(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
デブリを受け入れるための開口を規定するレセプタクルであって、前記開口は上部および底部を有し、前記上部は、デブリがレセプタクル内に受け入れられる際に、底部の上にある、レセプタクルと、
前記開口の少なくとも一部を横切る信号を発信するよう配置される第一発信器および第二発信器と、
前記第一発信器によって発信された前記信号の反射を受信するために、前記第一発信器に近接する第一受信器と、を備え、
前記第一受信器は、前記開口の上部に沿って配置され、前記第二発信器によって前記開口の最も大きい寸法を横切って発信された信号の非反射部分を受信するために、前記開口に向けられ、
前記レセプタクルは、デブリが前記レセプタクルの前記開口を通って受け入れられるように、前記レセプタクルを支持するよう構成されるハウジングに、解放可能なように係合可能であり、
前記第一および第二発信器ならびに前記第一受信器は、それぞれ前記ハウジングに支持され、前記レセプタクルは、前記第一および第二発信器ならびに前記第一受信器に対して移動可能であることを特徴とする、デブリ監視システム。
前記開口は、略長方形であり、前記第一受信器および前記第二発信器は、実質的に前記開口を挟んで互いに対角線上であって反対側に位置する、請求項1に記載のデブリ監視システム。
前記第一受信器と第一発信器との間の距離に対する第一受信器と第二発信器との間の距離の比は約4から約100である、請求項1から7のいずれか一項に記載のデブリ監視システム。
前記複数の第一発信器から発信された信号が、前記複数の第二発信器から発信された信号と前記開口の少なくとも一部に沿って交差するように、前記複数の第一発信器および前記複数の第二発信器は、互いに対して配置される、請求項10から12のいずれか一項に記載のデブリ監視システム。
前記複数の第一発信器から発信された信号が、前記複数の第二発信器から発信された信号と前記開口を実質的に両断する線に沿って交差するように、前記複数の第一発信器および前記複数の第二発信器は、互いに対して配置される、請求項13に記載のデブリ監視システム。
【発明の概要】
【0004】
以下の概要は、発明の実施形態および発明を記載する。節約のため、本概要は「発明の詳細な説明」には逐語的に記載されていない。しかしながら、「発明の詳細な説明」は、本概要をすべて含むものとみなされるべきである。
【0005】
一つの態様において、デブリ監視システムは、レセプタクルと、第一および第二発信器と、第一受信器とを有する。レセプタクルは、レセプタクル内にデブリを受け入れるための開口を規定する。第一発信器および第二発信器は、開口の少なくとも一部を横切る信号を発信するよう配置される。第一受信器は、第一発信器によって発信された信号の反射を受信するために、第一発信器に近接する。また、第一受信器は、第二発信器によって開口の少なくとも一部を横切って発信された信号の非反射部分を受信するために、開口に向かって配置される。
【0006】
その他の態様において、カバレッジロボットは、ハウジング、駆動システム、清掃アセンブリ、レセプタクル、第一および第二発信器、ならびに第一受信器を含む。駆動システムは、ハウジングに結合され、ロボットを清掃面上で操縦する。清掃アセンブリは、ハウジングに結合される。レセプタクルは、実質的にハウジング内に配置され、清掃アセンブリからレセプタクル内へとデブリを受け入れるための開口を規定する。デブリ監視システムは、実質的にハウジング内に配置される。デブリ監視システムは、第一および第二発信器、ならびに第一受信器を含む。第一発信器および第二発信器は、それぞれ開口の少なくとも一部を横切る信号を発信するよう配置される。第一受信器は、第一発信器によって発信された信号の反射を受信するために、第一発信器に近接する。また、第一受信器は、第二発信器によって開口の少なくとも一部を横切って発信された信号の非反射部分を受信するために、開口に向かって配置される。
【0007】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。いくつかの実施形態では、第一受信器および第二発信器は、実質的に開口の最大寸法を挟んで互いに反対側に配置される。開口は、略長方形であっても良い。追加的にまたは代替的に、第一受信器および第二受信器は、実質的に開口を挟んで互いに対角線上に反対に位置しても良い。ある実施形態では、第一および第二発信器は、該第一および第二発信器によって発信された各信号が開口の少なくとも一部の間で交差するように互いに対して配置される。デブリがレセプタクル内に受け入れられるように、開口は略垂直な平面に規定されても良い。
【0008】
ある実施形態では、開口は上部および底部を有し、デブリがレセプタクルに受け入れられる際に、上部は底部の上に位置する。また、第一および第二発信器ならびに第一受信器は、それぞれ開口の上部に面して配置され、第一受信器は、第一および第二発信器の上に配置される。
【0009】
いくつかの実施形態では、第一受信器は、第二発信器から約0.5インチないし約30インチの位置に配置される。第一受信器は、第一発信器から約5インチ未満に配置されても良い。追加的にまたは代替的に、第一受信器と第一発信器との間の距離に対する第一受信器と第二発信器との間の距離の比は、約0.1ないし約600である。
【0010】
ある実施形態では、レセプタクルは、デブリがレセプタクルの開口を通って受け入れられるようにレセプタクルを支持する構成のハウジングに、解放可能に係合できるようになっている。第一および第二発信器ならびに第一受信器は、それぞれハウジングに支持されても良く、レセプタクルは、第一および第二発信器ならびに第一受信器に対して移動可能であっても良い。第一および第二発信器ならびに第一受信器は、それぞれハウジングに支持されても良い。制御部がハウジングに支持されても良い。第一および第二発信器ならびに第一受信器は、それぞれ制御部と無線通信(例えば赤外線通信)を行っても良い。
【0011】
いくつかの実施形態では、レセプタクルは、ロボットが清掃面上にある場合、カバレッジロボットの側部から取り外される、および/またはハウジングの側部から取り外される。追加的にまたは代替的に、レセプタクルは、ロボットが清掃面上にある場合、カバレッジロボットの上部から取り外される、および/またはハウジングの上部から取り外される。
【0012】
他の態様において、デブリ監視システムは、レセプタクル、複数の第一発信器、複数の第二発信器、第一受信器および第二受信器を含む。レセプタクルは、レセプタクル内にデブリを受け入れるための開口を規定する。複数の第一発信器および複数の第二発信器の各々は、開口の少なくとも一部を横切る信号を発信するよう配置される。第一受信器は、複数の第一発信器の各々によって発信された信号の反射を受信するために、複数の第一発信器に近接し、複数の第二発信器の各々によって開口の少なくとも一部を横切って発信された信号の非反射部分を受信するために、開口に向かって配置される。第二受信器は、複数の第二発信器の各々によって発信された信号の反射を受信するために、複数の第二発信器に近接し、複数の第一発信器の各々によって開口の少なくとも一部を横切って発信された信号の非反射部分を受信するために、開口に向かって配置される。
【0013】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。いくつかの実施形態では、制御部は、複数の第一発信器および複数の第二発信器をパルス駆動するよう構成される。制御部は、第一および第二受信器の各々を同期してサンプリングするよう構成されても良い。各受信器の第一サンプルは複数の第一発信器および複数の第二発信器が停止しているときに取得され、各受信器の第二サンプルは、複数の第一発信器が起動し、複数の第二発信器が停止しているときに取得され、各受信器の第三サンプルは、複数の第一発信器が停止し、複数の第二発信器が起動しているときに取得される。
【0014】
ある実施形態では、複数の第一発信器および複数の第二発信器は、複数の第一発信器から発信された信号が、複数の第二発信器から発信された信号と交差するように、互いに対して配置されても良い。交差は、開口の少なくとも一部に沿うものであっても良い。複数の第一発信器および複数の第二発信器は、複数の第一発信器から発信された信号が、複数の第二発信器から発信された信号と開口を実質的に両断する線に沿って交差するように、互いに対して配置されても良い。
【0015】
いくつかの実施形態では、複数の第一発信器および複数の第二発信器は、複数の第一発信器および複数の第二発信器の全てが起動している場合に、複数の第一発信器および複数の第二発信器によって発信された信号が実質的に開口の全ての(例えば50%よりを越える)領域に及ぶように、互いに間隔をあけて配置される。
【0016】
さらに他の態様において、デブリ監視方法は、第一発信器および第二発信器を起動および停止すること、第一発信器に近接して配置された第一受信器を測定すること、および開口を通るデブリの動きを検出すること、を含む。第一発信器および第二発信器は、レセプタクルによって規定される開口を横切って実質的に一定の周波数でそれぞれの信号を発信するために起動される。第一受信器は、第一発信器からの信号の反射部分を受信するために第一発信器に近接して配置され、第二発信器からの信号の非反射部分を受信するために第二発信器に対して配置される。開口を通るデブリの動きの検出は、第一発信器および第二発信器がそれぞれ停止しているときに取得された第一測定、第一発信器が起動し、第二発信器が停止しているときに取得された第二測定、および第一発信器が停止し、第二発信器が起動しているときに取得された第三測定に少なくとも部分的に基づく。
【0017】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。いくつかの実施形態では、開口を通るデブリの動きを検出することは、第一、第二および第三測定を時間の関数として処理し、処理された第二および第三測定の少なくとも一つにおける変化を検出することを含む。ある実施形態では、開口を通るデブリの動きを検出することは、第一測定に少なくとも部分的に基づいて、第二および第三測定から外光をフィルタリングすることを含む。第一、第二および第三測定は、時間の関数として(例えば第二および第三測定の少なくとも一つをローパスフィルタリングすることによって)処理されても良い。いくつかの実施形態では、処理された第二および第三測定の少なくとも一つにおける変化を検出することは、瞬間的な変化をそれぞれの処理された測定の平均値と比較することを含む。
【0018】
ある実施形態では、デブリ監視方法は、開口を通るデブリによって遮断された光の量を判断すること、および判断されたデブリによって遮断された光量に少なくとも部分的に基づいて、定期的にデブリにスコアを割り当てることを含む。開口を通るデブリによって遮断された光量を判断することは、第二または第三測定に少なくとも部分的に基づいても良い。
【0019】
いくつかの実施形態では、デブリ監視方法は、連続するデブリスコアを合計すること、およびデブリスコアの合計が閾値を越える場合に汚れ検出信号を提供することを含む。デブリスコアの合計は、時間とともに減少されても良い。減少量は、デブリスコアの移動平均値に少なくとも部分的に基づいても良い。
【0020】
さらに他の態様において、デブリ監視方法は、レセプタクルによって規定される開口を通って、実質的に一定の周波数でそれぞれの信号を発信するために第一発信器および第二発信器を起動および停止すること、第一受信器を測定すること、およびレセプタクルがデブリでいっぱいか否かを判断すること、を含む。第一受信器は、第一発信器からの信号の反射部分を受信するために第一発信器に近接して配置され、第二発信器からの信号の非反射部分を受信するために第二発信器に対して配置される。レセプタクルがデブリでいっぱいか否かの判断は、第一反射信号と第一透過信号との比較に少なくとも部分的に基づく。第一反射信号は、第一発信器が起動し、第二発信器が停止しているときに第一受信器によって取得された測定から取得され、第一透過信号は、第一発信器が停止し、第二発信器が起動しているときに第一受信器によって取得された測定から取得される。
【0021】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。いくつかの実施形態では、レセプタクルがデブリでいっぱいか否か判断することは、第一反射信号と第一透過信号との比較に少なくとも部分的に基づいて、第一閾値を設定することを含む。第一閾値は、第一クロスオーバー位置に達した第一反射信号および第一透過信号の一部に基づいて設定されても良い。第一クロスオーバー位置は、第一反射信号が、第一透過信号未満から第一透過信号以上に変化する位置である。第一閾値は、第一クロスオーバー位置での第一反射信号の値より大きい値に設定される。追加的にまたは代替的に、第一閾値は、第一クロスオーバー位置の値および第一反射信号が第一クロスオーバー位置に達した割合の一以上に少なくとも部分的に基づいても良い。閾値が設定された後、第一反射信号が第一クロスオーバー位置を下回る場合、第一閾値はリセットされても良い。
【0022】
いくつかの実施形態では、デブリ監視方法は、第一反射信号が第一閾値を越えるまで、時間とともに閾値を減少することを含む。ある実施形態では、デブリ監視方法は、第一反射信号および第一透過信号のそれぞれが約0の場合に、レセプタクル充満信号を生成することを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、デブリ監視方法は、第二発信器からの信号の反射部分を受信するために第二発信器に近接して配置され、第一発信器からの信号の非反射部分を受信するために第一発信器に対して配置される第二受信器を測定することを含む。レセプタクルがデブリでいっぱいか否かの判断は、第二反射信号と第二透過信号とを比較することを含む。第二反射信号は、第二発信器が起動し、第一発信器が停止しているときの第二受信器による測定から取得され、第二透過信号は、第二発信器が停止し、第一発信器が起動しているときの第二受信器による測定から取得される。レセプタクルがデブリでいっぱいか否かを判断することは、第二反射信号と第二透過信号との比較に少なくとも部分的に基づいて、第二閾値を設定することを含む。追加的にまたは代替的に、デブリ監視方法は、第一反射信号および第二反射信号が、第一および第二閾値をそれぞれ越える場合に、レセプタクル充満信号を生成することを含む。
【0024】
さらに他の態様において、デブリ監視方法は、自律型カバレッジロボットを清掃面上で操縦すること、第一発信器および第二発信器を起動および停止すること、第一受信器を測定すること、第一受信器からの信号を受信すること、受信した信号に少なくとも部分的に基づいて、開口を通るデブリの動きを検出すること、および受信した信号に少なくとも部分的に基づいて、レセプタクルがデブリでいっぱいか否かを判断することを含む。ロボットは、清掃アセンブリおよび清掃アセンブリによって清掃面から除去されたデブリを受け入れるために清掃アセンブリに対して配置されるレセプタクルを含む。第一および第二発信器は、レセプタクルによって規定される開口を横切ってそれぞれの信号を発信するために起動および停止される。第一受信器は、第一発信器からの信号の反射部分を受信するために第一発信器に近接して配置され、第二発信器からの信号の非反射部分を受信するために第二発信器に対して配置される。第一受信器から信号を受信することは、第一発信器および第二発信器が停止しているときの第一受信器による測定から取得された暗信号を受信すること、第一発信器が起動し、第二発信器が停止しているときの第一受信器による測定から取得された反射信号を受信すること、および第一発信器が停止し、第二発信器が起動しているときの第一受信器による測定から取得された透過信号を受信することを含む。開口を通るデブリの動きを検出することは、暗信号、反射信号および透過信号に少なくとも部分的に基づき、レセプタクルがデブリでいっぱいか否かを判断することは、反射信号および透過信号に少なくとも部分的に基づく。
【0025】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。いくつかの実施形態では、ロボットの動きは、開口を通るデブリの動きの検出に少なくとも部分的に基づいて変更される。ロボットの動きを変更することは、スポットカバレッジ清掃パターンを開始することを含んでも良い。例えば、スポットカバレッジ清掃パターンを開始することは、ロボットの進行方向を検出されたデブリに向けて直ちに変更することを含む。スポットカバレッジパターンは、スパイラルパターン、星パターンおよびコーンローパターンの一以上を含んでも良い。いくつかの実施形態では、スポットカバレッジパターンの少なくとも一つの寸法が、検出された開口を通るデブリの移動の変化に少なくとも部分的に基づく。追加的にまたは代替的に、ロボットの動きを変更することは、ロボットの進行方向およびロボットの移動速度の少なくとも一つを変更することを含む。
【0026】
ある実施形態では、デブリ監視方法は、レセプタクルがデブリでいっぱいであるという判断に少なくとも部分的に基づいて、ロボットの動きを変更することを含む。ロボットの動きを変更することは、レセプタクルと係合するよう構成される排出ステーションに向かってロボットを動かすことを含んでも良い。いくつかの実施形態では、デブリ監視方法は、レセプタクルがデブリでいっぱいであるという判断に少なくとも部分的に基づいて清掃アセンブリを停止することを含む。
【0027】
さらに他の態様において、自律型カバレッジロボットは、前方部および後方部を有するロボット本体、右および左駆動輪、ロボット本体に搭載されるデブリ・アジテータ、第一および第二クリフセンサ、ならびに右、左駆動輪および第一、第二クリフセンサと通信する制御部を含む。右および左駆動輪は、ロボット本体の前方部および後方部の間に横軸を規定し、各駆動輪は、横軸周りに回転可能である。デブリ・アジテータは、清掃面からデブリを除去するよう構成される。第一クリフセンサは横軸の前方に配置され、第二クリフセンサは横軸の後方に配置される。制御部は、第一および第二クリフセンサから受信した信号に少なくとも部分的に基づいて、ロボットの進行方向を変更するよう構成される。
【0028】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。いくつかの実施形態では、清掃面から除去されたデブリを受け入れるために、ロボット本体に搭載されデブリ・アジテータと流体連結するゴミ用レセプタクルが含まれる。ゴミ用レセプタクルの少なくとも一部は、ロボット本体内に配置されても良い。追加的にまたは代替的に、ゴミ用レセプタクルはロボット本体の後方部に搭載されても良い。
【0029】
ある実施形態では、ゴミ用レセプタクルは、ロボット本体に解放可能なように係合可能であり、第二クリフセンサはゴミ用レセプタクルに配置される。制御部は、第二クリフセンサと無線通信可能であり、無線通信は、光学通信、電磁波通信および無線周波数通信の一以上を含んでも良い。
【0030】
いくつかの実施形態では、第一電気接点がゴミ用レセプタクルに配置され、第二電気接点がロボット本体に搭載される。第二クリフセンサと制御部との間の電気的な通信を確立するため、第一電気接点は、第二電気接点と解放可能なように係合可能である。制御部は、第二クリフセンサとの通信が中断された場合に、右および左駆動輪を停止するよう構成される。
【0031】
ある実施形態において、自律型カバレッジロボットは、横軸の後方に配置される第三クリフセンサを含む。第三クリフセンサは、ゴミ用レセプタクルに近接しても良い。追加的にまたは代替的に、第二クリフセンサは、ゴミ用レセプタクルに近接しても良い。
【0032】
いくつかの実施形態では、第一クリフセンサと第二クリフセンサは、横軸と略垂直な前後軸を規定する。ある実施形態では、デブリ・アジテータは、横軸に略平行に延びる。
【0033】
別の態様において、清掃面からデブリを除去するための自律型カバレッジロボットのゴミ用レセプタクルは、自律型カバレッジロボットのロボット本体と解放可能なように係合可能なハウジングと、ハウジングに支持されるクリフセンサを含む。ハウジングは、デブリを包含するための容積を規定するとともに、清掃面から除去されたデブリを受け入れるための開口を規定する。ハウジングがロボット本体に解放可能に係合され、ロボットが清掃面からデブリを除去している間、クリフセンサは潜在的なクリフ(cliff:崖)を検出するよう配置される。
【0034】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。いくつかの実施形態では、ハウジングの少なくとも一部は、ハウジングがロボット本体に解放可能に係合されている間、自律型カバレッジロボットの外周の少なくとも一部を規定する。追加的にまたは代替的に、ハウジングの少なくとも一部は、ロボットが清掃面からデブリを除去している間、清掃面と実質的に反対側の自律型カバレッジロボットの表面の少なくとも一部を規定する。いくつかの実施形態では、ハウジングの少なくとも一部は、ロボットが清掃面からデブリを除去している間、清掃面と実質的に垂直な自律型カバレッジロボットの表面の少なくとも一部を規定する。
【0035】
ある実施形態では、クリフセンサは、自律型カバレッジロボットの外周の少なくとも一部を規定するハウジングの一部に支持される。ハウジングは実質的に弓形の部分を有しても良く、クリフセンサは、実質的に弓形の部分に沿って配置されても良い。実質的に弓形の部分は、清掃面から除去されたデブリを受け入れるための開口の反対側であっても良い。
【0036】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、ハウジングがロボット本体に解放可能に係合され、ロボットが清掃面からデブリを除去している場合に清掃面と略垂直な方向において約10インチ未満の寸法を有する。
【0037】
ある実施形態では、電気接点はハウジングに支持され、クリフセンサと電気的に接続される。電気接点は、ロボット本体に支持される電気接点と解放可能に係合されるよう構成される。いくつかの実施形態において、光学発信器はハウジングに支持され、クリフセンサと電気的に接続される。光学発信器は、ロボット本体に支持される光学受信器と光学的に通信するよう構成される。
【0038】
別の態様において、自律型カバレッジロボットを操縦する方法は、第一クリフセンサから信号を受信すること、第二クリフセンサから信号を受信すること、検出された潜在的なクリフと実質的に反対の方向でロボットを動かすよう右および左駆動輪を駆動すること、を含む。第一クリフセンサは、ロボットの右および左駆動輪によって規定される横軸の前方の潜在的なクリフを検出するために配置される。横軸は、ロボットの前後移動方向に略垂直である。第二クリフセンサは、横軸の後方の潜在的なクリフを検出するために配置される。
【0039】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。いくつかの実施形態では、第二クリフセンサから信号を受信することは、第二クリフセンサから無線信号を受信することを含む。追加的にまたは代替的に、第二クリフセンサから信号を受信することは、解放可能なように係合可能な電気接点を介して少なくとも信号の一部を受信することを含む。
【0040】
ある実施形態において、第一クリフセンサは、ロボットの略最前部にそって配置され、第二クリフセンサは、ロボットの略最後部にそって配置される。いくつかの実施形態では、第二クリフセンサが作用するか否かが判断され、第二クリフセンサが作用しない場合に右および左駆動輪が停止される。ある実施形態では、検出された潜在的なクリフと実質的に反対の方向でロボットを動かすよう右および左駆動輪を駆動することは、横軸に沿った右および左駆動輪の距離を越えてロボットを動かすことを含む。
【0041】
さらに別の態様において、自律型清掃装置を動作する方法は、清掃装置を清掃面上で移動するために清掃装置の駆動システムを制御すること、清掃装置のデブリセンサから信号を受信すること、受信したデブリ信号に少なくとも部分的に基づいて、移動パターンで清掃装置を動かすこと、を含む。デブリセンサからの信号は、清掃装置がデブリを回収していることを示す。移動パターンは、複数の帯状領域(swath)を含む。
【0042】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。いくつかの実施形態では、複数の帯状領域の各々は、互いに略平行である。ある実施形態では、複数の帯状領域の各々は、中央の領域から星パターンに延びる。中央の領域は、受信したデブリ信号の極大と実質的に対応する清掃面の領域であっても良い。星パターンは、約360度の角度に放射状に広がっても良い。
【0043】
ある実施形態では、複数の帯状領域の少なくともいくつかにおける少なくとも一部は、互いに重なる。いくつかの実施形態では、帯状領域の重なる量は、デブリ信号の大きさに少なくとも部分的に基づいて調整されても良い。追加的にまたは代替的に、帯状領域の数は、デブリセンサからの信号に少なくとも部分的に基づいても良い。ある実施形態において、帯状領域の数を調整することは、デブリ信号の大きさに比例して帯状領域の数を調整することを含む。
【0044】
いくつかの実施形態において、帯状領域の長さは、デブリセンサからの信号に少なくとも部分的に基づいて調整される。追加的にまたは代替的に、各帯状領域は、デブリ信号が閾値を下回ったときに終了しても良い。ある実施形態では、デブリセンサは、清掃装置の清掃経路に配置される光学センサである。デブリセンサは、清掃装置に解放可能なように係合可能なごみ用レセプタクルに配置される光学センサを含んでも良い。追加的にまたは代替的に、デブリセンサは圧電センサ要素からなる。
【0045】
別の態様において、自律型清掃装置を動作する方法は、清掃装置を清掃面上で移動するために清掃装置の駆動システムを制御すること、清掃装置のデブリセンサから信号を受信すること、検出されたデブリの方向に沿って清掃装置を動かすこと、を含む。デブリセンサからの信号は、清掃装置がデブリを回収していることを示す。移動パターンは、複数の帯状領域を含む。信号は、検出されたデブリの方向に対応する。
【0046】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。いくつかの実施形態では、デブリセンサは、清掃装置の実質的に前方に向けられたカメラを含む。ある実施形態では、カメラは、清掃装置の略前方の領域を走査するために移動可能である。追加的にまたは代替的に、デブリの大きさが測定され、清掃装置は、閾値サイズより大きいデブリから離れるように移動される。
【0047】
別の態様において、自律型カバレッジロボットの誘導方法は、自律型カバレッジロボットを表面上で操縦すること、自律型カバレッジロボットを受け入れるよう構成されるメンテナンスステーションから発信される信号の第一変化を検出すること、メンテナンスステーションからの信号の第二変化を検出すること、およびロボットが時間内にメンテナンスステーションを発見する確率を判断すること、を含む。判断された確率は、信号内で検出された第一変化と検出された第二変化との間の経過時間に少なくとも部分的に基づく。
【0048】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。いくつかの実施形態では、ロボットが時間内にメンテナンスステーションを発見する確率を判断することは、経過時間に少なくとも部分的に基づいて確率分布を更新することを含む。確率分布は、ノンパラメトリックモデル(例えばヒストグラム)であっても良い。追加的にまたは代替的に、確率分布は、ポアソン分布の平均が(例えば算術平均として)推定されるポアソン分布などの、パラメトリックモデルであっても良い。
【0049】
いくつかの実施形態において、自律型カバレッジロボットを誘導する方法は、さらに、ロボットに搭載されるバッテリーから利用可能な電力が、ロボットがメンテナンスステーションを発見できる前に使い果たされる確率を判断することを含む。ある実施形態において、メンテナンスステーションを発見するための時間が割り当てられる。割り当てられた時間は、ロボットが割り当てられた時間内にメンテナンスステーションを発見する確率に少なくとも部分的に基づく。いくつかの例において、割り当てられた時間の間、ロボットへの電力は低減される。電力を低減することは、例えば、ロボットに搭載される清掃アセンブリへの電力を低減することを含む。
【0050】
ある実施形態において、自律型カバレッジロボットを誘導する方法は、さらに、ロボットが表面から取り除かれたか否かを検出すること、ロボットが表面から取り除かれたことの検出のすぐ前に発生し、検出された信号の第一変化を無視すること、およびロボットが表面から取り除かれたことの検出のすぐ後に発生し、検出された信号の第二変化を無視することを含む。例えば、ロボットが表面から取り除かれたか否かを検出することは、ロボットが搭載する一以上のセンサ(例えば、脱輪センサおよび/またはクリフセンサ)から信号を受信することを含む。
【0051】
ある実施形態において、ロボットとメンテナンスステーションとの間に解放可能な接点が確立される。ロボットとメンテナンスステーションとの間に解放可能な接点が確立されると、ロボットに搭載されるバッテリーを充電することができる。
【0052】
さらに他の態様において、自律型カバレッジロボットを誘導する方法は、自律型カバレッジロボットを表面上で操縦すること、表面に沿って配置される第一構造を検出すること、表面に沿って配置される第二構造を検出すること、およびロボットが時間内に第一構造を発見する確率を判断すること、を含む。判断される確率は、第二構造の検出、および第一構造の検出と第二構造の検出との間の経過時間に少なくとも部分的に基づく。
【0053】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。第一構造は、ロボットを受け入れるよう構成されるメンテナンスステーションであっても良く、第二構造はライトハウス(lighthouse)であっても良い。追加的にまたは代替的に、第一構造は第一ライトハウスであっても良く、第二構造は第二ライトハウスである。
【0054】
さらに別の態様において、システムは、メンテナンスステーションおよび自律型カバレッジロボットを含む。メンテナンスステーションは、信号を発信するための発信器を含む。自律型カバレッジロボットは、表面上を操縦するよう構成され、発信された信号を受信するための少なくとも一つの受信器および制御部を含む。制御部は、ロボットを表面にわたって操縦し、メンテナンスステーションから発信され、少なくとも一つの受信器で受信される信号の第一変化を検出し、メンテナンスステーションから発信され、少なくとも一つの受信器で受信される信号の第二変化を検出し、ロボットが時間内にメンテナンスステーションを発見する確率を判断するよう構成される。判断された確率は、信号内で検出された第一変化と第二変化との間の経過時間に少なくとも部分的に基づく。
【0055】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。発信器は赤外線発信器を含み、少なくとも一つの受信器は赤外線受信器を含んでも良い。いくつかの実施形態において、自律型カバレッジロボットは、さらに、バッテリーを含む。メンテナンスステーションは、バッテリーへ送電するために、自律型カバレッジロボットと解放可能に係合するよう構成されても良い。
【0056】
さらに別の態様において、ゴミ用レセプタクルのデブリ監視システムを校正する方法は、初期状態を検出すること、第一パルス幅変調デューティーサイクルを発信器アレイに適用すること、第一パルス幅変調サイクルに応じて受信器の第一信号を測定すること、第二パルス幅変調デューティーサイクルを発信器アレイに適用すること、第二パルス幅変調デューティーサイクルに応じて受信器の第二信号を測定すること、測定された第一信号と第二信号の差が閾値より大きいか否かを判断すること、測定された第一信号と第二信号の差が閾値より大きいか否かを判断することに少なくとも部分的に基づいて、測定された第二信号を基本光度として設定すること、を含む。第二パルス幅変調デューティーサイクルは、第一パルス幅変調デューティーサイクル未満である。
【0057】
開示されるこれらの態様の一以上の実施形態は、以下の特徴を一以上含んでも良い。初期状態を検出することは、デブリ回収装置(例えば自律型カバレッジロボット)の本体へのゴミ用レセプタクルの挿入を検出することを含む。追加的にまたは代替的に、初期状態を検出することは、電源の投入を検出すること(例えば、バッテリーの挿入および/または電源スイッチの位置を検出すること)を含む。いくつかの実施形態では、初期状態を検出することに少なくとも部分的に基づいて、インジケータを起動する。
【0058】
ある実施形態において、インジケータは、測定された第一信号と測定された第二信号の差が閾値より大きいか否かに少なくとも部分的に基づいて起動される。
【0059】
いくつかの実施形態において、インジケータを起動することおよび/または停止することは、一以上の発光ダイオードを起動することおよび/または停止することを含む。
【0060】
ある実施形態において、第一パルス幅変調デューティーサイクルを発信器アレイに適用することは、最大パルス幅変調デューティーサイクルを発信器アレイに適用することを含む。
【0061】
いくつかの実施形態において、ゴミ用レセプタクルは、ゴミ用レセプタクル内へデブリを受け入れるための開口を規定する。第一発信器アレイは、開口の少なくとも一部を横切って信号を発信するために配置される。受信器で第一および第二信号を測定することは、第一発信器によって発信された信号の非反射部分を受信することを含む。追加的にまたは代替的に、受信器で第一および第二信号を測定することは、それぞれ第一発信器によって発信された信号の反射部分を受信することを含む。
【0062】
ある実施形態において、第二パルス幅変調デューティーサイクルを発信器アレイに適用することは、加えられた第二パルス幅変調が制限値より大きいか否かを判断することを含む。
【0063】
さらに別の態様において、デブリ監視システムは、レセプタクル、複数の第一発信器、複数の第二発信器、第一受信器および第二受信器を含む。レセプタクルは、レセプタクルの幅にわたって水平に延び、レセプタクルの高さの少なくとも一部に沿って垂直に延びるバリアを含む。バリアは、レセプタクル内へデブリを受け入れるための開口の少なくとも一部を規定する。複数の第一発信器は、開口の第一側で垂直方向に互いに間隔をあけて配置され、複数の第二発信器は、開口の第二側で垂直方向に互いに間隔をあけて配置される。複数の第一発信器および第二発信器は、開口の水平および垂直寸法に及ぶ信号を発信するよう配置される。第一受信器は、複数の第一発信器に近接する。第二受信器は、複数の第二発信器に近接する。
【0064】
いくつかの実施形態では、バリアの少なくとも一部は、レセプタクル内に格納されるデブリへのアクセスを可能にするよう移動可能な扉である。例えば、バリアはヒンジドアを含んでも良い。追加的にまたは代替的に、バリアはスライドドアを含んでも良い。
【0065】
ある実施形態において、開口の垂直寸法は、レセプタクルの高さの実質的に1/2以下(例えば、バリアおよび開口の垂直寸法を組み合わせた高さの1/2以下)である。
【0066】
いくつかの実施形態において、開口の幅は、レセプタクルの幅の約2/3以下である。これらの実施形態において、バリアは、レセプタクルの全幅に実質的にわたって延びても良い。従って、例えば、バリアの幅は、開口の幅より少なくとも1/3大きくても良い。
【0067】
一以上の本発明の実施例の詳細は、以下に付随する図面および明細書に記載される。発明のその他の特徴、目的、および効果は、明細書、図面および特許請求の範囲から明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1A−1Cを参照すると、自律型ロボット掃除機11は、ロボット本体31(すなわち、シャーシおよびまたはハウジング)を備える。ロボット本体31は、バンパ5に接続された外殻6を搭載する。ロボット本体31は、さらに、制御パネル10および無指向性受信器15を搭載する。無指向性受信器15は、実質的に全方向からロボット11に向けて発信された信号を検出するための360度の視線(line of vision)を有する。
【0071】
図1Bを参照すると、ロボット本体31の各側部には、差動式駆動輪45が取り付けられる。各差動式駆動輪45は、横軸に対して回転可能であり、ロボット11を動かし、2つの支点を提供する。差動式駆動輪45は、ロボット11を前進方向および反対方向に動かすことができ、ロボット本体31は、差動式駆動輪45の前方に前方部31A、および差動式駆動輪45の後方に後方部31Bを有する。
【0072】
ロボット11が前進方向に動く際に、ロボット11の前方にある潜在的な崖(cliff)を検出するために、複数のクリフセンサ30A(例えば赤外線センサ)が、ロボット11の底面に、ロボット本体31の前方部31Aに沿って取り付けられる。ロボット11が反対方向に動く際に、ロボット11の後方にある潜在的な崖(cliff)を検出するために、複数のクリフセンサ30B(例えば赤外線センサ)が、ロボット11の底面に、ロボット本体31の後方部31Bに沿って取り付けられる。少なくとも一つのクリフセンサ30Bは、床面から除去されたデブリを受け取るために清掃ヘッド40と流体連結されるデブリビン50に配置される。清掃ビン50上に配置されたクリフセンサ30Bは、ロボット本体31の一以上の構成要素と通信可能であり、および/または、以下に記載されるように、清掃ビン50とロボット本体31との間に確立される通信およびまたはパワーチャンネルを介して、ロボット本体31上のソース(Source)によって動力が供給される。クリフセンサ30Aおよび30Bは、床面の崖の端(例えば、階段の端)を示す床面の特性の突然の変化を検出するよう構成される。以下により詳細に記載されるように、クリフセンサ30Aおよび30Bは、デブリを含むエリア上における、ロボット11の前後の動きを含む清掃パターンの実行を容易にすることができる。例えば、ロボット11の前方部および後方部に配置されたクリフセンサ30A、30Bは、ロボット11が清掃パターンの実行中に前後に移動する際に、ロボット11が前方または後方にある崖の上へ移動する可能性を低減することができる。
【0073】
シャーシ31の前方部31Aは、第三の床面との接点としてロボット11に付加的なサポートを提供しつつ、ロボットの動きを妨げない脚輪35を備える。脚輪35の近くであって、脚輪35の両側には、2つの車輪−床面近接センサ70が配置される。車輪−床面近接センサ70は、床面の崖の端(例えば、階段の端)を示す床面の特性の突然の変化を検出するよう構成される。車輪−床面近接センサ70は、主要なクリフセンサ30Aが端またはクリフを検出できなかった場合の予備として冗長性を提供する。いくつかの実施形態では、クリフセンサ30Aはシャーシ31の前方部31Aの底面に沿って取り付けられているものの、車輪−床面近接センサ70は備えられていない。ある実施形態では、脚輪35は備えられず、以下に詳述される清掃ヘッドアセンブリの少なくとも一部に、ロボット11のための追加の支持物が提供される。
【0074】
清掃ヘッドアセンブリ40は、一般的に、清掃ヘッドアセンブリの少なくとも一部が、ロボット本体31内に配置された状態で、ロボット11の前方部31Aおよび後方部31Bの間に配置される。清掃ヘッドアセンブリ40は、メインブラシ65および補助ブラシ60を含む。バッテリー25がロボット本体31に搭載され、いくつかの実施形態では、清掃ヘッドアセンブリ40の近くに配置される。いくつかの例において、メインブラシ65および/または補助ブラシ60は、着脱可能である。他の例において、清掃ヘッドアセンブリ40は、固定された補助ブラシ65および/またはメインブラシ60を含む。ここで、「固定された」とは、ブラシが取り外せないようにロボット本体31に取り付けられた状態をいう。
【0075】
サイドブラシ20は、ロボット本体31の片側において、サイドブラシ20の少なくとも一部がロボット本体31を越えて延びるように支持される。いくつかの実施形態において、サイドブラシ20は、ロボット11が動作可能な状態で、清掃面に対して実質的に垂直な軸の周りに360度回転するよう構成される。サイドブラシ20の回転は、ロボットの側面に隣接するエリアおよび中央に位置する清掃ヘッドアセンブリ40では届かないエリア(角など)の清掃を改善することができる。
【0076】
取り外し可能な清掃ビン50が、ロボット11の後端31Bに面して支持される。清掃ビン50の少なくとも一部は、外殻6内に配置される。ある実施形態では、清掃ビン50は、ビンの中身および内部フィルタ54へのアクセスを提供するために、シャーシ31からの取り外しが可能である。追加的にまたは代替的に、
図1Cに示されるように、清掃ビン50へのアクセスは排出ポート80を介して提供され得る。いくつかの実施形態において、排出ポート80は、排出ポート80を開放するために、シャーシ31の側壁および外殻6の下側パネルに沿ってスライドする一組のスライドサイドパネル55を含む。排出ポート80は、メンテナンスステーションまたはビン50からデブリを排出するよう構成された他の装置の対応する排出ポートと結合するよう構成される。
【0077】
図2は、ロボット11内に含まれるシステムのブロック図である。ロボット11は、ルーチンの実行およびロボット11内のアクチュエータへの制御信号の生成および送信が可能なマイクロプロセッサ245を含む。マイクロプロセッサ245には、ルーチンおよびセンサ入力/出力を記憶するメモリ225、電源アセンブリ220(例えばバッテリーおよび/またはマイクロプロセッサ245への電力を生成および供給可能な複数の増幅器)、ならびにロボット11内に含まれる他の構成要素が接続される。ROM、RAM、EEPROMまたはフラッシュメモリを含むデータモジュール240がマイクロプロセッサ245に接続される。データモジュール240は、ロボット11内で生成された値、または新たなソフトウェアルーチンもしくは値をロボット11にアップロードするための値を記憶する。
【0078】
マイクロプロセッサ245は、複数のアセンブリおよびシステムに接続される。その中の一つは、RS−232送受信機、ラジオ、イーサネットおよび無線発信機を含む、通信システム205である。駆動アセンブリ210は、マイクロプロセッサ245に接続され、右および左差動式駆動輪、右および左車輪モータ、ならびに車輪エンコーダを含む。駆動アセンブリ210は、マイクロプロセッサ245からコマンドを受信し、通信システム205を介してマイクロプロセッサ245へ送信されるセンサデータを生成する。独立した脚輪アセンブリ230は、マイクロプロセッサ245に接続され、脚輪35と、車輪エンコーダを含む。清掃アセンブリ215は、マイクロプロセッサ245に接続され、補助ブラシ65、メインブラシ60、サイドブラシ20、および各ブラシに関連するブラシモータを含む。また、センサアセンブリ235がマイクロプロセッサ245に接続され、赤外近接センサ75、全方向検出器15、バンパ5に取り付けられた機械スイッチ、車輪−床面近接センサ70、静止状態センサ、ジャイロスコープ71、および赤外クリフセンサ30を含む。
【0079】
図3A−3Eを参照すると、シャーシ31および外殻6に配置される清掃ビン50およびフィルタ54の配置例が示される。
図3Aは、ロボット300Aおよびロボット300Aの上部に配置された、より詳しくは清掃ビン310Aの上部に取り付けられた排出ポート305を表わす。清掃ビン310Aは、シャーシ31および外殻6から取り外し可能または取り外し不可能の何れであっても良い。取り外し可能な場合は、清掃ビン310Aがロボット300Aの後部312Aから分離するよう取り外される(例えば、解放可能なようにロボット300Aの後部312Aと係合可能である)。
【0080】
図3Bを参照すると、ラッチ315を含む清掃ビン310Bが、ロボット300Bの後方部に面して取り付けられる。いくつかの実施形態において、清掃ビン310Bの一部は、ラッチ315が操作された場合、ロボット310Bの前方部に向かってスライドし、清掃ビン310Bの中身を除去するためのアクセスを提供する。追加的にまたは代替的に、除去のために清掃ビン310Bの中身へのアクセスを提供するため、および/または実質的に清掃ビン310Bの内部に配置されるフィルタへのアクセスを提供するために、清掃ビン310Bは、ロボット310Bの後部312Bから取り外しが可能である。本実施形態では、清掃ビンのラッチ315は、操作者によって手動で操作される、またはロボット制御で駆動されるマニピュレータによって自動的に操作される。
【0081】
図3Cを参照すると、ロボット300Cは、外殻6の最も後ろ側の壁320に位置する清掃ビン310Cを含む。清掃ビン310Cは、それぞれロボット本体31の側面に沿ってスライド可能で、外殻6に収まる一組の移動可能な扉350を有する。いくつかの実施形態において、扉350が外殻6に収まった状態で、清掃ビン310Cは、外部の排出ポートを受け入れ、結合するよう構成される。
【0082】
図3Dは、ロボット300Dおよびロボット300Dの後方部の底面に位置する清掃ビン310Dの底面図である。清掃ビン310Dは、清掃ビン310Dの底面に位置する扉365を、清掃ビン310Dの中身を除去するためにロボット300Dの前方部に向かってスライドさせるためのラッチ370を有する。ある実施形態では、清掃ビン310Dは、フィルタ(例えば
図1Cのフィルタ54)を支持し、清掃ビン310Dは、フィルタの掃除および/または交換を容易にするために、ロボット300Dの後部312Dから取り外し可能である。清掃ビン310Dおよびラッチ370は、操作者によって手動で、またはロボット制御で駆動されるマニピュレータによって自動的に操作される。
【0083】
図3Eは、ロボット300Eおよびロボット300Eの後方部の底面に位置する清掃ビン310Eの底面図である。清掃ビン310Eは、清掃ビン310Eの中身にアクセスするためのポート380を含む。清掃ビン310Eを排出するために、排出ホースがポート380に取り付けられる。ある実施形態では、清掃ビン310Eは、清掃ビン310E内に配置されたフィルタ(例えば、
図1Cのフィルタ54)へのアクセスおよび掃除のために、ロボット300Eの後部312Eから取り外し可能である。
【0084】
図3Fを参照すると、ロボット300は、ロボットの後方部312Fに沿って配置された清掃ビン310Fを含む。いくつかの実施形態では、清掃ビン310Fは、後ろ側に少なくとも一つ(図では3つ)の排出ポート380を含む。排出ポート380は、清掃ビン310Fからデブリを除去するための排出ホースを受けるよう構成される。追加的にまたは代替的に、排出ポート380は、デブリの手動での除去を容易にするよう構成される(例えば、ビン内のデブリが重力によってビンから落ちるように、ビン310Fを保持することによって)。
【0085】
図3Gを参照すると、ロボット300Gは、ロボットの後方部312Gに位置する清掃ビン310Gを含む。清掃ビン310Gは、側部(例えば左および/または右側)に一以上の排出ポート380を含む。排出ポート380は、清掃ビン310Gからデブリを除去するための排出ホースを受けるよう構成される。
【0086】
ロボット掃除機11は、多数の異なる清掃ビン50を受け入れ可能である。例えば、
図4Aを参照すると、清掃ビン400Aが、外部の真空排出ポートと結合するよう構成される。真空ビン400Aは、排出ポート415、420、425へ向かうデブリの動きを助ける傾斜面410Aを有するメインチャンバ405Aを規定する。第一側排出ポート415は、第一側排出ポート415と第二側排出ポート425との間に位置する中央排出ポート420に隣接する。ビン400Aの側壁には、排出動作において真空をさらに助けるために取り付けられる2つの排出口430がある。
【0087】
図4Bを参照すると、清掃ビン400Bは、清掃ビン400Bの口端452に沿って歯450を含む。歯450は、歯450がブラシ60および65上の繊維の蓄積の下をスライドして、ブラシ60および65の回転によって繊維の蓄積を引き抜くよう、ブラシ60および65の充分近くに清掃ビン400Bを配置することにより、ブラシ60および/または65(
図1B参照)上の繊維の蓄積の量を減らす。いくつかの例において、ビン400Bは、約24〜36の歯を含む。図示される例では、ビン400Bは、掃除(sweeper)ビン部460と真空ビン部465を規定する。くし状部または歯450は、掃除ビン部460と真空ビン部465との間に位置し、清掃ブラシ60の回転によって掃除ブラシ60を軽く梳くように配置される。くし状部または歯450は、歯450上または掃除ビン部460内に蓄積する不規則な(errant)繊維を清掃ブラシ60から取り除く。真空ビン部465およびその上の歯450は、互いに干渉しない。ビン400Bは、真空ビン部460内において、一組のスキージ470Aおよび470Bによって規定されるチャンネルなどのチャンネルを介してデブリを引き込むよう構成された真空アセンブリ480(例えば真空モータ/ファン)を搭載する。
【0088】
ビン400Bは、ビン400Bがロボット本体31に係合された場合に、ビン400Bに電力を供給するように、ロボット本体31の対応する電気接点と解放可能なように係合可能な電気接点482A、482Bを含む。いくつかの実施形態において、真空アセンブリ480に電力が供給される。ある実施形態では、電気接点482A,482Bは、ビンマイクロプロセッサ217との通信を可能とする。フィルタ54(
図1C)は、真空ビン部460を真空アセンブリ480から仕切ることができる。いくつかの例において、フィルタ54は、点検のために、側端、上端、または下端に沿って開くよう旋回する。他の例では、フィルタ54は、真空ビン部460から引き出される。
【0089】
場合によっては、ビン50は、ビン50内に存在するデブリの量を感知するためのビン充満検出システムを含む。例えば、
図5A−5Bを参照すると、ビン充満検出システムは、ビン50内に収納される発信器755および検出器760を含む。ハウジング757は、発信器755および検出器760を取り囲み、ビン50がデブリを含まない場合に、ハウジング757は実質的にデブリを含まない。一実施形態では、ビン50は、ロボット掃除機11に着脱可能に接続され、発信器/検出器ハウジング757の表面からデブリやすすを除去するためのブラシアセンブリ770を含む。ブラシアセンブリ770は、ロボット本体31に取り付けられるブラシ772を含み、ビン50が、ロボット11から取り外される場合、またはロボット11に取り付けられる場合に、発信器/検出器ハウジング757を掃くよう構成される。ブラシ772は、ロボット11から最も遠い先端に清掃ヘッド774(例えば剛毛またはスポンジ)を含み、ブラシ772の基点に向かって位置し、ビン50がロボット11に取り付けられると発信器755または検出器760と整列する窓区域776を含む。発信器755および検出器760は、窓776を介して光を発信および受信する。清掃ヘッド774は、発信器755および検出器760からデブリをブラシで払うことに加え、ビン50がロボット11に取り付けられる場合に、発信器755および検出器760に届くデブリまたは埃の量を低減する。いくつかの例では、窓776は、透明または半透明の材料からなり、清掃ヘッド774と一体的に形成される。いくつかの例において、発信器755および検出器760は、ロボット11のシャーシ31に搭載され、清掃ヘッド774および/または窓776は、ビン50に搭載される。
【0090】
図6Aを参照すると、いくつかの実施形態において、掃除ロボット11は、それぞれビン口701(例えばビン700Aによって規定される開口)に位置する発信器755および検出器760を有するビン700Aへの移動のために、清掃面からデブリを掃き取るまたは撹拌するブラシ60とフラップ65を含む。
【0091】
図6Bを参照すると、ある実施形態において、ビン700Bは、真空/送風モータ780、およびビン700Bへの真空流路の吸気口782の近傍に位置する発信器755および検出器760を含む。ロボット11のロボット本体31は、ビン700Bの真空吸気口782に結合する(例えばぴったり重なり合う)ロボット真空排出口784を含む。発信器755および検出器760を吸気口782の近傍に配置することにより、デブリチャンバ785内よりも吸気流路に沿ってデブリが、検出される。従って、流路に沿って掃き取られた、または真空吸引されたデブリの量が極めて多い場合(通常はまれな状況)、またはデブリチャンバ785が充満している場合(例えば、デブリがもはやその中に蓄積されないが、その代わりに吸気口782の近傍の吸気流路に沿って逆流する)のいずれかによって、ビン充満状態が引き起こされる。
【0092】
図6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、複合真空/掃除ビン700Cは、掃除ビン吸気口782Aおよび真空ビン吸気口782Bの近傍に位置する一組の発信器755および検出器760を含む。掃除ビン吸気口782Aの近傍に搭載された発信器755および検出器760は、ロボット11のロボット本体31に支持される。吸気口センサ755、760に追加または代替として、いくつかの発信器アレイ788がビン700Cの内部表面(例えば、ビン700Cの内部底面)に位置し、もう一つの検出器760が、ビン700Cの実質的に反対側の内部表面(例えば、ビン700Cの内部天井面)に位置する。以下に詳述されるように、ビン700Cの容器と同様に、吸気流路に沿って配置される検出器760からの信号は、デブリの存在を検出し、および/またはビンの充満を判別するために比較される。例えば、ブラシ60、フラッパ65および/または真空モータ780によって重いデブリがビン700Cに引き込まれた場合、流路に沿って配置される検出器760は、低い検出信号を生成する。しかしながら、ビン700Dの内部天井面に位置する検出器760は、ビン700Cが充満していなければビン700Cの充満を検出しない。検出器の信号の比較は、誤ったビン充満状態を防ぐ。
【0093】
図7A−7Eは、ビン50内のデブリを検出するための、透過光学デブリ感知システムを示す。
図7Aに示されるように、いくつかの例において、ビン50は、ビン50の内部底面51に位置する発信器755およびビン50の内部上面52に位置する検出器760を含む。発信器755は、ビン50の内部を横切り、検出器760に検出され得る光を発信する。ビン50の内部にデブリがない場合、発信器755から発信された光は、検出器760において比較的高い信号強度を生じる。なぜなら、発信された光は、ビン50の空の状態の内部を通る際に、ごく少量の光が検出器760からそれる(屈折される)ためである。一方、ビン50の内部にデブリがある場合、発信器755から発信された少なくとも一部の光が、デブリと衝突することによって、吸収、反射、または屈折され、より低い割合の光が検出器760に到達する。ビン50の内部におけるデブリによって生じる屈折の割合は、ビン50内のデブリの量と正の相関関係にある。
【0094】
ある清掃サイクル中に、ビン50がデブリを含んでいない場合の検出器760によって生成された信号と、ロボット11がビン50内へデブリを掃き取りおよび吸引する際の検出器760によって得られたその後の信号とを比較することによって、ビン50内のデブリの存在が判断される。例えば、後に取得された検出信号と最初の検出信号(例えば、ビン50が実質的に空の場合に得られた信号)とが比較された場合に、ビン50内に蓄積されたデブリが、ビン充満状況をもたらすのに十分なレベルに達したかの判別がなされる。
【0095】
一つのビン構成の例では、一つの発信器755と2つの検出器760を含む。他の構成では、ビン51内に相互に直交する方向に交差して方向づけられて位置する、一以上の発信器755および検出器760を含む。ロボット11は、内部天井面52上の第一検出器760によって生成された信号が比較的低く、内部側壁上の第二検出器760(水平に発信された光を検出する)によって生成された信号がビン充満の閾値を満たしていない場合、重いデブリがビン50の底に蓄積されたが、ビン50内を充満していないと判断することができる。追加的にまたは代替的に、両方の検出器760が、比較的低い受光信号を生成する場合、ビン50が充満していると判断しても良い。
【0096】
図7Bを参照すると、いくつかの実施形態において、ビン50は、校正発信器805の近くに検出器760を含み、校正発信器805および検出器760はいずれもビン50の内部天井面52上のシールド801の後方に配置される。発信器755は、ビン50の内部底面に配置される。検出器760によって第一測定値として検出される光を、校正発信器805から発信することによって、校正信号が取得される。透明または半透明のシールド801は、校正発信器805から検出器760への光の送信に対するビン50からの埃やデブリによる発光干渉を防ぐ。そして、発信器755は、ビン50の内部を横切る光を発信し、検出器760は、受信した光の第二測定値を得る。第一測定値と第二測定値を比較することによって、ビン50がデブリでいっぱいか否かの判断がなされる。いくつかの例では、ロボット11は、ビン50の口53のより前方のデブリ流路に沿って位置するセンサ755および760を含む。ビン充満センサ755および760は、ビン50から漏れ出ようとするデブリを検出可能である。
【0097】
図7Cを参照すると、いくつかの実施形態において、ビン50は、二つの発信器アレイ788および二つの検出器760を含む。各発信器アレイ788は、いくつかの光源を含む。光源は、同一の発信器レイ788内における別の光源と異なる周波数の光を発光する。例えば、光源によって発光される光の周波数を変えることは、異なる大きさのデブリによる吸収の様々なレベルを顕在化する。発信器レイ788内の第一副発信器は、非常に小さい粒子サイズのデブリによって吸収される第一周波数で光を発光し、発信器レイ788内の第二副発信器は、非常に小さいサイズのデブリによって吸収されない第二周波数で光を発光する。ロボット11は、デブリの粒子サイズが変化した場合でも、第一および第二副発信器から受信した光信号を測定し比較することによってビン50がいっぱいか否かを判断することができる。異なる周波数で光を発光する副発信器を採用することで、光学透過検出システムとの望ましくない干渉を防ぐことができる。
【0098】
例えば、単一の発信器および検出器の場合と比べて、より正確で信頼性の高いビン充満検知のため、複数の発信器レイ788および検出器760が備えられる。図示の例では、複数の発信器レイ788は、潜在的なビンの閉塞を検出するために、ビン横断信号を提供する。一つの予想される閉塞場所は、ビン50を二つの横方向の区画に分割する侵入真空保持隔壁59の近くである。追加的にまたは代替的に、充分に大きいサイズのデブリ(例えば紙や毛玉)が詰まり、少なくとも一時的にビン50を区分する場合に、閉塞が発生し得る。ある実施形態では、ビン内のデブリのシフト、凝集、移動、振動、または押圧がビン50内に一以上の区画を生成する場合に(例えば、規則正しい蓄積パターンによって)、閉塞が発生し得る。もし、デブリが一つの横方向の区画に蓄積され、もう一方には蓄積されない場合、単一の検出器ペアでは、当該蓄積を検出できない。また、単一の検出器ペアは、大きいデブリ要素またはかたまりから、誤った正信号(例えば、ビン50が充満していないのに、充満していることを示す信号)を提供する可能性がある。二つの異なる横方向または前後方向における、ビン50の内部底面51に位置する複数の発信器アレイ788およびビン50の内部天井面52に位置する複数の検出器760は、より正確で信頼性のあるビン充満検出のために、同様又は類似の方向における単一の検出器ペアの場合と比べて、ビン50のより潜在的な容量をカバーする。ビン検出信号のヒストグラムまたは平均化、もしくは一以上のビーム遮断結果へのXORまたはANDの使用が、より正確な真陽性を得るために用いられる(蓄積が開始されてからの時間に依存するとしても)。
【0099】
図7Dを参照すると、ある実施形態において、ビン50は、それぞれ発信される赤外光を拡散する拡散器を有する二つの発信器レイ788を含む透過光学検出システムを含む。少なくとも拡散光は発信された信号の一種の物理的な平均化を提供するため、ビン50の内部に発信された拡散光は、非拡散光源からの光の絞られたビームから生成される検出信号に対して、より安定した検出器760によって生成される検出信号を提供する。拡散された赤外光信号を受信する検出器760は、一つの発信器からの視線を遮断するビームのみの妨害に対して、全体の閉塞量を測定可能である。
【0100】
図7Eを参照すると、ある実施形態では、ビン50は、ビン50の内部底面51に配置された、光導体または光ファイバ経路792を含む。ビン50内の光源793からの光は、光ファイバ経路792に沿って伝達され、分配端794から放射される。このビン構成は、光をビン50にわたって分配しながら、いくつかの独立した光源に電力を供給するのではなく、光の生成を単一の光源793に集中する。分配端794は、
図7Dに関連して述べた拡散器790を含んでも良い。
【0101】
図7F−7Hを参照すると、いくつかの実施形態において、ビン50は、反射光透過による光学デブリ検出を含む。一例では、
図7Fに示されるように、ビン50は、検出器760の近くに位置する遮蔽された発信器756を含む。遮蔽された発信器756から発信された光は、遮蔽によって直接検出器760へ伝達されない。しかしながら、発信器756から発信された光は、ビン50の内部表面55によって反射され、検出器760への間接的な経路を通る。例えば、反射光がビン50内を伝達される経路は事実上2倍になるため、ビン50内のデブリによる反射光の減衰は、直接伝達される構成における減衰より比較的大きい。遮蔽された発信器756および検出器760は、互いに近接するように図示されているが、追加的にまたは代替的に互いに離れていても良い。発信器756および検出器760は、同一表面上または異なる表面上に位置しても良い。
【0102】
図7Gを参照すると、ある実施形態において、それぞれビン50の内部の水平方向に向かい合う側面に配置された、二組の遮蔽された発信器756および検出器760が含まれる。この構成において、各検出器760で受信した光は、ビン50の反対側に位置する遮蔽された発信器756から直接送信された光、および近接する遮蔽された発信器756にから内部表面55に反射された光の結合である。いくつかの例において、第一組の遮蔽された発信器756と検出器760は、第一組の遮蔽された発信器756と検出器760に隣接するビン表面上に配置される。一例では、単一の遮蔽された発信器756と検出器760の対がビン50の底面51に配置される。
【0103】
図7Hは、ビン50が、ビン50の底面51に配置される遮蔽された発信器756の伝送路に沿って配置された拡散スクリーン412を含む構成を示す。拡散スクリーン412は、検出器760に届く前にビン50の内部55の様々な表面で反射される、遮蔽された発信器756から発光された光を拡散する。これにより、ビン50の内部の広い領域で反射する検出信号が提供される。
【0104】
図8A−8Eを参照すると、いくつかの実施形態において、ビン50は、ビン50内の反射および透過信号の組み合わせを通じて移動するデブリを検出する、光学検出システム800を含む。光学検出システム800は、第一受信器802A、第二受信器802B、第一発信器アレイ804Aおよび第二発信器アレイ804Bを含む。使用中にデブリ48は、口53を通ってビン50に入り、ビンの底面51から広がる蓄積49を形成する。デブリ48が続けてビン50に入るにつれて、蓄積49は、底面51から内部天井面52の方向に大きくなる(
図8A、8B、8Cを比較)。以下に詳述されるように、発信器アレイ804A、804Bは、順次起動および停止される(例えば、実質的に一定の周波数で点滅する)。一方、受信器802Aおよび802Bは、反射および透過信号を測定するためにサンプリングされ、光学検出システム800を通過するデブリを検出し、ビン50がデブリでいっぱいであるか(例えば、デブリ48の蓄積49が、「ビンの充満」を示す大きさおよび/または密度特性であるか)を判別するために、さらに処理される。
【0105】
(
図8Aに示されるように)ビン50が空の場合、または(
図8Bに示されるように)受信器802A、Bならびに発信器804A、Bより低いデブリの蓄積49を含む場合、受信器802A、Bの各々で受信される透過信号は、各受信器で受信される反射信号より大きい(例えば実質的に大きい)。ビン50が、(例えば動作中に)デブリ48で満たされるにつれ、反射信号の大きさは、各受信器802A、Bで測定した透過信号の大きさに対して増加する。デブリの蓄積49が、(
図8Cに示されるように)ビン50を満たした場合、反射信号は、各受信器802A、Bで測定される透過信号と略同じまたは透過信号より大きくなる。以下に詳述されるように、受信器802Aで測定された反射信号と受信器802Bで測定された反射信号との比較によって、ビン50内のデブリの蓄積49が対称(
図8C)か非対称(
図8Dおよび8E)か示すことができる。
【0106】
第一および第二受信器802A、Bは、ビンの口53の実質的に反対側に、口53の最大寸法に沿って互いに離れて配置される。以下に詳述されるように、第一および第二受信器802A、Bは、各受信器が他の受信器の近くにある光源からの光を測定できるよう、通常、お互いに向けて方向づけられる。いくつかの実施形態において、第一および第二受信器802A、Bは、ビン50の反対側の壁57に支持される。口53は、ビン50がロボット本体31に搭載された状態で清掃面と直角に交わる実質的な垂直面内における開口である。例えば、口53は、略長方形の開口であっても良く、略長方形の開口の短辺を規定する側壁57、ならびに略長方形の開口の長辺を規定する底面51および天井部53を有する。
【0107】
いくつかの実施形態では、ビン50の実質的にそれぞれ反対側の側壁に支持された第一および第二受信器802A、Bは、ビン充満状態またはビン内のデブリ蓄積の異常を判別するために、互いに比較可能な冗長な測定結果を提供することによって、誤った信号の発生を低減し得る。例えば、第一および第二受信器802A、Bによって受信した反射信号が略同様な場合、これは、ビンが充満していることを表わす可能性がある。追加的にまたは代替的に、第一受信器802Aで受信した反射信号が、第二受信器802Bで受信した反射信号より大きい(例えば、実質的に大きい)場合、これは、(例えば、
図8Dに示されるように)ビンの第一受信器802Aに近い部分における非対称のデブリ蓄積を表わす可能性がある。同様に、第二受信器802Bで受信した反射信号が、第一受信器802Aで受信した反射信号より大きい(例えば、実質的に大きい)場合、これは、(例えば、
図8Eに示されるように)ビンの第二受信器802Bに近い部分における非対称のデブリ蓄積を表わす可能性がある。ある実施形態において、第一および第二受信器802A、Bによる冗長な測定は、第一および第二受信器802A、Bそれぞれの領域内の紙片、または障害物などの異常を検出することができる。
【0108】
ある実施形態では、感知エリアを、デブリの大部分がビン50に入るビン50の上部に偏らせるため、第一および第二受信器802A、B、ならびに第一および第二発信器アレイ804A、Bは、ビン50の内部天井面52に向かって配置される。追加的にまたは代替的に、第一および第二受信器802A、B、ならびに第一および第二発信器アレイ804A、Bをビン50の内部天井面52に向かって配置することは、ビン50が底面52から天井面52へ満たされる実施形態において、ビン充満検出を容易にする(例えば、誤った信号の可能性を低減する)。ある実施形態では、少なくも、ビン50の上部はデブリの蓄積が一般的に最も少ないため、受信器802A、Bおよび発信器アレイ804A、Bを天井面52に向かって配置することは、受信器802A、B上のデブリの蓄積に起因する受信器802A、Bおよび発信器アレイ804A、Bの劣化を低減することができる。
【0109】
第一および第二発信器アレイ804A、Bは、各発信器アレイ804A、Bが口53の少なくとも一部を斜めに横切って信号を発信するよう、第一および第二受信器802A、Bそれぞれの近傍かつ下方に配置される。各発信器アレイ804A、Bは、反対側の受信器802A、Bに向かって、ビン50の口53を横切って信号を送信するように方向づけられる。例えば、ビン50内にデブリがない場合に、第二受信器802Bが、第一発信器アレイ804からの信号の送信(例えば非反射)部分を受信し、第一受信器802Aが、第一発信器アレイ804からの信号の反射部分を受信するように、第一発信器アレイ804は、第二受信器802Bに向かって信号を発信する。第二発信器アレイ804Bおよび第一受信器802Aは、上記と同様に互いに対して配置される。
【0110】
各発信器アレイ804A、Bは、実質的に遮蔽されず、複数(例えば二つ)の光源806を含んでも良い。発信器アレイ804A、Bが複数の光源806を含む実施形態では、各アレイの光源806は、一方が他方の上に離れて配置される。これらの実施形態において、このように複数の光源806を離すことは、光源806の特注のレンズを必要とせずに、口53の全てまたは大部分をカバーする信号の発信を容易にする。光源806は、全ての光源806が信号を発信する場合に、口53を実質的にカバーする信号(例えば、口53の約50%より大きいエリアをカバーする信号)を発信するように配置されても良い。ある実施形態では、例えば、第一発信器アレイ804によって発信された信号が、第二発信器アレイ804によって発信された信号と、口53を略二つに分ける軸に沿って交差する(例:criss-cross)ように、第一受信器802Aおよび第一発信器アレイ804Aが、第二受信器802Bおよび第二発信器アレイ804Bと略同様に配置される。
【0111】
いくつかの実施形態では、ビン50がロボット本体31から取り外された場合に、受信器802A、Bおよび発信器アレイ804A、Bがロボット本体31に配置されたままとなるように、受信器802A、Bおよび発信器アレイ804A、Bは、ビン50の口53のすぐ上流のロボット本体31に支持される。いくつかの実施形態において、少なくともいくつかの受信器802A、Bおよび発信器アレイ804A、Bがビン50に機械的に結合され、それにより、ビン50がロボット本体31から取り外された場合に、ビン50とともに移動する。受信器802A、Bおよび発信器アレイ804A、Bは、マイクロプロセッサ245および/またはビンマイクロプロセッサ217(
図2参照)と無線通信可能である。マイクロプロセッサ245および/またはビンマイクロプロセッサ217と光学検出システム800との無線通信は、赤外線通信、電磁波通信および無線周波数通信の一以上を含むことができる。
【0112】
図9Aを参照すると、光学検出システム800は、ビン内へのデブリの通過を監視するためのデブリ監視ルーチン900を含む。デブリ監視ルーチン900は、光学検出システム800ならびにマイクロプロセッサ245およびビンマイクロプロセッサ217の一以上との通信を通じて実現することができる。
【0113】
第一発信器アレイ804Aおよび第二発信器アレイ804Bは、ビン51の口53にわたってそれぞれの信号を発信するよう起動および停止される(902)。起動および停止(902)は、第一時間ステップにおいて第一発信器アレイ804Aおよび第二発信器アレイ804Bがそれぞれ停止され、第二時間ステップにおいて第一発信器アレイ804Aが起動され、第二発信器アレイ804Bが停止され、第三時間ステップにおいて第一発信器アレイ804Aが停止され、第二発信器アレイ804Bが起動されるように、連続して行われる。いくつかの実施形態では、第一および第二発信器アレイ804A、804Bの起動および停止(902)は、約0.5kHzから約20kHz(例えば約1kHz)の略一定の周波数で繰り返される。
【0114】
第一受信器802Aが測定される(904)。測定は、約0.25kHzから約10kHz(例えば約4kHz)の略一定の割合で行われる。いくつかの実施形態では、第二受信器802Bも同様に測定される。第一受信器802Aおよび第二受信器802Bから測定された信号は、例えば、第一受信器802Aから測定された信号と第二受信器802Bから測定された信号とを比較することによって、誤った測定の確率を低減することができる。追加的にまたは代替的に、第一受信器802Aおよび第二受信器802Bから測定された信号は、デブリが、右側または左側のどちらからビン50に入ったかを判断するために使用されても良い。
【0115】
口53を通るデブリの移動は、第一および第二発信器アレイ804A、Bがそれぞれ停止しているときに取得された第一測定、第一発信器アレイ804Aが起動され、第二発信器アレイ804Bが停止されているときに取得された第二測定、および第一発信器アレイ804Aが停止され、第二発信器アレイ804Bが起動されているときに取得された第三測定に、少なくとも部分的に基づいて検出される(906)。例えば、口53を通るデブリの移動の検出(906)は、測定における瞬間的な値と個々の平均値との比較を含むことができる。周辺光の影響は、第一および第二発信器アレイ804A、Bがそれぞれ停止しているときに取得された第一測定に少なくとも部分的に基づいて第二および第三測定の大きさを調整することで除去することができる。追加的にまたは代替的に、以下に詳述されるように、基本光度は、例えば、開始状態の検出に少なくとも部分的に基づいて起動される動的な校正ルーチンによって定めることができる。
【0116】
いくつかの実施形態において、第一、第二、および第三測定は、時間関数として処理され、処理された測定の少なくとも一つ(例えば、第二および第三測定の少なくとも一つ)における変化が検出される。例えば、時間関数としての処理は、測定値から平均値へのベースライニング(baseline)のためにローパスフィルターを含んでも良い。このようなローパスフィルタリングは、センサ間の差異を低減することができ、それにより、例えば、光学デブリ検出システム800を用いるデブリ検出のロバスト性を改善する。
【0117】
ビン51の口53を通って検出された(906)デブリは、以下に詳述するように、検出したデブリに対応するエリア上でロボットを動かすためのスポットカバレッジルーチンを開始する信号を生成することを含んでも良い。ある実施形態では、そのようなスポットカバレッジルーチンの開始は、定量化されたデブリの量に少なくとも部分的に基づく。例えば、所定のエリアで大量のデブリが検出された場合に、スポットカバレッジルーチンが開始および/または調整され得る。
【0118】
記載の明確化のため、デブリ監視ルーチン900は、第一受信器802Aの信号を測定することに基づいて、デブリビンへのデブリの移動を監視することとして説明された。しかしながら、デブリ監視ルーチン900は、追加的にまたは代替的に、第二受信器802Bの信号の同様の測定を含むことができることに注意すべきである。
【0119】
いくつかの実施形態では、
図9Bを参照すると、光学検出システム800は、デブリ定量化ルーチン975を含む。デブリ定量化ルーチン975は、光学検出システム800ならびにビンマイクロプロセッサ217およびマイクロプロセッサ245の一以上との通信を通じて実現することができる。
【0120】
デブリ定量化ルーチン975は、口53を通過するデブリに対し、定期的にスコアを割り当てること(978)を含む。スコアは、デブリによってブロックされたと判断される光量に少なくとも部分的に基づく。光量は、測定されたデブリ信号の大きさ(デブリのサイズを示す)およびデブリ信号の長さ(デブリの集中を示す)の一つ以上に基づいて実質的に定量化され得る。割り当てられたデブリスコアは、前回のデブリスコアに加算される(980)。現在のデブリスコアを前回のデブリスコアに加算すること(980)は、デブリスコアの合計を定期的に定量減少させること(988)を含んでも良い。このような定期的な減少は、漏洩積分(leaky integration)と称されることがあり、小さくて軽いデブリ(例えば、カーペット繊維または掃除される表面の一部である他の「環境(ambient)」デブリ)がデブリとして検出される可能性を低減しつつ、大きなデブリおよび小さいデブリの多くの集中を検出可能とすることができる。減少させる量は固定値であっても良い。追加的にまたは代替的に、減少させる量は、一般的に、抜け落ちる表面(例えばカーペット)が抜け落ちない表面(例えば硬材の床面)より大きい減少となるように、掃除される表面に基づいて調整(例えば手動で調整)されても良い。
【0121】
合計のデブリスコアが閾値より大きい場合(982)、汚れ検出信号が生成され(984)、合計デブリスコアがリセットされる(986)(例えば0にリセットされる)。合計のデブリスコアが閾値以下の場合(982)、定期的なデブリスコアが継続して割り当てられ(978)、前回のデブリスコアに加算される(980)。デブリ信号の生成を判断するための閾値は、ビンマイクロプロセッサ217に保存される固定値とすることができる。ある実施形態では、閾値は、清掃サイクルの開始時(例えば、検出されたデブリ信号が床面のデブリを示しやすいとき)において、清掃サイクルの終了時に比べ低くても良い。追加的にまたは代替的に、閾値は、デブリが頻繁に検出される場合に増加しても良い。これにより、ロボット11があまりにも何度もスポットカバレッジパターンを実行する可能性を低減することができる。
【0122】
図9Cを参照すると、いくつかの実施形態において、光学検出システム800は、ビン50が、デブリでいっぱいか否かを判断する、ビン充満検出ルーチン990を含む。ビン充満検出ルーチン990は、光学検出システム800ならびにビンマイクロプロセッサ217およびマイクロプロセッサ245の一以上との通信を通じて実現することができる。
【0123】
第一発信器アレイ804Aおよび第二発信器アレイ804Bは、ビン51の口53を横切ってそれぞれの信号を発信するよう起動および停止され(992)、第一受信器802Aが測定される(994)。いくつかの実施形態において、同じ一組の測定がデブリ監視ルーチン900およびビン充満検出ルーチン990の一部として用いられるように、起動および停止(992)ならびに測定(994)は、デブリ監視ルーチン900に関して上述した、起動および停止ならびに測定と類似している。
【0124】
ビン内のデブリの量は、第一反射信号と第一透過信号の比較に少なくとも部分的に基づいて判断される(996)。ここで、反射信号は、第一発信器アレイ804Aが起動し、第二発信器アレイ804Bが停止しているときの、第一受信器802Aによる測定から得られ、透過信号は、第一発信器アレイ804Aが停止し、第二発信器アレイ804Bが起動しているときの、第一受信器802Aによる測定から得られる。
【0125】
記載の明確化のため、ビン充満検出ルーチン990は、第一受信器802Aの信号を測定することに基づいて、ビンが充満しているか否かを判断することとして説明された。しかしながら、ビン充満検出ルーチン990は、追加的にまたは代替的に、第二受信器802Bの信号の同様の測定を含むことができることに注意すべきである。
【0126】
図9Dを参照すると、ビン50がデブリでいっぱいであるか否かを判断すること(996)は、閾値設定ルーチン1050を含んでも良い。閾値設定ルーチン1050は、光学検出システム800ならびにビンマイクロプロセッサ217およびマイクロプロセッサ245の一以上との通信を通じて実現することができる。
【0127】
閾値設定ルーチン1050は、測定された反射信号と測定された透過信号(例えば、第一受信器802Aおよび/または第二受信器802Bで測定された反射および透過信号)を比較すること(1052)を含む。いくつかの実施形態において、測定された反射信号と測定された透過信号の比較(1052)は、各信号の平均値(例えば時間平均)に基づく。このような平均化は、例えば、疑似および/または一過性のビン充満検出状態の影響を低減することによって、誤ったビン充満結果の可能性を低減することができる。ある実施形態では、測定された反射信号および測定された透過信号は1Hzから100Hz(例えば約60Hz)のペースで比較される(1052)。
【0128】
測定された反射信号が測定された透過信号より小さい場合(1054)、閾値設定ルーチン1050は、測定された反射信号と測定された透過信号との比較を続ける。このような状況は、発信器アレイ(例えば発信器アレイ804A、B)によって発信された光が、ほとんどビンの口53を越えて配置される受信器(例えば受信器802A、B)に到達しているため、ビンが比較的空であることを示す。測定された反射信号が測定された透過信号以上である場合(1054)、両方の信号が最小目的値(例えば0または約0)より小さいか否かを判断する(1066)ため、反射信号が透過信号と比較される。これは、ビンの急速な充満などの、特異な状態を示す。両方の信号が0である場合、ビン充満信号が生成される(1062)。
【0129】
反射信号が透過信号以上となったときの値は、クロスオーバー値(crossover value)と称され、発信器アレイによって発信された光が、ビンの口53を横切って向けられる量と略同じ量で伝達され、散乱されるため、一般的にビンが充満していることを示す。一般的に、受信器のクロスオーバー値の関数として閾値を設定することは、ビン充満検出の自己校正の働きをすることができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、閾値を設定すること(1056)は、クロスオーバー値を固定乗数で乗じる(例えばクロスオーバー値を2倍する)ことを含む。ある実施形態では、閾値を設定すること(1056)は、クロスオーバー値をクロスオーバーポイントの値に比例する(例えば、正比例または反比例する)値で乗じることを含む。追加的にまたは代替的に、閾値を設定すること(1056)は、クロスオーバー値をクロスオーバーポイントに達した時間、および/または透過信号のピークまでの時間に比例する(例えば、正比例または反比例する)値で乗じることを含む。
【0131】
設定された閾値は、時間とともに定期的な減少量で減少される(1058)。これは、最終的にビン充満状態に達することを確保し、これにより、ロボット11がエラーまたは特異な状態の場合に掃除を試み続ける可能性を低減する。
【0132】
反射信号が設定された閾値と比較される(1060)。ビンが充満する過程が一般的に遅いことから、この比較は、相対的に、約1Hzから約100Hz(例えば約60Hz)の周波数で行うことができる。
【0133】
反射信号が閾値以上の場合、ビン充満信号が生成される(1062)。いくつかの実施形態において、第一および第二受信器802A、Bによって測定された信号の平均が、閾値として設定される。追加的にまたは代替的に、ビン充満信号の生成(1062)は、第一および第二受信器802A、Bによって測定された信号の平均と閾値との比較に少なくとも基づいても良い。以下に詳述されるように、このビン充満信号は、ユーザにビン充満状態を警告するために用いられる。ある実施形態では、ビン充満信号は、ドッキングステーション(例えばメンテナンスステーション1250)を見つけるための誘導ルーチンを開始するために用いられる。追加的にまたは代替的に、ビン充満信号の生成(1062)は、さらなるデブリがビン50に引き込まれないように、清掃ヘッドの少なくとも一部を停止することができる。
【0134】
反射信号が透過信号より大きいと判断された後に、反射信号が透過信号以下となったか否かを判断する(1064)ために(これは、「交差しなくなる(becoming uncrossed)」と称される)、反射信号は、引き続き透過信号と比較される。反射信号が透過信号以上であり、閾値が設定される場合、閾値は反射信号が閾値以上となるまで減少され続ける(1058)。閾値が設定された後に、反射信号が透過信号以下となった場合、閾値はリセットされ(1067)(例えば、大きな値の設定および/またはフラグのリセット)、新たなクロスオーバーポイントを判断して(1054)新たな閾値を設定する(1056)ために、反射信号が透過信号と引き続き比較される(1054)。このような閾値の動的なリセットは、例えば、デブリがデブリビン50内に詰まって、取り除かれることに起因する、誤ったビン充満検出の可能性を低減する。
【0135】
光学検出システム800は、自律型のロボット掃除機において実施されるよう説明したが、光学検出システム800は、追加的にまたは代替的に、自律型でない掃除機(例えば従来の電気掃除機)にも含まれても良い。
【0136】
デブリ検出システム(例えば、光学検出システム800などの光学検出システムまたは圧電デブリ検出システム)からのデブリ信号は、ロボット11の動作を変更するために使用することができる。ロボット11の動作は、行動モードの選択(スポットカバレッジモーへ入ることなど)、動作条件(速度、出力またはその他など)の変更、デブリの方向への操縦(特に、離れた左および右デブリセンサが差分信号の生成に用いられる)または他の動作を含む。例えば、検出されたデブリ信号に少なくとも基づいて、ロボット11は、以下に詳述されるスポットカバレッジパターンを含む、スポットカバレッジパターンでの動作を実質的に直ちに開始することができる。マイクロプロセッサ25は、ジャイロスコープ71から受信した信号に少なくとも部分的に基づいて、駆動アセンブリ210を制御することにより、ロボット11を以下の一以上のスポットカバレッジパターンで動かすことができる。例えば、ジャイロスコープ71から受信した信号は、感知されたデブリに対する方向へロボット11を動かす、および/または感知されたデブリの位置へロボット11を戻すことができる。
【0137】
図9Eを参照すると、いくつかの実施形態において、光学検出システム800は、デブリ検出(例えば、
図9Aに示され、上述されるデブリ監視ルーチン900による)のために使用される基本となる光度を設定する(1116)ための、動的校正ルーチン1100を含む。上述したように、例えば、デブリ検出の正確性を向上するために、基本光度は受信器802A、Bで受信した連続する信号から減じられる。いくつかの実施形態では、校正ルーチン1100は、ビンが充満しているか否かの判断に少なくとも部分的に基づいて、ビン充満インジケータ(例えば、
図12Aのビン充満インジケータ1015)を起動および/または停止することができる。動的校正ルーチン1100は、光学検出システム800ならびにビンマイクロプロセッサ217およびマイクロプロセッサ245の一以上との通信を通じて実現することができる。
【0138】
動的校正ルーチン1100は、開始状態が検出された場合に(1102)第一パルス幅変調デューティーサイクルを第一発信器アレイ804Aに適用すること(1104)、および第二受信器802Bで第一発信器アレイ804Aからの信号を測定すること(1106)を含む。第一発信器アレイ804Aのデューティーサイクルが、制限よりも大きいと判断されると(1110)、第二パルス幅変調デューティーサイクルが第一発信器アレイ804Aに適用され(1108)、第二受信器802Bで、第二信号が測定される(1112)。第一測定信号と第二測定信号の間の差が閾値より大きい場合、測定された(1112)第二信号が、基本光度として設定される(1116)。ここで用いられるパルス幅変調は、負荷への出力を速いペースでON/OFFすることにより、負荷(例えば第一発信器804A)に提供される出力の平均値を制御することを示し、デューティーサイクルは、一定間隔に対する「ON」時間の比率を示す。従って、低いパルス幅変調デューティーサイクルに比べて、高いパルス幅変調デューティーサイクルは、出力がより長い時間ONとなるため、負荷に供給される高い出力に対応する。
【0139】
開始状態を検出すること(1102)は、ビン50のロボット本体31への挿入を検出することを含む。追加的にまたは代替的に、開始状態を検出すること(1102)は、自律型ロボット掃除機11への電源の入力(例えば、ロボット本体31へのバッテリー25の挿入および/または電源スイッチの位置)を検出することを含む。いくつかの実施形態では、開始状態を検出すること(1102)は、開始状態の検出に少なくとも部分的に基づいて、ビン充満インジケータを起動することを含む。例えば、ビン50のロボット本体31への挿入を検出すると(1102)、ビン充満インジケータが起動されても良い。ここで用いられる、ビン充満インジケータは、視覚的なインジケータ(例えば、発光ダイオードおよび/またはユーザインターフェース上のテキストメッセージ)および/または音響インジケータ(例えばアラーム)を含む。
【0140】
第一パルス幅変調デューティーサイクルを第一発信器アレイ804Aに適用すること(1104)は、最大パルス幅変調デューティーサイクルを第一発信器アレイ804Aに適用することを含む。
【0141】
第二受信器802Bで第一信号を測定すること(1106)は、第一発信器アレイ804Aからの信号の非反射部分を測定することを含む。例えば、上述するように、第一発信器アレイ804Aは、ビン50の口53の少なくとも一部を横切って信号を発信するように配置されても良い。追加的にまたは代替的に、第二受信器802Bで第一信号を測定すること(1106)は、第二受信器の近くにある第二発信器アレイ804Bからの信号の反射部分を測定することを含む。
【0142】
第二パルス幅変調デューティーサイクルを第一発信器アレイ804Aに適用すること(1108)は、第一パルス幅変調デューティーサイクルからパルス幅変調デューティーサイクルを下げることを含む。いくつかの実施形態では、第二パルス幅変調デューティーサイクルは、前回のパルス幅変調デューティーサイクルから固定の割合で下げられる。追加的にまたは代替的に、第二パルス幅変調デューティーサイクルは、第二パルス幅変調デューティーサイクルの第一発信器アレイ804Aへの適用(1108)の各繰り返しとともに徐々に大きくなる割合で下げられても良い。
【0143】
第一発信器アレイ804Aのパルス幅変調デューティーサイクルが、制限よりも大きいか否かを判断すること(1110)は、第一発信器アレイ804Aのパルス幅変調デューティーサイクルと、ビンマイクロプロセッサ217およびマイクロプロセッサ245の一以上に記憶された制限とを比較することを含む。例えば、制限は、第一発信器アレイ804Aの最大パルス幅変調デューティーサイクルの90%未満(例えば50%未満、または40%未満)。追加的にまたは代替的に、制限は0より大きい任意の値であっても良い。
【0144】
第一測定信号と第二測定信号の間の差が閾値未満である場合に、第一発信器アレイ804Aのパルス幅変調デューティーサイクルが、制限未満であると判断された場合(1110)、動的校正ルーチン100は終了する。このような動的校正ルーチン1100の終了は、第一発信器アレイ804Aで測定された信号が、第一および第二測定信号内の対応する変化とともに充分に変化していないことを示す。第一発信器アレイ804Aで測定された信号におけるこの不十分な変化は、開始状態においてビン50内にデブリが存在することを示す。例えば、第一発信器アレイ804Aで測定された信号における不十分な変化は、ビン50がロボット本体31に挿入されたときに、ビン50にデブリが存在したことを示す。追加的にまたは代替的に、第一発信器アレイ804Aで測定された信号における不十分な変化は、バッテリーがロボット本体31に挿入されたとき、および/または光学検出システム800に電源が供給されたときに、ビン50にデブリが存在したことを示す。その結果、開始状態の検出(1102)に少なくとも部分的に基づいてビン充満インジケータが起動される実施形態では、動的校正ルーチン1100が終了しても、ビン充満インジケータは起動されたままとなる。
【0145】
第二受信器802Bで、第二信号を測定すること(1112)は、第二受信器802Bで、第一信号を測定すること(1106)と類似であっても良い。
【0146】
第一測定信号と第二測定信号の間の差が閾値より大きいか否かを判断すること(1114)は、各信号が処理された後に第一測定信号と第二測定信号を比較することを含む。例えば、第一測定信号と第二測定信号の各々は、ローバンドパスフィルタによって処理される。判断(1114)で用いられる閾値は、ビンマイクロプロセッサ217およびマイクロプロセッサ245の一以上に記憶される一定の値であっても良い。
【0147】
第一測定信号と第二測定信号の間の差が閾値以下であると判断される(1114)場合、第二パルス幅変調デューティーサイクルが、前回の繰り返しからの第二パルス幅変調デューティーサイクルから減少される(1115)。いくつかの実施形態では、連続する各繰り返しにおいて、第二パルス幅変調デューティーサイクルが約1%から約30%の間(例えば約10%)で減少される(1115)。ある実施形態では、第二パルス幅変調デューティーサイクルは、連続する各繰り返しにおいて、徐々に大きくなる量で減少される(1115)。
【0148】
第一測定信号と第二測定信号の間の差が閾値より大きいと判断される(1114)場合、第二測定信号が、(例えば、ビンマイクロプロセッサ217およびマイクロプロセッサ245の一以上の記憶装置を使って)基本光度に設定される。追加的にまたは代替的に、第一測定信号と第二測定信号の間の差が閾値より大きいとの判断(1114)に少なくとも部分的に基づいて、ビン充満インジケータが停止され得る。例えば、差が閾値より大きいとの判断(1114)は、ビン50が、開始状態において充満していないことを示すことができ、これにより、ビン充満インジケータを停止することができる。
【0149】
動的校正ルーチン100は、第一発信器アレイ804Aから発信され、第二受信器802Bで受信された信号に基づくとして説明されたが、動的校正ルーチン100は、追加的にまたは代替的に、第二発信器アレイ804Bから発信され、第一受信器802Aで受信された信号に基づくことができることに注意すべきである。
【0150】
図10Aを参照すると、ロボット11は、星パターン1150を含むスポット清掃モード(スポットカバレッジモーととも称される)を含む。星パターン1150は、中心領域1151から広がる外向き帯状領域1152および内向き帯状領域1153のペア155を複数有する。帯状領域1152、1153の各ペア155は、内角αを規定し、隣接する帯状領域1152、1153のペア155に対し、外角βの角度で順次配置される。星パターン1150の繰り返される前後パターンは、手で持って操作される電気掃除機の操作者によって共通して用いられる清掃パターンと実質的に似ている。
【0151】
星パターンで操縦するために、ロボット11は、中央領域1151から外向き帯状領域1152に沿って進行方向前方に移動し、中央領域1151に戻るために内向き帯状領域1153に沿って逆方向に移動する。本処理は、ロボット11が、帯状領域1152、1153の複数のペアに対応する星パターン1150をたどるように繰り返される。星パターン1150は、中央領域1151の周りに180度延びても良い。ある実施形態では、中央領域1151は、検出されたデブリ1154のエリアに対して略中央に置かれる。いくつかの実施形態では、中央領域1151は、検出されたデブリ1154のエリアの略周辺に置かれる。
【0152】
ロボット11は、時計回り方向または反時計回り方向に星パターン1150で移動することができる。例えば、ロボット11の星パターン1150での移動方向は、デブリの検出の判断に少なくとも部分的に基づいても良い(例えば、光学検出システム800の第一および第二受信器802A、Bで測定された信号の比較に基づく)。
【0153】
外向き帯状領域1152の長さは、固定の長さであっても良い。例えば、外向き帯状領域1152の長さは、ロボット11の寸法(例えばロボットの前後寸法)の0.5倍から5倍の間(例えば1倍)であっても良い。他の例として、デブリが多く集中しているエリアではロボットが小さな星パターン1150で移動するように、外向き帯状領域1152の長さは、中央領域1151内におけるデブリ検出システムによって検出されたデブリの量の関数であっても良い。その場合、外向き帯状領域1152の長さは、中央領域1151内におけるデブリ検出システムによって検出されたデブリの量に反比例する。
【0154】
ある実施形態では、外向き帯状領域1152の長さは、可変な長さであっても良い。例えば、ロボット11は、検出されたデブリの量が閾値の量(例えば、デブリが多いエリアの周囲を示す量)を下回るまで外向き帯状領域1152に沿って進むことができる。
【0155】
各外向き帯状領域1152と対応する内向き帯状領域1153の間の内角αは、0度から45度である。ある実施形態では、内角αは、内向き帯状領域1153に沿って移動するためにロボット11の方向を反転する前に、外向き帯状領域1152の端で、ロボット11を実質的にその場で回転することによって掃除される。いくつかの実施形態において、内角αの値は、デブリ検出システム(例えば光学検出システム800)によって検出されたデブリの量に少なくとも部分的に基づく。例えば、角度αは、ロボット11が中央領域1151から外向き帯状領域1152に沿って動く際に検出されたデブリの量によって少なくとも部分的に決定されても良い。当該実施形態では、外向き帯状領域1152に沿って比較的大量のデブリが検出された場合は、外側および内向き帯状領域1152、1153に沿ってロボットが掃除する経路にかなりの重なりがあるように、内角αは小さくなる。
【0156】
ある実施形態では、隣接する帯状領域のペア1155の間の外角βは、0度より大きく、90度より小さい。外角βは、内角αに対して固定されても良い。例えば、外角βは、内角αと略同じであっても良い。追加的にまたは代替的に、外角βは、内角αに関して上述した一以上の条件に従って設定されても良い。
【0157】
いくつかの実施形態では、外角βは、−90度から90度の間である。当該実施形態では、ロボット11は、隣接する帯状領域のペア1155が、部分的に、および場合によっては完全に重複するように、時計回りおよび反時計回りの両方に動くことによって、星パターン1150に沿って移動することができる。
【0158】
ある実施形態では、ロボット11の前方部31Aおよび後方部31Bにそれぞれ沿って配置されたクリフセンサ30Aおよび30B(
図1B参照)は、星パターン1150または前後の動きの繰り返しを含む、他の清掃パターンの実行中に、ロボット11がクリフを越えて操縦される可能性を低減することができる。例えば、ロボット11の前方部31Aに沿って配置されるクリフセンサ30Aは、ロボットが前方向に移動する際に、ロボット11の前方の潜在的なクリフを検出することができ、ロボット11の後方部31Bに沿って配置されるクリフセンサ30Bは、ロボット11の後方の潜在的なクリフを検出することができる。クリフセンサ30Aおよび/またはクリフセンサ30Bによって潜在的なクリフが検出されると、ロボット11は、スポットカバレッジパターンを中断し、例えば、回避および/または脱出行動を開始する。そのため、前方部分にのみクリフセンサを備えるロボットと比べて、ロボット11は、例えば、ロボット11が特定の進行方向であることを必要としない清掃パターンを含む、より広い清掃パターンアレイを実行することができる。
【0159】
ある実施形態では、
図10Bを参照すると、ロボット11は、繰り返される隣接列1182を有する「コーンロー(cornrow)」パターン1180を含むスポットクリーニングモードを含む。ロボット11は、清掃面上のデブリ1184の検出に少なくとも部分的に基づいて、コーンローパターン1184で動作を開始しても良い。追加的にまたは代替的に、各列1182は、デブリ1184(例えば、光学検出システム800の第一および第二受信器802A、Bによって検出される)の検出方向と略垂直に延びても良い。
【0160】
ロボット11は、検出されたデブリの量が閾値を下回るまで列1182aに沿って移動し、その後、略反対方向へ隣接する列1182bに沿って移動し、このパターンを設定された時間またはロボット11が閾値より多い量のデブリを検出しないで1列以上を移動するまで繰り返すことによって、コーンローパターン1180に沿って移動することができる。
【0161】
いくつかの実施形態において、隣接した列1182a、bが重複するように、ロボットは隣接した列1182a、bに沿って移動する。重複量は、例えば、清掃ヘッドのサイズの固定倍(例えば二分の一)などの固定の量であっても良い。追加的にまたは代替的に、ある隣接する列1182a、bの重複の量は、検出されたデブリ1184の量に正比例する重複の程度で、ロボット11によって検出されたデブリ1184の量に少なくとも部分的に基づいても良い。
【0162】
ロボット11は、スポットカバレッジモードにおいて、検出されたデブリ信号に少なくとも部分的に基づいて、星パターン1150およびコーンローパターン1180で移動するよう動作すると説明されたが、追加的にまたは代替的に、その他の種類のパターンも可能である。例えば、ロボット11は、内側へのスパイラルパターン、外側へのスパイラルパターン、および/またはジグザグパターンで移動することができる。
【0163】
図11を参照すると、いくつかの実施形態において、ロボット11は、ロボット11の前方部分に向けて配置され、ロボット11の外周を越える視野を有するカメラ1190を含む。清掃面上でのロボット11の動きが、カメラ1190によるデブリおよび/または障害物の検出に少なくとも部分的に基づくように、カメラ1190はマイクロプロセッサ245と通信可能である。例えば、マイクロプロセッサ245は、清掃面上のデブリを認識し、ロボット11をデブリに向かって操縦するために、カメラ1190からの信号を処理することができる。
【0164】
追加的にまたは代替的に、マイクロプロセッサ245は、ロボット11周辺の障害物および/またはデブリを認識し、特定のサイズの閾値(例えば、清掃ヘッドによって規定される最小の開口よりも小さい値)を越える障害物および/またはデブリを避けるようにロボット11を操縦するために、カメラ1190からの信号を処理することができる。
【0165】
図12A−12Bを参照すると、いくつかの実施形態において、ロボット11はロボット通信端子1012を含み、ビン50は、ビン通信端子1014を含む。例えば、ビン充満状態に関する情報が、通信端子1012、1014を介してビン50からロボット11へ送られる。追加的にまたは代替的に、ビン50に配置される一以上の後方クリフセンサ30Bからのクリフ検出信号が、通信端子1012、1014を介してビン50からロボット11へ送られる。いくつかの実施形態において、ビン50がロボット11に取り付けられると、ビン通信端子1014は、対応するロボット通信端子と接触する。いくつかの例では、通信端子1012、1014は、適切なシリアル通信規格(例えば、RS−232、USB、または独自のプロトコル)に従って動作する複数のシリアルポートを含む。
【0166】
いくつかの例では、ロボット11は、復調器/復号器29を含み、それを通じてバッテリーから通信端子1012、1014を通ってビン50へと電力が送られる。ビン電源/通信ライン1018は、真空モータ780、ビンマイクロコントローラ217、および後方クリフセンサ30Bへ電力を供給する。ビンマイクロコントローラ217は、ビン50のデブリ検出システム700によって報告されるビン充満状態を監視し、報告信号を、ビン側ライン1018を伝達される電力に乗せる。乗せられた報告信号は、ロボット11の復調器/復号器29に送られる。ロボット11のマイクロプロセッサ245は、例えば、電源ライン1018に乗せられた報告信号から、ビン充満インジケータを処理する。
【0167】
ある実施形態では、ビンマイクロコントローラ217は、ビン50のデブリ検出システム700によって報告されるビン充満状態を(例えば、ロボット側のコントローラとは独立して)監視し、ビン50がデブリ検出システム700を有さないロボットに用いられることを可能にする。ロボットのソフトウェアの更新は、ビンのアップグレードに必要である。
【0168】
いくつかの実施形態において、
図12Aに示されるように、ビン50は、ビン50に配置されるビンマイクロコントローラ217、真空モータ780、ビン充満インジケータ1015、および/または後方クリフセンサ30Bと電気的に通信するビン電源1013(例えばバッテリー)を含む。ビンマイクロコントローラ217は、デブリ検出システム700によって報告されるビン充満状態に少なくとも部分的に基づいて、真空モータ780への電力を制御しても良い。例えば、ビンマイクロコントローラ217は、デブリ検出システム700によって報告されるビン充満状態の検出に応じて、真空モータ780への電力を停止しても良い。追加的にまたは代替的に、ビンマイクロコントローラ217は、ユーザにビンの状態についての視覚的なインジケータ(例えば、ビン充満インジケータ1015が点灯している場合はビンが充満している)を提供するために、ビン充満インジケータ1015(例えばLED)の状態を制御しても良い。ビン電源1013を用いてビン充満インジケータ1015に電力を供給することで、(例えば、ビン50を空にする間)ビン50がロボット11から取り外されてもビン充満インジケータ1015を点灯したままとすることができる。
【0169】
図12Bを参照すると、いくつかの実施形態において、ロボット11は、受信器1020(例えば赤外線受信器)を含み、ビン50は、対応する発信器1022(例えば赤外線発信器)を含む。発信器1022および受信器1020は、ビン50がロボット11に取付けられたときに、発信器1022から送信された信号が受信器1020に届くように、ビン50およびロボット11にそれぞれ配置される。例えば、受信器1020および発信器1022が赤外線の場合の実施形態において、発信器1022および受信器1020は、発信器1022および受信器1020の間の見通し線(line of sight)通信を容易とするようお互いに対して配置される。いくつかの例では、発信器1022および受信器1020は、両方とも発信器および受信器として機能し、ロボット11とビン50との間の双方向通信を可能とする。いくつかの例では、ロボット11は、シャーシ31上に配置され、赤外線信号を発信および受信する遠隔仮想壁ビーコン1050と相互作用するよう構成された無指向性受信器13を含む。ビン50の発信器1022からの信号は、ビン充満信号をやり取りするために、無指向性受信器13および/または遠隔仮想壁ビーコン1050によって受信可能である。ロボット11がビン50とともに改良され、適切なソフトウェアを受信した場合、改良されたビン50は、ビン50が充満しているとき、保守のためにロボット11をメンテナンスステーション(例えば、
図15A、Bのメンテナンスステーション1250)へ戻るよう移動させる。ロボット11とビン50との間の赤外線通信について説明したが、追加的にまたは代替的に、一以上の他の種類の無線通信が当該無線通信を行うために用いられる。ロボット11とビン50との間の無線通信の他の種類の例は、電磁波通信および無線周波数通信を含む。
【0170】
図13A−13Dを参照すると、いくつかの実施形態において、ビン50は、ビン充満インジケータ1130を含む。いくつかの例において、ビン充満インジケータ1130は、LED(
図13B)、LCD、電球、回転メッセージホイール(
図13C)または回転カラーホイール、もしくはその他の適切な視覚表示などの視覚インジケータ1132を含む。視覚インジケータ1132は、とりわけ、ユーザに対してビンがデブリでいっぱいであることを示すために、様々な色で光を絶え間なく発光、点滅、パルス、サイクルし、または色のスペクトルによって促進しても良い。インジケータ1130は、ビン50の充満の相対的な程度を示すアナログ表示を含んでも良い。例えば、ビン50は、回転可能なカラーホイールの上に半透明の窓を含む。半透明の窓により、ユーザは、ビン50内で検出された充満の程度に従って、例えば、緑(空)から赤(充満)へと回転するカラーホイールのサブセクションを見ることができる。いくつかの例では、インジケータ1130は、ビンの充満に比例する数だけ(例えばバーパターンで)点灯する二つ以上のLEDを含む。代替的に、インジケータ1130は、例えば、旗、ポップアップまたはメッセージストリップなどの電気的および/または機械的な表示であっても良い。他の例において、ビン充満インジケータ1130は、スピーカ、ポケベル(beeper)、音声合成装置、ベル、圧電スピーカまたはユーザにビン充満状態を聴覚的に示すのに適したその他装置などの音声インジケータ1134を含む。音声インジケータ1134は、一定の発信音、呼出音、トリル音、耳鳴り音、間欠的な音または他の適切な音声インジケータなどの音声を発する。音声インジケータ1134は、ビン充満状態への注意を集めるために、音量を変更する(例えば、繰り返し音量を増減する)。いくつかの例では、
図13Dに示されるように、インジケータ1130は、視覚インジケータ1032および音声インジケータ1034の両方を含む。ユーザは、ビン50を空にすることなく、視覚インジケータ1032または音声インジケータ1034を消すことができる。いくつかの実施形態では、ビン充満インジケータ1130は、ロボット本体31またはロボット11の外殻6に配置される。
【0171】
図14A−14Bを参照すると、いくつかの実施形態において、ビン50は、(例えば送信器1201を介して)遠隔インジケータ1202へ無線で信号を送信する。遠隔インジケータ1202は、光学(例えばLED、LCD、CRT、電球など)および/または音声出力(スピーカー1202Cなど)を用いてユーザにビンが充満していることを示す。一例では、遠隔インジケータ1202は、キッチンマグネットに搭載された電子機器を含む。遠隔インジケータ1202は、(1)一般的なロボットメンテナンス通知、(2)清掃ルーチン完了通知、(3)中止および帰宅指示、ならびに(4)他のロボット11および/またはビン50との相互作用制御を提供することができる。
【0172】
ビン50のビン充満センサシステム700と通信するための通信経路または配線を含まない既存のロボット11であっても、ビン充満センサシステム700および送信器1201を含むビン50が組み込まれる。ここで、「組み込み」は、一般的にビンを既存の、現在稼働中のロボットと結合させることを意味するが、本明細書の目的において、少なくとも追加的に、将来的な取付け、すなわち、ビンを新たに製造されるロボットに互換性のある方法で結合させることを含む。ロボット11は、ビンセンサシステム700と通信できず、ビン充満状態に応答するいかなるプログラムまたは行動ルーチンも含まない可能性があるが、ビン50は、適切な信号を送信器1201を介して遠隔インジケータ1202へ送信することにより、ビン50が充満していることをユーザに示すことができる。遠隔インジケータ1202は、ロボット11とは別の部屋に位置し、IEEE801.11/WiFi、BlueTooth、Zigbee、無線USB、周波数変調信号、振幅変調信号などのあらゆる適切な無線通信方法を用いてビン50からの信号を受信することができる。
【0173】
いくつかの実施形態では、
図14Bに示されるように、遠隔インジケータ1202は、ビンが充満している場合に点灯または点滅するLED1204を含む磁石搭載ユニットである。いくつかの例では、
図14Cに示されるように、遠隔インジケータ1202は、ビン充満状態に関するメッセージを表示するLCD表示1206および/またはユーザに音声信号を発するスピーカ1208を含む。遠隔インジケータ1202は、起動時にロボット11にコマンドを送信する機能ボタン1210を含んでも良い。いくつかの例では、遠隔インジケータ1202は、押されたときに適切なコマンド信号を携帯状領域ロボット20へ送信する確認ボタン1212を含む。例えば、ビン充満信号を受信した場合、LCD表示1206はビンが充満していることをユーザに示すメッセージを表示する。ユーザは、その後、ロボット11を特定の場所に誘導させるためのコマンドをロボット11に送信するためにボタン1212を押す。その後、ユーザは例えば、ビン50を取り外して空にすることができる。
【0174】
いくつかの例において、遠隔インジケータ1202は、卓上装置またはコンピュータシステムの部品である。遠隔インジケータ1202は、遠隔インジケータ1202をキッチン、ペンダントまたはベルトに保持するためのチェーン、クリップまたは裏面の磁石などの取付け装置を備えていてもよい。送信器1201は、WiFiまたは他の家庭無線周波数(RF)ネットワークを使って、コンピュータシステム1204の一部である遠隔インジケータ1202と通信し、コンピュータシステムはビン充満状態をユーザに通知するためのウインドウを表示させる。
【0175】
図14Dを参照すると、光学検出システム800が、ビン50が充満していて、および/またはマイクロプロセッサ245がバッテリー25の充電状態が閾値を下回っていると判断した場合、いくつかの例において、ロボット11は、保守のため、メンテナンスステーション1250(例えばドック)へ操縦する。ロボット11のメンテナンスステーション1250への操縦については、さらに以下に詳述する。
【0176】
ロボット11は、解放可能にメンテナンスステーション1250に係合する。いくつかの例では、メンテナンスステーション1250は、(例えば、ビン50の排出ポート80、305、380、415、420、425、430に接続される真空管を介して)自動的にビン50を空にする。追加的にまたは代替的に、メンテナンスステーション1250は、バッテリー25を充電する。例えば、メンテナンスステーション1250は、少なくとも一つの充電端子72と解放可能に係合することで、バッテリー25を充電することができる。いくつかの例では、充電端子72は、ロボット11の後方部に沿って配置される。追加的にまたは代替的に、充電端子72は、ロボット11の上部および/または側部に沿って配置されても良い。少なくとも一つの充電端子72は、接触端子であっても良い。
【0177】
清掃ヘッド40が繊維の蓄積でいっぱいの場合、ロボット11は、自動または手動清掃のために清掃ブラシ/フラッパ60、65を自動的に排出することができる。清掃ブラシ/フラッパ60、65は、ブラシ/フラッパ60、65から繊維やデブリを取り除くメンテナンスステーション1250に手動または自動的に供給される。
【0178】
図15−16を参照すると、いくつかの例では、メンテナンスステーション1250は、信号1252(例えば単一信号、多重信号、または多重重複信号)を発信する。信号1252は、例えば、一以上の光学信号および/または音響信号であっても良い。ロボット11は、信号1252を受信するための受信器15を含む。メンテナンスステーション1250による信号の発信およびロボット11による信号の受信に関するその他の詳細や特徴については、米国特許番号7,332,890、発明の名称「Autonomous Robot Auto-Docking and Energy Management System and Methods」に開示され、参照によりそれらの全ての内容が本明細書に組み込まれる。
【0179】
ロボット11が清掃面1上を移動する際、ロボット11が経路1254に沿って移動しながら(例えばバウンスモードにおいて)、受信器15は、メンテナンスステーション1250によって発信される信号1252を受信することができる。ロボット11は、信号1252内の各変化に関連づけられる時間t1−t7を検出することができる。信号1252内の各変化は、ロボット11の信号1252内および外への各動きを表わす。例えば、ロボット11は、t1における信号1252外への動きを検出し、t2における信号1252内への動きを検出する。同様に、ロボット11は、t3における信号1252外への動きを検出し、t4における信号1252内への動きを検出する。以下に記載されるように、ロボット11のマイクロプロセッサ245は、t1およびt2の間、t3およびt4の間、などの経過時間に少なくとも部分的に基づいてメンテナンスステーション1250を探すことができる。説明を明確にするため、信号1252の変更に関連付けられた7回が
図15Bに示される。しかしながら、当然のことながら、ロボットは何回でも検出可能である。
【0180】
いくつかの実施形態において、メンテナンスステーション1250を探すこと(1300)は、ロボット11を経路1254に沿って清掃面1上を操縦すること(1302)、メンテナンスステーション1250から発信される信号内の第一変化を検出すること(1304)、メンテナンスステーション1250から発信される信号内の第二変化を検出すること(1306)、ロボットが時間内にドックを発見する確率を判断すること(1308)を含む。ロボットが時間内にドックを発見する確率を判断すること(1308)は、信号内の検出(1304)された第一変化および信号内の検出(1306)された第二変化の間の経過時間に少なくとも部分的に基づく。この判断(1308)は、例えば、ロボット11が、メンテナンスステーション1250に戻るための充分な電力がなく清掃面1上に立ち往生する可能性を低減することができる。ある実施形態において、ロボット11は、継続的にメンテナンスステーション1250を探す(1300)。いくつかの実施形態では、ロボット11は、定期的にメンテナンスステーション1250を探す(1300)。追加的にまたは代替的に、ロボット11は、バッテリー25の充電状態が閾値より低いこと(例えば50%より低いこと)が検出された場合に、メンテナンスステーション1250を探す。
【0181】
ロボット11を清掃面上で操縦すること(1302)は、一以上の他の行動が実行されている間にロボット11を操縦することを含んでも良い。例えば、操縦すること(1302)は、バウンスモード、スポットカバレッジモード、脱出モード、マイグレーションモードなどにおいてロボット11を清掃面上で移動することを含んでも良い。追加的にまたは代替的に、ロボット11を清掃面上で操縦すること(1302)は、アービタによって決定されても良い。アービタに関する詳細や特徴については、米国特許番号7,388,343、発明の名称「Method and System for Multi-Mode Coverage for an Autonomous Robot」に開示され、参照によりそれらの全ての内容が本明細書に組み込まれる。
【0182】
メンテナンスステーション1250から発信された信号の第一変化を検出すること(1304)は、メンテナンスステーション1250から発信された信号1252を(例えば受信器15によって)受信することを含む。検出された(1304)信号の第一変化は、信号の未受信から信号の受信への変化を検出すること、および/または信号の受信から信号の未受信への変化を検出することを含む。いくつかの実施形態において、信号の第一変化を検出すること(1304)は、符号化された信号を検出することを含む。例えば、ロボット11がロボット11に関連しないメンテナンスステーション1250を探さないように、信号は、ロボット11に関連付けられたメンテナンスステーション1250を識別するよう符号化される。
【0183】
メンテナンスステーション1250から発信された信号の第二変化を検出すること(1304)は、メンテナンスステーション1250から発信された信号1252を(例えば受信器15によって)受信することを含む。信号1252の第二変化を検出すること(1306)は、検出された(1304)信号の第一変化と検出された(1306)信号の第二変化との間に経過時間があるように、信号の第一変化の検出(1304)に時間的に続いて行われる。
【0184】
ロボットが時間内にメンテナンスステーション1250を発見する確率を判断すること(1308)は、信号の第一変化を検出すること(1304)と信号の第二変化を検出(1306)することとの間の経過時間に少なくとも部分的に基づく。信号の第一変化を検出すること(1304)と信号の第二変化を検出(1306)することとの間の経過時間は、ロボット11によるメンテナンスステーション1250の目撃の間の時間を表わす。いくつかの実施形態では、経過時間は、経過時間および/または前に計算された経過時間に少なくとも部分的に基づいて、確率分布を更新するために用いられる。例えば、t4とt3の間の経過時間およびt2とt1の間の経過時間を含む確率分布を更新するために、t6とt5の間の経過時間が使用されても良い。
【0185】
確率分布は、時間内(例えば特定の時間または可変の時間)にロボット11がメンテナンスステーション1250にたどり着く確率を推定するために用いられても良い。例えば、確率分布は、5分以内にロボット11がメンテナンスステーション1250にたどり着く確率を推定するために用いられる。
【0186】
追加的にまたは代替的に、確率分布は、ロボット11がある確率でメンテナンスステーション1250にたどり着くために必要な時間を判断するために用いられても良い。例えば、確率分布は、ロボット11が75%より高い確率でメンテナンスステーション1250にたどり着くために必要な時間を推定するために用いられる。いくつかの例では、ロボット11がある確率でメンテナンスステーション1250にたどり着くために必要な時間は、ロボット11がメンテナンスステーション1250を発見することを可能とするために割り当てられる時間である。従って、一例において、ロボット11が95%より高い確率でメンテナンスステーション1250にたどり着くために必要な推定時間が5分の場合であって、95%のメンテナンスステーション1250の発見成功率が求められる場合、ロボット11は、バッテリー25の残りが5分となったときに、メンテナンスステーション1250を探し始める。さらに安全性を高めるため、ロボット11は、例えば、割り当てられた時間中の清掃ヘッド40への電力量を減らすことで、バッテリー25の電力消費を減らすことができる。
【0187】
いくつかの実施形態では、経過時間の確率分布は、ノンパラメトリックモデルである。例えば、ノンパラメトリックモデルは、経過時間の関数としての確率の確率分布ヒストグラムである。ヒストグラムの分解能として使用される経過時間の範囲は、固定値であっても良い(例えば約5秒から約2分間隔)。
【0188】
ある実施形態では、経過時間の確率分布は、パラメトリックモデルである。例えば、パラメトリックモデルは、ロボット11が時間内にメンテナンスステーション1250にたどり着くという結果が成功結果であり、ロボット11が時間内にメンテナンスステーション1250にたどり着かないという結果が失敗結果である、ポアソン分布であっても良い。ポアソン分布の平均は、例えば複数の経過時間の測定値の算術平均として推定される。ポアソン分布から、ロボット11が時間内にメンテナンスステーション1250にたどり着く確率が求められる。例えば、ロボット11が5分以内にメンテナンスステーション1250にたどり着く確率を求めるためにポアソン分布が用いられる。追加または代替の例として、ポアソン分布は、ロボット11が特定の確率(例えば75%より高い確率)でメンテナンスステーション1250にたどり着くために必要な時間を判断するために用いられても良い。
【0189】
いくつかの実施形態では、ロボット11がメンテナンスステーション1250を発見する確率を判断すること(1308)は、ロボット11がメンテナンスステーション1250を発見する前に、ロボット11が備えるバッテリー25から使用可能な電力を使い切る確率を判断することを含んでも良い。例えば、バッテリー25の残電力に対応する時間が、現在の動作モードにおけるロボット11の電力消費率に基づいて推定される。ロボット11が、残りのバッテリー時間内にメンテナンスステーション1250にたどり着く確率は、例えば、上述したノンパラメトリックモデルおよび/またはパラメトリックモデルを用いて判断することができる。
【0190】
ロボット11が清掃面1から取り除かれる場合、連続するメンテナンスステーション1250の目撃の間の経過時間は、ロボット11がメンテナンスステーション1250を発見するために必要な時間を代表するものではなくなる可能性がある。そのため、いくつかの実施形態では、メンテナンスステーション1250を探すこと(1300)は、ロボット11が清掃面1から取り除かれたことが検出された後の検出信号の変化を無視することを含む。例えば、ロボット11がt1およびt2の間で清掃面から取り除かれた場合、次の経過時間がt4とt3の間の差として判断されるように、検出された(1304)t1に対応する信号1252の第一変化は無視され、同様に検出された(1306)信号1252の第二変化も無視される。ある実施形態では、ロボットが清掃面から取り除かれたことを検出することは、ロボット11が搭載する一以上のセンサ(例えばクリフセンサ30Aおよび30Bおよび/または近接センサ70)からの信号を受信することを含む。追加的にまたは代替的に、車輪45は、落下方向へ付勢されていても良く、ロボットが清掃面から取り除かれたことを検出することは、車輪45が落下したことを検出することを含んでも良い。このような落下方向へ付勢される車輪45および落下した車輪の検出の詳細については、米国特許番号7,441,298、発明の名称「Coverage Robot Mobility」に開示され、参照によりそれらの全ての内容が本明細書に組み込まれる。
【0191】
図17−18を参照すると、メンテナンスステーション1250は、第一信号1252’(例えば、単一信号、多重信号、または多重重複信号)を発信し、第二構造1256は、第二信号1258を発信する。第二構造1256は、ライトハウス(例えばナビゲーションビーコン)、ゲートウェイマーカー、第二メンテナンスステーションなどである。ロボット11は、ロボット11が、メンテナンスステーション1250によって発信される信号1252’を横切り、第二構造1256によって発信される信号1258を横切るように、経路1260に沿って清掃面1上を移動する。ロボット11は、t1’、t4’およびt5’で信号1252’を横切り、t2’およびt3’で信号1258を横切る。第二構造1256は、メンテナンスステーション1250の発見の予測を助けるためのランドマークとして作用することができる。例えば、以下に記載されるように、第二構造1256の目撃とメンテナンスステーション1250の目撃との間の時間は、第二構造が目撃されたばかりであれば、ドックを発見するために必要な時間を予測するために用いられる。
【0192】
いくつかの実施形態では、メンテナンスステーション1250を探すこと1400は、ロボットを清掃面1上で操縦すること(1402)、メンテナンスステーション1250を検出すること(1404)、第二構造1256を検出すること(1406)、および時間内にロボットがメンテナンスステーション1250を発見する確率を判断すること(1408)を含む。いくつかの実施形態では、メンテナンスステーション1250からの信号1252’は、第二構造1256から発信される信号1258と異なる(例えば、異なった符号化がなされる、および/または異なる波長を有する)。探すこと(1400)は、メンテナンスステーション1250などのゴール位置で終わる経路をつなぎ合わせ、一つのランドマークから次への移動の絶好の機会を提供するための行動を選択することによって、ロボット11がナビゲートされることを可能とする。
【0193】
メンテナンスステーション1250を検出すること(1404)は、メンテナンスステーション1250から発信された受信信号1252’の変化を検出することを含む。例えば、時間t1’における受信信号1252’の変化は、信号1252’の受信から信号1252’の未受信への変化である。他の例として、時間t4’における受信信号1252’の変化は、信号1252’の未受信から信号1252’の受信への変化である。
【0194】
第二構造1256を検出すること(1406)は、第二構造1256から発信された受信信号1258の変化を検出することを含む。例えば、時間t2’における受信信号1258の変化は、信号1258の未受信から信号1258の受信への変化である。他の例として、時間t3’における受信信号1258の変化は、信号1258の受信から信号1258の未受信への変化である。
【0195】
時間内にロボットがメンテナンスステーション1250を発見する確率を判断すること(1408)は、メンテナンスステーション1250の検出(1404)と第二構造1256の検出(1406)の間の経過時間に少なくとも部分的に基づく。例えば、経過時間は、t2’とt1’の差であり、判断される確率は、第二構造が検出されたばかりであれば、ロボット11がメンテナンスステーション1250を発見する確率である。時間内にロボットがメンテナンスステーション1250を発見する確率を判断すること(1408)は、上述の判断(1308)に類似しても良い。
【0196】
いくつかの実施形態において、ロボット11が、メンテナンスステーション1250および/または第二構造1256に対する相対位置に基づいて清掃面1と平行して移動するように、メンテナンスステーション1250は、第一ライトハウス(例えば、バッテリー25がフル充電された場合)であり、第二構造1256は、第二ライトハウスである。
【0197】
図19A−Gは、自律型ロボット掃除機の別の実施形態を示す。他に特定しない限り、「’(ダッシュ)」を含む参照記号で示される要素は、上述の実施形態において対応する「’(ダッシュ)」を含まない参照記号で示される要素と類似である。従って、例えば、ロボット11’は、ロボット11と類似であり、ビン50’はビン50と類似である。
【0198】
ビンガイド33は、ロボット本体31’によって規定される受入容積37の少なくとも一部を規定する。ビン50’は、ビン50’の口53’が受入容積37の上部と整列するような場所にロックするために(例えば下記のように)、ビンガイド33に沿って移動可能である。例えば、このような整列は、
図8A、
図19Cおよび
図19Fに示される。
図19Cは、ビン50’が受入容積37に挿入された状態の、受入容積37に沿ったロボット11’の断面図である。従って、
図19Cに示されるように、例えば、デブリは受入容積37の上部に沿って配置される赤外線アレイ部810を通ってビン50’によって規定される口53’へと移動する。このような動きは、例えば、ビン50’によって規定される口53’に対する、赤外線アレイ部810の位置(ロボット11’の受入容積37に沿って配置され、
図19Fの破線で表わされる)が示される
図19Fに概略的に示される。
【0199】
各赤外線アレイ部810は、発信器アレイ(
図19Cに示される第一発信器アレイ804A’または第二発信器アレイ804B’)を含み、各発信器アレイは、二つの光源806’を含む。また、各赤外線アレイ部810は、受信器(
図19Cに示される第一受信器802A’または第二受信器802B’)ならびに受入容積37と赤外線アレイ部810の各発信器アレイおよび受信器との間に配置されたフィルタ812を含む。各フィルタ812は、赤外透過昼光フィルタである。
【0200】
各赤外線アレイ部810は、ロボット本体31’によって規定される受入容積37に沿って配置されるように示されているが、各赤外線アレイ部810は、ビン50’上に配置されても良い。赤外線アレイ部810が、受入容積37に配置、またはビン50’上に配置されても、第一および第二受信器802A’、802B’ならびに第一および第二発信器アレイ804A’、804B’は、アレイ部810から発信された光が、実質的に口53’の水平および垂直方向に実質的に及ぶように、口53’の各水平側に口53’を挟んで実質的に等間隔に並べることができる。
【0201】
ロボット11’は、ロボット11’の動作中にデブリを回収するダストビン50’を含む。ダストビン50’は、デブリをダストビン50’から除去し、および/またはダストビン50’に搭載されるフィルタ811を交換するために、ロボット11’から解放可能に着脱可能である(例えば、ロボット本体31’から解放可能に着脱可能である)。ダストビン50’は、ダストビン50’がロボット11’からスライドして取り外されるように、ラッチ809を動かす解放装置819を動かすこと(例えば、解放装置819を押すことおよび/または解放装置819を持ち上げること)により、ロボット11’から取り外される。いくつかの実施形態において、解放装置819は、一つ以上のライト(例えば、ロボット11’の動作モードを示すライト)および/または一つ以上の近接センサを含む。ある実施形態では、解放装置819がビン50’の位置の表示(例えば、ビン50’がロボット11’に完全に結合されていないことの表示)を提供するように、解放装置819は、ラッチ809の位置を感知する。
【0202】
ビン50’はバリア55を含む。バリア55は、口53’の水平底部の少なくとも一部を規定するように、ビン50’の幅にわたって水平に延び、ビン50’の少なくとも一部に沿って垂直に延びる。いくつかの実施形態において、バリア55は、ビンがロボット11’内の元の位置にある場合、ビン50’の底にあるデブリを保有する区画の少なくとも一部を規定する。ある実施形態では、バリア55の少なくとも一部は、ビン50’内のデブリへのアクセスを可能にするよう移動可能な扉(例えば、ヒンジドアおよび/またはスライドドア)である。いくつかの実施形態において、バリア55は、口53’に対して固定され、デブリへのアクセスは、ビン50’の側壁、底壁、または後壁の一部を形成する一以上の扉を通じて得られる。
【0203】
いくつかの実施形態では、口53’の垂直寸法は、バリア55および口53’の垂直寸法を合わせた高さの略1/2以下である。従って、ビン50’の寸法が、バリア55および口53’の垂直寸法を合わせた高さによって実質的に規定される実施形態では、バリア55の垂直寸法は、口53’の垂直寸法より大きくても良い。これらの口53’に対するバリア55の相対的な寸法は、使用中のロボット11’の外形を保持しながら、ビン50’内で大量のデブリの保存を容易にする。
【0204】
口53’およびバリア55は、実質的にビン50’の全幅にわたって延びるように示されるが、他の構成も可能である。例えば、バリア55の幅が口53’の幅より、少なくとも1/3大きいように、口53’は、ビン50’の幅の約2/3に延び、バリア55は実質的にビン50’の全幅にわたって延びても良い。バリア55および口53’のこれらの相対的な寸法は、使用中のロボット11’の外形を保持しながら、ビン50’内で大量のデブリの保存を容易にする。
【0205】
ビン50’は、単一の開口を有する口53’を規定するように示されるが、他の実施形態も可能である。例えば、ビン50’は、流路819(
図19F)に沿った乱流の増加を容易にし、および/または流路819を移動しながら大きいデブリを壊すことを容易にする、複数の開口を有する口を規定しても良い。例えば、ビン50’は、互いに水平方向に間隔の空いた二つの開口を有する口を規定しても良い。より一般的に、ここで用いられる用語「口」は、動作中にデブリが通ってビン50’に移動する開口領域全体をいう。
【0206】
ビン50’は、ロボット11’に係合されるビン50’の端部に向かって配置される突起807を含む。突起807は、ビン50’がロボット11’との結合のためにスライドされる際のビン50’の部分へのダメージの可能性を低減するために、ロボット11’と係合することができる。例えば、突起807は、ビン50’がロボット11’へスライドされる際の、扉54’および/または解放装置819へのダメージの可能性を低減することができる。追加的にまたは代替的に、突起807は、ビン50’をロボット11’に固定するためのラッチ809の調整を容易にすることができる。
【0207】
ビン50’は、さらに、フィルタ811、モータ815および羽根車(impeller)817を含む。使用中、モータ815によって駆動される羽根車817の回転によって発生する負圧によって、流路819(例えば空気中のデブリ)がビン50’に吸い込まれる。流路819は、デブリ検出およびビン充満検出が上述のように実行されるように、光学検出システム800’を過ぎて移動する。流路819は、デブリが空気から分離されるようにフィルタ811を通って移動する。デブリは、ビン50’(例えば、バリア55によって少なくとも部分的に規定されるビン50’の一部)内に残り、空気はビン50’によって規定される排気孔を通ってビン50’から出ていく。
【0208】
光学検出システム800’は、光学検出システム800と同様であり、
図8A−8Eに関して上述したデブリおよびビン充満検出と同様の方法でデブリおよびビン充満状態を検出するよう動作する。一般に、
図8A−8Eは、
図19Cに示されるビン50’の正面図に対応する。
図19Cに示されるように、ビン50’によって規定される口53’は、ビン50’の垂直寸法の一部のみに沿って延びる。従って、
図8Aに示されるビン50と
図19Cに示されるビン50’との間の構造の対応をさらに説明するため、口53’の位置は、
図8Aでは破線で示される。
【0209】
従って、当然のことながら、
図8Bに示されるデブリ48の検出は、経路819に沿って口53’を通ってビン50’に入るデブリのデブリ検出と類似している。同様に、当然のことながら、
図8Cに示されるデブリの蓄積49の結果によるビン充満検出は、ビン50’によって規定される区画内のデブリの蓄積によるビン充満検出と類似している。さらに、当然のことながら、
図8Dおよび8Eに示される非対称なデブリの蓄積の検出は、ビン50’によって規定される区画内の非対称なデブリ蓄積の検出と類似している。
【0210】
本明細書に記載される事項に組み合わせ可能なその他の特徴および詳細については、2007年5月21日出願の米国特許出願番号11/751,267、発明の名称「Coverage Robots and Associated Cleaning Bins」、および2004年1月28日出願の米国特許出願番号10/766,303、発明の名称「debris Sensor for Cleaning Apparatus」、現在の米国特許6,956,348に見つけることができる。これらの先行する出願の開示は、参照によりそれらの全ての内容が本明細書に組み込まれるものとする。
【0211】
本発明は、添付の特許請求の範囲において定められるが、本発明は、代替的に、本明細書の「発明の概要」に定められる発明の実施形態に従っても定められても良いことが理解される。「発明の詳細な説明」は、「発明の概要」の全てを包含する。
【0212】
幾つかの実施形態が説明されたが、様々な変更形態が以下の特許請求の趣旨および範囲から逸脱することなく実施され得ることが理解される。したがって、他の実施形態は以下の特許請求の範囲内にある。