特許第5771166号(P5771166)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5771166画像生成機器内で媒体シートを給送する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771166
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】画像生成機器内で媒体シートを給送する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/48 20060101AFI20150806BHJP
   B65H 3/12 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
   B65H3/48 320A
   B65H3/12 320A
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-89173(P2012-89173)
(22)【出願日】2012年4月10日
(65)【公開番号】特開2012-232846(P2012-232846A)
(43)【公開日】2012年11月29日
【審査請求日】2015年3月26日
(31)【優先権主張番号】13/101,630
(32)【優先日】2011年5月5日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ダグラス・ケイ・ハーマン
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−027797(JP,A)
【文献】 特開2005−212978(JP,A)
【文献】 特開平11−180575(JP,A)
【文献】 実開平02−137341(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0230843(US,A1)
【文献】 米国特許第6279896(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00− 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像生成機器において媒体シートを給送する方法であって、
前記画像生成機器の画像生成部に給送される媒体スタックの頂部に位置する媒体シートの先端の頂部に下向きの空気流を作用させるステップと、
前記画像生成機器の前記画像生成部に給送される前記媒体スタックの前記頂部に位置する前記媒体シートの前記先端の前記頂部に真空吸引空気流を作用させ、前記作用させた下向きの空気流と前記作用させた真空吸引空気流とが前記頂部の媒体シートを前記媒体スタックから分離するステップと、
前記分離した前記頂部の媒体シートを前記画像生成部に給送するステップと、
を含み、
前記下向きの空気流と前記真空吸引空気流とは、複数の孔が形成されたプレートを有するシート分離ユニットを介して作用され、
前記プレートは、前記頂部の媒体シートに平行に対向する底面を有し、
前記下向きの空気流は、第1組の孔を用いて作用され、
前記真空吸引空気流は、第2組の孔を用いて作用される、
方法。
【請求項2】
前記第1組の孔を、前記プレートの周縁に配置し、前記第2組の孔を、前記第1組の孔の内側に配置した、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記シート分離ユニットは、真空コルゲーション給送ヘッドと、2つの下向きの空気流のプレートとを備え、
前記2つの下向きの空気流のプレートのうちの1つは、前記媒体シートが給送される方向に垂直な方向に前記真空コルゲーション給送ヘッドの各端に位置する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記頂部の媒体シートが前記画像生成部に到達したか否かを判断するステップと、
前記頂部の媒体シートが前記画像生成部に到達していないと判断された場合、前記頂部の媒体シートに作用される下向きの空気流の量と前記頂部の媒体シートに作用される真空吸引空気流の量とのうちの少なくとも1つを調整するステップと、
を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記頂部の媒体シートが所定時間内に前記画像生成部に到達したか否かを判断するステップと、
前記頂部の媒体シートが前記所定時間内に前記画像生成部に到達していないと判断された場合、前記頂部の媒体シートに作用される下向きの空気流の量と前記頂部の媒体シートに作用される真空吸引空気流の量とのうちの少なくとも1つを調整するステップと、
を更に含む請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願明細書に開示するのは、画像生成機器内で媒体シートを給送する方法および装置ならびに対応する装置およびコンピュータ可読媒体である。
【背景技術】
【0002】
媒体スタックからシートを給送する画像生成機器では、頂部媒体を残りの媒体スタックからの着実な分離、特に長めの媒体シートの分離を達成することは重要である。このことは、利用可能な捕捉力がより低いが故に真空コルゲーション給送では格別重要である。
【0003】
頂部媒体シートがエッジの溶着(裁断機での剪断作業からシートがエッジで互いに固着すること)や、周囲の状況や用紙被膜との相互作用が引き起こす他の接触問題が原因で完全に分離されない場合、給送ヘッドはシートを適切に捕捉できず、このことが幾つかの故障状態になることがある。これらの問題は一般的に、2枚以上の媒体シートを捕捉し、単一の媒体シートとして給送するとき等の複数給送や、あるいはシステムのピッチタイミングに見合った必要時間内で媒体シートが捕捉できないとき等の給送不全という結果を招く。
【0004】
媒体スタックの先端における頂部媒体シートの分離試行時に、従来の画像生成機器は「フラッファ」を用いて媒体スタック内に空気を吹き込んでいた。スタックの先端のフラッフィング理論は、頂部媒体シートが給送ヘッドにより捕捉する場合に、媒体スタックの先端に空気を吹き込むことで媒体シートの先端での抵抗が低減できるという考えに基づくものである。
【0005】
しかしながら、媒体スタック内に吹き込む空気は、頂部媒体シートを常に分離できるほど十分正確に導けるものではない。フラッファは、媒体スタックの頂部で媒体シートの部分集合に空気を吹き付けるものであり、必ずしも頂部媒体シートの分離に集中できるとは限らない。
【発明の概要】
【0006】
画像生成機器内で媒体シートを給送する方法と装置を開示する。本方法には、画像生成機器の画像生成部に給送する媒体スタックの頂部に位置する媒体シートの先端頂部に下向きの空気流を作用させるステップと、画像生成機器の画像生成部に給送する媒体スタックの頂部に位置する媒体シートの先端頂部に真空吸引空気流を作用させ、作用させた下向きの空気流と作用させた真空吸引空気流とが頂部媒体シートを媒体スタックから分離して給送ヘッドに捕捉させ、分離した頂部媒体シートを画像生成部へ給送するステップとを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実現可能な一実施形態による画像生成機器の例示的な図である。
図2】本開示の実現可能な一実施形態による画像生成機器の例示的なブロック図である。
図3】本開示の実現可能な一実施形態による媒体シート分離および捕捉環境の例示的な概略側面図である。
図4】本開示の実現可能な一実施形態による媒体シート分離および捕捉環境の例示的な概略上面図である。
図5】本開示の実現可能な一実施形態による媒体シート分離および捕捉環境の別の選択可能な例示的な概略上面図である。
図6】本開示の実現可能な一実施形態による例示的な媒体シート給送プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本願明細書に開示された実施形態の態様は、画像生成機器における媒体シートの給送方法ならびに対応する装置に関する。
【0009】
開示された実施形態には、画像生成機器内で媒体シートを給送する方法を含めてもよい。本方法には、画像生成機器の画像生成部に給送する媒体スタックの頂部に位置する媒体シートの先端頂部に下向きの空気流を作用させるステップと、画像生成機器の画像生成部に給送する媒体スタックの頂部に位置する媒体シートの先端頂部に真空吸引空気流を作用させ、作用させた下向きの空気流と作用させた真空吸引空気流とが頂部媒体シートを媒体スタックから分離するステップと、分離した頂部媒体シートを画像生成部に給送するステップとを含めてもよい。
【0010】
開示された実施形態にはさらに画像生成機器を含めてもよく、この装置には画像生成機器の画像生成部に給送する媒体スタックの頂部に位置する媒体シートの先端頂部に下向きの空気流を作用させるとともに、画像生成機器の画像生成部に給送する媒体スタックの頂部に位置する媒体シートの先端頂部に真空吸引空気流を作用させ、作用させた下向きの空気流と作用させた真空吸引空気流とが頂部媒体シートを媒体スタックから分離するシート分離ユニットと、分離した頂部媒体シートを画像生成部に給送する給送部とを含めてもよい。
【0011】
開示された実施形態にはさらに画像生成機器を含めてもよく、この装置には画像生成機器の画像生成部に給送する媒体スタックの頂部に位置する媒体シートの先端頂部に空気を下方に吹き付け、吹き付けた空気が頂部媒体シートを媒体スタックから分離するシート分離ユニットと、分離した頂部媒体シートを画像生成部に給送する真空コルゲーション給送ヘッドとを含めてもよい。
【0012】
開示された実施形態は、画像生成機器内での媒体シートの給送に関するものであってよい。開示された実施形態は、媒体シートの頂部全体に高速空気を吹き付け、媒体シート面上を移動する空気が引き起こす差圧を用いることで頂部媒体シートを離床させることによるベルヌーイ効果を利用する方法と装置に関する。開示された実施形態は、その離床が頂部媒体シートに適用されるよう保証することができる。
【0013】
真空コルゲーション給送ヘッドの底部プレート内の一連の孔を介して空気を下方に強制することで、空気流はそこでプレートとスタック内の頂部シートとの間に高速境界層を生成することができる。用紙に対し下向きに作用させた空気流はそこで、用紙を迅速かつ着実に「捕捉」させることができる。このことを、給送ヘッド内に配置した負圧真空吸引ポートとを組み合わせと用いることで、撤去ロール(TAR)ニップに対する定期往復操作期間中にシートを制御するのに必要な真空吸引力を維持しつつ、迅速かつ着実な捕捉が可能となる。
【0014】
頂部シートの高速かつ正確な捕捉用のベルヌーイ効果と、追加の捕捉と捕捉シートの能動的制御用の真空吸引ポートとを用いることで、真空吸引給送ヘッド内のこれら効果の組み合わせは、フラッフィングやきわどく制御された空気ナイフが不要の真空コルゲーション給送ヘッド技術向けに新規の基盤を提供することができる。
【0015】
こうして、開示実施形態は下記を提供することができる。
・高速空気が引き起こす差圧を用い、先端においてスタックの頂部シートを離床させ、頂部シート媒体給送システムが頂部シートを分離して能動的に捕捉する一体型真空吸引および正圧入力ベルヌーイ効果コルゲーション給送ヘッドシステム。
・真空吸引圧力と組み合わせたコルゲーション給送ヘッドの底面全体の境界層を用いたシート捕捉の改善。
・頂部シート上に下向きの高速空気を吹き付け、この高速空気をコルゲーション給送ヘッドと頂部シートとの間に導いて離床を生みだし、真空コルゲーション給送ヘッドに対する捕捉を改善。
【0016】
開示された実施形態の便益には、下記を含むことができる。
・気流側配向フラッファおよび空気ナイフ設計が招く複数給送や誤給送を低減しつつ、頂部シートの捕捉を改善(気流フラッファ/空気ナイフ設計は、重量が異なるシートの給送時に給送問題を引き起こすことがある。フラッファが過大重量である場合、重量のあるシートは着実に離床されず、誤給送を引き起こす。フラッファが過小重量である場合、軽量のシートはセット内で押し上げられ、複数給送を引き起こす)。
・捕捉中に複数給送や誤給送を引き起こす前記強制フラッフィング問題を軽減。
【0017】
図1は、本開示の実現可能な一実施形態による画像生成機器100の例示的な図である。画像生成機器100は、例えば複写機やプリンタやファクシミリ装置や多機能装置(MFD)を含む画像生成書類(例えば、印刷書類やコピー等)を作成可能なあらゆる装置もしくは装置の組み合わせであってよい。
【0018】
画像生成機器100は画像生成部120を含めてもよく、これが画像信号を用いて所望画像を生成するハードウェアと、その上に画像を印刷するシートを貯蔵して定量給送する独立型給送部110と、マーキングエンジンから出力される印刷物の積層と折り畳みと綴じと結束等のためのハードウェアを含むことのできる出力部130を含めてもよい。画像生成機器100が複写機としても作動可能である場合、画像生成機器100は書類給送器140をさらに含めてもよく、これを作動させて原ハードコピー画像から反射された光からの信号をデジタル信号へ変換し、この信号を片や画像生成部120を用いて処理し写しを作成する。画像生成機器100にはまた、その動作を制御するローカル・ユーザ・インタフェース150を含めてもよいが、この画像データと指示の別ソースにネットワークを介してプリンタを接続する任意の数のコンピュータを含めてもよい。
【0019】
給送部110を参照するに、この部分にはそのそれぞれが媒体スタック170や所定種(寸法、重量、色、被膜、透明性等)の印刷シート(「媒体」)を貯蔵する任意の数の給送トレイ160を含むことができ、また説明したようにその中のシートのうちの1枚を定量給送する給送器を含めてもよい。幾つかの種別の媒体は、適切に定量供給すべく格別な取り扱いを必要とすることがある。例えば、より重量があってより大型の媒体は、望ましくは空気ナイフやフラッファや真空把持器や媒体スタック170内の頂部シートや複数シートのための空気圧力の他の印加装置(図面には図示せず)の使用により、媒体スタック170から引き抜くことができる。幾つかの種の被膜付き媒体は、高温空気流(図面に図示はせず)等による熱印加の使用により媒体スタック170から都合よく引き抜くことができる。選択された給送トレイ160上の媒体スタック170から引き抜かれた媒体シートは続いて画像生成部120に移動させ、その上に1つ以上の画像を受容させることができる。次に、印刷シートを出力部130に移動させ、これを当分野でよく知られた仕方で他の媒体シートと共に、校合し、綴じ、折り畳み、穿孔する等することができる。
【0020】
画像生成機器100は、開示された実施形態の趣旨ならびに範囲内のスタンドアロン給送部110(あるいはモジュール)および/またはスタンドアロン出力(仕上げ)部130(あるいはモジュール)とするか、あるいはこれらを含むことができる点に留意されたい。
【0021】
図2は、本開示の実現可能な実施形態による画像生成機器100の例示ブロック図である。画像生成機器100には、バス210とプロセッサ220とメモリ230とリード・オンリー・メモリ(ROM)240とシート分離管理ユニット250と給送部110と出力部130とユーザインタフェース150とスキャナ260とシート分離センサ270と通信インタフェース280と画像生成部120とシート分離ユニット290とを含めてもよい。バス210は、画像生成機器100の構成要素間の通信を可能にする。
【0022】
プロセッサ220には、命令を解釈して実行する少なくとも1つの従来のプロセッサやマイクロプロセッサを含めてもよい。メモリ230には、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)や、プロセッサ220が実行する情報や指示を記憶する別種の動的記憶デバイスを含めてもよい。メモリ230にはまたリード・オンリー・メモリ(ROM)を含めてもよく、これには従来のROMデバイスや、プロセッサ220用の静的情報や指示を記憶する別種の静的記憶デバイスを含めてもよい。
【0023】
通信インタフェース280には、ネットワークを介する通信を容易にする任意の機構を含めてもよい。例えば、通信インタフェース280にはモデムを含めてもよい。別の選択肢として、通信インタフェース280には他のデバイスおよび/またはシステムとの通信を支援する他のメカニズムを含めてもよい。
【0024】
ROM240には、プロセッサ220用の静的情報や指示を記憶する従来のROMデバイスや別種の静的記憶デバイスを含めてもよい。記憶装置はROMを増やしてもよく、また例えば磁気媒体や光学式記録媒体とその対応ドライブ等の任意種の記憶媒体を含めてもよい。
【0025】
ユーザインタフェース150には、例えば、キーボード、ディスプレイ、マウス、ペン、音声認識デバイス、タッチパッド、ボタン等の画像生成ユニット100にユーザが情報を入力し相互作用できるようにする1つ以上の従来の機構を含めてもよい。出力部130には、例えば出力トレイや出力経路や仕上げ部等を含むユーザに対し画像生成書類を出力する1つ以上の従来の機構を含めてもよい。画像生成部120には、例えば画像印刷および/または複写部とスキャナと融着器等を含めてもよい。スキャナ260は、書類を走査して走査書類から電子画像を作成することのできる任意の装置であってよい。スキャナ260はまた、例えばマーキング可読コードやマーキングを走査し、認識し、デコードすることができる。
【0026】
シート分離センサ270は、例えば接触画像センサ(CIS)センサアレイや二次元(2D)センサアレイやタイミングセンサや接触センサ等であってよい。こうして、シート分離センサ270は、媒体スタック170からの頂部媒体シートが給送部110内の1つ以上の給送ヘッドにより捕捉され、画像生成部120へ給送されたかどうかを判定する機能に役立てることができる。
【0027】
実現可能な一実施形態では、シート分離センサ270は頂部媒体シートが画像生成部120により捕捉されたかどうか感知することができる。シート分離センサ270が画像生成部120により頂部媒体シートが捕捉されなかったことを感知した場合、シート分離管理ユニット250は頂部媒体シートに吹き付ける空気量を調節することができる。
【0028】
さらに別の可能な実施形態では、シート分離センサ270は画像生成部120が所定の時間期間内に捕捉できたかどうか感知することができる。シート分離センサ270が画像生成部120により所定時間期間内に頂部媒体シートが捕捉されなかったことを感知すると、シート分離管理ユニット250は頂部媒体シートに吹き付ける空気量を調節することができる。所定の時間期間は、例えば0.5〜3秒とすることができる。
【0029】
画像生成機器100は、例えばメモリ230等のコンピュータ可読媒体内に収容された一連の指示を実行することで、プロセッサ220に応答してこの種機能を遂行することができる。この種の指示は、記憶装置等の別のコンピュータ可読媒体から、あるいは通信インタフェース280を介する別個の装置から、メモリ230内に読み込むことができる。
【0030】
シート分離ユニット290の動作を、図3図5の線図および図6のフローチャートに関連して説明する。
【0031】
図3は、本開示の実現可能な一実施形態による媒体シート分離環境300の例示的な概略側面図である。媒体シート分離環境300には、シート分離ユニット290と給送トレイ160と媒体スタック170と頂部媒体シート330と給送ヘッド340とを含むことができる。シート分離ユニット290には、真空コルゲーション給送ヘッド350と1つ以上の孔に通ずる空気流路310とプレート320とを含むことができる。プレート320は、図示のように媒体シート330に平行に対向する底面を有することができる。
【0032】
動作時、下向きの空気流340は当業者が熟知する任意の送風機(図示せず)から吹き付けることができ、空気流路310を下ってプレート320内の1つ以上の孔に送ることができ、頂部媒体シート330の表面に沿って排出される。図示のように、ベルヌーイ効果が媒体スタック170頂部の媒体シート330の先端を浮き上がらせ、給送部110の真空コルゲーション給送ヘッド350により媒体シート330を適切に捕捉して給送し、続いて画像生成部120により捕捉して処理できるようにする。
【0033】
使用することのできる真空吸引空気流は、軽量媒体向けの水柱50〜60mmから重量媒体向けの水柱120〜140mmの範囲とするか、あるいは全ての媒体向けに総範囲として水柱50〜140mmとすることができる。正圧空気圧(媒体上への下向き空気流340)はほぼ50〜70psiとすることができるが、バルブやノズルやチャネル等の位置および/または大きさに応じて、ずっと小さくすることができる。
【0034】
真空吸引空気流と下向きの空気流が、例えば、下向きの空気流が真空吸引空気流と同時に始まるか、下向きの空気流が真空吸引空気流よりも前に始まるか、あるいは真空吸引空気流が下向きの空気流よりも前に始まるよう作動させられることに、留意されたい。こうして、下向きに限っては、空気流は給送部110による媒体シート330の捕捉に向け真空吸引空気流を加勢する。
【0035】
図4は、本開示の実現可能な一実施形態による媒体シート分離環境400の例示的な概略上面図である。媒体シート分離環境400には、シート分離ユニット290と頂部媒体シート330とを含めてもよい。シート分離ユニット290には、複数の孔410,420を有するプレート320を含むことのできる真空コルゲーション給送ヘッド350を含めてもよい。この例示的な実施形態では、プレート320周縁の孔420はそこを通って頂部媒体シート330に下向きの空気流340を作用させる孔である。下向き空気流孔の内側にある孔410は、そこを通って真空吸引空気流を作用させる孔である。孔410,420は、例えば図中の列のように、任意の仕方で配置することができる。下向き空気流の孔420をプレート320の周縁に図示し、真空吸引空気流の孔410を下向き空気流の孔42の内側に図示したが、開示された実施形態の趣旨ならびに範囲内で孔410,420の任意の構成を用いることができる。加えて、孔410,420は同じ大きさに図示したが、真空吸引空気流の孔410を下向きの空気流の孔420とは異なる大きさとし、さらに1つ以上の真空吸引空気流の孔410と1つ以上の下向き空気流の孔420とを、例えば他の真空吸引空気流の孔410や他の下向き空気流の孔420とは異なる大きさとすることができる。
【0036】
特定の一実施形態では、1つ以上の孔410を例えば直径が4mm〜10mmとすることができる。空気流は、例えば頂部媒体シート330の先端から水平方向にほぼ25mm〜75mmに作用させることができる。
【0037】
図5は、本開示の実現可能な一実施形態による媒体シート分離および捕捉環境500の別の選択可能な例示的な概略上面図である。媒体シート分離環境500には、シート分離ユニット290と頂部媒体シート330とを含めてもよい。シート分離ユニット290は、そこを通って媒体シート330に真空吸引空気流を作用させる複数の真空吸引空気流の孔410を含むプレート320を有する真空コルゲーション給送ヘッド350を含めてもよい。
【0038】
真空コルゲーション給送ヘッド350に隣接し、媒体シート330を給送する方向に垂直な長手方向に真空コルゲーション給送ヘッド350の各端部に配置した2個の下向き空気流プレート510を設けてもよい。この実施形態は、真空コルゲーション給送ヘッド350と2個の下向き空気流プレート510との特定の構成を示すものであるが、開示実施形態の趣旨ならびに範囲内で真空コルゲーション給送ヘッド350と1つ以上の下向き空気流プレート510とを用いることができることを、当業者は理解されたい。加えて、2個の下向き空気流プレート510を図示したが、給送部への給送向けに頂部媒体シート330の離床効果が遂行される限り、開示実施形態の趣旨ならびに範囲内で任意の数の下向き空気流プレート510を設けてもよい。さらに、真空コルゲーション給送ヘッド350は移動するよう図示してあるが、例えば、2枚の下向き空気流のプレート510を真空コルゲーション給送ヘッド350と共に移動させたり、あるいは静止させたままであってもよい。
【0039】
下向き空気流プレート510には、そこから媒体シート330の表面全体に下向き空気流340を作用させることができる1つ以上の下向き空気流孔520を含むことができる。前述のように、下向き空気流340からのベルヌーイ効果が媒体スタック170頂部の媒体シート330の先端を起立させ媒体シート330を、給送部110の真空コルゲーション給送ヘッド350により適切に捕捉して給送し、続いて画像生成部120により捕捉して処理できるようにしてもよい。
【0040】
図6は、本開示の実現可能な一実施形態に従う例示媒体シート給送方法のフローチャートである。本方法は、ステップ6100にて開始し、さらにステップ6200にて継続し、そこでシート分離ユニットは、画像生成機器100の画像生成部120に給送する媒体スタック170頂部に位置する媒体シート330の先端頂部に下向きの空気流を作用させることができる。媒体シート330の先端を画像生成機器の給送部110に媒体シート330を給送する方向に最も近いエッジとすることができることに、留意されたい。
【0041】
ステップ6300において、シート分離ユニット290は画像生成機器100の画像生成部120に給送する媒体スタック170の頂部に位置する媒体シート220の先端頂部に真空吸引空気流を作用させることができる。作用させた下向きの空気流と作用させた真空吸引空気流とが、頂部媒体シート330を媒体スタック170から分離させることができる。ステップ6400において、給送部110は分離された媒体シート330を画像生成部120に給送する。プロセスは、続いてステップ6500へ移行して終わる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6