(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771176
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】ポールの継ぎ手
(51)【国際特許分類】
A01G 9/12 20060101AFI20150806BHJP
A01G 17/14 20060101ALI20150806BHJP
F16B 7/04 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
A01G9/12 A
A01G17/14
F16B7/04 301M
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-238225(P2012-238225)
(22)【出願日】2012年10月29日
(65)【公開番号】特開2014-87271(P2014-87271A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2014年7月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000152169
【氏名又は名称】株式会社栃木屋
(74)【代理人】
【識別番号】100066267
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 吉治
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】井指 英人
【審査官】
竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭57−154950(JP,U)
【文献】
特開2002−027840(JP,A)
【文献】
実開昭55−047210(JP,U)
【文献】
実開昭58−080847(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3172788(JP,U)
【文献】
特開2012−105630(JP,A)
【文献】
米国特許第04226551(US,A)
【文献】
米国特許第05358423(US,A)
【文献】
米国特許第05067274(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/12
A01G 17/04 − 17/16
F16B 7/00 − 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに直交する縦方向と横方向とのうちの前記縦方向に延びる第1ポールと、前記第1ポールと立体的に交差して前記横方向へ延びる第2ポールとを互いの交差部位において継ぎ止めることのできる継ぎ手であって、
前記継ぎ手が、前記縦方向と前記横方向とに直交する前後方向の前方に前記第1ポールの前記縦方向における一部分に対しての収容部を有する一方、前記前後方向の後方に前記第2ポールの前記横方向における一部分を前記縦方向の下方から支えることのできる支持部を有し、
前記収容部は、前記横方向において離間対向して前記縦方向へ延びる一対の側壁と一対の前記側壁によって形成されて前記縦方向へ延びる開口部とを有する溝が前記開口部を扉によって開閉することができるように形成されていて、前記溝の底部には収容した前記第1ポールの周面の一部を露出させるための部位が形成され、
前記支持部は、前記前後方向において前記底部外面と対向するように配置されていて前記横方向へ延びる回転軸を中心に往復回転運動が可能な回転子を有するとともに、前記回転子が前記縦方向において前記回転軸よりも上方に位置する上端部と前記回転軸よりも下方に位置する下端部と、前記上端部から前記下端部に向かって下り勾配になっていて、前記溝の前記開口部と対向する傾斜面とを有し、
前記回転子は、前記上端部が前記溝の底部に接近する方向へ付勢される一方、前記下端部が前記支持部におけるストッパーに当接して前記回転子の回転運動範囲を規制しており、
前記支持部における前記第2ポールは、前記溝部の前記開口に露出する前記第1ポールと前記回転子の前記傾斜面とに接触して、前記回転子を前記付勢に抗して回転させるとともに、前記回転子の前記下端部を前記第1ポールに圧接させて前記継ぎ手と前記第1ポールとを固定状態に保つとともに、前記回転子によって前記第2ポールを下方から支持できることを特徴とする前記継ぎ手。
【請求項2】
前記扉が一対の前記側壁のうちの一方に対して旋回可能かつ上下動作可能に取り付けられていて、閉じた状態の前記扉を前記側壁のもう一方に対して施錠、開錠する操作として前記上下動作が使用される請求項1記載の継ぎ手。
【請求項3】
前記継ぎ手は、前記横方向において離間対向させた二枚のパネルと、二枚の前記パネルの間に介在させた板状の前記回転子と、二枚の前記パネルの一方に旋回可能に取り付けた前記扉とを有し、二枚の前記パネルには前記第2ポールを前記横方向において挿通可能であり、かつ、前記回転子における前記傾斜部の一部分があらわれる透孔が形成されている請求項1または2記載の継ぎ手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、野菜の蔓や苗木の枝等を這わせるための垂直なポールと水平なポールとをそれらの交差部位において継ぎ止めるのに好適な継ぎ手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の継ぎ手は公知でもあり周知でもある。
【0003】
例えば、特開2007−14274号公報(特許文献1)に開示の樹木支持用の支柱固定部材は、交差する一対の支柱の一方に外嵌可能な第1筒状リングと、もう一方の支柱に外嵌可能な第2筒状リングとを有する。第2筒状リングには、第1筒状リングにおける第1ネジ受部に進入退出可能な杆状ネジ部が形成されている。第2筒状リングには第2ネジ受部が形成されている。第2ネジ受部に螺合したボルトによって第2筒状リング内の樹木を押圧することができる。
【0004】
また、特開2012−105630号公報(特許文献2)に開示の植物栽培用の機能性キャップ具は、縦方向へ延びるパイプに取り付けられる連結部材と、その連結部材の頂部に取り付けられて横方向へ延びるパイプが上方から圧入される断面形状が逆Ω字状の保持部材とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−14274号公報
【特許文献2】特開2012−105630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示の支柱固定部材は、縦方向と横方向とに延びるポールをそれらの交差部位において継ぎ止めることのできるものではあるが、固定部材はリング状のものであるから、それを樹木やポールに取り付けるには、まず最初に樹木やポールの先端を固定部材に挿入しなければならず、手間がかかるという問題がある。また、ポールに既に取り付けてある固定部材どうしの間に固定部材を追加的に取り付けることができないという問題もある。
【0007】
特許文献2に開示の機能性キャップ具は、横方向へ延びるパイプを一本だけ保持することができるもので、縦方向に並ぶ複数本のパイプは支持することができないという問題を有する。
【0008】
この発明は、従来技術におけるこのような問題を解消することができるポールの継ぎ手の提供を課題にしている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、この発明が対象とするのは、互いに直交する縦方向と横方向とのうちの前記縦方向に延びる第1ポールと、前記第1ポールと立体的に交差して前記横方向へ延びる第2ポールとを互いの交差部位において継ぎ止めることのできる継ぎ手である。
【0010】
この継ぎ手において、この発明が特徴とするところは、以下のとおりである。すなわち、前記継ぎ手は、前記縦方向と前記横方向とに直交する前後方向の前方に前記第1ポールの前記縦方向における一部分に対しての収容部を有する一方、前記前後方向の後方に前記第2ポールの前記横方向における一部分を前記縦方向の下方から支えることのできる支持部を有する。前記収容部は、前記横方向において離間対向して前記縦方向へ延びる一対の側壁と一対の前記側壁によって形成されて前記縦方向へ延びる開口部とを有する溝が前記開口部を扉によって開閉することができるように形成されていて、前記溝の底部には収容した前記第1ポールの周面の一部を露出させるための部位が形成されている。前記支持部は、前記前後方向において前記底部外面と対向するように配置されていて前記横方向へ延びる回転軸を中心に往復回転運動が可能な回転子を有するとともに、前記回転子が前記縦方向において前記回転軸よりも上方に位置する上端部と前記回転軸よりも下方に位置する下端部と、前記上端部から前記下端部に向かって下り勾配になっていて、前記溝の前記開口部と対向する傾斜面とを有する。前記回転子は、前記上端部が前記溝の底部に接近する方向へ付勢される一方、前記下端部が前記支持部におけるストッパーに当接して前記回転子の回転運動範囲を規制している。前記支持部における前記第2ポールは、前記溝部の前記開口に露出する前記第1ポールと前記回転子の前記傾斜面とに接触して、前記回転子を前記付勢に抗して回転させるとともに、前記回転子の前記下端部を前記第1ポールに圧接させて前記継ぎ手と前記第1ポールとを固定状態に保つとともに、前記回転子によって前記第2ポールを下方から支持できる。
【0011】
この発明の実施態様の一つにおいて、前記扉が一対の前記側壁のうちの一方に対して旋回可能かつ上下動作可能に取り付けられていて、閉じた状態の前記扉を前記側壁のもう一方に対して施錠、開錠する操作として前記上下動作が使用される。
【0012】
この発明の実施態様の他の一つにおいて、前記継ぎ手は、前記横方向において離間対向させた二枚のパネルと、二枚の前記パネルの間に介在させた板状の前記回転子と、二枚の前記パネルの一方に旋回可能に取り付けた前記扉とを有し、二枚の前記パネルには前記第2ポールを前記横方向において挿通可能であり、かつ、前記回転子における前記傾斜部の一部分があらわれる透孔が形成されている。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係るポールの継ぎ手は、縦方向へ延びる第1ポールに対しての収容部が縦方向へ延びる溝を有し、その溝には縦方向へ延びる開口部が形成されている。継ぎ手は、その開口部を使うことによって、第1ポールを収容することができる。それゆえ、この継ぎ手は、第1ポールの縦方向における任意の部位に取り付けることができる。また、第1ポール対して既に取り付けてある継ぎ手と継ぎ手との間においても、追加の継ぎ手をその第1ポールに対して取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】この発明に係るポールの継ぎ手の使用状態にあるときの斜視図。
【
図2】第1、第2ポールが取り外してあるポールの継ぎ手の斜視図。
【
図3】ポールの継ぎ手の一部分を破断して、扉を閉めるときの手順を示すポールの継ぎ手の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付の図面を参照して、この発明に係るポールの継ぎ手の詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0016】
図1は、使用状態にあるポールの継ぎ手1の斜視図である。継ぎ手1は、縦方向Aへ垂直に延びる第1ポール11と、縦方向Aに直交する横方向Bへ水平に延びる第2ポール12とが立体的に交差する部位において、これら第1,第2ポールを継ぎ止めるために使用されている。図における双頭矢印Cは、縦方向Aと横方向Bとに直交する前後方向を示している。
【0017】
継ぎ手1は、横方向Bにおいて離間対向する二枚の金属パネル2,3によって形成されていて、前後方向Cの前方に第1ポール11に対する収容部4を有し、前後方向の後方に第2ポール12を縦方向Aの下方から支えることのできる支持部5を有する。
【0018】
収容部4には、第1ポール11の縦方向Aの一部分を収容する溝21と、溝21の縦方向Aへ延びる開口部22を開閉することのできる扉23とが形成されている。溝21は、横方向Bにおいて対向する一対の側壁24,25と、一対の底部26,27(
図2参照)とによって形成されている。側壁24,25には、扉23を開閉するために使用する縦方向Aに長い透孔28,29が互いに対向するように形成されている。底部26,27は第1ポール11の外周面11aに接触できるように弧を画いている。
【0019】
支持部5は、金属パネル2,3を寸法Eだけ離間させておくためのスペーサ部分31,32,33(
図4参照)を含んでいる。スペーサ部分31,32,33は、金属パネル2の一部分を折り重ねることにより形成されていて、金属パネルに対して溶接等により一体化されている。支持部5にはまた、第2ポール12を横方向Bにおいて挿通するための透孔34,35のそれぞれが金属パネル2,3のそれぞれに形成されていて、透孔34,35の内側には支持部5の一部分である回転子36が見えている。
【0020】
図2における継ぎ手1では、溝21において扉23を開放することによって、第1ポール11を矢印C
1で示す方向へ移動させて溝21から外してある。この矢印C
1は、前後方向Cに平行する方向である。また、第2ポール12は、横方向Bにおける左方へ移動させることによって透孔34,35から抜き取ってある。この図から明らかなように、溝21の底部26と底部27との間には、横方向Bにおいて互いに離間する部位30が形成されている。部位30は、横方向Bに寸法Eを有する。
【0021】
図2において、扉23は、角筒状のスリーブ23a、板状部23b、上下一対の第1ストッパー部23c、板状部23bから下方へ延びる第2ストッパー部23dを有する。スリーブ23aは、収容部4の側壁24において縦方向Aへ延びている縁部37を囲んだ状態にあって、扉23は縁部37を中心に双頭矢印Dで示す方向へ旋回可能である。扉23が閉じて
図1の状態にあるときに、収容部4の側壁25において縦方向Aへ延びている縁部38の内面38aに対しては第1ストッパー部23cが接近または接触し、縁部38の外面38bに対しては第2ストッパー部23dが接近または接触していて、閉じている扉23が開くことのないように側壁25に対して施錠された状態にあるとともに、横方向Bへ大きく揺動することもない。
【0022】
図2においてはまた、支持部5における金属パネル2に横方向Bへ延びるピン39が取り付けられていて、そのピン39が支持部5における金属パネル3にまで延びている。金属パネル2はまた、その内面の一部分を金属パネル3に向かって突出させるための凹部41が形成されている。
【0023】
図3は、扉23を閉じるときの手順を示す継ぎ手1の斜視図であって、継ぎ手1の一部分が破断されている。
図2においての第1ポール11を矢印C
1とは反対の方向に移動させ、溝21に収容して、
図3の状態にする。次に、開いている扉23を透孔28の上端に接触するところまで持ち上げて仮想線で示された状態にする。さらに、スリーブ23aの内周面を側壁24の縁部37に押し当てるようにしながら、扉23を双頭矢印Dに沿って閉じる方向へ旋回させて、扉23における板状部23bの位置を横方向Bにおいて、側壁25における透孔29と整列させる。さらに板状部23bが透孔29へ進入するように扉23を矢印Hで示す方向へ移動させると、第2ストッパー部23dが透孔29を通り抜けた後に第1ストッパー部23cが側壁25に当接して、扉23の矢印Hで示す方向への移動が止まる。しかる後に、扉23の自重または扉23を押し下げる手動操作によって扉23が矢印Jで示す方向へ下降すると、側壁25の外側にある第2ストッパー部23dが透孔29の下端よりもさらに下方に位置するようになって、
図1の状態の扉23となる。
図1の扉23は、それを開こうとしても第2ストッパー部23dが側壁25に当接することによって矢印Hとは反対の方向へ移動させることができず、したがってまた開くこともできない。扉23を開錠状態にして開くには、それを矢印Jとは反対の方向へ上昇させた後に矢印Hとは反対の方向へ移動させて、第2ストッパー部23dが透孔29を通過するようにしなければならない。このようにして、側壁25に対して扉23を上下動させる操作は、扉23を側壁25に対して施錠状態にしたり、開錠状態にしたりするために使用されている。扉23におけるスリーブ23aの開口は扉23の旋回と矢印H方向への移動とが可能となるように大きく作られている。なお、
図2において、矢印Hは横方向Bに平行する方向であり、矢印Jは縦方向Aに平行する方向である。
【0024】
図2,3において明らかなように、継ぎ手1は、第1ポール11を前後方向Cへ動かすことによって、収容部4に対しての出し入れが可能なものである。それゆえ、第1ポール11に既に取り付けてある継ぎ手1と継ぎ手1との間において、追加の継ぎ手1を第1ポール11に取り付けることは容易である。
【0025】
図4は、
図1のIV−IV線断面図であって、透孔34(
図1,2参照)と透孔35とに挿通された第2ポール12が実線で示され、透孔35に挿通される前の第2ポール12が仮想線で示されている。また、第2ポール12が挿通される前の回転子36も仮想線で示されている。回転子36は、ピン39を中心にして、矢印Fが示す時計方向とその反対方向とに往復回転運動可能に作られている。回転子36はまた、上端部分36aと、下端部分36bとを有する。上端部分36aには、透孔36cが形成され、その透孔36cとスペーサ部分31との間に延びるコイルばね42によって、回転子36が時計方向Fに向かって付勢されている。回転子36の上端部36aと下端部36bとの間には、溝21に向かって下り勾配となるように傾斜面36dが延びている。透孔35に挿通された第2ポール12は、回転子36の傾斜面36dと、第1ポール11の外周面11aとに接触して、回転子36をばね付勢に抗して反時計方向へ回転させ、回転子36の下端部分36bを第1ポール11の周面に圧接させる一方、第1ポール11を扉23に圧接させている。このような状態にある第1ポール11は、継ぎ手1に対して下方へ動くことがない。換言すると、継ぎ手1は、第1ポール11に対して下方へ動くことがない。したがって、第1ポール11と第2ポール12とは、継ぎ手1によって、立体的に交差した状態に保たれる。
【0026】
図4に仮想線で示されている回転子36は、その傾斜面36dに第2ポール12が作用していないときのものである。時計方向Fへ付勢されている回転子36は、下端部分36bがスペーサ32に当接することによって、回転の範囲が規制されている。
【0027】
この発明において、継ぎ手1の諸寸法は、この継ぎ手の使用対象となる第1ポール11と第2ポール12との寸法に適合するように決めればよいものである。
【符号の説明】
【0028】
1 ポールの継ぎ手
2 パネル
3 パネル
4 収容部
5 支持部
11 第1ポール
11a 外周面
12 第2ポール
21 溝
22 開口部
23 扉
24 側壁
25 側壁
26 底部
27 底部
32 ストッパー(スペーサ)
34 部位(透孔)
35 部位(透孔)
36 回転子
36a 上端部
36b 下端部
36d 傾斜面
39 回転軸(ピン)
A 縦方向
B 横方向
C 前後方向