【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような現状に鑑み、本発明者等は鋭意研究の結果、本発明遮断機を完成したものであり、その特徴とするところは、第1の態様では、サポート柱、回転部材、回転停止具からなり、該サポート柱は、固定部材によって直立するように直接又は間接的に地面に固定され、該回転部材は、該サポート柱にはめ込まれ、該サポート柱に設けられた突起によって水平回転可能に支持され、該回転停止具は、該サポート柱と該回転部材との自由回転を止めるものであり、該回転部材には、遮断バーが取り付けられている点にあり、第2の態様では、蓋体、回転体、支持部、遮断バーとから構成されるものであって、該支持体は、固定部材によって直立するように直接又は間接的に地面に固定され、その内部に支持板を有し、該支持板には、中心部にネジ孔があり、該ネジ孔の周囲に貫通孔が1つ又は複数設けられ、該回転体は、該支持部にはめ込まれ、該支持部に設けられた突起によって水平回転可能に支持され、該蓋体は該支持部に該回転体に接するようにその上にはめ込まれ、その中心部に貫通孔があり、その周囲に前記した支持板の貫通孔に対応する位置にストッパーが設けられるものであって、該蓋体と中心孔から該支持板のネジ孔にかけて中心ネジがねじ込まれ、該回転体には遮断バーが設けられ、該蓋体と該回転体の接する部分は係合する構造である点にある。
【0010】
本発明でいう遮断機は、通常人間や車が通過する通路を遮断するためのものであって、そこがどのような目的のものかは問わない。単なる道路、種々の施設の出入口でよい。また1通路からすると、封鎖と開放であるが、2又の通路では開放路の切り替えにも使用できる。
【0011】
まず第1の態様について説明する。
サポート柱とは、この発明遮断機を下方から支えるパイプ状の部材である。この外側周囲には、後述する回転部材を支持するための突起が設けられている。この突起は回転部材を水平に支えることができるだけの数が必要である。フランジ状に1周つながったものが好適である。上方からはめ込んだ回転部材がこの上に乗るようになる。
【0012】
回転部材は、サポート柱の外径より少し大きい内径を持ったパイプ状のものであり、側面に後述する遮断バーを取り付けることができるバーパイプが設けられている。これをサポート柱にはめ込めば、当然水平回転可能となる。
この回転部材の下方に孔あきフランジを設けて、上記したサポート柱のフランジにも孔を設けておけば、この上下のフランジにボルト等を通せば、回転停止の役目を果たす。
【0013】
回転停止具は、上記した2枚のフランジとボルトのような挿入具でも、サポート柱と回転部材の壁面に水平の孔を設けてそこにボルトを挿入する等の方式でもよい。
【0014】
上記したサポート柱を、地面に固定する方法は2種存在する。1つの方法は、既に基礎から構築された既設の支柱に固定するものである。これが最も簡単である。既設の支柱としては、ガードレールの支柱、看板の支柱、門の支柱その他でよい。ガードレールの支柱が量も多く最も簡単である。他の方法は、既設のものを使用せず、新たに基礎を設けてそれに固定する方式である。基礎も簡単にアンカーボルトを打ち込むだけのものから、コンクリートで構築するもの等その基礎の種類は自由である。
【0015】
既設の支柱に固定するための固定部材は、本発明のサポート柱に固定されたものでも別体のものでもよい。別体のものでは、サポート柱と支柱を挟み込んでボルト、ナットで締め付け固定する、クランプタイプのものが簡単である。また、サポート柱に固定したものでもクランプタイプその他が使用できる。要するに、既設の支柱とサポート柱を固定できればよい。
【0016】
新たな基礎を設ける場合には、通常の機器を据え付けるように、基礎にボルトを埋め込んで、サポート柱に穴あきフランジを固着しておき、ボルトで互いに固着する等である。
【0017】
遮断バーとは、通行を停止(遮断)していることを示すほぼ水平に位置する長い部材であり、通常は1〜10m、パイプや棒材、その他どのような形状や型のものでよい。この遮断バーには、標識を設けてもよい。例えば、通行止め、事故のマーク、災害のマークその他である。
【0018】
また、この遮断バーは、遮断している時も開放しているときも常に片側でのみ支えるものである。よって、長い年月になるとどうしても根本部が折れたり、曲がったりする心配がある。それを防止するため、先端部や途中部分で、地面につく支持棒を設けておき、下方に出して支えるようにする。このような簡単な支持棒があれば、長い遮断バーでも十分支えられる。支持棒は、パイプやその他の部材でよく棒体である必要はない。支持棒は移動時には収納できるタイプでもよい。そして、手動で取り出して地面に固定しても、自動的に重力で出てくるようにしてもよい。
【0019】
次に本発明の第2の態様について説明する。ただし、第1の態様と同じ語は同じものであるため説明は省略する。
ここで支持部とは、第1の態様のサポート柱に対応するものであり、本発明全体を下方から支えるパイプ状の部材であり、その内部に支持板が設けられている。この支持板は、中央にナット部(ネジ孔の意味)があり、後述する中心ネジがねじ込まれる。また、支持板の周囲には後述するストッパーが通過する貫通孔が設けられている。これは1つでも複数でもよい。
この支持部には、後述する回転体を支持するための突起(フランジのように周囲全体にあるものが好適)が外周に設けられている。上方からはめ込んだ回転体がこの上に乗るようになる。
【0020】
次に、回転体は、第1の態様の回転部材に対応するものであり、支持体の外径より少し大きい内径を持ったパイプ状のものであり、側面に遮断バーを取り付けることができるバーパイプが設けられている。また、上部は後述する蓋体と係合する構造であり、蓋体の下方と係合して、係合を外さない限り独立して回転できない構造になっている。この係合構造はどのような形状でもよく、歯車形状でも細かい凹凸でもよい。
【0021】
蓋体は、上記した回転体と同じ径のパイプにカバー板を設けたものである。カバー板は、通常このパイプの最上部に設けられ、中心部に中心ネジが貫通する貫通孔が設けられている。カバー板の貫通孔の周囲には、下方に向けてストッパーが設けられている。これは前記した通り1本でも複数でもよい。
【0022】
中心ネジは、上記蓋体の中心の貫通孔から挿入し、支持部の支持板のナット部にねじ込むものである。中心ネジのヘッドの形状は六角等自由であるが、下方に落ちないように、蓋体の貫通孔より大きくなければならない。
【0023】
この中心ネジをねじ込むことによって蓋体は下方に下がり、逆にネジを引き抜く方向に回転させると、蓋体が持ち上がるようにしておいてもよい。その構造としては、中心ネジの頭部とナットその他のもので蓋体の上面を挟みこんでおけばよい。中心ネジの頭部の上昇にともなって一緒に蓋体が上昇する。勿論、その他の構造でもよい。
【0024】
また、蓋体と支持部の支持板との間にバネを設けてもよい。このバネは、常に蓋体を上方に押圧するようにする。即ち、中心ネジがないと、蓋体と回転体の係合を外して蓋体を上方に持ち上げるのである。
【0025】
さらに、支持部と回転体の間は回転させるときには摩擦が小さいほど楽である。よって、この間にシリコン等のリングを挟み込んでおくことも考えられる。
【0026】
次にこの発明の組み立てと操作法について説明する。
まず支持部を地面に種々の方法で固定する。その支持部に回転体をはめ込んで台に支持させる。バネを用いるものでは、バネは、支持体に固定されていても、蓋体に固定されていてもどこにも固定されていなくてもよい。このバネの上から、蓋体をストッパーを支持板の貫通孔に貫通させるように支持部にはめ込む。そして、蓋体の中心孔からネジを差し込んで、支持板のネジ孔にねじ込んでいく。徐々にバネが縮み蓋体と回転体が係合すれば取付完了である。換言すると、この時に遮断バーが適切な位置になるように回転体を最初に調整しておくのである。
勿論、これは1例であり、最初から工場ではめ込んでくる等その組み立ては他の方法でも可能である。1度設置すれば、あとは回転させるだけであり、組み立て作業は不要である。
【0027】
そして、この遮断機で道等を封鎖する場合、まず上部のネジをスパナ等で緩め、蓋体と回転体の係合を外す。蓋体は支持板の貫通孔にストッパーが挿入されているため回転はできない。しかし、蓋体との係合が外れた回転体は自由に回転できる。よって、この状態で回転体を所定位置にまで回転させ、位置がきまれば蓋体の上部のネジをスパナで締め付けて蓋体と回転体を係合させれば終了である。