特許第5771266号(P5771266)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771266
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】シュー
(51)【国際特許分類】
   F04B 27/12 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   F04B27/12 F
   F04B27/12 Q
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-262436(P2013-262436)
(22)【出願日】2013年12月19日
(62)【分割の表示】特願2009-129223(P2009-129223)の分割
【原出願日】2009年5月28日
(65)【公開番号】特開2014-51992(P2014-51992A)
(43)【公開日】2014年3月20日
【審査請求日】2014年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207791
【氏名又は名称】大豊工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100147810
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 浩
(72)【発明者】
【氏名】八田 政治
(72)【発明者】
【氏名】野村 諭
【審査官】 山本 崇昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−050959(JP,A)
【文献】 特開昭62−168974(JP,A)
【文献】 特開2002−276543(JP,A)
【文献】 特開2006−002615(JP,A)
【文献】 特開2001−003858(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2006−0131304(KR,A)
【文献】 特開平11−22640(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0272076(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 27/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1可動部材の半球状凹部と摺動する球面部と、
第2可動部材の平坦面と摺動する端面部と、
前記球面部と端面部との間に形成された筒状部と、
前記筒状部の外周面に設けられた溝及び/又は凹部と
を有し、
前記球面部および前記端面部は一体成形されており、
前記球面部は溝及び凹部を有さないことを特徴とするシュー。
【請求項2】
前記端面部は溝及び凹部を有さない
ことを特徴とする請求項1に記載のシュー。
【請求項3】
前記筒状部の軸方向の長さが、前記球面部の軸方向の長さよりも長い
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシュー。
【請求項4】
前記筒状部は、軸方向全域の外径が同一寸法となる円柱状に形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のシュー。
【請求項5】
前記筒状部は、前記球面部側が前記端面部側よりも小径となるテーパ状となっている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のシュー。
【請求項6】
前記筒状部は、前記端面部側が前記球面部側よりも小径となるテーパ状となっている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のシュー。
【請求項7】
前記筒状部は、その軸方向の中央部が最大外径となるように半径方向外方に膨出した太鼓形となっている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のシュー。
【請求項8】
前記端面部の外周縁に半径方向外方に伸びるフランジ部が形成されている
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のシュー。
【請求項9】
前記溝は複数設けられており、各溝の一端は前記球面部に到達する
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一項に記載のシュー。
【請求項10】
前記各溝の他端は前記端面部に到達しており、前記複数の溝を介して前記球面部と前記端面部が連通する
ことを特徴とする請求項9に記載のシュー。
【請求項11】
前記溝は、直線状、V字状、または格子状であって、前記筒状部の外周面に等ピッチで設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載のシュー。
【請求項12】
前記凹部は複数設けられており、各凹部は、円形、正方形、三角形または楕円形のいずれかである
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載のシュー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシューに関し、より詳しくは斜板式コンプレッサに用いられるシューの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、斜板式コンプレッサに用いられる半球状シューは知られており、この半球状シューは、ピストン側の半球状凹部と摺動する球面部と、斜板と摺動する端面部とを備えている(例えば特許文献1〜特許文献4)。
近年、自動車用の斜板式コンプレッサに対して低コスト化や新しい冷媒への対応等が求められており、とりわけ斜板式コンプレッサに対して高効率化が要望されている。
そこで、特許文献1〜4において、それぞれ次のようなシューの改良案が提示されている。つまり、特許文献1においては、半球状シューの球面部における摺動部と非摺動部の表面粗さを異ならせてあり、また、特許文献2においては、球面部を段付のテーパ面にすることが提案されている。さらに、特許文献3においては、半球状シューの外周縁を円周方向全域にわたって大きく削除し、そこを円柱状とすることが提案されており、さらに、特許文献4においては、半球状シューの球面部にらせん状等の油溝を形成することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−153039号公報
【特許文献2】特開平09−280166号公報
【特許文献3】特開平10−220347号公報
【特許文献4】特開平11−050959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、斜板式コンプレッサにおいては、循環回路内を循環する冷媒に混在して潤滑油も循環されることで、シューとピストンおよび斜板との摺動部分に対して潤滑油が供給されるようになっている。しかしながら、近年では冷媒の循環回路内に封入される潤滑油の量を低減させる傾向にあるので、シューとピストンおよび斜板との摺動部分が過酷な潤滑条件となっている。
そして特に、斜板式コンプレッサの起動時においては、循環回路の冷媒中に潤滑油が混在していない状態となっているので、冷媒が循環回路内を循環されてもシューとピストンおよび斜板の摺動部分に冷媒を介して潤滑油を十分に供給することができない。そのため、従来では、斜板式コンプレッサの起動時にシューとピストンおよび斜板との摺動部分に焼付きが生じやすくなり、それら摺動部分の異常摩耗により異音や騒音が発生するという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した事情に鑑み、本発明は、第1可動部材の半球状凹部と摺動する球面部と、第2
可動部材の平坦面と摺動する端面部と、上記球面部と端面部との間に形成される筒状部と
を備えたシューにおいて、
上記筒状部の外周面は、上記第1可動部材の半球状凹部と第2可動部材の平坦面とのい
ずれとも摺動しないようになっており、かつ該筒状部の外周面に溝及び/又は凹部を設け
て、それら溝及び/又は凹部内に潤滑油を保持させるように構成したものである。
【発明の効果】
【0006】
上述した構成によれば、斜板式コンプレッサのシューとして用いた場合に、斜板式コンプレッサが起動されていない状態においては、冷媒から分離された潤滑油が上記シューの油溝や凹部に保持されることになる。そのため、斜板式コンプレッサの起動時において、冷媒中に潤滑油が混在されていない状態であっても、上記油溝または凹部に保持された潤滑油が摺動部分であるシューの球面部や端面部に供給されることになる。したがって、斜板式コンプレッサの起動時においても潤滑性が良好なシューを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は本発明の一実施例を示す斜板式コンプレッサ内の要部を示す断面図。
図2図1に示すシューの正面図。
図3図2に矢印IIIで示す箇所の軸方向に沿った断面図。
図4図3に示した油溝5Fに対する冷媒の流れと油溝5Fに捕捉される潤滑油の状態を示す模式図。
図5】本発明の他の実施例を示すシューの正面図。
図6】本発明の他の実施例を示すシューの正面図。
図7】本発明の他の実施例を示すシューの正面図。
図8】本発明の他の実施例を示すシューの正面図。
図9】本発明の他の実施例を示すシューの正面図。
図10図2図5図9における油溝に関する他の実施例を示す断面図。
図11】本発明の他の実施例を示すシューの正面図。
図12】本発明の他の実施例を示すシューの正面図。
図13】本発明の他の実施例を示すシューの正面図。
図14】本発明の他の実施例を示すシューの正面図。
図15】本発明の他の実施例を示すシューの正面図。
図16】本発明の他の実施例を示すシューの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示実施例について本発明を説明すると、図1は斜板式コンプレッサ1の内部構造を示したものであり、この斜板式コンプレッサ1は、図示しないハウジングに回転自在に軸支された回転軸2と、該回転軸2に取り付けられた斜板3と、上記ハウジングの図示しないシリンダボア内を進退動する複数のピストン4と、各ピストン4の内部に向き合うように配置されるとともに上記斜板3を挟持する複数のシュー5とを備えている。
上記斜板3は回転軸2に対して斜めに固定されるか、又は斜板3の傾角を変化させることができるようになっており、各ピストン4ごとに2つのシュー5によって挟持されている。シュー5と摺動する斜板3の平坦面には所要の溶射層、めっき層や樹脂コーティングなどのコーティングが施されている。なお、本件発明に用いることのできる斜板3の構成は上記に限定されることはなく、従来公知の種々の斜板を用いることができる。
上記ピストン4には、相互に向き合うように半球状凹部からなる摺動面4aが形成されており、上記シュー5は、この摺動面4aに対して揺動、かつ摺動しながら、上記斜板3の回転をピストン4の往復移動に変換するようになっている。
このような斜板式コンプレッサ1の構成は従来公知であり、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0009】
しかして、図2に示すように、本実施例のシュー5は、上記ピストン4の摺動面4aと摺動する球面部5Aと、斜板3の平坦面と摺動する端面部5Bと、上記球面部5Aと端面部5Bとの間に形成された円柱状の筒状部5Cとを備えている。本実施例のシュー5は鉄系、銅系、アルミニウム系材料のほか、焼結材料や樹脂材料等で製造することが可能である。
上記球面部5Aの頂部には上記ピストン4側の摺動面4aと接触しない平坦面からなる逃がし部5Dが形成されており、これにより、摺動面4aと逃がし部5Dとの間に形成される空間内に潤滑油が流入するようになっている。
上記端面部5Bは上記斜板3と摺動する摺動面となっており、その中央部は外周部に対して僅かに数μm程度、斜板3側に膨出した中高形状となっている。これにより、端面部5Bと斜板3との間に潤滑油が引き込まれ易い構成となっている。また、端面部5Bの外周縁には面取り部5Eが形成されている。
【0010】
次に、シュー5の筒状部5Cは、軸方向全域の外径が同一となる円柱状となっており、筒状部5Cの軸方向寸法は、球面部5Aの軸方向長さの2倍程度に設定されている。円柱状となっている筒状部5Cの外周面は、上記斜板3およびピストン4の摺動面4aとは摺動しないようになっている。そして、本実施例においては、この筒状部5の外周面に複数の直線状の油溝5Fが形成されている。
油溝5Fは、シュー5の軸心Cに対して45度傾斜させて、かつ、円周方向に等ピッチで筒状部5Cの外周面に形成されている。各油溝5Fの一端は球面部5Aまで到達させてあり、各油溝5Fの他端は面取り部5E、すなわち端面部5Bの外周縁まで到達させている。
また、油溝5Fの断面形状は、図3に示すように、深さが同一であって、深さに対して幅が広い横長の長方形となっている。この油溝5Fの幅は0.01〜2mmが好適であり、油溝5Fの深さは0.001〜1mmが好適である。
このように、本実施例のシュー5は、筒状部5Cの外周面に端面部5Bから球面部5Aにわたって複数の油溝5Fが形成されている。本実施例においては、上記油溝5Fは、ローレット加工、旋削加工、エッチング加工等で筒状部5Cの外周面に形成するようにしている。
【0011】
このような本実施例のシュー5によれば、前述した従来のシューと比較して潤滑油の保持性を向上させて、潤滑性が良好なものとなる。
これについて詳細に説明すると、図4に示すように、潤滑油を含んだ冷媒が筒状部5Cの外周面付近を軸方向に流れる際に、該冷媒中に含まれる潤滑油は、筒状部5Cの各油溝5F内に入り込み、そこで捕捉されて冷媒と分離され易くなっている。
そのため、斜板式コンプレッサ1が起動されていない状態、つまり、循環回路内の冷媒が循環されていない状態では、冷媒から分離された潤滑油は各油溝5F内に保持されるようになっている。そして、斜板式コンプレッサ1が起動される際には冷媒中に潤滑油は混在していないが、予めシュー5の各油溝5F内に潤滑油が保持されているので、シュー5の摺動に伴って摺動部分である球面部5Aと端面部5Bへ各油溝5F内から潤滑油が供給されることになる。つまり、斜板式コンプレッサ1の起動時には、複数の油溝5Fに保持された潤滑油が摺動部分である球面部5Aと端面部5Bに供給されるため、潤滑性が良好なシュー5を提供することができる。しかも、本実施例のシュー5は上記筒状部5Cが形成されて、従来の半球状シューと比較するとシュー5自体が軽量化されている。
したがって、本実施例のシュー5を用いることにより、シュー5と斜板3および摺動面4aとの摺動部分における焼付きや異音の発生を抑制することができ、かつ、耐久性が高く、高効率の斜板式コンプレッサ1を提供することが可能となる。
【0012】
次に、図5図9は本発明を適用した他の実施例を示したものであり、油溝5Fの配置方向やその形状を変更したものである。すなわち、図5に示すシュー5は、油溝5Fの傾斜方向を上記第1実施例とは逆方向となるように、軸心Cに対して45度傾斜させて形成したものである。
【0013】
次に、図6は、V字形の油溝5Fを筒状部5Cの外周面に円周方向に等ピッチで形成したものである。各V字形の油溝5Fの一端は球面部5Aに到達させてあり、油溝5Fの他端は面取り部5E(端面部5Bの外周縁)に到達させている。
【0014】
次に、図7は、筒状部5Cの外周面に軸方向と平行な直線状の油溝5Fを等ピッチで形成したものである。各油溝5Fの一端は球面部5Aに到達させてあり、他端は面取り部5E(端面部5Bの外周縁)に到達させている。
【0015】
次に、図8は、筒状部5Cの外周面にらせん状の油溝5Fを形成したものである。油溝5Fの一端は球面部5Aに到達させてあり、他端は面取り部5E(端面部5Bの外周縁)に到達させている。
以上説明した図5図8に示した各実施例のシュー5は、油溝5Fを介して摺動部分である球面部5Aと端面部5Bとが連通するように構成されている。つまり、油溝5Fに保持された潤滑油は、シュー5が移動する際に、図2に示す第1実施例のものと同様に球面部5Aと端面部5Bへ供給される。
なお、図2図8に示した各実施例のシュー5においては、油溝5Fの一端を球面部5Aに到達させるとともに油溝5Fの他端を端面部5Bに到達させているが、油溝5Fの他端は端面部5Bに到達させなくても良い。つまり、その場合には、油溝5Fの一端が球面部5Aに到達する構成となる。
【0016】
さらに、図9に示した実施例のシュー5は、筒状部5Cの外周面に軸心Cと直交方向の環状の油溝5Fを等ピッチで形成したものである。なお、図5図9に示した各実施例において、油溝5Fの断面形状は上記第1実施例と同じ長方形の断面形状となっている。
このような図5図9に示した各実施例においても、図2の第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
【0017】
なお、上述した各実施例における油溝5Fの断面形状や配置密度は、図10に示すように変更してもよい。つまり、図10(a)は油溝5Fの断面形状を三角形としたものであり、図10(b)は油溝5Fの断面形状を円弧状としたものである。さらに、図10(c)〜図10(e)は、隣合う油溝5Fをできるだけ近接させて配置した実施例を示している。
【0018】
次に、図11図12は、本発明のさらに他の実施例を示したものであり、これらの実施例では油溝5Fの代わりに多数の凹部5Gを筒状部5Cの外周面に形成したものである。すなわち、図11においては、同一寸法の円形の凹部5Gを筒状部5Cの外周面に千鳥状に形成している。
また、図12おいては、同一寸法の正方形の凹部5Gを筒状部5Cの外周面に形成したものである。なお、円形や正方形の凹部5Gの代わりに、三角形や楕円形の凹部を筒状部5Cの外周面に多数形成してもよい。
このように筒状部5Cの外周面に多数の凹部5Gを形成したシュー5であっても、上述した第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
【0019】
次に、図13から図15はさらに本発明の他の実施例を示したものであり、これらの実施例は筒状部5Cの形状を変更したものである。
すなわち、図13は、シュー5の筒状部5Cを、球面部5A側が端面部5B側に比べて徐々に縮径されるテーパ状に形成したものである。そして、このようなテーパ状とした筒状部5Cの外周面に図2の第1実施例と同様の複数の油溝5Fが形成されている。
また、図14は、シュー5の筒状部5Cを、端面部5B側が球面部5Aに比べて徐々に縮径されるテーパ状に形成したものであり、そのテーパ状となった筒状部5Cの外周面に直線状の油溝5Fが形成されている。
さらに、図15は、軸方向の中央部が最大外径となるように半径方向外方へ膨出する太鼓形の筒状部5Cとなっており、その外周面に複数の直線状の油溝5Fが形成されている。
このような図13図15に示した各実施例のシュー5であっても、上記第1実施例と同様の作用・効果を得ることができる。なお、図13図15の実施例においても、油溝5Fの代わりに図11図12に示した多数の凹部5Gを筒状部5Cの外周面に形成しても良い。
なお、図13図15に示した各実施例のシュー5においては、油溝5Fの一端を球面部5Aに到達させるとともに油溝5Fの他端を端面部5Bに到達させているが、油溝5Fの他端は端面部5Bに到達させなくても良い。つまり、その場合には、油溝5Fの一端が球面部5Aに到達する構成となる。
【0020】
さらに、図16は本発明の他の実施例を示したものである。この実施例においては、図2に示した第1実施例において、端面部5Bの外周縁にフランジ部5Hを突設したものである。そのような構成を前提として、シュー5の筒状部5Cの外周面に直線状の油溝5Fを上記第1実施例と同様に形成したものである。その他の構成は第1実施例と同じである。この図16に示したシュー5であっても、上記各実施例と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、上記図2図9および図11図15に示す実施例のシュー5においても、図16と同様に端面部5Bの外周縁にフランジ部5Hを突設しても良い。
【0021】
さらに、上述した各実施例における直線状の油溝5Fの代わりに、筒状部5Cの外周面に格子状の油溝を設けても良いし、また、上記油溝5Fと凹部5Gとを筒状部5Cの外周面に併設してもよい。
【符号の説明】
【0022】
3‥斜板(第2可動部材) 4‥ピストン(第1可動部材)
4a‥摺動面 5‥シュー
5A‥球面部 5B‥端面部
5C‥筒状部 5F‥油溝
5G‥凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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