(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771110
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】シート材の検査装置及び検査方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/892 20060101AFI20150806BHJP
G01N 21/898 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
G01N21/892 A
G01N21/898 A
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-217054(P2011-217054)
(22)【出願日】2011年9月30日
(65)【公開番号】特開2013-76646(P2013-76646A)
(43)【公開日】2013年4月25日
【審査請求日】2014年4月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001096
【氏名又は名称】倉敷紡績株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】597090907
【氏名又は名称】東都フォルダー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100091524
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 充夫
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】山崎 昇
(72)【発明者】
【氏名】渕田 幸浩
(72)【発明者】
【氏名】福永 賢一
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 祐介
【審査官】
横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−274522(JP,A)
【文献】
特開平06−018245(JP,A)
【文献】
米国特許第04170419(US,A)
【文献】
特開2004−182459(JP,A)
【文献】
特開2007−298416(JP,A)
【文献】
特開2011−242330(JP,A)
【文献】
特開2010−099235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
B65H 45/04
D06F 89/00
D06F 93/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方の表面にパイルを有するシート材を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されてきた前記シート材を照明する下部照明と、
前記シート材を挟んで前記下部照明と対向する方向から、前記対向する方向を挟んで互いに隣接する2箇所から前記シート材を照明する一組の上部照明と、
前記下部照明と前記上部照明とによって照明されている前記シート材を撮影するラインカメラと、
前記ラインカメラによって撮影した撮影画像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理した結果に基づいて前記シート材の欠陥を検出する欠陥検出部と、
前記欠陥検出部による欠陥の検出結果に基づいて前記シート材の良否を判定する良否判定部と、
前記下部照明と前記上部照明のうち、少なくとも一方は前記シート材の表面における明るさを調整する調光手段と、
を備え、
前記シート材の前記一方の表面で、前記パイルの粗密による影が生じないように、前記下部照明と前記上部照明との前記シート材の表面での明るさを制御する、シート材の検査装置。
【請求項2】
前記上部照明は、前記パイルを有する前記一方の表面を照明する、請求項1に記載のシート材の検査装置。
【請求項3】
前記調光手段は、前記下部照明と前記上部照明のうち、少なくとも一方の照明と前記シート材との距離を調整することによって前記シート材の表面における明るさを調整する、請求項1に記載のシート材の検査装置。
【請求項4】
前記調光手段は、前記下部照明と前記上部照明のうち、少なくとも一方の照明自体の明るさを調整することによって前記シート材の表面における明るさを調整する、請求項1に記載のシート材の検査装置。
【請求項5】
前記シート材がいずれか一つの辺に一つのタグを有する場合であって、
前記良否判定部は、前記シート材の全辺において、合わせて2箇所以上の欠陥を検出した場合に不良と判定する、請求項1に記載のシート材の検査装置。
【請求項6】
前記画像処理部は、前記シート材の面積及び長さのうち少なくとも一方を検出して、前記シート材の種類を判別し、
前記欠陥検出部は、前記画像処理部による前記シート材の判別結果に基づいて、前記シート材の欠陥検出条件を選択し、選択した前記欠陥検出条件に基づいて欠陥を検出する、請求項1に記載のシート材の検査装置。
【請求項7】
少なくとも一方の表面にパイルを有するシート材を搬送するステップと、
搬送されてきた前記シート材を上下方向から照明するステップと、
照明されている前記シート材を撮影するステップと、
前記撮影した撮影画像を画像処理するステップと、
前記画像処理した結果に基づいて前記シート材の欠陥を検出するステップと、
前記欠陥の検出結果に基づいて前記シート材の良否を判定するステップと、
を含み、
前記シート材の前記一方の表面で、前記パイルの粗密による影が生じないように、前記シート材の上下方向からの照明の前記シート材の表面での明るさを制御し、
前記シート材は、いずれか一つの辺に一つのタグを有し、
前記良否判定ステップにおいて、前記シート材の全辺において、合わせて2箇所以上の欠陥を検出した場合に不良と判定する、シート材の検査方法。
【請求項8】
前記画像処理ステップにおいて、前記シート材の面積を検出して、前記シート材の種類を判別し、
前記欠陥検出ステップにおいて、前記画像処理ステップによる前記シート材の種類判別結果に基づいて、前記シート材の欠陥検出条件を選択し、選択した前記欠陥検出条件に基づいて欠陥を検出する、請求項7に記載のシート材の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材、特に、少なくとも一方の表面にパイル(毛羽)を有するハンカチ(タオルハンカチ等)、タオル(ハンドタオル、バスタオル、フェイスタオル)、バスマット、シーツ、和紙、毛織物等のシート材を光学的に検査するシート材の検査装置及び検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リネンサプライ業界では、タオル(バスタオル、フェイスタオル)、シーツ等の大量の洗濯物が処理される。この洗濯物は、使用された結果、穴が開いたり汚れが付着した場合には人によってチェックされて不良品として除外される。また、この洗濯物のチェックを自動化することが試みられている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−329701号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1に記載の検査装置では、布片を上方から照明する照明装置では、例えば、シート材の少なくとも一方の表面にパイル(毛羽)を有する場合にはパイルの粗密によって表面に影を生じる場合がある。このような影が存在すると、欠陥を誤検出するおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、シート材の少なくとも一方の表面にパイル(毛羽)を有する場合であっても、精度の高いシート材の検査装置及び検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る第1態様のシート材の検査装置は、シート材を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されてきた前記シート材を照明する下部照明と、
前記シート材を挟んで前記透過照明と対向する方向から、前記対向する方向を挟んで互いに隣接する2箇所から前記シート材を照明する一組の上部照明と
前記下部照明と前記上部照明とによって照明されている前記シート材を撮影するラインカメラと、
前記ラインカメラによって撮影した撮影画像を画像処理する画像処理部と、
前記画像処理部によって画像処理した結果に基づいて前記シート材の欠陥を検出する欠陥検出部と、
前記欠陥検出部による欠陥の検出結果に基づいて前記シート材の良否を判定する良否判定部と、
を備える。
【0007】
上記第1態様において、前記シート材は、少なくとも一方の表面にパイルを有するものであって、
前記シート材の前記一方の表面で、前記パイルの粗密による影が生じないように、前記下部照明と前記上部照明との前記シート材の表面での明るさを制御してもよい。
【0008】
また、上記第1態様において、前記上部照明は、前記パイルを有する前記一方の表面を照明してもよい。
【0009】
さらに、前記下部照明と前記上部照明のうち、少なくとも一方は前記シート材の表面における明るさを調整する調光手段を有してもよい。
【0010】
またさらに、前記調光手段は、前記下部照明と前記上部照明のうち、少なくとも一方の照明と前記シート材との距離を調整することによって前記シート材の表面における明るさを調整してもよい。
【0011】
また、前記調光手段は、前記透過照明と前記拡散照明のうち、少なくとも一方の照明自体の明るさを調整することによって前記シート材の表面における明るさを調整してもよい。
【0012】
またさらに、前記シート材がいずれか一つの辺に一つのタグを有する場合であって、
前記良否判定部は、前記シート材の全辺において、合わせて2箇所以上の欠陥を検出した場合に不良と判定してもよい。
【0013】
また、前記画像処理部は、前記シート材の面積を検出して、前記シート材の種類を判別し、
前記欠陥検出部は、前記画像処理部による前記シート材の種類判別結果に基づいて、前記シート材の欠陥検出条件を選択し、選択した前記欠陥検出条件に基づいて欠陥を検出してもよい。
【0014】
本発明に係る第2態様のシート材の検査方法は、シート材を搬送するステップと、
搬送されてきた前記シート材を照明するステップと、
照明されている前記シート材を撮影するステップと、
前記撮影した撮影画像を画像処理するステップと、
前記画像処理した結果に基づいて前記シート材の欠陥を検出するステップと、
前記欠陥の検出結果に基づいて前記シート材の良否を判定するステップと、
を含み、
前記シート材は、いずれか一つの辺に一つのタグを有し、
前記良否判定ステップにおいて、前記シート材の全辺において、合わせて2箇所以上の欠陥を検出した場合に不良と判定する。
【0015】
また、前記シート材を照明するステップにおいて、前記シート材の上下方向から照明してもよい。
【0016】
さらに、前記シート材は、少なくとも一方の表面にパイルを有するものであって、
前記シート材の前記一方の表面で、前記パイルの粗密による影が生じないように、前記シート材の上下方向からの照明の前記シート材の表面での明るさを制御してもよい。
【0017】
またさらに、前記画像処理ステップにおいて、前記シート材の面積を検出して、前記シート材の種類を判別し、
前記欠陥検出ステップにおいて、前記画像処理ステップによる前記シート材の種類判別結果に基づいて、前記シート材の欠陥検出条件を選択し、選択した前記欠陥検出条件に基づいて欠陥を検出してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るシート材の検査装置によれば、シート材の少なくとも一方の表面にパイル(毛羽)を有する場合であっても、パイルの粗密による影を生じないので、精度の高い欠陥検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図2】制御部の論理的構成を示すブロック図である。
【
図3】制御部の物理的な構成を示すブロック図である。
【
図4】シート材1が、少なくとも一方の表面にパイル22を有する場合の一例を示す概略図である。
【
図5】(a)は、
図4の場合にパイルの粗密による影が生じないように下部照明4と上部照明6a、6bとの明るさを制御した場合の例を示す概略図であり、(b)は、下部照明4が上部照明6a、6bに比べて暗い場合の概略図であり、(c)は、下部照明4が上部照明6a、6bに比べて明るい場合の概略図である。
【
図6】実施の形態1に係るシート材の検査方法のフローチャートである。
【
図7】シート材1の一つの辺に一つのタグ24を有する場合の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、添付図面を用いて本発明の実施の形態に係るシート材の検査装置及びシート材の検査方法について説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
【0021】
(実施の形態1)
<シート材の検査装置>
図1は、実施の形態1に係るシート材の検査装置20の全体の構成を示す概略図である。
図2は、制御部10の論理的な構成を示すブロック図である。
図3は、制御部10の物理的な構成を示すブロック図である。このシート材の検査装置20は、搬送部2a、2bと、下部照明4と、上部照明6a、6bと、ラインカメラ8と、画像処理部12、欠陥検出部14と、を備える。搬送部2a、2bによってシート材1を搬送する。下部照明4は、搬送部2aによって搬送されてきたシート材1を下方から照明する。上部照明6a、6bは、シート材1を挟んで下部照明4と対向する方向から、対向する方向を挟んで互いに隣接する2箇所からシート材1を照明する。また、ラインカメラ8によって下部照明4と上部照明6a、6bとによって照明されているシート材1を撮影する。つまり、下部照明4は透過照明であって、上部照明6a、6bは拡散照明である。画像処理部12は、ラインカメラ8によって撮影した撮影画像を画像処理する。さらに、欠陥検出部14は、画像処理部12によって画像処理した結果に基づいてシート材1の欠陥を検出する。良否判定部16は、欠陥検出部14による欠陥の検出結果に基づいてシート材1の良否を判定する。また、
図2に示すように、画像処理部12と欠陥検出部14と良否判定部16とは、制御部10として構成してもよい。また、
図3に示すように、この制御部10は、コンピュータの一般的なハードウエアを有するものとして実現できる。例えば、制御部10は、物理的な構成として、CPU31、入力装置32、表示装置33、記憶装置34、インタフェース35、バス36を備える。
【0022】
図4は、シート材1が、少なくとも一方の表面にパイル22を有する場合の一例を示す概略図である。なお、少なくとも一方の表面にパイル22を有するシート材1としては、例えば、ハンカチ(タオルハンカチ等)、タオル(ハンドタオル、バスタオル、フェイスタオル等)、バスマット、シーツ等の他、和紙や毛織物等であってもよい。
図5(a)は、
図4の場合にパイルの粗密による影が生じないように下部照明4と上部照明6a、6bとの明るさを制御した場合の例を示す概略図であり、(b)は、下部照明4が上部照明6a、6bに比べて暗い場合の概略図であり、(c)は、下部照明4が上部照明6a、6bに比べて明るい場合の概略図である。
図5(b)及び(c)に示すように、下部照明4と上部照明6a、6bとのシート材1の表面における明るさのバランスがとれていない場合には、パイル22の粗密による影が生じる。このようにパイル22の粗密による影が存在すると、欠陥を誤検出してしまう場合がある。そこで、このようにシート材1が少なくとも一方の表面にパイル22を有する場合には、シート材1の一方の表面で、パイル22の粗密による影が生じないように、下部照明4と上部照明6a、6bとのシート材の表面での明るさを制御してもよい。これによって、
図5(a)に示すように、パイル22の粗密による影を消すことができる。なお、この場合、上部照明6a、6bは、シート材1のパイル22を有する一方の表面を照明してもよい。
【0023】
また、下部照明4と上部照明6a、6bのうち、少なくとも一方はシート材1の表面における明るさを調整する調光手段18を有してもよい(
図1)。この調光手段18は、下部照明4と上部照明6a、6bのうち、少なくとも一方の照明とシート材1との距離を調整することによってシート材1の表面における明るさを調整してもよい。あるいは、調光手段18は、下部照明4と上部照明6a、6bのうち、少なくとも一方の照明自体の明るさを調整することによってシート材1の表面における明るさを調整してもよい。
【0024】
図7は、シート材1のいずれか一つの辺に一つのタグ24を有する場合の概略図である。シート材1が一つのタグ24を有する場合において、良否判定部16は、シート材1の任意の辺のうち少なくとも一辺について、2箇所以上の欠陥を検出した場合に不良と判定してもよい。タグ24は、一般的にはシート材1の任意の辺のいずれか一箇所に設けられる。このタグ24は、シート材1に縫いつけられているため厚くなっていたり、あるいは色を有する場合があるため、画像処理による欠陥検出ではタグ24は欠陥として認識される。このため、あらかじめタグ24を探してその箇所をマスクするか、タグ24を欠陥と検出しないように精度の高い欠陥検出方法を用いることが考えられる。
しかし、タグ24を探したり、タグ24をマスクしたり、タグ24を欠陥として検出しない高精度の欠陥検出方法を用いると検査時間が余分にかかるなど非効率となるおそれがある。また、タグ24を含む辺をマスクした場合には同じ辺に含まれるかもしれない欠陥を見落とすおそれがある。
【0025】
本装置の欠陥検出部14では、タグ24を探したり、タグ24をマスクしたり、タグ24を欠陥として検出しない高精度の欠陥検出方法を用いることなく、タグ24を欠陥の一つとして検出することを前提としている。
つまり、タグ24は欠陥の一つとして検出されるので、任意の辺の一辺に一つだけの欠陥が検出された場合にはタグ24と考えられる。一方、同じ辺に2箇所以上の欠陥が検出された場合には、たとえ一つがタグ24を欠陥として検出したものであるとしても、もう一つは明らかに欠陥26であるので、タグ24以外に欠陥が存在することがわかる。そこで、同じ辺に2箇所以上の欠陥を検出した場合にはタグ24以外の欠陥が存在するとして不良品と判定できる。
上記方法によれば、欠陥検出部14において、厳密に欠陥26を検出する必要はなく、タグ24と本来の欠陥とを混同してもよい。したがって、より簡易な欠陥検出部14を用いて高速に処理することができる。
なお、複数の辺のうち、異なる辺に1箇所づつ欠陥を検出した場合には、いずれか一方がタグ24を欠陥の一つとして検出したものであったとしてももう一つは明らかな欠陥26と考えられる。そこで、複数の辺のうち、異なる辺に1箇所づつ欠陥を検出した場合にも欠陥を検出したものと判定してもよい。すなわち全辺において、合わせて2箇所以上欠陥を検出した場合に欠陥を検出したものと判定してもよい。
【0026】
また、画像処理部12は、シート材1の面積及び長さのうち少なくとも一つを検出して、シート材1の種類を判別してもよい。例えば、シート材1がバスタオルとフェイスタオルとのいずれであるか判別してもよい。上記の判別例は一例であって、これらに限定するものではない。なお、シート材の種類としては、上述のように、少なくとも一方の表面にパイル22を有するものであって、ハンカチ(タオルハンカチ等)、タオル(ハンドタオル、バスタオル、フェイスタオル)、バスマット、シーツ、和紙、毛織物等である。そこで、上記シート材の任意の種類を判別するようにしてもよい。
【0027】
さらに、シート材1の種類を判別した場合、シート材1の判別結果に基づいて、シート材1の欠陥検出条件を選択し、選択した欠陥検出条件に基づいて欠陥を検出してもよい。上記欠陥検出条件は、シート材1の種類ごと、あるいはいくつかの種類ごとにあらかじめ登録されていてもよい。例えば、上記の例のようにシート材1がバスタオルかフェイスタオルかを判定した場合には、欠陥検出部14における欠陥であるか否かの欠陥検出条件として、例えば、欠陥判定のしきい値を変化させてもよい。具体的には、シート材1がバスタオルである場合には、多少の汚れや破れがあっても使用可能な許容範囲が広いため、欠陥検出条件として、欠陥判定のしきい値が高いバスタオル用の欠陥判定条件を選択してもよい。このバスタオル用の欠陥判定条件によれば、欠陥判定のしきい値が高いため欠陥となる数が減る。一方、シート材1がフェイスタオルである場合には、使用者の顔に触れるものであるため、少しの汚れや破れであっても除く必要があるため、欠陥検出条件として、欠陥判定のしきい値が低いフェイスタオル用の欠陥判定条件を選択してもよい。このフェイスタオル用の欠陥判定条件によれば、欠陥判定のしきい値が低いため欠陥を検出しやすくなる。
【0028】
<シート材の検査方法>
図6は、実施の形態1に係るシート材の検査方法のフローチャートである。
(a)シート材1を搬送部2a、2bによって搬送する(S01)。ここで、シート材1としては、上辺又は下辺のいずれか一箇所に一つのタグ24を有する場合に関する。
(b)搬送されてきたシート材1を照明する(S02)。この場合、照明手段は特に限定されない。なお、例えば、下部照明4と上部照明6a、6bとによってシート材1の上下から照明してもよい。
(c)照明されているシート材1を撮影する(S03)。例えば、ラインカメラ8を用いて撮影してもよい。
(d)撮影した撮影画像を画像処理する(S04)。画像処理方法は特に限定されない。例えば、明度のみを用いた画像としてもよい。
(e)画像処理した結果に基づいてシート材1の欠陥を検出する(S05)。欠陥検出方法は特に限定されない。ここで、欠陥とは例えば白色以外の色調の箇所を意味するものとしてもよい。つまり、通常のシート材1は白色であり、汚れが付着した場合や、破れが生じた場合にはいずれも白色でない箇所として認識されるので、これらの白色でない箇所を欠陥として検出する。なお、タグ24もシート材1自体よりも厚くなっていたり、色調が白色でない場合があり、欠陥として検出される。なお、上記の欠陥検出例は一例であってこれに限定するものではない。
(f)欠陥の検出結果に基づいてシート材1の良否を判定する(S06)。この場合において、シート材1の任意の辺のうち少なくとも一辺について2箇所以上の欠陥を検出した場合に不良と判定してもよい。
つまり、上述のように、タグ24は欠陥として検出されるので、任意の辺のうちの一辺に一つだけの欠陥が検出された場合にはタグ24と考えられる。一方、同じ辺に2箇所以上の欠陥が検出された場合には、たとえ一つがタグ24を欠陥として検出したものであるとしてももう一つは明らかに欠陥26であるので、タグ24以外に欠陥26が存在することがわかる(
図7)。そこで、同じ辺に2箇所以上の欠陥を検出した場合にはタグ24以外の欠陥が存在するとして不良品と判定できる。
上記方法によれば、欠陥検出方法において、厳密に欠陥を検出する必要はなく、タグ24と本来の欠陥とを混同してもよい。したがって、より簡易な欠陥検出方法を利用して高速に処理することができる。
【0029】
また、シート材1として、少なくとも一方の表面にパイル22を有する場合、下部照明4及び上部照明6a、6bのシート材の表面における明るさを制御することによって、シート材1がパイル(毛羽)を有する場合にも、パイル22の粗密による影が生じないようにすることができる(
図4、
図5(a)〜(c))。
図5(b)及び(c)に示すように、下部照明4と上部照明6a、6bとのシート材1の表面における明るさのバランスがとれていない場合には、パイル22の粗密による影が生じる。このようにパイル22の粗密による影が存在すると、欠陥を誤検出してしまう場合がある。そこで、このようにシート材1が少なくとも一方の表面にパイル22を有する場合には、シート材1の一方の表面で、パイル22の粗密による影が生じないように、下部照明4と上部照明6a、6bとのシート材の表面での明るさを制御する。これによって、
図5(a)に示すように、パイル22の粗密による影を消すことができる。なお、この場合、上部照明6a、6bは、シート材1のパイル22を有する一方の表面を照明してもよい。
【0030】
さらに、上記画像処理ステップ(S04)において、シート材1の面積及び長さのうち少なくとも一方を検出して、シート材1の種類を判別してもよい。この場合、判別する種類としては、例えば、ハンカチ(タオルハンカチ等)、タオル(ハンドタオル、バスタオル、フェイスタオル)、バスマット、シーツ、和紙、毛織物等である。そこで、上記シート材の任意の種類を判別するようにしてもよい。さらに、具体的な例としては、バスタオルとフェイスタオルとのいずれであるか判別してもよい。
また、上記欠陥検出ステップ(S05)において、シート材1の判別結果に基づいて、シート材1の欠陥検出条件を選択し、選択した欠陥検出条件に基づいて欠陥を検出してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明に係るシート材の検査装置及び検査方法によれば、シート材の少なくとも一方の表面にパイル(毛羽)を有する場合であっても、パイルの粗密による影を生じないので、精度の高い欠陥検査を行うことができる。そこで、少なくとも一方の表面にパイル(毛羽)を有するシート材の検査装置及び検査方法として特に有用である。
【符号の説明】
【0032】
1 シート材(タオル)
2a、2b 搬送部a、搬送部b
4 下部照明
6a、6b 上部照明
8 ラインカメラ
10 制御部
12 画像処理部
14 欠陥検出部
16 良否判定部
18 調光手段
20 検査装置
22 パイル
24 タグ
31 CPU
32 入力装置
33 表示装置
34 記憶装置
35 インタフェース
36 バス