特許第5771226号(P5771226)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5771226効率的な線量計算を含む線量計算タスクのスケジューリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771226
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】効率的な線量計算を含む線量計算タスクのスケジューリング
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   A61N5/10 P
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-556613(P2012-556613)
(86)(22)【出願日】2011年2月8日
(65)【公表番号】特表2013-521843(P2013-521843A)
(43)【公表日】2013年6月13日
(86)【国際出願番号】IB2011050532
(87)【国際公開番号】WO2011110958
(87)【国際公開日】20110915
【審査請求日】2014年2月5日
(31)【優先権主張番号】61/311,407
(32)【優先日】2010年3月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】バル,マシュー エフ
(72)【発明者】
【氏名】ワード,ロバート ティー
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン,スコット エル
(72)【発明者】
【氏名】カウス,マイケル
【審査官】 堀川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−263420(JP,A)
【文献】 特開2003−070921(JP,A)
【文献】 特表2009−502256(JP,A)
【文献】 特表2009−538195(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0054411(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線量最適化を含む複数の療法タスクを実行するための作業フロー・スケジュールを構築するよう構成された療法タスク・スケジューリング・モジュールと;
前記作業フロー・スケジュールに基づいて線量最適化を実行して該線量最適化に対応する療法計画を生成するよう構成された線量最適化モジュールとを有するシステムであって、
前記療法タスク・スケジューリング・モジュールおよび前記線量最適化モジュールは一つまたは複数のデジタル・プロセッサを有
前記療法タスク・スケジューリング・モジュールが、(i)前記療法タスクに複雑さ指標を割り当て、(ii)少なくとも前記複雑さ指標に基づいて前記作業フロー・スケジュールを構築するよう構成される、
システム。
【請求項2】
療法タスク・スケジューリング・モジュールが、二つ以上の線量最適化を並行してスケジューリングし、該並行してスケジューリングされる線量最適化の複数の複雑さ指標に基づいて前記作業フロー・スケジュールを構築するよう構成されている、請求項記載のシステム。
【請求項3】
前記線量最適化モジュールが複数の並列処理チャネルを含み、前記療法タスク・スケジューリング・モジュールは二つ以上の線量最適化を並行してスケジューリングするよう構成される、請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
前記療法タスク・スケジューリング・モジュールが、異なるユーザー入力動作が並行してスケジューリングされないよう、前記作業フロー・スケジュールを構築するよう構成される、請求項1ないしのうちいずれか一項記載のシステム。
【請求項5】
前記療法タスク・スケジューリング・モジュールが、スケジューリングされた撮像データ事前ロード動作および一つまたは複数のスケジューリングされたデータ処理動作を含む前記作業フロー・スケジュールを、前記一つまたは複数のスケジューリングされたデータ処理動作によって処理される撮像データが、スケジューリングされた撮像データ事前ロード動作によってメモリにあらかじめロードされるよう、それらの動作が前記作業フロー・スケジュールにおいてタイミング付けされるよう、前記作業フロー・スケジュールを構築するよう構成される、請求項1ないしのうちいずれか一項記載のシステム。
【請求項6】
前記療法タスク・スケジューリング・モジュールが、前記作業フロー・スケジュールを、(i)共通のデータ・セットに対して作用している複数のデータ処理動作を一緒にグループ化し、(ii)前記共通のデータ・セットに対して作用している前記複数のデータ処理動作の実行中、メモリに前記共通のデータ・セットを保持するよう、構築するよう構成される、請求項1ないしのうちいずれか一項記載のシステム。
【請求項7】
前記療法タスク・スケジューリング・モジュールが、選択された時間地平にわたって計算負荷における変動を小さくするよう前記作業フロー・スケジュールを構築するよう構成される、請求項1ないしのうちいずれか一項記載のシステム。
【請求項8】
前記線量最適化モジュールが、一組の放射線療法目的に関して、シミュレートされた空間的線量分布を最適化するよう一組の放射線療法パラメータを逐次反復的に調整する逆放射線療法計画を実行するよう構成される、請求項1ないしのうちいずれか一項記載のシステム。
【請求項9】
命令を記憶する記憶媒体であって、前記命令は、一つまたは複数のデジタル・プロセッサ上で実行されたときに、該デジタル・プロセッサに、請求項8記載のシステムとして動作させるものであり、
前記逆放射線療法計画の少なくともいくつかの反復工程は、フルーエンス・マップ全体よりも小さな、該フルーエンス・マップのある領域を更新する、記憶媒体。
【請求項10】
命令を記憶する記憶媒体であって、前記命令は、一つまたは複数のデジタル・プロセッサ上で実行されたときに、該デジタル・プロセッサを、請求項8記載のシステムとして動作させるものであり、
前記逆放射線療法計画の少なくともいくつかの反復工程は、前記一組の放射線療法目的の部分集合に関して前記シミュレートされた空間的線量分布を最適化する、
記憶媒体。
【請求項11】
前記一組の放射線療法パラメータを逐次反復的に調整する逆放射線療法計画を実行する処理が:
前記逆放射線療法計画の第一の一つまたは複数の反復工程を、前記一組の放射線療法目的の第一の部分集合に関して実行し、
その後、前記逆放射線療法計画の第二の一つまたは複数の反復工程を、前記一組の放射線療法目的の、前記第一の部分集合とは異なる第二の部分集合に関して実行することを含む、
請求項10記載の記憶媒体。
【請求項12】
命令を記憶する記憶媒体であって、前記命令は、一つまたは複数のデジタル・プロセッサ上で実行されたときに、該デジタル・プロセッサを、請求項8記載のシステムとして動作させるものであり、
前記シミュレートされた空間的線量分布が非一様ボクセル・サイズをもつ
記憶媒体。
【請求項13】
前記一組の放射線療法パラメータを逐次反復的に調整する逆放射線療法計画を実行する処理がさらに、
前記逆放射線療法計画の反復工程と次の反復工程の間に、前記シミュレートされた空間的線量分布のボクセルのボクセル・サイズを調節する段階をさらに含む、
請求項12記載の記憶媒体。
【請求項14】
請求項ないし13のうちいずれか一項記載の記憶媒体であって、前記逐次反復的に調整された放射線療法パラメータが:
(i)直接制御される放射線療法パラメータ、および
(ii)ビーム・フルーエンス・マップであって、前記一組の放射線療法パラメータを逐次反復的に調整する逆放射線療法計画を実行する処理がさらに、前記逆放射線療法計画ののち、前記ビーム・フルーエンス・マップを直接制御される放射線療法パラメータに変換して前記療法計画を生成することを含む、ビーム・フルーエンス・マップ、
のうちの一つを含む、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
下記は、腫瘍学の技術、医療技術、逆放射線療法計画(inverse radiation therapy planning)の技術および関連する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線療法(radiation therapy)の作業フローは典型的には、放射線療法を受ける領域の初期の計画用撮像を含む。計算機断層撮影(CT: computed tomography)は典型的な計画用撮像モダリティであるが、磁気共鳴(MR: magnetic resonance)のような他の撮像モダリティも使用できる。単一光子放出計算機断層撮影(SPECT: single photon emission computed tomography)または陽電子放出断層撮影(PET: positron emission tomography)は時に、悪性腫瘍についての機能的な情報を提供するために使われる。次いで、計画用画像を使って器官描出(delineation)タスクが実行されて、目標器官および近隣の決定的に重要な器官の輪郭を描く。線量最適化計算は単数または複数の計画用画像を使って実行される。線量最適化計算は、多葉コリメータ(MLC: multi-leaf collimator)の設定、角度の関数としての強度(回転放射線源を用いる断層撮影療法セッション計画について)などといった放射線療法パラメータを最適化する。これらのパラメータは、目標器官(すなわち、悪性腫瘍を含む器官)における所望される放射線線量、近くの決定的に重要な器官もしくは解剖学的構造の最大放射線被曝に対する制約条件などのような目的(objective)に関して最適化される。線量最適化は、最適化が、たとえば被験体内の位置の関数としての所望される線量および何らかの線量制約条件から始まって、コンピュータ・シミュレーションに基づけばその所望される線量を与えるはずの放射線療法配位を計算するという点で、「逆」放射線療法計算である。線量最適化の最終的な出力は、シミュレーションによれば目的を満たす空間的線量プロファイルを与えることになる放射線療法配位(最適化された放射線療法パラメータによって定義される)を指定する放射線療法計画である。
【0003】
放射線療法は時に、ある時間期間、たとえば数日もしくは数週間にわたって実行されるいくつかの一連の放射線療法セッションを使って実行される。このアプローチは、放射線量送達(delivery)を時間的に分散させることを含めいくつかの利点がある。適応放射線療法では、一連のセッション(または該一連のセッションのいくつか)は、療法中に得られる撮像または他のフィードバックに基づいて更新される。
【0004】
最適化は複雑であり、たとえば何千もしくは何万ものMLCパラメータを、目標器官および他の決定的に重要な近隣の器官もしくは構造についての一組の線量目的(たとえば線量制約条件もしくは線量目標(target))に関して最適化することに関わる。適応放射線療法では、最初から(ab initio)完全な線量最適化を実行することを避けるよう、放射線療法計画は、適応によって調整されてもよい。そのような適応のために、その後得られた画像が先に得られた画像と位置合わせされて、器官の動き、腫瘍サイズの縮小などといった変化がアクセスされる。これらの複雑な放射線療法タスクを実行するための計算パワーを増すため、複数のコンピュータ、サーバー、デジタル・プロセッサなどが、最適化を実行するためのコンピューティング・グリッドとしてのデジタル・ネットワークを介して任意的に相互接続される。そうであっても、若干数の複雑な線量最適化計画セッションは数時間の計算時間がかかることがある。
【0005】
典型的には、一つのコンピュータがコンピューティング・グリッドへのユーザー・インターフェースとしてはたらき、計画最適化の前または計画最適化中にユーザーがパラメータ、目的および最適化設定を調整できるようにする。ユーザー・インターフェースとなる該コンピュータを介して、ユーザーは入力として、関連する情報を同定または選択する。関連する情報とは、計画画像;計画画像における器官輪郭、グリッドまたは目標器官および他の決定的に重要な構造の他の描出;計画されるべき放射線療法の型(典型的には、目標器官および調整可能なパラメータの同定を含む放射線療法システム構成設定を指定する);および線量最適化目的(典型的には、目標器官に与えられるべき最小線量または線量範囲および超えるべきではない近隣の決定的に重要な器官についての最大線量閾値)といったものである。ユーザー・インターフェースとなる該コンピュータおよび/または他の計算タスク調整コンピュータは次いで、線量計算および最適化計算セッションを編成する。これは、デジタル・ネットワークを通じた必要なデータの転送、コンピュータ間の中間結果の転送および最終的にはユーザー・インターフェースとなる該コンピュータにおける線量最適化情報の収集を含む。線量最適化計算は逐次反復的に実行され、各反復工程の終わりに、(シミュレートされた)線量が決定される。いくつかのアプローチでは、ビームについてのフルーエンス・マップ(fluence map)が逐次反復的最適化の際の調整可能パラメータであり、該最適化による最終的なフルーエンス・マップ出力をMLC設定または他の制御される放射線療法パラメータに変換することによって、直接制御される放射線療法パラメータ(MLC設定、ビーム角など)が計算される。このアプローチの不都合な点は、フルーエンス・マップを制御される放射線療法パラメータに変換する最終段階の際に誤差が導入されることがあるということである。代替的な直接機械パラメータ最適化(DMPO: direct machine parameter optimization)アプローチでは、制御される放射線療法パラメータ(MLC設定、ビーム角など)は、逐次反復的な線量最適化の際に調整される調整可能なパラメータであり、よって最終的な変換段階は必要とされない。いずれの場合でも、逐次反復的な最適化は、シミュレートされた線量(または線量マップ、すなわち被験体内での空間的な線量分布)がすべての放射線療法目的を満足するまで、あるいは反復工程と次の反復工程の間の増分的な改善が停止閾値未満になるなど、別の停止基準が満たされるまで続けられる。線量最適化セッションが完了すると、ユーザーはユーザー・インターフェースとなるコンピュータを使って結果を吟味し、満足いくものであれば、放射線療法セッションにおいて使うために放射線療法計画を受け入れ、保存する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既存の放射線療法計画は計算集約的であり、全体的な放射線療法処置作業フローにおけるボトルネックをなすことがある。さらに、場合によっては、最適化された放射線療法パラメータについての最終的なシミュレートされた線量が一つまたは複数の目的を満たさないことがある。満たされない一つまたは複数の目的の知覚される重要性およびシミュレートされた線量が満たされない一つまたは複数の目的から外れる程度に依存して、ユーザーは最適化された放射線療法計画で進めることを選択してもよいし(これは放射線療法の有効性の低下および/または重要な器官もしくは解剖学的構造への放射線誘起損傷につながることがある)、あるいは放射線療法計画セッションを繰り返すことを選んでもよい(これは放射線療法計画システムに対してさらなる計算負荷を導入する)。
【0007】
下記は、上述した問題等を克服する新しい改善された装置および方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ある開示される側面によれば、システムは:線量最適化を含む複数の療法(therapy)タスクを実行するための作業フロー・スケジュールを構築するよう構成された療法タスク・スケジューリング・モジュールと;前記作業フロー・スケジュールに基づいて線量最適化を実行して該線量最適化に対応する療法計画を生成するよう構成された線量最適化モジュールとを有し、前記療法タスク・スケジューリング・モジュールおよび前記線量最適化モジュールは一つまたは複数のデジタル・プロセッサを有する。
【0009】
もう一つの開示される側面によれば、直前の段落に記載の療法線量最適化システムであって、前記線量最適化モジュールが、一組の放射線療法目的に関して、シミュレートされた空間的線量分布を最適化するよう一組の放射線療法パラメータを逐次反復的に調整する逆放射線療法計画を実行するよう構成される。
【0010】
もう一つの開示される側面によれば、記憶媒体が命令を記憶し、前記命令は、一つまたは複数のデジタル・プロセッサ上で実行されたときに、一組の放射線療法目的に関して、シミュレートされた空間的線量分布を最適化するよう、一組の放射線療法パラメータを逐次反復的に調整する逆放射線療法計画によって療法計画を生成する線量最適化を実行する段階を含む方法を実行するものであり、前記逆放射線療法計画の少なくともいくつかの反復工程はフルーエンス・マップ全体よりも小さな、該フルーエンス・マップの領域を更新する。
【0011】
もう一つの開示される側面によれば、記憶媒体が命令を記憶し、前記命令は、一つまたは複数のデジタル・プロセッサ上で実行されたときに、一組の放射線療法目的に関して、非一様ボクセル・サイズをもつシミュレートされた空間的線量分布を最適化するよう一組の放射線療法パラメータを逐次反復的に調整する逆放射線療法計画によって療法計画を生成する線量最適化を実行する段階を含む方法を実行するものである。
【0012】
もう一つの開示される側面によれば、記憶媒体が命令を記憶し、前記命令は、一つまたは複数のデジタル・プロセッサ上で実行されたときに、一組の放射線療法目的に関して、シミュレートされた空間的線量分布を最適化するよう、一組の放射線療法パラメータを逐次反復的に調整する逆放射線療法計画によって療法計画を生成する線量最適化を実行する段階を含む方法を実行するものであり、前記逆放射線療法計画の少なくともいくつかの反復工程は、前記一組の放射線療法目的の部分集合に関して、シミュレートされた空間的線量分布を最適化する。
【0013】
もう一つの開示される側面によれば、直前の三つの段落のうちいずれか一つに記載される記憶媒体であって、前記方法がさらに:第一の一つまたは複数のプロセッサ上で第一の線量最適化を実行して逆放射線療法計画によって第一の療法計画を生成し、並行して、第二の一つまたは複数のプロセッサ上で第二の線量最適化を実行して逆放射線療法計画によって第二の療法計画を生成することを含む、記憶媒体が開示される。
【発明の効果】
【0014】
一つの利点は、計算およびデジタル・データ転送資源をより効率的に使う放射線療法計画にある。
【0015】
もう一つの利点は、すべての、あるいは少なくとも最も重要な放射線療法目的を満足する放射線療法計画を生成する可能性が高まることにある。
【0016】
さらなる利点は、以下の詳細な説明を読み、理解すれば当業者には明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】放射線療法システムを図的に示す図である。
図2図1の放射線療法システムの線量最適化スケジュール・モジュールを図的に示す図である。
図3】二つの線量最適化プロセスの同時並行処理を実行するための、線量最適化スケジュール・モジュールおよび線量最適化モジュールの協働的な動作を図的に示す図である。
図4図1の放射線療法システムの線量最適化モジュールを図的に示す図である。
図5】患者「ジョン・ドウ」について放射線療法行動計画の一部を図的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照するに、放射線療法システムは、放射線療法装置10と、一つまたは複数の撮像システム12と、データ・メモリ14と、放射線療法線量最適化システム16とを含む。コンピュータ20は、放射線療法線量最適化システム16を操作するためのユーザー・インターフェースを提供する。
【0019】
放射線療法装置10は図1では図的に示されており、空間的に構成設定可能な療法放射線線量を与える実質的に任意の型の放射線療法送達システムによって好適に具現される。例として、放射線療法装置10は、単一のビーム源(任意的に、放射線療法被験体のまわりを断層撮影的に回転する)または異なる空間角もしくは方向から被験体に同時にビームを加えるための複数のビーム源を含んでいてもよい。該一つまたは複数のビーム源は、治療電子ビーム、治療ガンマ線ビーム、治療陽子ビームなどといった一つまたは複数の選択された型の療法放射線ビームを送達するよう構成される。放射線療法装置10は任意的に、放射線ビームを精密に整形するまたは空間変調する一つまたは複数の多葉コリメータ(MLC)コンポーネントを含む、および/または、放射線ビームは選択された時間積分された線量を達成するために、ビーム強度を変調しながら、被験体のまわりを断層撮影的に回転させられることができる。放射線療法装置10は代替的に、陽子ビーム療法システム、放射線アブレーション療法システム、高密度焦点式超音波(HIFU: high intensity focused ultrasound)、短距離放射線療法、化学療法などといった、治療作用主体〔エージェント〕の目標とされる線量を送達する別の型の療法送達システムによって具現されてもよい。
【0020】
一つまたは複数の撮像システム12は、被験体の放射線ビームとの相互作用を評価するもとになる撮像データを提供する。一般に、被験体の解剖構造が一つまたは複数の撮像システム12によって取得された画像によって判別され、この解剖学的情報に基づいて、さまざまな組織における予期される放射線吸収が計算できる。任意的に、一つまたは複数の撮像システム12によって収集される画像は、さまざまな組織の(たとえば吸収係数によって特徴付けられる)放射線吸収特性を評価するためにも使われてもよい。一つまたは複数の撮像システム12はたとえば:計算機断層撮影(CT)撮像システム;磁気共鳴(MR)撮像システム;陽電子放出断層撮影(PET)もしくは単一光子放出計算機断層撮影(SPECT)撮像システムのような一つまたは複数の放射線放出撮像システムなどを含んでいてもよい。CTはかなりの解剖学的情報を与えてくれるので、CTが、放射線療法計画のために普通に使われる撮像モダリティである。さらに、いくつかのアプローチでは、CT画像は、組織の放射線吸収特性を導出するために使われる。PETおよび/またはSPECTは任意的に、標準摂取値(SUV: standardized uptake value)情報のような機能情報を提供するために使われる。
【0021】
データ・メモリ14は、線量最適化または他の放射線療法関係のタスクを実行するために必要とされる情報を記憶する。他のタスクとは、剛体的もしくは非剛体的な画像位置合わせ、自動・半自動もしくは手動の器官描出、線量論理(たとえば線量累積もしくは減算)などといったものである。たとえば、線量最適化については、前記情報は次のようなものを含みうる:一つまたは複数の撮像システム12によって取得される計画画像;放射線療法セッション型の識別(これが最適化されるべき放射線療法パラメータを決める;放射線療法システム10がMLCを含むならMLCの設定、放射線療法システム10が断層撮影のものであるなら角度の関数としての強度など);目標器官描出;重要な器官もしくは構造の描出;および目標器官に与えられるべき最小線量(または線量範囲)、決定的に重要な器官において超えるべきでない最大線量などといった放射線療法目的の集合。器官描出タスクについては、必要な情報は一つまたは複数の画像および(自動もしくは半自動の器官描出の場合は)変形可能な解剖学的モデルまたは自動もしくは半自動の画像セグメンテーションで使う他の補足情報を含んでいてもよい。器官描出タスクでは、目標器官および(もしあれば)一つまたは複数の決定的に重要な器官の描出は、一つまたは複数の撮像システム12によって取得された計画画像から生成される。これらの描出は、たとえばグラフィカル・ユーザー・インターフェースを提供するコンピュータを介して手動で生成されてもよい。グラフィカル・ユーザー・インターフェースが計画画像を表示し、ユーザーが手動で目標器官および決定的に重要な器官のまわりの輪郭を手動で描出できるようにするのである。これらの描出は追加的にまたは代替的に、たとえば自動化された画像セグメンテーション・アルゴリズムを使って自動的に生成されてもよい。描出タスクの動作は、一つまたは複数の撮像システム12のコンピュータによって、あるいは放射線療法線量最適化システム16のユーザー・インターフェース・コンピュータ20によって、あるいは放射線医のパソコン(図示せず)のような別のコンピュータもしくはデジタル装置によって実行されてもよい。データ・メモリ14は、計画画像を記憶するピクチャ・アーカイブおよび通信システム(PACS: picture archiving and communication system)メモリおよび/または放射線療法計画システムのシステム・メモリなどのような一つまたは複数の論理的もしくは物理的メモリ要素として具現されてもよい。画像位置合わせタスクは、たとえば(最初から線量最適化を実行するのではなく)放射線療法計画を変化した条件に適応させる適応放射線療法セッションの一部として実行され、必要な情報は、患者の以前の状態を表す一つまたは複数の以前の画像および患者の現在の状態を表す一つまたは複数の現在の画像を含む。画像位置合わせタスクは他の目的のために実行されることもできる。たとえば、CTおよびPETのような異なるモダリティによって取得される画像を融合するためである。線量論理タスクは、線量累積を計算するといった解析を実行し、必要な情報は、関連する放射線線量、たとえばいくつかのセッションのうちの各セッションを通じて患者に与えられた線量についての定量的な情報を含む。
【0022】
線量最適化または他の放射線療法関係のタスクは、必要なデータがデータ・メモリ14において利用可能になるまで実行できない。たとえば、線量最適化は:(i)必要な計画画像が取得されてデータ・メモリ14に記憶され、(ii)それらの計画画像から器官描出が生成されてデータ・メモリ14に記憶され、(iii)放射線療法目的の集合の入力とともに放射線療法セッションの型が同定されるまでは実行できない。結果として、実行を待っている一つまたは複数の線量最適化がデータ・メモリ14に記憶されていることがあり、そのいくつかは必要なデータの受領および記憶を待っていてもよく、必要なデータの一部は実行されるべき線量最適化のために準備のできた完備なデータ・セットであってもよい。図1は、データ・メモリ14に記憶されている、実行待ちのN個の線量最適化を図的に示している。ここで、Nは1以上の整数であり、いくつかの実施形態では2以上の整数である。さらなる例として、図1はペンディングの画像位置合わせタスク、ペンティングの器官描出タスクおよびペンディングの線量論理タスクをも図的に示している。
【0023】
図示した放射線療法線量最適化システム16は、放射線療法線量最適化システム16を操作するためのユーザー・インターフェースを提供するユーザー・インターフェース・コンピュータ20および線量最適化を実行して該線量最適化に対応する放射線療法計画を生成する複数のコンピュータ22を含む、複数のコンピュータによって具現される。複数のコンピュータ22はデジタル・ネットワークによって相互接続されて、線量最適化を実行するためのコンピューティング・グリッド24をなす。相互接続されたコンピュータ22のコンピューティング・グリッド24は、線量最適化を実行する線量最適化モジュール26を具現するよう集団的に動作する。図示していないが、コンピューティング・グリッド24は、画像位置合わせおよび器官描出といった他の放射線療法関係のタスクを実行するためのモジュールをも提供してもよい。図示した実施形態では、ユーザー・インターフェース・コンピュータ20はコンピューティング・グリッド24の一部ではないが、任意的に、ユーザー・インターフェース・コンピュータ20もコンピューティング・グリッドに含められてもよい。
【0024】
ユーザー・インターフェース・コンピュータ20は、放射線医または他の人間のユーザーが放射線療法線量最適化システム16と対話するユーザー・インターフェース(任意的にはグラフィカル、すなわちグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI))を提供する。さらに、図示した実施形態では、ユーザー・インターフェース・コンピュータ20は、図示した実施形態ではデータ・メモリ14にデータが記憶されているN個の線量最適化などの、複数の線量最適化、画像位置合わせタスク、器官描出タスクまたは他の放射線療法タスクを実行するための作業フロー・スケジュールを構築するよう構成された放射線療法タスク・スケジューリング・モジュール30を具現する。任意的に、放射線療法タスク・スケジューリング・モジュール30は、各タスクのためのデータを完備性について検査し、もしタスクの実行を妨げる欠けているデータが検出される場合には、不足データ通知モジュール32が呼び出されてユーザーに欠けているデータについて知らせる。
【0025】
線量最適化モジュール26は、放射線療法タスク・スケジューリング・モジュール30によって生成された作業フロー・スケジュールに従って前記複数の線量最適化を実行して、前記複数の線量最適化に対応する複数の放射線療法計画を生成する。任意的に、線量最適化モジュール26も、各線量最適化のためのデータを完備性について検査し、欠けているデータがもしあればそれについてユーザーに知らせるために不足データ通知モジュール32を呼び出す。この第二の検査は任意的であるが、用いられるならば、線量最適化がスケジューリングされた時点よりいくらかの時間あとに削除、破損または他の仕方で損なわれたかもしれないデータを有利に検出できる。
【0026】
生成された放射線療法計画は放射線療法計画メモリ34に記憶される。放射線療法計画メモリ34は図示した実施形態ではユーザー・インターフェース・コンピュータ20のデータ記憶コンポーネントであるが、一般には、データ・メモリ14または放射線療法装置10に付随するメモリなどといった任意の利用可能なメモリによって具現されてもよい。モニタ/レビュー・モジュール36は、放射線医または他の人間のユーザーが、当該放射線療法計画についてシミュレートされた空間的線量分布を含む放射線療法計画を吟味して、該放射線療法計画を検証、承認または他の仕方で評価できるようにする。最終的には、放射線療法計画10が被験体に放射線療法を提供するために放射線療法計画を実行する。
【0027】
放射線療法システムについて図1を参照して記述してきた。引き続き図1を参照するとともにさらなる図面を参照して、放射線療法システムのさらなる諸側面について述べる。
【0028】
図2を参照するに、放射線療法タスク・スケジューリング・モジュール30の例示的な実施形態は、作業負荷がよく拡散されるようタスクをスケジューリングし、これから起こる線量計算を予期し、その備えをする。異なる型の線量最適化または他の放射線療法関係のタスクは、計算上の複雑さまたは負荷において異なり、また関わってくるユーザー対話の量においても異なる。実行されるべき一組の最適化計画または他のタスクの計算時間を推定することによって、計画は、作業負荷がより長い時間期間にわたってよく拡散されるよう、配置され、スケジューリングされることができる。該スケジューリングを使うことによって、および/またはユーザーが線量最適化を開くことによってトリガーされて、スケジューリング・モジュール30は、データ・メモリ14からロードされることのできるデータをロードする、高解像度密度マップの生成および核〔カーネル〕計算のようなある種の計算を実行するといった次の諸ステップを予期し、スケジューリングすることができる。線量最適化の間、線量計算に関係したデータはランダム・アクセス・メモリ(RAM)または他の高速取り出しメモリに保持されることができる。あるいはまた、データはデータ記憶14に記憶され、そのビームの次の線量計算がいつ期待されるかを考慮に入れることによってRAMまたは他の高速取り出しメモリに戻されることができる。諸プロトコルの助けにより、スケジューリング・モジュール30は自動タスクをスケジューリングし、線量最適化モジュール26の作業負荷を調整することができる。それは、時間が決定的な計算を優先し、決定された(最適な)作業フロー・スケジュールに基づいてユーザー対話を要求するフォローアップ段階をスケジューリングすることによる。
【0029】
図2の実施形態では、動作40において、新しい線量最適化が処理の待ち行列に追加され、動作41において、線量最適化データ・セットが取得される。典型的には、動作40はデータ・セット(たとえば、計画画像、器官描出、セッション型同定および前記一組の放射線療法目的の選択を含む)の完成に対応するが、いくつかの実施形態では、線量最適化が実行されるようスケジューリングされる時点までにはすべてのデータが利用可能になるとの想定のもと、線量最適化は関連するデータすべてが収集される前にスケジューリングされてもよい。任意的な検査動作42において、何らかの必要なデータが欠けているかどうかが判定され、もしそうであれば、ユーザーに欠けているデータのことを知らせるために不足データ通知モジュール32が呼び出される。
【0030】
動作44では、複雑さ指標が新しい線量最適化に割り当てられる。いくつかの実施形態では、単一の複雑さ指標が線量最適化に割り当てられる。他の実施形態では、複数の複雑さ指標が、たとえば線量最適化をなす種々のタスクに割り当てられる。単数または複数の複雑さ指標は、計算上の複雑さと相関するさまざまな因子に基づくことができる。そうした因子は:放射線療法セッション型(たとえば、腹部器官に放射線線量を送達する放射線療法セッションの線量最適化は、首に送達される放射線線量についての線量最適化ほど計算集約的ではないことが期待されうる。首の放射線療法は一般により複雑な線量分布を要求し、よって最適化のためにより多くのビームおよび/またはビーム当たりより多くのセグメントといったより多くのパラメータを要求するからである);放射線療法パラメータの数(より多くのパラメータは一般により高い計算上の複雑さと相関する);空間分解能(より高い空間分解能は一般により高い計算上の複雑さと相関する);必要な精度(より精密な線量最適化はより多くの反復工程がかかることがあるので、より多くの計算時間がかかる)などといったものである。線量最適化の種々のタスクに複数の複雑さ指標が割り当てられる場合、各複雑さ指標は好適には関連する因子に依存する。たとえば、より多数の放射線療法パラメータは反復工程毎のフルーエンス・マップ更新にはほとんどまたは全く効果をもたないことがあるが、反復工程毎のパラメータ更新タスクには大きな影響をもつことがある。単数または複数の複雑さ指標は、測定される線量最適化または線量最適化タスクによって課される作業負荷の定量的な評価を提供する。
【0031】
動作46では、作業フロー・スケジュールは少なくとも複雑さ指標および線量最適化モジュール26の利用可能な処理資源に基づいて構築または更新される。該処理資源はたとえば、線量最適化モジュール26によって提供される並列処理チャネルがもしあればその数を含む。(この側面に関するさらなる開示については図3を参照。)処理資源のもう一つの側面は、任意の特定用途向け集積回路(ASIC)の利用可能性であってもよい。たとえば、単一の線量最適化タスクの専用に供されるASICがあればそのタスクの計算負荷を軽減する。
【0032】
複雑さ指標および利用可能な処理資源に加えて、作業フロー・スケジューリング動作46は作業フロー・スケジュールを生成する際に他の情報をも考慮に入れてもよい。たとえば、線量最適化スケジューリング・モジュール30は、ユーザー入力を必要としない動作が作業時間外の(off-hour)時間区間の間に実行されるよう、作業フロー・スケジュールを構築するよう構成されることができる。ユーザー入力を必要とするタスクは、好ましくは通常の作業時間中に実行されるようスケジューリングされ、あるいはまた放射線医または他の人間のユーザーがユーザー・インターフェース・コンピュータ20にログインするときに実行されるよう待ち行列に入れられてもよい。これに関し、線量最適化スケジューリング・モジュールは任意的に、種々のユーザー入力動作が同時並行してスケジューリングされないよう、作業フロー・スケジュールを構築するよう構成される。
【0033】
もう一つの例として、作業フロー・スケジューリング動作46は、スケジューリングされた撮像データ事前ロード動作および一つまたは複数のスケジューリングされたデータ処理動作を含む作業フロー・スケジュールを、前記一つまたは複数のスケジューリングされたデータ処理動作によって処理される撮像データが、スケジューリングされた撮像データ事前ロード動作によってメモリにあらかじめロードされるよう、それらの動作が作業フロー・スケジュールにおいてタイミング付けされるよう、構築することができる。
【0034】
もう一つの例として、前記作業フロー・スケジューリング動作46は、作業フロー・スケジュールを、(i)共通のデータ・セットに対して作用している複数のデータ処理動作を一緒にグループ化し、(ii)前記共通のデータ・セットに対して作用している前記複数のデータ処理動作の実行中、メモリに前記共通のデータ・セットを保持するよう、構築することができる。共通のデータ・セットは、処理されるデータ、計算によって利用されるルックアップ・テーブルのようなデータなどを含みうる。任意的に、そのような場合、作業フロー・スケジューリング動作46はさらに、前記共通のデータ・セットをメモリにロードするデータ・ロード動作を、前記共通のデータ・セットに対して作用する前記複数のデータ処理動作の実行より前にスケジュールするよう構成される。
【0035】
引き続き図2を参照するに、ひとたび作業フロー・スケジュールが生成されると、動作48は、線量最適化(または、線量最適化モジュール26が図3に示されるように並列処理チャネルを提供する場合、任意的には二つ以上の線量最適化)の実行を開始するよう線量最適化モジュール26と通信する。任意的に、線量最適化(単数または複数)の実行中、待ち行列において新しい線量最適化が受領された場合は、動作40が実行される。
【0036】
任意的に、線量最適化(単数または複数)の実行中、これまでの実行が作業フロー・スケジュール構築動作46によって想定された計算作業負荷または計算時間から有意に逸脱したまたは逸脱しつつある場合、動作44、46が実行される。たとえば、現在実行中の線量最適化タスクが実際には期待されたよりも計算集約的である場合、並列にまたは後刻により計算集約的でない動作を実行するよう、作業フロー・スケジュールを調整するために作業フロー・スケジュール構築動作46が呼び出される。
【0037】
今一度図1を参照するとともにさらに図3を参照するに、いくつかの実施形態では、線量最適化モジュール26は、図3に示される図の三つの並列処理チャネル50のような複数の並列処理チャネルを提供する。並列処理チャネル50はたとえば、コンピューティング・グリッド24の複数のコンピュータ22に対応していてもよい。コンピュータ22の一つまたは複数が複数コア・プロセッサを有する場合、並列処理チャネル50は該複数コア・プロセッサの異なる処理コアに対応してもよい。コンピュータ22の一つまたは複数がある種の線量最適化タスクに専用に供されるASICへの動作上のアクセスを含むまたは有する場合、該ASICは任意的に、並列処理チャネル50の一つを定義する。任意的に、コンピュータ22の一つまたは複数が、より高い計算スピードの並列処理チャネルを提供するグラフィカル処理ユニット(GPU: graphical processing unit)を有していてもよい。さらに、並列処理チャネル50の一つまたは複数は、たとえばコンピュータ22のうちの単一のコンピュータによって実行されるソフトウェア実装されるマルチタスキングによって、仮想的に定義されてもよい。
【0038】
図3に図的に示されるように、線量最適化モジュール26が複数の並列処理チャネル50を提供する実施形態では、二つ以上の線量最適化(たとえば、例示的な図3における線量最適化#1および線量最適化#2)が任意的に並行して実行される。追加的または代替的に、前記複数の並列処理チャネル50は、単一の線量最適化の種々のタスクを並行して実行するために使われることができる。たとえば、例示的な線量最適化#1および線量最適化#2のそれぞれは、画像データ・ロード・タスク、密度マップ生成タスク、畳み込み核〔カーネル〕計算タスクなどを含む。これらのタスクのうちさまざまなものが並行して実行できる。しかしながら、あるタスクが入力として別のタスクの出力を要求する場合、それら二つのタスクは並行して実行することはできない。そのために、線量最適化#1はタスク依存性データ52を含み、同様に、線量最適化#2はタスク依存性データ54を含む。こうして、たとえば、タスク依存性データ52が、タスク「B」がタスク「A」に依存することを示す場合、タスク「A」および「B」を並行して実行することはできず、実際、タスク「A」はタスク「B」より前に実行される必要がある。ある変形依存性において、タスク「B」がタスク「A」の出力データ・ストリームの先入れ先出し的な(FIFO: first-in-first-out)使用を用いる場合、タスク「A」が先に開始され、タスク「A」がタスク「B」が有用に処理するためのそのデータ・ストリームの十分な部分を生成するまでタスク「B」が遅延させられる限り、タスク「A」および「B」は任意的に並行して実行されてもよい。
【0039】
一般に、作業フロー・スケジューリング動作46は、選択された時間地平(time horizon)にわたって計算負荷における変動を小さくするよう作業フロー・スケジュールを構築する。たとえば、作業フロー・スケジューリング動作46は、時間地平24時間(または36時間、48時間など)にわたってN個の線量最適化をスケジューリングしてもよい。複数の並列処理チャネル50が線量最適化モジュール26によって提供される場合、作業フロー・スケジューリング動作46は好ましくは、前記複数の並列処理チャネル50の間で作業負荷を均衡させるよう、作業フロー・スケジューリング動作46を構築する。これは、種々の処理チャネル50によって実行されるタスクの複雑さ指標(任意的に、処理の選択された時間単位にわたって平均される)が同様または同じであるよう作業フロー・スケジュールを最適化することによってできる。
【0040】
しかしながら、並列処理チャネル50のうちの二つが同じ処理ハードウェアを用いる場合(たとえば、両方のチャネルが、ソフトウェア実装されるマルチタスキングを使って同じコンピュータ上で仮想的に実装されている)場合、これら二つの処理チャネルを合わせた作業負荷が、好ましくは、たとえばそれら二つのチャネルに割り当てられたタスクの複雑さ指標を足すことによって(または処理の時間単位にわたって複雑さの指標を積分することによって)、作業負荷を均衡させるための単位として扱われる。
【0041】
図4を参照して、線量最適化モジュール26の例示的な実施形態について述べる。例示的な線量最適化モジュール26は、効率を高める諸側面を含む。それには、線量最適化中のデータ転送を最小にする技法、線量最適化中に変化していないデータに関する反復的な計算を最小にする技法、寸法を適応させ、線量体積の一定でないボクセル・サイズを提供する技法および最適化における目的の集合を適応させる技法が含まれる。動作60では、線量最適化データ・セットが取得され、任意的な検査動作62において、取得されたデータ・セットが欠けているデータがないかどうかを検査され、データが欠けていると識別されたら、不足データ通知モジュール32が呼び出される。先述したように、いくつかの実施形態では、動作60、62は、スケジューリング・モジュール30によって前もって実行されるようスケジューリングされるデータ事前ロード・タスクとして実行されてもよい。
【0042】
この例示的な線量最適化は、一組の放射線療法目的に関して線量を(あるいは、より正確には、被験体における空間的な線量分布を)最適化するために一組の放射線療法パラメータを逐次反復的に調整する逆放射線療法計画である。さまざまな初期化プロセス動作(図4には示さず)が好適には最初の反復工程の前に実行される。それは、被験体の密度マップを構築する(データ・メモリ14においてすでに与えられていなければ);放射線療法パラメータについての初期値の選択(これは、ユーザーが入力した初期パラメータ値を受け入れる、「典型的な」パラメータ値を使うなどによってできる);畳み込み核を計算する;被験体密度マップおよび初期放射線療法パラメータに基づいて初期の(シミュレートされた)空間的線量分布を計算するといったことなどである。これらの初期動作の出力は、放射線療法パラメータ値70の現在のセットおよび現在のシミュレートされた空間的線量分布72である。放射線療法パラメータ値70の現在のセットの値は、現在のフルーエンス・マップ72が放射線療法目的の集合を満たすまで、逐次反復的に最適化されることになる。いくつかの実施形態では、放射線療法パラメータ値70はビームのフルーエンス・マップであり、これは次いで、最適化完了後、MLC設定のような直接制御される放射線療法パラメータに変換される。他の実施形態では、直接機械パラメータ最適化(DMPO)アプローチが用いられる。このアプローチでは、放射線療法パラメータ値70がMLC設定のような直接制御される放射線療法パラメータである。
【0043】
逐次反復を開始するため、任意的なフルーエンス・マップ領域選択器74が、逐次反復的な逆放射線療法計画の反復工程によって更新するための、フルーエンス・マップ72全体よりも小さな、該フルーエンス・マップの領域を選択する。領域選択器74を含めることは、ある計画の最適化の一連の反復工程を通じて、MLC位置における差が典型的には小さいという本願での観察に基づいている。直前のフルーエンス・マップ反復工程を参照として使う領域選択器74を用いることによって、そのフルーエンス・マップのある領域のみが、項aを計算するために新しい反復工程において再び密度体積を通じて伝搬させられるべく選択される。項aにおける結果として生じる差は、畳み込みを使う線量計算において差のために使用できる。複数のプロセッサがデジタル・ネットワークによって相互接続されている実施形態では、効率は、フルーエンス・マップの選択された領域のみを反復工程中にデジタル・ネットワークを通じて転送することによって高められる。
【0044】
効率を高めるもう一つのアプローチは、処理するための空間的線量分布72を、体積にわたって非一様なボクセル・サイズをもって定義するよう線量最適化モジュール26を構成することである。そのために、ボクセル・サイズ分布選択器76は、逆放射線療法計画の反復工程と反復工程の間で線量分布72のボクセルのボクセル・サイズを調整する。別の言い方をすれば、一定の寸法およびボクセル・サイズをもつ線量グリッドを使う代わりに、ボクセル・サイズ分布選択器76は、各反復工程に先立って(あるいは、ある変形実施形態では、一組の反復工程に先立って)、可変ボクセル・サイズをもつ線量ボクセルの集合を定義する。ボクセルの位置およびサイズは好適には、最適化および放射線療法目的に依存する。たとえば、いくつかの実施形態では、最適化の始まりのためには大きなボクセル・サイズが使われ、最終的な解に近づくとボクセル・サイズは小さくされる。反復工程から次の反復工程にかけてボクセル・サイズをこのように徐々に小さくしていくことは、空間的に非一様的であってもよく、ある反復工程から次の反復工程にかけての変化が小さい空間的領域では(つまり、そのエリアでは最適化は収束に近い)サイズの縮小がより速くてもよい。ボクセル・サイズ分布選択器76はまた、線量の空間的分布の精度が決定的に重要である領域では、たとえば目標器官および決定的に重要な器官が近接している領域では、より小さなボクセルを使うよう、ボクセル・サイズを調整することもできる。他方、目標器官からもいかなる決定的に重要な器官からも遠く隔たった領域のような、線量の空間分布の精度がそれほど決定的でない領域では、より大きなボクセルを使うことができる。
【0045】
引き続き図4を参照するに、逆放射線療法計画は、逐次反復的に放射線療法パラメータ70を調整して、一組の放射線療法目的78に関して線量72を最適化する。いくつかの実施形態では、目的選択器80が、前記一組の放射線療法目的の部分集合を選択し、逆放射線療法計画の少なくともいくつかの反復工程は、前記一組の放射線療法目的の選択された部分集合に関して線量72を最適化する。この側面は、目的が一つ増えるごとに、線量最適化の際に解くべき逆問題の解空間の複雑さを増すという本願での認識によって動機付けられている。目的選択器80の動作によって、システムに目的の数を徐々に増加させることによって、最適化はより堅牢にできる。
【0046】
たとえば、逆放射線療法計画の最初の一つまたは複数の反復工程は、前記一組の放射線療法目的の第一の部分集合に関して実行され、その後、逆放射線療法計画の第二の一つまたは複数の反復工程は、前記一組の放射線療法目的の、前記第一の部分集合とは異なる第二の部分集合に関して実行される。前記一組の放射線療法目的の第二の部分集合は、好適には、前記一組の放射線療法目的の前記第一の部分集合に含まれるすべての放射線療法目的を含み、さらに、前記一組の放射線療法目的の前記第一の部分集合に含まれない前記一組の放射線療法目的の少なくとも一つの追加的な放射線療法目的を含む。このプロセスを延長することにより、線量72の最適化において、放射線療法目的の組78全体が組み込まれるまで、より多くの追加的な放射線療法目的を組み込んでいくことができる。
【0047】
ある変形アプローチでは、前記一組の放射線療法目的は(一般性を失うことなく)N個の放射線療法目的を含み、ここで、Nは2以上である。さらに、この実施形態では、前記放射線療法目的の集合78の放射線療法目的は優先度によってランク付けされる。たとえば、特に生命に関わる器官に送達される線量はある閾値目的値より低く保たれることが最優先事項であってもよい。それほど生命に関わらない(それでも決定的に重要な)器官に送達される線量がある閾値未満に保たれることがより低い優先度であってもよい。さらに低い優先度は、それほど生命に関わらないこの器官が別の(より低い)線量閾値未満に保たれることであってもよい。目的選択器80によって選択される、前記一組の放射線療法目的の部分集合は、前記一組の放射線療法目的78のうちで最高優先度のランク付けをもつNsub個の放射線療法目的を含む。ここで、1≦Nsub<Nである。実際上、これは、最適化の最初の諸反復工程が、線量72がNsub個の最高優先度の放射線療法目的を満たすよう放射線療法パラメータを調整することを保証する。ひとたびこれら最高優先度の目的が満たされたら、Nsubの値を増加させて、追加的な、より低い優先度の目的を含めることができる。最終的には、NsubはNに等しくなるまで増加させられ、最後の諸反復工程は、前記放射線療法目的の集合78全体を満たすよう線量72を調整する。このアプローチの一つの利点は、優先度順位付けによって順位付けされるところの少なくとも最も重要な放射線療法目的を満たす放射線療法計画を生成する可能性が高まるということである。
【0048】
いくつかの実施形態では、目的は、目的選択器80によって、一連の反復工程において線量最適化の際に評価された諸放射線療法計画の経路が有用な情報を含む順序で、追加されていく。たとえば、目的選択器80は、最初の数反復工程を、腫瘍制御確率(TCP: tumor control probability)目的のみが選択された状態で実行するよう構成されていてもよい。ひとたびそこそこの収束に達したら、目的選択器80は正常組織障害発生確率(NTCP: normal tissue complication probability)目的を加入する。この場合、ユーザーはのちに、腫瘍制御と正常組織障害発生確率との間でなされるトレードオフをスクロールし、(再)評価することができる。並行して、TCP目的に低い重みを割り当ててNTCP目的に向けてバイアスをかけた最適化が開始していて、のちに、種々のNTCP-TCPの割合で可能な拡散/変動を推定するためにTCP目的を(その重みを増すことによって)追加していたことができる。
【0049】
引き続き図4を参照するに、ひとたび任意的なフルーエンス・マップ領域選択器74が当該反復工程によって調整されるべきフルーエンス領域を選択し、ボクセル・サイズ分布選択器76が当該反復工程についてのボクセル・サイズの空間分布を調整し、目的選択器80が諸反復工程について目的の(部分)集合を選択すると、線量最適化逐次反復計算モジュール82は反復工程を実行する。該反復工程は、調整された放射線療法パラメータ(たとえば、ビームについての調整されたフルーエンス・マップまたはDMPOの場合なら調整されたMLC設定)と、該調整された放射線療法パラメータによって生成されるとシミュレートされる、更新されたシミュレートされた空間線量分布を計算することを含む。次いで、これらがそれぞれ現在の放射線療法パラメータ70および現在の線量72となる。判定動作84では、逐次反復処理が、一つまたは複数の停止基準と突き合わせて検査される。満たされる停止基準がなければ、処理は、次の反復工程の実行のために動作74に戻る。ひとたび判定動作84によって判定されるところによりある停止基準が満たされたら、逐次反復は停止する。ビームのフルーエンス・マップが逐次反復的最適化の際の放射線療法パラメータ70としてはたらく実施形態では、最終的な変換ステップ(図4には示さず)によりフルーエンス・マップがMLC設定または他の直接制御される放射線療法パラメータに変換される。この変換動作は、DMPOの場合には必要とされない。
【0050】
図1に戻ると、最適化された放射線療法計画はメモリ34に記憶され、モニタ/レビュー・モジュール36を介して放射線医または他のユーザーによって吟味されることができ、最終的には、被験体に治療放射線を送達するために、最適化された放射線療法計画が放射線療法装置10によって実行されることができる。
【0051】
引き続き図1を参照するとともにさらに図5を参照すると、放射線療法タスク・スケジューリング・モジュール30は、線量最適化のほかに他の放射線療法関係のタスクを同様にスケジューリングできる。図5に示されるように、放射線療法施設は典型的には、図5に(部分的に)示した「ジョン・ドウ」のための例示的な行動計画のような患者行動計画〔アジェンダ〕を維持する。ジョン・ドウのための行動計画は、マルチセッション適応放射線療法処置に対応し、各タスクの状態および各タスクについての締め切りとともに、実行されるべきタスクのリストを含む。マルチセッション放射線療法では、放射線処置セッションおよび撮像などの補助動作のスケジュールは厳格であり、示された締め切りは守る必要がある。他方、たとえば図1のデータ・メモリ14において必要な情報が取得され、利用可能となるまではタスクは実行できない。さらに、事例によっては、あとのタスクはより先のタスクが完了するまで実行できない。(自明な例として、放射線療法セッション#3は、放射線療法セッション#2が完了したあとまで実行できない。)このように、例示的な行動計画における各タスクは、タスクが完了したことを示す「済み」またはタスクが実行準備ができている(すなわち、必要な情報が得られている)がまだ実行されていないことを示す「ペンディング」または何らかの所要情報が必要とされているまたは何らかのより先のタスクがまず実行されなければならないことを示す「準備中」の状態をもつ。図5の例示的な「時間スナップショット」では、日付は2010年7月12日または2010年7月13日付近であり、患者はまもなく、2010年7月14日が締め切りの第一の放射線療法セッションを受けることになっている。そのために、計画画像を取得し、器官描出を実行するタスクが実行されており(状態=「済み」)、線量最適化タスクはペンディングで、2010年7月13日が締め切りとなっている。
【0052】
追加的な二つの放射線療法セッション(#2および#3)もスケジューリングされる。これらのセッションは、セッション#1について使われたのと同じ線量最適化を使う。その後、新たな患者画像がCTまたは他の好適な撮像技法によって取得され、セッション#1に先立って取得された画像と位置合わせされる。次いで医師の吟味/判断タスクがスケジューリングされ、その時点では、ジョン・ドウの医師が処置の進行を評価する。医師の判断が先に進むことが予期され、その時点で、新しい患者画像を使って器官描出が実行され、続いて適応最適化タスクが、変化(たとえば腫瘍の縮小、器官の動きなど)があればそれを取り入れるために線量最適化を調整する。医師の吟味/判断後のこれらのイベントは、まだ設定された締め切りをもたない。医師の吟味の結果、患者ジョン・ドウについてのその後の行動計画に変化が生じることがありうるからである。しかしながら、状態が「準備中」であり、判断締め切りがないものの、前記判断が時間スロットを割り当てられることができることも考えられている。それにより、その後のオープンのタスク(おそらくは発生確率が割り当てられている)が放射線療法タスク・スケジューリング・モジュール30によって使用されて、放射線療法関係のタスクのスケジューリングにおいて使うための将来の作業負荷の推定を生成することができる。
【0053】
引き続き図1および図5を参照するとともにさらに図2を参照するに、行動計画にある各タスクが状態「準備中」から状態「ペンディング」に遷移する際、タスクは、図2に示した動作40に対応する動作において、処理の待ち行列に追加される。待ち行列に入れられたタスクはまた、関連する締め切りでタグ付けされる。次いで、放射線療法タスク・スケジューリング・モジュール30は、図2を参照して本稿で述べたプロセスのように、新たに追加されたタスクを含めるよう作業フロー・スケジュールを更新する。図2のプロセスは、例示的な例によって線量最適化タスクをスケジューリングすることに向けられている。しかしながら、画像位置合わせタスクまたは器官描出タスクのような他の型のタスクについても、類似の処理が実行される。動作41、42のように、必要な情報が取得され、任意的に検査され、動作44のように、新たに待ち行列に入れられたタスクの複雑さが定量的に評価され、動作46のように、新たに待ち行列に入れられたタスクを含めるよう、作業フロー・スケジュールが更新され、動作48のように、更新された作業フロー・スケジュールに従ってペンディングのタスクが実行される。
【0054】
動作44において用いられた複雑さ指標は好適にはタスク固有である。例は、線量最適化タスクについて本稿で述べている。別の例示的な例として、画像位置合わせタスクについては、複雑さ指標は位置合わせされるべき画像のサイズ、位置合わせの型(たとえば剛体的または非剛体的な画像位置合わせ)、指定された空間精度などに基づいていてもよい。
【0055】
スケジュール更新動作46を実行する際、タスク締め切りは硬い定数として扱われる。すなわち、新たに待ち行列に入れられたタスクは割り当てられた締め切りまでに完遂されねばならない。更新動作46は任意的に他の制約条件をも含んでいてもよい。たとえば、手動または半自動の器官描出を実行するための一つのユーザー・インターフェースしか利用可能でない場合、更新は、どの所与の時点でも一つのそのような器官描出タスクのみがスケジューリングされるよう制約されるべきである。
【0056】
ひとたびスケジューリングされたら、動作48のように、好適なタスク・モジュールを呼び出すことによって、ペンディングのタスクが実行される。たとえば、線量最適化は好適には線量最適化モジュール26(図示)によって実行され、画像位置合わせタスクは好適には画像位置合わせモジュール(図示せず)によって実行される、などとなる。
【0057】
図1に戻って参照すると、放射線療法線量最適化システム16は、一つまたは複数のデジタル・プロセッサ20、22上で実行されたときに記載された放射線療法線量最適化動作を実行する命令を記憶する記憶媒体として具現されることもできる。記憶媒体は、たとえば:ハードディスク・ドライブまたは他の磁気記憶媒体;光ディスクまたは他の光学式記憶媒体;フラッシュメモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)または他の電子的メモリ媒体;それらのさまざまな組み合わせなどを含んでいてもよい。
【0058】
本願は、一つまたは複数の好ましい実施形態を記載してきた。以上の詳細な説明を読み、理解すれば、他の者も修正および変更が思いつくことがありうる。本出願は、付属の請求項およびその等価物の範囲内にはいる限り、そのようなすべての修正および変更を含むものと解釈されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5