(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5770923
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】建物のクッション性耐震構造
(51)【国際特許分類】
E04H 9/02 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
E04H9/02 321B
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-267203(P2014-267203)
(22)【出願日】2014年11月26日
【審査請求日】2015年2月16日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000246354
【氏名又は名称】有▲吉▼ 一夫
(72)【発明者】
【氏名】有▲吉▼ 一夫
【審査官】
新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭62−273336(JP,A)
【文献】
特表2014−509356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/18 − 1/30
E04H 9/02
E04B 1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口周りに枠を取り付け、また、該枠より僅か小径の楕円または円形の弾性体を平鋼バネ等で形成し、該周囲4ヶ所にボルト通し孔を開け、また、コ状の取り付け器を形成し、該底の中心から下方に下部を開口した長孔を開けると共に該取り付け器の底に重ねるテーパライナーを形成し、該テーパライナーには取り付け器と同じ長孔を開け、而して、弾性体を枠にボルトナットで仮締めし、枠と弾性体の隙間から見えるボルトに取り付け器を嵌入し、次いで、テーパライナーを打ち込んで密着し、然る後、ボルトナットを締め付け、枠と弾性体を一体にするようにした建物のクッション性耐震構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
地震時、建物と室内の被害を少くした建物のクッション性耐震構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物の耐震構造は、間口にブレスを筋交い状に取り付けているため、却って建物は硬直化し、その反動で、室内の散乱や破損等の被害は増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、弾性体で建物を守り、被害を最小限にすると共に室内の被害も最小限に留めるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そして、本発明の課題解決手段の
図1は、建物の
開口周りに枠を取り付け、また、該枠より僅か小径の楕円形の弾性体を平鋼バネ等で形成し、該円周4ヶ所にボルト通し孔を開け、また、コ状の取り付け器を形成し、該底の中心から下方に下部を開口した長孔を開けると共に、該取り付け器の底に重ねるテーパライナーを形成し、該テーパライナーには、取り付け器と同じ長孔を開け、而して、弾性体を枠にボルトナットで仮締めし、枠と弾性体間の隙間から見えるボルトに、取り付け器を嵌入し、次いで、テーパライナーを打ち込んで密着し、然る後、ボルトナットを締め付け、枠と弾性体を一体にするようにしたものである。
図2は、円形の弾性体に、楕円形の弾性体と、ブレスを併用したものである。
図3は、住宅に実施したもので、円形の代り
に楕円形の弾性体を取り付けてよい。
図9は、工場、スーパ等の大型建物に実施した場合で、円形の弾性体にブレスを併用してい。
【発明の効果】
【0005】
課題解決手段の
図1は、建物に楕円形の弾性体を取り付けたので、地震時に、その揺れをゆるやかに吸收し、被害を最小限にすることができる。
したがって、室内もゆるやかに揺れて收まるので、室内の散乱や破損等の被害も少くすることができる。なお、本構造は外観上優美である。
図2は、円形の弾性体に楕円形の弾性体とブレスを併用したので、各の特性が合体して有効に作用し、地震の被害を最小限にすることができる。
図3は、住宅に取り付けたので、被害を最小限にすることができると共に、強風による微妙な揺れに対しても強くなるので、住宅の寿命を延ばすことができる。
図9は、工場やスーパ等の大型建物に円形の弾性体とブレスを併用したので各々の特性を生かして、地震の被害を最小限にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】 円形の弾性体に隋円形の弾性体とブレスを併用した図
〔
図4〕から〔
図8〕は取り付け器の図
【
図9】 工場やスーパ等の大型建物に実施した場合の図
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の1は建物の間口に取り付けた枠で清型鋼、I型鋼等の鋼材で形成している。2は枠より僅か小径の楕円形の弾性体で、平鋼バネ等で形成し、該円周4ケ所にボルト通し孔を開けている。なお、建物が大きい時や地震多発地帯では、平鋼バネ等を複数枚重ねて形成する。
また、5は、コ状の取り付け器で、該底の中心から下方に下部を開けた長孔6を開けている。7はテーパライナーで、該テーパライナー7に取り付け器5と同じ長孔6を開けている。
而して、該弾性体2を枠1にボルトナット8で仮締めし、該枠1と弾性体2間の隙間から見えるボルトに取り付け器5を嵌入し、次いで、テーパライナー7を打ち込んで密着し、然る後、ボルトナット8を締め付け、枠1と弾性体2を一体にする。
なお、テーパライナー7だけでは隙間が埋まらない時に備えて、テーパ無しの平ライナーを用意し、先ず、このライナーを打ち込み、次いで、テーパライナー7を打ち込むようにしたがよい。
また、ボルトナット8には、せん断、引張り等の重荷重がかかるので、ハイテーションボルトナットを使用する。また、ナットは優美さを考えて袋ナットを使用した方がよい。
【0008】
図2は、円形の弾性体3に楕円形の弾性体2とブレス4を併用している。
【0009】
図3は、住宅に円形の弾性体3を取り付けている。
【0010】
図9は、工場、スーパ等の大型建物に実施した場合で、円形の弾性体3にブレス4を併用している。
【0011】
以上の弾性体2、3は間口に取り付けたが、建屋内の適宜な箇所に取り付けてもよい。また、場合により、取り付け器5を使用せず、テーパライナー7を介して取り付けてよく、枠1を設けずに建物の柱、梁等に直接取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0012】
1 枠
2 楕円形の弾性体
3 円形の弾性体
4 ブレス
5 取り付け器
6 長孔
7 テーパライナー
8 ボルトナット
【要約】
【課題】 従来、建物の耐震構造は、間口にブレスを筋交い状に取り付けているため、却って建物は硬直化し、その反動で室内の散乱や破損等の被害は増大する。
【解決手段】 本発明は、間口に楕円形や円形の弾性体を取り付けて構成した。
これにより、地震時に、その揺れをゆるやかに吸收し、建物の被害を最小限にすることができる。したがって、室内もゆるやかな揺れで收まるので室内の散乱や破損等の被害も少くすることができる。
【選択図】
図1