(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パネルは、前記非表示領域において、前記m個の駆動電極をグループに分割し、前記分割したグループ毎に前記タッチスキャン信号を印加するためのマルチプレクサを更に含む
請求項7に記載のタッチスクリーン一体型表示装置。
【背景技術】
【0002】
タッチスクリーンは、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)や電界放出表示装置(Field Emission Display:FED)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、電界発光表示装置(Electroluminescence Device:EL)、電気泳動表示装置といった画像表示装置に備えられ、ユーザーが画像表示装置を見ながらタッチスクリーン内のタッチセンサーを加圧して(押したりタッチしたりして)、予め定められた情報を入力する入力装置の1つである。
【0003】
上述した表示装置などに使用されるタッチスクリーンは、その構造によってアドオン(add−on)タイプのタッチスクリーン、オンセル(on−cell)タイプのタッチスクリーンおよびインセル(in−cell)タイプのタッチスクリーンに分けられる。アドオンタイプのタッチスクリーンを備えた表示装置は、表示装置とタッチスクリーンとを別々に製造した後、表示装置の上部基板にタッチスクリーンを取り付ける方式である。オンセルタイプのタッチスクリーンを備えた表示装置は、表示装置の上部のガラス基板表面に、タッチスクリーンを構成する素子を直接形成する方式である。インセルタイプのタッチスクリーンは、表示装置に内蔵され、表示装置の薄型化を達成し、耐久性を高める方式である。
【0004】
しかしながら、アドオンタイプのタッチスクリーンを備えた表示装置は、表示装置の上に、完成したタッチスクリーンが乗せられて、取り付けられる構造であるため、その厚さが厚くなり、視認性が低下するという問題がある。また、オンセルタイプのタッチスクリーンを備えた表示装置は、表示装置の上面に別のタッチスクリーンが形成された構造であり、アドオンタイプに比べてその厚さを低減することはできるが、タッチスクリーンを構成する駆動電極及びセンシング電極、並びにこれらを絶縁させるための絶縁層のため、全体の厚さが増加し、工程数が増加して製造コストが増加するという問題がある。
【0005】
一方、タッチスクリーン一体型表示装置と称されるインセルタイプのタッチスクリーンを備えた表示装置は、耐久性向上及び薄型化が可能であることから、アドオンタイプおよびオンセルタイプにより発生する問題点を解決できるという長所がある。このインセルタイプのタッチスクリーンを備えた表示装置は、光式の表示装置と静電容量方式の表示装置とに区分される。また、静電容量方式の表示装置は、自己静電容量方式(self capacitance type)と相互静電容量方式(mutual capacitande type)とに細分化される。
【0006】
インセルタイプのタッチスクリーンを備えた相互静電容量方式の表示装置は、共通電極を分割し、それを駆動電極とセンシング電極とに分け、駆動電極とセンシング電極との間に相互静電容量(mutual capacitance)が形成されるようにすることで、ユーザーがタッチしたときに発生する相互静電容量の変化量を測定し、タッチを認識する方法で動作する。そして、インセルタイプのタッチスクリーンを備えた自己静電容量方式の表示装置は、共通電極を分割し、それを直接タッチ電極として活用し、タッチ電極とユーザーの入力との間に静電容量が形成されるようにすることで、ユーザーがタッチしたときに発生する静電容量の変化量を測定し、タッチを認識する方法で動作する。
【0007】
図1を参照し、上述したインセルタイプのタッチスクリーンを備えた自己静電容量方式の表示装置の構成について詳細に説明する。
【0008】
図1は、一般的なインセルタイプのタッチスクリーンを備えた自己静電容量方式の表示装置の構成を示す図面である。
【0009】
一般的なインセルタイプのタッチスクリーンを備えた自己静電容量方式の表示装置は、
図1に示すように、m個の駆動電極13及びm本の信号配線14を含み、かつ表示領域11と非表示領域12とに区分されているパネル10と、m本の信号配線14を通してm個の駆動電極13に共通電圧またはタッチスキャン信号を印加するディスプレイドライバIC20と、タッチスキャン信号を生成してディスプレイドライバIC20に伝達し、伝達したタッチスキャン信号によるタッチ感知信号が印加され、ユーザーのタッチ入力位置を感知するタッチIC30とを備える。m個の駆動電極13は、表示領域11の内部にのみ形成されている。
【0010】
一般的な自己静電容量方式のタッチスクリーンでは、電極におけるユーザーのタッチによる接触面積によってタッチ感度が異なる。即ち、タッチ感度は、タッチ入力と駆動電極との接触面積に比例すると考えられる。
【0011】
従って、表示領域11の内側にタッチ入力が存在する場合に比べ、表示領域11の最も外側の領域にタッチ入力が存在する場合におけるタッチ感度が低下してしまう。
【0012】
何故なら、一般的な自己静電容量方式のタッチスクリーンでは、ユーザーのタッチ入力と電極との間に発生した信号(静電容量の変化)を、アルゴリズムを用いて演算し、タッチ入力位置を感知する。ここで、タッチが入力された部分と電極との接触面積が大きいほど、発生する信号(静電容量の変化)が増加し、それにより、更に多くの信号を活用して、タッチ入力位置を感知するためのアルゴリズム演算を行うことができ、その結果、更に高いタッチ感度を得ることができるためである。
【0013】
しかしながら、表示領域11の最も外側の領域にタッチ入力が存在するとしたら、非表示領域12にも、最も外側の領域に存在するタッチ入力と共通したタッチ入力が存在することがあり得る。例えば、1つのタッチ入力が、表示領域11と非表示領域12との境部をタッチした場合がそうである。
【0014】
この場合、非表示領域12には、電極が形成されていないため、タッチ入力に対する信号を発生することができない。それにより、アルゴリズム演算に活用する信号が足りなくなり、表示領域11の内側にのみタッチ入力が存在する場合に比べ、表示領域11の最も外側の領域にタッチ入力が存在する場合におけるタッチ感度が低下する。
【0015】
例えば、
図1に示すa領域及びb領域にタッチ入力が存在する場合は、タッチ入力が表示領域11にのみ存在するため、正常タッチ感度を得ることができる。一方、c領域及びd領域においては、タッチ入力に対する信号を発生させる電極が形成されていない非表示領域12にもタッチ入力が存在するため、a領域及びb領域に比べ、低いタッチ感度しか得られない。
【0016】
更に詳細に比較すると、c領域におけるタッチ感度は、a領域及びb領域におけるタッチ感度よりも低く、d領域におけるタッチ感度は、c領域におけるタッチ感度よりも低くなる。これは、タッチ感度が、タッチ入力と電極との接触面積に比例するためである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照し、本発明の各実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
以下では、説明の都合上、本発明の各実施の形態に係るタッチスクリーン一体型表示装置について、液晶表示装置を一例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されず、電界放出表示装置、プラズマディスプレイパネル、電界発光表示装置、電気泳動表示装置、有機発光ダイオードといった多様な表示装置に適用することができる。また、液晶表示装置の一般的な構成については、説明を省略する。
【0026】
実施の形態1.
図2ないし
図5は、本発明の実施の形態1に係るタッチスクリーン一体型表示装置の構成を示す図面である。
【0027】
本発明の実施の形態1に係るタッチスクリーン一体型表示装置は、図面に示すように、パネル100、ディスプレイドライバIC200及びタッチIC300を備える。
【0028】
まず、パネル100は、表示領域110と非表示領域120とに区分されている。表示領域110には、タッチスクリーン(図示せず)が内蔵されており、非表示領域120には、ディスプレイドライバIC200が内蔵されている。
【0029】
タッチスクリーンは、ユーザーのタッチ位置を感知する働きをするものであり、特に、本発明に適用されるタッチスクリーンは、共通電極を分割し、それを直接タッチ電極として活用し、タッチ電極とユーザーの入力との間に静電容量が形成されるようにすることにより、ユーザーのタッチ入力時に発生する静電容量の変化量を測定して、タッチを認識する方法で動作する自己静電容量方式のタッチスクリーンである。
【0030】
本発明の実施の形態1に係るパネル100は、2枚の基板の間に液晶層が挟まれた形に構成することができる。この場合、パネル100の下部基板には、複数のゲートラインと、ゲートラインと交差する複数のデータラインと、データラインとゲートラインとの交差部に形成される複数のTFT(Thin Film Transistor)と、TFTに接続された複数のピクセル電極とが形成されている。データラインとゲートラインとの交差構造により定義される複数のピクセルは、パネル100の下部基板にマトリクス状に配置される。
【0031】
上述したパネル100は、表示領域110にm個の駆動電極111を含む。m個の駆動電極111は、ディスプレイ駆動期間の間、各ピクセルに形成されたピクセル電極と共に液晶を駆動する共通電極として動作し、タッチ駆動期間の間、タッチIC300から印加されるタッチスキャン信号によってタッチ位置を感知するタッチ電極として動作する。
【0032】
また、パネル100は、非表示領域120にダミー電極121を含む。特にダミー電極121は、表示領域110のm個の駆動電極111のうち、表示領域110における最も外側の領域に位置する駆動電極111と隣接した非表示領域120に位置する。
【0033】
ダミー電極121は、タッチ駆動期間の間、m個の駆動電極111のうち、表示領域110の最も外側の領域に形成された電極のタッチ感知性能を向上させる役割をする。
【0034】
表示領域110の最も外側の領域とは、パネル100の表示領域110と非表示領域120との境面に隣接した表示領域110のことである。表示領域110の最も外側の領域に位置する駆動電極111とは、表示領域110内に形成された電極のうち、表示領域110と非表示領域120の境面に隣接して形成された電極のことである。
【0035】
ダミー電極121は、
図2に示すように、m個の駆動電極111よりも小さく形成されてもよく、
図2に示していないが、m個の駆動電極111と同じ大きさに形成されてもよい。この場合、最も外側の領域に位置する駆動電極111のうち、表示領域110のある1辺に隣接した駆動電極111の数は、ある1辺に隣接した駆動電極111と対称に形成される表示領域110のある1辺に隣接したダミー電極121の数と同一に形成することができる。
【0036】
実施の形態1の他の例において、
図3に示すように、ダミー電極121は、m個の駆動電極111よりも大きく形成されてもよい。ダミー電極121をm個の駆動電極111よりも大きく形成した場合、ダミー電極121は、バー形状であってもよい。即ち、バー形状の4つのダミー電極121が、表示領域110の4つの辺を囲む形に形成されてもよい。
【0037】
上述したダミー電極121については、後述で詳細に説明する。
【0038】
本発明の実施の形態1に係るパネル100は、m本の信号配線112を含んでおり、m本の信号配線112は、m個の駆動電極111のそれぞれとディスプレイドライバIC200とを接続する。また、パネル100は、少なくとも1本の補助配線122を含んでおり、少なくとも1本の補助配線122は、少なくとも1つのダミー電極121とディスプレイドライバIC200とを接続する。しかしながら、一般的に補助配線122は、ダミー電極121のそれぞれとディスプレイドライバIC200とを接続する。
【0039】
例えば、
図2及び
図3に示すように、m本の信号配線112は、m個の駆動電極111とディスプレイドライバIC200とを接続し、ディスプレイドライバIC200から出力された共通電圧及びタッチスキャン信号が、それぞれの信号配線112を通してm個の駆動電極111に印加されるようにする。また、m本の信号配線112は、タッチスキャン信号によってm個の駆動電極111から受信されたタッチ感知信号を、ディスプレイドライバIC200に伝達する。
【0040】
また、
図4及び
図5に示すように、補助配線122は、ダミー電極121とディスプレイドライバIC200とを接続し、ディスプレイドライバIC200から出力されたタッチスキャン信号が、それぞれの補助配線122を通してダミー電極121に印加されるようにする。また、補助配線122は、タッチスキャン信号によってダミー電極121から受信されたタッチ感知信号を、ディスプレイドライバIC200に伝達する。
【0041】
後で説明するが、ダミー電極121から受信した信号は、アルゴリズム演算を行ってタッチ座標を抽出するのに活用される。そして、演算後、相対的にタッチ感知信号の少ないダミー電極121上のタッチ入力座標は、任意に除去される。
【0042】
上述したタッチスキャン信号は、タッチIC300で生成され、ディスプレイドライバIC200を通してm個の駆動電極111及びダミー電極121に印加される信号である。タッチ感知信号は、タッチスキャン信号によってユーザーのタッチ入力とm個の駆動電極111、またはユーザーのタッチ入力とダミー電極121との間に生成される信号であり、ディスプレイドライバIC200を通して最終的にタッチIC300に伝達される信号である。タッチスキャン信号及びタッチ感知信号については、後述するタッチIC300についての説明で更に詳細に説明する。
【0043】
次に、ディスプレイドライバIC200は、パネル100の駆動モードに応じてm本の信号配線112を通し、m個の駆動電極111に共通電圧、またはタッチスキャン信号を印加する。また、ディスプレイドライバIC200は、補助配線122を通してタッチスキャン信号をダミー電極121に印加する。
【0044】
即ち、パネル100の駆動モードがディスプレイ駆動モードであれば、ディスプレイドライバIC200は、m本の信号配線112を通してm個の駆動電極111に共通電圧を印加し、パネル100がディスプレイ駆動をするようにする。また、パネル100の駆動モードがタッチ駆動モードであれば、ディスプレイドライバIC200は、m本の信号配線112を通してm個の駆動電極111にタッチスキャン信号を印加し、補助配線122を通してダミー電極121にタッチスキャン信号を印加して、パネル100がタッチ駆動をするようにする。
【0045】
しかしながら、ディスプレイドライバIC200は、パネル100の駆動モードがディスプレイ駆動モードである場合、補助配線122を通してダミー電極121に共通電圧を印加することもできる。ダミー電極121に印加する共通電圧は、パネル100をディスプレイ駆動させるのに活用してもよく、別の用途で活用してもよい。
【0046】
上述したディスプレイドライバIC200は、本発明の図面に示していないが、共通電圧生成部、同期信号生成部及びスイッチング部を含んで構成される。
【0047】
共通電圧生成部は、共通電圧(Vcom)を生成し、スイッチング部に印加する。即ち、パネル100の駆動モードがディスプレイ駆動モードであれば、映像の出力のため、m個の駆動電極111に印加する共通電圧を生成し、スイッチング部に印加する。
【0048】
同期信号生成部は、ディスプレイ駆動モード及びタッチ駆動モードを指示する同期信号を生成する。
【0049】
例えば、ディスプレイ駆動モード及びタッチ駆動モードによって、共通電圧生成部で生成された共通電圧(Vcom)が、スイッチング部を通してm個の駆動電極111に印加される、或いはタッチIC300で生成されたスキャン信号が、m個の駆動電極111に印加されるように指示する同期信号を生成する。タッチIC300で生成されたタッチスキャン信号は、同期信号に従ってm個の駆動電極111のみならず、ダミー電極121に印加することもできる。
【0050】
スイッチング部は、同期信号によって共通電圧生成部とm個の駆動電極111とが接続する、或いはタッチIC300とm個の駆動電極111とが接続するようにする。また、スイッチング部は、タッチIC300とダミー電極121とが接続するようにすることもできるが、タッチIC300とダミー電極121とは、別の構成要素を介して接続することもできる。
【0051】
例えば、同期信号生成部の同期信号が、ディスプレイ駆動モードを指示する同期信号であれば、共通電圧生成部とm個の駆動電極111とを接続させ、同期信号がタッチ駆動信号を指示する同期信号であれば、タッチIC300とm個の駆動電極111及びダミー電極121とを接続させる。
【0052】
また、ディスプレイドライバIC200は、m個の駆動電極111をグループに分割し、分割したグループ毎にタッチスキャン信号を印加するためのマルチプレクサを更に含むことができる。
【0053】
上述したマルチプレクサを活用し、ディスプレイドライバIC200は、タッチ駆動モードの間、パネル100内のm個の駆動電極111を複数のグループに分割し、タッチスキャン信号をグループ毎に順次印加することもできる。
【0054】
例えば、パネル100の電極が2つのグループに分割されている場合、ディスプレイドライバIC200は、ディスプレイ駆動モードの間には、パネル100の全ての電極に共通電圧を印加し、タッチ駆動モードの間には、タッチスキャン信号を第1グループと第2グループとに順次印加することもできる。
【0055】
最後に、タッチIC300は、タッチスキャン信号を生成し、ディスプレイドライバIC200を通して、m個の駆動電極111にタッチスキャン信号を印加した後、印加したタッチスキャン信号によるタッチ感知信号を受信し、パネル100内のタッチ入力位置を感知する働きをする。
【0056】
例えば、本発明の実施の形態1に係るタッチIC300は、タッチ感知のため、パネル100のm個の駆動電極111に供給するタッチスキャン信号を生成するタッチスキャン信号生成部(図示せず)を含むことができる。タッチスキャン信号は、タッチ駆動電圧であってもよく、タッチ駆動電圧は、ディスプレイ駆動のため、パネル100のm個の駆動電極111に印加する共通電圧よりも高い値を有してもよい。この場合、タッチ駆動電圧は、共通電圧に該当する電圧値をローレベルの電圧値として有し、それよりも高い電圧値をハイレベルの電圧値として有することができる。
【0057】
タッチスキャン信号生成部は、ディスプレイドライバIC200内のスイッチング部(図示せず)を介して、m個の駆動電極111と接続する。
【0058】
また、タッチIC300は、パネル100内のm個の駆動電極111からのタッチスキャン信号によって、ユーザーのタッチ入力と駆動電極111との間に発生した静電容量の変化を感知し、ユーザーによるタッチ入力位置を感知するタッチ感知部(図示せず)を含むことができる。感知した静電容量の変化、即ちタッチ感知信号は、表示装置のシステム部(図示せず)に伝達し、パネル100で発生するユーザーのタッチ座標が、パネル100の表示領域110にディスプレイされるようにする。
【0059】
タッチ感知部は、ディスプレイドライバIC200内のスイッチング部を介して、m個の駆動電極111と接続する。
【0060】
また、タッチIC300は、タッチスキャン信号を生成し、ディスプレイドライバIC200を通してダミー電極121にタッチスキャン信号を印加した後、印加したタッチスキャン信号によるタッチ感知信号を受信し、パネル100内の表示領域110の最も外側の領域に形成された電極のタッチ感知性能を向上させる働きをする。この場合、タッチIC300内のタッチスキャン信号生成部及びタッチ感知部は、ディスプレイドライバIC200内のスイッチング部(図示せず)を介して、ダミー電極121と接続することができる。
【0061】
以下、前述した本発明の主な構成要素のうち、電極と共に、一般的なタッチスクリーンの表示領域110における最も外側の領域で発生するタッチ感度低下に関する問題点を解決するための本発明の中核について詳細に説明する。
【0062】
本発明の実施の形態1に係るパネル100は、前述したように、非表示領域120にダミー電極121を含んでおり、特にダミー電極121は、表示領域110のm個の駆動電極111のうち、最も外側の領域に位置する駆動電極111と隣接した非表示領域120に位置する。
【0063】
表示領域110の最も外側の領域とは、パネル100の表示領域110と非表示領域120との境面に隣接した表示領域110のことである。表示領域110の最も外側の領域に位置する駆動電極111とは、表示領域110内に形成された電極のうち、表示領域110と非表示領域120の境面に隣接して形成された電極のことである。
【0064】
ダミー電極121は、
図2に示すように、m個の駆動電極111よりも小さく形成してもよく、
図2に示していないが、m個の駆動電極111と同じ大きさに形成してもよい。実施の形態1の他の例において、
図3に示すように、ダミー電極121は、m個の駆動電極111よりも大きく形成してもよい。
【0065】
このように、表示領域110のm個の駆動電極111のうち、最も外側の領域に位置する駆動電極111と隣接した非表示領域120にダミー電極121を形成することにより、ユーザーのタッチ入力が表示領域110の最も外側の領域にある場合においても、タッチ感度及びタッチ性能を、ユーザーのタッチ入力が表示領域110の最も外側の領域の内側にある場合におけるタッチ感度及びタッチ性能程度に向上させる。
【0066】
例えば、ユーザーのタッチ入力が表示領域110の最も外側の領域にある場合、最も外側の領域に位置する駆動電極111と隣接した非表示領域120にダミー電極121を形成することにより、表示領域110の最も外側の領域のみならず、非表示領域120においてもユーザーのタッチ入力が受信できるようにする。
【0067】
それにより、最も外側の領域に隣接した非表示領域120においてもユーザーのタッチ入力が受信できるようになり、その結果、既存の非表示領域120でユーザーのタッチ入力が受信できなかった場合に比べ、タッチ感度及びタッチ性能を向上させることができる。
【0068】
何故なら、タッチ感知信号は、ユーザーのタッチ入力と電極との間の接触面積に比例するため、最も外側の領域に隣接した非表示領域120でユーザーのタッチ入力を受信すると、タッチ感知信号が増加し、その結果、タッチ感度及び性能が増加するためである。
【0069】
また、非表示領域120にもダミー電極121を形成することにより、タッチ入力が発生した電極と隣接電極との間の相互静電容量が増加し、その結果、タッチ感知信号が増加するため、タッチ感度及びタッチ性能が増加するという追加効果ももたらすことができる。
【0070】
上述したように、表示領域110の最も外側の領域に形成された駆動電極111にタッチ入力が発生した場合には、非表示領域120に形成された隣接するダミー電極121から受信した信号を入れてアルゴリズム演算を行う。その後、タッチ入力座標を抽出し、演算後には、相対的にタッチ感知信号の低い非表示領域120のダミー電極121上の座標を任意に除去し、パネル100の表示領域110にディスプレイする。
【0071】
実施の形態2.
以下、
図6及び
図7を参照し、本発明の実施の形態2に係るタッチスクリーン一体型表示装置について詳細に説明する。
【0072】
図6及び
図7は、本発明の実施の形態2に係るタッチスクリーン一体型表示装置の構成を示す図面である。
【0073】
本発明の実施の形態2に係るタッチスクリーン一体型表示装置は、
図6及び
図7に示すように、パネル100及びタッチIC300を備える。
【0074】
まず、パネル100は、表示領域110と非表示領域120とに区分されている。表示領域110には、タッチスクリーン(図示せず)が内蔵されている。また、
図6及び
図7に示していないが、パネル100内の非表示領域120に、タッチIC300が内蔵されていてもよい。
【0075】
タッチスクリーンは、ユーザーのタッチ位置を感知する働きをするものであり、特に、本発明に適用されるタッチスクリーンは、共通電極を分割し、それを直接タッチ電極として活用し、タッチ電極とユーザーの入力との間に静電容量が形成されるようにすることにより、ユーザーのタッチ入力時に発生する静電容量の変化量を測定して、タッチを認識する方法で動作する自己静電容量方式のタッチスクリーンである。
【0076】
本発明の実施の形態2に係るパネル100は、2枚の基板の間に液晶層が挟まれた形に構成することができる。この場合、パネル100の下部基板には、複数のゲートラインと、ゲートラインと交差する複数のデータラインと、データラインとゲートラインとの交差部に形成される複数のTFT(Thin Film Transistor)と、TFTに接続された複数のピクセル電極とが形成されている。データラインとゲートラインとの交差構造により定義される複数のピクセルは、パネル100の下部基板にマトリクス状に配置される。
【0077】
上述したパネル100は、表示領域110にm個の駆動電極111を含む。m個の駆動電極111は、ディスプレイ駆動期間の間、各ピクセルに形成されたピクセル電極と共に液晶を駆動する共通電極として動作し、タッチ駆動期間の間、タッチIC300から印加されるタッチスキャン信号によってタッチ位置を感知するタッチ電極として動作する。
【0078】
また、パネル100は、非表示領域120にダミー電極121を含む。特にダミー電極121は、表示領域110のm個の駆動電極111のうち、最も外側の領域に位置する駆動電極111と隣接した非表示領域120に位置する。
【0079】
ダミー電極121は、タッチ駆動期間の間、m個の駆動電極111のうち、表示領域110の最も外側の領域に形成された電極のタッチ感知性能を向上させる役割をする。
【0080】
表示領域110の最も外側の領域とは、パネル100の表示領域110と非表示領域120との境面に隣接した表示領域110のことである。表示領域110の最も外側の領域に位置する駆動電極111とは、表示領域110内に形成された電極のうち、表示領域110と非表示領域120の境面に隣接して形成された電極のことである。
【0081】
ダミー電極121は、
図6に示すように、m個の駆動電極111よりも小さく形成されてもよく、
図6に示していないが、m個の駆動電極111と同じ大きさに形成されてもよい。この場合、最も外側の領域に位置する駆動電極111のうち、表示領域110のある1辺に隣接した駆動電極111の数は、ある1辺に隣接した駆動電極111と対称に形成される表示領域110のある1辺に隣接したダミー電極121の数と同一に形成することができる。
【0082】
実施の形態2の他の例において、
図7に示すように、ダミー電極121は、m個の駆動電極111よりも大きく形成されてもよい。ダミー電極121をm個の駆動電極111よりも大きく形成した場合、ダミー電極121は、バー形状であってもよい。即ち、バー形状の4つのダミー電極121が、表示領域110の4つの辺を囲む形に形成してもよい。
【0083】
しかしながら、少なくとも1つのダミー電極121だけをバー形状に形成し、表示領域110の少なくとも1辺を囲む形に形成してもよく、複数のバー形状のダミー電極121が少なくとも1辺を囲む形に形成してもよい。
【0084】
上述したダミー電極121については、後述で詳細に説明する。
【0085】
本発明の実施の形態2に係るパネル100は、m本の信号配線112を含んでおり、m本の信号配線112は、m個の駆動電極111のそれぞれとタッチIC300とを接続する。また、パネル100は、少なくとも1本の補助配線122を含んでおり、少なくとも1本の補助配線122は、少なくとも1つのダミー電極121とタッチIC300とを接続する。しかしながら、一般的に補助配線122は、ダミー電極121のそれぞれとタッチIC300とを接続する。
【0086】
例えば、
図6に示すように、m本の信号配線112は、m個の駆動電極111とタッチIC300とを接続し、タッチIC300から出力されたタッチスキャン信号が、それぞれの信号配線112を通してm個の駆動電極111に印加されるようにする。また、タッチスキャン信号によってm個の駆動電極111から受信されたタッチ感知信号を、タッチIC300に伝達する。
【0087】
また、
図7に示すように、補助配線122は、ダミー電極121とタッチIC300とを接続し、タッチIC300から出力されたタッチスキャン信号が、それぞれの補助配線122を通してダミー電極121に印加されるようにする。また、タッチスキャン信号によってダミー電極121から受信されたタッチ感知信号を、タッチIC300に伝達する。
【0088】
後で説明するが、ダミー電極121から受信した信号は、アルゴリズム演算を行ってタッチ入力座標を抽出するのに活用される。そして、演算後、相対的にタッチ感知信号の少ないダミー電極121上のタッチ入力座標は、任意に除去される。
【0089】
上述したタッチスキャン信号は、タッチIC300で生成され、m個の駆動電極111及びダミー電極121に印加される信号である。タッチ感知信号は、タッチスキャン信号によってユーザーのタッチ入力とm個の駆動電極111、またはユーザーのタッチ入力とダミー電極121との間に生成される信号であり、最終的にタッチIC300に伝達される信号である。タッチスキャン信号及びタッチ感知信号については、後述するタッチIC300についての説明で更に詳細に説明する。
【0090】
次に、タッチIC300は、m本の信号配線112を通してm個の駆動電極111にタッチスキャン信号を印加した後、印加したタッチスキャン信号によるタッチ感知信号を受信し、パネル100内のタッチ入力位置を感知する働きをする。
【0091】
例えば、本発明の実施の形態2に係るタッチIC300は、タッチ感知のため、パネル100のm個の駆動電極111に供給するタッチスキャン信号を生成するタッチスキャン信号生成部(図示せず)を含むことができる。タッチスキャン信号は、タッチ駆動電圧であってもよく、タッチ駆動電圧は、ディスプレイ駆動のため、パネル100のm個の駆動電極111に印加する共通電圧よりも高い値を有してもよい。この場合、タッチ駆動電圧は、共通電圧に該当する電圧をローレベルの電圧として有し、それよりも高い電圧をハイレベルの電圧として有することができる。
【0092】
また、タッチIC300は、パネル100内のm個の駆動電極111からのタッチスキャン信号によって、ユーザーのタッチ入力と駆動電極111との間に発生した静電容量の変化を感知し、ユーザーによるタッチ入力位置を感知するタッチ感知部(図示せず)を含むことができる。感知した静電容量の変化、即ちタッチ感知信号は、表示装置のシステム部(図示せず)に伝達し、パネル100で発生するユーザーのタッチ座標が、パネル100の表示領域110にディスプレイされるようにする。
【0093】
本発明の実施の形態2に係るタッチIC300は、マルチプレクサ(図示せず)を通してm個の駆動電極111と接続することができる。マルチプレクサは、パネル100の非表示領域120に形成されるが、m個の駆動電極111をグループに分割し、分割したグループ毎にタッチスキャン信号を印加し、分割したグループ内のm個の駆動電極111から受信したタッチ感知信号をタッチ感知部に伝達する働きをする。
【0094】
例えば、パネル100の電極が2つのグループに分割されている場合、タッチIC300は、マルチプレクサを通してタッチスキャン信号を第1グループと第2グループとに順次印加し、印加したタッチスキャン信号によるタッチ感知信号を、マルチプレクサを通して受信する。
【0095】
また、タッチIC300は、タッチスキャン信号を生成し、ダミー電極121にタッチスキャン信号を印加した後、印加したタッチスキャン信号によるタッチ感知信号を受信し、パネル100内の最も外側の領域に形成された電極のタッチ感知性能を向上させる働きをする。この場合、タッチIC300内のタッチスキャン信号生成部及びタッチ感知部は、マルチプレクサを介してダミー電極121と接続することができる。
【0096】
以下、前述した本発明の主な構成要素のうち、電極と共に、一般的なタッチスクリーンの表示領域110における最も外側の領域で発生するタッチ感度低下に関する問題点を解決するための本発明の中核について詳細に説明する。
【0097】
本発明の実施の形態2に係るパネル100は、前述したように、非表示領域120にダミー電極121を含んでおり、特にダミー電極121は、表示領域110のm個の駆動電極111のうち、最も外側の領域に位置する駆動電極111と隣接した非表示領域120に位置する。
【0098】
表示領域110の最も外側の領域とは、パネル100の表示領域110と非表示領域120との境面に隣接した表示領域110のことである。表示領域110の最も外側の領域に位置する駆動電極111とは、表示領域110内に形成された電極のうち、表示領域110と非表示領域120の境面に隣接して形成された電極のことである。
【0099】
ダミー電極121は、
図6に示すように、m個の駆動電極111よりも小さく形成してもよく、
図6に示していないが、m個の駆動電極111と同じ大きさに形成してもよい。実施の形態2の他の例において、
図7に示すように、ダミー電極121は、m個の駆動電極111よりも大きく形成してもよい。
【0100】
このように、表示領域110のm個の駆動電極111のうち、最も外側の領域に位置する駆動電極111と隣接した非表示領域120にダミー電極121を形成することにより、ユーザーのタッチ入力が表示領域110の最も外側の領域にある場合においても、タッチ感度及びタッチ性能を、ユーザーのタッチ入力が表示領域110の最も外側の領域の内側にある場合におけるタッチ感度及びタッチ性能程度に向上させる。
【0101】
例えば、ユーザーのタッチ入力が表示領域110の最も外側の領域にある場合、最も外側の領域に位置する駆動電極111と隣接した非表示領域120にダミー電極121を形成することにより、表示領域110の最も外側の領域のみならず、非表示領域120においてもユーザーのタッチ入力が受信できるようにする。
【0102】
それにより、最も外側の領域に隣接した非表示領域120においてもユーザーのタッチ入力が受信できるようになり、その結果、既存の非表示領域120でユーザーのタッチ入力が受信できなかった場合に比べ、タッチ感度及びタッチ性能を向上させることができる。
【0103】
何故なら、タッチ感知信号は、ユーザーのタッチ入力と電極との間の接触面積に比例するため、最も外側の領域に隣接した非表示領域120でユーザーのタッチ入力を受信すると、タッチ感知信号が増加し、その結果、タッチ感度及び性能が増加するためである。
【0104】
また、非表示領域120にもダミー電極121を形成することにより、タッチ入力が発生した電極と隣接電極との間の相互静電容量が増加し、その結果、タッチ感知信号が増加するため、タッチ感度及びタッチ性能が増加するという追加効果ももたらすことができる。
【0105】
上述したように、表示領域110の最も外側の領域に形成された駆動電極111にタッチ入力が発生した場合には、非表示領域120に形成された隣接するダミー電極121から受信した信号を入れてアルゴリズム演算を行う。その後、タッチ入力座標を抽出し、演算後には相対的にタッチ感知信号の低い非表示領域120のダミー電極121上の座標を任意に除去し、パネル100の表示領域110にディスプレイする。