【文献】
[pixiv] ガイドライン,インターネット(Internet Archive),2007年10月11日,[取得日 2015年1月14日],URL,https://web.archive.org/web/20071011065923/http://pixiv.net/guideline.php
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コンテンツ投稿者から、前記コンテンツについて、実行環境により変化し得る当該コンテンツ外から取得するデータ内容の一覧を受け付ける可変外部データ受付手段と、
前記データ内容の比較の結果、データ内容に差異があり、かつ、当該データが実行環境によって変化し得る旨を受け付けていない場合には、当該コンテンツを偽装コンテンツとしてダウンロードを中止する偽装コンテンツ検出手段と、
を備える請求項1に記載のアグリゲートサーバ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によれば、例えばソフトウェア実行判別器5をゲーム機1に装着した場合、ソフトウェア実行判別器5には、利用者の生年月日、ゲームソフトの使用制限時間、連続使用制限時間、使用禁止時間帯、利用者の精神的成熟度などが設定されていて、ゲーム機1は、ソフトウェア実行判別器5に記録されている設定情報に基づいて、ゲームソフトを実行して良いか否かを判断し、良い場合にのみゲームソフトを実行する。
【0007】
しかしながら特許文献1は、ソフトウェアの実行可否を判別するものであって、インターネットブラウザや動画といった決まった形式のコンテンツを再生する共通のソフトウェアの実行を一律で防止してしまうと、大きく利便性を損なうという課題がある。
【0008】
そこで本発明の発明者は、投稿されたコンテンツをダウンロードさせるアグリゲートサーバについて、個々のコンテンツに利用制限を設定することで、コンテンツの実行、再生形式を問わず、適切な利用制限を付加できることに着目した。
【0009】
また、特に法令の要請による年齢制限等の利用制限について、投稿されたコンテンツに審査を行う場合に、投稿時とユーザ提供時とでコンテンツの内容を変化させ、偽装によって不正に審査を通過するコンテンツが散見される。そこで本発明の発明者は、コンテンツの外部から取得するデータを補足し取得する事で、偽装コンテンツを排し、コンテンツに適切な利用制限を付加できる事に着目した。
【0010】
投稿されたコンテンツをダウンロードさせるアグリゲートサーバについて、個々のコンテンツに利用制限を設定することで、コンテンツの実行、再生形式を問わず、適切な利用制限を付加できることに着目した。
【0011】
本発明は、これらの課題に鑑み、投稿されたコンテンツをダウンロード要求に対してダウンロードさせるアグリゲートサーバであって、利用者情報ごとに利用制限の設定が可能であり、外部からデータを取得するコンテンツについては、ユーザへのコンテンツの提供時に再度審査を行い、審査時と提供時で取得された外部データを比較し差異を特定することで、審偽装コンテンツを検出できるアグリゲートサーバ、アグリゲート方法、及びアグリゲートサーバ用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0013】
第1の特徴に係る発明は、投稿されたコンテンツを記憶させ、利用ユーザからの求めに応じてダウンロードさせるアグリゲートサーバであって、
コンテンツ投稿者から前記コンテンツの投稿を受信する投稿受付手段と、
前記投稿を受け付けたコンテンツの利用制限を受信する理由制限受信手段と、
前記投稿を受け付けたコンテンツと、当該コンテンツについて前記受信した利用制限とを、関連付けて記憶させるコンテンツ記憶手段と、
前記利用ユーザから送信された、前記コンテンツに対するダウンロード要求を受け付けるダウンロード要求受付手段と、
前記ダウンロード要求を送信した利用ユーザが、当該ダウンロード要求に係る前記コンテンツの利用制限を満たしているかを確認する利用制限確認手段と、
前記確認の結果、前記利用ユーザが前記利用制限を満たしている場合のみ、前記コンテンツのダウンロードを開始させるコンテンツ提供手段と、
前記コンテンツの投稿を受信した後、当該コンテンツへのダウンロード要求を受信するより前に、当該コンテンツの機能及び内容が所定の条件を満たしているかの審査を行うコンテンツ審査手段と、
前記審査を行った際、前記コンテンツが当該コンテンツ外から取得したデータ内容を取得する外部データ取得手段と、
前記コンテンツに対する前記ダウンロード要求を受け付けた時、当該コンテンツに対して再度前記審査を行い、前記審査時に取得させたデータ内容と、前記再度の審査時に取得したデータ内容とを比較して、差異を列挙する外部データ比較手段と、
を備えることを特徴とするアグリゲートサーバを提供する。
【0014】
第1の特徴に係る発明によれば、投稿されたコンテンツを記憶させ、利用ユーザからの求めに応じてダウンロードさせるアグリゲートサーバは、コンテンツ投稿者から前記コンテンツの投稿を受信し、前記投稿を受け付けたコンテンツの利用制限を受信し、前記投稿を受け付けたコンテンツと、当該コンテンツについて前記受信した利用制限とを、関連付けて記憶させ、前記利用ユーザから送信された、前記コンテンツに対するダウンロード要求を受け付け、前記ダウンロード要求を送信した利用ユーザが、当該ダウンロード要求に係る前記コンテンツの利用制限を満たしているかを確認し、前記確認の結果、前記利用ユーザが前記利用制限を満たしている場合のみ、前記コンテンツのダウンロードを開始させる。
そして、前記コンテンツの投稿を受信した後、当該コンテンツへのダウンロード要求を受信するより前に、当該コンテンツの機能及び内容が所定の条件を満たしているかの審査を行い、前記審査を行った際、前記コンテンツが当該コンテンツ外から取得したデータ内容を取得し、前記コンテンツに対する前記ダウンロード要求を受け付けた時、当該コンテンツに対して再度前記審査を行い、前記審査時に取得させたデータ内容と、前記再度の審査時に取得したデータ内容とを比較して、差異を列挙する。
【0015】
第1の特徴に係る発明は、アグリゲートサーバのカテゴリであるが、アグリゲート方法、及びアグリゲートサーバ用プログラムであっても、カテゴリに応じた同様の作用、効果を奏する。
【0018】
第
2の特徴に係る発明は、前記コンテンツ投稿者から、前記コンテンツについて、実行環境により変化し得る当該コンテンツ外から取得するデータ内容の一覧を受け付ける可変外部データ受付手段と、
前記データ内容の比較の結果、データ内容に差異があり、かつ、当該データが実行環境によって変化し得る旨を受け付けていない場合には、当該コンテンツを偽装コンテンツとしてダウンロードを中止する偽装コンテンツ検出手段と、
を備える第
1の特徴に係る発明であるアグリゲートサーバを提供する。
【0019】
第
2の特徴に係る発明によれば、第
1の特徴に係る発明であるアグリゲートサーバは、前記コンテンツ投稿者から、前記コンテンツについて、実行環境により変化し得る当該コンテンツ外から取得するデータ内容の一覧を受け付け、前記データ内容の比較の結果、データ内容に差異があり、かつ、当該データが実行環境によって変化し得る旨を受け付けていない場合には、当該コンテンツを偽装コンテンツとしてダウンロードを中止する。
【0020】
第
3の特徴に係る発明は、投稿されたコンテンツを記憶させ、利用ユーザからの求めに応じてダウンロードさせるアグリゲートサーバが実行するアグリゲート方法であって、
コンテンツ投稿者から前記コンテンツの投稿を受信するステップと、
前記投稿を受け付けたコンテンツの利用制限を受信するステップと、
前記投稿を受け付けたコンテンツと、当該コンテンツについて前記受信した利用制限とを、関連付けて記憶させるステップと、
前記利用ユーザから送信された、前記コンテンツに対するダウンロード要求を受け付けるステップと、
前記ダウンロード要求を送信した利用ユーザが、当該ダウンロード要求に係る前記コンテンツの利用制限を満たしているかを確認するステップと、
前記確認の結果、前記利用ユーザが前記利用制限を満たしている場合のみ、前記コンテンツのダウンロードを開始させるステップと、
前記コンテンツの投稿を受信した後、当該コンテンツへのダウンロード要求を受信するより前に、当該コンテンツの機能及び内容が所定の条件を満たしているかの審査を行うステップと、
前記審査を行った際、前記コンテンツが当該コンテンツ外から取得したデータ内容を取得するステップと、
前記コンテンツに対する前記ダウンロード要求を受け付けた時、当該コンテンツに対して再度前記審査を行い、前記審査時に取得させたデータ内容と、前記再度の審査時に取得したデータ内容とを比較して、差異を列挙するステップと、
を備えることを特徴とするアグリゲート方法を提供する。
【0021】
第
4の特徴に係る発明は、投稿されたコンテンツを記憶させ、利用ユーザからの求めに応じてダウンロードさせるアグリゲートサーバに、
コンテンツ投稿者から前記コンテンツの投稿を受信するステップ、
前記投稿を受け付けたコンテンツの利用制限を受信するステップ、
前記投稿を受け付けたコンテンツと、当該コンテンツについて前記受信した利用制限とを、関連付けて記憶させるステップ、
前記利用ユーザから送信された、前記コンテンツに対するダウンロード要求を受け付けるステップ、
前記ダウンロード要求を送信した利用ユーザが、当該ダウンロード要求に係る前記コンテンツの利用制限を満たしているかを確認するステップ、
前記確認の結果、前記利用ユーザが前記利用制限を満たしている場合のみ、前記コンテンツのダウンロードを開始させるステップ、
前記コンテンツの投稿を受信した後、当該コンテンツへのダウンロード要求を受信するより前に、当該コンテンツの機能及び内容が所定の条件を満たしているかの審査を行うステップ、
前記審査を行った際、前記コンテンツが当該コンテンツ外から取得したデータ内容を取得するステップ、
前記コンテンツに対する前記ダウンロード要求を受け付けた時、当該コンテンツに対して再度前記審査を行い、前記審査時に取得させたデータ内容と、前記再度の審査時に取得したデータ内容とを比較して、差異を列挙するステップ、
を実行させることを特徴とするアグリゲートサーバ用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、投稿されたコンテンツをダウンロード要求に対してダウンロードさせるアグリゲートサーバであって、利用者情報ごとに利用制限の設定が可能であり、外部からデータを取得するコンテンツについては、ユーザへのコンテンツの提供時に再度審査を行い、審査時と提供時で取得された外部データを比較し差異を特定することで、審偽装コンテンツを検出できるアグリゲートサーバ、アグリゲート方法、及びアグリゲートサーバ用プログラムを提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0025】
[アグリゲートシステム1の概要]
図1は、本発明の好適な実施形態であるアグリゲートシステム1の概要を説明するための図である。この
図1に基づいて、アグリゲートシステム1の概要を説明する。
【0026】
アグリゲートシステム1は、利用者端末10と、投稿者端末50と、アグリゲートサーバ200によって構成される。普通、利用者端末10と、投稿者端末50は複数であるが、それぞれは相互作用しないのでここでは一組だけを考える。アグリゲートシステム1の具体例として、スマートフォン向けのアプリポータルサイトや、アプリ提供システムのほか、パーソナルコンピュータ向けの有料ソフトウェアを定額で好きなだけ利用できるサービスシステムが挙げられる。
【0027】
はじめに、アプリケーション・プログラム(以下、アプリ)や動画、音声データといったコンテンツの制作者は、投稿者端末50を用いて、アグリゲートサーバ200にコンテンツを投稿する(ステップS01)。また、投稿者は、そのコンテンツについて、年齢や居住地域、プランといった利用制限を付することができる。すなわち、コンテンツとは、パソコンや携帯端末で表示、実行可能なデータであって、例えば、パソコンや携帯端末で実行可能なアプリケーション・プログラム、パソコンや携帯端末で表示可能な動画、音声データであってよい。
【0028】
コンテンツを受信したアグリゲートサーバ200は、所定の審査を行い、投稿されたコンテンツが所定の条件を満たすことが分かると、当該コンテンツを記憶部に記憶させ、利用条件をコンテンツ情報データベース250に記憶させる(ステップS02)。
【0029】
ここで審査とは、機能的審査と内容的審査に分けられ、法令的観点と、コンテンツの質の担保やシステム全体のブランディングの観点から行われることが多い。機能的審査としては、例えばコンテンツに機種固有IDを取得するAPIの呼び出しが含まれていないかをスキャンする事が考えられる。また、内容的審査としては、例えば成人向けや社会通念上不適切な単語リストをもっておき、コンテンツにそのような単語が含まれないかをスキャンする事が考えられる。
【0030】
通常、審査は人間の手によってなされることが多いが、本発明の趣旨を鑑みればアグリゲートサーバ200が行う審査は最低限であってよい。すなわち、アグリゲートサーバ200は審査時にコンテンツが外部から取得したデータの内容を、そのまま全て取得する。
【0031】
その後、利用者端末10からコンテンツのダウンロード要求がある(ステップS03)と、アグリゲートサーバ200は利用制限を読み出す(ステップS04)とともに、利用者端末10の利用者情報を取得する。利用者情報は、利用制限を満足するかを判断する基準であって、受信のみならず、例えばアグリゲートサーバ200内に登録されている利用者情報を参照してもよい。
【0032】
そして、利用者端末10が利用制限を満足している時、アグリゲートサーバ200はコンテンツの再審査を行う。ここでも、アグリゲートサーバ200はコンテンツが外部から取得したデータの内容をそのまま全て取得し、それを投稿時の審査における外部データと比較する。
【0033】
もし二つの外部データが異なっていたら、コンテンツは投稿時とユーザの提供時とで違う内容になっているということになり、そのような場合は審査を欺く偽装コンテンツとして、当該コンテンツのダウンロードを中止させる。一方、外部データの内容が一致する場合は、利用者端末10のダウンロードを開始させる(ステップS05)。
【0034】
ここで、アグリゲートサーバ200は単に外部データの差異の有無を判断するだけなので、データそのものを解釈する必要は無く、データ形式や圧縮形式を明らかにする必要もない。一方で、実行の度に変わるのが当然な値、例えばユーザ固有の内容や、毎回違う値に暗号化されるデータは、予め投稿者によって可変であることが明らかにされておけば、正当なコンテンツを偽装コンテンツとして排除することを避けることが可能である。
【0035】
なお、このようなアグリゲートサーバでは、個々のコンテンツに価格が付けられるのではなく、アグリゲートシステム全体の利用料を課する場合がある。その場合は、一定期間毎のコンテンツのダウンロード数に応じて、コンテンツ投稿者に一定の利用料を支払ってよい。以上が、アグリゲートシステム1の概要である。
【0036】
[画面共有システムのシステム構成]
図2は、アグリゲートシステム1の全体構成図である。アグリゲートシステム1において、利用者端末10と、投稿者端末50と、アグリゲートサーバ200は、公衆回線網5を介して通信可能に接続されている。ただし、利用者端末10と、投稿者端末50とは、直接通信可能である必要はない。
【0037】
利用者端末10、投稿者端末50は、通信部を備えた一般的な情報端末であってよく、後述する機能を備える情報機器である。
【0038】
アグリゲートサーバ200は、同様に後述の機能を備えた一般的なサーバであってよい。
【0039】
[各機能の説明]
図3は、利用者端末10、投稿者端末50、アグリゲートサーバ200の機能ブロックと各機能の関係を示す図である。
【0040】
利用者端末10は、制御部11として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部12として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity対応デバイス又は、第3世代、第4世代移動通信システム等のIMT−2000規格に準拠した無線デバイス等を備える。
【0041】
利用者端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、コンテンツダウンロードモジュール13、利用者情報送信モジュール14を実現する。
【0042】
投稿者端末50は、同様に、制御部51として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部52として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイスを備える(有線であってもよい)。
【0043】
投稿者端末50において、制御部51が所定のプログラムを読み込むことで、通信部52と協働して、コンテンツ投稿モジュール53、利用制限送信モジュール54、可変外部データ送信モジュール55を実現する。
【0044】
アグリゲートサーバ200は、同様に、制御部201として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部202として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイスを備える(有線であってもよい)。また、アグリゲートサーバ200は、記憶部203として、ハードディスクや半導体メモリによる、データのストレージ部を備える。記憶部203には、コンテンツ情報データベース250が記憶されている。
【0045】
アグリゲートサーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、通信部202と協働して、投稿受付モジュール204、利用制限受信モジュール205、ダウンロード要求受付モジュール206、コンテンツ提供モジュール207、可変外部データ受付モジュール208、偽装コンテンツ検出モジュール209を実現する。また、アグリゲートサーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、記憶部203と協働して、コンテンツ記憶モジュール210、利用制限確認モジュール211、コンテンツ審査モジュール212、外部データ取得モジュール213、外部データ比較モジュール214を実現する。
【0046】
[コンテンツ提供処理]
図4は、利用者端末10、アグリゲートサーバ200が実行するコンテンツ提供処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0047】
初めに、利用者端末10のコンテンツダウンロードモジュール13は、コンテンツのダウンロード要求をアグリゲートサーバ200に送信し(ステップS11)、アグリゲートサーバ200のダウンロード要求受付モジュール206は、これを受信する(ステップS12)。
【0048】
次に、アグリゲートサーバ200の利用制限確認モジュール211は、ダウンロード要求があったコンテンツの利用制限をコンテンツ情報データベース250から読み出す。
【0049】
図8は、コンテンツと関連付けて利用制限を記憶させたコンテンツ情報データベース250のコンテンツ情報テーブルの一例である。ここで、各コンテンツには固有のコンテンツIDが振られ、ダウンロード要求はコンテンツIDにより行われるものとする。そして、コンテンツには利用制限が設定され、それを満たさない場合はダウンロードを行うことができない。
【0050】
例えば、コンテンツID「GoodApplication」をダウンロードするには、利用者の年齢が18歳以上で、居住国がドイツ以外であり、使い放題プランBに登録した、画面サイズ1000*800以上、『A』というOSの端末を利用しているユーザからのアクセスに限られる。居住国の要請は、有効な契約が国内に限られる場合のほか、特定地域における法令に触れるおそれや、知的財産権を侵害するおそれがある場合等が挙げられる。
【0051】
このような利用制限を満たしているか判断するため、利用者端末10の利用者情報送信モジュール14は、利用者情報をアグリゲートサーバ200に送信し(ステップS14)、アグリゲートサーバ200のダウンロード要求受付モジュール206が、これを受信する(ステップS15)。
【0052】
ここで利用者情報は、受信のみによって全ての情報を取得する必要はなく、例えば、利用者端末10からは利用者のIDを受信し、それを用いてアグリゲートサーバ200内に登録されている利用者情報等を参照してもよい。
【0053】
次に、アグリゲートサーバ200の利用制限確認モジュール211は、読み出した利用制限と取得した利用者情報とを比較し、ダウンロード要求があったコンテンツの利用制限を満たしているかを確認する(ステップS16)。
【0054】
ここで、利用制限を満たしていないとき(ステップS17:「NO」の場合)には、利用者端末10にコンテンツが提供できないため、ダウンロードは開始せず、そのまま処理を終了する。
【0055】
一方、利用者情報が利用制限を満たしている場合(ステップS17:「YES」の場合)は、アグリゲートサーバ200がコンテンツを出力し、ダウンロードを開始させる(ステップS18)。利用者端末は、それをファイルに保存する等して、ダウンロードを開始する(ステップS19)。
【0056】
なお、このようなアグリゲートサーバでは、個々のコンテンツには課金せず、あらかじめ「一ヶ月間は使い放題」と言った形でアグリゲートシステム全体の利用料を課する場合がある。その場合は、一定期間毎のコンテンツのダウンロード数や、ダウンロードを行ったユーザの課金額に応じて、コンテンツ投稿者に一定の利用料を支払ってよい。
【0057】
以上が、コンテンツ提供処理の手順である。
【0058】
[偽装コンテンツ検出処理]
図5は、投稿者端末50、アグリゲートサーバ200が実行する偽装コンテンツ検出処理のフローチャートである。上述した各装置のモジュールが行う処理について、本処理にて併せて説明する。
【0059】
はじめに、投稿者端末50のコンテンツ投稿モジュール53は、アグリゲートサーバ200に対して制作されたコンテンツを投稿する(ステップS21)。アグリゲートサーバ200の投稿受付モジュール204は、投稿を受け付ける(ステップS22)。
【0060】
続けて、投稿者端末50の利用制限送信モジュール54は、投稿したコンテンツの利用制限をアグリゲートサーバ200に送信する(ステップS23)。アグリゲートサーバ200の利用制限受信モジュール205は、利用制限を受信する(ステップS24)。
【0061】
続けて、投稿者端末50の可変外部データ送信モジュール55は、可変である外部データの情報をアグリゲートサーバ200に送信する(ステップS25)。アグリゲートサーバ200の可変外部データ受付モジュール208は、可変である外部データの情報を受信する(ステップS26)。
【0062】
その後、アグリゲートサーバ200のコンテンツ審査モジュール212が投稿されたコンテンツの審査を開始するとともに、外部データ取得モジュール213が、審査においてコンテンツが外部から取得したデータの内容を、外部データとして全て補足し取得する(ステップS27)。
【0063】
ここで審査とは、機能的審査と内容的審査に分けられ、法令的観点と、コンテンツの質の担保やシステム全体のブランディングの観点から行われることが多い。機能的審査としては、所定のAPI呼び出しが含まれていないかをスキャンする事が考えられる。また、内容的審査としては、不適切な単語リストを基に、コンテンツにそのような単語が含まれないかをスキャンする事が考えられる。
【0064】
通常、詳細な審査は人間の手によってなされることが多いが、本発明の趣旨を鑑みればアグリゲートサーバ200が行う審査は、ファイルの拡張子が特定のものであるか、ファイルサイズが所定の範囲に収まっているかといった、最低限のものであってよい。
【0065】
アグリゲートサーバ200の外部データ取得モジュール213は、審査時にコンテンツが外部から取得したデータの内容を、そのまま全て取得する。ここでいう外部とは、原則インターネット越しの他の機器やサーバを指すが、予めインターネット越しにダウンロードさせ、実行時には端末内に保存されたファイルを対象に含めてよい。
【0066】
図6は、外部からデータを取得するコンテンツを実行した利用者端末10の画面表示の一例である。
図6において、追加コンテンツ提供サーバ61は、利用者端末10上で動作するコンテンツ63が実行可能な、一の追加コンテンツをインターネットを介して提供している。そうすることで、コンテンツ63そのものを変化させずとも、この追加コンテンツにより、パラメータを変化させたり、季節に応じたイベントを開催したりすることが可能となる。
【0067】
ここにおいて、予めコンテンツ63で解釈可能な外部データ62が、追加コンテンツ提供サーバ61から送信される。外部データ取得モジュール213は、この外部データ62を全て取得し、必要であれば記憶部に記憶してよい。また、外部データは、その取得元とともに記憶されてもよい。
【0068】
その後、アグリゲートサーバ200のダウンロード要求受付モジュール206が利用者端末10からダウンロード要求を受け付けると(ステップS28)、コンテンツ審査モジュール212が、コンテンツの再審査を開始するとともに、外部データ取得モジュール213が、再審査における外部データを全て取得する(ステップS29)。
【0069】
そして、アグリゲートサーバ200の外部データ比較モジュール214は、初めの審査、すなわちステップS27において取得した外部データと、再審査、すなわちステップS29において取得した外部データとを、差異が無いか比較する(ステップS30)。なお、この審査と再審査は、一般に数日以上の時間経過がある場合が多い。
【0070】
ここで、二つのデータが同一であり、差異がない場合(ステップS30:「NO」の場合)には、ユーザ提供時においても審査時と同一内容のコンテンツが提供され、偽装コンテンツではないと考えられるので、ダウンロード要求を送信した利用者端末10との間で、前述のコンテンツ提供処理を開始する(ステップS33)。
【0071】
一方、二つのデータに差異がある場合(ステップS30:「YES」の場合)には、差異があったデータが全て可変な外部データであったかを判断する(ステップS31)。ここで、差異があった外部データは全て可変であった場合(ステップS31:「YES」の場合)には、変化した内容が全て事前に申請されていたものとして、同様にダウンロード要求を送信した利用者端末10との間でコンテンツ提供処理を開始する(ステップS33)
【0072】
一方、差異があった外部データに可変でないものがあった場合(ステップS31:「NO」の場合)には、アグリゲートサーバ200の偽装コンテンツ検出モジュール209が、コンテンツは審査時と提供時で内容を変化させる偽装コンテンツであったとして、提供を中止し、ダウンロードを開始させない(ステップS32)。
【0073】
図7は、偽装コンテンツを実行した利用者端末10の画面表示の一例である。
図7において、追加コンテンツ提供サーバ61からは、審査時においては、外部データ71が提供される。このときは、タイトル72は「代数・幾何I」であり、計算問題を表示する「daisu.dat」というスクリプトが解釈され実行される。
【0074】
しかしながら、審査の結果コンテンツがアグリゲートサーバ200に記憶され、期間73の経過後ユーザに提供が開始された時、追加コンテンツ提供サーバ61の設定を変更することで、受信する外部データを外部データ71から外部データ74に変化させることが可能である。結果、タイトル75は変化し、解釈するスクリプトも変化するため、コンテンツの内容は全く別のものとなってしまう。
【0075】
このような偽装コンテンツが提供されると、アグリゲートサーバ200が教育目的で運用されている場合には問題であるし、品質の誤認や違法行為の助長に繋がる恐れがある。しかし、追加コンテンツ提供サーバ61は、コンテンツの投稿者によって運営されており、アグリゲートサーバ200から設定の変更を補足することは困難である。
【0076】
そのため、アグリゲートサーバ200は審査時と提供時において取得する外部データを比較する事で差異を検知し、偽装コンテンツを検出している。なお、ユーザごとに異なるプロフィールデータや、乱数値、前述のような季節のイベントデータ等を、一律に制限するのは好ましくないので、事前に投稿者から申請があったデータの変化は許容することとした。仮に人の手で審査を行うとしても、申請があったデータのみを重点的に審査すれば良いので、偽装コンテンツの検出を効率的に行うことができる。
【0077】
以上が、偽装コンテンツ検出処理の手順である。
【0078】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。