【実施例2】
【0035】
本実施例は車両ルート計画方法を提供する。当該方法では、エネルギー消費量及びノードコスト等の要因を考慮して、最適なエネルギー補給方法が計画される。実施例1の説明と
図2とを参照すると、本実施例で提供される当該方法は、以下のステップを含む。
【0036】
201:車両の現在位置、目的地位置、及びエネルギー残存量を取得する。
【0037】
車両の現在位置は、例えば全地球測位システム(GPS)や汎用パケット無線システム(GPRS)を使用して車両の位置決めを行うことにより取得することができる。また、これらに加えて、車両の現在位置を取得するために他の位置決め技術及び技法を使用してもよい。例えば、現在位置はユーザが直接入力することもできる。本実施例は、車両の現在位置を取得する方法に何らの制限も設定しない。
【0038】
車両の目的地位置を取得する方法には数通りがある。例えば、車両の目的地位置は、ユーザによって入力されたテキスト情報に基づいて取得することも、電子地図上でユーザが直接選択した情報に基づいて取得することも、あるいは車両の履歴データから取得することもできる。また、これらに加えて、車両の目的地位置を取得するための他の方法を使用してもよい。本実施例は、車両の目的地位置を取得する方法に何らの制限も設定しない。
【0039】
車両の残余エネルギー量を取得する方法については、ほとんどの車両にはリアルタイムのエネルギー量を示すインジケータが装備されているので、残余エネルギー量はこのインジケータによって取得することができる。例えば、燃料自動車には燃料量を示すインジケータが、そして電気自動車には電気量を示すインジケータが装備されているので、残余エネルギー量はこうしたインジケータによって取得することができる。また、残余エネルギー量を取得するための他の方法を使用してもよいことは言うまでもない。本実施例は、車両の残余エネルギー量を取得する方法に何らの制限も設定しない。
【0040】
202:車両の残余エネルギー量に基づいて、現在位置から目的地位置まで走行するためにはエネルギー補給を行う必要があるか否かを判断し、エネルギー補給を行う必要がある場合にはステップ203を実行する。
【0041】
このステップでは、ステップ201において現在位置、目的地位置及び車両の残余エネルギー量が取得された後に、現在位置から目的地位置まで走行するためにはエネルギー補給を行う必要があるか否かを判断する動作は、複数の方法によって実行することができる。これには、現在位置から目的地位置まで走行する際の車両のエネルギー消費量を決定し、続いて、残余エネルギー量が車両に必要とされるエネルギー消費量を上回るかどうかを比較し、下回る場合には、車両のエネルギー補給を行う必要があると判断してステップ203を実行する動作が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0042】
203:エネルギーを補給するための予備エネルギー補給所群を決定する。
【0043】
具体的には、車両に燃料が補給される場合には、予備エネルギー補給所は給油所やガソリンスタンド等の燃料補給所を含み(但し、これに限定されない)、車両に電気エネルギーが補給される場合には、予備エネルギー補給所は充電所を含む(但し、これに限定されない)。エネルギーを補給するための予備エネルギー補給所群を決定する方法は、ユーザの走行計画に基づくエネルギー補給範囲を決定し、さらに、エネルギー補給範囲内の予備エネルギー補給所を決定する動作を含むがこれに限定されない。エネルギー補給範囲は、ユーザによって選択された中間地点及び目的地位置、許容可能なエネルギー補給のための迂回距離、エネルギー補給所の分布と数等の要因に基づいて決定してもよい。補給範囲は、円形、楕円形、長方形、不規則な多角形等の特定の形状を有する領域とすることができる。
図3を参照すると、ユーザによって設定された走行平面に基づけば、現在位置と目的地位置はそれぞれD0及びD1である。多角形の曲線によって示される多角形の閉領域は、車両のエネルギー補給範囲であり、この中の予備エネルギー補給所はCS1、CS2、CS3、及びCS4である。
【0044】
204:車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストを取得し、車両のエネルギー効率に基づいて、現在位置から目的地位置までの経路の各々を走行した場合の車両のエネルギー消費量を決定する。
【0045】
このステップでは、異なる予備エネルギー補給所の間には価格差または品質差が存在し、同じ予備エネルギー補給所であっても、時期によって価格が変動する(例:ピーク値−低値電力価格)ことが想定される。コスト効率の高いルートを計画するためには、車両が関連の予備エネルギー補給所に到着する時刻を推定して、車両が各予備エネルギー補給所に到達した時点のエネルギー価格を決定できるようにする必要がある。加えて、各予備エネルギー補給所のエネルギー品質を決定することができれば、コスト効率の高いルートの計画時に一定のエネルギー品質を確保することができる。エネルギー品質及びエネルギー価格に基づいてルートを計画する方法は、原理的にはエネルギー価格に基づいてルートを計画する方法と同じである。具体的には、予備エネルギー補給所を決定する際に、エネルギー品質の要件を満足するエネルギー補給所が予備エネルギー補給所として使用される。車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストを取得する方法は、
各予備エネルギー補給所について、各予備エネルギー補給所の位置に基づいて、車両が当該予備エネルギー補給所に到達する時刻を推定する動作と、
各予備エネルギー補給所での推定時刻におけるエネルギー価格を決定し、当該エネルギー価格を車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとして使用する動作とを含むがこれに限定されない。
【0046】
各予備エネルギー補給所の位置に基づいて、車両が当該予備エネルギー補給所に到達する時刻を推定する動作は、車両が予備エネルギー補給所に到達する時刻を、各予備エネルギー補給所の位置、交通情報、気象情報、車両荷重情報、及び車両の履歴走行情報に基づいて推定する動作を含むがこれに限定されない。
【0047】
ここで、「車両のエネルギー効率」とは、車両毎の単位距離当たり消費量を意味し、これには燃料効率または電力効率等が含まれる。「燃料効率」とは単位消費燃料当たりの走行距離を意味し、「電力効率」とは単位消費電力当たりの走行距離を意味する。車両のエネルギー効率は、車両の関連データを収集することにより取得することができる。車両の関連データの例としては、車両荷重、天候、交通状況、道路状況、履歴燃料効率等が挙げられる。車両が現在位置から目的地位置まで各経路を走行する際のエネルギー消費量の計算においては、各経路の全長を車両のエネルギー効率で除算した結果に基づいて、各経路を走行する際の車両のエネルギー消費量が取得される。例えば、車両が燃料自動車で、そのエネルギー効率が14km/Lとすると、全長100kmの経路を走行する際の車両のエネルギー消費量は100/14=7.14Lである。よって、車両が100kmを走行する際には7.14Lの燃料が消費される。車両が電気自動車で、そのエネルギー効率が10kWh/Lとすると、全長100kmの経路を走行する際の車両のエネルギー消費量は100/10=10kWhである。よって、当該車両が100kmを走行する際には10kWhの電力が消費される。
【0048】
205:各経路を走行する際の車両のエネルギー消費量と、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、車両の走行ルートを計画する。
【0049】
具体的には、各経路を走行する際の車両のエネルギー消費量と、車両が各候補エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、車両の走行ルートを計画する方法には数通りがある。例えば、現在位置から目標位置までの車両のすべての可能なルート群がまず決定され、その後、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のエネルギーコストと、車両が対応する経路を走行する際のエネルギー消費量とが計算され、最後に、これらのルートからエネルギーコストが最も低いルートが選択される。
【0050】
車両は、目的地位置により近い予備エネルギー補給所でエネルギー補給を受けた後には、それ以上エネルギーを補給されることなく目的地位置に直接到達することができる。しかも、目的地位置により近い予備エネルギー補給所から走行する際の車両のエネルギー消費量は確定値である。従って、本実施例による方法は、目的地位置から現在位置までの逆方向ルートを計画する方法をさらに提供する。逆方向ルート計画を実行するため、本実施例で提供される方法はさらに、経路を逆方向に計画できるように、各予備エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群を決定するステップを含む。具体的には、各予備エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群を決定するステップにおいては、任意の予備エネルギー補給所について、当該任意の予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲に基づいて、当該任意の予備エネルギー補給所に関する少なくとも1つの候補エネルギー補給所が決定され、決定された候補エネルギー補給所(群)から、現在位置から予備エネルギー補給所まで走行する際に車両が通過する候補エネルギー補給所(群)が、当該任意の予備エネルギー補給所の前のエネルギー補給所(群)として選択される。
【0051】
当該予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲に基づいて、当該予備エネルギー補給所に関する少なくとも1つの候補エネルギー補給所を決定する動作は、以下の2つのケースを含むがこれに限定されない。
【0052】
ケース1:
現在位置と目的地位置との間に中間地点が指定されていない場合には、当該予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲が決定され、車両の走行範囲内及び車両のエネルギー補給範囲内にある予備エネルギー補給所(群)が、当該予備エネルギー補給所の候補エネルギー補給所(群)として決定される。
【0053】
ここで、
図4に図示されるケースを、曲線内に示される多角形の閉領域を車両のエネルギー補給範囲とする例として使用して、ケース1について説明する。車両はCS1でエネルギーをフルに補給され、車両の走行範囲R1は網掛け部分であり、走行範囲R1内でかつ車両のエネルギー補給範囲内にある予備エネルギー補給所CS3、CS4、及びCS5をCS1の候補エネルギー補給所であると想定する。車両は現在位置D0から予備エネルギー補給所CS1まで走行する際にCS3及びCS5を通過するので、予備エネルギー補給所CS1の前のエネルギー補給所としてCS3及びCS5が使用される。
【0054】
ケース2:
現在位置と目的地位置との間に少なくとも1つの中間地点が指定されている場合には、当該予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲が決定され、その走行範囲内に少なくとも1つの中間地点が存在する場合には、任意の予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両が当該少なくとも1つの中間地点を通過した後に到達する予備エネルギー補給所(群)が、当該任意の予備エネルギー補給所の候補エネルギー補給所(群)として使用される。
【0055】
ケース2においては、中間地点とは車両が現在位置から目的地位置まで走行する際に通過する中間地点であり、これは中間目的地位置として解釈することができる。ここで、
図5に図示されるケースを、曲線内に示される多角形の閉領域を車両のエネルギー補給範囲とする例として使用して、ケース2について説明する。車両はCS1でエネルギーをフルに補給され、車両の走行範囲R1は網掛け部分であり、走行範囲はD1を含み、予備エネルギー補給所CS3、CS4、及びCS5が走行範囲R1内でかつ車両のエネルギー補給範囲内にあると想定する。CS1でエネルギーをフルに補給された車両がD1を経由してCS3及びCS5に到達できる場合には、CS3及びCS5が予備エネルギー補給所CS1の候補エネルギー補給所となる。CS3及びCS5の両方がCS1の候補エネルギー補給所であるケースを例として用いると、車両が現在位置D0から中間地点D1を経由して予備エネルギー補給所CS1まで走行する際に通過する候補エネルギー補給所はCS3及びCS5なので、CS3及びCS5が予備エネルギー補給所CS1の前のエネルギー補給所として使用される。
【0056】
さらに、各予備エネルギー補給所の前のエネルギー補給所を決定する上記2つのケースにおいては、各候補ルートのエネルギーコストに基づいて車両のルートを計画するステップは、
車両が目的地位置に到達できる量のエネルギー補給を行うことのできる予備エネルギー補給所である最終エネルギー補給所を、予備エネルギー補給所群の中から少なくとも1つ選択する動作と、
当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所について、前のエネルギー補給所群の各々から最終エネルギー補給所まで走行する際の車両のエネルギー消費量と、車両が最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々に到達する際のノードコストとに基づいて、車両が前のエネルギー補給所群の各々から最終エネルギー補給所まで走行する際のエネルギーコストを計算し、エネルギーコストに基づいて、最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群から1つ前のエネルギー補給所を1つ選択する動作と、
最終エネルギー補給所から開始して候補ルート群を取得するために、最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所を選択する方法を用いて、当該前のエネルギー補給所から開始して、当該前のエネルギー補給所の前のエネルギー補給所を1つ選択し、車両が現在位置に到達するまでこれを継続し、当該最終エネルギー補給所から開始する候補ルート群を求める動作と、
各候補ルートのエネルギーコストに基づいて、車両のルートを計画する動作とを含むがこれに限定されない。
【0057】
さらに、最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々から最終エネルギー補給所まで走行する際の車両のエネルギー消費量と、最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々に車両が到達する際のノードコストとに基づいて、最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々から最終エネルギー補給所まで車両が走行する際のエネルギーコストを計算する動作は、
車両の残余エネルギー量と車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、各予備エネルギー補給所で車両に補給すべきエネルギー量を決定する動作と、
最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々における車両のエネルギー補給量と、最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々に車両が到達する際のノードコストとに基づいて、最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々から最終エネルギー補給所まで車両が走行する際のエネルギーコストを計算する動作とを含む。
【0058】
各候補ルートのエネルギーコストに基づいて、車両のルートを計画する動作はさらに、
任意の候補ルートについて、当該任意の候補ルート上の各予備エネルギー補給所における車両のエネルギー補給量と、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、当該任意の候補ルートのエネルギーコストを決定し、各候補ルートのエネルギーコストと、各候補ルート上の予備エネルギー補給所群の各々における車両のエネルギー補給量とに基づいて、車両の走行ルートを計画する動作を含む。
【0059】
車両の残余エネルギー量と車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、各予備エネルギー補給所で車両に補給すべきエネルギー量を決定する動作は、以下の数通りの方法で実行できるが、必ずしもこれらに限定されないことに留意されたい。
【0060】
すなわち、ルートに2つ以上の予備エネルギー補給所が含まれる場合には、任意の2つの隣接する予備エネルギー補給所A及びBが選択される。加えて、車両がA及びBに到達する際のノードコストはそれぞれPA及びPBであることが既知である。PAがPB未満の場合には、車両は予備エネルギー補給所Aでエネルギーをフルに補給される。PAがPB以上の場合には、予備エネルギー補給所Bに到達するのに十分なエネルギーが確保されるように、車両は予備エネルギー補給所Aでエネルギーを部分的に補給される。
【0061】
次に、現在位置と目的地位置との間に中間地点が指定されていないケースのルート計画方法について、理解しやすいように
図6に図示される例を用いて説明する。
図6に示すように、現在位置D0での車両の残余エネルギー量はE(Eはエネルギーをフルに補給された車両の総エネルギー量)であり、残余エネルギーの価格はPである。
図6には、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストと、対応するエネルギー消費量が示されている。
【0062】
ルートD0−>CS1−>CS2−>D1上では、CS1及びCS2は隣接するエネルギー補給所であり、車両がCS1に到達する際のノードコスト0.8Pは車両がCS2に到達するためのノードコスト1Pを下回るので、CS1で車両にエネルギーがフルに補給される。加えて、現在位置D0での車両の残余エネルギー量はEであり、D0からCS1まで走行する際の車両のエネルギー消費量は0.5Eなので、D0からCS1まで走行した後の車両の残余エネルギー量は0.5Eである。CS1で車両にエネルギーがフルに補給される場合のCS1における車両のエネルギー補給量は、0.5Eである。車両がCS1からCS2まで走行した後については、CS1からCS2までのエネルギー消費量は0.8Eなので、CS1からCS2まで走行した後の車両の残余エネルギー量は0.2Eである。一方、CS2から目的地位置D1まで走行する際の車両のエネルギー消費量は0.3Eである。そのため、車両がCS2から目的地位置D1まで走行できるようにするためのCS2での車両のエネルギー補給量は、0.1Eとなる。各予備エネルギー補給所での車両のエネルギー補給量は、CS1及びCS2での車両のエネルギー補給量を決定した方法に基づいて決定することができる。
図6に示すように、ルートD0−>CS3−>CS2−>D1では、CS3での車両のエネルギー補給量は0.4Eである。ルートD0−>CS3−>CS4−>D1では、CS3での車両のエネルギー補給量は0.1Eである。そして、ルートD0−>CS1−>CS4−>D1では、CS1における車両のエネルギー補給量は0.3Eであり、CS4での車両のエネルギー補給量は0.4Eである。
【0063】
さらに、
図6に示す各ルートに関して、決定された最終エネルギーノードがCS2及びCS4であり、CS2の前のエネルギー補給所はCS1及びCS3であり、CS4の前のエネルギー補給所はCS1及びCS3であるケースを例として用いると、CS2から開始した場合とCS4から開始した場合の候補ルートをそれぞれ取得することができる。
【0064】
CS2から開始する候補ルート群は、以下のように決定される。
【0065】
すなわち、ルートD0−>CS1−>CS2−>D1上においては、CS1での車両のエネルギー補給量は0.5Eであり、車両がCS1に到達した時点のエネルギー価格は0.8Pなので、CS1からCS2までのエネルギーコストは0.5E×0.8P=0.4EPである。ルートD0−>CS3−>CS2−>D1上においては、CS2での車両のエネルギー補給量は0.4Eであり、車両がCS3に到達した時点のエネルギー価格は0.9Pであり、CS3からCS2までのエネルギーコストは0.4E×0.9P=0.36EPである。CS1からCS2までのエネルギーコスト0.4EPはCS3からCS2までのエネルギーコスト0.36EPを上回るので、CS3がCS2の前のエネルギー補給所として選択される。
【0066】
CS3から開始し、CS2の前のエネルギー補給所を選択した方法を用いて、CS3の前のエネルギー補給所が選択される。
図6に示す、CS3から現在位置D0に直接到達できるケースを用いると、CS2から開始する候補ルートは、以下のとおりである。
D0−>CS3−>CS2−>D1
【0067】
現在位置での車両の残余エネルギーのコストは既に支払われているので、以降のルート計画においては、D0からCS3まで走行する際の車両のエネルギーコストは無視される。この場合、車両がCS2及びCS3に到達する際のノードコストと、CS3及びCS2での車両のエネルギー補給量とに基づいて、候補ルートD0−>CS3−>CS2−>D1のCS2から開始するエネルギーコストは、0.4E×0.9P+0.1E×1P=0.46EPとなる。
【0068】
CS4から開始する候補ルート群は、以下のようにして決定される。
【0069】
すなわち、ルートD0−>CS1−>CS4−>D1においては、車両がCS1及びCS3に到達する際のノードコストはいずれも0.8Pであり、本実施例は車両がCS4に到達できるようにCS1で車両にエネルギーが部分補給されるケースを使用し、CS1での車両のエネルギー補給量は0.3Eであり、車両がCS1に到達した時点のエネルギー価格は0.8Pなので、CS1からCS4までのエネルギーコストは0.3E×0.8P=0.24EPである。ルートD0−>CS3−>CS4−>D1上においては、CS3での車両のエネルギー補給量は0.1Eであり、車両がCS3に到達した時点のエネルギー価格は0.9Pなので、CS3からCS4までのエネルギーコストは0.1E×0.9P=0.09EPである。CS1からCS4までのエネルギーコスト0.24EPはCS3からCS4までのエネルギーコスト0.09EPを上回るので、CS3がCS4の前のエネルギー補給所として選択される。
【0070】
CS3から開始し、CS3を選択した方法を用いて、CS3の前のエネルギー補給所が選択される。
図6に示す、CS3から現在位置D0に直接到達できるケースを用いると、CS4から開始する候補ルートは、以下のとおりである。
D0−>CS3−>CS4−>D1
【0071】
現在位置での車両の残余エネルギーのコストは既に支払われているので、以降のルート計画においては、D0からCS3まで走行する際の車両のエネルギーコストは無視される。この場合、車両がCS3及びCS4に到達する際のノードコストと、CS3及びCS4での車両のエネルギー補給量とに基づいて、候補ルートD0−>CS3−>CS4−>D1のCS4から開始するエネルギーコストは、0.1E×0.9P+0.4E×0.8P=0.41EPとなる。
【0072】
結論として、ルートD0−>CS1−>CS2−>D1のエネルギーコストは0.46EPで、ルートD0−>CS3−>CS4−>D1のエネルギーコストは0.41EPなので、計画で採用されるコスト効率の高いエネルギー補給ルートはD0−>CS3−>CS4−>D1となる。そして、CS3での車両のエネルギー補給量は0.1Eで、CS4での車両のエネルギー補給量は0.4Eである。
【0073】
次に、現在位置と目的地位置との間に少なくとも1つの中間地点が指定されているケースのルート計画方法について、理解しやすいように
図7に図示される例を用いて説明する。
図7に示すように、1つの中間地点が指定されており、現在位置D0での車両の残余エネルギー量はE(Eはエネルギーをフルに補給された車両の総エネルギー量)であり、残余エネルギーの価格はPである。
図7には、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストと、対応するエネルギー消費量が示されている。
【0074】
ルートD0−>CS1−>D1−>CS2−>D2上では、CS1及びCS2は隣接するエネルギー補給所であり、車両がCS1に到達する際のノードコスト0.8Pは車両がCS2に到達するためのノードコスト1Pを下回るので、CS1で車両にエネルギーがフルに補給される。加えて、D0からCS1までのエネルギー消費量は0.6Eなので、D0からCS1まで走行した後の車両の残余エネルギー量は0.4Eである。CS1で車両にエネルギーがフルに補給される場合のCS1における車両のエネルギー補給量は、0.6Eである。車両がCS1からD1を経由してCS2まで走行した後については、CS1からD1を経由してCS2までのエネルギー消費量は0.3E+0.6E=0.9Eなので、CS1からD1を経由してCS2まで走行した後の車両の残余エネルギー量は0.1Eであり、CS2から目的地位置D1まで走行する際の車両のエネルギー消費量は0.3Eである。そのため、車両がCS2から目的地位置D2まで走行できるようにするためのCS2での車両のエネルギー補給量は、0.2Eとなる。各予備エネルギー補給所でのエネルギー補給量は、CS1及びCS2でのエネルギー補給量を決定した方法に基づいて決定することができる。
図7に示すように、ルートD0−>CS3−>D1−>CS2−>D2では、CS3での車両のエネルギー補給量は0.5Eである。ルートD0−>CS3−>D1−>CS4−>D2では、CS3での車両のエネルギー補給量は0.3Eであり、CS4での車両のエネルギー補給量は0.4Eである。そして、ルートD0−>CS1−>D1−>CS4−>D2では、CS1における車両のエネルギー補給量は0.4Eであり、CS4での車両のエネルギー補給量は0.4Eである。
【0075】
さらに、
図7に示す各ルートに関して、決定された最終エネルギーノードがCS2及びCS4であり、CS2の前のエネルギー補給所はCS1及びCS3であり、CS4の前のエネルギー補給所はCS1及びCS3であるケースを例として用いると、CS2から開始した場合とCS4から開始した場合の候補ルートをそれぞれ取得することができる。
【0076】
CS2から開始する候補ルート群は、以下のように決定される。
【0077】
すなわち、ルートD0−>CS1−>D1−>CS2−>D2上においては、CS1での車両のエネルギー補給量は0.6Eであり、車両がCS1に到達するためのノード価格は0.8Pなので、CS1からD1を経由してCS2に到達するまでのエネルギーコストは0.6E×0.8P=0.48EPである。ルートD0−>CS3−>D1−>CS2−>D2上においては、CS3での車両のエネルギー補給量は0.5Eであり、車両がCS3に到達するためのノード価格は0.9Pなので、CS3からCS2までのエネルギーコストは0.5E×0.9P=0.45EPである。CS1からD1を経由してCS2に到達するためのエネルギーコスト0.48EPはCS3からD1を経由してCS2に到達するためのエネルギーコスト0.45EPを上回るので、CS3がCS2の前のエネルギー補給所として選択される。
【0078】
CS3から開始し、CS3を選択した方法を用いて、CS3の前のエネルギー補給所が選択される。
図7に示す、CS3から現在位置D0に直接到達できるケースを用いると、CS2から開始する候補ルートは、以下のとおりである。
D0−>CS3−>D1−>CS2−>D2
【0079】
ここで、現在位置での車両の残余エネルギーのエネルギーコストは既に支払われているので、以降のルート計画ではD0からCS3まで走行する際の車両のエネルギーコストは無視されるケースを、例として用いる。この場合、車両がCS3及びCS2に到達する際のノードコストと、CS3及びCS2での車両のエネルギー補給量とに基づいて、候補ルートD0−>CS3−>D1−>CS2−>D2のCS2から開始するエネルギーコストは、0.5E×0.9P+0.2E×1P=0.65EPとなる。
【0080】
CS4から開始する候補ルート群は、以下のようにして決定される。
【0081】
すなわち、ルートD0−>CS1−>D1−>CS4−>D2においては、車両がCS1及びCS4に到達する際のノードコストはいずれも0.8Pであり、本実施例は車両がCS4に到達できるようにCS1で車両にエネルギーが部分補給されるケースを使用し、CS1での車両のエネルギー補給量は0.4Eであり、車両がCS1に到達した時点のエネルギー価格は0.8Pなので、CS1からD1を経由してCS4に到達するためのエネルギーコストは0.4E×0.8P=0.32EPである。ルートD0−>CS3−>D1−>CS4−>D2上においては、CS3での車両のエネルギー補給量は0.3Eであり、車両がCS3に到達するためのノード価格は0.9Pなので、CS3からD1を経由してCS4に到達するためのエネルギーコストは0.3E×0.9P=0.27EPである。CS1からD1を経由してCS4に到達するためのエネルギーコスト0.32EPはCS3からD1を経由してCS4に到達するためのエネルギーコスト0.09EPを上回るので、CS3がCS4の前のエネルギー補給所として選択される。
【0082】
CS3から開始し、CS3を選択した方法を用いて、CS3の前のエネルギー補給所が選択される。
図7に示す、CS3から現在位置D0に直接到達できるケースを用いると、CS4から開始する候補ルートは、以下のとおりである。
D0−>CS3−>D1−>CS4−>D2
【0083】
ここで、現在位置での車両の残余エネルギーのエネルギーコストは既に支払われているので、以降のルート計画ではD0からCS3まで走行する際の車両のエネルギーコストは無視されるケースを、例として用いる。この場合、車両がCS3及びCS4に到達する際のノードコストと、CS3及びCS4での車両のエネルギー補給量とに基づいて、候補ルートD0−>CS3−>D1−>CS4−>D2のCS4から開始するエネルギーコストは、0.3E×0.9P+0.4E×0.8P=0.59EPとなる。
【0084】
結論として、ルートD0−>CS3−>D1−>CS2−>D2のエネルギーコストは0.65EPで、ルートD0−>CS3−>D1−>CS4−>D2のエネルギーコストは0.59EPなので、計画で採用されるコスト効率の高いエネルギー補給ルートはD0−>CS3−>D1−>CS4−>D2となる。そして、CS3での車両のエネルギー補給量は0.3Eで、CS4での車両のエネルギー補給量は0.4Eである。
【0085】
本実施例において提供される方法を使用することにより、現在位置及び目標位置間の各経路を走行する際の車両のエネルギー消費量と、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、車両の走行ルートが計画される。これにより、広域ルート計画が、より最適なルートが計画されるような形で実行される。加えて、最終エネルギー補給所の各々から目標位置まで走行する際の車両のエネルギー消費量は確定値なので、各最終エネルギー補給所から開始する候補ルート群が決定され、その後、各候補ルートのエネルギーコストに基づいて車両のルートが計画される。これにより、計算の作業負荷が軽減され、ルート計画が高速化される。
【実施例3】
【0086】
本実施例は、実施例1または2で説明された方法を実行するための車両ルート計画装置を提供する。
図8を参照すると、当該装置は、
車両の現在位置、目的地位置、及びエネルギー残存量を取得するように構成された第1取得モジュール81と、
第1取得モジュール81によって取得された現在位置から目的地位置まで走行するためには車両のエネルギー補給を行う必要がある場合に、エネルギーを補給するための予備エネルギー補給所群を決定するように構成された第1決定モジュール82と、
車両が第1決定モジュール82によって決定された各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストを取得するように構成された第2取得モジュール83と、
車両のエネルギー効率に基づいて、現在位置から目的地位置までの各経路を走行する際の車両のエネルギー消費量を決定するように構成された第2決定モジュール84と、
第2決定モジュール84によって決定された、各経路を走行する際の車両のエネルギー消費量と、第2取得モジュール83によって取得された、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、車両の走行ルートを計画するように構成された計画モジュール85とを含む。
【0087】
第2取得モジュール83はさらに、任意の予備エネルギー補給所について、各予備エネルギー補給所の位置に基づいて、車両が当該予備エネルギー補給所に到達する時刻を推定し、かつ、各予備エネルギー補給所での推定時刻におけるエネルギー価格を決定し、当該エネルギー価格を車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとして使用するように構成される。
【0088】
さらに、
図9を参照すると、計画モジュール85は、
車両が目的地位置に到達できる量のエネルギー補給を行うことのできる予備エネルギー補給所である最終エネルギー補給所を、予備エネルギー補給所群の中から少なくとも1つ選択するように構成された第1選択手段851と、
第1選択手段851によって選択された当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所について、当該最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々から当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所まで走行する際の車両のエネルギー消費量と、最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々に車両が到達する際のノードコストとに基づいて、最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々から当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所まで車両が走行する際のエネルギーコストを計算し、このエネルギーコストに基づいて、最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群から、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所を1つ選択し、かつ、最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所を選択した方法を使用して、当該前のエネルギー補給所の前のエネルギー補給所の選択を当該前のエネルギー補給所から開始して現在位置に到達するまで継続し、それにより、最終エネルギー補給所から開始する候補ルート群を取得するように構成された第2選択手段852と、
第2選択手段852によって選択された候補ルート群のエネルギーコストに基づいて、車両のルートを計画するように構成された計画手段853とを含む。
【0089】
さらに、
図10を参照すると、計画モジュール85はさらに、
任意の予備エネルギー補給所について、当該予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲に基づいて、当該予備エネルギー補給所に関する少なくとも1つの候補エネルギー補給所を決定するように構成された決定手段854と、
決定手段854により決定された候補エネルギー補給所群から、現在位置から予備エネルギー補給所まで走行する際に車両が通過する候補エネルギー補給所群を、当該予備エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群として選択するように構成された第3選択手段855とを含む。
【0090】
決定手段854はさらに、現在位置と目的地位置との間に中間地点が指定されていない場合には、当該任意の予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲を決定し、車両の走行範囲内及び車両のエネルギー補給範囲内にある予備エネルギー補給所(群)を、当該任意の予備エネルギー補給所の候補エネルギー補給所(群)として使用するように構成される。
【0091】
あるいは、決定手段854はさらに、現在位置と目的地位置との間に少なくとも1つの中間地点が指定されている場合には、当該予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲を決定し、その走行範囲内に少なくとも1つの中間地点が存在する場合には、当該予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両が当該少なくとも1つの中間地点を通過した後に到達する予備エネルギー補給所(群)を、当該予備エネルギー補給所の候補エネルギー補給所(群)として使用するように構成される。
【0092】
さらに、第2選択手段852は、車両の残余エネルギー量と車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、各予備エネルギー補給所で車両に補給すべきエネルギー量を決定し、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所の各々における車両のエネルギー補給量と、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所の各々に車両が到達する際のノードコストとに基づいて、当該前のエネルギー補給所の各々から当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所まで車両が走行する際のエネルギーコストを計算するように構成される。
【0093】
計画手段853は、任意の候補ルートについて、当該候補ルート上の各予備エネルギー補給所における車両のエネルギー補給量と、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、当該任意の候補ルートのエネルギーコストを決定し、各候補ルートのエネルギーコストと、各候補ルート上の予備エネルギー補給所群の各々における車両のエネルギー補給量とに基づいて、車両の走行ルートを計画するように構成される。
【0094】
結論として、本実施例において提供される装置を使用することにより、現在位置及び目標位置間の各経路を走行する際の車両のエネルギー消費量と、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、車両の走行ルートが計画される。これにより、広域ルート計画が、より最適なルートが計画されるような形で実装される。加えて、最終エネルギー補給所の各々から目標位置まで走行する際の車両のエネルギー消費量は確定値なので、各最終エネルギー補給所から開始する候補ルート群が決定され、その後、各候補ルートのエネルギーコストに基づいて車両のルートが計画される。これにより、計算の作業負荷が軽減され、ルート計画が高速化される。
【0095】
車両ルート計画の説明においては、説明の便宜上、上記の実施例による車両ルート計画装置は上記の機能モジュールの分割方法に限定して説明されているが、実用用途においては、これらの機能は実装の必要に応じて、異なる機能モジュールに割り当てることができることに留意されたい。具体的には、当該装置の内部構造は、上記で説明した機能の全部または一部を実装するために、様々な機能モジュールに分割される。また、上記の実施例による車両ルート計画装置及び車両ルート計画方法は同じ概念に基づくものであり、この概念については方法の実施例でその具体的な実装方法を詳述しているため、ここではさらなる詳述は避ける。
【0096】
本発明の上記の実施例の連続番号は、説明の便宜上付けたものであり、実施例の好適度を示すものではない。上記の方法の全部または一部のステップは、ハードウェア、またはプログラムの命令に従うソフトウェアによって実装できることは、当業者には理解されるであろう。これらのプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができる。この記憶媒体は、読み出し専用メモリ、磁気ディスク、またはコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)のいずれであってもよい。
【0097】
上記の説明は本発明の好適な実施例のみを示したに過ぎず、本発明を限定することを意図するものではない。従って、本発明の保護範囲には、本発明の精神及び原則に則ったあらゆる変更態様、等価置換、または改良態様も内包される。
【0098】
さらに、上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これに限定されない。
【0099】
(付記1) 車両ルート計画方法であって、
車両の現在位置、目的地位置、およびエネルギー残存量を取得するステップと、
現在位置から目的地位置まで走行するためには車両のエネルギー補給を行う必要がある場合に、エネルギーを補給するための予備エネルギー補給所群を決定するステップと、
車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストを取得し、車両のエネルギー効率に基づいて、現在位置から目的地位置までの経路の各々を走行した場合の車両のエネルギー消費量を決定するステップと、
各経路を走行する際の車両のエネルギー消費量と、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、車両の走行ルートを計画するステップとを備える車両ルート計画方法。
【0100】
(付記2) 車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストを取得するステップは、
任意の予備エネルギー補給所について、当該任意の予備エネルギー補給所の位置に基づいて、車両が当該任意の予備エネルギー補給所に到達する時刻を推定し、
当該任意の予備エネルギー補給所での推定時刻におけるエネルギー価格を決定し、当該エネルギー価格を車両が当該任意の予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとして使用することを特徴とする付記1に記載の方法。
【0101】
(付記3) 各経路を走行する際の車両のエネルギー消費量と、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、車両の走行ルートを計画するステップは、
車両が目的地位置に到達できる量のエネルギー補給を行うことのできる予備エネルギー補給所である最終エネルギー補給所を、予備エネルギー補給所群の中から少なくとも1つ選択し、
当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所について、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々から当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所まで走行する際の車両のエネルギー消費量と、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々に車両が到達する際のノードコストとに基づいて、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々から、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所まで車両が走行する際のエネルギーコストを計算し、このエネルギーコストに基づいて、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所から、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所を1つ選択し、
当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の当該前のエネルギー補給所を選択した方法を使用して、当該前のエネルギー補給所の前のエネルギー補給所の選択を当該前のエネルギー補給所から開始して現在位置に到達するまで継続し、それにより、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所から開始する候補ルート群を取得し、
候補ルート群のエネルギーコストに基づいて、車両のルートを計画することを特徴とする付記1に記載の方法。
【0102】
(付記4) 当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々から当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所まで走行する際の車両のエネルギー消費量と、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々に車両が到達する際のノードコストとに基づいて、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々から当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所まで車両が走行する際のエネルギーコストを計算する動作の前に、当該方法はさらに、
任意の予備エネルギー補給所について、当該任意の予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲に基づいて、当該任意の予備エネルギー補給所の少なくとも1つの候補エネルギー補給所を決定し、決定した候補エネルギー補給所から、現在位置から予備エネルギー補給所まで走行する際に車両が通過する候補エネルギー補給所群を、当該任意の予備エネルギー補給所の前のエネルギー補給所として選択することを特徴とする付記3に記載の方法。
【0103】
(付記5) 当該任意の予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲に基づいて、当該任意の予備エネルギー補給所に関する少なくとも1つの候補エネルギー補給所を決定する動作は、現在位置と目的地位置との間に中間地点が指定されていない場合には、
当該任意の予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲を決定し、車両の走行範囲内および車両のエネルギー補給範囲内にある予備エネルギー補給所(群)を、当該任意の予備エネルギー補給所の候補エネルギー補給所(群)として使用することを特徴とする付記4に記載の方法。
【0104】
(付記6) 当該任意の予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲に基づいて、当該任意の予備エネルギー補給所の少なくとも1つの候補エネルギー補給所を決定する動作は、現在位置と目的地位置との間に少なくとも1つの中間地点が指定されている場合には、
当該任意の予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲を決定し、少なくとも1つの中間地点が走行範囲内に存在する場合には、当該任意の予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両が、当該少なくとも1つの中間地点を通過した後に到達する予備エネルギー補給所(群)を、当該任意の予備エネルギー補給所の候補エネルギー補給所(群)として使用することを特徴とする付記4に記載の方法。
【0105】
(付記7) 当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々から当該最終エネルギー補給所まで走行する際の車両のエネルギー消費量と、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々に車両が到達する際のノードコストとに基づいて、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々から当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所まで車両が走行する際のエネルギーコストを計算する動作は、
車両の残余エネルギー量と車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、各予備エネルギー補給所で車両に補給すべきエネルギー量を決定し、
当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々における車両のエネルギー補給量と、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群の各々に車両が到達する際のノードコストとに基づいて、当該前のエネルギー補給所群の各々から当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所まで車両が走行する際のエネルギーコストを計算し、
各候補ルートのエネルギーコストに基づいて、車両のルートを計画する動作は、
任意の候補ルートについて、当該任意の候補ルート上の各予備エネルギー補給所における車両のエネルギー補給量と、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、当該任意の候補ルートのエネルギーコストを決定し、各候補ルートのエネルギーコストと、各候補ルート上の予備エネルギー補給所群の各々における車両のエネルギー補給量とに基づいて、車両の走行ルートを計画することを特徴とする付記3に記載の方法。
【0106】
(付記8) 車両ルート計画装置であって、
車両の現在位置、目的地位置、およびエネルギー残存量を取得するように構成された第1取得モジュールと、
第1取得モジュールによって取得された現在位置から目的地位置まで走行するためには車両のエネルギー補給を行う必要がある場合に、エネルギーを補給するための予備エネルギー補給所を決定するように構成された第1決定モジュールと、
車両が第1決定モジュールによって決定された各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストを取得するように構成された第2取得モジュールと、
車両のエネルギー効率に基づいて、現在位置から目的地位置までの各経路を走行する際の車両のエネルギー消費量を決定するように構成された第2決定モジュールと、
第2決定モジュールによって決定された、各経路を走行する際の車両のエネルギー消費量と、第2取得モジュールによって取得された、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、車両の走行ルートを計画するように構成された計画モジュールとを備える車両ルート計画装置。
【0107】
(付記9) 第2取得モジュールはさらに、任意の予備エネルギー補給所について、当該任意の予備エネルギー補給所の位置に基づいて、車両が当該任意の予備エネルギー補給所に到達する時刻を推定し、かつ、当該任意の予備エネルギー補給所での推定時刻におけるエネルギー価格を決定し、当該エネルギー価格を車両が当該任意の予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとして使用するように構成されることを特徴とする付記8に記載の装置。
【0108】
(付記10) 計画モジュールは、
車両が目的地位置に到達できる量のエネルギー補給を行うことのできる予備エネルギー補給所である最終エネルギー補給所を、予備エネルギー補給所群の中から少なくとも1つ選択するように構成された第1選択手段と、
当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所について、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所の各々から当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所まで走行する際の車両のエネルギー消費量と、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所の各々に車両が到達する際のノードコストとに基づいて、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所の各々から当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所まで車両が走行する際のエネルギーコストを計算し、このエネルギーコストに基づいて、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所から、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の1つの前のエネルギー補給所を1つ選択し、かつ、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の当該前のエネルギー補給所を選択した方法を使用して、当該前のエネルギー補給所の前のエネルギー補給所の選択を当該前のエネルギー補給所から開始して現在位置に到達するまで継続し、それにより、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所から開始する候補ルートを取得するように構成された第2選択手段と
第2選択手段によって選択された候補ルート群のエネルギーコストに基づいて、車両のルートを計画するように構成された計画手段とを備えることを特徴とする付記8に記載の装置。
【0109】
(付記11) 計画モジュールはさらに、
任意の予備エネルギー補給所について、当該任意の予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲に基づいて、当該任意の予備エネルギー補給所の少なくとも1つの候補エネルギー補給所を決定するように構成された決定手段と、
決定手段により決定された候補エネルギー補給所群から、現在位置から予備エネルギー補給所まで走行する際に車両が通過する候補エネルギー補給所群を、当該任意の予備エネルギー補給所の前のエネルギー補給所群として選択するように構成された第3選択手段とを備えることを特徴とする付記10に記載の装置。
【0110】
(付記12) 決定手段はさらに、現在位置と目的地位置との間に中間地点が指定されていない場合には、当該任意の予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲を決定し、車両の走行範囲内および車両のエネルギー補給範囲内にある予備エネルギー補給所(群)を、当該任意の予備エネルギー補給所の候補エネルギー補給所(群)として使用するように構成されることを特徴とする付記11に記載の装置。
【0111】
(付記13) 決定手段はさらに、現在位置と目的地位置との間に少なくとも1つの中間地点が指定されている場合には、当該任意の予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両の走行範囲を決定し、その走行範囲内に少なくとも1つの中間地点が存在する場合には、当該任意の予備エネルギー補給所でエネルギーをフルに補給した車両が当該少なくとも1つの中間地点を通過した後に到達する予備エネルギー補給所(群)を、当該任意の予備エネルギー補給所の候補エネルギー補給所(群)として使用するように構成されることを特徴とする付記11に記載の装置。
【0112】
(付記14) 第2選択手段は、車両の残余エネルギー量と車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、各予備エネルギー補給所で車両に補給すべきエネルギー量を決定し、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所の各々における車両のエネルギー補給量と、当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所の前のエネルギー補給所の各々に車両が到達する際のノードコストとに基づいて、当該前のエネルギー補給所の各々から当該少なくとも1つの任意の最終エネルギー補給所まで車両が走行する際のエネルギーコストを計算するように構成され、
計画手段は、任意の候補ルートについて、当該任意の候補ルート上の各予備エネルギー補給所における車両のエネルギー補給量と、車両が各予備エネルギー補給所に到達する際のノードコストとに基づいて、当該任意の候補ルートのエネルギーコストを決定し、各候補ルートのエネルギーコストと、各候補ルート上の予備エネルギー補給所群の各々における車両のエネルギー補給量とに基づいて、車両の走行ルートを計画するように構成されることを特徴とする付記10に記載の装置。