の態様は、成形面と成形面内の心棒凹部とを備え、前記心棒凹部が、該心棒凹部内で前記心棒を所望の位置に位置決定するような心棒と係合するように構成されている心棒位置決め部を有することを特徴とする成形ツールを提供する。
【0005】
成形面に心棒凹部を備えることは、心棒を容易かつ正確に成形面に嵌合することを可能にする。
【0006】
典型的には、心棒位置決め部は、オスメス接続(例えば穴またはピン)によって心棒と係合するように構成される。
【0007】
複数の心棒凹部が成形面に形成され、それらは、典型的には一続きの素材により形成できる。従って、各心棒凹部が、縦桁のような各構成要素、または桁、リブ足またはリブ柱のような付加的な構成要素のための心棒を収容するために用いられうる。
【0008】
ツールは、例えば、ハーフウィングボックス用の、片側に単一の成形面のみを有しても良い。代替的には、ツールは(第一成形面の隣接または反対側にある)第二成形表面を有しても良く、第二成形面中の一つまたは複数の心棒凹部は、各心棒を収容するように構成される。この場合、ツールは、フルウィングボックスのような管状部品の形成に用いることができる。
【0009】
典型的には、例えば、鋼片の機械加工により、成形ツールから材料を除去することで各凹部が形成される。
【0010】
本発明の更なる態様は、ツールセットを提供し、該ツールセットは、
本発明の第一の態様による成形ツールと、
心棒凹部に嵌合して、第一構成要素を形成するように構成された第一心棒と、
心棒凹部に嵌合して、第一構成要素とは異なる形状または寸法を有する第二構成要素を
形成するように構成される第二心棒と
を備える。
【0011】
従って、モジュール式ツールセットに用いられうるツールは、多様な心棒を入れ替え可能に心棒凹部に嵌合でき、所望の構成要素を形成することができる。
【0012】
本発明の更なる態様は、ツールセットを提供し、該ツールセットは、
本発明の第一の態様による成形ツールと、
縦桁心棒凹部の一つ一つにそれぞれ嵌合して、各縦桁を形成するように構成される、2つまたはそれ以上の縦桁心棒と
付加的な心棒凹部の一つ一つそれぞれに嵌合して、付加的な構成要素のそれぞれを形成するように構成される、1つまたはそれ以上の追加的な心棒と
を備える。
【0013】
従って、成形ツールは、縦桁用の心棒と、さらには、リブ足、桁および/またはリブ柱のような付加的な構成要素のための心棒を収容できる。
【0014】
本発明の更なる態様は部品の製造方法を提供し、該方法は、
構成要素を心棒の上に配置すること、
心棒を成形ツールの心棒凹部に嵌入すること、
パネルを前記成形ツールの成形面に係合している該パネルの第一部分及び前記心棒上の前記部品と係合している前記パネルの第二部分に配置すること、
前記第一心棒に対して前記パネルの前記第一部分を圧縮して、前記部品に結合させること、
前記成形ツールの前記成形面に対して前記パネルの前記第二部分を圧縮して、前記第二部分を成形すること
を含む。
【0015】
用途に応じて、パネルは多様な要素でありうる。後述の好ましい実施形態において、パネルは、成形ツールに巻きつけられたウィング被膜またはキャップ層の一部分のいずれかである。
【0016】
本発明の更なる態様は第一および第二の部品を製造する方法を提供し、該方法は、
第一の部品を、
第一心棒上に第一構成要素を配置すること、
第一心棒を成形ツールの心棒凹部に嵌入すること、
前記成形ツールの成形面に係合している第一部分と、前記第一心棒上の第一構成要素と係合する第二部分とを有する第一のパネルを配置すること、
前記第一心棒に対して前記パネルの前記第一部分を圧縮して、第一構成要素に結合させること、そして、
前記成形ツールの前記成形面に対して前記パネルの前記第二部分を圧縮して、前記第二部分を成形すること
により製造し、そして、
心棒凹部から第一心棒を取り外し、
第二の部品を、
第二心棒上に第二構成要素を配置すること、
第二心棒を成形ツールの心棒凹部に嵌合すること、
第二のパネルであって、前記成形ツールの成形面に係合する第一部分と、前記第一心棒上の第二構成要素と係合する第二部分とを有するパネルを配置すること、
第二心棒に対して前記パネルの第一部分を圧縮して、第二構成要素に結合させること、
前記成形ツールの前記成形面に対して前記パネルの前記第二部分を圧縮して、パネルの第二部分を成形すること
により製造することを含む。
【0017】
本発明の更なる態様は部品の製造方法を提供し、該方法は、
成形ツール上に一組の構成要素を配置すること、
前記構成要素をパネルに結合するように、前記成形ツール上の構成要素一式を前記パネルに対して同時に圧縮すること
を含み、前記構成要素一式は、複数の縦桁と1つまたは複数の付加的な構成要素とを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の一実施形態において、方法は、
第二構成要素一式を成形ツール上に配置すること、
第二構成要素一式を第二のパネルに結合させるように、第二構成要素一式を成形ツール上で第二パネルに対して圧縮することを更に含み、
前記第一構成要素を前記第一のパネルに対して圧縮するのと同時に、前記第二構成要素一式を前記第二のパネルに対して圧縮することを特徴とする。
【0019】
例えば、以下に述べる実施形態の一つにおいて、第一構成要素一式は、ウィングボックスの上表面に結合し、また、第二構成要素一式は、ウィングボックスの下表面に結合する。
【0020】
本発明の更なる態様は、
少なくとも2つの内側成形面ツール、
少なくとも2つの外側成形面ツール、
それぞれが着脱可能に内側成形面ツールの間に嵌合して、内側成形面ツール間の所望の間隔を維持できる一つまたは複数のスペーサと、
を備えるツールセットを提供する。
【0021】
このようなツールセットを部品製造方法に用いても良く、該方法は、
第一内側成形面ツールの外側面上に第一構成要素一式を配置することと、
第二内側成形面ツールの外側面上に第二構成要素一式を配置することと、
前記内側成形面ツール間の所望の間隔を維持するように、前記内側成形面ツールの内側面に1つまたは複数のスペーサを前記内側成形面ツールの間に嵌合させることと、
前記内側成形面ツールの周りに層を形成することと、
外側成形面ツールを前記内側成形面ツールの反対側面に嵌合することと、
前記内側および外側成形面ツール間の前記層および前記構成要素を圧縮して、前記部品を成形することと、
前記スペーサを取り外すことと、
前記スペーサを取り外した後に、前記内側成形面ツールを前記部品から取り外すことと、
前記内側成形面ツールを前記部品から取り外すことと
を含む、部品製造方法である。
【0022】
この方法は、部品の形成の後に、内側成形面ツールを容易に複合部品から取り外せるようにする。典型的には、部品はフルウィングボックスのような管状部品である。
【0023】
本発明の更なる態様は、部品製造方法を提供し、該方法は、
構成要素一式を一つまたは複数の内側成形面ツールを配置すること、
内側成形面ツールの周囲に層を形成すること、
内側成形面ツールの反対側面に一対の外側成形面ツールを嵌合すること、
前記内側および外側成形面ツール間の前記層および前記構成要素を圧縮して、前記部品を成形することと、
前記部品から内側成形面ツールを取り外すこと
を含む。
【0024】
典型的には、前記または各内側成形面ツールに巻きつけて層が形成される。
【0025】
典型的には、例えば、フィラメント巻回機により、内側成形面ツールの周囲に層を巻きつけることに従って、前記または各内側成形面ツールが回転する。
【0026】
さまざまな本発明の態様が、フルもしくはハーフウィングボックスのような航空機部品の形成または航空機以外の多様な用途に用いられうる。典型的には、部品は複合材料から形成されるが、必ずしもこれに限らない。
【0027】
本発明の実施態様を、以下に添付の図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】ハーフウィングボックス部品の内側成形面ツール(IML)ツールである。
図2a】第一の連続(back-to-back)成型ツールである。
図2b】第二の連続成型ツールである。
図3】プレフォームおよび心棒を嵌合した内側成形面ツールである。
図4】ハーフウィングボックス部品用の硬化アセンブリである。
図5】フルウィングボックス部品用の内側成形面(IML)ツールである。
図6】フルウィングボックス部品用の硬化アセンブリの断面図である。
図7図6のアセンブリにおいて使用する上下の外側成形面(OML)である。
図8図6のアセンブリに用いられる主着陸装置(MLG)内側成形面ツールの側面図である。
図9図6のアセンブリに用いられるパイロン内側成形面ツールの側面図である。
図10】MLG内側成形面ツールと図6のアセンブリのウィングボックス内側成形面ツールの接触面のうちの一つの断面図である。
図11】ハーフウィングボックス部品の製造過程である。
図12】ハーフウィングボックス部品の製造過程である。
図13】ハーフウィングボックス部品の製造過程である。
図14】ハーフウィングボックス部品の製造過程である。
図15】ハーフウィングボックス部品の製造過程である。
図16】ハーフウィングボックス部品の製造過程である。
図17】ハーフウィングボックス部品の製造過程である。
図18】ハーフウィングボックス部品の製造過程である。
図19】フルウィングボックス部品の製造過程である。
図20】フルウィングボックス部品の製造過程である。
図21】フルウィングボックス部品の製造過程である。
図22】フルウィングボックス部品の製造過程である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1〜4は、ハーフウィングボックス複合部品を製造するための工程を示す。図1に示す内側成形面ツール1は、鋼片を機械加工して製造される一体の鋼部品を備える。パイロン取り付け凹部2および着陸装置取り付け凹部4は、上部成形面の先端及び後端に機械加工される。次いで、機械加工により材料が上部成形面から除去され、多くの心棒凹部を形成する。心棒凹部は、ツールの先端及び後端に沿ってスパン方向に延在する桁チャネル5、ツールに沿ってスパン方向に延在する4つの縦桁チャネル6、ツールを翼弦方向に走るリブ足チャネル8を含む。縦桁チャネル6およびリブ足チャネル8は、それぞれ底部および一対の対側壁を有するが、桁チャネルは上成形面の端に形成され、底部および単一の側壁のみを有する。心棒位置決め穴が、各心棒凹部の底部に備えられる。このような穴9のうちの1つを図1に部分的に示す。心棒凹部により、上の成形面は島状部3の配列に分割される。ツール位置合わせ穴7が、内側成形面ツール1の根端に備えられる。
【0030】
心棒凹部の形成前に、可撓性の表面被覆(例えば、予備硬化パイルの積層体)を上成形表面に接着またボルト止めしても良い。そして、可撓性表面被覆は、所望の成形外形を形成するために機械加工され、ツール及び心棒位置決め穴を形成するためにパンチ加工されうる。
【0031】
図2aに、縦桁成形ツール10を示す。ツールは、連続して配置される一対の心棒11、12を備える。心棒11、12は形状が同様なので、心棒11についてのみ詳述する。縦桁の半分は、心棒に薄層装填材(例えばプリプレグ)を敷設し、心棒の2つの側面15、16に対して装填材を成型することにより心棒上に形成される。これは、多様な製造技術によって達成できる。例えば、可撓性隔壁を装填材上に敷設し、ダイヤフラムの片側を射出し、(熱と共に)静水圧を用いて装填材を成型できる。結果として、L字状の縦桁の半分が成型され、心棒12により成型された他半分と連続して載置される。それぞれ、一対の半縦桁から形成される縦桁プレフォーム30の列を図3に示す。
【0032】
縦桁チャネル6底部の心棒位置決め穴9に嵌合する位置合わせピン13と14を有する心棒は、縦桁成型ツールを正確に位置決定する。この場合、心棒上の雄部品および心棒凹部の穴部によりオスメス結合がもたらされる。代替的な実施態様では、雄部品が心棒凹部に形成されうる。
【0033】
図3に示す後端部桁キャップ心棒34を、同様の方法で後端部桁キャップ・プレフォーム33を縦桁30に嵌合するために用いる。即ち、装填材(例えば、プリプレグ)が心棒34上に載置され、例えば、真空成形により、心棒の2側面により成形される。先端部桁キャップ・プレフォーム31は、桁キャップ心棒32上に同様の方法で形成されている。
【0034】
連続リブ足ツール(図示せず)は、縦桁成形ツール10と同様に、図3に示すT字状のリブ足プレフォーム36を成形するために用いる。
【0035】
プレフォームを同時に製造するために組立てライン装置を用いることができ、これにより生産速度を最大化する。
【0036】
桁キャップ、縦桁およびリブ足プレフォームが形成された後に、内側成形面ツール1上の各心棒上に運搬され、そして、各心棒は図3に示すように、ツール内の各チャネルに嵌入される。内側成形面ツール1に嵌合される前に、プレフォームは硬化済みまたは未硬化でありうる。
【0037】
2つの側壁を有するチャネル(即ち、縦桁チャネル6およびリブ足チャネル8)が、各心棒を押し込み式に収容して、それぞれの心棒を正確に位置決めする。
【0038】
図4は、内側成形面ツール1および外側成形面ツール40を含む硬化アセンブリを示す。外側成形面ツール40は、ツール内の位置合わせ穴(図示せず)を用いて、硬化治具(図示せず)上に水平に位置決めされる。被膜41を外側成形面ツール40上に敷設する。被膜41は、手動またはテープ貼付装置を用いて、プリプレグまたは織物と共に敷設されてもよい。内側成形面ツール1(図3に示すように、適切な位置にあるプレフォームおよび心棒を有する)を、反転して被膜の上面に載置して、図4に示すアセンブリを形成する。外側成形面ツール40から突出すノックピン42は、内側成形面ツールのツール位置合わせ穴7(図1参照)と嵌合し、内側成形面ツール及び外側成形面ツールを互いに正確に位置決めする。
【0039】
図4に示すアセンブリを、一対の可撓性隔壁の間に密閉及び封入する。内側成形面ツールおよび外側成形面ツールを共に圧縮するために、隔壁間を真空にし、オートクレーブ内で熱と圧力を印加して、部品を硬化し結合する。
【0040】
硬化中に、被膜41は、内側成形面ツール1の島状部3と係合し(かつ、島状部3に対して圧縮し)、結果的に、(これらの内側面において)成形されて、島状部3の形状に一致するようになる。被膜の他の部分が縦桁30、リブ足36および桁キャップ31,33と係合し(かつ、これらに対して圧縮し)、これらを相互に結合する。その反対側では、部品30,36,31,33が各心棒により圧縮及び成形される。
【0041】
結果として生じた翼部品の半分を、成形ツールから外し、そして、マンホール他のあらゆる重要な領域を機械加工して、即組み立て可能な部品を製造する。ウィングボックスの最終組立において、リブ足36をリブウェブ(図示せず)にボルト固定し、そして、桁キャップ31,33は桁ウェブ(図示せず)にボルト固定する。リブウェブおよび桁ウェブを、他方の同様の翼部品の半分(図示せず)に、順次にボルト固定する。シアの高い領域では、いくつかの付加的な桁キャップのボルト止めが必要とされうる。
【0042】
内側成形面ツール1は、多くの多様な心棒を含むモジュール式ツールセットの一部分として用いることが可能であり、心棒凹部に嵌合して、各複合構成要素を形成するようにそれぞれ構成される。従って、例えば、縦桁成形ツール10を縦桁チャネル6から取り外して、異なる形状または大きさの縦桁を形成するように構成された、縦桁チャネル6に押し込み式に収容できる形状及び大きさの代替的な縦桁成形ツールで置換することも可能である。従って、例えば、図2bに示す縦桁成形ツール10’を、異なる被膜を用いた後の共硬化/結合工程において、(縦桁成形ツール10により形成されたT型縦桁の代わりに)I型縦桁30’を形成するために用いることもできる。同様の成形方法を桁キャップ及びリブ足に用いることもできる。これは、それぞれの部品が(上成形表面を形成する島状部3により決定される)共通の形状を有するが、異なる構成要素を有する多くの異なる部分を形成するために、同じ内側成形面ツール1を用いることを可能にする。これにより、部品数が低減され、製造費用が最小化される。
【0043】
内側成形面ツール1は縦桁チャネルを有し、付加的な心棒凹部はそれぞれ付加的な構成要素(この場合は、桁キャップ及びリブ足)のための心棒を収容するように構成される。この統合型ツール法は、縦桁、桁キャップおよびリブ足を同時に被膜に結合できるようにするので、製造時間を短縮する。
【0044】
図5〜11は、フルウィングボックス複合部品を製造する方法を例示する。
【0045】
図5に示す内側成形面ツール50は、上成形面を画定する上面と、下成形面を画定する下面(上面の反対側)と、先後端表面を画定する先端面及び後端面(上下面に隣接している)とを備えている。パイロン取り付け凹部53およびギア取り付け凹部52は、上成形面の先後端に形成される。そして、成形面は、2対の上下の桁チャネル55と、ツール長手方向に延在する上下の縦桁チャネル5と、ツール翼弦方向に延在するリブ足チャネル51とを形成するように機械加工される。上側のリブ足チャネル51のみ図5に示すが、同様のリブチャネルは図示しない下成形面に形成される。島状部58は、チャネルの間に位置する。リブ柱凹部57は、リブ足チャネル51と同一線上の先端および後端成形面に形成される。2つのリブ柱凹部57のみを図5に示すが、第3のリブ柱凹部をツールの遠端にリブ足チャネル51と同一線上に備えてもよい。完成したウィングボックスの所望の位置において、下成形面に平坦部が形成される。図5では、内側成形面ツールの根元端にただ1つの平坦部56のみを示すが、多くのこのような平坦部が、図示しない下成形面で、長手方向に沿って配置される。
【0046】
心棒凹部の形成前に、可撓性表面被覆(予備硬化パイルのラミネートなど)が内側成形面ツール50の周囲を覆う(そして、適切な位置で結合またはボルト止めされる)。そして、可撓性表面被覆は、所望の成形外形を形成するために機械加工されうる。
【0047】
同様の方法で、縦桁、リブ足および桁キャップを、図3に示す縦桁、リブ足および桁キャップに形成し、内側成形面ツール50上のそれぞれの凹部に嵌合させる。また、リブ柱(図示せず)は、図3に示す縦桁成形ツール10と同様に、連続ツール上にも成形され、これらのツールはリブ柱凹部57にも嵌入される。
【0048】
4本の支持支柱49の一式を図6に示す。このような一連の支持支柱49一式は、内側成形面ツール50の中心線に沿う69上に離間して備えられ、支持支柱49の端は、ツールの内側角部に係合する。軸69が回転すると、その回転に従って、フィラメント巻回機により、キャップ層58が内側成形面ツール50上に巻回される。キャップ層58は一連のキャッピングパイルを備える。キャッピングパイルの大部分の繊維は、ツールの長手方向(即ち、ツールの回転軸)に対して角度約90°で延在する。しかし、スプールの巻き戻しがあるので、フィラメント巻回機のスプールの動作により、最大45°の角度が達成されうる。
【0049】
図6は、内側成形面ツール50、上カバー外側成形面ツール53、下カバー外側成形面ツール54、主着陸装置(MLG)内側成形面ツール51およびパイロン内側成形面ツール52を含む硬化アセンブリを示す。
【0050】
下カバー外側成形面ツール54は、下カバー外側成形面ツール54の位置合わせ穴56(図7に示す)を通過するツール治具のピンを有する硬化治具(図示せず)に水平に位置する。下被膜57は下カバー外側成形面ツール54上に敷設される。図6に示すように、内側成形面ツール50(図6に示すような適当な位置にあるプレフォーム及び心棒を有する)が被膜57の上に配置され、内側成形面ツール50の穴を貫通する、ツール治具のピン(図示せず)により、内側成形面ツール外側成形面ツールが相互に正確に配置される。
【0051】
そして、図6に示すように、MLG内側成形面ツール51およびパイロン内側成形面ツール52を適所に配置する。
【0052】
MLG内側成形面ツール51は図8で詳細に示す。MLG内側成形面ツール51はその中心線について対称形であるので、上半分のみについて詳述する。上半分は、上被膜59と係合する上面60を有する上部コールプレートと、キャップ層58と係合する側面64とを備えている。側面64は、パイロット穴61を有するフランジに延在する。ピン62は、その末端(図示せず)にねじ込んだナット63を備える。
【0053】
ナット63は、下コールプレートにより担持されるナットを係合し、ナットの一方または両方は、コールプレート間の間隔を調整するために回転可能であり、上下の被膜57,59について正確な厚みを保証する。
【0054】
MLG内側成形面ツール51および内側成形面ツール50の間の接触面を図10に示す。MLG内側成形面ツール51は、内側成形面ツール50の長手方向に沿って延在するか、または、着陸装置取り付け凹部52と同一線上に位置しても良い。内側成形面ツール50は、MLG内側成形面ツール51のパイロット穴61と同一線上のパイロット穴65を有する。パイロット穴66は、パイロット穴61,65と同一線上に位置するキャップ層58を貫通する。ボルト80は、パイロット穴61,65,66を通り、ナット82、83により適切な位置に保持される。円筒形カラー81は、ボルト80に嵌合して、ツール50,51の反対側表面に係合する。円筒形カラー81の長さは、ツール間の間隔と、結果的にはキャップ層58の厚みを正確に設定するように慎重に制御される。
【0055】
パイロン内側成形面ツール52を図9に詳細に示す。パイロン内側成形面ツール52は、MLG内側成形面ツール51と同様の構造なので詳述はしない。同様のボルトインタフェースをパイロン内側成形面ツール52および内側成形面ツール50の間に備える。
【0056】
そして、ツール50,51,52を固定し、治具から取り外して180°回転させる。
【0057】
上カバー外側成形面ツール53は、上カバー外側成形面ツール53の位置合わせ穴56を通る硬化治具上のピンによって、硬化治具上に水平に位置合わせされる。上被膜59は、上カバー外側成形面ツール53上に敷設される。内側成形面ツール50内の穴(図示せず)を貫通するツール治具のピンを用いて、ツール50,51,52が上被膜59上に配置され、内側成形面ツールと外側成形面ツールが互いに正確に配置される。
【0058】
そして、図6に示したアセンブリを固定し、密封し、バッグで覆い、オートクレーブ内で硬化する。
【0059】
内側成形面ツール50(内側成形面ツール1と共通して)を、それぞれが心棒凹部に嵌合して各複合構成要素を形成するように構成されている多くの多様な心棒を含む成形ツールセットの一部として用いることができる。
【0060】
内側成形面ツール50は縦桁チャネルを有し、付加的な心棒凹部のそれぞれが、付加的な部品(この場合、キャップ、リブ柱およびリブ足)のための心棒を収容するように構成されている。この統合ツール法は、縦桁、桁キャップ、リブ柱およびリブ足が同時に結合できるようにするので、製造のための時間を節約できる。また、フルウィングボックス内側成形面ツールは、上下の被膜が同時に各部品に結合できるようにして、ハーフウィングボックスの場合と比較して、組立時間およびコストを低減する。また、桁ウェブに、キャップ層58によりもたらされる桁キャップをボルト止めするという付加的な組立ステップが必要とされることはない。
【0061】
しかし、ハーフウィングボックスの場合は、より小さい部品を生産し、部品の非破壊試験がより容易に実施できる。
【0062】
そして、外側成形面ツールが取り外され、また、内側成形面ツールは、フルウィングボックス部品の大きい方の根元端から取り外される。マンホールおよび他のいかなる重要な領域も、即組立可能な部品を提供するために機械加工される。組立中には、リブウェブがウィングボックスの根元端に通され、リブ柱およびリブ足にボルト止めされる。若干の付加的な桁キャップの被膜57,59へのボルト止めが、シアの高い領域で必要とされうる。
【0063】
図11〜16は、ハーフウィングボックス複合部品を製造する代替的な方法を示す。方法は図1〜4に示す方法と同様のため、違いのみを詳述する。図13に示す内側成形面ツール100は、図11に示す鋼片101から形成され、内側成形面ツール100は、図12に示すように内側成形面、桁チャネルおよび取り付け凹部を形成するように機械加工され、次いで、図13に示すように縦桁およびリブ足凹部を形成するように機械加工される。内側成形面ツール100は、内側成形面ツール1と同じ心棒を収容する。心棒凹部に挿入する前のそれぞれの心棒を13に示す。図14は適所配置された心棒およびプレフォームを示し、図15はツール上を覆ったキャップ層102を示す。
【0064】
そして、図16に示すように、コールプレート103,104を先端および後端部に係着させる。図17に示すように、被膜105を外側成形面ツール106上に敷設する。図18に示すように、内側成形面ツール100を被膜105上に配置し、パーツを正確に配置するために、プレート111から突出すノックピンが外側成形面ツールおよびコールプレートの穴に嵌入る。ノックピン107〜110のうちの4本を図18に示す。他のノックピンは図示しない。そして、図18のアセンブリをバッグで覆い、オートクレーブで硬化する。
【0065】
図19〜22は、フルウィングボックス複合部品を製造する代替的な方法を示す。図21に示すように、内側成形面ツール100と同じ一対の内側成形面ツール120,121は、プレフォームを嵌合している。図19に示す、4枚のスペーサプレート122は、内側成形面ツール121,120の間に着脱自在に嵌合される。スペーサプレートの上下表面は、内側成形面ツールの内側表面に係合して所望の間隔を維持する。そして、図21に示すように、キャップ層123は、アセンブリ上に巻回される。アセンブリがツール中心線に沿うについて回転する図6のアセンブリと比較すると、図21のアセンブリは、スペーサプレート122により回転可能である。
【0066】
キャップ層123が形成された後に、図20に示すコールプレート124,125が、図22に示すように嵌合される。図22に示すように、上下の外側成形面ツール126,127(両方とも、被膜を有し、ラベル付けされていない)が、嵌合される。そして、図22のアセンブリをバッグで覆い、オートクレーブにおいて硬化する。
【0067】
硬化後、外側成形面ツール126,127およびコールプレート124,125を取り外す。それから、4枚のスペーサプレート122を、ウィングボックスの根元端及び先端、または、前後端から取り外すことができる。これは、内側成形面ツール120,121を硬化後のウィングボックスから(上部の内側成形面ツール121を下に動かし、下部の内側成形面ツール120を上に動かすことによって)外して、根端またはチップ端部から取り外せるようにする。
【0068】
上述のように、本発明は一つまたは複数の好ましい実施形態に関して記載したが、幾多の変更または修正が添付の請求の範囲に記載の本発明の範囲内において可能なことはいうまでもない。

図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22