(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記絶縁ハウジングの装着面に突設された溶着ボスが、前記第1の平板端子部及び前記第2の平板端子部のそれぞれの上下端縁に形成された係合凹部に溶着されることを特徴とする請求項1に記載のヒューズ。
少なくとも前記ヒューズエレメントの導電率及び前記溶断部を有する可溶導体部の抜き幅の何れかを変更することにより、定格電流容量が変更されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒューズ。
【背景技術】
【0002】
従来、
図9に示すようなカートリッジヒュージブルリンク501が知られている。カートリッジヒュージブルリンク501は、金属板材をプレス加工することによって略U字形状のヒューズ素子503を形成し、このヒューズ素子503を箱形のケース本体505に収容すると共に、ケース本体505に透明カバー507を覆った状態に設けたものである。ヒューズ素子503は、低融点金属チップを搭載してなる溶断部511を有する略帯状の可溶導体部509と、この可溶導体部509の両端に設けられた一対の端子部513とを金属板で一体形成したものである。カートリッジヒュージブルリンク501は、
図10に示すような電源ボックス515に装着することにより、電源ボックス内でヒューズ回路を形成する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
電源ボックス515には、多数のブレードヒューズ517をそれぞれ収納するためのブレードヒューズ用キャビティ519が縦横に画成されたブレードヒューズ用エリア(
図10中の一点鎖線に囲まれた領域)520と、カートリッジヒュージブルリンク501を収納するためのカートリッジヒュージブルリンク用キャビティ521が画成されたヒュージブルリンク用エリア(
図10中の破線に囲まれた領域)530とが備えられる。電源ボックス515には他に、リレー、電子ユニットなどの電気部品を搭載するキャビティがあるが、本発明には関係ないので説明は省略する。
ブレードヒューズ用キャビティ519には、ブレードヒューズ517が装着され、カートリッジヒュージブルリンク用キャビティ521にはカートリッジヒュージブルリンク501がそれぞれ装着される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のカートリッジヒュージブルリンク501は、
図9に示したように、ヒューズ素子503、ケース本体505、透明カバー507の3部品を組み付ける構成であるため、部品点数が多く、部品コストが高価であった。また、カートリッジヒュージブルリンク501は、定格電流容量に合わせて製品サイズが大きくなる問題があった。このため、電装品の増加によりヒューズ回路数が増加し、それに伴ってカートリッジヒュージブルリンク501の個数が増加すると、電源ボックス515のサイズ(形状)が大型化して重量(質量)が増える虞があった。
また、ヒュージブルリンクとしては、複数のヒューズ回路を一体に備えた連鎖ヒュージブルリンクが知られているが、連鎖ヒュージブルリンクとカートリッジヒュージブルリンク501とはそれぞれが専用部品である。このため、双方を電源ボックス515に備えるには、それぞれの専用スペースが必要となり、この場合にも電源ボックス515が大型化するという問題があった。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、その目的は、部品点数を削減すると共に電源ボックスを省スペース化することができ、しかも、連鎖ヒュージブルリンクとの部品共用化も可能となるヒューズを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る上記目的は、下記(1)〜(4)の構成により達成される。
(1) 第1の平板端子部及び第2の平板端子部における平行な内側縁の間に低融点金属チップを
表面側に搭載してなる溶断部が設けられたヒューズエレメントと、前記
低融点金属チップを収容する溶断部収容空間を有し、前記第1の平板端子部及び前記第2の平板端子部の内側縁及び前記溶断部
だけを覆うように前記ヒューズエレメントの表面側に装着された単一の絶縁ハウジングと、を備えることを特徴とするヒューズ。
【0008】
上記(1)の構成のヒューズによれば、同一平面に配置される第1の平板端子部と第2の平板端子部の間に低融点金属チップを
表面側に搭載してなる溶断部が設けられたヒューズエレメントは、略平板状に形成される。また、このヒューズエレメントの表面側が、溶断部
の低融点金属チップを収容する溶断部収容空間が形成された単一の絶縁ハウジングによって覆われる。
即ち、ヒューズの全体形状は、
低融点金属チップを表面側に搭載した溶断部を覆う絶縁ハウジングの部位が部分的に厚くなった扁平形状となる。そこで、複数のヒューズをヒューズエレメントの板厚方向に平行に重ねて配置したり、同一平面内のヒューズ回路に複数のヒューズを並べて配置したりすることができる。
従って、部品構成がヒューズエレメントと単一の絶縁ハウジングの2点構成となること、扁平形状によりレイアウトの自由度が高まることによって、部品点数の削減、電源ボックスの省スペース化及び連鎖ヒュージブルリンクとの部品共用化が可能となる。
【0009】
(2) 上記(1)の構成のヒューズにおいて、前記絶縁ハウジングの装着面に突設された溶着ボスが、前記第1の平板端子部及び前記第2の平板端子部のそれぞれの上下端縁に形成された係合凹部に溶着されること。
【0010】
上記(2)の構成のヒューズによれば、溶断部を覆う絶縁ハウジングから一体に突出した溶着ボスが、第1の平板端子部及び第2の平板端子部のそれぞれの上下端縁に形成された係合凹部に挿入され、その挿入先端が係合凹部の挿入背面側で溶着される。これにより、部品点数を増やすことなく、絶縁ハウジングをヒューズエレメントに装着する装着作業が容易となり、生産性を向上させることができる。
【0011】
(3) 上記(1)又は(2)の構成のヒューズにおいて、少なくとも前記ヒューズエレメントの導電率及び前記溶断部を有する可溶導体部の抜き幅の何れかを変更することにより、定格電流容量が変更されること。
【0012】
上記(3)の構成のヒューズによれば、同一の外形状のまま、仕様の異なるヒューズのそれぞれに合わせた適正なヒューズ特性(定格電流容量)への変更が可能となる。
【0013】
(4) 上記(1)〜(3)の構成の何れかに記載のヒューズにおいて、前記第1の平板端子部が、バッテリ端子に導通接続される連結プレートに電気的に接合され、前記第2の平板端子部が、出力側電装回路に導通接続される端子部に電気的に接合されること。
【0014】
上記(4)の構成のヒューズによれば、連結プレートと端子部との間にヒューズを電気的に接合することによって、バッテリ端子と出力側電装回路との間に複数のヒューズ回路を一体に備えた連鎖ヒューズを容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るヒューズによれば、部品構成がヒューズエレメントと絶縁ハウジングの2点構成となること、扁平形状によりレイアウトの自由度が高まることによって、部品点数を削減すると共に電源ボックスを省スペース化することができ、しかも、連鎖ヒューズとの部品共用化も可能とすることができる。
【0016】
以上、本発明について簡潔に説明した。さらに、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細はさらに明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態に係るヒューズを詳細に説明する。
本発明の第1実施形態に係るヒュージブルリンク11は、
図1〜
図3に示すように、ヒューズエレメント13と、絶縁ハウジング15と、に大別構成されるヒューズである。
ヒューズエレメント13は、第1の平板端子部17及び第2の平板端子部19における平行な内側縁21の間に、低融点金属チップ23を搭載してなる溶断部31を有する略帯状の可溶導体部25が設けられている。このヒューズエレメント13は、電気回路に接続される第1の平板端子部17及び第2の平板端子部19と、これらを電気接続する略帯状の可溶導体部25とが、例えば銅(Cu)、アルミニウム(Al)などを母材とする金属板のプレス成形によって一体形成される。
【0019】
可溶導体部25は、所定の溶断特性に基づいて溶断し易いように幅が狭められる。即ち、ヒュージブルリンク11は、少なくともヒューズエレメント13の導電率及び溶断部31を有する可溶導体部25の抜き幅Wの何れかを変更することにより、定格電流容量を変更できる。これにより、同一の外形状のまま、仕様の異なるヒュージブルリンク11のそれぞれに合わせた適正なヒューズ特性(定格電流容量)への変更が可能となっている。つまり、ヒュージブルリンク11は、定格電流容量に合わせて製品サイズが大きくなることがない。
【0020】
図1及び
図3に示すように、可溶導体部25には一対の加締片29を備える溶断部31が形成されている。加締片29は、可溶導体部25の幅方向にそれぞれ延出し、この加締片29による加締め付けによって、ヒューズエレメント13よりも融点の低い低融点金属チップ23が溶断部31に圧着固定される。低融点金属チップ23は、第1の平板端子部17及び第2の平板端子部19や可溶導体部25を構成する母材である銅などよりも融点の低い錫(Sn)または錫合金などの低融点金属で構成される。
【0021】
そこで、本実施形態に係るヒューズエレメント13は、可溶導体部25に過電流が流れると、溶断部31の発熱分を低融点金属チップ23に伝熱吸収させることで溶断に至るまでのタイムラグが確保される所謂遅断ヒューズを構成している。
即ち、電動機などの負荷回路においては、その起動時に定常負荷電流値の数倍に達する瞬間過度電流が流れ、またパワーウィンドモータでは窓ガラスを閉めきった時や開ききった時のモーターロック時に定常負荷電流値の数倍に達するモーターロック電流が流れるので、回路ショート等の異常時ではないにもかかわらず定常電流値を超える電流が頻繁に流れる。そこで、上述したヒューズエレメント13を用いることで、このような定常電流値を超える瞬間過度電流やモーターロック電流等に対しては溶断することがなく、かつスライトショート時には速やかに溶断して確実に過度電流を遮断することができる。
【0022】
本実施形態に係る絶縁ハウジング15は、合成樹脂材により一体成形される。絶縁ハウジング15には、
図3に示すように、溶断部31を収容する溶断部収容空間35が形成される。絶縁ハウジング15は、第1の平板端子部17及び第2の平板端子部19の内側縁21及び溶断部31を覆うように、ヒューズエレメント13の表面側に装着される。
【0023】
絶縁ハウジング15の装着面には、4つの溶着ボス37が突設されている。これら溶着ボス37は、第1の平板端子部17及び第2の平板端子部19のそれぞれの上下端縁39に形成された係合凹部41に挿入され、その挿入先端43が係合凹部41の挿入背面側で溶着される。これにより、部品点数を増やすことなく、絶縁ハウジング15をヒューズエレメント13に装着する装着作業が容易となり、生産性を向上させることができる。また、絶縁ハウジング15がヒューズエレメント13の溶断部31を確実に覆うことにより、溶断屑が飛散することによる他のヒュージブルリンク11などへの弊害が防止される。
【0024】
また、絶縁ハウジング15の上面には、平面視で略T字形状となる上面カバー部45が形成されている。この上面カバー部45は、第1の平板端子部17及び第2の平板端子部19の上方における一部分(係合凹部41の近傍)を覆う。この上面カバー部45は、溶断屑が上方へ飛散するのを防止すると共に、後述する電源ボックス47のヒュージブルリンク用キャビティ55に装着されたヒュージブルリンク11を抜き取る際、両端部45aが抜き取り工具に係合される係合部となる。
【0025】
そして、上述した本第1実施形態に係るヒュージブルリンク11は、
図2に示したように、例えばU字状の端子挿入切欠57を形成した相手端子51に装着される。
相手端子51は、U字状の端子挿入切欠57を形成した形状とされ、端子挿入切欠57の入口には開口幅を狭める接触凸部59が形成されている。
一対の相手端子51の端子挿入切欠57にそれぞれ挿入された第1の平板端子部17と第2の平板端子部19とは、表裏面に接触凸部59が接触する。これにより、一対の相手端子51の間が電気的に接続される。
【0026】
また、
図4に示すように、ヒュージブルリンク11を二重相手端子61に装着することもできる。
二重相手端子61は、上記相手端子51と同形状のものを連結部63によって一体に連結したものを打ち抜き、連結部63で180°折り曲げて重ねることで、一対の平行な端子挿入切欠57を二重に備えた相手端子である。
この様に、ヒュージブルリンク11における第1の平板端子部17及び第2の平板端子部19のそれぞれを一対の二重相手端子61によって接続することで、片側で四カ所の接触凸部59を接触させることができ、安定的な電気的接続が実現し、高い接続信頼性を得ることができる。
【0027】
更に、
図5に示すように、ヒュージブルリンク11を折曲相手端子65に装着することもできる。
折曲相手端子65は、一方の端子片67が第1の平板端子部17又は第2の平板端子部19と平行となり、他方の垂直端子片69が、端子片67に対して垂直となるように折曲形成されている。
即ち、垂直端子片69は、端子基部73が端子片67の端子基部76に対して90°折り曲げられ、端子基部73の上方に傾斜部75が形成されることで、接触片部77が、端子片67の幅方向中央に配置されるように形成されている。また、端子片67の上方には、第1の平板端子部17又は第2の平板端子部19の挿入を案内する受入面71が形成される。
【0028】
この様に、ヒュージブルリンク11における第1の平板端子部17及び第2の平板端子部19のそれぞれを一対の折曲相手端子65によって接続することで、
図6(a)に示した相手端子51によって接続した場合に比べて、折曲相手端子65によって接続した場合は、
図6(b)に示したように、第1の平板端子部17又は第2の平板端子部19と折曲相手端子65との接触面積を大幅に増やすことができ、大定格の大電流容量タイプのヒュージブルリンク11の電気的接続が実現する。
【0029】
次に、上記構成を有するヒュージブルリンク11の作用を説明する。
上述したように、本実施形態に係るヒュージブルリンク11では、同一平面に配置される第1の平板端子部17と第2の平板端子部19の間に低融点金属チップ23を搭載してなる溶断部31が設けられたヒューズエレメント13は、略平板状に形成される。また、このヒューズエレメント13の表面側が、溶断部31を収容する溶断部収容空間35が形成された絶縁ハウジング15によって覆われる。
【0030】
即ち、ヒュージブルリンク11の全体形状は、溶断部31を覆う絶縁ハウジング15の部位が部分的に厚くなった扁平形状となる。そこで、複数のヒュージブルリンク11をヒューズエレメント13の板厚方向に平行に重ねて配置したり、同一平面内のヒューズ回路に複数のヒュージブルリンク11を並べて配置したりすることができる。
従って、本実施形態のヒュージブルリンク11は、部品構成がヒューズエレメント13と絶縁ハウジング15の2点構成となることや、扁平形状によりレイアウトの自由度が高まることによって、部品点数の削減、電源ボックス47(
図7参照)の省スペース化及び連鎖ヒュージブルリンク49(
図8参照)との部品共用化が可能となる。
【0031】
図7に示すように、上述したヒュージブルリンク11が搭載される電源ボックス47は、多数のブレードヒューズ517をそれぞれ収納するためのブレードヒューズ用キャビティ519が縦横に画成されたブレードヒューズ用エリア(
図7中の一点鎖線に囲まれた領域)52と、複数のヒュージブルリンク11を収納するための同一形状のヒュージブルリンク用キャビティ55が縦横に画成されたヒュージブルリンク用エリア(
図7中の破線に囲まれた領域)53とが備えられる。これらヒュージブルリンク用キャビティ55には、それぞれ一対の折曲相手端子65が設けられている。
尚、本実施形態に係る電源ボックス47は、
図10に示した従来の電源ボックス515と同数のヒューズ回路を備えている。
【0032】
図7に示した電源ボックス47のブレードヒューズ用エリア52は、
図10に示した従来の電源ボックス515のブレードヒューズ用エリア520と略同じ大きさであるが、ヒュージブルリンク11を収納するためのヒュージブルリンク用エリア53は、
図10に示した電源ボックス515のヒュージブルリンク用エリア530に比べて大幅に小型化することができる。尚、大きさの比較を容易とするため、電源ボックス515のヒュージブルリンク用エリア530を
図7中に二点鎖線で図示する。
【0033】
即ち、定格電流容量が異なるものも、扁平な同一の外形状とされた複数のヒュージブルリンク11は、ヒューズエレメント13の板厚方向に平行に重ねて配置されることで、
図7に示したように、同一形状のヒュージブルリンク用キャビティ55を縦横に整列して配置することができる。そこで、大きさの異なるカートリッジヒュージブルリンク用キャビティ521が画成された電源ボックス515のヒュージブルリンク用エリア530に比べて、本実施形態に係る電源ボックス47のヒュージブルリンク用エリア53をコンパクトにでき、電源ボックス515を省スペース化することができる。
【0034】
次に、本発明の第2実施形態に係るヒュージブルリンク11を説明する。
図8に示した連鎖ヒュージブルリンク49は、上述したヒュージブルリンク11を用いて、車両に備えたバッテリと車両に搭載されている各電子部品との間の連鎖ヒューズとし構成されており、電子部品の増加に伴うヒューズ回路の複雑化に対して簡単に対応できる。
【0035】
本実施形態の連鎖ヒュージブルリンク49は、ブロックベース部87と、連結プレート部79と、ヒュージブルリンク11と、端子部95と、を備えている。
ブロックベース部87は、絶縁樹脂材料で形成されており、インサート成形により内部に連結プレート部79と端子部95とのそれぞれの大部分が埋設状態で設置されている。また、このブロックベース部87には、ヒュージブルリンク11を収容させるために、凹状に窪んだヒューズ収容部87A〜87Dが形成されている。更に、このブロックベース部87の下部には、図示しないLA端子を螺着させるために、3つの凹部91が形成されている。
【0036】
連結プレート部79は、金属板などの導電材料で形成されて両端部がブロックベース部87から露出するような状態で一体に埋設されて形成されており、バスバーを構成している。この連結プレート部79は、その両端部(端子83,85)に電線付きのLA端子を螺着させて取り付けることができるように孔89を設けている。
【0037】
即ち、本実施形態の連結プレート部79は、二分割されているとともにヒュージブルリンク11aで互いに電気的に接続されており、一方側の連結プレート部(以下、第1連結プレート部79Aと呼ぶ)には、前述したように、端部にLA端子との接続用の端子83を構成する舌状の金属部が露出した状態で、ブロックベース部87に一体に埋設されている。また、他方側の連結プレート部(以下、第2連結プレート部79Bと呼ぶ)にも、端部にLA端子との接続用の端子85を構成する舌状の金属部が露出した状態で、ブロックベース部87に一体に埋設されている。
【0038】
本実施形態のヒュージブルリンク11は、ブロックベース部87に形成されたヒューズ収容部87A〜87Dでそれぞれ最適な最大許容電流を有するように、適正なヒューズ特性(定格電流容量)を備えた4種類のヒュージブルリンク11a〜11dがそれぞれヒューズ収容部87A〜87Dに設置される。
【0039】
本実施形態の端子部95は、ブロックベース部87の下部に形成された3つの凹部91から露出するLA端子接続用の端子95A,95B,95Cを備えており、大部分の領域がブロックベース部87に一体に埋設されている。そして、これら端子95A,95B,95Cには、各電子部品と接続された図示しないLA端子を螺着するためのポスト97が突設されている。
【0040】
そして、ブロックベース部87のヒューズ収容部87A〜87Dに、各ヒュージブルリンク11a〜11dがそれぞれ電気的に接合される。この際、各ヒューズ収容部87A〜87Dには、第1連結プレート部79A及び第2連結プレート部79Bの一側縁部と、端子95A,95B,95Cの各端部とが露出しており、ヒュージブルリンク11a〜11dにおける第1の平板端子部17と連結プレート部79の一側縁部とを接合し、第2の平板端子部19と端子95A,95B,95Cの各端部とを接合する。尚、ヒュージブルリンク11a〜11dの接合方法としては、半田による溶接、かしめ、超音波による溶着、光レーザビームによる溶着など各種の接合方法が可能である。
【0041】
上述した連鎖ヒュージブルリンク49によれば、連結プレート部79と端子部95との間をヒュージブルリンク11の可溶導体部25によって接続することで、バッテリと出力側電装回路との間に複数のヒューズ回路を一体に備えた連鎖ヒュージブルリンクを容易に構成することができる。即ち、本実施形態に係るヒュージブルリンク11は、全体形状が扁平形状であるので、同一平面内の連結プレート部79と端子部95により構成されるヒューズ回路に複数のヒュージブルリンク11を並べて配置することができる。
【0042】
また、本実施形態に係るヒュージブルリンク11によれば、上記電源ボックス47に用いるヒュージブルリンク11と連鎖ヒュージブルリンク49に用いるヒュージブルリンク11とを部品共用することができ、ヒュージブルリンク11の設備償却費が下がるので、低コスト化が可能となる。
【0043】
尚、本発明のヒューズに係る第1及び第2の平板端子部、溶断部、ヒューズエレメント及、絶縁ハウジング、溶着ボス、係合凹部、連結プレート及び端子部等の構成は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の主旨に基づいて種々の形態を採りうることは云うまでもない。
例えば、上記実施形態においては、絶縁ハウジング15をヒューズエレメント13に装着するために円筒状の溶着ボス37と略半円状の係合凹部41を用いたが、これら溶着ボス及び係合凹部の形状はこれに限らず、楕円状や多角形状等の種々の形状を採りうることは云うまでもない。