(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771138
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】非再生中継装置、無線通信システムおよび無線中継方法
(51)【国際特許分類】
H04J 99/00 20090101AFI20150806BHJP
H04B 7/15 20060101ALI20150806BHJP
H04J 1/00 20060101ALI20150806BHJP
H04B 7/04 20060101ALI20150806BHJP
H04B 7/12 20060101ALI20150806BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20150806BHJP
【FI】
H04J15/00
H04B7/15
H04J1/00
H04B7/04
H04B7/12
H04W16/26
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-280478(P2011-280478)
(22)【出願日】2011年12月21日
(65)【公開番号】特開2013-131930(P2013-131930A)
(43)【公開日】2013年7月4日
【審査請求日】2014年7月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 武雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125391
【弁理士】
【氏名又は名称】白川 洋一
(72)【発明者】
【氏名】菅野 一生
(72)【発明者】
【氏名】池田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】北藪 透
【審査官】
羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−197488(JP,A)
【文献】
特開2006−067326(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/082234(WO,A1)
【文献】
特開2008−118337(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/154279(WO,A1)
【文献】
小川 恭孝 YASUTAKA OGAWA,わかりやすいMIMOシステム技術 第1版 MULTIPLE-INPUT MULTIPLE-OUTPUT,株式会社オーム社 竹生 修己,2009年 6月25日,第1版,P.50-53
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04B 7/04
H04B 7/15
H04B 7/12
H04J 1/00
H04W 4/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナを有し、基地局からMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式で送信された無線信号を受信すると共に、前記受信した無線信号を端末局へ中継する非再生中継装置であって、
前記アンテナ毎に設けられ、前記受信した無線信号の周波数を変換する複数の周波数変換器と、
前記端末局の受信状態を示す受信状態情報を取得する端末情報取得部と、
前記各アンテナと使用する周波数との組み合わせ、および前記組み合わせを特定する組み合わせインデックスで構成されたテーブルと、
前記取得した受信状態情報に基づいて、前記テーブルからいずれかの組み合わせインデックスを選択することによって、前記基地局から受信した無線信号を前記端末局へ中継する際に各アンテナで使用する再送周波数を選択する中継周波数制御部と、
前記基地局から受信した無線信号が前記中継周波数制御部によって選択された再送周波数に対応する周波数変換器に入力され、前記再送周波数に変換された無線信号が前記端末局へ送信されるように出力先を切り替えるスイッチと、を備えることを特徴とする非再生中継装置。
【請求項2】
前記再送周波数を変化させ、再送周波数毎に前記端末局から受信状態情報を取得し、取得した受信状態情報に基づいて、新たに再送周波数を選択し、前記新たに選択した再送周波数を用いて中継を行なうことを特徴とする請求項1記載の非再生中継装置。
【請求項3】
前記中継周波数制御部は、前記端末局で得られるMIMO伝送の効率を示す評価量の合計値が最大となる周波数を前記再送周波数として選択することを特徴とする請求項1または請求項2記載の非再生中継装置。
【請求項4】
前記中継周波数制御部は、前記端末局で得られるMIMO伝送の効率を示す評価量の所望累積確率の値が最大となる周波数を前記再送周波数として選択することを特徴とする請求項1または請求項2記載の非再生中継装置。
【請求項5】
前記評価量は、前記端末局におけるスループットであることを特徴とする請求項3または請求項4記載の非再生中継装置。
【請求項6】
前記評価量は、前記端末局から前記基地局へフィードバックされる基地局送信ストリーム毎のチャネル品質情報(CQI)から算出される周波数利用効率の合計値であることを特徴とする請求項3または請求項4記載の非再生中継装置。
【請求項7】
前記評価量は、前記端末局から前記基地局へフィードバックされる空間多重ストリーム数であることを特徴とする請求項3または請求項4記載の非再生中継装置。
【請求項8】
再送周波数として中継に使用していない他の周波数を用いて、前記端末局に対して再送周波数を示す情報を通知することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の非再生中継装置。
【請求項9】
MIMO(Multiple Input Multiple Output)方式で無線信号を送信する基地局と、
請求項1から請求項8のいずれかに記載の非再生中継装置と、
前記基地局または前記非再生中継装置から送信された無線信号を受信する少なくとも一つの端末局と、から構成されることを特徴とする無線通信システム。
【請求項10】
複数のアンテナを有し、基地局からMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式で送信された無線信号を受信すると共に、前記受信した無線信号を端末局へ中継する非再生中継装置の無線中継方法であって、
前記アンテナ毎に設けられた複数の周波数変換器において、前記受信した無線信号の周波数を変換するステップと、
端末情報取得部において、前記端末局の受信状態を示す受信状態情報を取得するステップと、
中継周波数制御部において、前記取得した受信状態情報に基づいて、前記各アンテナと使用する周波数との組み合わせ、および前記組み合わせを特定する組み合わせインデックスで構成されたテーブルからいずれかの組み合わせインデックスを選択することによって、前記基地局から受信した無線信号を前記端末局へ中継する際に各アンテナで使用する再送周波数を選択するステップと、
スイッチにおいて、前記基地局から受信した無線信号が前記中継周波数制御部によって選択された再送周波数に対応する周波数変換器に入力され、前記再送周波数に変換された無線信号が前記端末局へ送信されるように出力先を切り替えるステップと、を少なくとも含むことを特徴とする無線中継方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のアンテナを用いて、基地局からMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式で送信された無線信号を受信すると共に、受信した無線信号を端末局へ中継する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、無線通信において周波数利用効率を高めるための伝送技術として、MIMO伝送が用いられている。MIMO伝送では、送受信アンテナ数に応じて伝送容量を増加させることができる。しかし、携帯端末等の小型の無線機に複数のアンテナを実装すると、アンテナ間相関が高くなってしまう。さらに、素子間結合によりアンテナ放射効率が低下して、十分な効果が得られなくなる。
【0003】
特許文献1では、ある周波数帯域において基地局からMIMO伝送された信号を受信し、異なる周波数に変換して非再生再送信する複数中継機を用いる無線通信方式が開示されている。この方式では、中継機から再送信された信号を受信した端末は、それぞれ異なる周波数帯域の信号を受信し、ベースバンド変換した信号を用いてMIMO信号分離を行なう。このような構成により、端末側で同一周波数を使用するアンテナ数を低減することができ、アンテナ効率を向上させることができる。また、複数の周波数帯域での伝搬路周波数応答を含む等価低域系の伝搬路特性から計算される受信アンテナ間相関を下げることが可能になり、小型の無線端末においても高い伝送容量を得ることができる。
【0004】
図5は、特許文献1に開示された無線通信システムの概略構成を示す図である。
図5において、基地局50は、同一周波数f1で複数のアンテナから信号を空間多重して送信する。基地局50からの電波を受信可能なエリアに配置された複数の周波数変換型中継機51a、51bは、周波数f1で受信した信号をそれぞれ別の周波数に変換して信号を再送信する。ここでは、各中継機51a、51bで周波数f2、f3にそれぞれに変換して信号を増幅し、再送信を行なう。端末52では、周波数f2、周波数f3に対応したアンテナを用いて各周波数で中継された信号を受信し、ベースバンド信号に変換する。このとき各アンテナで受信された信号をr(f2)、r(f3)とすると、下記の関係が成り立つ。
【0005】
【数1】
【0006】
上式で、S
iは基地局50の第iアンテナから送信された送信信号を表し、h
ki(XX)は第k受信アンテナ第i送信アンテナ間の伝搬路周波数応答を表し、上付き文字(SR)、(RD)はそれぞれ基地局50と中継機51a、51bの間、中継機51a、51bと端末52の間の伝搬路を表す。また、中継機51a、51bと端末52の間は、SISO伝送とし、下付き文字は省略した。このように表現した場合、等価低域伝搬路周波数応答を各要素に持つ行列は、MIMO伝搬チャネル行列と等価に扱うことができ、MIMO信号検出回路で各送信信号を検出できる。また、ここでは中継機51a、51bが別々に記載されているが、両中継機51a、51bが単一の装置内に構成されることも考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−118337号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来のMIMO伝送向け端末におけるアンテナ間相関および素子間結合による特性劣化の問題は、送受信アンテナ数が増えるほど顕著に表れる。一方、将来の無線システムでは、周波数利用効率を高くするためにMIMO伝送に用いる送信アンテナ数を増加させる傾向にある。このように非常に多くの送信アンテナを用いるMIMO伝送においては、特許文献1に記載されるような周波数変換型の中継装置を適用する無線通信システムでは、中継機の送信アンテナ何本をどの周波数に変換して再送信するかを周囲の無線環境に応じて選択することが望ましい。しかしながら特許文献1ではアンテナおよび周波数の選択方法については一切触れられていない。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、中継機および端末間の通信で、適切な周波数を選択することができ、基地局と端末と間のMIMO伝送効果を高め、結果としてスループットを向上させることができる非再生中継装置、無線通信システムおよび無線中継方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の非再生中継装置は、複数のアンテナを有し、基地局からMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式で送信された無線信号を受信すると共に、前記受信した無線信号を端末局へ中継する非再生中継装置であって、前記アンテナ毎に設けられ、前記受信した無線信号の周波数を変換する複数の周波数変換器と、使用する周波数帯域に応じて前記周波数変換器を切り替えるスイッチと、前記端末局の受信状態を示す受信状態情報を取得する端末情報取得部と、前記取得した受信状態情報に基づいて、前記基地局から受信した無線信号を前記端末局へ中継する際に使用する再送周波数を選択する中継周波数制御部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
このように、端末局の受信状態を示す受信状態情報を取得し、取得した受信状態情報に基づいて、基地局から受信した無線信号を端末局へ中継する際に使用する再送周波数を選択するので、非再生中継装置と端末との間で通信を行なう際に、適切な周波数を選択することが可能となる。その結果、基地局・端末間のMIMO伝送効果を高め、スループットを向上させることが可能となる。
【0012】
(2)また、本発明の非再生中継装置は、前記再送周波数を変化させ、再送周波数毎に前記端末局から受信状態情報を取得し、取得した受信状態情報に基づいて、新たに再送周波数を選択し、前記新たに選択した再送周波数を用いて中継を行なうことを特徴とする。
【0013】
このように、前記再送周波数を変化させ、再送周波数毎に前記端末局から受信状態情報を取得し、取得した受信状態情報に基づいて、新たに再送周波数を選択し、前記新たに選択した再送周波数を用いて中継を行なうので、非再生中継装置と端末との間で通信を行なう際に、適切な周波数を選択することが可能となる。その結果、基地局・端末間のMIMO伝送効果を高め、スループットを向上させることが可能となる。
【0014】
(3)また、本発明の非再生中継装置において、前記中継周波数制御部は、前記端末局で得られるMIMO伝送の効率を示す評価量の合計値が最大となる周波数を前記再送周波数として選択することを特徴とする。
【0015】
このように、端末局で得られるMIMO伝送の効率を示す評価量の合計値が最大となる周波数を前記再送周波数として選択するので、非再生中継装置と端末との間で通信を行なう際に、適切な周波数を選択することが可能となる。その結果、基地局・端末間のMIMO伝送効果を高め、スループットを向上させることが可能となる。
【0016】
(4)また、本発明の非再生中継装置において、前記中継周波数制御部は、前記端末局で得られるMIMO伝送の効率を示す評価量の所望累積確率の値が最大となる周波数を前記再送周波数として選択することを特徴とする。
【0017】
このように、端末局で得られるMIMO伝送の効率を示す評価量の所望累積確率の値が最大となる周波数を前記再送周波数として選択するので、非再生中継装置と端末との間で通信を行なう際に、適切な周波数を選択することが可能となる。その結果、基地局・端末間のMIMO伝送効果を高め、端末同士の公平性を維持しながらスループットを向上させることが可能となる。
【0018】
(5)また、本発明の非再生中継装置において、前記評価量は、前記端末局におけるスループットであることを特徴とする。
【0019】
このように、評価量は、前記端末局におけるスループットであるので、基地局・端末間のMIMO伝送効果を高め、スループットを向上させることが可能となる。
【0020】
(6)また、本発明の非再生中継装置において、前記評価量は、前記端末局から前記基地局へフィードバックされる基地局送信ストリーム毎のチャネル品質情報(CQI)から算出される周波数利用効率の合計値であることを特徴とする。
【0021】
このように、評価量は、前記端末局から前記基地局へフィードバックされる基地局送信ストリーム毎のチャネル品質情報(CQI)から算出される周波数利用効率の合計値であるので、基地局・端末間のMIMO伝送効果を高め、スループットを向上させることが可能となる。
【0022】
(7)また、本発明の非再生中継装置において、前記評価量は、前記端末局から前記基地局へフィードバックされる空間多重ストリーム数であることを特徴とする。
【0023】
このように、評価量は、前記端末局から前記基地局へフィードバックされる空間多重ストリーム数であるので、基地局・端末間のMIMO伝送効果を高め、スループットを向上させることが可能となる。
【0024】
(8)また、本発明の非再生中継装置は、再送周波数として中継に使用していない他の周波数を用いて、前記端末局に対して再送周波数を示す情報を通知することを特徴とする。
【0025】
このように、再送周波数として中継に使用していない他の周波数を用いて、前記端末局に対して再送周波数を示す情報を通知するので、制御情報に再送周波数を示す情報が含まれていないシステムについても、本発明を適用することが可能となる。
【0026】
(9)また、本発明の無線通信システムは、MIMO(Multiple Input Multiple Output)方式で無線信号を送信する基地局と、上記(1)から(8)のいずれかに記載の非再生中継装置と、前記基地局または前記非再生中継装置から送信された無線信号を受信する少なくとも一つの端末局と、から構成されることを特徴とする。
【0027】
(10)また、本発明の無線中継方法は、複数のアンテナを有し、基地局からMIMO(Multiple Input Multiple Output)方式で送信された無線信号を受信すると共に、前記受信した無線信号を端末局へ中継する非再生中継装置の無線中継方法であって、前記端末局の受信状態を示す受信状態情報を取得するステップと、前記取得した受信状態情報に基づいて、前記基地局から受信した無線信号を前記端末局へ中継する際に使用する再送周波数を選択するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0028】
このように、端末局の受信状態を示す受信状態情報を取得し、取得した受信状態情報に基づいて、基地局から受信した無線信号を端末局へ中継する際に使用する再送周波数を選択するので、非再生中継装置と端末との間で通信を行なう際に、適切な周波数を選択することが可能となる。その結果、基地局・端末間のMIMO伝送効果を高め、スループットを向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、周波数選択型中継機および端末間の通信で用いる適切な周波数を選択することが可能となり、基地局・端末間のMIMO伝送効果を高め、結果としてスループットを向上させることが可能となる。特に、本発明は、基地局が高次の(送信アンテナ数の多い)MIMO伝送を行なっている場合に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本実施形態に係る非再生中継装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】周波数変換器の周波数切り替え手順の一例を示す図である。
【
図3】中継周波数制御部の動作を示すフローチャートである。
【
図4】第2の実施形態に係る非再生中継装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図5】特許文献1に開示された無線通信システムの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る非再生中継装置の概略構成を示すブロック図である。本実施形態に係る非再生中継装置1は、特定の周波数でMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送を行なう基地局に対向して周波数分割複信方式(FDD: Frequency Division Duplex)で送受信を行なうドナーアンテナ10−1〜10−nと、対応する周波数共用器(DUP)11−1〜11−nを備える。また、アンテナ毎に基地局と通信する信号を複数の異なる周波数に変換する複数の周波数変換器12−1−1〜12−n−4と、使用する周波数帯域に合わせて周波数変換器を切り替えるスイッチ13−1〜13−nと、各周波数帯域に対応する増幅器14−1−1〜14−n−3、15−1、15−n、周波数共用器(DUP)17−1−1〜17−n−3、19、および端末対向に送受信を行なうサービスアンテナ16−1−1〜16−n−3、18を有する。なお、周波数共用器の代わりに送受信切り替えスイッチを具備し時分割複信方式(TDD: Time Division Duplex)に対応する構成であってもよい。
【0032】
また、非再生中継装置1に接続される各端末の受信状態を取得する端末情報取得部20と、端末情報取得部20で取得した各端末の受信状態に基づき各サービスアンテナ16−1−1〜16−n−3で再送信する周波数を選択する中継周波数制御部21を備えている。
【0033】
また、中継周波数制御部21は、再送信する周波数を変化させながら各端末の受信状態を端末情報取得部20で取得する。中継周波数制御部21において、取得した各端末の受信状態から中継する周波数を選択する。そして、選択した周波数に固定して中継を行なう。
【0034】
なお、
図1に示す非再生中継装置1では、周波数変換器、増幅器を、各周波数帯毎に具備する構成であるが、複数の周波数に対応するマルチバンドデバイスや複数の周波数で共振可能なアンテナを制御して対象とする周波数にチューニングする構成であっても良い。
【0035】
本実施形態で示す非再生中継装置1は、例えば、周波数f1で基地局からのMIMO伝送を2本のアンテナで受信する。また、各アンテナで受信された信号は、中継周波数制御部21からの指示信号に従い、f1・f2・f3のいずれかの周波数に変換され、増幅後にそれに対応する送信アンテナから送信される。
【0036】
次に、中継周波数制御部21の動作について説明する。
図2は、周波数変換器の周波数切り替え手順の一例を示す図である。また、
図3は、中継周波数制御部の動作を示すフローチャートである。各端末は、周波数f4においてスループット値もしくは有効な空間多重伝送ストリーム数に関する情報を非再生中継装置1に送信する機能を有しており、端末情報取得部20は、受信した情報から端末の情報を得ることができる。非再生中継装置1は、事前に決められた手順に従い、各送信アンテナで用いる周波数を切り替えながら、各状態において端末情報取得部20で得られるスループットもしくは空間多重数から全端末で得られるスループット値を取得する。なお、非再生中継装置1は、現在中継を行なっている周波数に関する情報を周波数f4の下り周波数帯域で報知している。
【0037】
本実施形態では、
図2において、全アンテナ・全周波数の組み合わせ数分の候補を示したが、特定の組み合わせだけを用いる構成でも良い。なお、以下の説明では、用いる組み合わせの数をM、組み合わせのインデックスをmで表現する。
【0038】
上記のように得られた各端末のスループット値に基づき、適切な変換周波数を決定する。本実施形態は、全端末の合計スループット値を最大化する変換周波数の組み合わせを選択するとする。ただし、各端末で得られるスループット値をサンプルとした累積確率密度において所望の確率(例えば5%)を最大化する変換周波数の組み合わせを選択することにより、一定の公平性を得る構成であっても良い。また、スループット値の代わりに空間多重数を用いて選択を行なう構成でも良い。
【0039】
また、非再生中継装置1は、選択された各送信アンテナでの周波数を固定的に用いるように制御を行なう。
【0040】
以上の動作を特定の時間間隔で行なうことにより、各送信アンテナで適切な周波数を選択する。すなわち、
図3において、周波数組み合わせ候補インデックスを初期化する(ステップS1)。次に、ステップS1において指定された候補インデックスに従い、各送信アンテナの周波数を設定する(ステップS2)。次に、所定の時間、上りリンク制御情報から各端末のスループットを取得する(ステップS3)。次に、m≧M−1であるかどうかを判断し(ステップS4)、m≧M−1でない場合は、mに1を加算して(ステップS5)、ステップS2へ遷移する。一方、ステップS4において、m≧M−1である場合は、全端末の合計スループットが最大になるm=m^を選択する(ステップS6)。そして、候補インデックスm^に固定する(ステップS7)。
【0041】
(第2の実施形態)
図4は、第2の実施形態に係る非再生中継装置の概略構成を示すブロック図である。第1の実施形態と異なるのは、端末情報取得部22と中継周波数制御部23の機能である。第2の実施形態では、非再生中継装置100が、中継周波数制御部23において、各端末からの上りリンク制御情報から希望する空間多重数、およびチャネル情報を得ることができる。そして、それらの情報からスループットもしくはそれに準じた周波数利用効率を推定して用いるとする。例えば、送信ストリーム毎に規定されるチャネル品質情報毎に周波数利用効率の合計を計算して用いることが考えられる。この場合、上記の周波数f4において非再生中継装置100と端末との間の報知情報以外の情報を用いずに、端末情報取得部22を動作させることができる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、非再生中継装置1および端末間の通信で用いる適切な周波数を選択することが可能となり、基地局・端末間のMIMO伝送効果を高め、結果としてスループットを向上させることが可能となる。なお、ドナーアンテナ、サービスアンテナに関するアンテナ数の拡張は容易である。
【符号の説明】
【0043】
1 非再生中継装置
10−1〜10−n ドナーアンテナ
12−1−1〜12−n−4 周波数変換器
13−1〜13−n スイッチ
14−1−1〜14−n−3 増幅器
16−1−1〜16−n−3 サービスアンテナ
20 端末情報取得部
21 中継周波数制御部
22 端末情報取得部
23 中継周波数制御部
100 非再生中継装置