(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
装置本体に回動可能に支持されマガジンから供給されるホッグリングを装填して締結する装填締結部を有する一対のジョーと、前記ホッグリングを前記装填締結部に送るフィーダブレードと、前記装填締結部に装填された前記ホッグリングの後退を阻止するラッチと、前記ラッチを支持するよう前記装置本体に固定されたサイドプレートと、を備え、前記ホッグリングを被締結物に締結するホッグリング締結装置であって、前記フィーダブレードの送り方向に直交する方向で、前記ラッチの上側への移動を規制する上側移動規制部および下側への移動を規制する下側移動規制部により構成される移動規制部が形成され、前記装置本体に固定された移動規制部材を有することを特徴とするホッグリング締結装置。
前記移動規制部材が、前記サイドプレートの外側面に重なるようにして前記サイドプレートとともに前記装置本体に固定されたアタッチメントからなることを特徴とする請求項1に記載のホッグリング締結装置。
前記移動規制部材が、前記サイドプレートの外側面に重なるようにして前記サイドプレートとともに前記装置本体に固定され、前記ラッチを前記サイドプレートの前記外側面から内側面の方向に押し付けるラッチスプリングからなることを特徴とする請求項1に記載のホッグリング締結装置。
前記装置本体が、エアシリンダと前記エアシリンダ内に収容されたピストンと前記ピストンに連結され、前記ピストンの移動に伴って移動するピストンロッドと、前記エアシリンダに空気圧を供給する空圧回路と、前記空圧回路を切り換えることによって前記ピストンの移動方向を切り換える切換弁とを有し、前記フィーダブレードが前記ピストンロッドと連結されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1の請求項に記載のホッグリング締結装置。
前記ピストンロッドが、前記ピストンに連結される連結部と反対側の端部に一対のローラを有し、前記一対のジョーが、前記一対のローラの一方と接触する上側接触傾斜面を有する上側ジョーと、前記一対のローラの他方と接触する下側接触傾斜面を有する下側ジョーとからなり、前記装填締結部が、前記上側ジョーに形成され前記ホッグリングを保持する上側保持面と、前記下側ジョーに形成され前記ホッグリングを保持する下側保持面とを有し、前記ローラが、前記装填締結部の方向に移動し前記上側保持面と前記下側保持面とが離隔して前記上側保持面と前記下側保持面との間に前記ホッグリングが装填され、前記ローラが、前記装填締結部と反対側の方向に移動し前記上側保持面と前記下側保持面とが近接して前記ホッグリングを押し付けることにより締結することを特徴とする請求項4に記載のホッグリング締結装置。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係るホッグリング締結装置を適用した第1実施形態に係るCリンガー10および第2実施形態に係るCリンガー20について、
図1〜
図18(a)、
図18(b)を参照して説明する。
【0028】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態に係るCリンガー10の構成を説明する。
Cリンガー10は、
図1〜
図3に示すように、ハウジング2と、キャップ3と、マガジン4と、フィーダブレード駆動機構5と、フィーダブレード6と、ジョー7と、右サイドプレート11と、左サイドプレート12と、ラッチ13とを備えている。
【0029】
Cリンガー10は、さらに、ラッチサポートアタッチメント14と、ラッチスプリング15と、ショルダーボルト16と、ショルダーボルト16にねじ結合するロックナット17と、を備えている。
このCリンガー10は、後述するCリングRを締結することにより、例えば、線材と線材、スプリングと枠線、線材と布地やプラスチックなどの被締結物を結束する。
【0030】
第1実施形態のハウジング2は、本発明の装置本体を構成し、第1実施形態のジョー7は、本発明の一対のジョーを構成し、第1実施形態の左サイドプレート12は、本発明のサイドプレートを構成し、第1実施形態のCリングRは、本発明のホッグリングを構成する。また、第1実施形態のラッチサポートアタッチメント14は、本発明のアタッチメントからなる移動規制部材を構成する。
【0031】
ハウジング2は、
図3に示すように、プラスチックや軽合金などの成型材料により一体成型され、
図2に示すように、内部に円筒状のエアシリンダ21と、空気流路22、23、24とが形成されている。また、
図3に示すように、ハウジング2には、フィーダブレード駆動機構5の後述するピストンロッド33を通すロッド孔25と、バルブ35aを収容するバルブ収容孔26とが形成されている。
【0032】
さらに、ハウジング2には、右サイドプレート11および左サイドプレート12をハウジング2に固定するショルダーボルト16を通す貫通孔27と、キャップ3を固定するボルトをねじ結合させる図示しないねじ孔が形成されている。
【0033】
空気流路22には、
図1に示す空気圧供給ホースHが接続され、図示しない圧縮空気供給装置から空気圧供給ホースHを介して空気圧が空気流路22の入口部分に供給されるようになっている。空気流路23、24は、それぞれ後述するバルブ35aの排気ポートに連通している。
【0034】
キャップ3は、ハウジング2の後部を閉塞する蓋からなり、キャップ3をハウジング2に固定するボルトを通す貫通孔3aが形成されている。
【0035】
マガジン4は、ハウジング2にCリングRを供給するよう内部にCリングRを装填するようになっている。ここで、ハウジング2に供給されるCリングRは、
図4に示すように、C文字形状に成型した金属線からなる。金属線としては、例えば、亜鉛メッキ鉄線、亜鉛アルミ合金線、塩ビコーティング鉄線、ステンレス線などが挙げられ、用途に応じてサイズが異なる。
【0036】
このCリングRは、複数個、例えば、100個程度、テープTなどの柔軟性のある材料で互いに連結され、一連の連結体Aとしてマガジン4に装填される。マガジン4に装填されたCリングRの連結体Aは、ハウジング2に供給される際に、マガジン4の図示しないマガジンシューで1個ずつ分離されて、フィーダブレード駆動機構5によりジョー7に送られるようになっている。
【0037】
フィーダブレード駆動機構5は、
図3に示すように、ハウジング2内に形成されたエアシリンダ21を構成するシリンダ31と、シリンダ31に収容されたピストン32と、ピストンロッド33と、ローラ34と、空気圧供給回路部35と、トリガー36と、トリガーガード37とを含んで構成されている。フィーダブレード駆動機構5は、フィーダブレード6をシリンダ31の軸線方向に往復移動させるようになっている。
【0038】
シリンダ31は、
図5に示すように、ハウジング2内に円筒状に形成された空間からなり、内部にピストン32とピストンロッド33の一部を収容し、ポート31a、31bと、貫通孔31cとを有している。ポート31a、31bから空気圧が供給および排出されるようになっている。貫通孔31cには、ピストンロッド33が移動可能に挿入されており、内部にピストン32とピストンロッド33の一部を収容した後に、内部空間から空気が漏出しないよう閉塞されている。
【0039】
ピストン32は、円環状に形成されシリンダ31内の軸線方向に滑らかに往復移動できるようになっている。シリンダ31のポート31aから空気圧が供給されると、ポート31bから空気圧が排出されピストン32は、
図5の紙面右方向に移動し、ポート31bから空気圧が供給されると、ポート31aから空気圧が排出されピストン32は、
図5の紙面左方向に移動するようになっている。
【0040】
ピストンロッド33は、円柱状に形成されており一端の連結部でピストン32に連結され、ピストン32の往復移動に伴って往復移動するようになっている。ピストンロッド33の他端は、貫通孔33a、33bおよびスリット33cが形成されたローラ取付部33dを有している。
【0041】
ローラ34は、
図3に示すように、ローラ34a、34b、34c、34dと、ローラピン34e、34fとを有している。ローラピン34eは、ローラ取付部33dの貫通孔33aに挿入され、ローラ34a、34bを回転可能に支持し、ローラピン34fは、ローラ取付部33dの貫通孔33bに挿入され、ローラ34c、34dを回転可能に支持している。
【0042】
空気圧供給回路部35は、
図5に示すように、バルブ35a、ステム35bと、前述の空気流路22、23、24と、バルブ35aとシリンダ31のポート31aとを連通する空気流路35cと、バルブ35aとシリンダ31のポート31bとを連通する空気流路35dとを有している。
【0043】
第1実施形態のバルブ35aは、本発明の切換弁を構成し、第1実施形態の空気流路22、23、24、35cおよび35dは、本発明の空圧回路を構成する。
【0044】
バルブ35aは、ステム35bと連結されており、ステム35bが押されることにより、a、b、cの3つの位置を採りうる方向切換弁からなる。トリガー36が作業者の指で引かれるとステム35bが押されて、バルブ35aは、b位置を介してc位置となり、空気流路22と空気流路35dとポート31bとが連通し、圧縮空気供給装置から空気圧がポート31bに供給される。また、ポート31aと空気流路35cと空気流路22とが連通し、シリンダ31内の空気がポート31aから排出され、ピストン32が紙面左方向に移動する。
【0045】
この状態、すなわちピストン32が紙面左方向に移動した状態から、トリガー36から作業者の指が離れたときには、トリガー36は元に位置に復帰するとともに、バルブ35aは、b位置を介して
図5に示すa位置となり、空気流路22と空気流路35cとポート31aとが連通し、圧縮空気供給装置から空気圧がポート31aに供給される。また、ポート31bと空気流路35dと空気流路24とが連通し、シリンダ31内の空気がポート31bから排出され、ピストン32が紙面右方向に移動する。
【0046】
ステム35bは、バルブ35aと連結されるとともにトリガー36と接続され、トリガー36により押されるとバルブ35aをc位置に切り換え、トリガー36で押されることが解除されるとa位置に切り換えるようになっている。
【0047】
トリガー36は、
図3に示すように、中央部が屈曲して形成され一端部を支点にして回動可能にハウジング2に支持されており、作業者の指で中央部分が引かれる際に指が屈曲面にフィットするようになっている。作業者の指が中央部分から離れると元の位置に復帰するようになっている。
トリガーガード37は、トリガー36を囲むようにしてハウジング2に固定されており、トリガー36に不測の外力が加わらないようトリガー36を保護している。
【0048】
フィーダブレード6は、平板状に形成され、一端部でローラ取付部33dのスリット33cに嵌め込まれ、ローラピン34e、34fが挿入される貫通孔6aと、他端部でラッチ13の中央部との干渉を避ける切欠き6bとを有している。フィーダブレード6は、一端部でローラ取付部33dに保持されてハウジング2内をピストンロッド33の軸線方向に往復移動するとともに、他端部でCリングRを押すようになっている。
【0049】
ジョー7は、上側ジョー41と、下側ジョー42と、上側ブッシング43と、下側ブッシング44と、ジョーボルト45と、ロックナット46とを有している。
【0050】
上側ジョー41は、先端部に形成されCリングRの上側を保持して締結するよう並行する2つの溝が形成された底面からなる上側保持面41aと、CリングRの移動をガイドするようを溝形状の底面からなる上側ガイド面41bとを有している。
【0051】
また、上側ジョー41は、他端部に形成されローラ34a、34bと接触する上側接触傾斜面41cと、上側保持面41aと上側接触傾斜面41cとの間に形成された貫通孔41dとを有している。貫通孔41dには、上側ブッシング43が挿入され、上側ジョー41は、上側ブッシング43の軸心を回動中心として上側ジョー41が回動可能になっている。
【0052】
下側ジョー42は、上側ジョー41と同様、先端部に形成されCリングRの下側を保持して締結するよう並行する2つの溝が形成された底面からなる下側保持面42aと、CリングRの移動をガイドするよう溝形状の底面からなる下側ガイド面42bとを有している。
【0053】
また、下側ジョー42は、他端部に形成されローラ34c、34dと接触する下側接触傾斜面42cと、下側保持面42aと下側接触傾斜面42cとの間に形成された貫通孔42dとを有している。貫通孔42dには、下側ブッシング44が挿入され、下側ジョー42は、下側ブッシング44の軸心を回動中心として下側ジョー42が回動可能になっている。
【0054】
なお、上側ジョー41の上側保持面41aと下側ジョー42の下側保持面42aとにより、CリングRを装填するとともに締結する装填締結部48が構成される。
【0055】
上側ブッシング43および下側ブッシング44は、それぞれ貫通孔43a、44aを有しており、ハウジング2の貫通孔27に挿入されるとともに、各貫通孔43a、44aには、それぞれジョーボルト45が挿入される。
【0056】
ローラ34a、34bが上側接触傾斜面41cに接触するとともに、ローラ34c、34dが下側接触傾斜面42cに接触しつつ、ローラ34a、34b、34c、34dがピストンロッド33の軸線方向に移動するようになっている。ローラ34a、34b、34c、34dが、上側保持面41aおよび下側保持面42aに近づく方向に移動すると、上側保持面41aおよび下側保持面42aが互いに離隔する。
【0057】
一方、ローラ34a、34b、34c、34dが上側保持面41aおよび下側保持面42aから離れる方向に移動すると、上側保持面41aおよび下側保持面42aが互いに近接する。
【0058】
上側保持面41aおよび下側保持面42aが互いに離隔すると、CリングRが上側保持面41aおよび下側保持面42aに装填されるとともに、上側保持面41aおよび下側保持面42aが互いに近接すると、上側保持面41aおよび下側保持面42aでCリングRを押し付けることでCリングRが一部分で切り離されたC形状のリングから一部分が重なった略円環状のリングに変形して締結される。
【0059】
第1実施形態の上側保持面41aおよび下側保持面42aは、本発明の装填締結部を構成している。
【0060】
右サイドプレート11は、平板状に形成され、ハウジング2の右側面に取り付けられる。
右サイドプレート11は、ピストンロッド33の軸線方向の先端部に形成された貫通孔11a、11b、11cと、後端部に形成された貫通孔11d、11eと、中央下部に形成された貫通孔11fとを有している。
【0061】
貫通孔11a、11bには、ジョーボルト45が挿入され、貫通孔11cにはトリガーガード37をハウジング2に固定する図示しない固定ピン挿入される。また、貫通孔11d、11eには、ショルダーボルト16が挿入され、貫通孔11fにはトリガー36を回動可能にハウジング2に支持する図示しないトリガーピンが挿入される。
【0062】
左サイドプレート12は、右サイドプレート11と同様、平板状に形成され、ハウジング2の左側面に取り付けられる。
左サイドプレート12は、
図3、
図6(a)、
図6(b)に示すように、ラッチ13を支持するラッチ支持部12aを有している。このラッチ支持部12aは平坦な側面で形成されており、この平坦な側面にラッチ13が突き当たることでラッチ13を支持するようになっている。
【0063】
また、左サイドプレート12は、ピストンロッド33の軸線方向の先端部近傍に、貫通孔12c、12d、12eと、後端部に形成された貫通孔12f、12gと、中央下部に形成された貫通孔12hとを有している。
【0064】
貫通孔12c、12dには、ジョーボルト45が挿入され、貫通孔12eにはトリガーガード37をハウジング2に固定する図示しない固定ピン挿入される。また、貫通孔12f、12gには、ショルダーボルト16が挿入され、貫通孔12hにはトリガー36を回動可能にハウジング2に支持する図示しないトリガーピンが挿入される。
【0065】
ラッチ13は、
図3、
図6(a)、
図6(b)、
図7に示すように、平板状に形成されたプレート51と、プレート51の右側面の中央部分から突出して形成されたガイド52とを有している。
プレート51は、略長方形になっており、前方上部の側面S1と、前方下部の側面S2でラッチスプリング15に接触し、ラッチスプリング15でガイド52の突出方向に押し付けられて支持されている。
【0066】
また、プレート51の前方下部の右側面S3で、
図3に示す下側ジョー42の左側面J1と接触している。したがって、プレート51は、ガイド52の突出方向において、ラッチスプリング15と下側ジョー42の左側面J1とにより支持されている。
【0067】
また、プレート51の後方の側面S4で、左サイドプレート12のラッチ支持部12aと接触しており、プレート51は、左サイドプレート12のラッチ支持部12aに支持されている。
【0068】
ガイド52は、突出する先端部が平坦に形成された平面52aと、前方の側面部が凹むように形成された湾曲面52bとを有している。平面52aは、プレート51の後方から前方に向かって突出高さが徐々に高くなるよう傾斜する傾斜面となっており、この傾斜面でCリングRの側面と接触しCリングRのフィーダブレード6による移動をガイドするようになっている。ガイド52は、その突出方向と反対側の側面S5で、左サイドプレート12の内側面と接触している。
【0069】
湾曲面52bは、CリングRが上側ジョー41の上側保持面41aおよび下側ジョー42の下側保持面42aで締結される際に、CリングRの外周面と接触し、CリングRが前方から後方に後退しないようCリングRを支持するようになっている。
【0070】
ラッチサポートアタッチメント14は、
図8、
図9に示すように、平板状で略方形に形成され、左サイドプレート12を介してハウジング2に固定される固定部61と、固定部61の前方側面の上側から突出して形成された上側移動規制部62と、固定部61の前方側面の下側から突出して形成された下側移動規制部63とを有している。
【0071】
固定部61には、貫通孔61a、61bが形成されており、この貫通孔61a、61bに、ジョーボルト45が挿入されジョーボルト45によりラッチサポートアタッチメント14が左サイドプレート12の外側面に重なるようにして固定される。
【0072】
上側移動規制部62と下側移動規制部63との間にはラッチ13が嵌め込まれるようになっており、上側移動規制部62の内側面62aとラッチ13のプレート51の上方後部の側面S6とが接触し、ラッチ13の上方への移動が規制される。また、下側移動規制部63の内側面63aとラッチ13のプレート51の下方後部の側面S7とが接触し、ラッチ13の下方への移動が規制される。
【0073】
ラッチスプリング15は、
図3に示すように、弾性を有する材料で平板状に形成されており、左サイドプレート12に固定される固定部15aと、ラッチ13のプレート51を押し付けるよう、左サイドプレート12側に屈曲して形成された押付部15bとを有している。
【0074】
固定部15aには、貫通孔15c、15dが形成されており、この貫通孔15c、15dは、ジョーボルト45が挿入されジョーボルト45によりラッチスプリング15がラッチサポートアタッチメント14の外側面に重なるようにして固定される。
固定部15aが左サイドプレート12に固定されると、押付部15bがラッチ13を押し付けるようになっている。
【0075】
以下に、第1実施形態に係るCリンガー10の動作について簡単に説明する。
【0076】
第1実施形態に係るCリンガー10は、Cリンガー10でCリングRを締結することにより、例えば線材と線材などの被締結物を結束する際に作業者により使用される。
【0077】
まず、作業者により、Cリンガー10に圧縮空気供給装置から供給される空気圧が適正か否かがチェックされる。このチェックは、
図1に示すハウジング2の空気圧供給ホースHに空気圧計測器を装着して行われる。この空気圧は、Cリンガー10の機種によっても異なるが、例えば、0.5〜0.6MPa程度のものである。
【0078】
次いで、CリングRの連結体Aがマガジン4に装填されると、
図10(a)に示すように、CリングRの連結体Aの先端のCリングRがマガジンシューにより連結体Aから分離され、ハウジング2内にセットされる。そして、作業者の指によりトリガー36が引かれて離されると、バルブ35aが
図5に示すaの位置に切り換わり、ポート31aに空気圧が供給されるとともに、ポート31bから空気が排出され、ピストン32が、ポート31aからポート31bの方向に移動する。
【0079】
このピストン32の移動により、ピストンロッド33のローラ34が上側ジョー41の上側接触傾斜面41cおよび下側接触傾斜面42cに接触しつつガイドされながら装填締結部48の方向に移動するとともに、フィーダブレード6の先端によりCリングRの後部が押されてCリングRが上側ガイド面41bおよび下側ガイド面42bにガイドされつつ装填締結部48の方向に移動する。
【0080】
このCリングRの移動により、上側ジョー41の上側保持面41aと下側ジョー42の下側保持面42aがそれぞれ、上側ブッシング43および下側ブッシング44を支点として互いに離隔する方向に回動する。
【0081】
さらに、
図10(b)に示すように、CリングRが装填締結部48の方向に移動すると、CリングRの側面がラッチ13のガイド52の平面52aに接触しつつラッチスプリング15の押付力に抗してCリングRが装填締結部48の方向に移動し、
図11(a)に示すように、装填締結部48に装填される。
【0082】
このとき、ラッチ13は、ラッチスプリング15の押付力で元の位置、すなわち、ガイド52の先端部分が下側ジョー42の下側ガイド面42bに突き当たる位置に復帰し、装填締結部48に装填されたCリングRが、後退してしまうのをラッチ13のガイド52の湾曲面52bで阻止される。
【0083】
続いて、作業者により装填締結部48に装填されたCリングRが被締結物にセットされ、トリガー36が引かれると、バルブ35aが
図5に示すcの位置に切り換わり、ポート31bに空気圧が供給されるとともに、ポート31aから空気が排出され、ピストン32が、ポート31bからポート31aの方向に移動する。
【0084】
このピストン32の移動により、ピストンロッド33のローラ34が上側ジョー41の上側接触傾斜面41cおよび下側接触傾斜面42cに接触しつつガイドされながら装填締結部48の反対方向に移動する。このローラ34の移動により、上側ジョー41の上側保持面41aと下側ジョー42の下側保持面42aがそれぞれ、上側ブッシング43および下側ブッシング44を支点として互いに近接する方向に回動する。
【0085】
この回動により、装填締結部48に装填されたCリングRが上側保持面41aおよび下側保持面42aで押し付けられて、
図11(b)に示すように、被締結物にセットされたCリングRの一部が重なった状態で略円環状に変形して締結され、被締結物が結束される。
【0086】
なお、ホッグリングは、ローラー34の動きによる動作で、上側ジョー41と下側ジョー42の各ジョーが上下対称の状態で閉じることで略円形に加締められる、すなわち締結されることになる。
【0087】
しかしながら、締結の時に、CリングRは、ジョー溝となっている上側保持面41aおよび下側保持面42aに沿って変形させられるため、ジョー溝とCリングRの接触面が同じ摩擦抵抗を受けない限り、すなわち上側保持面41aおよび下側保持面42aが同じ条件でない限り、上下対称の状態で変形しないことになる。場合によってはCリングRの片側が上側保持面41aおよび下側保持面42aのいずれかに固着することがあり得る。
【0088】
このような、CリングRの上下非対称の変形を食い止めるのも、ラッチ13の役割となっている。CリングRの背面は凹みが入る程強い力でラッチ13の中央部分の突起の湾曲面52bに押し付けられるので、ラッチ13が上下方向に移動しなければ、CリングRは略上下対称の状態で変形が進むことになる。
【0089】
本第1実施形態のラッチ13は、ラッチサポートアタッチメント14の上側移動規制部62と、下側移動規制部63とにより、上下方向の移動が規制されており、締結の時に、異常形状に変形して行くことはない。
【0090】
そして、作業者の指が、トリガー36から離されると、Cリンガー10は、前述の動作と同様に動作する。すなわち、Cリンガー10は、バルブ35aが
図5に示すaの位置に切り換わり、ポート31aに空気圧が供給されるとともに、ポート31bから空気が排出され、ピストン32が、ポート31aからポート31bの方向に移動する。
【0091】
このピストン32の移動により、ピストンロッド33のローラ34が上側ジョー41の上側接触傾斜面41cおよび下側接触傾斜面42cに接触しつつガイドされながら装填締結部48の方向に移動するとともに、フィーダブレード6の先端によりハウジング2にセットされたCリングRの後部が押されてCリングRが上側ガイド面41bおよび下側ガイド面42bにガイドされつつ装填締結部48の方向に移動する。
【0092】
このCリングRの移動により、上側ジョー41の上側保持面41aと下側ジョー42の下側保持面42aがそれぞれ、上側ブッシング43および下側ブッシング44を支点として離隔する方向に回動する。
【0093】
さらに、
図10(b)に示すように、CリングRが装填締結部48の方向に移動すると、CリングRの側面がラッチ13のガイド52の平面52aに接触しつつラッチスプリング15の押付力に抗してCリングRが装填締結部48の方向に移動し、
図11(a)に示すように、装填締結部48に再度装填される。
【0094】
以下に、第1実施形態に係るCリンガー10の効果について説明する。
【0095】
第1実施形態に係るCリンガー10によれば、ハウジング2と、装填締結部48を有するジョー7と、フィーダブレード6と、左サイドプレート12と、ラッチ13と、ラッチサポートアタッチメント14と、ラッチスプリング15とを備えている。そしてラッチ13が、側面S1、S2でラッチスプリング15に支持され、側面S4で左サイドプレート12のラッチ支持部12aで支持されている。
【0096】
さらに、ラッチ13は、ラッチサポートアタッチメント14の上側移動規制部62と下側移動規制部63との間に嵌め込まれて、上側移動規制部62の内側面62aと側面S6とが接触しラッチ13の上方への移動が規制される。また、下側移動規制部63の内側面63aと側面S7とが接触しラッチ13の下方への移動が規制される構造で構成されている。
【0097】
この構成により、装填締結部48に装填されたCリングRが締結される際に、ラッチ13がCリングRの後退を阻止するとともに、上側移動規制部62および下側移動規制部63によりラッチ13のフィーダブレード6の送り方向に直交する上下方向への移動が規制されるので、ラッチ13によりCリングRが確実に支持され、CリングRが被締結物に適正に締結されるという効果が得られる。
【0098】
したがって、第1実施形態に係るCリンガー10は、従来のCリンガーにおいて、Cリングが従来の装填締結部により締結される際に発生していた異常な形状に変形することを防止することができるという効果が得られる。
【0099】
第1実施形態に係るCリンガー10によれば、ラッチサポートアタッチメント14が、左サイドプレート12の外側面に重なるようにして左サイドプレート12とともにハウジング2に固定される。
これにより、従来のホッグリング締結装置の左サイドプレート12の外側面にアタッチメントを装着するだけで、ラッチ13のフィーダブレード6の送り方向に直交する方向への移動が規制されるので、従来のホッグリング締結装置の左サイドプレート12などの構造を変更することなくホッグリングが被締結物に適正に締結される。
【0100】
また、第1実施形態に係るCリンガー10によれば、ハウジング2が、エアシリンダ21とピストン32と、ピストンロッド33と、空気圧供給回路部35と、空気流路22、23、24、35c、35dを切り換えることでピストン32の移動方向を切り換えるバルブ35aとを有し、フィーダブレード6がピストンロッド33と連結されるよう構成される。
【0101】
この構成により、第1実施形態に係るCリンガー10は、空気圧を利用した簡単な構成でマガジン4から供給されるCリングRを装填締結部48に送り、装填締結部48に速やかに装填することができる。
【0102】
また、第1実施形態に係るCリンガー10によれば、ピストンロッド33が、ピストン32に連結される連結部と反対側の端部に一対のローラ34を有し、ジョー7が、ローラ34の一方と接触する上側接触傾斜面41cを有する上側ジョー41と、一対のローラ34の他方と接触する下側接触傾斜面42cを有する下側ジョー42とにより構成される。
【0103】
さらに、第1実施形態に係るCリンガー10は、装填締結部48が、上側ジョー41の上側保持面41aと、下側ジョー42の下側保持面42aとにより構成される。そして、一対のローラ34が、装填締結部48の方向に移動し上側保持面41aと、下側保持面42aとが離隔して上側保持面41aと下側保持面42aとの間にCリングRが装填され、一対のローラ34が、装填締結部48と反対側の方向に移動し上側保持面41aと、下側保持面42aとが近接してCリングRを押し付けることにより締結するよう構成される。
【0104】
この構成により、一対のローラ34が装填締結部48と反対側の方向に移動すると、上側保持面41aと下側保持面42aとが近接してCリングRを押し付けることにより締結することができる。これにより、ピストンロッド33の一対のローラ34の移動方向を変えるだけの簡単な構成で、作業者の指でトリガー36を引いて離すだけのワンアクションで、CリングRの装填締結部48への装填と締結を確実に行うことができる。
【0105】
(第2実施形態)
なお、第2実施形態に係るCリンガー20においては、第1実施形態に係るCリンガー10を構成するラッチサポートアタッチメント14に代えて、ラッチサポートスプリング18を装着した構造が異なっているが、他の構造は第1実施形態に係るCリンガー10と同様に構成されている。
したがって、Cリンガー20とCリンガー10との同一の構成については、
図1から
図11(a)、(b)に示した第1実施形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
【0106】
まず、第2実施形態に係るCリンガー20の構成を説明する。
【0107】
Cリンガー20は、
図12〜
図16に示すように、第1実施形態に係るCリンガー10のラッチサポートアタッチメント14に代えて、ラッチスプリング15と異なる構造のラッチサポートスプリング18で構成し、他の構成要素はを第1実施形態に係るCリンガー10と同様に構成される。第2実施形態のラッチサポートスプリング18は、本発明のラッチスプリングからなる移動規制部材を構成する。
【0108】
すなわち、Cリンガー20は、ハウジング2と、キャップ3と、マガジン4と、フィーダブレード駆動機構5と、フィーダブレード6と、ジョー7と、右サイドプレート11と、左サイドプレート12と、ラッチ13と、ラッチサポートスプリング18とショルダーボルト16と、ショルダーボルト16にねじ結合するロックナット17とを備えている。
【0109】
ラッチサポートスプリング18は、
図15、
図16に示すように、弾性を有する材料で平板状に形成されており、固定部71と、上側移動規制部72と、下側移動規制部73と、押付部74とを有している。
【0110】
固定部71は、平板状で略方形に形成され、左サイドプレート12を介してハウジング2に固定されるようになっている。固定部71には、貫通孔71a、71bが形成されており、この貫通孔71a、71bに、ジョーボルト45が挿入されジョーボルト45によりラッチサポートスプリング18が左サイドプレート12の外側面に重なるようにして固定される。
【0111】
固定部71は、固定部71の前方側面の上側から突出するとともに、左サイドプレート12側に屈曲して形成された上側移動規制部72と、固定部71の前方側面の下側から突出するとともに、左サイドプレート12側に屈曲して形成された下側移動規制部73とを有している。
【0112】
上側移動規制部72と下側移動規制部73との間にはラッチ13が嵌め込まれるようになっており、上側移動規制部72の内側面72aとラッチ13のプレート51の上方後部の側面S6とが接触し、ラッチ13の上方への移動が規制される。また、下側移動規制部73の内側面73aとラッチ13のプレート51の下方後部の側面S7とが接触し、ラッチ13の下方への移動が規制される。
【0113】
押付部74は、上側移動規制部72と下側移動規制部73との間でラッチサポートスプリング18の前方側に延びるとともに、左サイドプレート12側に屈曲して形成されており、固定部71が左サイドプレート12に固定されると、押付部74がラッチ13を押し付けるようになっている。すなわち、ラッチ13は、
図7に示す側面S1、S2でラッチサポートスプリング18の押付部74に押し付けられて支持されている。
【0114】
以下に、第2実施形態に係るCリンガー20の動作について簡単に説明する。なお、第2実施形態に係るCリンガー20は、第1実施形態に係るCリンガー10と同様に動作する。
【0115】
すなわち、第2実施形態に係るCリンガー20においては、まず、作業者により、Cリンガー20に圧縮空気供給装置から供給される空気圧が適正か否かがチェックされる。
次いで、CリングRの連結体Aがマガジン4に装填されると、
図17(a)に示すように、CリングRの連結体Aの先端のCリングRがマガジンシューにより連結体Aから分離され、ハウジング2内にセットされる。
【0116】
そして、作業者の指によりトリガー36が引かれて離されると、バルブ35aが
図5に示すaの位置に切り換わり、ポート31aに空気圧が供給されるとともに、ポート31bから空気が排出され、ピストン32が、ポート31aからポート31bの方向に移動する。
【0117】
このピストン32の移動により、ピストンロッド33のローラ34が上側ジョー41の上側接触傾斜面41cおよび下側接触傾斜面42cに接触しつつガイドされながら装填締結部48の方向に移動するとともに、フィーダブレード6の先端によりCリングRの後部が押されてCリングRが上側ガイド面41bおよび下側ガイド面42bにガイドされつつ装填締結部48の方向に移動する。
【0118】
このCリングRの移動により、上側ジョー41の上側保持面41aと下側ジョー42の下側保持面42aがそれぞれ、上側ブッシング43および下側ブッシング44を支点として互いに離隔する方向に回動する。
【0119】
さらに、
図17(b)に示すように、CリングRが装填締結部48の方向に移動すると、CリングRの側面がラッチ13のガイド52の平面52aに接触しつつラッチサポートスプリング18の押付力に抗してCリングRが装填締結部48の方向に移動し、
図18(a)に示すように、装填締結部48に装填される。
【0120】
このとき、ラッチ13は、ラッチサポートスプリング18の押付力で元の位置、すなわち、ガイド52の先端部分が下側ジョー42の下側ガイド面42bに突き当たる位置に復帰し、装填締結部48に装填されたCリングRが、後退してしまうのをラッチ13のガイド52の湾曲面52bで阻止される。
【0121】
続いて、作業者により装填締結部48に装填されたCリングRが被締結物にセットされ、トリガー36が引かれると、バルブ35aが
図5に示すcの位置に切り換わり、ポート31bに空気圧が供給されるとともに、ポート31aから空気が排出され、ピストン32が、ポート31bからポート31aの方向に移動する。
【0122】
このピストン32の移動により、ピストンロッド33のローラ34が上側ジョー41の上側接触傾斜面41cおよび下側接触傾斜面42cに接触しつつガイドされながら装填締結部48の反対方向に移動する。このローラ34の移動により、上側ジョー41の上側保持面41aと下側ジョー42の下側保持面42aがそれぞれ、上側ブッシング43および下側ブッシング44を支点として互いに近接する方向に回動する。
【0123】
この回動により、装填締結部48に装填されたCリングRが上側保持面41aおよび下側保持面42aで押し付けられて、
図18(b)に示すように、被締結物にセットされたCリングRの一部が重なった状態で略円環状に変形して締結され、被締結物が結束される。
【0124】
なお、本第2実施形態のラッチ13においても、ラッチサポートスプリング18の上側移動規制部72と、下側移動規制部73とにより、ラッチ13の上下方向の移動が規制されており、締結の時に、異常形状に変形して行くことはない。
【0125】
そして、作業者の指が、トリガー36から離されると、Cリンガー20は、前述の動作と同様に動作する。すなわち、Cリンガー20は、バルブ35aが
図5に示すaの位置に切り換わり、ポート31aに空気圧が供給されるとともに、ポート31bから空気が排出され、ピストン32が、ポート31aからポート31bの方向に移動する。
【0126】
このピストン32の移動により、ピストンロッド33のローラ34が上側ジョー41の上側接触傾斜面41cおよび下側接触傾斜面42cに接触しつつガイドされながら装填締結部48の方向に移動するとともに、フィーダブレード6の先端によりハウジング2にセットされたCリングRの後部が押されてCリングRが上側ガイド面41bおよび下側ガイド面42bにガイドされつつ装填締結部48の方向に移動する。
【0127】
このCリングRの移動により、上側ジョー41の上側保持面41aと下側ジョー42の下側保持面42aがそれぞれ、上側ブッシング43および下側ブッシング44を支点として離隔する方向に回動する。
【0128】
さらに、
図17(b)に示すように、CリングRが装填締結部48の方向に移動すると、CリングRの側面がラッチ13のガイド52の平面52aに接触しつつラッチサポートスプリング18の押付力に抗してCリングRが装填締結部48の方向に移動し、
図18(a)に示すように、装填締結部48に再度装填される。
【0129】
以下に、第2実施形態に係るCリンガー20の効果について説明する。
【0130】
第2実施形態に係るCリンガー20によれば、ハウジング2と、装填締結部48を有するジョー7と、フィーダブレード6と、左サイドプレート12と、ラッチ13と、ラッチサポートスプリング18とを備えている。そしてラッチ13が、側面S1、S2でラッチサポートスプリング18に支持され、側面S4で左サイドプレート12のラッチ支持部12aで支持されている。
【0131】
さらに、ラッチ13は、ラッチサポートスプリング18の上側移動規制部72と下側移動規制部73との間に嵌め込まれて、上側移動規制部72の内側面72aと側面S6とが接触しラッチ13の上方への移動が規制される。また、下側移動規制部73の内側面73aと側面S7とが接触しラッチ13の下方への移動が規制される構造で構成されている。
【0132】
この構成により、装填締結部48に装填されたCリングRが締結される際に、ラッチ13がCリングRの後退を阻止するとともに、上側移動規制部72および下側移動規制部73によりラッチ13のフィーダブレード6の送り方向に直交する上下方向への移動が規制されるので、ラッチ13によりCリングRが確実に支持され、CリングRが被締結物に適正に締結されるという効果が得られる。
【0133】
したがって、第2実施形態に係るCリンガー20は、従来のCリンガーにおいて、Cリングが従来の装填締結部により締結される際に発生していた異常な形状に変形することを防止することができるという効果が得られる。
【0134】
第2実施形態に係るCリンガー20によれば、ラッチサポートスプリング18が、左サイドプレート12の外側面に重なるようにして左サイドプレート12とともにハウジング2に固定される。
【0135】
この構成により、従来のホッグリング締結装置の左サイドプレート12の外側面にラッチサポートスプリング18を装着するだけで、ラッチ13のフィーダブレード6の送り方向に直交する方向への移動が規制されるので、従来のホッグリング締結装置の左サイドプレート12などの構造を変更することなくホッグリングが被締結物に適正に締結される。
【0136】
また、第2実施形態に係るCリンガー20によれば、第1実施形態に係るCリンガー10と同様に、ハウジング2が、エアシリンダ21とピストン32と、ピストンロッド33と、空気圧供給回路部35と、空気流路22、23、24、35c、35dを切り換えることでピストン32の移動方向を切り換えるバルブ35aとを有し、フィーダブレード6がピストンロッド33と連結されるよう構成される。
【0137】
この構成により、第2実施形態に係るCリンガー20は、空気圧を利用した簡単な構成でマガジン4から供給されるCリングRを装填締結部48に送り、装填締結部48に速やかに装填することができる。
【0138】
また、第2実施形態に係るCリンガー10によれば、第1実施形態に係るCリンガー10と同様に、ピストンロッド33が、ピストン32に連結される連結部と反対側の端部に一対のローラ34を有し、ジョー7が、ローラ34の一方と接触する上側接触傾斜面41cを有する上側ジョー41と、一対のローラ34の他方と接触する下側接触傾斜面42cを有する下側ジョー42とにより構成される。
【0139】
さらに、第2実施形態に係るCリンガー20は、装填締結部48が、上側ジョー41の上側保持面41aと、下側ジョー42の下側保持面42aとにより構成される。そして、一対のローラ34が、装填締結部48の方向に移動し上側保持面41aと、下側保持面42aとが離隔して上側保持面41aと下側保持面42aとの間にCリングRが装填され、一対のローラ34が、装填締結部48と反対側の方向に移動し上側保持面41aと、下側保持面42aとが近接してCリングRを押し付けることにより締結するよう構成される。
【0140】
この構成により、一対のローラ34が装填締結部48と反対側の方向に移動すると、上側保持面41aと下側保持面42aとが近接してCリングRを押し付けることにより締結することができる。これにより、ピストンロッド33の一対のローラ34の移動方向を変えるだけの簡単な構成で、作業者の指でトリガー36を引いて離すだけのワンアクションで、CリングRの装填締結部48への装填と締結を確実に行うことができる。
【0141】
さらに、第2実施形態に係るCリンガー20によれば、ラッチサポートスプリング18が、左サイドプレート12の外側面に重なるようにして左サイドプレート12とともにハウジング2に固定され、ラッチ13を左サイドプレート12の外側面から内側面の方向に押し付けるラッチスプリングで構成される。
【0142】
この構成により、従来のホッグリング締結装置のラッチスプリングをラッチサポートスプリング18に交換するだけで、従来のホッグリング締結装置の構造を変更することなくホッグリングが被締結物に適正に締結される。
【0143】
なお、第1実施形態に係るCリンガー10および第2実施形態に係るCリンガー20においては、フィーダブレード駆動機構5をシリンダ31、ピストン32、ピストンロッド33、ローラ34、空気圧供給回路部35を含む空圧駆動機構で構成した場合について説明した。
しかしながら、本発明のホッグリング締結装置においては、フィーダブレード駆動機構を空圧駆動機構以外の駆動機構で構成するようにしてもよい。
【0144】
本発明のホッグリング締結装置におけるフィーダブレード駆動機構を電動駆動機構により構成するようにしてもよい。
この電動駆動機構は、例えば、駆動モータと、モータコントローラと、電源部と、変換機構と、ハウジングとを備えたもので構成される。
【0145】
駆動モータは、ステッピングモータやギヤドステッピングモータなどの電力の供給を受けて駆動する電動モータで構成される。
モータコントローラは、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、フラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを含んだマイクロコンピュータによって構成されている。モータコントローラは、ROMに記憶されたプログラムによって駆動モータを制御するようになっている。
【0146】
電源部は、外部電源とケーブルで接続することで外部電源から電力を駆動モータやモータコントローラに供給する電源ユニットで構成される。この電源部は、充電可能なリチウムイオン電池などの二次電池から電力を駆動モータやモータコントローラに供給する電源ユニットで構成されるようにしてもよい。
【0147】
変換機構は、例えば、駆動モータの回転運動を直線運動に変換するラックピニオン機構で構成され、フィーダブレードを駆動するようになっている。
ハウジングは、第1実施形態に係るCリンガー10および第2実施形態に係るCリンガー20におけるハウジング2とほぼ同様の形状に形成され、内部に、前述の駆動モータ、モータコントローラ、電源部および変換機構を収容するよう構成される。
【0148】
このように、フィーダブレード駆動機構を空圧駆動機構と同様に簡単な構造で構成することができ、第1実施形態に係るCリンガー10および第2実施形態に係るCリンガー20と同様の効果が得られる。
【0149】
特に、電源部をリチウムイオン電池などの二次電池で構成することで、ホッグリング締結装置の装置本体から外部に接続する空気圧供給ホースや電源ケーブルなどの接続部材がなくなり、装置本体を単体で使用することができ、作業性をより高めることができる。
【0150】
また、第2実施形態に係るCリンガー10および第2実施形態に係るCリンガー20においては、空気圧供給回路部35に供給する空気圧を、空気圧供給ホースにより空気圧供給装置から供給される構造で構成した場合について説明した。
【0151】
しかしながら、本発明のホッグリング締結装置においては、装置本体内に空気圧を供給するポンプと、このポンプに電力を供給する二次電池を備える構造で構成するようにしてもよい。この構成によっても、ホッグリング締結装置の装置本体から外部に接続する空気圧供給ホースがなくなり、装置本体を単体で使用することができ、作業性をより高めることができる。
【解決手段】ハウジング2と、ハウジング2に回動可能に支持されマガジン4から供給されるCリングRを装填して締結する装填締結部を有するジョー7と、CリングRを装填締結部に送るフィーダブレード6と、装填締結部に装填されたCリングRの後退を阻止するラッチ13と、ラッチ13を支持するようハウジング2に固定された左サイドプレート12とを備えたCリンガー10であって、ラッチ13のフィーダブレード6の送り方向に直交する方向への移動を規制する上側移動規制部62および下側移動規制部63が形成されハウジング2に固定されたラッチサポートアタッチメント14を有する。