特許第5770856号(P5770856)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5770856遠隔制御部のためのユーザーインターフェース
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770856
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】遠隔制御部のためのユーザーインターフェース
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/048 20130101AFI20150806BHJP
   G06F 3/0481 20130101ALI20150806BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   G06F3/048 654A
   G06F3/048 658B
   H04Q9/00 301E
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-543286(P2013-543286)
(86)(22)【出願日】2011年12月6日
(65)【公表番号】特表2014-500558(P2014-500558A)
(43)【公表日】2014年1月9日
(86)【国際出願番号】US2011063583
(87)【国際公開番号】WO2012078665
(87)【国際公開日】20120614
【審査請求日】2013年8月6日
(31)【優先権主張番号】12/961,387
(32)【優先日】2010年12月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506267178
【氏名又は名称】ネットフリックス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NETFLIX, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】ハント,ネイル ディー
【審査官】 西田 聡子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−147084(JP,A)
【文献】 特開平08−065539(JP,A)
【文献】 特開平10−112888(JP,A)
【文献】 特開2005−101994(JP,A)
【文献】 特開2006−094210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
G06F 3/0481
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家庭用電子機器を制御するコンピューターに実装される制御方法であって、
前記家庭用電子機器を制御するように構成された遠隔制御部から、該遠隔制御部のタッチパッドに対してユーザーが行ったジェスチャーに応じて生成された信号を受信するステップと、
前記家庭用電子機器に対応付けられている表示装置に表示されるコンテンツに基づいて、操作コンテキストを決定するステップと、
前記遠隔制御部から受信した前記信号に応じて、前記操作コンテキストに基づいたコンテキスト対応ユーザーインターフェースを前記表示装置へ表示するために出力するステップと、
前記遠隔制御部から受信した前記信号に応じて、前記コンテキスト対応ユーザーインターフェースに重ねて、前記遠隔制御部から受信した前記信号で制御された位置にカーソルを表示するために出力するステップと、
を備えた制御方法であって、
前記コンテキスト対応ユーザーインターフェースが、再生されているデジタルコンテンツの現在の表示位置を表すタイムラインバーを含み、
前記遠隔制御部は前記タイムラインバーに沿った時間を表す位置に前記カーソルの前記位置を指定することによって、前記デジタルコンテンツの再生を制御し、
前記コンテキスト対応ユーザーインターフェースが、追加のデジタルコンテンツの並列タイムラインバーをさらに含み、
前記並列タイムラインバーが、前記追加のデジタルコンテンツの利用可能な時間の範囲を示すように、前記タイムラインバーから分岐し、前記タイムラインバーに再びつながる形式で表示され、
前記遠隔制御部は、前記並列タイムラインバーに沿った位置に前記カーソルの前記位置を指定することによって、前記追加のデジタルコンテンツが再生されるように前記家庭用電子機器を制御することを特徴とする制御方法。
【請求項2】
非アクティブタイマーの期限が終了したことを決定するステップと、
前記コンテキスト対応ユーザーインターフェースおよび前記カーソルの前記表示装置への出力を中止するステップと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項記載の制御方法。
【請求項3】
前記コンテキスト対応ユーザーインターフェースには、前記家庭用電子機器に保存されたデジタルコンテンツ、または、前記家庭用電子機器に接続されたネットワークを介して保存されたデジタルコンテンツのナビゲーションを制御するためのグラフィック要素が含まれていることを特徴とする請求項1または2記載の制御方法。
【請求項4】
前記コンテキスト対応ユーザーインターフェースには、前記家庭用電子機器に保存されたデジタルコンテンツ、または、前記家庭用電子機器に接続されたネットワークを介して保存されたデジタルコンテンツの選択を制御するためのグラフィック要素が含まれていることを特徴とする請求項1または2記載の制御方法。
【請求項5】
家庭用電子機器を制御するコンピューターシステムとして機能させるための命令を格納したコンピューター読み取り可能な記録媒体であって、
プロセッサに、
前記家庭用電子機器を制御するように構成された遠隔制御部から、該遠隔制御部のタッチパッドに対してユーザーが行ったジェスチャーに応じて生成された信号を受信するステップと、
前記家庭用電子機器に対応付けられている表示装置に表示されるコンテンツに基づいて、操作コンテキストを決定するステップと、
前記遠隔制御部から受信した前記信号に応じて、前記操作コンテキストに基づいたコンテキスト対応ユーザーインターフェースを前記表示装置へ表示するために出力するステップと、
前記遠隔制御部から受信した前記信号に応じて、前記コンテキスト対応ユーザーインターフェースに重ねて、前記遠隔制御部から受信した前記信号で制御された位置にカーソルを表示するために出力するステップと、
を実行させるための命令を格納したコンピューター読み取り可能な記録媒体であって、
前記コンテキスト対応ユーザーインターフェースが、再生されているデジタルコンテンツの現在の表示位置を表すタイムラインバーと、追加のデジタルコンテンツの利用可能な時間の範囲を示すように、前記タイムラインバーから分岐し、前記タイムラインバーに再びつながる形式で表示される、並列タイムラインバーとを含み、
前記遠隔制御部は前記タイムラインバーに沿った時間を表す位置に前記カーソルの前記位置を指定することによって、前記デジタルコンテンツの再生を制御し、かつ、前記並列タイムラインバーに沿った位置に前記カーソルの前記位置を指定することによって、前記追加のデジタルコンテンツが再生されるように前記家庭用電子機器を制御することを特徴とすることを特徴とするコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【請求項6】
家庭用電子機器を制御するシステムであって、前記システムは、
前記家庭用電子機器を制御するように構成された遠隔制御部と、
前記遠隔制御部からの信号を受信するプロセッサと、
を備え、
前記信号は、前記遠隔制御部のタッチパッドに対してユーザーが行ったジェスチャーに応じて生成されたものであり、
前記プロセッサに、
前記家庭用電子機器に対応付けられている表示装置に表示されるコンテンツに基づいて、操作コンテキストを決定するステップと、
前記遠隔制御部から受信した前記信号に応じて、前記操作コンテキストに基づいたコンテキスト対応ユーザーインターフェースを前記表示装置へ表示するために出力するステップと、
前記遠隔制御部から受信した前記信号に応じて、前記コンテキスト対応ユーザーインターフェースに重ねて、前記遠隔制御部から受信した前記信号で制御された位置にカーソルを表示するために出力するステップと、
を実行させるシステムであって、
前記コンテキスト対応ユーザーインターフェースが、再生されているデジタルコンテンツの現在の表示位置を表すタイムラインバーと、追加のデジタルコンテンツの利用可能な時間の範囲を示すように、前記タイムラインバーから分岐し、前記タイムラインバーに再びつながる形式で表示される、並列タイムラインバーとを含み、
前記遠隔制御部は前記タイムラインバーに沿った時間を表す位置に前記カーソルの前記位置を指定することによって、前記デジタルコンテンツの再生を制御し、かつ、前記並列タイムラインバーに沿った位置に前記カーソルの前記位置を指定することによって、前記追加のデジタルコンテンツが再生されるように前記家庭用電子機器を制御することを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
この出願は、2010年12月6日に出願され、ここに援用される米国特許出願第12/961,387号の利益を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般的に、家庭用電子機器に対して表示されたユーザーインターフェースに関し、より具体的にはタッチパッドを含む遠隔制御部を用いてユーザーインターフェースを起動する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ビデオ、画像、オーディオ、ビデオ会議などメディアコンテンツを含む多数のウェブサイトが存在する。メディアコンテンツは、主要なニュース、スポーツ、映画、エンターテイメントのサイトから、ホームビデオクリップ、個人的な写真の収集までの範囲におよび、サイト間の全ての範囲にもおよぶ。一般に、そのようなウェブサイトは、メディアコンテンツと対話入力するためにマウスのようなポインティングデバイスが用いられ、パソコンに接続されたディスプレイに内容が表示される。
【0004】
近年、家庭用電子機器は、接続されたメディア装置として構成されるようになり、例えば、接続されたブルーレイプレーヤー、メディアアダプター、接続されたテレビ、デジタルビデオレコーダー、ケーブルボックスなどがある。コンテンツと対話入力をするためにマウスのようなポインティングデバイスを用いるパーソナルコンピューター装置とは対照的に、これらの家庭用電子機器を介してコンテンツと対話入力を行う場合には、ハンドヘルドの遠隔制御装置は上下左右の方向の限られた数の表示メニューに移動するために通常使用される。その結果、メディアコンテンツは、ハンドヘルドの遠隔制御装置では簡単にあるいは全くナビゲートすることができない場合があり、パーソナルコンピューターで閲覧するために開発されたメディアコンテンツは、単純に家庭用電子機器を介して表示することができない可能性がある。さらに、典型的なハンドヘルドの遠隔制御装置には、家庭用電子機器で実行できる様々な操作を制御するために多くのボタンがある。特定のボタンを押すために、ユーザーはボタンのラベルを読む必要があり、または、ボタンはより多くの電力を消費するバックライトを必要とするかもしれない。全体的にみて、典型的なハンドヘルドの遠隔制御装置は、あまり直感的でなく、典型的なマウスのようなポインティングデバイスよりも面倒である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述で説明したように、この分野で必要とされているものは、家庭用電子機器を介してコンテンツと対話入力をするときにコンテンツをいかに表示し、より直感的に制御するために用いることが可能な装置である。さらに、家庭用電子機器を制御することができる低コストのポインターデバイスを製造することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態では、直感的なコンテキスト対応ユーザーインターフェースと移動可能なカーソルを通して、家庭用電子(CE)機器の操作を制御する技術について説明する。システムには、表示装置、CE機器、および、タッチパッド付き遠隔制御部を備える。CE機器は、表示装置に表示するコンテキスト対応ユーザーインターフェースを出力するように構成される。その特定のユーザーインターフェースは、CE機器の操作コンテキストによって変わる。遠隔制御部は、CE機器によって検出された信号およびCE機器によって実行される操作を制御する信号を送信する。より具体的には、遠隔制御部はコンテキスト対応ユーザーインターフェースとの対話入力を通じて、移動可能なカーソルの位置を変えて操作を選択するためのハンドヘルドのポインティングデバイスとして使用される。CE機器を制御するために、ユーザーは、コンテキスト対応ユーザーインターフェースに基づいて解釈されるジェスチャーをタッチパッドに対して行うようにしてもよい。
【0007】
本発明の一実施形態は、家庭用電子機器を制御するコンピューターに実装された制御方法を提供する。この方法には、家庭用電子機器を制御するように構成された遠隔制御部から信号を受信し、前記信号は、前記遠隔制御部のタッチパッドに対して行われたユーザーのジェスチャーに応じて生成されるものである。前記家庭用電子機器によって実行される機能に基づいて、操作コンテキストが決定される。前記遠隔制御部から受信した前記信号に応じて、前記操作コンテキストに基づいたコンテキスト対応ユーザーインターフェースを前記家庭用電子機器に対応する表示装置へ表示するために出力する。さらに、前記遠隔制御部から受信した前記信号に応じて、前記コンテキスト対応ユーザーインターフェースに前記遠隔制御部から受信した前記信号で制御された位置にカーソルを重ねて表示するために出力する。
【0008】
従来のマルチボタンの遠隔制御装置と比較して、タッチパッドを備えた遠隔制御部は、CE機器上に存在するディスプレイまたはCE機器に接続されたディスプレイに表示されたコンテキスト対応ユーザーインターフェースとの対話入力介して、CE機器を制御するため、費用がかからないソリューションを提供する。コンテキスト対応ユーザーインターフェースは、CE機器の現在の操作に関連する制御のみで構成されるので、コンテキスト対応ユーザーインターフェースはCE機器を制御するためのユーザーとの対話入力を簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の上記の特徴を詳細に理解することができるような方法で、実施形態と添付された図面を参照して、上記の簡単に要約された発明のより詳細な説明を行う。ただし、添付の図面は、この発明の単に典型的な実施形態を示すものであり、その範囲に制限されるものではなく、本発明は他の同様に有効な実施形態を許容することが可能である。
図1】本発明の1以上の態様を実装するように構成されたシステムを示す図。
図2】本発明の一実施形態による家庭用電子機器と図1の表示装置のブロック図。
図3】本発明の一実施形態による家庭用電子機器を制御する方法の手順のフローチャート。
図4A】本発明の一実施形態によるコンテキスト対応ユーザーインターフェースを示す図(その1)
図4B】本発明の一実施形態によるコンテキスト対応ユーザーインターフェースを示す図(その2)
図4C】本発明の一実施形態によるコンテキスト対応ユーザーインターフェースを示す図(その3)
図4D】本発明の一実施形態によるコンテキスト対応ユーザーインターフェースを示す図(その4)
図4E】本発明の一実施形態によるコンテキスト対応ユーザーインターフェースを示す図(その5)
図5】本発明の一実施形態による図1の遠隔制御部を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、本発明をより理解することができるように、多くの具体的な細部について説明する。ただし、本発明は1以上のこれらの具体的な細部でなくとも実施できることは、当業者にとって明らかである。他の例では、本発明が不明瞭になるのを避けるために周知の特徴については説明しない。
【0011】
図1に、本発明の1以上の態様を実装するように構成したシステム100を示す。システム100は、表示装置120、家庭用電子(CE)機器115、およびタッチパッド105付き遠隔制御部110を備える。遠隔制御部110は、赤外線技術や、WiFi・ブルートゥース・その他低消費電力のデジタルワイヤレス接続に基づく無線(radio-frequency wireless)リンクを介して、CE機器115と通信する。接続は、一方向(遠隔制御部110からCE機器115)または双方向であってもよい。遠隔制御部110のタッチパッド105は、ユーザーによるタップやスワイプのようなジェスチャーを検出する、静電容量方式、または同様の技術を用いたタッチセンサー式入力装置であってもよい。遠隔制御部110は、ハンドヘルドデバイスとして適切な筐体に入れられ、例えば、長さ15cm、幅5〜10cm、厚さ1cmである。
【0012】
遠隔制御部110は、CE機器115、例えば、テレビ、DVDプレーヤー、セットトップボックス、内蔵ディスプレイを備えているか表示装置120に接続されている他のメディア装置などを、制御するように構成される。表示装置120には、従来のCRT、モニターベースのLCD、プロジェクタースクリーン、プロジェクターとスクリーンの組合せ等がある。一実施形態では、CE機器115は、ストリーミングでオーディオビジュアル媒体を受信するように構成したセットトップボックスで構成して、メディアを指定したオーディオビジュアル形式の1以上の出力信号に変換し、この1以上の出力信号を表示装置120に提供するようにしてもよい。別の実施形態では、クライアントコンピューターを、ブルーレイプレーヤーのようなデジタルディスクメディアプレーヤーで構成して、ストリーミングでオーディオビジュアル(AV)媒体を受信するように構成して、媒体を指定したオーディオビジュアル形式の1つ以上の出力信号に変換して、1つ以上の出力信号を表示装置120に提供する構成にしてもよい。別の実施形態では、CE機器115を、パーソナルコンピューター、ラップトップコンピューター、ノートブックコンピューター、またはハンドヘルドコンピューターで構成するようにしてもよい。実施形態には、本明細書に記載されている機能を実行するためのコンピューター読み込み可能なコンピュータプログラム製品が含まれる。したがって、ある実施形態では、1つ以上の命令のシーケンスを格納するコンピューター読み取り可能な記録媒体で構成され、1つ以上のデジタルプロセッサで実行することにより説明されている手順を実行する。
【0013】
家庭用電子機器115は、表示装置120上に表示するコンテキスト対応ユーザーインターフェースを出力するように構成する。この特定のユーザーインターフェースは、CE機器115の操作コンテキストによって変わり、操作コンテキストは、特定の時点でCE機器115によって実行される機能である。例えば、DVDをCE機器115に挿入する時とDVDのコンテンツを再生する時を比べると、CE機器115の操作コンテキストは変わる。CE機器115がビデオ会議機能を提供する時と、CE機器115をゲームボックスとして構成した時を比べると、CE機器115の操作コンテキストは異なる。さらに、CE機器115が、オーディオ用のメディアを再生する機能を提供するように構成された時は、コンテキスト対応ユーザーインターフェースには、CE機器115の操作コンテキストに基づいて、特定の局や再生リストを選択するための選択制御(例えば、プルダウンメニューやラジオボタンなど)が含まれるようにしてもよい。他のコンテキスト対応ユーザーインターフェースは、同様に、CE機器115の他の操作コンテキストに基づいて、画面上に、特定の単語、チャネル、呼び出しの文字などをユーザーが入力するためのキーボードを提供するようにしてもよい。
【0014】
遠隔制御部110は、CE機器115により検出された信号と、CE機器115により実行された制御操作を送信する。より具体的には、遠隔制御部110は コンテキスト対応ユーザーインターフェースと対話入力を行って操作を選択するためのハンドヘルドのポインティングデバイスとして用いられる。ユーザーは、CE機器115を制御するためのコンテキスト対応ユーザーインターフェースに応じて、CE機器115によって解釈されるジェスチャーをタッチパッド105に対して行う。重要なのは、ユーザーインターフェースは、遠隔制御部110ではなく表示装置120上に表示されることである。したがって、遠隔制御部110にステータス情報の表示部がないことが必要である。一実施形態では、遠隔制御部110には、タッチパッド105だけを備え、ボタンやユーザーが提供した入力を受信するための他のメカニズムはない。
【0015】
コンテキスト対応ユーザーインターフェースは、関連するフィードバックが表示装置120で提供され、遠隔制御部110は非常に少ない電力を消費し、2つまたは3つの単3または単4の乾電池によって電源が供給されるものであってもよい。一実施形態では、遠隔制御部110は、選択的なバックライト付きタッチパッド105上で異なる制御設定を強調表示するように構成されたステータス表示部を備える。
【0016】
表示装置120によって表示されるコンテキスト対応ユーザーインターフェースは、従来の複数のボタン付きの遠隔制御装置を介してCE機器115を制御する時に比べて、ユーザーの対話入力が簡単になる。特に、ユーザーに実行される可能性がある操作に関連する制御だけが、コンテキスト対応ユーザーインターフェースに含まれる。例えば、CE機器115が、表示装置120のwebページの表示し、webページの操作を実行するように構成した時には、webページをナビゲートするためのコンテキスト対応ユーザーインターフェースを表示させるようにしてもよい。遠隔制御部110は、コンテキスト対応ユーザーインターフェースに重ねてカーソルの位置を制御し、コンテキスト対応ユーザーインターフェースを通じて様々なCE機器115によって実行される操作またはアクションを選択するために使用される。
【0017】
CE機器115は、デジタルオーディオおよびデジタルビデオと、ビデオコンテンツの再生のためのトランスポートコントロール、例えば、再生・停止・一時停止・FF・RW・次へ・前へなどを含むコンテキスト対応ユーザーインターフェースで構成される。コンテキスト対応ユーザーインターフェースは、モード検出の制御、例えば、プレーヤーのセットアップ制御・イジェクト・電源などを含むようにしもよい。コンテキスト対応ユーザーインターフェースは、表示装置上120に表示されるので、バックライトのように、部屋の中や遠隔制御部110上に追加の照明がないことが必要である。したがって、遠隔制御部110は追加の照明がない状態で操作され、CE機器115へ入力コマンドを提供するために任意の物理的なボタンは必要とされない。
【0018】
ユーザーが遠隔制御部110を起動すると、信号がCE機器115に送信される。ユーザーが遠隔制御部110を取り上げた時や、ユーザーがタッチパッド105に触れるまたはストロークを入力した時に、モーションセンサーに応答して信号が送信されるようにしてもよい。CE機器115は、移動可能なカーソルを、モードに適したグラフィカル表現で構成されているコンテキスト対応ユーザーインターフェースに重ねる。ユーザーインターフェースが、フェードイン、端からスライドイン、またはそれ以外の現れ方で、たぶん表示装置120上のビデオや画像または他のコンテンツに重ねられるように、スクリーン上に現れる。親指または他の指を使って、ユーザーが表示装置120上でカーソルを移動させる方向のジェスチャーを、タッチパッド105をストロークまたはスィープして入力する。コンテキスト対応ユーザーインターフェースに含まれているクリック可能な制御は、カーソルがその制御の上を通ると強調されるようにしてもよい。対照的に、従来のほとんどの遠隔制御装置は、カーソルの移動には、左右上下の方向に限定される。したがって、メニューと関連付けられているユーザーの対話入力は、それらのカーソルの動きに制限される。また、従来の遠隔制御装置は、通常、カーソルの動きとその他の操作を制御するいくつかのボタンがある。ボタンの一部のみが、CE機器115の特定の操作モードに関連しているかもしれない。特に、照明のレベルが低く、ボタン上のラベルを簡単に見ることができない場合には、従来の遠隔制御装置を有効にするために正しいボタンを見つけることが、ユーザーにとって困難になる。
【0019】
一実施形態によると、ここに記載された技術は、1つ以上の専用のコンピューター装置によって実装される。専用のコンピューテター装置は、技術を実行するためにハードウェア組み込み型であっても、あるいは、技術を実行するために永続的にプログラムされた1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)やプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのデジタル電子デバイスで構成されたものであっても、または、ファームウェア・メモリ・その他のストレージ・またはそれらの組み合わせたものに記憶されたプログラム命令に従って技術を実行するようにプログラムされた1つ以上の汎用ハードウェアプロセッサで構成されたものであってもよい。このような専用のコンピューター装置は、カスタマイズされたハードウェア組み込み型論理回路、ASIC、またはFPGAと、技術を達成するためにカスタマイズされたプログラミングとを組み合わせるようにしてもよい。専用のコンピューター装置は、技術を実装するためのデスクトップコンピューターシステム、ポータブルコンピューターシステム、ハンドヘルドデバイス、ネットワークデバイス、または、ハードウェア組み込み型または/およびプログラムロジックが組み込まれた他の装置であってもよい。
【0020】
[システムの概要]
図2は、本発明の一実施形態による、CE機器115と図1の表示装置120のブロック図を示す。CE機器115は、中央処理装置(CPU)202と、ブリッジ205を含む相互接続のパス経由で通信しているシステムメモリ204とで構成される。CPU202は、例えば、汎用マイクロプロセッサであり、システムメモリ204は、情報やCPU202によって実行される命令を格納するためのランダムアクセスメモリ(RAM)または他のダイナミック記憶装置であってもよい。システムメモリ204は、また、CPU202によって実行される命令の実行中に発生する一時な変数や他の中間情報を格納するため用いられる可能性がある。このような命令が、CPU202がアクセス可能な記憶媒体に格納されている場合、その命令で指定された動作を実行するカスタマイズされた専用機としてCE機器115を機能させる。
【0021】
デバイスドライバー203は、システムメモリ204に保存され、遠隔制御部110から受信した信号をCE機器115のためのコマンドへ変換するように構成する。磁気ディスクや光ディスクなどのシステムディスク214は、情報と命令を格納するためにブリッジ205に提供され接続される。
【0022】
CE機器115は、表示装置120とバス経由で結合され、ブリッジ205は、直接入力インターフェース208を介した1以上のユーザーの入力装置(キーボード、物理的なボタン、マウス、またはトラックボール等)からユーザー入力を受け取る。ブリッジ205はCPU102へユーザー入力を転送して、表示装置120に表示するピクセルを提供する。
【0023】
カスタマイズされたハードウェア組み込み論理回路、1以上のASICやFPGA、ファームウェア、および/またはプログラムのロジックを、コンピューターシステムと組み合わせて用いて、CE機器115を専用マシンにする或はプログラムするための、ここに説明された技術を、CE機器115に実装するようにしてもよい。一実施形態によると、ここに記載する技術は、システムメモリ204に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行するCPU202に応答して、CE機器115によって行われる。このような命令は、システムディスク214などの別の記録媒体からシステムメモリ204に読み込まれるようにしてもよい。システムメモリ204に含まれる命令のシーケンスの実行は、CPU202に、ここに記載されたプロセスの手順を実行させる。別の実施形態では、ハードウェアの回路が、ソフトウェアの命令の代わりに用いられる、または、組み合わせて用いることができる。
【0024】
「コンピューター読み取り可能な記録媒体」という用語は、データおよび/またはマシンを動作させる命令を特定の方法で格納するあらゆる媒体を指すものとして用いられる。このような記録媒体には、不揮発性媒体および/または揮発性媒体で構成されてもよい。不揮発性媒体には、例えば、システムディスク214などの光ディスクまたは磁気ディスクが含まれる。揮発性媒体には、システムメモリ204などの動的メモリが含まれる。記録媒体の一般的な形式には、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、半導体ドライブ、磁気テープまたはあらゆる他の磁気データ記憶媒体、CD−ROM、あらゆる他の光学データ記憶媒体、穴のパターンがあるあらゆる物理的な媒体、RAM、PROMおよびEPROM、フラッシュEPROM、NVRAM、その他のメモリチップまたはメモリカートリッジがある。
【0025】
記録媒体は伝送媒体とは異なるが、伝送媒体と組み合わせて使用するようにしてもよい。伝送媒体には、記録媒体間の情報の転送に関与している。例えば、伝送媒体には、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバー線が含まれ、ブリッジ205やスイッチ216に部品を連結する線が含まれる。また、伝送媒体には、例えば、電波や赤外線データ通信中に生成されたものなどの音や光の波の形態であってもよい。
【0026】
スイッチ216は、ブリッジ205、および、ネットワークリンク218やアドインカード220などの様々なアドインカードのような他の部品との接続を提供する。また、USBまたは他のポートの接続部、CDドライブ、DVDドライブ、映画記録装置などの、その他の部品(明示的に示さない)が、ブリッジ205に接続されるようにしてもよい。スイッチ216に接続されている遠隔制御部用インターフェース215は、遠隔制御部110から出力された赤外信号で運ばれるデータを受信する赤外線検出器で構成され、CPU202および/またはデバイスドライバー203に信号を提供する。
【0027】
スイッチ216は、また、ローカルネットワークに接続されているネットワークリンク218に接続する双方向データ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク218は、互換性のあるローカルエリアネットワーク(LAN)にデータ通信接続を提供するLANカードであってもよい。また、無線リンクを実装するようにしてもよい。このようなあらゆる実装において、ネットワークリンク218は、様々な種類の情報を表すデジタルデータストリームを運ぶ電気信号、電磁信号または光信号を送受信する。
【0028】
一般的に、ネットワークリンク218は、1つ以上のネットワークを介して他のデータ装置にデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク218は、ローカルネットワーク経由でホストコンピューターまたはインターネットサービスプロバイダー(ISP)によって操作されるデータ機器への接続を提供する。ISPがさらに、現在、一般的に「インターネット」として呼ばれる世界的なパケットデータ通信ネットワークによるデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワークとインターネットはどちらも、デジタルデータストリームを運ぶ電気信号、電磁信号または光信号を用いる。CE機器115と送受信するデジタルデータを運ぶ様々なネットワークを介した信号と、ネットワークリンク218上にありスイッチ216を介した信号が、伝送媒体の形態の例である。
【0029】
CE機器115は、ネットワークとネットワークリンク218を通じて、メッセージを送信し、データ(デジタルオーディオデータおよびデジタルビデオデータとプログラムコードを含む)を受信する。受信されたコードは、そのままCPU202で実行されるか、および/または、後で実行するためにシステムディスク214または他の不揮発性ストレージに格納されるかもしれない。受信したデジタルオーディオデータおよびデジタルビデオデータは、CPU202が制御する表示装置120で表示する。
【0030】
当然のことながら、ここに示すシステムは例示であり、変形および修正が可能である。ブリッジの数および配置、CPU202の数、表示装置120の数に応じた接続形態は所望の形態に変更してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、システムメモリ204はCPU202にブリッジを介すのではなく直接接続され、他の装置はCPU202を介してシステムメモリ204と通信を行う。ここに示す特定の部品はオプションであって、例えば、任意の数のアドインカードまたは周辺機器がサポートされる可能性がある。いくつかの実施形態において、スイッチ216が除かれ、ネットワークリンク218、遠隔制御部用インターフェース215、およびアドインカード220がブリッジ205に直接接続される。
【0031】
図3に、本発明の一実施形態による、CE機器115を制御するための方法のフローチャートを示す。方法のステップは、図1および図2のシステムと組み合わせて説明されるが、当業者であれば、システムが任意の順序で方法のステップを実行するように構成しても、発明の範囲内であることを理解されるであろう。
【0032】
この方法はステップ300から開始され、CE機器115は、CE機器115を制御するように構成された遠隔制御部110から信号を受信する。信号は、遠隔制御部110のタッチパッド105に対して行われたユーザーのジェスチャーに応じて生成される。ステップ305で、CE機器115は、CE機器115によって実行される機能に基づいて、操作コンテキストを決定する。操作コンテキストは、表示装置120に表示されるコンテンツによって決まるかもしれない。例えば、ユーザーが、ビデオと一緒にwebページを閲覧しているときや、CE機器115でビデオを再生しているときは、操作コンテキストはビデオの再生になる。CE機器115にDVDを挿入すると、操作コンテキストはDVDの制御になる。
【0033】
ステップ310で、遠隔制御部110から受信した信号に応じて、CE機器115は、表示装置120に操作コンテキストに応じたコンテキスト対応ユーザーインターフェースを出力する。また、遠隔制御部110から受信した信号に応答して、ステップ315で、CE機器115は遠隔制御部の信号で制御された位置にカーソルを出力する。ユーザーインターフェースは表示装置120に表示され、カーソルがその位置にユーザーインターフェースに重なって表示される。
【0034】
ステップ320で、CE機器115は、信号が遠隔制御部110のタッチパッド105に対してユーザーが行ったジェスチャーを示しているか否かを判定し、ステップ325で、CE機器115はタイムアウトになっていないか否かを判定する。タイムアウトのカウンターは、非アクティブにするためにユーザーインターフェースおよび/またはカーソルの表示を中断する時を決定するために用いられる。ジェスチャー間の時間間隔が短く、例えば、500ms、2秒のとき、または、遠隔制御部110に動きがあるときは、タイムアウトのカウンターが終了する。ステップ325では、タイムアウトになっていない場合は、CE機器115はステップ320へ戻る。それ以外の場合は、ステップ335で、タイムアウトになると、コンテキスト対応ユーザーインターフェースとカーソルが表示装置120から消える。コンテキスト対応ユーザーインターフェースとカーソルは、フェードアウト、画面からスライドオフ、またはそれ以外方法で消える。
【0035】
ステップ320で、CE機器115が、信号が遠隔制御部110のタッチパッド105に対してユーザーが行ったジェスチャーを示していると判断した場合は、ステップ330では、CE機器115はジェスチャーによって指定された動作を実行する。ジェスチャーの例には、タッチパッド105上で行われるシングルタップ、ダブルまたはマルチタップ、方向性のあるスワイプまたはストロークが含まれる。表示装置120上のカーソル位置は方向性のあるジェスチャーに基づいて更新される。
【0036】
図4Aは、本発明の一実施形態による、表示装置120にコンテキスト対応ユーザーインターフェース405を表示した様子を示している。CE機器115の操作コンテキストがDVDの再生である場合は、コンテキスト対応ユーザーインターフェース405は、再生、停止、一時停止、FF(早送り)、RW(巻き戻し)、次へ、前へ、およびDVDメニューのボタンなどのトランスポートコントロールに対するグラフィック要素が含まれる。一実施形態では、コンテキスト対応ユーザーインターフェース405のどこかで行われたダブルタップなどのジェスチャーが再生機能を有効にし、トリプルタップが早送り機能を有効にするようにしてもよい。停止、再生、一時停止のトランスポートコントロール410のグラフィック要素を図4Aに示す。カーソル420は、コンテキスト対応ユーザーインターフェース405上の遠隔制御部110によって制御された位置に重なって表示される。
【0037】
図4Bは、本発明の一実施形態による、表示装置120にコンテキスト対応ユーザーインターフェース405を表示した様子を示す。カーソルが制御用のグラフィック要素の上を通るとクリック可能な制御が強調されるようにしてもよく、図4Bに、選択指示422で、カーソル420が再生を制御するグラフィック要素上にある場合を示めす。重要なのは、制御用のグラフィックス要素が表示装置120に描かれているので、暗い部屋で操作するときに遠隔制御部110の特定ボタンの配置を思い出す必要がない。制御用のグラフィックス要素が表示装置120で見えるようになり、CE機器115を制御するために関係する動きのジェスチャーをタッチパッド105に行う。
【0038】
図4Cは、本発明の一実施形態による、表示装置120にコンテキスト対応ユーザーインターフェース435を表示した様子を示す。CE機器115の操作コンテキストが、DVDの再生が完了後またはDVDの挿入時のDVDのアイドリング状態では、コンテキスト対応ユーザーインターフェースには、プレーヤーのセットアップ制御、イジェクト制御、電力制御のためのグラフィック要素が含まれる。図4Cに示すように、ユーザーインターフェース435には、サウンドトラックの様々なオプションを選択するセットアップ制御430が含まれる。サウンドトラックや字幕表示を選択するような機能を、従来のCE機器のナビゲーティングシステムのサブメニューで場所を決めるのは困難かもしれない。また、これらの機能は、従来の遠隔制御装置の特別なボタン(数十個の特殊目的のボタンの1つ)を切り替えて選択するようにしてもよい。重なっているメディアコンテンツを画面上で選択するようにセットアップ制御430を設けたコンテキスト対応ユーザーインターフェースよって、より直接的に機能に触れることができるので、ユーザーは、遠隔制御部110を用いてこれらの機能に簡単にアクセスできる。
【0039】
図4Dは、本発明の一実施形態による、表示装置120にコンテキスト対応ユーザーインターフェース445を表示した様子を示す。CE機器115の操作コンテキストが、デジタルビデオコンテンツおよびデジタルオーディオコンテンツの再生であるときは、トランスポートコントロール(再生、停止、一時停止、FF、RW、次に、前へ)で構成する手法に替えて、コンテキスト対応ユーザーインターフェース445に、表示装置120上に現在の表示位置を表す「Now」アイコン455を用いて、タイムラインバー440のようなグラフィカル要素を含める。ユーザーは、タイムラインバー440に沿って(カーソル420経由で)Nowアイコン455を直接ドラッグして タイムラインバー440に沿った別の位置に移動することができる。コンテキスト対応ユーザーインターフェース445のどこかでダブルタップなどのジェスチャーをすることで再生機能を有効にし、トリプルタップが早送り機能を有効するようにしてもよい。
【0040】
スキップ、早送り、または巻き戻しをしそうな時間の位置を表すために、インデックスマーク450のような章や索引のマークを、タイムラインバー440上に表示するようにしてもよい。タイムラインバー440に沿った前方または後方へのドラッグなどのタッチパッド105に対して行われたユーザーのジェスチャーで、インデックスマークが「重力」または「磁気」出しているように、インデックスマークの近くに変更するようにしてもよい。Nowアイコン455がインデックスマークの近くに移動したときに、重力や磁気が今アイコン455を引きつけて、Nowアイコン455はインデックスマークへ急に移動(snap)する。さらに、過ぎた部分またはコマーシャルコンテンツにユーザーをナビゲートするために、タイムラインバー440上で、コマーシャルのコンテンツを強調したり、グラフィクで識別したりできる別の方法を用いるようにしてもよい。
【0041】
図4Eは、本発明の一実施形態による、コンテキスト対応ユーザーインターフェース445に並列タイムラインバーを設けた様子を示している。別のアングルのシーンまたはバリエーションが、タイムラインバー440に対する並列タイムラインバーとしてユーザーインターフェース445に表示される。デジタルビデオコンテンツおよびデジタルオーディオコンテンツの別のアングルのシーンが利用可能な時間の範囲を表すように、並列タイムラインバー460は分岐して、タイムラインバー440に再びつながる。並列タイムラインバー460は、別のエンディング、または監督と俳優の解説の記録部分などのコンテンツで構成するようにしてもよい。
【0042】
例えば、監督の解説付きのDVD、重要なシーンの別のアングルのショットの10分間、および異なるエンディングを想像してください。現在再生中の映画のバージョンに対応するタイムラインバー440を表示するために、ユーザーは、タッチパッド105にタッチするようにする。タイムラインバー440の上の方にある並列タイムラインバー460が、監督の解説付きプログラムを表すようにする。並列タイムラインバー460をクリックすると、表示装置120に表示するデジタルビデオコンテンツ及びデジタルオーディオコンテンツの監督の解説版を出力するようにCE機器115を制御する。別のシーンのアングルが存在するタイムラインバー440が開始する時点の2秒前から開始後10秒までの部分に、自動的に並列タイムラインバー460をフェードインして、主タイムラインバー440から分岐した並列タイムラインバー460が現れるようにしてもよい。並列タイムラインバー460上をクリックすると別のシーンのアングルが選択され、表示装置120に表示するデジタルビデオコンテンツ及びデジタルオーディオコンテンツの別のシーンのアングルを出力するようにCE機器115を制御する。主タイムラインバー440に戻ってクリックすると、表示装置120に表示するデジタルビデオコンテンツ及びデジタルオーディオコンテンツの主なシーンのアングルを出力するようにCE機器115を制御する。同様に、別のエンディングが可能な主タイムラインバー440に沿った任意の時点で、ユーザーが別のエンディングの表示を選択できるように、コンテキスト対応ユーザーインターフェース445に並列タイムラインバーをフェードインするようにしてもよい。
【0043】
図5に、本発明の一実施形態による、図1の遠隔制御部110を示す。いくつかのハードボタンなどの物理制御部510を、タッチパッド105に加えて遠隔制御部110に設けるようにしてもよい。例えば、一般的に音量アップ/ダウンとミュートなどに使われるボタンを物理制御部510に設けて、暗いところで感じ易くする。物理制御部510を使用して、コンテキスト対応ユーザーインターフェースが表示装置120上に表示した内容がぼやけていても、ユーザーが困らないようにする。
【0044】
タッチパッド105の特定の区間に、仮想制御部520として示されている専用ボタンを提供するようにしてもよい。仮想制御部520は、タッチパッド105上に刷り込まれたテクスチャ、タッチパッド105上のプリント(シルクスクリーン、オフセット、等)、または選択可能なバックライトによって認識されるようにしてもよい。ユーザーが、ボリュームを管理するために、タッチパッド105の右端またはその他指定したゾーンに沿って上下にストロークすることができ、例えば、上向きのストロークはボリューム上げ、下向きのストロークの音量を下げる。一実施形態では、遠隔制御部110の側面または上面の小さなホイールまたはローラーがボリュームを管理し、タイムラインバーを制御するために用いられる。
【0045】
遠隔制御部110は、また、ユーザーが現在の操作コンテキストに対して適切ではない制御の操作しようとしたとき、例えば、ビデオはすでに再生されているのに「再生」を選択したときは、エラーを示す音を生成するように構成してもよい。音は、クリックやドラッグのジェスチャーの聴覚に対するフィードバックとしても、または、移動可能なカーソルが選択する制御用のグラフィック要素の位置に置かれたことを示すためにも使用できる。
【0046】
開示の技術の利点の1つは、コンテキスト対応ユーザーインターフェースは、CE機器115の操作コンテキストに関連する制御で構成されることである。ユーザーのジェスチャーによって制御されたカーソルなどのポインターデバイスを使用して、CE機器115を制御するための直感的な機構を提供する。遠隔制御部110は、非常にシンプルで、暗いところで照明を追加することなく簡単に操作することができる。また、遠隔制御部110は、「常にオン」にしたり、「ウェイクアップ」にする必要がなく、あるいは、パスワードを入力して機能を有効にしたり、装置の「電源」を入れるために他の操作をする必要はありません。
【0047】
もう1つの利点は、遠隔制御部110によって制御されるカーソルの位置によって提供されるポインティングインターフェースが、webサイトと同様の方法で、深く、豊かなオプションおよび選択肢をナビゲートする機能があることです。100,000個の映画タイトルがストリーミング用のインターネットムービープレーヤーで再生できることを想像してください。タッチパッド105に対してジェスチャーを行うことで任意の方向にカーソルを移動することが可能になり、閲覧、選択、カテゴリの選択、豊富なメタコンテンツを拾って選択を行うための直感的なインターフェースをユーザーに提供する。パーソナルコンピューターの表示用に開発したコンテンツやポインターデバイスを用いたナビゲーションをCE機器115上に表示して、コンテキスト対応ユーザーインターフェースと遠隔制御部110を用いてナビゲートすることができる。
【0048】
本発明の実施形態に従うことなく、基本的な範囲から逸脱することがなく、発明を他のさらなる実施形態で実施することが可能である。例えば、本発明は、ハードウェアまたはソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せで実装することが可能である。本発明の一実施形態のコンピューターシステムで使用するためのプログラム製品として実装するようにしてもよい。プログラム製品のプログラムは実施形態(ここに記載された方法を含む)の機能を規定し、各種コンピューターの読み取り可能な記憶媒体に記憶することが可能である。説明したコンピューターが読み取り可能な記録媒体に限定されることはなく:(i)書き込み不可能な記録媒体(例えば、CD−ROMドライブによって読み取り可能なCD−ROMディスクのようなコンピューター内の読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ、ROMチップ、またはあらゆる種類の不揮発性半導体メモリ)に情報が永久的に格納され:(ii)書き込み可能な記録媒体(例えば、ディスクドライブ内の「フロッピー」ディスク、またはハードディスクドライブ、またはあらゆる種類のランダムアクセス可能な半導体メモリ)に変更可能な情報が格納される。本発明の機能を指示するコンピューターが読み取り可能な命令を運ぶものであればコンピューター読み取り可能記録媒体は、本発明の実施形態に含まれる。
【0049】
つまり、請求項に従って本発明の範囲が決定される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5