(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
移動通信端末、ノートパソコンのような各種の携帯用電子機器の発展に伴って、これに適用できるフラットパネルディスプレイ装置に対する要求が増大している。
【0003】
フラットパネルディスプレイ装置としては、液晶ディスプレイ装置(LCD:Liquid Crystal Display Device)、プラズマディスプレイパネル(PDP:Plasma Display Panel)、電界放出ディスプレイ装置(Field Emission Display Device)、有機発光ダイオードディスプレイ装置(OLED:Organic Light Emitting Display Device)などが開発されている。
【0004】
フラットパネルディスプレイ装置のうち液晶ディスプレイ装置(LCD)は、量産技術の発展、駆動手段の容易性、低電力消費、高画質具現及び大画面具現の長所などによって携帯用機器に適しており、そのため適用分野が持続的に拡大されている。
【0005】
図1は、従来技術による液晶ディスプレイ装置を概略的に示す図面であり、
図2は従来技術による液晶ディスプレイ装置のピクセル構造を示す図面である。
【0006】
図1及び
図2を参照すると、液晶ディスプレイ装置は、複数のピクセルがマトリックス形態に配列された液晶パネルと、液晶パネルを駆動するための駆動回路部と、液晶パネルに光を供給するバックライトユニット(図示せず)と、液晶パネルと駆動回路部を囲むように形成されたベゼル(図示せず)を含む。
【0007】
液晶パネルは、複数のピクセル及びピクセルを駆動させるためのラインが形成された下部基板(TFTアレイ基板)と、カラーフィルタ及びブラックマトリックスが形成された上部基板(カラーフィルタアレイ基板)及び上記2つの基板間に介在された液晶層を含む。
【0008】
液晶パネルの下部基板には、複数のゲートラインと複数のデータラインが交差するように形成されており、複数のゲートラインと複数のデータラインが交差した領域にピクセルが形成される。ピクセルそれぞれには、スイッチング素子としてTFT(Thin Film Transistor)が形成されており、電界を印加するためのピクセル電極及び共通電極が形成されている。
【0009】
このような、液晶パネルは、画像が表示される表示領域(10)と、画像が表示されない非表示領域を含む。
【0010】
液晶パネルの上側非表示領域にデータドライバ(40)が接続されている。液晶パネルの下部基板の外郭部非表示領域には、外部からピクセルの駆動のための信号が印加される複数のパッドで構成されたパッド領域が形成されており、上記パッドとTFT及び電極を連結させるリンクラインが形成されている。
【0011】
図3は、従来技術による液晶パネルの非表示領域を示す断面図である。
【0012】
図3を参照すると、シール(30、seal)はピクセルが形成されているアクティブ領域の外郭、即ち、非表示領域に形成され、シール(30)を用いて上部基板(1)と下部基板(2)が合着される。
【0013】
液晶パネルに付着される駆動回路部による液晶ディスプレイ装置の製造費用を節減し、体積及び重さを減少させるために、内蔵シフトレジスタを下部基板(20)に形成するゲートインパネル(GIP: Gate In Panel)方式が適用されている。液晶パネルの左側及び右側非表示領域にGIP方式でゲートドライバを形成することによって、液晶パネルのゲートラインに信号を印加するためのパッド領域及びリンクラインを削除させている。
【0014】
このような、ゲートドライバ及びデータドライバは、印刷回路基板(50、PCB)に実装されたタイミングコントローラ及び電源供給部から駆動信号と駆動電圧の供給を受けて駆動される。
【0015】
GIP方式のゲートドライバが下部基板(2)の左側及び右側非表示領域に形成され、
図3においては下部基板(2)の左側に形成されたゲートドライバのみを示している。
【0016】
GIP方式のゲートドライバは、共通電圧(Vcom)が印加される共通電圧リンク領域(22)、グラウンド(GND)リンク領域(24)及び液晶パネルのTFTをスイッチングさせるためのスキャン信号を生成するシフトレジスタロジック領域(26)を含んで構成される。
【0017】
ゲートドライバを別途のチップに製作して液晶パネルと連結させる方式と対比して詳察すると、GIP方式のゲートドライバを適用することによって、液晶ディスプレイ装置の製造費用を節減し、体積及び重さを減少させることができるが、液晶パネルの左側と右側のベゼルサイズが増加する短所がある。
【0018】
図3に示された通り、ベゼルサイズの増加を減らすために、グラウンドリンク領域(24)をシール(30)とオーバーラップさせている。しかし、共通電圧リンク領域(22)が1mm内外の幅を有するように形成されており、GIPのシフトレジスタロジック領域(26)が5mm〜6mmの幅を有するように形成されている。これにより、左右側ベゼル幅が7mm〜8mmに形成されてサイズを減らすのに限界があり、デザイン美感が低下する短所がある。
【0019】
GIPのラインの幅及びラインの間の間隔を一定水準以下に減らすことに限界があるため、狭い(narrow)ベゼルを具現するには困難がある。ベゼルサイズを減らすためにラインの幅及び間隔を減らす場合、ライン抵抗が増加して信号の歪みが発生し、シフトレジスタロジックが誤作動する問題がある。特に、GIPのラインは、削除が不可能なため理想的な狭ベゼルの具現が難しく、さらにボーダレスパネルの具現が不可能な問題がある。
【0020】
このような問題を改善するための方案として、TFTアレイ基板とカラーフィルタアレイ基板の位置を変えて、TFTアレイ基板を上側に配置する構造が提案された。しかし、TFTアレイ基板に形成された多数のラインにより外部光が反射されて画像の視認性が低下する他の問題がある。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書で各図面の構成要素に参照番号を付加するにおいて、同一の構成要素に限ってはたとえ他の図面上に表示されても可能な限り同一の番号を記載した。
【0037】
一方、本明細書において記述される用語の意味は次の通り理解されなければならない。単数の表現は、文脈上明確に異なるように定義しない限り複数の表現を含むものとして理解されるべきであり、「第1」、「第2」などの用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するためのものであって、これらの用語によって権利範囲が限定されない。
【0038】
「含む」または「有する」などの用語は、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものとして理解されなければならない。
【0039】
「少なくとも1つ」の用語は、1つ以上の関連項目から提示可能な全ての組み合わせを含むものとして理解されなければならない。例えば、「第1項目、第2項目及び第3項目のうち少なくとも1つ」という意味は、第1項目、第2項目または第3項目それぞれだけでなく、第1項目、第2項目及び第3項目のうち2つ以上から提示されることができる全ての項目の組み合わせを意味する。
【0040】
本発明の実施例を説明するにおいて、ある構造物(電極、ライン、配線、レイヤ、コンタクト)が他の構造物「上部にまたは上に」及び「下部にまたは下に」形成されると記載された場合、このような記載は、この構造物が互いに接触している場合だけでなくこれら構造物の間に第3の構造物が介在されている場合まで含むものとして解釈されなければならない。
【0041】
液晶ディスプレイ装置は、液晶層の配列を調節する方式によってTN(Twisted Nematic)モード、VA(Vertical Alignment)モード、IPS(In Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モードなど多様に開発されている。
【0042】
このうち、IPSモードとFFSモードは、下部基板上にピクセル電極(Pixel ITO)と共通電極(Vcom)を配置し、ピクセル電極と共通電極間の電界によって液晶層の配列を調節する水平電界方式である。本発明の実施例による液晶ディスプレイ装置は、モードに関係なく適用されることができるが、IPSモードを一例として説明する。
【0043】
以下では、添付した図面を参照して本発明の実施例による液晶ディスプレイ装置について説明する。
【0044】
本発明は、液晶ディスプレイ装置のベゼルサイズを減少させることを主要内容とする。従って、ベゼルと関連のない機構物及び液晶パネルに光を供給するバックライトユニットに関する詳細な説明と図面は省略されることができる。
【0045】
図4は、本発明の実施例による液晶ディスプレイ装置を概略的に示す図面である。
【0046】
図4を参照すると、本発明の実施例による液晶ディスプレイ装置は、複数のピクセルがマトリックス形態に配列された液晶パネル100と、液晶パネル100を駆動するための複数のドライブIC400、上記複数のドライブIC400を駆動させるための制御信号を供給する制御部及び駆動電源を生成する電源部が実装された印刷回路基板300(PCB)、液晶パネルに光を供給するバックライトユニット、液晶パネルと駆動回路部を囲むように形成されたベゼル及び外部ケースを含む。
【0047】
図5は、本発明の実施例による液晶ディスプレイ装置のドライブICを示す図面である。
図5においては、複数のドライブIC400のうち1つのドライブIC400を示している。複数のドライブIC400は、COG(Chip On Glass)またはCOF(Chip On Flexible Printed Circuit, Chip On Film)方式で形成されることができる。
【0048】
図5(A)を参照すると、本発明の実施例による液晶ディスプレイ装置のドライブIC400は、ゲートドライブロジックとデータドライブロジックが1つのチップ(one chip)に統合(merged)されて形成されている。
【0049】
一方、
図5(B)を参照すると、本発明の実施例による液晶ディスプレイ装置のドライブIC400は、データドライブIC420とゲートドライブIC430が1つのチップに統合されている。
【0050】
上記データドライブロジックまたはデータドライブIC420は、印刷回路基板300に実装された制御部から印加されるデータ制御信号及びデジタル映像データを用いて、ピクセルに供給されるアナログデータ電圧を生成する。
【0051】
上記ゲートドライブロジックまたはゲートドライブIC430は、印刷回路基板300に実装された制御部から印加されるゲート制御信号を用いて、ピクセルに形成されたTFTをスイッチングさせるためのスキャン信号(ゲート信号)を生成する。
【0052】
このような、ドライブIC400の両側には、複数のリンクライン410が形成されている。ここで、複数のリンクライン410は、複数のゲートリンクライン412と複数のデータリンクライン414を含む。
【0053】
ドライブIC400は、複数のゲートリンクライン412を通じて制御部からゲート信号の供給を受け、生成されたスキャン信号を液晶パネルに形成されたピクセルに供給する。
【0054】
また、ドライブIC400は、複数のデータリンクライン414を通じて制御部からデータ制御信号及びデジタル映像データの供給を受け、上記デジタル映像データによって生成されたアナログデータ電圧を液晶パネルに形成されたピクセルに供給する。
【0055】
液晶パネル100に形成されたデータラインDLと複数の第1ゲートライン(VGL、垂直ゲートライン)が同一の数ではないため、必ずしもゲートリンクライン412と複数のデータリンクライン414が同一の数で交代に形成されるものではない。ピクセルのピッチ(Pitch)と解像度によって、1つのゲートリンクライン412と2つのデータリンクライン414単位に形成されることもできる。
【0056】
以下では、図面を参照して、本発明の液晶パネル100の構造について詳細に説明する。
【0057】
図6は、本発明の第1実施例による液晶ディスプレイ装置のピクセル構造を示す図面であり、
図7は、本発明の実施例による液晶ディスプレイ装置の左側及び右側ベゼルサイズを説明するための図面である。
【0058】
図6及び
図7を参照すると、上部基板110(カラーフィルタアレイ基板)と下部基板120(TFTアレイ基板)及び両基板間に介在された液晶層を含む。上部基板110と下部基板120は、シール130を通じて合着されている。
【0059】
液晶パネル100の上部基板110は、カラー画像を表示するためのレッド(Red)、グリーン(Green)及びブルー(Blue)のカラーフィルタと、カラーフィルタの間に形成されてピクセルを区分させるブラックマトリックス112(BM)を含む。
図7においては液晶パネルの左側非表示領域を示しているため、アクティブ領域に形成されたカラーフィルタが示されていない。
【0060】
液晶パネル100の下部基板は、画像を表示するための複数のピクセルが形成された表示領域(アクティブ領域)と、複数のドライブIC400とピクセルを連結させるリンクが形成された非表示領域を含む。
【0061】
TFTアレイ基板100のアクティブ領域には、複数の第1ゲートラインVGL(垂直ゲートライン)、複数の第2ゲートラインHGL(水平ゲートライン)及び複数のデータラインDLが形成されている。
【0062】
複数の第1ゲートラインVGL、複数の第2ゲートラインHGL及び複数のデータラインDLによって複数のピクセルが定義される。複数のピクセルにそれぞれには、共通電圧Vcomが印加される共通電極、データ電圧Vdataが印加されるピクセル電極、ストレージキャパシタCst及びスイッチング素子としてTFTが形成されている。
【0063】
ここで、TFTのアクティブ層は、非晶質シリコン(a−Si)、低温多結晶ポリシリコン(LTPS:Low Temperature Poly Silicon)又は酸化物半導体(IGZO:Indium Gallium Zinc Oxide)物質から形成されることができる。
【0064】
上述した構成を含む液晶ディスプレイ装置は、ピクセル電極と共通電極の間に形成された電界によってピクセル別に液晶の配列状態を変化させ、液晶の配列を通じてバックライトユニットから供給される光の透過率を調節することによって画像を表示するようになる。
【0065】
図4及び
図5に示された通り、ゲートドライブIC(またはゲートドライブロジック)及びデータドライブIC(またはデータドライブロジック)が1つのチップ(One chip)に統合されたドライブIC400が、平面視して液晶パネル100の上側に形成されている。これにより、本発明においては液晶パネル100のピクセルにスキャン信号を供給するために、新しいゲートラインの構造を適用した。
図4では、ドライブIC400が、平面視して液晶パネル100の上側に配置されたものを示しているが、これに限定されずにドライブIC400は、平面視して液晶パネル100の下側にも配置されることができる。
【0066】
図6に示された通り、複数の第1ゲートラインVGLと複数のデータラインDLは、液晶パネル100内で垂直方向へ並んで形成されている。即ち、複数のデータラインDLと同一方向に並んで複数の第1ゲートラインVGLが形成されている。
【0067】
複数の第2ゲートラインHGLは、上記複数の第1ゲートラインVGLと複数のデータラインDLと交差するように形成されている。即ち、複数のゲートラインHGLが水平方向に形成されている。
【0068】
再度説明すると、複数の第1ゲートラインVGL及び複数のデータラインは、液晶パネル100の長軸方向に沿って、垂直方向に上側から下側まで形成されている。そして、複数の第2ゲートラインHGLは、液晶パネル100の短軸方向に沿って、水平方向に左側から右側まで(または右側から左側まで)形成されている。
【0069】
本発明の第1実施例による液晶ディスプレイ装置は、垂直方向に形成された複数の第1ゲートラインVGLと水平方向に形成された複数の第2ゲートラインHGLが同一の数に、1:1対応するように形成されている。
【0070】
ここで、水平方向に形成された複数の第2ゲートラインHGLは、液晶パネルの第1レイヤに形成されており、垂直方向に形成された複数の第1ゲートラインVGL及び複数のデータラインDLは、液晶パネルの第2レイヤに形成されている。
【0071】
垂直方向に形成された複数の第1ゲートラインVGLと複数の第2ゲートラインHGLは、絶縁層を介して、液晶パネルの互いに異なるレイヤに形成されているが、上記複数の第1ゲートラインVGLと複数の第2ゲートラインHGLが互いに重畳する領域でコンタクトCNTを通じて選択的にコンタクトされる。即ち、複数の第1ゲートラインVGLと上記複数の第2ゲートラインHGLは互いに重畳される領域で、1ラインずつ対をなしてコンタクトCNTを通じて電気的に接続される。
【0072】
具体的には、垂直方向に形成された1番目の第1ゲートラインVGL1と水平方向に形成された1番目の第2ゲートラインHGL1は、互いに重畳する領域で第1コンタクトCNT1を通じて電気的に接続される。このように、一対の垂直ゲートラインと水平ゲートライン、即ち、1番目の垂直ゲートラインVGL1と1番目の水平ゲートラインHGL1が第1コンタクトCNT1を通じて電気的に接続される。
【0073】
そして、垂直方向に形成された2番目の第1ゲートラインVGL2と水平方向に形成された2番目の第2ゲートラインHGL2は、互いに重畳する領域で第2コンタクトCNT2を通じて電気的に接続される。このように、一対の垂直ゲートラインと水平ゲートライン、即ち、2番目の垂直ゲートラインVGL2と2番目の水平ゲートラインHGL2が第2コンタクトCNT2を通じて電気的に接続される。
【0074】
そして、垂直方向に形成された3番目の第1ゲートラインVGL3と水平方向に形成された3番目の第2ゲートラインHGL3は、互いに重畳する領域で第3コンタクトCNT2を通じて電気的に接続される。このように、一対の垂直ゲートラインと水平ゲートライン、即ち、3番目の垂直ゲートラインVGL3と3番目の水平ゲートラインHGL3が第3コンタクトCNT3を通じて電気的に接続される。
【0075】
上述したものと同一の構造として、n個の第1ゲートラインVGLとn個の第2ゲートラインHGLそれぞれは対をなしてコンタクトを通じて電気的に接続される。
【0076】
前述した説明に記載された1番目、2番目、3番目の表現は複数のライン間の順序及び関係を説明するためのものであって、上記1番目の表現が全体ラインのうち最初のものであることを表示するものではなく、図面を参照して本発明を説明するためのものである。以下の明細書の内容においても上記1番目、2番目、3番目の表現の意味は同一に適用される。
【0077】
垂直方向に形成された複数の第1ゲートラインVGLは、
図5に示された複数のゲートリンクライン412とそれぞれ接続される。これを通じて、ドライブIC400から出力されたスキャン信号が複数の第1ゲートラインVGLに印加される。上記スキャン信号が複数の第1ゲートラインVGLと接続された複数の第2ゲートラインHGLを経由して液晶パネル100に形成された複数のピクセルのTFTに供給され、TFTをターン−オン(Turn-On)させる。この時、スキャン信号は液晶パネルの全体ピクセルに供給されるが、1水平ライン単位に順次供給される。
【0078】
一方、垂直方向に形成された複数のデータラインDLは、
図5に示された複数のデータリンクライン414とそれぞれ接続される。これを通じて、ドライブIC400から出力されたデータ電圧Vdataが複数のデータラインDLに印加される。
【0079】
データ電圧VdataがデータラインDLを経由して液晶パネル100に形成されたTFTのソース電極に供給され、TFTがターン−オンされる時、ソース電極に供給されたデータ電圧Vdataがドレイン電極を経由してピクセル電極に供給されるようになる。
【0080】
本発明の実施例による液晶ディスプレイ装置は、ゲートドライブIC(またはゲートドライブロジック)及びデータドライブIC(またはデータドライブロジック)が1つのチップ(One chip)に統合されたドライブIC400が、平面視して液晶パネル100の上側に配置される。
【0081】
垂直方向に形成された第1ゲートラインを介してスキャン信号がピクセルに印加されるようにし、垂直方向に形成されたデータラインを介してデータ電圧Vdataがピクセルに印加されるようにすることによって、従来技術において液晶パネルの左側及び右側の非表示領域に形成されていたリンクライン及びGIPロジックを削除することができる。
【0082】
これを通じて、
図7に示された通り、液晶パネル100の左側及び右側非表示領域には共通電圧リンク領域122及びグラウンドリンク領域124のみを形成して、ベゼル幅を1.0mm〜1.6mmに減らすことができる。
【0083】
ここで、
図7(A)に示された通り、共通電圧リンク領域122をシール130とオーバーラップされるように形成することができる。一方、
図7(B)に示された通り、グラウンドリンク領域124をシール130とオーバーラップされるように形成することもできる。また、上部基板110と下部基板120の合着に必要な最小限のベゼル幅マージンを有するように形成して狭ベゼルを具現することができる。
【0084】
ここで、液晶パネル100の左側及び右側ベゼルの幅は、基板の合着に用いられるシーラント(Sealant)の線幅による影響を受けることがあり、現在の技術水準でシーラントの線幅を1mm未満で具現できるため、本発明の実施例による液晶ディスプレイ装置の左側及び右側ベゼル幅を1mm以下、例えば、ベゼル幅を0.8mm〜1.0mmに十分に減少させることができる。今後、シーラントの線幅制御技術がさらに発展する場合には、これによって本発明の実施例による液晶ディスプレイ装置の左側及び右側ベゼル幅も減少されることができる。
【0085】
図8は、本発明の第1実施例による液晶ディスプレイ装置のピクセル構造を具体的に示す図面であり、
図9は、
図8に示されたA1−A2線による断面図である。
図8では、ピクセルがシングルドメイン(Single domain)及び整った長方形の形態のものを一例として示しているが、これに限定されずにピクセルはマルチドメイン(Multi domain)に形成されることもできる。
【0086】
図8及び
図9を参照すると、液晶パネル100の各ピクセル内には共通電圧Vcomが供給される共通電極180及びデータ電圧Vdataが供給されるピクセル電極190が形成されている。
【0087】
図8及び
図9ではIPSモードで駆動されるピクセル構造を示しているため、共通電極180とピクセル電極190が同一レイヤに形成されている。そして、共通電極180とピクセル電極190は、フィンガ(Finger)形態にパターニングされてパターンが互いに交差するように形成されている。
【0088】
水平ゲートライン140は、横方向(X軸方向)に形成されており、データライン160と垂直ゲートライン150は、縦方向(Y軸方向)に形成されている。
【0089】
ピクセルの共通電極180に共通電圧Vcomを印加させるための共通電圧ライン170が、垂直ゲートライン150とデータライン160のサイドに垂直方向に並んで形成されている。
【0090】
垂直ゲートライン150のサイドには第1共通電圧ライン170aが形成されており、データライン160のサイドには第2共通電圧ライン170bが形成されており、垂直ゲートライン150とデータライン160の間に第3共通電圧ライン170cが形成されている。
【0091】
このような、第1共通電圧ライン170a、第2共通電圧ライン170b及び第3共通電圧ライン170cは互いに分離されているが、水平ゲートライン140と同一方向に並んで形成された共通ライン(図示せず)にコンタクトされ、第1共通電圧ライン170a、第2共通電圧ライン170b及び第3共通電圧ライン170cには同一の共通電圧Vcomが供給される。
【0092】
図9に示された通り、データライン160及び垂直ゲートライン150は同一レイヤに形成されており、その下のレイヤに共通電圧ライン170が形成されている。即ち、液晶パネル中の第1レイヤに共通電圧ライン170が形成されており、液晶パネル中の第2レイヤにデータライン160及び垂直ゲートライン150が形成されている。なお、
図9に示されるように、アクティブ層が垂直ゲートライン150及びデータライン160の下側に形成されていてもよい。
【0093】
図9の断面図(
図8のA1−A2線)には図示されていないが、データライン160及び垂直ゲートライン150が形成されたレイヤの下に水平ゲートライン140が形成されている。従って、水平ゲートライン140と垂直ゲートライン150は互いに異なるレイヤに形成されており、コンタクトを通じて電気的に連結される。
【0094】
ここで、共通電圧ライン170は第1レイヤに形成され、その上にゲート絶縁層145が形成されている。ゲート絶縁層145上の第2レイヤに垂直ゲートライン150及びデータライン160が形成されている。
【0095】
ここで、垂直ゲートライン150とデータライン160の下にはTFTを形成する工程のうち、アクティブ(Active)のパターンが残存している。これはTFTのソース電極/ドレイン電極と垂直ゲートライン150及びデータライン160が単一工程で形成されるためである。以下の実施例においても、特定ラインの下にTFTのアクティブパターンが残存することができる。
【0096】
垂直ゲートライン150及びデータライン160を覆うように保護層155が形成されており、上記保護層155上にフォトアクリル(PAC:Photoacryl)で平坦化層165が形成されている。図面に図示されていないが、平坦化層165上に共通電極180及びピクセル電極190が形成される。
【0097】
一方、ドライブIC400から垂直ゲートライン150に印加されるスキャン信号のゲートドライビング電圧は、−5V〜+30Vに印加されることができ、高電圧のスキャン信号によってピクセルの長軸方向でデータライン160に印加されるデータ電圧Vdataによる電場より強いカップリングが形成されることができる。
【0098】
これによって、ピクセルから光の漏洩が発生でき、特にブラック画像を正確に表示できないためコントラストが低下される可能性がある。このような問題を改善するために、垂直ゲートライン150とデータライン160の間に第3共通電圧ライン170cを形成した。
【0099】
レイヤは異なっても垂直ゲートライン150とデータライン160の間に第3共通電圧ライン170cが形成されているため、−2V〜+2Vに供給される共通電圧Vcomにより高電圧のスキャン信号によってピクセルの長軸方向で電場のカップリングが形成されるのを防止できる。
【0100】
即ち、上記複数の第1ゲートラインVGLと上記複数のデータラインDLの間に形成された第3共通電圧ライン170cを用いて、上記複数の第1ゲートラインVGLに印加された高電圧のスキャン信号による電場を相殺させることができる。
【0101】
図8及び
図9に示された本発明の第1実施例による液晶ディスプレイ装置のピクセル構造は、垂直方向に形成された複数の第1ゲートライン150及び第3共通電圧ライン170cによってピクセルの開口率が一部減少されることができる。このような問題を改善するために、
図10及び
図11に示された通りピクセル構造を変更した。
【0102】
図10は、本発明の第2実施例による液晶ディスプレイ装置のピクセル構造を具体的に示す図面であり、
図11は、
図10に示されたB1−B2線による断面図であって、ピクセルの開口領域が増加されたことを示す図面である。
【0103】
図10においては、ピクセルがシングルドメイン及び整った長方形の形態であることを一例として示しているが、これに限定されずにピクセルはマルチドメインに形成されることもできる。
【0104】
図10及び
図11を参照すると、液晶パネル100の各ピクセル内には、共通電圧Vcomが供給される共通電極180及びデータ電圧Vdataが供給されるピクセル電極190が形成されている。
【0105】
図10及び
図11においては、IPSモードに駆動されるピクセル構造を示しているため、共通電極180とピクセル電極190が同一レイヤに形成されている。そして、共通電極180とピクセル電極190は、フィンガ(Finger)形態にパターニングされてパターンが互いに交差するように形成されている。
【0106】
水平ゲートライン140は横方向(X軸方向)に形成されており、データライン160と垂直ゲートライン150は縦方向(Y軸方向)に形成されている。
【0107】
ピクセルの共通電極180に共通電圧Vcomを印加させるための共通電圧ライン170が、垂直ゲートライン150とデータライン160のサイドに垂直方向に並んで形成されている。
【0108】
垂直ゲートライン150のサイドには第1共通電圧ライン170aが形成されており、データライン160のサイドには第2共通電圧ライン170bが形成されている。
【0109】
即ち、垂直ゲートライン160とデータライン160が対をなして垂直方向に並んで形成されており、垂直ゲートライン160及びデータライン160のサイドに第1共通電圧ライン170aと第2共通電圧ライン170bが形成されている。
【0110】
このような、第1共通電圧ライン170a及び第2共通電圧ライン170bは互いに分離されているが、水平ゲートライン140と同一方向に並んで形成された共通ライン(図示せず)にコンタクトされて第1共通電圧ライン170a及び第2共通電圧ライン170bには同一の共通電圧Vcomが供給される。
【0111】
図11に示された通り、第1レイヤに垂直ゲートライン150が形成されており、垂直ゲートライン150を覆うように絶縁層175が形成されている。上記絶縁層175上部の第2レイヤにデータライン160及び共通電圧ライン170が形成されている。
【0112】
データライン160及び共通電圧ライン170を覆うようにゲート絶縁層145が形成されており、その上に保護層155が形成されている。上記保護層155上にフォトアクリル(PAC:Photoacryl)で平坦化層165が形成されている。図面に図示されていないが、平坦化層165上に共通電極180及びピクセル電極190が形成される。
【0113】
図11の断面図(
図10のB1−B2線)には図示されていないが、水平ゲートライン140と垂直ゲートライン150は互いに異なるレイヤに形成されており、コンタクトを通じて電気的に連結される。
【0114】
図9と
図11のピクセル構造を対比して詳察すると、
図11のピクセル構造は、開口領域を増加させるために垂直ゲートライン150とデータライン160を互いに異なるレイヤに形成した。
【0115】
そして、
図9のピクセル構造において垂直ゲートライン150とデータライン160の間に形成されていた第3共通電圧ライン170cを削除し、第3共通電圧ライン170cが占めていた面積だけ開口領域を増加させた。これによって、第1実施例と比べて第2実施例では各ピクセルの開口率を高めることができる。
【0116】
本発明の実施例による液晶ディスプレイ装置は、ピクセルの開口率を高めて画像の輝度を高めることができ、高くなった輝度だけバックライト部品を節減し、製造費用を減らすことができる。
【0117】
図10及び
図11のピクセル構造において垂直ゲートライン150とデータライン160の間に第3共通電圧ライン170cが存在しなくても、垂直ゲートライン150とデータライン160が互いに異なるレイヤに形成されており、互いに対角方向に離れているため高電圧のスキャン信号による電場の影響を減らすことができる。
【0118】
図12は、本発明の第1実施例のピクセル構造において垂直ゲートラインと共通電極の間に寄生キャパシタンス(Parasitic Capacitance)が形成されるのを示す図面であり、
図13は、本発明の第3実施例による液晶ディスプレイ装置のピクセル構造を示す断面図である。
【0119】
まず、
図12を参照すると、第1レイヤに共通電圧ライン170が形成されており、第2レイヤに垂直ゲートライン150とデータライン160が形成されると、保護層155と平坦化層165を間に置いて垂直ゲートライン150と共通電極180の間に寄生キャパシタンスCapが生じることがある。
【0120】
垂直ゲートライン150は、ピクセルの長軸に沿って形成されているため大きい寄生キャパシタンスが生成されることができる。大きな寄生キャパシタンスにより、垂直ゲートライン150に印加されたスキャン信号が、対応するピクセルに印加される時に遅延作用を引き起こすことがあり、該ピクセルに形成されたTFTが正常に動作するのを妨害することがある。このような大きな寄生キャパシタンスによる影響を改善するために、
図13に示された通りピクセル構造を変更してもよい。
【0121】
図13を参照すると、第1レイヤに垂直ゲートライン150が形成されており、上記垂直ゲートライン150を覆うように絶縁層175が形成されている。上記絶縁層175上部の第2レイヤにデータライン160及び共通電圧ライン170が形成されている。
【0122】
データライン160及び共通電圧ライン170を覆うようにゲート絶縁層145が形成されており、その上に保護層155が形成されている。上記保護層155上にフォトアクリル(PAC:Photoacryl)で平坦化層165が形成されている。平坦化層165上に共通電極180及びピクセル電極190が形成されている。
【0123】
図13の断面図には図示されていないが、水平ゲートライン140と垂直ゲートライン150は互いに異なるレイヤに形成されており、コンタクトを通じて電気的に連結される。
【0124】
図12と
図13のピクセル構造を対比して詳察すると、
図12のピクセル構造は、共通電極180と近い第2レイヤに垂直ゲートライン150が形成されており、寄生キャパシタンスが大きく形成されることができる構造を有している。
【0125】
一方、
図13のピクセル構造は、共通電極180と遠く離れるように垂直ゲートライン150を第1レイヤに形成し、共通電極180と垂直ゲートライン150の間に形成される寄生キャパシタンスを、
図12に示す構造に比べて減らすことができる。
【0126】
図12のピクセル構造においては共通電極180と垂直ゲートライン150の間に保護層155と平坦化層165が形成されたが、
図13のピクセル構造においては共通電極180と垂直ゲートライン150の間に絶縁層175、ゲート絶縁層145、保護層155及び平坦化層165が形成されているため寄生キャパシタンスを減らすことができる。
【0127】
図14は、
図13に示す液晶パネルと同じ位置における、本発明の第4実施例による液晶ディスプレイ装置のピクセル構造を示す断面図である。
【0128】
図14を参照すると、第1レイヤに垂直ゲートライン150及びデータライン160が形成されており、上記垂直ゲートライン150及びデータライン160を覆うようにゲート絶縁層145が形成されている。上記ゲート絶縁層145上部の第2レイヤに共通電圧ライン170が形成されている。
【0129】
共通電圧ライン170を覆うように保護層155が形成されており、上記保護層155上にフォトアクリル(PAC:Photoacryl)で平坦化層165が形成されている。平坦化層165上に共通電極180及びピクセル電極190が形成されている。
【0130】
図14の断面図には図示されていないが、水平ゲートライン140と垂直ゲートライン150は互いに異なるレイヤに形成されており、コンタクトを通じて電気的に連結される。
【0131】
図14のピクセル構造は、共通電極180と遠く離れるように垂直ゲートライン150を第1レイヤに形成し、共通電極180と垂直ゲートライン150の間に形成されることができる寄生キャパシタンスを減らすことができる。
【0132】
図14のピクセル構造においては、共通電極180と垂直ゲートライン150の間に、ゲート絶縁層145、保護層155及び平坦化層165が形成されているため寄生キャパシタンスを減らすことができる。
【0133】
図15は、
図14に示す液晶パネルの同じ位置における、本発明の第5実施例による液晶ディスプレイ装置のピクセル構造を示す断面図である。
【0134】
図15を参照すると、第1レイヤに垂直ゲートライン150が形成されており、上記垂直ゲートライン150を覆うように絶縁層185が形成されている。上記絶縁層185上の第2レイヤに共通電圧ライン170が形成されており、上記共通電圧ライン170を覆うようにゲート絶縁層145が形成されている。
【0135】
上記ゲート絶縁層145上部の第3レイヤにデータライン160が形成されており、上記データライン160を覆うように保護層155が形成されている。上記保護層155上にフォトアクリル(PAC:Photoacryl)で平坦化層165が形成されている。平坦化層165上に共通電極180及びピクセル電極190が形成されている。
【0136】
図15の断面図には図示されていないが、水平ゲートライン140と垂直ゲートライン150は互いに異なるレイヤに形成されており、コンタクトを通じて電気的に連結される。
【0137】
図15のピクセル構造は、共通電極180と遠く離れるように垂直ゲートライン150を第1レイヤに形成し、共通電極180と垂直ゲートライン150の間に形成されることができる寄生キャパシタンスを減らすことができる。
【0138】
図15のピクセル構造においては、共通電極180と垂直ゲートライン150)の間に、保護層185、ゲート絶縁層145、保護層155及び平坦化層165が形成されているため、寄生キャパシタンスを減らすことができる。
【0139】
また、
図11、
図13及び
図15に示された通り、垂直方向に並んで形成される垂直ゲートライン150とデータライン160を互いに異なるレイヤに形成すると、製造工程中に異物による垂直ゲートライン150とデータライン160のショート(Short)不良を遮断することができるため、工程の効率及び製造歩留まりを高めることができる。
【0140】
図16は、本発明の他の実施例であって、液晶パネルが垂直方向に長辺を有するように形成された液晶パネルを示す図面である。
【0141】
図16を参照すると、
図4に示された構造を90°回転させて、垂直方向に長く画面が表示されるようにすることができる。この時、複数のドライブIC400は、平面視して液晶パネル100の上側に配置される。
【0142】
ここで、複数の第1ゲートラインVGL及び複数のデータラインDLが液晶パネル100の長軸方向に沿って、垂直方向に上側からから下側まで形成される。そして、複数の第2ゲートラインHGLは液晶パネル100の短軸方向に沿って、水平方向に左側から右側まで(または右側から左側まで)形成されている。垂直方向に形成された複数の第1ゲートラインVGLと水平方向に形成された複数の第2ゲートラインHGLのコンタクトは、
図6を参照して上述したものと同一に構成されることができる。
【0143】
図16に示された本発明の他の実施例による液晶ディスプレイ装置も上述した実施例と同じく、従来技術において液晶パネルの左側及び右側の非表示領域に形成されていたリンクライン及びGIPロジックを削除することができる。これによって、液晶パネル100の左側及び右側非表示領域には共通電圧リンク領域122及びグラウンドリンク領域124のみを形成してベゼル幅を1.0mm〜1.6mmに減らすことができる。
【0144】
上述した通り、本発明の多数の実施例による液晶ディスプレイ装置は、液晶パネルの非表示領域を囲むように形成されたベゼルの左側及び右側のサイズを減らすことができる。本発明のように、ベゼルサイズを1mm内外に減らすと、使用者に相対的に広い表示画面を提供することができ、液晶ディスプレイ装置のデザイン美感を高めることができる。
【0145】
本発明の属する技術分野の当業者は上述した本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せずに他の具体的な形態に実施されることができるということを理解することができるものである。従って、以上において記述した実施例は全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないものと理解されなければならない。
【0146】
本発明の範囲は、上記詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲によって表され、特許請求の範囲の意味及び範囲そしてその等価概念から想到されるあらゆる変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。