特許第5770868号(P5770868)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5770868クレジットカードのリアル与信判定装置およびその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770868
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】クレジットカードのリアル与信判定装置およびその方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20150806BHJP
   G06Q 20/24 20120101ALI20150806BHJP
【FI】
   G06Q20/40 112
   G06Q20/24
【請求項の数】2
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-637(P2014-637)
(22)【出願日】2014年1月6日
(62)【分割の表示】特願2008-156552(P2008-156552)の分割
【原出願日】2008年6月16日
(65)【公開番号】特開2014-81951(P2014-81951A)
(43)【公開日】2014年5月8日
【審査請求日】2014年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】596155786
【氏名又は名称】長嶋 克佳
(74)【代理人】
【識別番号】100144048
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 智弘
(72)【発明者】
【氏名】長嶋 克佳
【審査官】 田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−336710(JP,A)
【文献】 特開2004−220252(JP,A)
【文献】 特開2004−326558(JP,A)
【文献】 特開2006−033870(JP,A)
【文献】 特開平04−315347(JP,A)
【文献】 特表平10−502512(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0216987(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のクレジットカード会社サーバおよび複数の店舗端末と通信回線を介して接続され、店舗内のカード利用を与信判定するクレジットカードのリアル与信判定装置であって、
複数のクレジットカード会社サーバから照会される会員電話番号毎の照会回数として、所定期間内でアクセス数を増分または減分して計数した数値を記憶するアクセスカウンタ手段と、
カード利用者が登録する会員電話番号の前記照会回数を、前記アクセスカウンタ手段が記憶する所定期間内の前記計数した数値から判定するアクセス判定手段と、
電話番号の「有効」使用履歴が存在する固定または移動体電話番号の使用履歴を予め記憶装置に記憶する電話番号履歴情報データベースと、
前記店舗端末から店舗内のカード利用時に照合されるカード情報に対応する会員電話番号の照会を前記クレジットカード会社サーバから受信し、この会員電話番号を検索キーとして、前記電話番号履歴情報データベースの中から検索する履歴検索手段とを備え、
前記履歴検索手段が会員電話番号を検索キーとして前記電話番号履歴情報データベースの中から検索し、前記会員電話番号が前記照会された時点で欠番と判定された場合、前記会員電話番号が前記照会された時点での前記履歴検索手段の検索結果および前記アクセス判定手段の判定結果を報知パラメータとして、報知レベルを演算し、この演算結果に基づき報知レベル送信手段がアラーム情報を前記会員電話番号の照会をしているクレジットカード会社サーバへ送信するように制御する演算制御部と、
を備えることを特徴とするクレジットカードのリアル与信判定装置。
【請求項2】
複数のクレジットカード会社サーバおよび複数の店舗端末と通信回線を介して接続され、店舗内のカード利用を与信判定するクレジットカードのリアル与信判定方法であって、
複数のクレジットカード会社サーバから照会される会員電話番号毎の照会回数として、所定期間内でアクセス数を増分または減分して計数した数値をアクセスカウンタ手段に記憶するステップと、
カード利用者が登録する会員電話番号の前記照会回数を、前記アクセスカウンタ手段が記憶する所定期間内の前記計数した数値からアクセス判定手段で判定するステップと、
電話番号の「有効」使用履歴が存在する固定または移動体電話番号の使用履歴を予め電話番号履歴情報データベースの記憶装置に記憶するステップと、
前記店舗端末から店舗内のカード利用時に照合されるカード情報に対応する会員電話番号の照会を前記クレジットカード会社サーバから受信し、この会員電話番号を検索キーとして前記電話番号履歴情報データベースの中から履歴検索手段で検索するステップと、
前記履歴検索手段が会員電話番号をキーとして前記電話番号履歴情報データベースの中から検索し、前記会員電話番号が前記照会された時点で欠番と判定された場合、前記会員電話番号が前記照会された時点での前記履歴検索手段の検索結果および前記アクセス判定手段の判定結果を報知パラメータとして、報知レベルを演算し、この演算結果に基づき報知レベル送信手段がアラーム情報を前記会員電話番号の照会をしているクレジットカード会社サーバへ送信するように制御する演算制御部が制御するステップと、
を備えることを特徴とするクレジットカードのリアル与信判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のクレジットカード会社サーバから送信されるカード会員登録情報の中の会員電話番号の照会回数を集計し、この集計結果に対応する報知レベルを要請に応じてリアルタイムに複数のクレジットカード会社サーバへ拡散することで、不正使用の可能性が高いクレジットカードの店舗利用を制限するクレジットカードのリアル与信判定装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、総務省で使用許可されている3億5000万件すべての電話番号(固定電話と移動体電話)の使用状況を毎月調査し、過去数十ヶ月分の電話番号の利用状況データを電話番号履歴データベースへ登録し、新設電話、欠番電話、移転電話、都合取外し等の利用履歴についてコンピュータを用いて照会サービスを提供して電話番号の利用状況からクレジットカードの発行の許否並びに与信限度金額を決定していた。
【0003】
しかしながら、従来は悪意の第三者がクレジット(信用)が高い他人の身分証明書を悪用して本人に成りすまし複数のクレジットカードと本人確認のための移動体電話端末(通常「携帯電話」と呼称する場合がある)の利用契約を成約してから、勝手に面前販売のリアル店舗やインターネット電子商取引や通信販売のようなバーチャル店舗内で不正取得したクレジットカードを使用し、カード決済の延滞が生じた段階で、クレジットカード会社または携帯電話会社から郵便送達される督促状により不正契約が判明するという事故届けが消費生活支援センタに寄せられている。この場合、カード利用契約時において本人確認および与信審査を経ているが与信限度額を低額にすることで簡易且つ迅速にクレジットカードを発行するクレジットカード会社も多数存在する。また、不正契約のクレジットカード代金回収時には第1回目の支払延滞が生じた時点でクレジットカード会社は契約者の所在や連絡先を確認し上述の如く督促状を郵便送達するのである。
【0004】
このようなクレジットカード事故については、直ちに成りすまされた者が携帯電話の利用停止を申請することもできるが、クレジットカードの解約では未払い金を支払う必要があるので解約することが難しく、刑事の詐欺罪や民事の契約無効の裁判という迂遠且つ面倒である裁判手続を経なければ成りすまされた者またはクレジットカード会社の債務が解消しないという問題が生じていた。
【0005】
また、これらクレジットカードの事故を警察に相談しても被害者はクレジットカード会社なのでクレジットカード会社が被害届を出さないと警察は何も出来ないと主張されるであろうし、クレジットカード会社に事情を説明しても、成りすまされた者が警察に被害届を提出しないと契約者本人に督促状を送達し法的手続きを執りうると脅されるケースも発生している。勿論、不正契約した悪意の第三者は行方不明または居所が分からない場合が多い。
【0006】
このような中で、本願の発明者は、電話番号の使用状態を定期的に調査し、各調査結果をサーバのハードディスクに調査情報履歴として記憶し、サーバには「電話番号」、デジタル交換機から返送される「理由表示」、「調査年月日」、調査時に判明した移転先あるいは連絡先の番号である「新加入者番号」を含む電話番号使用状況データを電話番号毎に調査年月日の異なる複数の電話番号使用状況データを時系列に電話番号履歴情報として蓄積する履歴情報記憶手段を設け、「新加入者番号」は次回の調査電話番号として登録し、ユーザからインターネットを介して電話番号調査依頼を受信すると、電話番号履歴情報をユーザへ送信することで、電話番号使用者の電話番号履歴情報をインターネット回線に経由させてユーザに提供し与信の判断を容易にする電話番号履歴情報調査提供システムを提案している(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−33870号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した電話番号履歴情報調査提供システムにより、蓄積された現在(最新の調査結果)および過去の履歴を含む電話番号情報をインターネットのような通信回線を介し、要請に応じて端末側へ提供しお客様の与信情報の精度を向上させていたが、短期間のクレジットカードの不正使用に対しては、その損害額の増加を抑制するには一定の限界が存在している。
【0009】
本発明は、このような課題に対応してなされたものであり、複数のクレジットカード会社サーバから送信されるカード会員登録情報の中の会員電話番号の照会回数を集計し、この集計結果に対応する報知レベルを要請に応じてリアルタイムに複数のクレジットカード会社サーバへ拡散することで、不正使用の可能性が高いクレジットカードの店舗利用を制限するクレジットカードのリアル与信判定装置およびその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のクレジットカードのリアル与信判定装置は、複数のクレジットカード会社サーバおよび複数の店舗端末と通信回線を介して接続され、店舗内のカード利用を与信判定するクレジットカードのリアル与信判定装置であって、複数のクレジットカード会社サーバから照会される会員電話番号毎の照会回数として、所定期間内でアクセス数を増分または減分して計数した数値を記憶するアクセスカウンタ手段と、カード利用者が登録する会員電話番号の前記照会回数を、前記アクセスカウンタ手段が記憶する所定期間内の前記計数した数値から判定するアクセス判定手段と、電話番号の「有効」使用履歴が存在する固定または移動体電話番号の使用履歴を予め記憶装置に記憶する電話番号履歴情報データベースと、前記店舗端末から店舗内のカード利用時に照合されるカード情報に対応する会員電話番号の照会を前記クレジットカード会社サーバから受信し、この会員電話番号を検索キーとして、前記電話番号履歴情報データベースの中から検索する履歴検索手段とを備え、前記履歴検索手段が会員電話番号を検索キーとして前記電話番号履歴情報データベースの中から検索し、前記会員電話番号が前記照会された時点で欠番と判定された場合、前記会員電話番号が前記照会された時点での前記履歴検索手段の検索結果および前記アクセス判定手段の判定結果を報知パラメータとして、報知レベルを演算し、この演算結果に基づき報知レベル送信手段がアラーム情報を前記会員電話番号の照会をしているクレジットカード会社サーバへ送信するように制御する演算制御部と、を備えることを要旨とする。
また、本発明のクレジットカードのリアル与信判定方法は、複数のクレジットカード会社サーバおよび複数の店舗端末と通信回線を介して接続され、店舗内のカード利用を与信判定するクレジットカードのリアル与信判定方法であって、複数のクレジットカード会社サーバから照会される会員電話番号毎の照会回数として、所定期間内でアクセス数を増分または減分して計数した数値をアクセスカウンタ手段に記憶するステップと、カード利用者が登録する会員電話番号の前記照会回数を、前記アクセスカウンタ手段が記憶する所定期間内の前記計数した数値からアクセス判定手段で判定するステップと、電話番号の「有効」使用履歴が存在する固定または移動体電話番号の使用履歴を予め電話番号履歴情報データベースの記憶装置に記憶するステップと、前記店舗端末から店舗内のカード利用時に照合されるカード情報に対応する会員電話番号の照会を前記クレジットカード会社サーバから受信し、この会員電話番号を検索キーとして前記電話番号履歴情報データベースの中から検索し、前記会員電話番号が前記照会された時点で欠番と判定された場合、前記会員電話番号が前記照会された時点での前記履歴検索手段の検索結果および前記アクセス判定手段の判定結果を報知パラメータとして、報知レベルを演算し、この演算結果に基づき報知レベル送信手段がアラーム情報を前記会員電話番号の照会をしているクレジットカード会社サーバへ送信するように制御する演算制御部が制御するステップと、を含むことを要旨とする。
【0011】
このように構成すると、演算制御部26は、会員電話番号の所定連続欠番期間(一例として、3ヶ月または1年以内)およびアクセス判定手段20の判定結果(一例として、アクセス3回超え)を報知パラメータとして報知レベルを演算し、この演算結果に基づき報知レベル送信手段28が報知強の「使用停止レベル」、報知中の「警告レベル」、および報知低の「警戒レベル」の何れか1つのアラーム情報を会員電話番号の照会をしているクレジットカード会社サーバ10aへ送信することができるので、クレジットカード会社は従来(例えば、第1回支払延滞時)に比して早期に不正カードの店舗内利用を無効とすることができる。
【0012】
上記目的を達成するために、本発明のリアル与信判定装置は、例えば、図1に示すように、国内プレフィックス番号「0」、想定される市外局番、市内局番、および加入者番号を含む所定桁数の固定または移動体電話番号の使用履歴を記憶装置(一例として、ハードディスクまたは光磁気ディスク若しくはDigital Versatile Disc)に記憶する電話番号履歴情報データベース22と、複数の店舗端末12および複数のクレジットカード会社サーバ10に通信回線14a、14bを介して接続され、店舗内のカード27a利用時に店舗端末12aからカード情報を受信し、このカード情報に対応するクレジットカード会社サーバ10aにカード情報を送信し、クレジットカード会社サーバ10aからカード情報に対応する会員電話番号の照会を受付け、この会員電話番号のアクセスカウンタ手段18のアクセス数を増分または減分し、照会された会員電話番号を検索キーとして電話番号履歴情報データベース22の中から検索し、会員電話番号の照会を受付けた時点までの所定連続欠番期間(一例として、3ヶ月または1年以内)の履歴を履歴判定手段24が判定する場合、アクセス判定手段20がアクセスカウンタ手段18を参照しアクセス数の閾値越えを判定(一例として、30日以内にアクセス3回超え)するときは、報知強の「使用停止レベル」または報知中の「警告レベル」のアラーム情報を報知レベル送信手段28が会員電話番号の照会をしているクレジットカード会社サーバ10aへ送信するように制御する演算制御部16と、を備えることを要旨とする。
【0013】
このように構成すると、リアル与信判定装置16は複数の店舗端末12および複数のクレジットカード会社サーバ10の中継サーバとして機能し、また、リアル与信判定装置16に設けられた演算制御部16は、照会された会員電話番号を検索キーとして電話番号履歴情報データベース22の中から検索し、会員電話番号の照会を受付けた時点までの所定連続欠番期間(一例として、3ヶ月または1年以内)の履歴を履歴判定手段24が判定する場合、アクセス判定手段20がアクセスカウンタ手段18を参照しアクセス数の閾値越えを判定(一例として、30日以内にアクセス3回超え)するときは、報知強の「使用停止レベル」または報知中の「警告レベル」のアラーム情報を報知レベル送信手段28が会員電話番号の照会をしているクレジットカード会社サーバ10aへ送信することができるので、クレジットカード会社は従来(例えば、第1回支払延滞時)に比して早期に不正カードの店舗内利用を無効とすることができる。
【0014】
上記目的を達成するために、本発明のリアル与信判定装置は、例えば、図4に示すように、国内プレフィックス番号「0」、想定される市外局番、市内局番、および加入者番号を含む所定桁数の固定または移動体電話番号の使用履歴を記憶装置(一例として、ハードディスクまたは光磁気ディスク若しくはDigital Versatile Disc)に記憶する電話番号履歴情報データベース22と、複数のクレジットカード会社サーバ10に通信回線14cを介して接続され、店舗内のクレジットカードとしてのユーザカード27利用時に店舗端末12aから通信回線(一例として、図中の加盟店B1からクレジット会社A1との間の矢印ライン)を介してカード情報を受信するクレジットカード会社サーバ10aからカード情報に対応する会員電話番号の照会を受付け、この会員電話番号のアクセスカウンタ手段18のアクセス数を増分または減分し、クレジットカード会社サーバ10aから照会された会員電話番号を検索キーとして電話番号履歴情報データベース22の中から検索し、会員電話番号が照会された時点までの所定連続欠番期間(一例として、3ヶ月または1年以内)の履歴を履歴判定手段24が判定する場合、アクセス判定手段20がアクセスカウンタ手段18を参照しアクセス数の閾値越えを判定(一例として、30日以内にアクセス3回超え)するときは、報知強の「使用停止レベル」または報知中の「警告レベル」のアラーム情報を報知レベル送信手段28が会員電話番号の照会をしているクレジットカード会社サーバ10aへ送信するように制御する演算制御部26と、を備えることを要旨とする。
【0015】
このように構成すると、リアル与信判定装置16は複数のクレジットカード会社サーバ10の照会に対する回答を返信する問合せサーバとして機能し、また、リアル与信判定装置16に設けられた演算制御部16は、会員電話番号が照会された時点までの所定連続欠番期間(一例として、3ヶ月または1年以内)の履歴を履歴判定手段24が判定する場合、アクセス判定手段20がアクセスカウンタ手段18を参照しアクセス数の閾値越えを判定(一例として、30日以内にアクセス3回超え)するときは、報知強の「使用停止レベル」または報知中の「警告レベル」のアラーム情報を報知レベル送信手段28が会員電話番号の照会をしているクレジットカード会社サーバ10aへ送信するので、クレジットカード会社は従来(例えば、第1回支払延滞時)に比して早期に不正カードの店舗内利用を無効とすることができる。さらに、約款に記載されている住所変更届義務を同時に利用者に対して促すこともできる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、複数のクレジットカード会社サーバから送信されるカード会員登録情報の中の会員電話番号の照会回数を集計し、この集計結果に対応する報知レベルを要請に応じてリアルタイムに複数のクレジットカード会社サーバへ拡散することで、不正使用の可能性が高いクレジットカードの店舗利用を制限するクレジットカードのリアル与信判定装置およびその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態のリアル与信判定装置のシステム構成図である。
図2】電話番号履歴情報データベースのデータ構造を示す図。
図3】リアル与信判定装置の動作フローを示す図。
図4】本発明の一実施形態のリアル与信判定装置のシステム構成図である。
図5】リアル与信判定装置の動作フローを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1の実施形態を図1乃至図3を参照しながら説明する。本実施形態のリアル与信判定装置16は、概略的には、図1に示すように、複数の店舗端末12の1つからクレジットカードの与信照会情報を複数のクレジットカード会社サーバ10の1つへ中継し、複数のクレジットカード会社サーバ10の1つから与信照会情報を発信した複数の店舗端末12の1つへ中継する与信センタサーバである。
【0019】
すなわち、本実施形態では、クレジットカードの発行主体が異なる与信判定を各クレジットカード会社が独自に収集する会員の氏名、住所または居所、自宅電話番号または移動体電話番号、生年月日、居住年数、年収、勤務先居所および電話番号を含む会員情報に基づいて個別に判定する精度に比して、自宅電話番号または移動体電話番号の使用履歴情報をクレジットカード会社相互が共通化しながら不正クレジットカードの使用を抑止することができると共に、各クレジットカード会社のサービスの差別化を図ることもできるため、クレジットカード会社にとっても成りすまし被害者にとっても不測の損害金増大の未然防止とその精度を向上させることができる。近年、クレジットカードや通帳およびキャッシュカードが売買されている事例が報告されている。この事例の場合、クレジットカードなどを売った本人は行方不明状態となる事象が多発し、勿論、クレジットカード会社に登録している会員電話番号も欠番状態で本人(会員)との連絡が取れない状況に陥るという問題が生じるが、この様な対策として本実施形態が極めて有利に作用する。
【0020】
図1は、第1の実施形態の与信センタサーバを用いるリアル与信判定装置16の全体構成を概略的に示すシステム構成図である。図示するように、与信情報を演算制御する与信センタサーバによるリアル与信判定装置16をクレジットカード27a〜27dに適用した装置を例示しているが、本発明はクレジットカード27a〜27dの店舗内利用に限定されず、例えば、金融機関が発行するカードローン付のキャッシュカードによる現金自動支払機ATM利用も、インターネット上のオンライン取引も、通信販売による電話申込や申込書による商取引も、クレジットカード会社が他と提携せず単独で発行するプロパーカードも、ショッピングセンタのPOSを利用できるプライベートブランドで発行するハウスカードも、おサイフケイタイ(携帯電話端末)を使ったクレジットサービスも、含めて適用することができる。以下、クレジットカードの店舗内利用の与信判定例を説明する。
【0021】
リアル与信判定装置16は、複数のクレジットカード会社サーバ10と通信回線14bを介して接続され、複数の店舗端末12と通信回線14aを介して接続され、店舗内のカード27aから27dの利用を与信判定する。
【0022】
ここで、複数のクレジットカード会社は、例えば、商品を購入する際の決済(支払)手段の一つであって、契約者の番号その他セキュリティ情報が記載され、これら情報が磁気ストライプまたはICに記録されたカード型証票のクレジットカード27a〜27dを発行する。このクレジットカード27a〜27dはクレジットカード会社が独自に会員を信用(credit)するという意味で「クレジット」と名付けられている。
【0023】
また、リアル与信判定装置16は複数のクレジットカード会社サーバ10から照会される会員電話番号毎に所定期間内のアクセス数を増分または減分する数値を記憶するアクセスカウンタ手段18を具備する。ここで、複数のクレジットカード会社サーバ10a〜10cは、銀行系、信販系、証券系、消費者金融系、鉄道系、航空系、空港・空港ビル系、道路系、石油系、電気・ガス系、ホテル・レジャー施設系、百貨店系、駅ビル・ショッピングモール・ファッションビル系、小売・量販店系、家電量販店系、通販系、電気機器メーカー系、自動車系、エンターテイメント系、電気通信事業者系、インターネット系、パソコン関係、特定の大学等・株主優待カードを発行するクレジットカード会社の何れか1つまたは提携しているグループのクレジット会社が運営または委託するクレジットカード会社サーバを例示している。
【0024】
同様に、リアル与信判定装置16はカード利用者が登録する会員電話番号の照会回数をアクセスカウンタ手段18の数値から判定するアクセス判定手段20を具備する。ここで、アクセスカウンタ手段18はハードウエアでもよくソフトウエアでも実装してよい。要は、会員電話番号の照会回数を日付毎に計数できる部材を用い、例えば、カウントアップ型のアクセスカウンタ手段18では「0」から所定期間の30日以内のアクセス数を増分し、カウントダウン型のアクセスカウンタ手段18では「3」から所定期間の30日以内のアクセス数を減分し、判定プログラム58に記述するコンピュータソフトウエアプログラムによるアクセス判定手段20を演算制御部26で実行し予め設定する閾値「3」より大または「0」以下の数値と比較することでアクセス数を判定する。
【0025】
例えば、アクセスカウンタ手段18はカレンダ情報付きファーストイン・ファーストアウト型のレジスタまたはカレンダ情報付きレジスタを用いて、演算制御部26がアクセス判定手段20を実行する時点から過去に遡って30日以内の累計値をカウント出力することができる。また、各クレジットカード会社のカード利用金額集計期日を起算点とする30日以内の累計値をカウント出力することもできる。但し、本発明は30日以内の累計値に限定されず、報知レベルの発生頻度に応じて逐次カウント期間を10日乃至40日に増減して設定することができる。
【0026】
さらに、アクセスカウンタ手段18としてアクセスカウンタテーブルを用いてもよい。この場合、照会されている会員電話番号を記憶するフィールドと、この会員電話番号に対応するアクセス回数値を記憶するフィールドと、アクセスした年月日時分秒を記憶するカレンダフィールドを有するアクセスカウンタテーブルを、例えばハードディスクに記憶し、会員電話番号がアクセスされた段階でアクセスカウンタテーブルから対応する電話番号が存在するか判定し、電話番号が存在しているときはその電話番号に対応するアクセス回数値を読み出し増分または減分した数値に書き換え、カレンダフィールドの値を更新すればよい。
【0027】
そして、リアル与信判定装置16は、電話番号履歴情報データベース22を更新する段階で30日経過したカレンダフィールドを有する電話番号フィールドの情報を消去若しくはリセットするので、30日以内のカウント値を記憶しながら30日経過したアクセスカウンタ値をアクセスカウンタテーブルから消去することができる。
【0028】
同様に、リアル与信判定装置16は電話番号の「有効」使用履歴が存在する固定または移動体電話番号の使用履歴を予め記憶装置(一例として、ハードディスクまたは光磁気ディスク若しくはDigital Versatile Disc)に記憶する電話番号履歴情報データベース22を具備する。
【0029】
ここで、電話番号履歴情報データベース22は、予め想定される電話番号にISDN回線を介して発信し、デジタル交換機から返送される理由表示を収集して瞬時に電話切断することにより使用状況調査を実行する電話番号発信コンピュータ装置を利用し、発呼「電話番号」、デジタル交換機から返送される「理由表示」、「調査年月日」、調査時に判明した移転先あるいは連絡先の番号である「新加入者番号」を含む電話番号使用状況データを発呼電話番号毎に調査年月日の異なる複数の電話番号使用状況データを時系列に電話番号履歴情報として予め蓄積している。
【0030】
すなわち、電話番号履歴データベース22は、全国に流通する固定電話番号および携帯電話番号に対してISDN回線を通じてオートダイヤルして得た電話番号の利用状況を示す理由表示データを各電話番号に対応させて所定の調査日と共に履歴情報として、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に登録または記憶する。
【0031】
例えば、平成20年6月時点、総務省で使用許可されている4億400万件すべての固定および移動体電話番号は、プリフェクス番号「0」、市外局番および市内局番を順に結合する固定約26、000局番および移動体約1、440局番の初期電話番号情報を予め作成し、全国の局番毎に固定加入者番号0000から9999および移動体加入者番号00000から99999の連続番号を追加した番号情報の総和である。また、携帯電話およびPHSは電気通信事業者を特定する番号を市外局番および市内局番に対応させて初期電話番号情報として予め作成する。要は、電気通信事業者を特定する先頭番号「0」、市外局番、市内局番と電話加入者を特定する加入者番号とを結合する番号の総和が全国に流通する電話番号に相当する。
【0032】
そして、全国に流通する電話番号をコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶し、この記憶媒体から全国に流通する電話番号の中から調査対象の電話番号を降順または昇順の順番に読み出し、電話番号発信コンピュータを使用して電話番号情報調査を連続運転モードで実施し、1ヶ月以内に全国に流通するすべての電話番号へ発呼する。
【0033】
電話番号発信コンピュータは、各調査対象の電話番号を管轄する管轄局の交換機に対して1ヶ月に1回または2回の調査日にISDN回線を通じて発呼し、ISDN通信によりNTT交換機が知らせる理由表示および移転先電話番号を電話番号発信コンピュータが自動収集し、直近の電話番号使用状況データとして例えばハードディスクに記憶してから、電話番号使用状況データを圧縮してDVDへ記録する。
【0034】
本実施形態では、全国に流通する電話番号を分割した調査対象電話番号を記憶媒体に記憶し、複数の電話番号発信コンピュータをそれぞれ異なる管轄局のISDN交換機に接続し、分散した複数の電話番号発信コンピュータを連続運転して収集した調査対象電話番号を集約し全国の電話番号情報調査を実施してもよく、1箇所に設置した電話番号発信コンピュータにより全国に流通する電話番号の電話番号情報調査を実施してもよい。
【0035】
電話番号使用状況データは、調査対象電話番号毎にISDN交換機から取得したJT−Q931(レイヤー3)情報の「01:欠番」、「16:正常」、「22:相手加入者番号変更」、「28:無効番号」、および移転先電話番号等が含まれ、これらをオートダイヤルした電話番号、調査日に対応付けて電話番号発信コンピュータのハードディスクに記憶されている。また、「22:相手加入者番号変更」は移転番号であり、新しい着信番号が診断情報フィールドに含まれる。
【0036】
また、電話番号履歴情報データベース22は、クレジットカード契約時に登録した電話番号の「有効」使用履歴が存在する固定または移動体電話番号の使用履歴を予め記憶装置に記憶することで、記憶容量を有効利用することができる。同様に、リアル与信判定装置16は店舗端末12aから店舗内(一例として、リアル店舗やバーチャル店舗)のカード利用時に照合されるカード情報に対応する会員電話番号の照会をクレジットカード会社サーバ10aから受信し、この会員電話番号を検索キーとして、判定プログラム58に記述するコンピュータソフトウエアプログラムによる履歴検索手段24を演算制御部26(一例として、中央処理装置CPU)で実行することで電話番号履歴情報データベース22の中から検索し、会員電話番号が照会された時点で「欠番」(一例として、過去に使用中であった電話番号が廃止された状態)と検索された場合、その会員電話番号の所定連続欠番期間(一例として、3ヶ月または1年以内)および判定プログラム58に記述するコンピュータソフトウエアプログラムによるアクセス判定手段20の判定結果(一例として、アクセス3回超え)を報知パラメータとして演算制御部26で演算し報知レベルを出力する。すなわち、演算制御部26の演算結果に基づき判定プログラム58に記述するコンピュータソフトウエアプログラムによる報知レベル送信手段28が報知強の「使用停止レベル」、報知中の「警告レベル」、および報知低の「警戒レベル」の何れか1つのアラーム情報を会員電話番号の照会をしているクレジットカード会社サーバ10aへ送信するように演算制御部26により制御する。
【0037】
すなわち、既存および新規の市内局番の中で欠番の履歴しか存在しない未使用の電話番号の履歴情報を除外して記憶するので、1ヶ月毎に4億400万件の電話番号の中から「有効」の使用履歴が存在する固定または移動体電話番号の使用履歴を記憶するのが好ましい。
【0038】
同様に、リアル与信判定装置16は店舗端末12aから店舗内(一例として、リアル店舗やバーチャル店舗)のカード利用時に照合されるカード情報に対応する会員電話番号の照会をクレジットカード会社サーバ10aから受信し、この会員電話番号を検索キーとして、判定プログラム58に記述するコンピュータソフトウエアプログラムによる履歴判定手段24を演算制御部26(一例として、中央処理装置CPU)で実行することで電話番号履歴情報データベース22の中から検索し、会員電話番号が照会された時点で「欠番」(一例として、過去に使用中であった電話番号が廃止された状態)と判定された場合、その会員電話番号の所定連続欠番期間(一例として、3ヶ月または1年以内)および判定プログラム58に記述するコンピュータソフトウエアプログラムによるアクセス判定手段20の判定結果(一例として、アクセス3回超え)を報知パラメータとして演算制御部26で演算し報知レベルを出力する。すなわち、演算制御部26の演算結果に基づき判定プログラム58に記述するコンピュータソフトウエアプログラムによる報知レベル送信手段28が報知強の「使用停止レベル」、報知中の「警告レベル」、および報知低の「警戒レベル」の何れか1つのアラーム情報を会員電話番号の照会をしているクレジットカード会社サーバ10aへ送信するように演算制御部26により制御する。
【0039】
さらに、リアル与信判定装置16は中継手段29およびクレジットカード会社データベース30を備える。中継手段29はコンピュータソフトウエアプログラムでも、ハードウエアでもリアル与信判定装置16に実装でき、クレジットカード会社データベース30には各クレジットカード会社サーバ10a〜10cのURLまたはIPアドレスを記憶している。要は、複数のクレジットカード会社10と複数の店舗端末12との間でクレジットカード会員のカード情報、会員電話番号情報、およびアラーム情報を中継できる何れの手段でもリアル与信判定を実施することができる。
【0040】
例えば、リアル与信判定装置16は、中継手段29を用いて店舗端末12aから照会されるカード会員番号を受信し、複数のクレジットカード会社サーバ10の中からカード会員番号の先頭桁および先頭桁に続く数字列に対応するクレジットカード会社サーバを選択しカード会員番号を送信するので通信回線14aおよび14bを介した中継サーバとして機能する。
【0041】
ここで、クレジットカードの番号は、VISA、MASTER、JCBでは16桁、AMEXは15桁、ダイナースは14桁であり、カード番号の先頭の1桁目はISOで規定されており、VISAは「4」、MasterCardは「5」である。日本の場合、カード番号の先頭の2桁はJCBが「35」、ダイナースが「36」、AMEXが「37」である。また、それ以降の数字については、各カード発行事業者に適宜付与されている。なお、国内専用カードの場合はISOの規定外であり、各国のクレジットカード機関により規定されている。
【0042】
つまり、リアル与信判定装置16は、中継手段29を用いて、例えば店舗端末12aが照会する会員番号情報を受信する。店舗端末12aが紹介する会員番号情報(カード番号)の先頭数桁に対応させて複数のクレジットカード会社サーバ10の中から1つのクレジットカード会社サーバ10aを選択し会員番号情報を中継すればよい。
【0043】
次に、リアル与信判定装置16は、中継手段29を用いて、例えばクレジットカード会社サーバ10aから会員番号に対応する会員情報に含まれる会員電話番号を受信し、演算制御部26により判定プログラム58を実行し、照会中の会員番号に対応する会員電話番号の履歴情報に基づき報知レベルを判定結果としてクレジットカード会社サーバ10aへ送信する。
【0044】
引き続き、リアル与信判定装置16は、中継手段29を用いて、クレジットカード会社サーバ10aが独自に報知レベルに基づき与信判定をしたカード使用可若しくはカード使用不許可通知の何れか1方を受信し、カード使用可若しくはカード使用不許可通知の何れか1方の情報を店舗端末12aへ中継することができる。
【0045】
店舗端末12aでは、リアル与信判定装置16から中継されたカード使用可通知を受信する場合はカード決済業務を遂行することができるが、カード使用不許可通知を受信したときはカード決済業務を直ちに中止し他の支払い方法(例えば、現金決済または他のカードの使用)を来店者に促すことができる。また、初回のカード使用不許可通知であれば、カード使用を許可してもよく、初回のカード使用不許可通知の場合は同時に来店者に対し電話などの手段を用いてクレジットカード会社へ住所変更届を提出するよう促すこともできる。例えば、多忙なカード利用者が住所変更届の手続を失念している状態に有効である。この様に従来遅滞なく住所変更手続が困難な場合であっても、本実施形態では柔軟に対応することができるという利点がある。
【0046】
勿論、本発明はリアル店舗のカード利用時に照合されるリアル与信判定に限定されず、例えばバーチャル店舗や通信販売のカード利用時に照合されるリアル与信判定にも適用できることは言うまでもない。
【0047】
また、本実施形態の与信センタサーバを用いるリアル与信判定装置16は、通信回線14aおよび14bとしてセキュアソケットレイヤSSLを使用するインターネット、専用回線、若しくは、公衆回線をあたかも専用回線であるかのように利用できるサービスVPN(Virtual Private Network)を介して複数の店舗端末12および複数のクレジットカード会社サーバ10との間で情報を中継してもよい。
【0048】
図2は電話番号履歴情報の内容を示した図である。図中の電話番号履歴情報31〜34には各々電話番号情報フィールド、電話番号の状態、電話番号の調査年月日、移転先電話番号情報フィールドが記録されている。例えば、10桁の調査電話番号に発呼した際の返信メッセージ(理由番号)に対応した使用状況が「正常」、「移転」、「欠番」、並びに、「都合停止」の文字列または数字で記録され、例えば、24ヶ月程度の調査結果が履歴として蓄積されている。
【0049】
図3のフローチャートを用いて、本実施形態の与信センタサーバを用いるリアル与信判定装置16の動作を説明する。また、リアル与信判定装置16は既に会員番号を店舗端末12aから受信し、例えばクレジットカード会社サーバ10aへ当該会員番号の照会を実行している。なお、破線57で囲んだ処理シーケンスが本実施形態を網羅し、他の部分は追加の実施形態を示している。
【0050】
リアル与信判定装置16は、電話番号の照会ステップ35(以下、ステップを「S」と略記する)により複数のクレジットカード会社サーバ10の中の何れか1つ、例えばクレジットカード会社サーバ10aから電話番号の照会情報を受信する。勿論、個人カードホルダの場合はクレジットカード会社サーバ10aおよびクレジットカード会社サーバ10b、若しくはクレジットカード会社サーバ10cから数分以内の同時期に同一電話番号の照会が発生する場合はエラー処理または脅威発生処理に移行することもできる。
【0051】
リアル与信判定装置16は、カウントアップS36において当該電話番号に対応するカウンタ18のアクセスカウントを1つ増加(UP)または減少(DOWN)させる。
【0052】
次に、リアル与信判定装置16は、照会された電話番号が現時点(例えば、最新の調査年月日)で「欠番」であるか否かを判定する欠番判定S37を遂行し、判定結果が「欠番」(是:YES)である場合は連続欠番期間判定S38へ処理を分岐させる。
【0053】
そして、リアル与信判定装置16は、連続欠番期間判定S38において電話番号履歴情報データベース22を検索し、照会された電話番号の履歴を抽出して現時点から過去に遡って連続する欠番期間を算出し、この連続欠番期間が3ヶ月以内か否かを判定する。判定結果が(是:YES)の3ヶ月以内であれば処理をアクセス数値判定S39へ分岐する。但し、本発明は連続欠番期間を3ヶ月以内に限定するものではなく、リアル与信判定装置16の報知レベルの発生頻度に応じて2ヶ月以内または4ヶ月以内に逐次再設定することもできる。要は、最新の調査年月日から過去に遡って連続する欠番状態の存在を検知できればよい。さらに、過去のカード利用状況として返済実績が存在することも加味して柔軟に判定してもよい。
【0054】
リアル与信判定装置16は、アクセス数値判定S39においてカウンタ18の数値およびカウントアップまたはダウンの日付カレンダログを参照し、電話番号の照会を受けた時点から過去に遡って、例えば30日以内に記録された電話番号のアクセス合計数値を算出またはカード利用金額集計期日を起算点とする30日以内の電話番号のアクセス合計数値を算出する。
【0055】
リアル与信判定装置16は、算出されたアクセス合計数値が3未満であれば(否:NO)の判定結果を出力し処理を警戒レベルアラームS40へ分岐させ、例えば、報知低の「警戒レベル」としてアラーム情報をクレジットカード会社サーバ10aへ送信する。
【0056】
一方、リアル与信判定装置16は、算出されたアクセス合計数値が3より大であれば(是:YES)の判定結果を出力し処理を警告レベルアラームS41へ分岐させ、例えば、報知中の「警告レベル」としてアラーム情報をクレジットカード会社サーバ10aへ送信する。
【0057】
アラーム情報を受信するクレジットカード会社サーバ10aは「警戒レベル」若しくは「警告レベル」と会員情報を突き合わせ独自にカード使用の可否を判定処理し、リアル与信判定装置16を中継させてカード使用可またはカード使用不可の何れか1方の通知を店舗端末12aへ送信することができる。例えば、クレジットカードの利用実績や1ヶ月以内の発行年月日や与信限度金額に対応させてカード利用者のクレジットを増減させて運用することができる。
【0058】
特に、クレジットカード会社サーバ10aは独自の与信管理だけではなくクレジットカード会社サーバ10bやクレジットカード会社サーバ10cからの照会による会員電話番号のアクセス状況を本実施形態のリアル与信判定装置16により共有しながらクレジットカード詐欺による損害額を低減させ独自のクレジットカードサービスを会員へ提供させることができる点で有利である。
【0059】
しかも、中継サーバとして与信判定するリアル与信判定装置16には会員番号および会員電話番号情報を送受するだけで、カード会員の氏名や生年月日や住所のような他の個人情報を提供しない点でもクレジットカード会社の顧客に対する信用を維持することもできる。
【0060】
引き続き、本実施形態のリアル与信判定装置16が最も脅威とするクレジットカード利用を判定し、この脅威をクレジットカード会社サーバへ報知する構成について説明する。
【0061】
リアル与信判定装置16は、連続欠番期間判定S38において照会された電話番号の履歴から連続欠番期間が3ヶ月を超えている判定結果(否:NO)出力した場合、処理を長期連続欠番期間判定S42へ分岐する。係るカード番号は3ヶ月を超える期間に亘り未使用であり、成りすまし被害者もクレジットカード会社もクレジットカードの不正契約を検知できない状態である。
【0062】
リアル与信判定装置16は、長期連続欠番期間判定S42において照会された電話番号の履歴から連続欠番期間が1年を超えているか否かを判定する。1年以内の連続欠番と判定結果(是:YES)が出力された場合は、処理を脅威アクセス数値判定S43へ分岐する。但し、本発明は長期連続欠番期間を1年以内に限定するものではなく、リアル与信判定装置16の報知レベルの発生頻度に応じて6ヶ月以内または18ヶ月以内に逐次再設定することもできる。要は、最新の調査年月日から過去に遡って連続する長期欠番状態の存在を検知できればよい。
【0063】
リアル与信判定装置16は、脅威アクセス数値判定S43においてカウンタ18の数値およびカウントアップまたはダウンの日付カレンダログを参照し、電話番号の照会を受けた時点から過去に遡って、例えば30日以内に記録された電話番号のアクセス合計数値を算出またはカード利用金額集計期日を起算点とする30日以内の電話番号のアクセス合計数値を算出する。
【0064】
リアル与信判定装置16は、算出されたアクセス合計数値が3未満であれば(否:NO)の判定結果を出力し処理を脅威警告レベルアラームS44へ分岐させ、例えば、報知中の「警告レベル」としてアラーム情報をクレジットカード会社サーバ10aへ送信する。
【0065】
一方、リアル与信判定装置16は、算出されたアクセス合計数値が3より大であれば(是:YES)の判定結果を出力し処理を脅威使用停止レベルアラームS45へ分岐させ、例えば、報知強の「使用停止レベル」としてアラーム情報をクレジットカード会社サーバ10aへ送信する。
【0066】
アラーム情報を受信するクレジットカード会社サーバ10aは「警告レベル」若しくは「使用停止レベル」と会員情報を突き合わせ独自にカード使用の可否を判定処理し、リアル与信判定装置16を中継させてカード使用可またはカード使用不可の何れか1方の通知を店舗端末12aへ送信することができる。例えば、クレジットカードの利用実績や1年以上前の発行年月日や与信限度金額に対応させてカード利用者のクレジットを増減させて運用することができる。
【0067】
但し、リアル与信判定装置16から送信された「使用停止レベルアラーム」は中長期的に計画されたカード詐欺を実行する詐欺集団に搾取されたカードの会員番号に対応する可能性が極めて高く、クレジットカード会社サーバ10aは可及的速やかにカード使用停止処理を遂行することが望ましい。
【0068】
すなわち、本実施形態のリアル与信判定装置16では、例えば不正契約により最初に搾取したクレジットカードを保有しながら電話番号を使用中状態に維持させ、定期的な電話番号情報取得による住所変更調査をクリアし、数ヶ月かけて複数のクレジットカード会社と次々に不正契約を締結し搾取した多数のクレジットカードを同時期に詐欺集団が使用するクレジットカード事故を未然に防止する点が有効である。
【0069】
次に、本実施形態に追加の構成を付加した追加実施形態について図3を参照しながら説明する。
【0070】
リアル与信判定装置16は、長期連続欠番期間判定S42において照会された電話番号の履歴から連続欠番期間が1年を超えているか否かを判定する。1年を超える連続欠番と判定結果(否:NO)が出力された場合は、処理を使用停止レベルアラームS46へ分岐する。
【0071】
この場合、成りすまし被害者が自己都合により住所または居所を変更し電話番号を変更した状態であるか、成りすまし被害者が悪意の第三者に住民票を取得された情報を得たとき、クレジットカード会社から電話または郵便により本人確認若しくは住所確認を受けた段階で、自己の判断により住所または居所を変更しなくとも電話番号を移転または欠番に移行させるだけでクレジットカード事故を未然に防止できる状態である。
【0072】
また、成りすまし被害者は、搾取された移動体電話の電話番号であっても身に覚えのない移動体電話利用代金請求書またはクレジットカード代金請求書を受領することで自己申告により直ちに移動体電話番号の使用を停止できるので、成りすまし被害者およびクレジットカード会社の損害を共に低減させることができる。
【0073】
リアル与信判定装置16は、欠番判定S37を遂行し照会された電話番号が現時点(例えば、最新の調査年月日)で「欠番」でない判定結果 (否:NO)である場合は移転案内判定S47へ処理を分岐させる。
【0074】
リアル与信判定装置16は、移転案内判定S47を遂行し照会された電話番号が移転案内状態と判定結果(是:YES)を出力した場合は、処理を警戒レベルアラームS48へ分岐させクレジットカード会社サーバ10aへ報知低の「警戒レベル」のアラーム情報を送信する。
【0075】
一方、リアル与信判定装置16は、移転案内判定S47を遂行し照会された電話番号が移転案内状態ではないと判定結果(否:NO)を出力したときは、処理を都合停止判定S49へ分岐させ、照会された電話番号が現時点(例えば、最新の調査年月日)から過去に遡り3ヶ月以内の都合停止状態が存在するか否かを電話番号履歴情報データベース22を検索して判定結果を出力する。
【0076】
リアル与信判定装置16は、3ヶ月以内の都合停止状態が存在しない判定結果 (否:NO)を出力した場合は、処理を報知S50へ分岐させ「問題なし」のアラーム情報をクレジットカード会社サーバ10aへ送信する。
【0077】
一方、リアル与信判定装置16は、都合停止判定S49を遂行し照会された電話番号が3ヶ月以内の都合停止状態が存在すると判定結果(是:YES)を出力したときは、処理を都合停止回数判定S51へ分岐させ、照会された電話番号が現時点(例えば、最新の調査年月日)から過去に遡り3ヶ月以内の都合停止状態が3回以上存在するか否かを電話番号履歴情報データベース22を検索して判定結果を出力する。
【0078】
リアル与信判定装置16は、都合停止回数判定S51において3ヶ月以内の都合停止状態が3回以上存在しない判定結果(否:NO)を出力した場合は、処理を報知S52へ分岐させ「都合使用停止レベル」のアラーム情報をクレジットカード会社サーバ10aへ送信する。
【0079】
一方、リアル与信判定装置16は、都合停止回数判定S51を遂行し照会された電話番号が3ヶ月以内に3回以上の都合停止状態が存在すると判定結果(是:YES)を出力したときは、アクセス数値判定S53においてカウンタ18の数値およびカウントアップまたはダウンの日付カレンダログを参照し、電話番号の照会を受けた時点から過去に遡って、例えば30日以内に記録された電話番号のアクセス合計数値を算出またはカード利用金額集計期日を起算点とする30日以内の電話番号のアクセス合計数値を算出する。
【0080】
リアル与信判定装置16は、算出されたアクセス合計数値が3未満であれば(否:NO)の判定結果を出力し処理を都合警告レベルアラームS54へ分岐させ、例えば、報知低の「都合警戒レベル」としてアラーム情報をクレジットカード会社サーバ10aへ送信する。
【0081】
一方、リアル与信判定装置16は、算出されたアクセス合計数値が3より大であれば(是:YES)の判定結果を出力し処理を都合使用停止レベルアラームS56へ分岐させ、例えば、報知強の「都合使用停止レベル」としてアラーム情報をクレジットカード会社サーバ10aへ送信する。3ヶ月以内に都合使用停止レベルの電話番号は電話料金延滞を繰り返している状態でありクレジットカードの契約時に比してクレジット(信用)が低下している蓋然性が高く、クレジットカード会社サーバ10aを介してクレジットカード会社にカード使用停止処理を促すことができる。
【0082】
上述の実施形態のようにリアル与信判定装置16を中継サーバのように構成したが、本発明は中継サーバ構成に限定されず、複数のクレジットカード会社サーバ10の照会処理および回答処理に適用することができる。
【0083】
図4は、第2の実施形態によるリアル与信判定装置16のブロック図である。同図に示すように、与信センタサーバを用いたリアル与信判定装置16は、国内プレフィックス番号「0」、想定される市外局番、市内局番、および加入者番号を含む所定桁数の固定または移動体電話番号の使用履歴を記憶装置(一例として、ハードディスクまたは光磁気ディスク若しくはDigital Versatile Disc)に記憶する電話番号履歴情報データベース22と、複数のクレジットカード会社サーバ10に通信回線14cを介して接続され、店舗内でクレジットカードとしてのユーザカード27の利用時に店舗端末12aから通信回線(一例として、図中の加盟店B1からクレジット会社A1のクレジットカード会社サーバ10aとの間の矢印ライン)を介してカード情報を受信するクレジットカード会社サーバ10aからカード情報に対応する会員電話番号の照会を受付け、この会員電話番号のアクセスカウンタ手段18のアクセス数を増分または減分し、クレジットカード会社サーバ10aから照会された会員電話番号を検索キーとして電話番号履歴情報データベース22の中から検索し、会員電話番号が照会された時点までの所定連続欠番期間(一例として、3ヶ月または1年以内)の履歴を履歴検索手段24が検索する場合、アクセス判定手段20がアクセスカウンタ手段18を参照しアクセス数の閾値越えを判定(一例として、30日以内にアクセス3回超え)するときは、報知強の「使用停止レベル」または報知中の「警告レベル」のアラーム情報を報知レベル送信手段28が会員電話番号の照会をしているクレジットカード会社サーバ10aへ送信するように制御する演算制御部26と、を備える。なお、第2の実施形態では上述の実施形態と同一または類似の部材については同一又は類似の符号を付し重複する説明を省略する。
【0084】
ここで、リアル与信判定装置16は、中継サーバ型の態様を除外する構成ではなく、第1の実施形態と同様に、中継手段29およびカード会社データベース30を設けることもでき、通信回線14dを介して複数の店舗端末12へアラーム情報を中継することもできる。
【0085】
また、判定プログラム58には、履歴判定手段24、アクセス判定手段20、および報知レベル判定手段28を実装し、演算制御部26が判定プログラム58を実行することにより本実施形態のリアル与信判定を遂行することができる。
【0086】
また、判定プログラム58には、履歴検索手段24、アクセス判定手段20、および報知レベル判定手段28を実装し、演算制御部26が判定プログラム58を実行することにより本実施形態のリアル与信判定を遂行することができる。さらに、リアル与信判定装置16は、クレジットカード会社サーバ10a〜10cからアクセスされ、会員電話番号毎にアクセス回数をアクセスカウンタ手段18によりカウント数値をアップまたはダウンさせる。
【0087】
図中の店舗端末12a〜12cは、それぞれカード情報(カード番号)に対応するクレジットカード会社サーバ10a〜10cに接続し、カード情報を送信する。
【0088】
図5のフローチャートを参照して、本実施形態のリアル与信判定装置16の処理シーケンスを説明する。
【0089】
顧客がクレジットカードを利用するS60は、対面および仮想店舗販売時に顧客がクレジットカードとしてのユーザカード27を例えば、店舗端末12aのクレジットカード読取器(不図示)に挿入し、商品購入金額情報と共にクレジットカード会社サーバ10aにカード情報の送信準備の処理を遂行する。
【0090】
ここで、クレジットカードを利用するS60には、物品および金融商品(例えば、カードローン)の購入が含まれる。特に、全国に設置されているATMから現金をカードローンを利用して引き出す場面に本実施形態によるリアル与信判定方法が有利である。
【0091】
なお、ユーザカード27について説明したがクレジットカード機能付き移動体電話機をクレジットカード読取器に接近若しくは接触させてカード情報を読み取っても、仮想店舗である電子商取引サーバがクレジットカード情報を顧客から受信しても、本実施形態と同様の動作シーケンスを遂行することができる。
【0092】
次に、カード情報送信S61では、クレジットカード会社サーバ10aは店舗端末12aから送信されたカード情報を受信処理する。
【0093】
また、クレジットカード会社サーバ10aは、与信上限内取引判定S62により店舗端末12aが送信している利用金額とクレジットカード会社サーバ10aが記憶している利用残高情報とを合算し、与信上限を超えるか否かを判定し与信上限内取引であると判定した場合は商品販売成立S72へ処理を分岐させるが、与信上限を超える取引であると判定したときは顧客情報抽出S63へ処理を分岐させる。
【0094】
この場合、店舗端末12aから顧客が入力する暗証番号情報をクレジットカード会社サーバ10aへ送信する構成、クレジットカード会社サーバ10aによる暗証番号の照合処理を保留する構成、暗証番号の照合処理を店舗端末12aが独自に実行する構成、の何れの構成をも選択することができる。
【0095】
例えば、クレジットカードがICチップを搭載し、暗号化された暗証番号を記憶している場合、店舗端末12aから暗証番号情報を通信回線14cに伝送しなくても店舗端末12aが独自に照合処理を完了させる構成を採用することができる。
【0096】
同様にクレジットカード機能付き移動体電話機にも暗号化された暗証番号を記憶することができるので店舗端末12a内で独自に照合処理を完結させることができる。
【0097】
本実施形態では、暗証番号の照合処理は重要な要素ではない。すなわち、盗難または遺失物クレジットカードの利用時には暗証番号の照合処理が本人確認の1つの要素となり得るが、悪意の第三者が使用する詐欺カードでは違法契約した者が選択した暗証番号が登録されているため、暗証番号の照合処理は不正使用に対して機能せず、バイオメトリクスを利用する生態認証処理も同様に不正使用に対して有効に機能しない。
【0098】
ここで、「与信上限」とは、例えば、1回のカード利用額が所定金額(一例として、1万円以下の小額取引)を超えるか否かを判定すると共に、カード利用残高を解析して今回のカード利用により所定の閾値(一例として、カード利用合計金額が10万円)を超えるか否かを判定することで、リアル与信判定処理を選択する取引金額条件である。勿論、与信上限内取引判定S62をパスしてリアル与信判定処理を選択しても本発明の効果を得ることができる。
【0099】
引き続き、クレジットカード会社サーバ10aは、予め記憶領域に記憶している顧客情報の中から会員電話番号を抽出し、この会員電話番号情報を与信センタサーバを用いたリアル与信判定装置16へ送信する(S63)。
【0100】
リアル与信判定装置16は、受信した会員電話番号に対応するアクセスカウンタ手段18の数値を増分または減分させる(S64)。
【0101】
リアル与信判定装置16は、電話番号履歴解析S65を実行し、会員電話番号の使用状態が、「欠番」、「移転案内」、「都合停止」、「短期連続欠番」、および「長期居住電話番号」か否かを判定する。
【0102】
そして、リアル与信判定装置16は、電話番号解析結果に対応するアクセス回数解析S66を遂行し、照会されている会員電話番号に対応するアクセスカウンタ手段18の数値を読み出し、クレジットカード決済の前回引落日から30日以内に3回を越える数値であるか否かを判定する。
【0103】
引き続き、リアル与信判定装置16は、アクセス回数解析S66により得られた判定結果に応じて報知レベル演算S67を遂行し、脅威度の高い順に「使用停止レベル」、「警告レベル」、「警戒レベル」、および「問題なし」の報知レベルを演算出力する。
【0104】
リアル与信判定装置16は、報知レベル演算S67により得られた演算結果に応じて会員電話番号の履歴に問題がないか否かを判定する(S68)。
【0105】
リアル与信判定装置16は、判定S68で報知レベルが「問題なし」と判定(是:YES)された場合は、処理をクレジットカード会社サーバ10aのS73へ分岐させるが、報知レベルが「使用停止レベル」、「警告レベル」、「警戒レベル」の何れか1つであると判定(否:NO)のときは、当該報知レベルに対応する報知メッセージを生成しクレジットカード会社サーバ10aへ送信する報知メッセージ送信S69の処理を遂行する。
【0106】
クレジットカード会社サーバ10aは、カード利用許可信号送出S73を遂行し店舗端末12aに対して顧客のカード利用を許可し商品販売成立S72を遂行させる。この場合、上述したように暗証番号の認証処理を商品販売成立S72の中で店舗端末12aが独立して遂行させてもよく、店舗端末12aから通信回線を介してクレジットカード会社サーバ10aへ暗証番号情報を送信して照合処理を遂行してもよい。要は、リアル与信判定装置16により与信許可の判定を受けているカード利用なので安全な取引を担保することができるという利点がある。
【0107】
一方、クレジットカード会社サーバ10aは、リアル与信判定装置16が遂行する報知メッセージ送信S69により報知メッセージを受信した場合は、事故判定S70を遂行し、報知メッセージに対応する独自の報知メッセージ解析処理S70により店舗端末12aに対してクレジットカード利用不許可または本人確認情報入力要求の何れか1つの回答信号を通信回線を介して送信する。
【0108】
そして、クレジットカード会社サーバ10aまたはクレジットカード会社サーバの社員は、店舗端末12aまたは加盟店B1の店員から本人確認情報を受領し、クレジットカード利用の許否を決定することができる。勿論、店舗端末12aはS71によりクレジットカード利用不許可の情報を受信した場合は、顧客に対して別の支払方法を要求することができる。
【0109】
第2の実施形態では、リアル与信判定装置16がクレジットカード会社サーバ10a〜10cの照会情報を受信し、この照会情報に回答する報知メッセージを返信する構成について説明したが、本発明は紹介および回答方式のリアル与信判定装置16に限定されず、例えば、リアル与信判定装置16に設けた中継手段29を不活性状態から活性状態に移行させて通信回線14dを介してクレジットカード会社サーバ10からの照会に対する回答を店舗端末10の中の何れか1つへ報知メッセージとして送信するリレー方式のリアル与信判定装置16をも提供することができる。
【0110】
リレー方式のリアル与信判定装置16では、例えば、クレジットカード会社サーバ10aからカード情報および店舗端末情報を受信して、この店舗端末情報から識別される店舗端末12aへ回答として報知メッセージを送信すればよい。
【0111】
なお、本発明の実施形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0112】
10 クレジットカード会社サーバ
12 店舗端末
16 リアル与信判定装置
18 アクセスカウンタ手段
22 電話番号履歴情報データベース
26 演算制御部CPU
29 中継手段
58 判定プログラム
図1
図2
図3
図4
図5