(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
X線を発生させるX線発生手段(9)と、該X線発生手段からのX線を受けるX線検出手段(10)とを有し、前記X線発生手段と前記X線検出手段の間の検査空間内を所定の搬送方向(Y)に搬送される被検査物(W)にX線を照射し、その透過量に基づいて前記被検査物中の異物の有無を判定するX線異物検出装置(1)であって、
前記検査空間の上部に配置され、前記X線発生手段から出力されたX線を受ける位置に設けられて、前記X線検出手段が検出する高エネルギーのX線を透過させる第1フィルタ部(75)と、前記X線検出手段が検出する低エネルギーのX線を透過させる第2フィルタ部(76)とが軸の周りに交互に設けられ、前記高エネルギーのX線を出力する部位の回転方向の幅よりも、前記低エネルギーのX線を出力する部位の回転方向の幅が広く形成され、前記軸を中心として回転する回転板(70)により線質を順次切替えて出力する線質切替手段(70)と、
前記X線検出手段が検出データを出力するタイミングを変更する出力タイミング変更手段(40)と、
前記X線検出手段の出力する検出データを有効化するタイミングを前記X線の輝度変化に基づいて調整する検出データ有効化手段(40)と、
前記X線検出手段が検出した前記線質切替手段からのX線に応じた前記検出データに基づいて前記被検査物中の異物の有無を判定する判定手段(48)と、を備えたことを特徴とするX線異物検出装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0026】
まず構成について説明する。
【0027】
図1に示すように、X線異物検出装置1は、搬送部2と検出部3とを筐体4の内部に備え、表示器5を筐体4の前面上部に備えている。
【0028】
搬送部2は、被検査物Wを所定間隔をおいて順次搬送するものである。この搬送部2は、例えば筐体4内部で水平に配置されたベルトコンベアにより構成されている。搬送部2は、
図1に示す駆動モータ6の駆動により予め設定された搬送速度で搬入口7から搬入された被検査物Wを搬出口8側(図中X方向)に向けて搬送面としてのベルト面2a上を搬送させるようになっている。筐体4内部においてベルト面2a上を搬入口7から搬出口8まで貫通する空間は搬送路21を形成している。
【0029】
検出部3は、順次搬送される被検査物Wに対し、搬送路21の途中の検査空間22においてX線を照射するとともに被検査物Wを透過するX線を検出するものであり、搬送路21途中の検査空間22の上方に所定高さ離隔して配置されたX線発生器9と、搬送部2内にX線発生器9と対向して配置されたX線検出器10を備えている。
【0030】
X線発生源としてのX線発生器9は、金属製の箱体11の内部に設けられた円筒状のX線管30を図示しない絶縁油に浸漬した構成を有している。本実施の形態では、X線管30として、2つのX線管31、32を備え、X線管31、32の陰極からの電子ビームを陽極のターゲットに照射させてX線を生成している。X線管31、32は、その長手方向が被検査物Wの搬送方向(X方向)となるよう配置されている。X線管31、32により生成されたX線は、下方のX線検出器10に向けて、図示しないスリットにより略三角形状のスクリーン状となって搬送方向(X方向)を横切るように照射されるようになっている。
【0031】
ここで、X線管31、32が発生するX線の強度は、X線管31、32の陽極と陰極との間に流す電流(管電流)に比例して変化するとともに、発生するX線の波長がX線管31、32の陽極と陰極との間に印加する電圧(管電圧)に応じて短くなり透過力が強くなる。すなわち、X線管31、32から発生されるX線の線質は、X線管31、32の管電流および管電圧に応じて変化する。本実施の形態では、X線管31が発生するX線の強度とX線管31が発生するX線の強度を異ならせており、例えば、X線管31を高出力(高エネルギーの線質のX線を出力)、X線管32を低出力(低エネルギーの線質のX線を出力)としている。なお、X線管31、32が発生するX線の強度は、必ずしも一定値に固定されるものではなく、検出対象とする異物および被検査物Wの種類や搬送速度に応じて、X線管31、32の管電流または管電圧が調整されるようになっている。
【0032】
X線検出器10は、搬送される被検査物Wの搬送方向(X方向)の平面上で搬送方向と直交するY方向に複数の検出素子を直線状に並べたX線ラインセンサ50を備えている。本実施の形態では、X線ラインセンサ50として、2つのX線ラインセンサ51、52を被検査物Wの搬送方向に備え、X線ラインセンサ51は、高出力のX線管31から照射されて被検査物Wを透過した検出信号(濃度データの画像)を出力し、X線ラインセンサ52は、高出力のX線管32から照射されて被検査物Wを透過した検出信号(濃度データの画像)を出力するようになっている。なお、X線ラインセンサ51、52は、X線を受けて光(蛍光)を発する図示しないシンチレータおよびこのシンチレータからの光を受光する受光素子を備えている。
【0033】
ここで、本実施の形態では、X線検出器10は、内蔵する図示しないA/D変換部によりX線ラインセンサ51、52の検出信号(輝度値データ)をデジタルデータに変換して濃度データとして出力するようになっているが、X線検出器10の外部にA/D変換部を備える構成としたり、A/D変換前の輝度値データのまま後段の制御部40に出力する等の構成としてもよく、デジタルデータである濃度データに変換することは必須要件ではない。
【0034】
X線ラインセンサ51、52を備えるX線検出器10からは、後述する制御部40(
図2参照)での異物混入の有無の判定に必要な画像データを出力するようになっている。
【0035】
図2に示すように、搬送路21内の天井部21aには、搬送方向(X方向)に沿って複数箇所にX線遮蔽用の遮蔽カーテン16が吊り下げ配置されている。遮蔽カーテン16は、X線を遮蔽する鉛粉を混入したゴムシートをのれん状(上部が繋がっており下部が帯状に分割された状態)に加工したものから構成されており、検査空間22から搬送路21を介してX線が筐体4の外部に漏えいすることを防止するものである。遮蔽カーテン16は、本実施の形態では、搬入口7と検査空間22との間、および検査空間22と搬出口8との間にそれぞれ2枚ずつ設けられており、1つの遮蔽カーテン16が被検査物Wと接触して弾性変形して隙間が生じた場合でも、他の遮蔽カーテン16がX線を遮蔽するので漏えい基準量を超えることなくX線の漏えいを防止できるようになっている。なお、検査空間22の上面にはスリットが配置され、検査空間22の下面、側面は、X線の遮蔽のために筐体4等により略閉塞されている。搬送路21における遮蔽カーテン16、スリット、および筺体4等により囲まれた内側の空間が検査空間22を構成している。
【0036】
X線異物検出装置1は、X線検出器10からの濃度データが入力されるとともに被検査物W中の異物の有無を判定する制御部40を備えている。
【0037】
制御部40は、X線ラインセンサ51、52からの濃度データに対して所定のタイミングで入力された濃度データだけをそれぞれ有効化する間引き処理を行うデータ検出部61、62と、データ検出部61、62でそれぞれ間引き処理されたX線ラインセンサ51、52の濃度データをそれぞれ複数記憶する記憶部43と、X線ラインセンサ51、52からの濃度データの画像(以下、単に画像という)に対して合成処理、フィルタ処理等の画像処理を施す画像処理部44と、画像処理部44で画像処理が施された画像に対して被検査物Wと異物との判別を行って異物の混入の有無を判定する判定部48とを備えている。判定部48による判定結果は表示器5に表示されるようになっている。
【0038】
データ検出部60は、本実施の形態では2つのデータ検出部61、62からなり、X線ラインセンサ51、52からの濃度データに対して所定のタイミングで入力された濃度データだけをそれぞれ有効化するようになっている。具体的には、
図4に示すように、データ検出器61、62(
図4では、データ検出機D1、D2と表す)は、X線ラインセンサ51、52の受光素子(
図4では、受光素子R1、R2と表す)からのデータのうち、データ有効化入力タイミングの範囲のデータだけを採用して有効化し、後段の記憶部43に出力するようになっている。
【0039】
記憶部43は、X線ラインセンサ51、52から出力されたデータのうち、データ検出部61、62で有効化されたデータを一時的に記憶するものであり、画像を高速に記憶および読み出しが可能なメモリから構成されている。
【0040】
画像処理部44は、X線ラインセンサ51、52からの濃度データの画像に対して合成処理、フィルタ処理等の画像処理を施すようになっている。
【0041】
判定部48は、画像処理部44で画像処理が施された画像に対して、画像上の被検査物Wの中から異物を検出し、異物の混入の有無を判定するようになっている。
【0042】
また、X線異物検出装置1は、X線発生器9のX線出力、被検査物Wの搬送速度、X線検出器10の検査パラメータの設定操作、選択操作が行われる設定部49を備えており、この設定部49は、筐体4の前面上部の表示器5の隣に配置されている。
【0043】
検査空間22の上部または上方であってX線管31、32から出力されたX線を受ける位置には、回転軸を中心として回転することにより、受けたX線の線質を順次切替えて出力する回転板70が設けられている。回転板70は、その設置位置についてはスリットの上面側または下面側の何れであってもよいが、回転板70をスリットの下面側(検査空間22内の上部)に設ける場合、前述したように、X線管31、32により生成されたX線は、下方のX線検出器10に向けて、図示しないスリットにより略三角形状のスクリーン状となって搬送方向(X方向)を横切るように照射されるため、X線の幅が相対的に狭いスリットの直下に設けられることが好ましい。また、この回転板70は、高速に回転することから、安全性もしくは安定性の点からも、スリットの上面側(X線発生器9の内部)、もしくは図示しない回転板カバーとともにスリットの下面側(検査空間22内の上部)に設けるとなおよい。
【0044】
回転板70は、
図3(a)に示すように、X線を遮蔽する部材からなる遮蔽部71とX線を透過させる透過部72とを交互に配置して構成されるとともに、X線管31およびX線管32から出力されたX線の一方を透過部72により順次透過させ、他方を遮蔽部71により順次遮蔽させる位置に配置されており、回転することによりX線管31およびX線管32から出力されたX線の一方を順次透過させ、他方を順次遮蔽させることで、X線の線質を順次切替えて出力するようになっている。この回転板70は、例えば、直径が約30cm、透過部72の周方向の幅が外周部から内周部までほぼ一定で約1.5mm、回転数が1200rpmであり、1秒間に約314回のX線の遮蔽と透過を繰り返すようになっている。回転板70は、透過部72の周方向の幅が外周部と内周部とでほぼ一定であるのに対し、遮蔽部71の周方向の幅が外周部で広く内周部で狭くなっている。このため、回転板70の周方向における透過部72と遮蔽部71の幅の比は、外周部では大きく内周部では小さいものとなる。なお、
図3(a)の例では、遮蔽部71がX線を遮蔽する部材をプロペラ形状に形成したものからなり、この遮蔽部71の隙間の切欠き状の空間が透過部72として形成されているが、強度維持の為や製造工程上の都合等により、透過部72は、実質的にX線を透過するとみなせる材質の部材から構成してもよい。
【0045】
また、回転板70は、
図3(b)に示すように、遮蔽部71および透過部72と、所定の割合でX線を透過したりX線の線質を異ならせるフィルタ部73を備えた構成としてもよく、この場合、回転することによりX線管31およびX線管32から出力されたX線の一方を順次透過または線質を異ならせ、他方を順次遮蔽させることで、X線の線質を順次切替えて出力することができる。フィルタ部73は、遮蔽部71を構成する部材とは材質が異なる部材から構成したり、遮蔽部71とは材質が同一で厚みが異なる部材から構成することができる。
【0046】
なお、X線管30として、1つのX線管(例えば、X線管31)のみを備えるとともに、回転板70を、
図3(c)に示すように、第1の線質でX線を透過させる第1フィルタ部75と、第2の線質でX線を透過させる第2フィルタ部76とが軸の周りに交互に設けられた構成としてもよく、この場合、回転板70が軸を中心として回転することにより、回転板70を透過するX線の線質が第1の線質または第2の線質の何れかに順次切替わることとなる。
【0047】
また、回転板70は、
図3(d)に示すように、回転板70は、遮蔽部71の周方向の幅が外周部で狭く内周部で広い狭い形状であってもよい。この場合、回転板70の周方向における透過部72と遮蔽部71の幅の比は、外周部では小さく内周部では大きいものとなる。
図3(d)の構成では、回転板70の回転軸の位置を移動する移動機構74を設けることにより、X線源X1からのX線を遮蔽する時間とX線源X2からのX線を遮蔽する時間とを調整することができるようになっている。
図3(d)では、X線源X1からのX線を遮蔽する時間が短く、X線源X2からのX線を遮蔽する時間が長くなっている。
【0048】
次に、
図3(a)の回転板70を用いた場合の動作を
図2の構成図および
図4のタイミングチャートを参照して説明する。なお、
図4において、X線源X1、X2は
図2のX線管31、32に相当し、データ検出部D1、D2は
図2のデータ検出部61、62に相当する。
【0049】
制御部40は、予め設定された速度で搬送部2を駆動して被検査物Wを搬送するとともに、予め設定された強度でX線発生器9のX線ラインセンサ51、52から被検査物WにX線を照射する。
【0050】
X線源X1、X2から照射されたX線はそれぞれ図示しないスリットにより略三角形状のスクリーン状に整えられた後、
図4に示すように回転する回転板70を交互に通過する。これにより、X線源X1、X2からのX線は時間分離される。
【0051】
回転板70を通過したX線は、受光素子R1、R2から所定の読み取りタイミングで検出データ(電気信号)として出力される。受光素子R1、R2の読み取りタイミングは、回転板70を交互に通過したX線のそれぞれの時間幅より短く設定されるとともに、変更が可能となっている。
【0052】
受光素子R1、R2から出力された検出データは、データ検出部D1、D2において、間引き処理によりデータ有効化入力タイミングの時間幅内のデータ部分のみが有効化される。データ検出部D1、D2においては、データ有効化入力タイミングは、X線の輝度変化に基づいて自動で調整可能となっている。
【0053】
データ検出部D1、D2で有効化された検出データは、記憶部43に記憶された後、画像処理部44で合成等の画像処理が施され、判定部48で被検査物Wと異物との判別により異物の混入の有無が判定される。この判定結果は表示器5に表示される。
【0054】
ここで、
図5(a)〜
図5(c)を参照して、X線異物検出装置1のX線源と受光素子の組合せ例を説明する。
【0055】
X線源と受光素子の組合せについては、
図5(a)に示すように、複数のX線源X1、X2、…、Xnと、これらとそれぞれペアを組む複数の受光素子R1、R2、…、Rnを備える構成とすることで、受光素子R1、R2、…、Rnは、ペアを組むX線源X1、X2、…、XnのX線出力にそれぞれ合わせて適切なゲインを設定することができる。
【0056】
また、
図5(b)に示すように、複数のX線源X1、X2、…、XnからのX線を1箇所に集約させるとともに、X線が集約する場所に複数の受光素子R1、R2、…、Rnを下方に順次並べて配置し、X線源X1からのX線を最上部の受光素子R1で検出し、X線源X2からのX線を2段目の受光素子R2で検出し、X線源XnからのX線をn段目の受光素子Rnで検出するようにしてもよい。
【0057】
また、
図5(c)に示すように、複数のX線源X1、X2、…、XnからのX線を1箇所に集約させるとともに、X線が集約する場所に1つの受光素子R1を配置し、X線源X1、X2、…、Xnからの全てのX線を受光素子R1で検出するようにしてもよい。
【0058】
図5(a)〜
図5(c)の何れの構成であっても、X線源X1、X2、…、XnからのX線が回転板70により時間分離されて互いに異なる時間に検出されるため、相互に干渉し合うことがない。
【0059】
図6(a)〜
図6(c)を参照して、X線異物検出装置1の回転板70の配置例を説明する。
【0060】
回転板70の配置例については、
図6(a)に示すように、複数のX線源X1、X2、…、Xnと、これらとそれぞれペアを組む複数の受光素子R1、R2、…、Rnの間に1つの回転板70を設ける構成とする他に、
図6(b)に示すように、複数のX線源X1、X2、…、Xnと複数の受光素子R1、R2、…、Rnの間のX線通過領域にそれぞれ回転板70を設ける構成としたり、
図6(c)に示すように、2つのX線源X1、X2と2つの受光素子R1、R2の間に1つの回転板70を設け、同様に、2つのX線源X3、X4と2つの受光素子R3、R4の間に1つの回転板70を設けるように構成することができる。
【0061】
図7(a)、
図7(b)を参照して、X線異物検出装置1の受光素子とデータ検出部の組合せ例を示す図である。
【0062】
受光素子とデータ検出部の組合せについては、
図7(a)に示すように、各受光素子R1、R2、…、Rnの後段に、これら受光素子R1、R2、…、Rnとそれぞれペアを組むデータ検出部D1、D2、…、Dnを設ける構成とする他に、
図7(b)に示すように、複数の受光素子R1、R2、…、Rnの後段に1つのデータ検出部D1を設ける構成とすることができる。
【0063】
以上のように、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、X線を発生させるX線発生器9と、このX線発生器9からのX線を受けるX線検出器10とを有し、X線発生器9とX線検出器10の間の検査空間22内を所定の搬送方向に搬送される被検査物WにX線を照射し、その透過量に基づいて被検査物W中の異物の有無を判定するX線異物検出装置1であって、検査空間22の上部に配置され、X線発生器9から出力されたX線を受ける位置に設けられて、線質を順次切替えて出力する線質切替手段としての軸を中心として回転する回転板70と、X線検出器10が検出した回転板70からのX線に応じた検出データに基づいて被検査物W中の異物の有無を判定する判定部48と、を備えたことを特徴とする。
【0064】
この構成により、X線発生器9から出力されたX線が回転する回転板70により線質が順次切替えて出力されることで、X線検出器10は線質毎に時間分離されたX線を受けることができる。したがって、線質の異なるX線が検出段階で干渉することを防止することができる。
【0065】
また、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、X線検出器10は、検出するX線の線質毎に検出データを出力し、X線検出器10から出力される線質毎の検出データを合成して被検査物Wに対応する1つの画像データとして出力する画像処理部44と、を備え、判定部48が、画像処理部44の出力する画像データに基づいて被検査物W中の異物の有無を判定することを特徴とする。
【0066】
この構成により、互いに線質の異なるX線を用いるとともに、X線検出器10からの検出データを合成することにより、被検査物Wの厚みによる影響を低減させ、異物を強調させた画像を得ることができる。
【0067】
また、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、X線発生器9は、線質の異なるX線を出力する第1および第2のX線源としてのX線ラインセンサ51、52を有し、回転板70にX線を遮蔽する遮蔽部71とX線を透過する透過部72とが軸の周りに交互に設けられ、軸を中心として回転することによりX線ラインセンサ51、52からそれぞれ出力されたX線の一のX線を順次透過させ、他のX線を順次遮蔽させることにより線質を順次切替えることを特徴とする。
【0068】
この構成により、回転する回転板70がX線ラインセンサ51、52からそれぞれ出力されたX線の一のX線を順次透過させ、他のX線を順次遮蔽させることにより、X線検出器10は線質毎に時間分離されたX線を受けることができる。したがって、線質の異なるX線が検出段階で干渉することを防止することができる。
【0069】
また、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、回転板70に第1の線質でX線を透過させる第1フィルタ部75と、第2の線質でX線を透過させる第2フィルタ部76とが軸の周りに交互に設けられ、軸を中心として回転することにより線質を順次切替えることを特徴とする。
【0070】
この構成により、X線検出器10は、回転する回転板70からの第1の線質と第2の線質に時間分離されたX線を受けることができる。したがって、線質の異なるX線が検出段階で干渉することを防止することができる。
【0071】
また、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、X線検出器10が検出するX線の線質の一方が高エネルギーのX線であり、他方が低エネルギーのX線であることを特徴とする。
【0072】
この構成により、高エネルギーのX線と低エネルギーのX線を用いることにより、被検査物Wの厚みによる影響を低減させ、異物を強調させた画像を得ることができる。
【0073】
また、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、回転板70が、高エネルギーのX線を出力する部位の回転方向の幅よりも、低エネルギーのX線を出力する部位の回転方向の幅が広いことを特徴とする。
【0074】
この構成により、低エネルギーのX線をX線検出器10が受ける時間が高エネルギーのX線をX線検出器10が受ける時間より長くなり、コントラストの高いX線画像を得ることができる。
【0075】
また、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、X線発生器9に対する回転板70の位置を変更する移動機構74を備え、回転板70が、回転軸に近い内周部部位から回転軸から遠い外周部に向うにしたがって、透過部72の回転方向の幅が広くなっていることを特徴とする。
【0076】
この構成により、移動機構74により回転板70の位置を変更することにより、回転板70から出力される線質の異なるX線のデューティー比を変更することができる。
【0077】
また、本実施の形態に係るX線異物検出装置1は、X線検出器10が検出データを出力するタイミングを変更するとともに、X線検出器10の出力する検出データを所定のタイミングで有効化する制御部40と、を備えたことを特徴とする。
【0078】
この構成により、検出データを出力するタイミングを変更し、所定のタイミングで検出データの有効化をすることにより、線質の異なるX線の分離を確実に行うことができる。