【課題を解決するための手段】
【0005】
基板の表面を十分に疎水化させれば、パターンの倒壊を抑制することができる。しかしながら、基板の表面が十分に疎水化されていない場合には、パターンの倒壊を抑制することができない。具体的には、たとえば、金属膜が形成された基板に疎水化剤としてのシリル化剤を供給したとしても、金属膜が疎水化されないので、基板を十分に疎水化させることができない。その一方で、金属を疎水化させるメタル系の疎水化剤を基板に供給すれば、金属膜が基板に形成されている場合であっても、この金属膜を疎水化させることができる。しかしながら、本願発明者の研究によると、メタル系の疎水化剤を用いた場合でも、基板を十分に疎水化できない場合があることが分かった。
【0006】
具体的には、メタル系の疎水化剤は、それ自体では安定しないので、他の溶剤(希釈溶剤)をメタル系の疎水化剤に混合させる必要がある。しかしながら、水酸基を含む溶剤をメタル系の疎水化剤に混合させると、メタル系の疎水化剤の能力(基板を疎水化させる能力)が低下してしまう。つまり、水酸基を含む溶剤がメタル系の疎水化剤に混合されている場合や、水酸基を含む溶剤が保持されている基板にメタル系の疎水化剤が供給された場合には、メタル系の疎水化剤は、その能力を十分に発揮することができない。
【0007】
さらに、メタル系の疎水化剤によって基板を疎水化したとしても、メタル系の疎水化剤を供給した後に水を含む液体または蒸気を基板に供給すると、基板に対する処理液の接触角が小さくなる。そのため、基板を乾燥させるときに、パターンに加わる力(パターンを倒壊させる力)が大きくなる。さらに、基板の表面に水が保持されている状態でこの基板の表面にメタル系の疎水化剤を供給したとしても、基板が十分に疎水化しない。すなわち、本願発明者は、金属膜が形成されている基板にメタル系の疎水化剤を供給したとしても、水の存在下では金属膜を十分に疎水化できないことを見出した。
【0008】
そこで、この発明の目的は、金属膜が形成された基板においてパターンの倒壊を抑制することができる基板処理方法および基板処理装置を提供することである。
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、金属膜(M)が形成された基板(W)を処理する基板処理方法であって、水を含むリンス液を基板に供給するリンス液供給工程(S2)と、前記リンス液供給工程が行われた後に、水酸基を含まない第1溶剤を基板に供給することにより、基板に保持されている液体を第1溶剤に置換する第1溶剤供給工程(S4,S5)と、前記第1溶剤供給工程が行われた後に、水酸基を含まない第2溶剤を含み金属を疎水化する疎水化剤を基板に供給することにより、基板に保持されている液体を疎水化剤に置換する疎水化剤供給工程(S6)と、を含
み、前記第1溶剤供給工程は、物理的な力が加えられた第1溶剤を基板に供給することにより、基板に保持されている液体を第1溶剤に置換する物理的置換工程を含む、基板処理方法である。基板に供給される疎水化剤は、疎水化剤の液体であってもよいし、疎水化剤の蒸気であってもよい。同様に、基板に供給される第1溶剤は、第1溶剤の液体であってもよいし、第1溶剤の蒸気であってもよい。疎水化剤の蒸気は、疎水化剤が気化したものであってもよいし、疎水化剤の液滴とこの液滴を運ぶキャリアガス(たとえば、窒素ガスなどの不活性ガス)とを含む混合流体であってもよい。第1溶剤の蒸気についても同様である。なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【0009】
この方法によれば、金属膜が形成された基板に水を含むリンス液が供給される。その後、水酸基を含まない第1溶剤が基板に供給され、基板に保持されている液体(リンス液またはリンス液を含む液体)が第1溶剤に置換される。これにより、基板からリンス液が除去される。そして、第1溶剤の供給が行われた後に、水酸基を含まない第2溶剤を含み金属を疎水化する疎水化剤が、基板に供給される。これにより、基板に保持されている液体(第1溶剤の液体)が疎水化剤に置換される。疎水化剤が基板に供給されるときに基板に保持されている液体は、第1溶剤の液体である。第1溶剤は水酸基を含まないので、疎水化剤と第1溶剤とが混ざり合うことにより、疎水化剤の能力(基板を疎水化させる能力)が低下することを抑制または防止することができる。さらに、水酸基を含まない第2溶剤が疎水化剤に含まれているので、疎水化剤を安定させることができると共に、疎水化剤の能力が低下することを抑制または防止することができる。しかも、疎水化剤が基板に供給される前に、第1溶剤の供給によって基板からリンス液が除去されているので、疎水化剤は、水が基板に残っていない状態、または水の残留量が極めて少ない状態で、基板に供給される。したがって、基板を十分に疎水化させることができる。そのため、基板を乾燥させたときにパターンが倒壊することを抑制することができる。
さらに、この方法によれば、物理的な力が加えられた第1溶剤が基板に供給される。基板に保持されている液体(リンス液またはリンス液を含む液体)は、第1溶剤が基板に沿って流れる力に加えて、第1溶剤に加えられた物理的な力によって基板から除去される。これにより、基板に対する水の残留量を低減することができる。したがって、水が基板に残っていない状態、または水の残留量が極めて少ない状態で、疎水化剤を基板に供給することができる。これにより、基板を十分に疎水化させることができる。そのため、パターンの倒壊を抑制することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、前記リンス液供給工程が行われた後であって、前記第1溶剤供給工程が行われる前に、水に対する溶解度が第1溶剤よりも高い水溶性溶剤を基板に供給することにより、基板に保持されている液体を水溶性溶剤に置換する水溶性溶剤供給工程(S3)をさらに含む、請求項1記載の基板処理方法である。第1溶剤は、水に溶ける溶剤であってもよいし、水に溶けない溶剤であってもよい。
【0011】
この方法によれば、水を含むリンス液が基板に供給された後に、水溶性溶剤および第1溶剤が、この順番で基板に順次供給される。リンス液が保持されている基板に水溶性溶剤が供給されることにより、基板に保持されているリンス液の大部分が水溶性溶剤によって押し流されて除去される。さらに、水溶性溶剤は、水に対する溶解度が第1溶剤よりも高いので、リンス液が水溶性溶剤に置換される過程で、基板に保持されているリンス液の一部は、水溶性溶剤に溶け込み、この水溶性溶剤と共に基板から除去される。そして、水溶性溶剤の供給後に第1溶剤が基板に供給されることにより、基板に保持されている水溶性溶剤が第1溶剤に置換される。基板に保持されている水溶性溶剤にリンス液が含まれている場合でも、このリンス液は、水溶性溶剤が第1溶剤に置換される過程で、水溶性溶剤と共に基板から除去される。これにより、基板に対する水の残留量を低減することができる。したがって、水が基板に残っていない状態、または水の残留量が極めて少ない状態で、疎水化剤を基板に供給することができる。これにより、基板を十分に疎水化させることができる。そのため、パターンの倒壊を抑制することができる。
【0013】
請求項
3記載の発明は、前記第1溶剤供給工程は、前記物理的置換工程が行われる前に、第1溶剤を基板に供給することにより、基板に保持されている液体を第1溶剤に置換する置換工程(S4)をさらに含む、
請求項1または2記載の基板処理方法である。
この方法によれば、リンス液が供給された基板に第1溶剤が供給される。その後、物理的な力が加えられた第1溶剤が基板に供給される。すなわち、最初の第1溶剤の供給によって基板に保持されている液体(リンス液またはリンス液を含む液体)が除去された後に、物理的な力が加えられた第1溶剤が基板に供給される。そのため、最初の第1溶剤の供給後に極僅かなリンス液が基板に残留していたとしても、物理的な力が加えられた第1溶剤の供給によって、この僅かに残っているリンス液を基板から除去することができる。したがって、水が基板に残っていない状態、または水の残留量が極めて少ない状態で、疎水化剤を基板に供給することができる。これにより、基板を十分に疎水化させることができる。そのため、パターンの倒壊を抑制することができる。
【0014】
請求項
4記載の発明は、前記物理的置換工程は、振動が加えられた第1溶剤を基板に供給する工程(S5)と、運動エネルギが与えられた第1溶剤の液滴を基板に衝突させる工程とのうちの少なくとも一方を含む、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理方法である。
この方法によれば、基板に保持されている液体(リンス液またはリンス液を含む液体)は、第1溶剤が基板に沿って流れる力に加えて、第1溶剤の振動および/または第1溶剤の運動エネルギによって基板から除去される。これにより、基板に対する水の残留量を低減することができる。したがって、水が基板に残っていない状態、または水の残留量が極めて少ない状態で、疎水化剤を基板に供給することができる。これにより、基板を十分に疎水化させることができる。そのため、パターンの倒壊を抑制することができる。
【0015】
請求項
5記載の発明は、前記疎水化剤供給工程が行われた後に、基板から液体を除去して基板を乾燥させる乾燥工程(S8)と、前記疎水化剤供給工程が終了してから前記乾燥工程が終了するまで基板が水に接触しない状態を維持する非接触状態維持工程(S7)と、をさらに含む、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理方法である。
この方法によれば、疎水化剤が基板に供給された後に、基板から液体が除去される。これにより、基板が乾燥する。そして、疎水化剤の供給が終了してから基板の乾燥が終了するまでの間、基板に対する水の接触が防止される。すなわち、疎水化剤の供給が終了してから基板の乾燥が終了するまでの間、水を含む液体または蒸気が基板に供給されない。したがって、疎水化剤が供給された基板に対する水の接触により、基板に対する処理液の接触角が減少することを抑制または防止することができる。これにより、基板を乾燥させるときに、パターンに加わる力(パターンを倒壊させる力)が大きくなることを抑制または防止することができる。そのため、パターンの倒壊を抑制することができる。
【0016】
請求項
6記載の発明は、
金属膜が形成された基板を処理する基板処理方法であって、水を含むリンス液を基板に供給するリンス液供給工程と、前記リンス液供給工程が行われた後に、水酸基を含まない第1溶剤を基板に供給することにより、基板に保持されている液体を第1溶剤に置換する第1溶剤供給工程と、前記第1溶剤供給工程が行われた後に、水酸基を含まない第2溶剤を含み金属を疎水化する疎水化剤を基板に供給することにより、基板に保持されている液体を疎水化剤に置換する疎水化剤供給工程と、前記疎水化剤供給工程が行われた後に、基板から液体を除去して基板を乾燥させる乾燥工程と、前記疎水化剤供給工程が終了してから前記乾燥工程が終了するまで基板が水に接触しない状態を維持する非接触状態維持工程と、を含み、前記非接触状態維持工程は、前記疎水化剤供給工程が行われた後であって、前記乾燥工程が行われる前に、水を含まず、水よりも沸点が低い乾燥剤を基板に供給することにより、基板に保持されている液体を乾燥剤に置換する乾燥剤供給工程(S7)を含む
、基板処理方法である。
この方法によれば、疎水化剤が基板に供給された後に、乾燥剤が基板に供給される。これにより、基板に保持されている液体が乾燥剤に置換される。その後、乾燥剤が基板から除去され、基板が乾燥する。乾燥剤は、水を含んでいないから、疎水化剤が供給された基板に乾燥剤が接触することにより、基板に対する処理液の接触角が減少することを抑制または防止することができる。したがって、基板を乾燥させたときに、パターンが倒壊することを抑制または防止することができる。さらに、乾燥剤は、水よりも沸点が低いから、乾燥に要する時間を短縮することができる。
【0017】
請求項
7記載の発明は、前記疎水化剤供給工程は、基板に供給される疎水化剤の原液が貯留されている疎水化剤タンク(28)から当該基板に至る疎水化剤の流通経路(16、17、30、38)で第2溶剤と疎水化剤の原液とを混合し、この混合された第2溶剤と疎水化剤の原液とを当該基板に供給する工程を含む、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理方法である。「疎水化剤の原液」とは、第2溶剤と混合される前の液体を意味する。すなわち、「疎水化剤の原液」とは、予め希釈液(たとえば、第2溶剤)で希釈された液であってもよいし、複数の液体の混合物であってもよい。
【0018】
この方法によれば、第2溶剤と疎水化剤の原液とが基板に供給される直前で混合される。そして、この混合された第2溶剤と疎水化剤の原液との混合液(疎水化剤)が基板に供給される。基板に供給される直前で第2溶剤と疎水化剤の原液とが混合されるので、疎水化剤が希釈されることにより、疎水化剤の活性が時間の経過と共に低下する場合であっても、活性が低下していない、または活性が殆ど低下していない疎水化剤を基板に供給することができる。これにより、基板を十分に疎水化させることができる。そのため、パターンの倒壊を抑制することができる。
【0019】
請求項
8記載の発明は、第1溶剤と第2溶剤とは、同種の溶剤である、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理方法である。
この方法によれば、第2溶剤と同種の溶剤である第1溶剤が保持された基板に、第2溶剤を含む疎水化剤が供給される。したがって、第1溶剤と疎水化剤とがスムーズに混ざり合い、基板に保持されている第1溶剤がスムーズに疎水化剤に置換される。これにより、第1溶剤から疎水化剤への置換に要する時間を短縮することができる。
【0020】
請求項
9記載の発明は、有底筒状の凹部(S)が基板に形成されている、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理方法である。前記凹部は、たとえば、DRAM(dynamic random access memory)に設けられるキャパシタの電極を構成するシリンダであってもよいし、配線層の間を接続するビアホール(via hole)を含んでいてもよい。
この方法によれば、凹部が形成された基板にリンス液が供給される。凹部は、有底筒状であるから、凹部の底にリンス液が残り易い。したがって、疎水化剤が基板に供給される前に、第1溶剤等を基板に供給することにより、凹部の底に溜まっているリンス液を除去して、水が基板に残っていない状態、または水の残留量が極めて少ない状態で、疎水化剤を基板に供給することができる。これにより、基板を十分に疎水化させることができる。そのため、パターンの倒壊を抑制することができる。
【0021】
請求項
10記載の発明は、基板を保持する基板保持手段(2)と、水を含むリンス液を前記基板保持手段に保持されている基板に供給するリンス液供給手段(16)と、水酸基を含まない第1溶剤を前記基板保持手段に保持されている基板に供給する第1溶剤供給手段(12、16)と、
前記第1溶剤供給手段から前記基板保持手段に保持されている基板に供給される第1溶剤に物理的な力を加える物理力付与手段(15、239)と、水酸基を含まない第2溶剤を含み金属を疎水化する疎水化剤を前記基板保持手段に保持されている基板に供給する疎水化剤供給手段(16)と、
制御手段(27)と、を含む、基板処理装置(1)である。
前記制御手段は、前記リンス液供給手段によってリンス液を前記基板保持手段に保持されている基板に供給させるリンス液供給工程と、前記リンス液供給工程が行われた後に、前記第1溶剤供給手段によって第1溶剤を前記基板保持手段に保持されている基板に供給させることにより、基板に保持されている液体を第1溶剤に置換させる第1溶剤供給工程と、前記第1溶剤供給工程が行われた後に、前記疎水化剤供給手段によって疎水化剤を前記基板保持手段に保持されている基板に供給させることにより、基板に保持されている液体を疎水化剤に置換させる疎水化剤供給工程と、を実行する
。前記第1溶剤供給工程は、前記物理力付与手段によって物理的な力が加えられた第1溶剤を前記基板保持手段に保持されている基板に供給させることにより、基板に保持されている液体を第1溶剤に置換させる物理的置換工程を含む。この方法によれば、請求項1の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0022】
請求項
11記載の発明は、水に対する溶解度が第1溶剤よりも高い水溶性溶剤を基板に供給する水溶性溶剤供給手段(16)をさらに含み、前記制御手段は、前記リンス液供給工程が行われた後であって、前記第1溶剤供給工程が行われる前に、前記水溶性溶剤供給手段によって水溶性溶剤を前記基板保持手段に保持されている基板に供給させることにより、基板に保持されている液体を水溶性溶剤に置換させる水溶性溶剤供給工程をさらに実行する、
請求項10記載の基板処理装置である。この方法によれば、請求項2の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0024】
請求項
12記載の発明は、
前記第1溶剤供給工程は、前記物理的置換工程が行われる前に、前記第1溶剤供給手段によって第1溶剤を前記基板保持手段に保持されている基板に供給させることにより、基板に保持されている液体を第1溶剤に置換させる置換工程をさらに含む
、請求項10または11記載の基板処理装置である。この方法によれば、請求項
3の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0025】
請求項
13記載の発明は、前記物理力付与手段は、前記第1溶剤供給手段から前記基板保持手段に保持されている基板に供給される第1溶剤に振動を加える振動付与手段(15)と、前記第1溶剤供給手段から前記基板保持手段に保持されている基板に供給される第1溶剤に運動エネルギを与えて第1溶剤の液滴を生成する液滴生成手段(239)とのうちの少なくとも一方を含む、
請求項10〜12のいずれか一項に記載の基板処理装置である。この方法によれば、請求項
4の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0026】
請求項
14記載の発明は、前記基板保持手段に保持されている基板から液体を除去して基板を乾燥させる乾燥手段(6)と、前記基板保持手段に保持されている基板が水に接触しない状態を維持する非接触状態維持手段(16)と、をさらに含み、前記制御手段は、前記疎水化剤供給工程が行われた後に、前記基板保持手段に保持されている基板から前記乾燥手段によって液体を除去させて基板を乾燥させる乾燥工程と、前記非接触状態維持手段によって前記疎水化剤供給工程が終了してから前記乾燥工程が終了するまで基板が水に接触しない状態を維持させる非接触状態維持工程と、をさらに実行する、
請求項10〜13のいずれか一項に記載の基板処理装置である。この方法によれば、請求項
5の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0027】
請求項
15記載の発明は、
基板を保持する基板保持手段と、水を含むリンス液を前記基板保持手段に保持されている基板に供給するリンス液供給手段と、水酸基を含まない第1溶剤を前記基板保持手段に保持されている基板に供給する第1溶剤供給手段と、水酸基を含まない第2溶剤を含み金属を疎水化する疎水化剤を前記基板保持手段に保持されている基板に供給する疎水化剤供給手段と、前記基板保持手段に保持されている基板から液体を除去して基板を乾燥させる乾燥手段(6)と、水を含まず、水よりも沸点が低い乾燥剤を基板に供給する乾燥剤供給手段(16)を含み、前記基板保持手段に保持されている基板が水に接触しない状態を維持する非接触状態維持手段と、制御手段(27)と、を含む、基板処理装置である。
前記制御手段は、
前記リンス液供給手段によってリンス液を前記基板保持手段に保持されている基板に供給させるリンス液供給工程と、前記リンス液供給工程が行われた後に、前記第1溶剤供給手段によって第1溶剤を前記基板保持手段に保持されている基板に供給させることにより、基板に保持されている液体を第1溶剤に置換させる第1溶剤供給工程と、前記第1溶剤供給工程が行われた後に、前記疎水化剤供給手段によって疎水化剤を前記基板保持手段に保持されている基板に供給させることにより、基板に保持されている液体を疎水化剤に置換させる疎水化剤供給工程と、前記疎水化剤供給工程が行われた後に、前記基板保持手段に保持されている基板から前記乾燥手段によって液体を除去させて基板を乾燥させる乾燥工程と、前記非接触状態維持手段によって前記疎水化剤供給工程が終了してから前記乾燥工程が終了するまで基板が水に接触しない状態を維持させる非接触状態維持工程と、を実行する。
前記非接触状態維持工程は、前記疎水化剤供給工程が行われた後であって、前記乾燥工程が行われる前に、前記乾燥剤供給手段によって乾燥剤を前記基板保持手段に保持されている基板に供給させることにより、基板に保持されている液体を乾燥剤に置換させる乾燥剤供給工程を含む
。この方法によれば、請求項
6の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0028】
請求項
16記載の発明は、前記疎水化剤供給手段は、前記基板保持手段に保持されている基板に供給される疎水化剤の原液が貯留されている疎水化剤タンク(28)と、前記疎水化剤タンクから前記基板保持手段に保持されている基板に至る疎水化剤の流通経路(16、17、30、38)に供給される第2溶剤が貯留されている第2溶剤タンク(29)と、を含み、前記疎水化剤タンクに貯留されている疎水化剤の原液と前記第2溶剤タンクに貯留されている第2溶剤とを前記流通経路で混合させて、この混合された第2溶剤と疎水化剤の原液とを前記基板保持手段に保持されている基板に供給するように構成されている、
請求項10〜15のいずれか一項に記載の基板処理装置である。この方法によれば、請求項
7の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。