特許第5770888号(P5770888)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5770888
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】データ転送システム及びデータ転送方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/40 20060101AFI20150806BHJP
   G06F 13/368 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   H04L12/40 B
   G06F13/368 Z
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-106692(P2014-106692)
(22)【出願日】2014年5月23日
(62)【分割の表示】特願2010-85297(P2010-85297)の分割
【原出願日】2010年4月1日
(65)【公開番号】特開2014-209740(P2014-209740A)
(43)【公開日】2014年11月6日
【審査請求日】2014年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】504378124
【氏名又は名称】スパンション エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(72)【発明者】
【氏名】谷島 秀明
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−022729(JP,A)
【文献】 特開2000−183924(JP,A)
【文献】 特開2000−201160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/40
G06F 13/368
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデータ転送装置が接続されるバスを有し、前記複数のデータ転送装置から第1のデータ転送装置をバス調停装置として選択し、バス調停装置により前記複数のデータ転送装置へ前記バスの使用権を割り当てるデータ転送システムであって、
前記バス調停装置は、前記複数のデータ転送装置のうち第2のデータ転送装置からのデータ転送要求に応じ、前記複数のデータ転送装置のうち少なくとも二つの間の接続を切断及び復帰させるトポロジー制御回路と、
前記第2のデータ転送装置からの前記データ転送要求に応じ、前記第2のデータ転送装置を代理バス調停装置として割り当て、前記バスの使用権の割り当ての許可を行えるようにする信号を出力するルート代理許可部と、を有することを特徴とするデータ転送システム。
【請求項2】
前記代理バス調停装置は、前記トポロジー制御回路による前記複数のデータ転送装置間の接続の切断及び復帰と、前記ルート代理許可部による前記第2のデータ転送装置への代理バス調停装置としての割り当てと、を抑止する信号を出力する有効代理バス調停部を有することを特徴とする請求項1に記載のデータ転送システム。
【請求項3】
前記バス調停装置は、前記第2のデータ転送装置を前記代理バス調停装置として割り当てた後、予め定められた時間の経過後、強制的に前記代理バス調停装置としての割り当てを解除する信号を出力する保持時間制限回路を有することを特徴とする請求項2に記載のデータ転送システム。
【請求項4】
複数のデータ転送装置をバスにより接続し、前記複数のデータ転送装置のうち一のデータ転送装置をバス調停装置として選択し、前記バス調停装置により前記複数のデータ転送装置への前記バスの使用権を割り当てるデータ転送方法であって、
前記複数のデータ転送装置のうち第2のデータ転送装置からのデータ転送要求に応じ、前記複数のデータ転送装置のうち少なくとも二つの間の接続を切断及び復帰させるステップと、
前記第2のデータ転送装置からの前記データ転送要求に応じ、前記第2のデータ転送装置を代理バス調停装置として割り当て、前記バスの使用権の割り当ての許可を行えるようにするステップとを有する事を特徴とするデータ転送方法。
【請求項5】
前記データ転送装置間の接続の切断及び復帰と、前記第2のデータ転送装置への代理バス調停装置としての割り当てと、を抑止するステップを有する事を特徴とする請求項4に記載のデータ転送方法。
【請求項6】
前記データ転送装置からの要求に応じ行う前記複数のデータ転送装置間の接続の切断及び復元と、前記第2のデータ転送装置からの要求により行う当該第2のデータ転送装置への前記代理バス調停装置としての割り当てと、を記憶し管理するステップを有する事を特徴とする請求項5に記載のデータ転送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ転送システム及びデータ転送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、IEEE1394の様な、ルートノードが送信権の調停を行うようなデータ転送システムにおいては、バスの使用権は常に一つの装置のみが有する。該データ転送システムにおいては、転送経路が競合しない場合であっても、一組のノード間でのデータ転送しか行えないという問題がある。なお、相互に接続し該データ転送システムを構成する一のデータ転送装置をノードと呼び、ノード間の接続形態をトポロジーと呼ぶ。また、該データ転送システムは、送信権の調停を行うルートノードを一つのみ有するとする。
【0003】
例えば、図1に示す様なノードA乃至Hを備えるデータ転送システムにおいて、ノードAとノードD間の転送と、ノードGとノードH間の転送リクエストが競合したとする。ノードA乃至Hは他のノードとデータ転送のために接続するためのポートを3個有する。なお、ルートノードはAである。
【0004】
ノードAとノードD間のデータ転送経路と、ノードGとノードH間のデータ転送経路は重ならず競合しない。しかし、データ転送経路が競合しない場合であっても、該データ転送システムにおいては、バスの使用権をバスのルートノードAに対して、バスの使用権をリクエストする。そして、ノードAとノードD間での転送又はノードGとノードH間での転送のいずれか一つの転送しか行えない。すなわち、転送帯域にかかる資源を有効活用できない。
【0005】
かかる問題を解決するために、一つのパケット転送システムの有するバスをスイッチングノードにより複数のセグメントに分割し、二つ以上の転送リクエストが競合した場合、セグメント毎に調停を行う方法がある。(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001―7819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、かかる方法では、スイッチングノード自身はリーフになることができないなど、転送のトポロジーに制限がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
複数のデータ転送装置が接続されるバスを有し、データ転送装置のうち一のデータ転送装置をバス調停装置として選択し、バス調停装置によりデータ転送装置へバスの使用権を割り当てるデータ転送システムであって、バス調停装置は、データ転送装置からのデータ転送要求に応じ、データ転送装置間の接続を切断及び復帰させるトポロジー制御回路と、データ転送装置からのデータ転送要求に応じ、一又は複数のデータ転送装置を代理バス調停装置として割り当て、バスの使用権の割り当ての許可を行えるようにする信号を出力するルート代理許可部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本願発明では、バス内のノードについて一時的にルート代理権限を割り当て代理バス調停装置とする。さらに、代理バス調停装置と、バス調停装置即ち、ルートノードと、他の代理バス調停装置との間の転送経路を一時的に切断する。これにより、データの転送状況に応じて柔軟にトポロジーの組み替えを行い、複数のデータ転送を同時に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来のデータ転送システム
図2】第1実施例に係るブロック図
図3】トポロジー変更及びルート代理許可に係る動作フロー
図4】ルート代理許可の返還及び判断に係る動作フロー
図5】ルート代理許可の保持に係る動作フロー
図6】ルート代理許可の保持タイムアウトに係る動作フロー
図7】転送実績があるバス使用権のリクエストがされた場合の動作フロー
図8】接続フラグレジスタの真理値表
図9】第1実施例に係るデータ転送システム
図10】第2実施例に係るデータ転送システム
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施例>
本実施例に係るブロック図を図2に示す。本実施例に係るバス調停装置は、トポロジー記憶回路TM、REQ内容解析回路RA、トポロジー制御回路TCを備える。
【0012】
トポロジー記憶回路TMは、装置自身のノードIDと、トポロジー即ち、システムを構成する各ノードの位置及び接続関係を記憶する。
【0013】
トポロジー記憶回路TMは、バスリセット直後のトポロジーである初期トポロジー、接続実績のあるトポロジー、現在のトポロジーについて、それぞれに番号を割り当て管理する。
【0014】
トポロジー記憶回路TMには、バスリセット後及びトポロジー変更後に、トポロジー制御回路TCから最新のトポロジーに係る情報を記憶するために、トポロジー更新信号が入力される。
【0015】
トポロジー記憶回路TMは、リクエスト内容解析の判断のための情報として、現在のトポロジー情報を含む信号であるnow topology信号をREQ内容解析回路RAへ出力する。
【0016】
有効ルート代理許可信号がREQ内容解析回路RAに通知されている場合、REQ内容解析回路RAは、トポロジー記憶回路に対して、トポロジー保持を意味するhold信号を通知する。有効ルート代理許可信号については、後述する。また、実績信号がREQ内容解析回路RAに通知されている場合、REQ内容解析回路RAからトポロジー記憶回路TMが記憶している接続実績のある実績信号に対応するトポロジーの番号topology No.信号又はhold信号が、トポロジー記憶回路TMへと通知される。REQ内容解析回路RAは、REQ内容解析回路RAから通知された情報に従って、トポロジー制御回路TCへ、要求のあった接続実績のあるトポロジーに係る情報を有するarchive topology信号を通知する。
【0017】
有効ルート代理許可信号及び実績信号がREQ内容解析回路RAに通知されていない場合、REQ内容解析回路RAはhold信号及びtopology No.信号がトポロジー記憶回路TMへ出力されないため、トポロジー記憶回路TMは、archive topology信号の出力を行わない。
【0018】
有効ルート代理許可信号は、データ転送システムが備えるノードのいずれか一つ以上のノードがルート代理許可を保持している場合にルートノードのREQ内容解析回路RAへ通知される信号である。有効ルート代理許可信号が有効になっている間は、現在のトポロジーのままで、転送することが可能である。有効ルート代理許可信号がルートノードのREQ内容解析回路RAに入力された場合は、REQ内容解析回路RAは、トポロジーを保持するように命ずる信号であるhold信号をトポロジー記憶回路TMへ出力する。
【0019】
実績信号は、以前に同じトポロジーで転送を行ったことがある場合、ルートノードのトポロジー制御回路TCから実績No.通知信号として、全ノードのREQ内容解析回路RAへ入力される信号である。トポロジーの接続実績は、トポロジー記憶回路TMによりトポロジー番号を用いて管理されている。データ転送システムの備えるノードのREQ内容解析回路RAは、実績信号として通知されたトポロジー番号をtopology No.信号としてトポロジー記憶回路TMへ通知する。
【0020】
ルートノードのREQ内容解析回路RAは、データ転送システムが備えるノードからREQ信号として通知されたデータ転送要求についてデータ転送の実現方法を検討する。なお、データ転送の実現方法の検討には、転送経路、有効ルート代理許可信号、接続実績のあるトポロジー、現在のトポロジーに係る情報を用いる。
【0021】
ここで、データ転送の実現方法とは、リクエスト内容を満足させるようにトポロジーを変更することを意味する。トポロジーの変更とは、ノード間の接続の切断、及び、ノードに対してルート代理許可を発行することを意味する。データ転送の実現方法の検討に係る動作フローについては後述する。
【0022】
有効ルート代理許可信号がルートノードのREQ内容解析回路RAに通知されている場合、REQ内容解析回路RAからhold信号がトポロジー記憶回路TMへ通知される。また、ノードから要求されたデータ転送要求に対応する実現方法が、接続実績のあるトポロジーへの変更であった場合、REQ内容解析回路RAは、トポロジー記憶回路TMへ接続実績に対応するtopology No.信号の通知を行う。トポロジー記憶回路TMは、トポロジー制御回路TCへ、要求のあった接続実績のあるトポロジーに係る情報を含むarchive topology信号を出力する。また、この場合、REQ内容解析回路RAは、トポロジー制御回路TCへ新規のトポロジー変更内容を通知するnew topology信号を抑止する。
【0023】
また、有効ルート代理許可信号がルートノードのREQ内容解析回路RAに一定時間以上通知され続けた場合、ルートノードREQ内容解析回路RAは、ルート代理許可を有するノードに対して、保持タイムアウト信号を通知する。保持タイムアウト信号は、一定時間以上ルート代理許可を有するノードに対して、ルート代理許可を返還させる旨の通知を行う信号である。
【0024】
有効ルート代理許可信号がルートノードのREQ内容解析回路RAに通知されていない場合、及び、要求のあったデータ転送の実現方法について接続実績が無い場合、ルートノードのREQ内容解析回路RAは、新規のトポロジーを検討する。検討した結果、転送経路の競合が起こるなど同時転送が不可能だと判断した場合、一方にノードに対し転送を許可するGrant(GNT)信号、他方のノードには、転送を拒否する拒否信号を送る。同時転送が可能だと判断した場合、一方のノードにGNT信号を送り、他方のノードにはルート代理許可信号を送る。また、トポロジー制御回路TCに対し、トポロジー変更内容をnew topology信号として通知する。
【0025】
ルートノードのREQ内容解析回路RAよりトポロジー制御回路TCにルート代理許可信号が通知されたノードは、ルート代理ノードとなる。ルート代理ノードは、ルート代理権限を有する間は、トポロジー制御回路TCより、有効ルート代理信号を出力する。
【0026】
ここで、REQ内容解析回路RAに入力されるREQ信号及び転送経路信号の内容について記載する。REQ信号は0又は1の何れか一つの値を通知する信号であり、REQ信号の値が1であるときは転送リクエスト要求が存在することを意味する。また、転送経路信号は、どのノードからどのノードへの転送要求であるかという情報を備える。
【0027】
ルートノードのトポロジー制御回路TCは、トポロジー記憶回路TMからarchive topology信号、又は、REQ内容解析回路RAからnew topology信号の通知を受け、データ転送システム全体に対し、トポロジー変更信号を用いて接続変更を指示する。また、archive topology信号が入力された場合は、対応するトポロジー番号の情報を含む実績No.通知信号をシステム全体に対して通知する。更に、自身のトポロジー記憶回路TMに対し、topology更新信号を発行し、新トポロジーの記憶を行う様に指示する。
【0028】
ルートノードのトポロジー制御回路TCには、archive topology信号あるいはnew topology信号のいずれか一方のみが入力される。トポロジー制御回路TCから出力されるtopology更新信号及びトポロジー変更信号は、トポロジー制御回路TCに入力された信号と同一の内容となる。
【0029】
ルートノード以外のトポロジー制御回路TCには、ルートノードのトポロジー制御回路TCから発行されたトポロジー変更信号が通知される。ルートノードを含む全ノードのトポロジー制御回路TCは、トポロジー変更信号に応じ、ノード間の接続の切断及び復元を行う。ノード間の接続及び復元の方法については、後述する。
【0030】
次に、本実施例を用いたときの動作フローについて図3に示す。なお、データ転送システム全体のトポロジーは図1に示すデータ転送システムと同じトポロジーとする。また、データ転送システムの備えるノードは全て本実施例に係るバス調停装置を有するとする。
【0031】
図3に示す動作フローは、ノードGからノードHへのデータ転送に用いるためのバス使用権のリクエストと、ノードDからノードAへのデータ転送に用いるためのバス使用権のリクエストが同時にルートノードAに要求された場合を想定している。これら二つのバス使用権のリクエストについて転送経路は競合しない。
【0032】
該二つのバス使用権のリクエストがノードG及びノードDからルートノードであるノードAへと通知される(S0)。
【0033】
ルートノードAのREQ内容解析回路RAは、ノードG及びノードDからREQ内容解析回路RAに入力されたREQ内容を解析し、どちらのノードにGNT信号を発行するか判断する(S2)。今回の場合、ルートノードAのREQ内容解析回路は、ノードDに対してGNT信号を発行すると判断する。
【0034】
次に、REQ内容解析回路RAは、ノードGからノードHへのデータ転送に用いる転送経路と、ノードDからノードAへのデータ転送に用いる転送経路との双方の転送経路に、重複する転送経路が無いかどうか判断を行う(S4)。
【0035】
図1に示すシステムにおいて、ノードGからノードHへの転送経路と、ノードDからノードAへの転送経路は重複していない。そして、このシステムの場合、ノードAとノードBの接続及びノードAとノードCの接続を切断し、ノードGにルート代理許可を与えれば、ノードGからノードHへのデータ転送及びノードDからノードAへのデータ転送を同時に実現可能である。
【0036】
この場合、ルートノードAのREQ内容解析回路RAは、REQ信号を出力したノードDとノードGのうち、GNT信号を発行していないノードGに対してルート代理許可信号を発行すると判断する。
【0037】
ルートノードAのトポロジー制御回路TCが、ノードAとノードB間の接続、及び、ノードAとノードC間の接続を切断するようにトポロジー変更信号を出力する(S6)。
【0038】
そして、ルートノードAのREQ内容解析回路RAは、ノードGに対して、ルート代理許可信号を発行し、ノードGが一時的に代理ルートノードとなる(S8)。そして、ノードGがノードHへデータを転送する。
【0039】
ルートノードAはノードDにGNT信号を出力する(S10)。GNT信号を受信し転送が許可されたノードDはノードAへデータを転送する。
【0040】
ノードG及びノードDはデータ転送が終了すると、REQ信号の値を1から0へと変化させ、データ転送が終了したことをルートノードAに通知する(S12、S14)。ノードGはルート代理許可をルートノードAに返還する(S14)。
【0041】
データ転送の終了がルートノード装置Aに通知なされると、ルートノードAのトポロジー制御回路TCは、元のトポロジーに戻すようトポロジー変更信号を出力する(S16)。トポロジー変更信号を受け、ノードAとノードB間の接続と、ノードAとノードC間の接続が再接続され、元のトポロジーに戻る。以上でデータ転送を終了する(SE)。
【0042】
次に、データ転送終了後に、ルート代理許可を保持するか否かの判断を行う場合の動作フローについて図4に示す。
【0043】
ノードGから引き続きREQ信号の値が1として出力されている場合、即ち、ノードGからノードHへ継続してデータ転送が行われる場合、ノードGはルート代理許可を返還しない(S20:No)。この場合、ノードGはルートノードAに対して有効ルート代理許可信号を出力し続ける(S22)。ルートノードAのREQ内容解析回路RAは、該有効ルート代理許可信号を受け、トポロジー変更信号を出力せず現状のトポロジーを維持する(S24)。ノードGは、ルート代理許可を保持し続ける(S30)。
【0044】
ノードGがデータ転送を終了する場合、ノードGがREQ信号の値を1から0とし、ノードGはルート代理許可を返還する(S20:Yes)。この場合、ノードGはルートノードAに対する有効ルート代理許可信号を抑止し、ルート代理許可を返還する旨をルートノードAに通知する(S26)。該ルート代理許可の返還及びノードAノードD間のデータ転送の終了を受け、ルートノードAはトポロジーを元に戻す(S28)。以上で処理を終了する(SE)
【0045】
引き続き、ノードGが有効ルート代理許可信号を出力し続け、ノードGがルート代理許可を保持していた場合におけるフローについて図5に示す。
【0046】
ステップS30の後、再度ノードGとノードH間のバス使用権のリクエストがノードGよりルートノードAへと通知される(S32)。ここで、ルート代理許可をノードGが有しているか否かが判断される(S34)。仮に、ノードGがルート代理許可を有していない場合は、図3のステップS2へと移行する(S34:No)。ノードGがルート代理許可を有している場合は、そのままのトポロジーでノードGとノードH間のデータ転送が行われる(S36)。データ転送終了後、再度ルート代理許可を返還するか否かの判断が行われる(図4:S20)。
【0047】
ルート代理許可の判断時にタイマーによる保持タイムアウト制限を適用する場合のフローについて図6に示す。
ルート代理ノードは、データ転送後、ルート代理許可を返還するか否か判断を行う(S20)。該判断時において、継続して転送するデータが存在しない場合は、ルート代理許可を返還すると判断する(S20:Yes)。そして、ノードGはルートノードAへルート代理許可を返還する(S26)。そして、ルートノード装置Aは、トポロジーを元に戻し(S28)、データ転送を終了する(SE)。
【0048】
継続して転送するデータが存在する場合は、ノードGはルート代理許可を返還しない(S20:No、S40)。ここで、ルートノードのREQ内容解析回路RAは、ルート代理許可の保持タイムアウト制限を超過しているか否かをチェックする(S42)。ここで、保持タイムアウト制限を超過していない場合(S42:Yes)、ノードGは、ルート代理許可を継続保持する(S44)。
【0049】
保持タイムアウト制限を超過している場合(S46)、ルートノードAは、ノードGに対し、保持タイムアウト信号を出力する。保持タイムアウト信号が入力されたノードGは、ルート代理許可を返還する(S46)。そして、ルートノードAは、切断されたノード同士の接続の復帰を行う(S48)。データ転送システムは、元のトポロジーに戻り、データ転送を終了する(SE)。
【0050】
要求される転送経路の組み合わせについて、転送実績を判断する場合のフローについて図7に示す。
【0051】
ルートノードAへ、ノードGからノードGとノードH間のデータ転送のためのバス使用権のリクエスト及びノードDからノードDとノードA間のデータ転送のためのバス使用権のデータ転送リクエストが同時に通知される(S50)。
【0052】
ルートノードAのREQ内容解析回路RAは、REQ信号として通知されたデータ転送リクエストに応じた転送実績が存在するか否かを判断する(S52)。転送実績が無いと判断される場合(S52:No)、図3のステップS2へと移行する。
【0053】
転送実績があると判断される場合(S52:Yes)、転送実績に基づき、ルートノードAのトポロジー制御回路TCは、配下のノードのREQ内容解析回路RAに対して実績No.通知信号として、実績信号を通知する。また、ルートノードAのトポロジー制御回路TCは、配下のノードのトポロジー制御回路TCに対してトポロジー変更信号を通知する。以下の流れは図3に示すステップS6乃至ステップS10のフローと同様である。実績信号及びトポロジー変更信号が入力されたノードAのトポロジー制御回路TCは、ノードAとノードB間の接続及びノードAとノードC間の接続を切断する(S6)。また、ルートノードAは転送実績に基づき、ノードGに対してルート代理許可信号を発行する(S8)。また、ノードAは転送実績に基づき、ノードDに対してGNT信号を発行する(S10)。以下、図3乃至6に示すフローの通りに動作を行う。
【0054】
実績のあるトポロジーをトポロジー記憶回路TMにより記憶し、要求される転送経路の組み合わせについて、転送実績を判断し用いることで、転送の実現方法に係る処理を低減することが可能となる。
【0055】
ノード間の接続の切断及び接続の復帰を行うための動作について説明を行う。本実施例では、トポロジー制御回路TCの備える接続フラグレジスタによりノード間の接続を管理し、ノード間の切断及び接続の復帰を実現する。
【0056】
接続フラグレジスタの真理値表を図8に示す。接続フラグレジスタは、レジスタPhysical Port Connection(PPC)[0]乃至[m−1]、レジスタDisconnect[0]乃至[m−1]、レジスタPort Connection(PC)[0]乃至[m−1]を備える。ここで、mはノードの有するポートの数である。
【0057】
レジスタPPC[n]は、物理的なポート接続認識の可否を示すレジスタである。データ転送装置のポートnにケーブルが接続されていない場合、値0を示す。なお任意の整数nはポートの番号を示す。
【0058】
レジスタDisconnect[n]は、トポロジー制御回路TCにより制御されるポート接続解除を示すレジスタである。同時転送を行うために、ポートnの接続を解除するために用いられる。
【0059】
レジスタPC[n]は、ポート接続認識の可否を示すレジスタであり、該レジスタの値が0であるときは、物理的な接続に係わらず、ポートn番の接続を解除することが可能である。レジスタPC[n]はレジスタDisconnect[n]及びレジスタPPC[n]が0の場合、0となる。レジスタDisconnect[n]の値を0とすることで、レジスタPC[n]の値を強制的に0とする。レジスタPC[n]の値が0となる場合、トポロジー制御回路TCは、例えば、外部に存在するデータ転送装置間の物理的接続を制御するPHYのレジスタを制御し、ポートnの接続を解除する。これにより、同時データ転送を実現することが可能となる。
本実施例開示の方法によらないで、例えば、直接レジスタPPC[n]の保持する値を強制的に変更し、ノード間の接続の切断及び復帰を行う場合、IEEE1394規格においては、バスリセットが発生する。バスリセットが発生すると、その間データ転送を行うことが出来なくなる。よって、頻繁にノード間の接続の切断及び復帰が頻繁に発生すると、その度にバスリセットが発生し、かえって転送効率が低下する。本実施例開示のレジスタPPC[n]を用いる方法によると、かかる転送効率の低下を抑止できる。
【0060】
図9に示すデータ転送システムにおいて、ルートノードAのREQ内容解析回路RAへ、ノードGからノードGとノードH間のデータ転送要求、ノードDからノードDとノードA間のデータ転送要求が同時になされた場合の動作を説明する。同時転送を行うために、ルートノードAのREQ内容解析回路RAは、ノードAとノードB、ノードAとノードC間の接続を切断する旨を判断する。接続を切断するためには、ノードAのポート0及びポート1、ノードBのポート1、ノードCのポート1の接続を解除すればよい。
【0061】
ルートノードAは、REQ内容解析回路RAからnew topology信号を出力し、トポロジー制御回路TCからトポロジー変更信号をノードA、B、Cに送信する。
【0062】
ノードA,B,Cは、受信したトポロジー変更信号に基づき、各ノードが有するレジスタDisconnect[1]の値を1から0へと変更する。ノードAについては、レジスタDisconnect[0]の値についても1から0へと変更する。
【0063】
ノードB、CのレジスタDisconnect[1]の値が1から0へと変更されるため、レジスタPC[1]の値が1から0へと変更さる。結果として、ノードBのポート1、ノードCのポート1について接続が認識されなくなる。また、ノードAのレジスタDisconnect[0]、[1]の値が1から0へと変更されたため、レジスタPC[0]及び[1]の値が1から0へと変更される。結果として、ノードAのポート0、ポート1の接続が解除される。これにより、ノードAとノードB間の接続、ノードAとノードC間の接続が切断される。
【0064】
接続の復帰を行うための動作について述べる。ルートノードAが、接続の復帰を行う動作を開始する。ルートノードAは、トポロジー記憶回路TMから、接続の切断前のトポロジーを読み出し、トポロジー制御回路TCからトポロジー変更信号をノードBとノードCに出力する。
【0065】
トポロジー変更信号を受信したノードB及びノードCは、受信したトポロジー変更信号に基づき、レジスタDisconnect[1]の値を0から1に変更する。レジスタDisconnect[1]の値が1となったため、レジスタPC[1]の値が0から1へ変化し、接続が復帰する。
【0066】
<第2実施例>
第1実施例に係る回路を備えるノードと、第1実施例に係る回路を備えない従来の装置が混在するデータ転送システムにおいて、同時データ転送を実現する装置及び方法について述べる。
【0067】
図10に示すデータ転送システムを構成するノードA乃至Jのうち、ノードA、ノードC、ノードGが本実施例に係る回路を備える装置、他のノードは本実施例に係る回路を備えない装置であるとする。
【0068】
該データ転送システムにおいては、電源投入時において、本実施例に係る回路を備える装置であるノードA、ノードC、ノードGのいずれか一つがルートノードとなるように設定する。これは、電源投入をルートノードとしたいノードから順に電源を投入することで実現可能である。以下の説明では、ノードAをルートノードとする場合について述べる。
【0069】
また、何らかの理由によりバスリセットが発生した場合、本実施例に係る回路を備えない装置の一つがルートノードとなることを防止するため、本実施例に係る回路を備えるノードA,ノードC、ノードGの何れか一つを強制的にルートノードとする。これは、例えばIEEE1394規格において、force−root信号を用いて実現可能である。
【0070】
該データ転送システムにおいて、ノードCからノードAへのデータ転送、ノードGからノードBへのデータ転送、ノードFからノードHへのデータ転送、ノードDからノードJへのデータ転送リクエストが同時になされた場合の動作フローを以下に示す。
【0071】
該データ転送リクエストがなされる前に行われるノード認識の際に、ルートノードAは、ノードB、ノードH、ノードIが本実施例に係る回路を備えた装置であることを認識する。
ノードC、G、F、DからルートノードAへデータ転送リクエストを通知するREQ信号が出力される。
【0072】
ルートノードAは、該4つの転送リクエストの経路に重複パスが存在しない事を判断する。また、ルートノードAは、ノードAとノードB間の接続、ノードAとノードD間の接続、ノードBとノードF間の接続を切断することで、同時転送可能であることを判断する。そして、ルートノードAはノードDにGNT信号、ルート代理となることが可能なノードB、H、Iにルート代理許可信号を出力する。また、ルートノード装置Aは、トポロジー変更信号を出力し、ノードAとノードB間の接続、ノードAとノードD間の接続、ノードBとノードF間の接続を切断する。
【0073】
ノードCからノードAへのデータ転送、ノードGからノードBへのデータ転送、ノードFからノードHへのデータ転送、ノードDからノードJへのデータ転送の全てについて、データ転送が完了する。
【0074】
データ転送の終了により、トポロジーの復元、及び、ルート代理許可を無効化し、元のトポロジーに戻る。
【0075】
以下、実施例の奏する効果について述べる。
ルート代理許可信号によりルート代理権限を付与されたノードが、継続してデータ転送が必要な場合、有効ルート代理信号をルートノードのREQ内容解析回路RAに対して通知することで、継続してルート代理ノードとなることが可能となる。これにより、同じ転送リクエストが発生した場合の判断処理を低減することが可能となる。
【0076】
トポロジー記憶回路TMにより実現したトポロジーを記憶し、トポロジー番号により管理する。これにより、過去に行われた転送リクエストと同じ転送リクエストがなされた場合の判断処理を低減することが可能となる。
【0077】
特定ノードによりルート代理権限が長期間独占された場合、トポロジー変更が不可能であるため、切断されたノード間の接続を経由したデータ転送が不可能となる。一定時間以上ルート代理許可信号が通知され続けた場合は、ルート代理権限を有するノードへ保持タイムアウト信号を通知することで、ルート代理権限を返還させる。これにより、特定ノードによるルート代理権限独占を防止することが可能となる。
【0078】
以下、発明の諸態様を付記としてまとめる。
【0079】
<付記1>
複数のデータ転送装置が接続されるバスを有し、前記データ転送装置のうち一のデータ転送装置をバス調停装置として選択し、前記バス調停装置により前記データ転送装置へバスの使用権を割り当てるデータ転送システムであって、
前記バス調停装置は、前記データ転送装置からのデータ転送要求に応じ、前記データ転送装置間の接続を切断及び復帰させるトポロジー制御回路と、
前記データ転送装置からのデータ転送要求に応じ、一又は複数の前記データ転送装置を代理バス調停装置として割り当て、前記バスの使用権の割り当ての許可を行えるようにする信号を出力するルート代理許可部と、を有することを特徴とするデータ転送システム。
<付記2>
前記代理バス調停装置は、前記トポロジー制御回路による前記データ転送装置間の接続の切断及び復帰と、前記ルート代理許可部による前記データ転送装置への代理バス調停装置としての割り当てと、を抑止する信号を出力する有効代理バス調停部を有することを特徴とする付記1に記載のデータ転送システム。
<付記3>
前記バス調停装置は、前記データ転送装置からの要求に応じ行う前記トポロジー制御回路による前記データ転送装置間の接続の切断及び復元と、前記データ転送装置からの要求に応じ行う前記ルート代理許可部による一又は複数の前記データ転送装置への前記代理バス調停装置としての割り当てと、を記憶し管理するトポロジー記憶回路を有することを特徴とする付記1又は2に記載のデータ転送システム。
<付記4>
前記バス調停装置は、前記データ転送装置を前記代理バス調停装置として割り当てた後、予め定められた時間の経過後、強制的に前記代理バス調停装置としての割り当てを解除する信号を出力する保持時間制限回路を有することを特徴とする付記2又は3に記載のデータ転送システム。
<付記5>
複数のデータ転送装置をバスにより接続し、前記データ装置のうち一のデータ転送装置をバス調停装置として選択し、前記バス調停装置により前記データ転送装置へバスの使用権を割り当てるデータ転送方法であって、
前記データ転送装置からのデータ転送要求に応じ、データ転送装置間の接続を切断及び復帰させるステップと、
前記データ転送装置からのデータ転送要求に応じ、一又は複数の前記データ転送装置を代理バス調停装置として割り当て、前記バスの使用権の割り当ての許可を行えるようにするステップとを有する事を特徴とするデータ転送方法。
<付記6>
前記データ転送装置間の接続の切断及び復帰と、前記ルート代理許可部による前記データ転送装置への代理バス調停装置としての割り当てと、を抑止するステップを有する事を特徴とする付記5に記載のデータ転送方法。
<付記7>
前記データ転送装置からの要求に応じ行う前記データ転送装置間の接続の切断及び復元と、前記データ転送装置からの要求により行う一又は複数の前記データ転送装置への前記代理バス調停装置としての割り当てと、を記憶し管理するステップを有する事を特徴とする付記5又は6に記載のデータ転送方法。
<付記8>
前記データ転送装置を前記代理バス調停装置として割り当てた後、予め定められた時間の経過後、強制的に前記代理バス調停装置としての割り当てを解除するステップを有する事を特徴とする付記6又は7に記載のデータ転送方法。
【符号の説明】
【0080】
TM トポロジー記憶回路
RA REQ内容解析回路
TC トポロジー制御回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10