【文献】
CASAPU, M. et al,Characterization of Nb-Containing MnOx-CeO2 Catalyst for Low-Temperature Selective Catalytic Reduction of NO with NH3,J. Phys. Chem. C,2010年 5月12日,Vol.114, No.21,p.9791-9801,DOI:10.1021/jp911861q
【文献】
S.Zhao et al.,"The effect of oxide dopants in ceria on n-butane oxidation",Applied Catalysis A: General,2003年,Vol.248,p.9-18
【文献】
S M Opalka et al.,"Design of water gas shift catalysts for hydrogen production in fuel processors",Journal of Physics Condensed Matter,2008年 2月13日,Vol.20, No.6,064237
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上述の触媒系の酸化セリウムに基づく組成物が、バナジウム、銅、マンガン、タングステン、及び鉄を含む群から選択される少なくとも1種の金属M’の酸化物を、1%〜10%の比率で含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の他の特徴、詳細、及び利点は、以下に続く説明及びそれを説明することが意図される種々の具体的だが非限定的な実施例を読むとさらに完全になるだろう。
【0009】
本明細書では、「希土類金属」という用語は、イットリウム及び原子番号57及び71を含む57から71の周期表の元素からなる群から選択される元素を意味する。
【0010】
「比表面積」という用語は、The Journal of the American Society,60,309(1938)に記載されたブルナウアー−エメット−テーラー(Brunauer−Emmett−Teller)法から確立された規格ASTM D3663−78に従って窒素の吸着により決定されるBET比表面積を意味する。
【0011】
ある温度及び時間に対して示された比表面積値は、特記されない限り、示された時間、この温度の段階での空気中でのか焼に相当する。
【0012】
本明細書で言及されるか焼は、特記されない限り空気中でのか焼である。ある温度に関して示されているか焼時間は、この温度での定常段階の期間に相当する。
【0013】
含量又は比率は、特記されない限り、質量により、かつ酸化物として(特にCeO2、Ln2O3、Lnは三価の希土類金属を表す、プラセオジムの特別な場合Pr5O11、ニオブの場合Nb2O5)与えられる。
【0014】
特記されない限り、与えられる値の範囲において、その限界値が含まれることも、本明細書の残りに対して指摘される。
【0015】
本発明の触媒系の組成物は、第一に、その構成成分の性質及び比率により特徴付けられる。このように、第一の実施形態によると、組成物はセリウム及びニオブに基づき、これらの元素は一般的に酸化物の形態で組成物中に存在する。さらに、これらの元素は、先に与えられた特定の比率で存在する。
【0016】
組成物の酸化セリウムは安定化されていてよい。「安定化される」という用語は、本明細書において、酸化物の形態の、セリウム以外の少なくとも1種の希土類金属による比表面積の安定化を意味する。この希土類金属は、より詳細には、イットリウム、ネオジム、ランタン、又はプラセオジムでよい。安定化希土類金属酸化物の含量は、一般的に20質量%以下、好ましくは希土類金属がランタンの場合、より詳細には15質量%以下、好ましくは10質量%以下である。安定化希土類金属酸化物の最低含量は、安定化効果が経験される以上のものであり、一般的に少なくとも1%、より詳細には少なくとも2%である。この含量は、酸化セリウム−安定化希土類金属酸化物の合計質量に対する希土類金属酸化物として表される。
【0017】
酸化セリウムは安定化されていてよく、安定化はやはり比表面積の意味であるが、酸化物はシリカ、アルミナ、及び酸化チタンから選択される。この安定化酸化物の含量は、10%以下、詳細には5%以下になり得る。最低含量は少なくとも1%になり得る。この含量は、酸化セリウム−安定化酸化物の合計質量に対する安定化酸化物として表される。
【0018】
本発明の第二の実施形態によると、本発明の触媒系の組成物は、やはり酸化物の形態である3種の構成元素、すなわち、セリウム、ニオブ、及びジルコニウムを含む。
【0019】
これらの元素のそれぞれの比率は、以下のとおりである:
−酸化セリウム:少なくとも50%;
−酸化ニオブ:2%〜20%;
−酸化ジルコニウム:48%まで。
【0020】
本発明のこの第二の実施形態の場合における酸化ジルコニウムの最低比率は、好ましくは少なくとも10%、より詳細には少なくとも15%である。酸化ジルコニウムの最大含量は、より詳細には40%以下、より詳細には30%以下になり得る。
【0021】
本発明の第三の実施形態によると、本発明の触媒系の組成物は、タングステン、モリブデン、鉄、銅、ケイ素、アルミニウム、マンガン、チタン、バナジウム、及びセリウム以外の希土類金属を含む群から選択される元素Mの少なくとも1種の酸化物も、下記の質量比率:
−酸化セリウム:少なくとも50%;
−酸化ニオブ:2%〜20%;
−元素Mの酸化物:20%まで;
−残部が酸化ジルコニウム
で含む。
【0022】
この元素Mは、特にセリウムとジルコニウムの混合酸化物の表面の安定剤として作用し得るが、或いは、組成物の被還元性を向上させ得る。本明細書の残りについて、話を簡潔にするために1種の元素Mのみが言及されるとしても、本発明が、組成物が数種の元素Mを含む場合に適用されることが明らかに理解されることを理解されたい。
【0023】
希土類金属及びタングステンの場合の元素Mの酸化物の最大比率は、より詳細には元素M(希土類金属及び/又はタングステン)の酸化物の質量で15%以下、さらにより詳細には10%以下になり得る。最低含量は少なくとも1%、より詳細には少なくとも2%であり、先に与えられた含量は、合計した酸化セリウム−酸化ジルコニウム−元素Mの酸化物に対して表される。
【0024】
Mが希土類金属でもタングステンでもない場合、元素Mの酸化物の含量は、より詳細には10%以下、さらにより詳細には5%以下になり得る。最低含量は少なくとも1%になり得る。この含量は、合計した酸化セリウム−酸化ジルコニウム及び元素Mの酸化物に対する元素Mの酸化物として表される。
【0025】
希土類金属の場合、元素Mは、より詳細には、イットリウム、ランタン、プラセオジム、及びネオジムになり得る。
【0026】
先に記載される種々の実施形態に関して、酸化ニオブの比率は、より詳細には3%〜15%、さらにより詳細には5%〜10%になり得る。
【0027】
第二又は第三の実施形態及び有利な変形による組成物の場合、セリウム含量は、少なくとも65%、より詳細には少なくとも70%、さらにより詳細には少なくとも75%になり得、ニオブ含量は、2%〜12%、より詳細には2%〜10%になり得る。この変形による組成物は、高い酸性度及び被還元性を有する。
【0028】
第二又は第三の実施形態及び他の有利な変形による組成物の場合、酸化セリウム含量は、少なくとも60%、より詳細には少なくとも65%になり得、酸化ジルコニウム含量は、25%以下、より詳細には15%〜25%の質量比率になり得る。
【0029】
なおこれらの種々の実施形態に関して、ニオブの比率は、さらにより詳細には10%未満になり得る、例えば2%、4%、又は5%になり得る最低値と厳密に10%未満、例えば、9%以下、より詳細には8%以下、さらにより詳細には7%以下の最大値の間になり得る。このニオブ含量は、組成物の全体としての質量に対する酸化ニオブの質量として表される。直前に与えられたニオブの比率の値、特に、厳密に10%未満である値は、先に記載された第二又は第三の実施形態による有利な変形に適用される。
【0030】
本発明の一変形によると、第一の実施形態による本発明の組成物、すなわち、酸化セリウム及び酸化ニオブに基づく組成物並びに第二の実施形態による組成物は、バナジウム、銅、マンガン、タングステン、及び鉄を含む群から選択される少なくとも1種の金属M’の酸化物も、1%〜10%、より詳細には1%〜5%、より優先的には1%〜3%の比率で含んでよく、この比率は、組成物の全体に対するその金属の酸化物の重量として表される。この変形によるこれらの組成物は、向上した触媒活性を有し得る。
【0031】
最後に、本発明の触媒系の組成物は、十分に安定な、すなわち高温で触媒反応の分野に使用可能であるほど十分に高い比表面積を有する。
【0032】
このため、一般的に、第一の実施形態による組成物は、800℃で4時間のか焼の後で、少なくとも15
m2/gである比表面積を有する。第二及び第三の実施形態による組成物では、この表面積は、同じ条件下で、一般的に少なくとも20
m2/gである。第三の実施形態では、本発明の触媒系の組成物は、やはり同じか焼条件下で約55
m2/gまでの範囲の表面積を有し得る。
【0033】
本発明の触媒系の組成物は、少なくとも10%のニオブの量を含み、有利な実施形態によると、800℃で4時間のか焼の後、少なくとも35
m2/g、より詳細には少なくとも40
m2/gの比表面積を有し得る。
【0034】
なお3つの実施形態に関して、本発明の触媒系の組成物は、900℃で4時間のか焼の後、少なくとも10
m2/gである表面積を有し得る。同じか焼条件下で、それらは、約30
m2/gまでの範囲の比表面積を有し得る。
【0035】
本発明の触媒系の組成物は、以下に記載されるTPD分析法により測定することができ、少なくとも5×10−2、より詳細には少なくとも6×10−2、さらにより詳細には少なくとも7×10−2である高い酸性度を有し、この酸性度は、生成物の
m2あたりの(BET測定)アンモニアのml(STPにおける:標準温度と圧力)として表される。ここで考慮される表面積は、800℃で4時間のか焼の後の生成物の比表面積の
m2で表される値である。少なくとも約9.5×10−2の酸性度を得ることができる。
【0036】
本発明の触媒系の組成物は、高い被還元性も有する。これらの性質は、以下に記載される昇温還元(TPR)測定法により測定することができる。本発明の触媒系の組成物は少なくとも15の被還元性を有し、この被還元性は生成物のgあたりの水素(STPで)のmlで表される。
【0037】
組成物は、第一の実施形態の場合、ニオブの酸化物、安定化元素の酸化物の固溶体の形態、他の実施形態に関してはジルコニウム及び元素M又はM’の酸化物の酸化セリウム中の固溶体の形態になり得る。酸化セリウムの立方相に相当するX線回折の単一相の存在が、この場合観察される。一般に、この固溶体の安定性は、900℃の温度まで4時間か焼を受けた組成物にその存在が観察され得るようなものである。
【0038】
本発明は、組成物が、上述の元素、セリウム、ニオブ並びに、適切な場合、ジルコニウム及び元素M又はM’の酸化物から基本的になる場合にも関する。「から基本的になる」という用語は、検討中の組成物が上述の元素の酸化物のみを含み、他の機能性元素、すなわち、組成物の被還元性及び/又は酸性度及び/又は安定性に良い影響を持つ傾向のある元素の酸化物を全く含まないことを意味する。他方で、組成物は、特にその調製プロセスに、例えば使用される出発物質又は試薬に由来し得る不純物などの元素を含んでもよい。
【0039】
本発明の触媒系の組成物は、公知の含浸プロセスにより調製できる。そのため、酸化セリウム又は事前に調製されたセリウムとジルコニウムの混合酸化物を、ニオブ化合物、例えばシュウ酸塩又はニオブのシュウ酸塩及びアンモニウムを含む溶液に含浸させる。元素M又はM’の酸化物も含む組成物の調製の場合、ニオブ化合物に加えてこの元素M又はM’の化合物を含む溶液が含浸に使用される。元素M又はM’は、含浸される出発酸化セリウム中に存在してもよい。
【0040】
乾式含浸はより特に利用される。乾式含浸は、含浸すべき生成物に、含浸すべき固体の細孔体積に等しい体積の含浸元素の水溶液を加えることにある。
【0041】
酸化セリウム又はセリウムとジルコニウムの混合酸化物は、触媒反応に使用するのに好適であるような比表面積を有さなければならない。そのため、この表面積は安定でなくてはならず、すなわち、高温のときでもそのような使用のために十分な値を有さなくてはならない。
【0042】
そのような酸化物は周知である。セリウム酸化物に関して、特許出願欧州特許第0 153 227号明細書、欧州特許第0 388 567号明細書、及び欧州特許第0 300 852号明細書に記載されているものを使用することが特に可能である。希土類金属、ケイ素、アルミニウム、及び鉄などの元素により安定化されているセリウム酸化物に関しては、欧州特許第2 160 357号明細書、欧州特許第547 924号明細書、欧州特許第588 691号明細書、及び欧州特許第207 857号明細書に記載されている生成物が使用できる。任意に元素Mを含み、特にMが希土類金属の場合のセリウムとジルコニウムの混合酸化物に関しては、言及され得る本発明に好適な生成物には、特許出願欧州特許第605 274号明細書、欧州特許第1 991 354号明細書、欧州特許第1 660 406号明細書、欧州特許第1 603 657号明細書、欧州特許第0 906 244号明細書、及び欧州特許第0 735 984号明細書に記載されるものがある。このように、本発明を実施するために、必要な場合、上述の特許出願の記載の全てに言及することができる。
【0043】
そのため、本発明の触媒系の組成物は、以下に記載される第二のプロセスにより調製できる。
【0044】
このプロセスは下記の工程を含む:
−(a1)水酸化ニオブの懸濁液を、セリウムの塩及び、適切な場合ジルコニウムの塩、及び元素Mの塩を含む溶液と混合する;
−(b1)このように形成された混合物を、塩基性化合物と接触させ、それにより沈殿物を得る:
−(c1)沈殿物を反応媒体から分離し、か焼する。
【0045】
このプロセスの第一工程は、水酸化ニオブの懸濁液を使用する。この懸濁液は、塩化物などのニオブの塩をアンモニア水溶液などの塩基と反応させて、水酸化ニオブ沈殿物を得ることにより得ることができる。この懸濁液は、ニオブ酸カリウム又はナトリウムなどのニオブ塩を硝酸などの酸と反応させて、水酸化ニオブ沈殿物を得ることによっても得ることができる。
【0046】
この反応は、水とエタノールなどのアルコールの混合物中で実施できる。このように得られる水酸化物は任意の公知の手段により洗浄され、次いで、硝酸などのペプタイザーの存在下で水に再懸濁される。
【0047】
プロセスの第二の工程(b1)は、水酸化ニオブ懸濁液をセリウム塩の溶液と混合することにある。この溶液は、酸化ジルコニウム又は元素M若しくはM’の酸化物も含む組成物の調製の場合、ジルコニウム塩及び元素M又はM’の塩を含んでもよい。これらの塩は、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、塩化物、及び硝酸セリウムアンモニウムから選択できる。
【0048】
このように言及され得るジルコニウム塩の例には、硫酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、塩化ジルコニルが含まれる。硝酸ジルコニルが最も一般的に使用される。
【0049】
III形態のセリウムの塩が使用される場合、塩溶液に酸化剤、例えば過酸化水素を導入することが好ましい。
【0050】
溶液の種々の塩は、所望の最終組成物を得るのに必要な化学量論的比率で存在する。
【0051】
水酸化ニオブ懸濁液及び他の元素の塩の溶液から形成された混合物は、塩基性化合物と接触させられる。
【0052】
水酸化物タイプの生成物は、塩基又は塩基性化合物として使用できる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物を挙げることができる。第二級、第三級、又は第四級のアミンも使用できる。しかし、アミン及びアンモニア水溶液は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のカチオンによる汚染のリスクを減らすので、好ましいことがある。尿素も挙げることができる。塩基性化合物は、より詳細には溶液の形態で使用できる。
【0053】
上述の混合物と塩基性化合物との間の反応は、好ましくは、反応器中で連続的に実施される。そのため、この反応は、混合物及び塩基性化合物を連続的に導入し、反応生成物を連続的に抜き取ることにより起こる。
【0054】
得られる沈殿物は、固液分離の標準的な技術により、例えば、濾過、デカンテーション、排水、又は遠心分離により反応媒体から分離される。この沈殿物は洗浄され、次いで酸化物を形成するのに十分な温度で、例えば少なくとも500℃でか焼することができる。
【0055】
本発明の触媒系の組成物は、下記の工程を含む第三のプロセスによっても調製できる:
−(a2)第一の工程において、酸化ジルコニウム及び/又は元素M若しくはM’の酸化物を含む組成物の調製のためには、セリウム化合物並びに、適切な場合、ジルコニウムの化合物及び元素M又はM’の化合物を含む混合物を液体媒体中で調製する;
−(b2)前記混合物を、塩基性化合物と接触させ、それにより沈殿物を含む懸濁液を得る;
−(c2)この懸濁液をニオブ塩の溶液と混合する;
−(d2)固体を液体媒体から分離する;
−(e2)前記固体をか焼する。
【0056】
セリウム化合物は、セリウムIIIの化合物でも、セリウムIVの化合物でもよい。化合物は、好ましくは塩などの可溶性の化合物である。セリウムの塩、ジルコニウムの塩、及び元素M又はM’の塩に関して先に述べられたことは全て、この場合にも適用される。これは、塩基性化合物の性質の場合と同様である。第一工程の出発混合物の種々の化合物は、所望の最終組成物を得るために必要な化学量論的比率で存在する。
【0057】
第一工程の液体媒体は一般的に水である。
【0058】
第一工程の出発混合物は、最初は固体形態であり、例えば、その後水の供給原料に導入される化合物から得ることができるが、或いはこれらの化合物の溶液から直接得られ、次いで任意の順序で前記溶液を混合することによっても得られる。
【0059】
第二工程(b2)における試薬の導入の順序は重要でなく、塩基性化合物がおそらく混合物に導入されるか、又は逆に試薬がおそらく同時に反応器に導入される。
【0060】
添加は、全て一度にでも、徐々にでも、連続的でも実施でき、好ましくは撹拌しながら実施される。この操作は、室温(18〜25℃)と反応媒体の還流温度の間の温度で実施することができ、後者の温度は、例えば、おそらく最高120℃である。好ましくは、添加は室温で実施される。
【0061】
第一のプロセスの場合と同様に、セリウムIII化合物を使用する場合は特に、過酸化水素などの酸化剤を、出発混合物に、又は塩基性化合物の導入の間のいずれかで加えることが可能であることが留意され得る。
【0062】
塩基性化合物の添加の第二工程(b2)の最後で、沈殿を完全にするために、反応媒体を、任意に特定の時間撹拌したままにしておいてもよい。
【0063】
プロセスのこの段階で、熟成を実施することも可能である。これは、塩基性化合物と接触させた後に得られた反応媒体に直接実施しても、水に沈殿物を再懸濁させた後に得られる懸濁液に実施してもよい。熟成は、媒体の加熱により実施される。媒体が加熱される温度は、少なくとも40℃、より詳細には少なくとも60℃、さらにより詳細には少なくとも100℃である。このように、媒体は、通常少なくとも30分、より詳細には少なくとも1時間の時間、一定温度に維持される。熟成は、大気圧でも、任意に高圧でも、かつ、100℃を超える温度で、特に100℃〜150℃の温度でも実施することができる。
【0064】
プロセスのその後の工程(c2)は、先の工程の後に得られた懸濁液を、ニオブ塩の溶液と混合することにある。言及され得るニオブ塩には、塩化ニオブ、ニオブ酸カリウム、又はニオブ酸ナトリウムが含まれ、本明細書において最も詳細にはシュウ酸ニオブ及びシュウ酸ニオブアンモニウムが含まれる。
【0065】
この混合は、好ましくは室温で実施される。
【0066】
プロセスのその後の工程(d2)及び(e2)は、先の工程で得られた懸濁液から固体を分離し、任意にこの固体を洗浄し、次いでそれをか焼することにある。これらの工程は、第二プロセスに関して先に記載された方法と同一のやり方で進行する。
【0067】
元素M又はM’の酸化物を含む組成物の調製の場合、第三のプロセスは、この元素M又はM’の化合物が工程(a2)に存在しない変形を含み得る。その場合、元素M又はM’の化合物は、ニオブ溶液との混合の前又は後のいずれか、或いは同時に、工程(c2)に導入される。
【0068】
最後に、セリウムの酸化物、ニオブの酸化物、及びジルコニウムの酸化物、並びに任意に元素Mの酸化物に基づく本発明の触媒系の組成物は、以下に記載される第四のプロセスによっても調製できる。
【0069】
このプロセスは下記の工程を含む:
−(a3)ジルコニウム化合物及びセリウム化合物並びに、適切な場合、元素Mの化合物を含む混合物を液体媒体中で調製する;
−(b3)前記混合物を、100℃より高い温度に加熱する;
−(c3)加熱の後に得られた反応混合物を、塩基性のpHにする;
−(c’3)反応媒体の熟成を、任意に実施する;
−(d3)この媒体を、ニオブ塩の溶液と混合する;
−(e3)固体を液体媒体から分離する;
−(f3)前記固体をか焼する。
【0070】
プロセスの第一工程は、ジルコニウム化合物、セリウム化合物、並びに、適切な場合、元素Mの化合物の混合物を液体媒体中で調製することにある。混合物の種々の化合物は、所望の最終組成物を得るために要する化学量論的比率で存在する。
【0072】
化合物は、好ましくは可溶性化合物である。それらは、特に、ジルコニウムの塩、セリウムの塩、及び先に記載された元素Mの塩でよい。
【0073】
混合物は、最初は固体形態であり、例えば、その後水の供給原料に導入される化合物から得ることができるが、或いはこれらの化合物の溶液から直接得られ、次いで任意の順序で前記溶液を混合することによっても得られる。
【0074】
このように最初の混合物が得られると、次いで、この第四のプロセスの第二工程(b3)に従って、それは加熱される。
【0075】
熱加水分解としても知られる、この熱処理が実施される温度は100℃を超える。例えば、それは、100℃と反応媒体の臨界温度の間、特に、100℃〜350℃、好ましくは100〜200℃でよい。
【0076】
加熱操作は、液体媒体を閉鎖された容器(オートクレーブタイプの閉鎖反応器)に導入することにより実施することができ、必要な圧力は反応媒体の加熱からのみ生じる(自発性の圧力)。先に与えられた温度条件下で、かつ水性媒体中では、説明としては、閉鎖反応器中の圧力は、1バール(105Pa)を超える値と165バール(1.65×107Pa)の間の範囲、好ましくは、5バール(5×105Pa)と165バール(1.65×107Pa)の間の範囲になり得ることを述べることができる。言うまでもないが、加熱に続いて次に外圧を加えることも可能である。
【0077】
加熱は、100℃の領域の温度で、開放反応器中で実施してもよい。
【0078】
加熱は、空気中又は不活性ガス、好ましくは窒素の雰囲気中のいずれかで実施できる。
【0079】
処理の期間は重要でなく、そのため幅広い範囲内で変わることがあり、例えば1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。同様に、温度上昇は起こるがその速度は重要でなく、そのため、設定された反応温度は、媒体を、例えば30分から4時間加熱することにより達することができ、これらの値は単に指標として与えられる。
【0080】
この第二工程の後に、このように得られた反応媒体は塩基性pHにさせられる。この操作は、媒体に塩基を、例えばアンモニア水溶液を加えることにより実施される。
【0081】
「塩基性pH」という用語は、7を超えるpH値、好ましくは8を超えるpH値を意味する。
【0082】
この変形は好ましくはないが、加熱の後に得られる反応混合物に、特に塩基を添加する時点で、特に先に記載された形態にある元素Mを導入することが可能である。
【0083】
加熱工程の後で、固体沈殿物が回収され、先に記載されたとおりその媒体から分離することができる。
【0084】
次いで、回収された生成物は、洗浄液に曝され、次いで水又は任意に塩基性溶液、例えばアンモニア水溶液により実施される。洗浄は、沈殿物を水に再懸濁させ、このように得られた懸濁液を、100℃までの温度に維持することにより実施できる。残留水を除去するために、洗浄された生成物は、例えば、オーブン中又は噴霧により、80〜300℃、好ましくは100〜200℃の範囲になり得る温度で任意に乾燥することができる。
【0085】
本発明のある特定の変形によると、プロセスは熟成(工程c’3)を含む。
【0086】
熟成は、第三のプロセスに関して先に記載されたのと同じ条件で実施される。
【0087】
熟成は、沈殿物を水に再懸濁させた後に得られる懸濁液にも実施できる。この懸濁液のpHは、7を超える値に、好ましくは8を超える値に調整できる。
【0088】
数回の熟成を実施することが可能である。そのため、熟成工程及び任意の洗浄の後に得られた沈殿物を水に再懸濁させ、続いてそのように得られた媒体の熟成がもう一回実施され得る。このような他の熟成は、第一のものに関して記載されたものと同じ条件下で実施される。言うまでもないが、この操作を数回繰り返すことができる。
【0089】
この第四のプロセスのその後の工程(d3)から(f3)、すなわち、ニオブ塩溶液との混合、固液分離、及びか焼は、第二及び第三のプロセスの対応する工程と同様に実施される。そのため、これらの工程に関して先に記載されたことは全て、ここに適用される。
【0090】
本発明のプロセスに使用される触媒系は、先に記載された組成物を含み、この組成物は、一般的に、触媒処方の分野で通常使用される材料、すなわち、熱的に不活性な材料から選択される材料と混合される。そのため、この材料は、アルミナ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、シリカ、スピネル、ゼオライト、シリケート、結晶性リン酸アルミニウムケイ素、及び結晶性リン酸アルミニウムから選択できる。
【0091】
組成物と不活性材料との間の比率は、本明細書において検討される技術分野において通常利用されるものであり、当業者に周知である。例としては、これらの比率は、不活性材料と組成物の総量に対する不活性材料の質量として表して、2%〜20%、より詳細には2%〜10%になり得る。
【0092】
一般的に、本発明のプロセスに使用される触媒系は、支持体上に堆積した上述の混合物により形成され得る。より具体的には、組成物と熱的に不活性な材料との混合物は、触媒性を有するウォッシュコートを構成し、このウォッシュコートは、金属モノリスタイプ、例えば、鉄−クロム合金の、又はセラミック、例えばコーディエライト、炭化ケイ素、チタン酸アルミナ、又はムライトでできた支持体に堆積する。
【0093】
このウォッシュコートは、組成物を熱的に不活性な材料と混合して懸濁液を形成することにより得られ、次いでそれを支持体に堆積させることができる。
【0094】
他の実施形態によると、本発明のプロセスに使用される触媒系は、先に記載された組成物に基づいており、この組成物が押し出された形態で使用されることがある。そのため、それはハニカム構造のモノリスの形態にも、パーティクルフィルタタイプ(部分的に閉鎖したチャネル)のモノリスの形態にもなり得る。これら2つの場合、本発明の組成物は、公知の種類の添加剤と混合され、押出を促進し、押出物の機械的強度を確保する。そのような添加剤は、特に、一般的に利用される比率で、すなわち組成物全体に対して約30質量%までの比率で、特に、シリカ、アルミナ、粘土、シリケート、硫酸チタン、セラミックファイバーから選択できる。
【0095】
本発明は、酸化セリウム及び酸化ニオブに基づく組成物に加えてゼオライトを含む触媒系にも関する。
【0096】
ゼオライトは天然でも合成でもよく、アルミノシリケートタイプでも、アルミノホスフェートタイプでも、シリコアルミノホスフェートタイプでもよい。
【0097】
好ましくは、熱水安定性を高めるために処理を受けたゼオライトが使用される。言及され得るこの種の処理の例には、(i)蒸気及び酸又は錯化剤(例えば、EDTA−エチレンジアミン四酢酸)を使用する酸性抽出による処理による脱アルミ;酸及び/又は錯化剤による処理による脱アルミ;SiCl4の気体流による処理による脱アルミ;(ii)Laなどの多価カチオンを使用するカチオン交換;及び(iii)リン含有化合物の使用が含まれる。
【0098】
本発明の他の特定の実施形態によると、かつアルミノシリケートタイプのゼオライトの場合、このゼオライトは、Si/Al原子比が少なくとも10、より詳細には少なくとも20になり得る。
【0099】
本発明のより特定な実施形態によると、ゼオライトは、鉄、銅、及びセリウムを含む群から選択される少なくとももう1種の元素を含む。
【0100】
「少なくとももう1種の元素を含むゼオライト」という用語は、その構造に、上述のタイプの1種以上の金属が、イオン交換、含浸、又は同形置換により加えられたゼオライトを意味する。
【0101】
この実施形態において、金属含量は約1%から約5%になり得るが、この含量はゼオライトに対する金属元素の質量として表される。
【0102】
より詳細には、本発明の触媒系の組成物の構成に含まれていてよいアルミノシリケートタイプのゼオライトとして、β、γゼオライトZSM5及びZSM34を含む群から選択されるものを挙げることができる。アルミノホスフェートタイプのゼオライトに関しては、SAPO−17、SAPO−18、SAPO−34、SAPO−35、SAPO−39、SAPO−43、及びSAPO−56などのタイプのものを挙げることができる。
【0103】
本発明の触媒系において、組成物の全質量に対するゼオライトの質量パーセンテージは、10%〜70%、より優先的には20%〜60%、さらにより優先的には30%〜50%の範囲になり得る。
【0104】
触媒系のゼオライトを有するこの変形の実施のために、酸化セリウム及び酸化ニオブに基づく組成物とゼオライトとの単純な物理的混合を実施できる。
【0105】
本発明の気体処理プロセスは、その実施が当業者に周知であるSCRタイプのプロセスである。
【0106】
このプロセスが、NOx還元剤として、アンモニア、ヒドラジン、又は任意の好適なアンモニア前駆体、例えば、炭酸アンモニウム、尿素、カルバミン酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、ギ酸アンモニウム、又はアンモニアを含む有機金属化合物でよい窒素性還元剤を使用することが思い出され得る。アンモニア又は尿素は、より特に選択できる。
【0107】
NOxを元素窒素に還元するSCRプロセスにおいて、いくつかの化学反応が実施され得る。起こりやすい2、3の反応のみを以下に例として示すが、アンモニアが還元剤である。
【0108】
第一の反応は式(1)により表される。
4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O(1)
式(2)に従う、NOx中に存在するNO2のNH3との反応も言及され得る。
3NO2+4NH3→(7/2)N2+6H2O(2)
さらに、NH3と、NOと、NO2との間の反応は式(3)により表すことができる。
NO+NO2+2NH3→2N2+3H2O(3)
【0109】
プロセスは、内燃機関(可動性又は据え付け)、特に自動車エンジンから生じる気体の処理のためにも、ガスタービン、石炭燃焼若しくは燃料燃焼発電所、若しくは他の任意の工業施設から生じる気体の処理のためにも実施することができる。
【0110】
ある特定の実施形態によると、プロセスは、リーンバーン内燃機関又はディーゼルエンジンの排ガスを処理するために利用される。
【0111】
プロセスは、本発明の組成物の他に、ガスの一酸化窒素を二酸化窒素に酸化する触媒である他の触媒を使用して実施することもできる。そのような場合、プロセスは、酸化触媒が、窒素性還元剤の排ガスへの注入の点の上流に配置される系に利用される。
【0112】
この酸化触媒は、例えば、アルミナ、セリン(cerin)、ジルコニア、又は酸化チタンなどのタイプの担体上に、白金族、例えば、白金、パラジウム、又はロジウムの少なくとも1種の金属を含んでよく、触媒/担体集合体は、特にモノリスタイプの支持体上のウォッシュコートに含まれる。
【0113】
本発明の有利な変形によると、かつ種々の可燃物の燃焼により発生する炭素系粒子又は煤を止めることが意図されるパーティクルフィルタを備えた排気サーキットの場合、本発明の気体処理プロセスを、先に記載された触媒系をこのフィルタ上に、例えば、フィルタの壁に配置されたウォッシュコートの形態で配置することにより、実施することが可能である。この変形による本発明の組成物の使用により、粒子の燃焼が始まる温度を下げることが可能であることも観察される。
【実施例】
【0115】
以下の実施例1〜14は、本発明のプロセスに使用される組成物の合成に関する。
【0116】
[実施例1]
本実施例は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、及び酸化ニオブを、下記のそれぞれの質量比率:64%−26%−10%で含む組成物の調製に関する。
【0117】
水酸化ニオブ懸濁液を、下記のプロセスに従って最初に調製する。
【0118】
1200gの無水エタノールを、撹拌器及び凝縮器を備えた5リットル反応器に導入する。295gの塩化ニオブ(V)パウダーを、撹拌しながら20分かけて加える。次いで、625gの無水エタノールを加える。媒体を12時間放置する。
【0119】
50gの脱イオン水を反応器に導入し、媒体を70℃で1時間還流する。それを放冷する。この溶液をAと呼ぶ。
【0120】
870gのアンモニア水溶液(29.8%NH3)を、撹拌器を備えた6リットル反応器に入れる。溶液Aの全て及び2250mlの脱イオン水を、撹拌しながら同時に15分かけて導入する。懸濁液を回収し、遠心分離により数回洗浄する。遠心分離された物質をBと呼ぶ。
【0121】
2.4リットルの1mol/l硝酸溶液を、撹拌器を備えた6リットル反応器に導入する。遠心分離された物質Bを、撹拌しながら反応器に導入する。12時間撹拌を続ける。pHは0.7である。濃度は4.08%Nb2O5である。この懸濁液をCと呼ぶ。
【0122】
次いで、アンモニア水溶液Dを、1040gの濃アンモニア水溶液(D1)(29.8%NH3)を6690gの脱イオン水(D2)に導入することにより調製する。
【0123】
溶液Eを、4250gの脱イオン水(E1)、1640gの硝酸セリウム(III)溶液(E2)(30.32%CeO2)、1065gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液(E3)(20.04%ZrO2)、195gの過酸化水素水溶液(E4)(50.30%H2O2)、及び1935gの懸濁液C(4.08%Nb2O5)を混合することにより調製する。この溶液Eを撹拌する。
【0124】
溶液D及び溶液Eを、配水管を備えた撹拌されている4リットル反応器に、3.2リットル/時の速度で同時に加える。この装置での状態を確立した後、沈殿物をバットに回収する。pHは安定しており、9の領域である。
【0125】
懸濁液を濾過し、得られる固体の生成物を洗浄し、800℃で4時間か焼する。
【0126】
[実施例2]〜[実施例6]
これらの実施例の組成物の調製を、実施例1と同様に実施する。溶液D及びEは同じ化合物から調製するが、比率が異なる。
【0127】
以下の表1に正確な調製条件を与える。
【0128】
【表1】
【0129】
表の略語の意味
−各実施例の「実施例」欄において、実施例番号の下に与えられる数字は、関連する実施例の組成物の酸化セリウム、酸化ジルコニウム、及び酸化ニオブのそれぞれの質量比率に対応する:
−D1:アンモニア水溶液Dの調製に使用した濃アンモニア水溶液(29.8%NH3)の量;
−D2:アンモニア水溶液Dの調製に使用した脱イオン水の量;
−E1:溶液Eの調製に使用した脱イオン水の量;
−E2:溶液Eの調製に使用した硝酸セリウム(III)溶液(30.32%CeO2)の量;
−E3:溶液Eの調製に使用したオキシ硝酸ジルコニウム溶液(20.04%ZrO2)の量;
−E4:溶液Eの調製に使用した過酸化水素水溶液(50.30%H2O2)の量;
−C:溶液Eの調製に使用した懸濁液C(4.08%Nb2O5)の量。
【0130】
[実施例7]
本実施例は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、及び酸化ニオブを、下記のそれぞれの質量比率:72%−18%−10%で含む組成物の調製に関する。
【0131】
シュウ酸ニオブ(V)アンモニウム溶液を、300gの脱イオン水への192gのシュウ酸ニオブ(V)アンモニウムの高温溶解により調製する。この溶液を50℃に保つ。この溶液の濃度は14.2%Nb2O5である。次いで、この溶液を、セリウムとジルコニウムの混合酸化物のパウダー(80/20CeO2/ZrO2質量組成、800℃で4時間か焼の後の比表面積59
m2/g)に、細孔体積の飽和の点まで導入する。
【0132】
次いで、含浸されたパウダーを800℃で(4時間の定常段階)か焼する。
【0133】
[実施例8]〜[実施例10]
これらの実施例の組成物の調製を、実施例1と同様に実施する。溶液D及びEは同じ化合物から調製するが、比率が異なる。
【0134】
表2は、正確な調製条件を与える。
【0135】
【表2】
【0136】
略語は表1と同じ意味を有する。
【0137】
[実施例11]
本実施例は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、及び酸化ニオブを、下記のそれぞれの質量比率:63%−27%−10%で含む組成物の調製に関する。
【0138】
硝酸ジルコニウム及び硝酸セリウムIVの溶液を、264gの脱イオン水、238gの硝酸セリウム(IV)溶液(252g/LのCeO2)、及び97gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液(261g/lのZrO2)を混合することにより調製する。この溶液の濃度は120g/lの酸化物である。
【0139】
373gの脱イオン水及び111gのアンモニア水溶液(32%NH3)を、撹拌されている1.5リットル反応器に導入する。硝酸塩溶液を1時間かけて加える。最終pHは9.5の領域である。
【0140】
このように調製された懸濁液を、95℃で2時間熟成させる。次いで、媒体を放冷する。
【0141】
シュウ酸ニオブ(V)溶液を、130gの脱イオン水への44.8gのシュウ酸ニオブ(V)の高温溶解により調製する。この溶液を50℃に保つ。この溶液の濃度は、3.82%Nb2O5である。
【0142】
シュウ酸ニオブ(V)溶液を、冷却した懸濁液に、20分かけて導入する。
【0143】
懸濁液を濾過し、洗浄する。次いで、ケークをオーブンに入れ、800℃で(4時間の定常段階)か焼する。
【0144】
[実施例12]
本実施例は、実施例11と同一な組成物の調製に関する。
【0145】
硝酸ジルコニウム及び硝酸セリウムIVの溶液を、451gの脱イオン水、206gの硝酸セリウム(IV)溶液(252g/lのCeO2)、及び75gのオキシ硝酸ジルコニウム溶液(288g/lのZrO2)を混合することにより、調製する。この溶液の濃度は、80g/lの酸化物である。
【0146】
この硝酸塩溶液をオートクレーブ中に置く。温度を100℃に上げる。媒体を100℃で1時間撹拌し、次いで冷却する。
【0147】
懸濁液を、1.5リットルの撹拌されている反応器に移す。6mol/lのアンモニア水溶液を、9.5の領域のpHが得られるまで、撹拌しながら加える。
【0148】
懸濁液を95℃で2時間熟成させる。次いで、媒体を冷却する。
【0149】
シュウ酸ニオブ(V)溶液を、113gの脱イオン水への39gのシュウ酸ニオブ(V)の高温溶解により調製する。この溶液を50℃に保つ。この溶液の濃度は、3.84%Nb2O5である。
【0150】
シュウ酸ニオブ(V)溶液を、冷却した懸濁液に20分かけて加える。次いで、アンモニア水溶液(32%NH3)を加えて、pHを9に上げる。
【0151】
懸濁液を濾過して洗浄する。次いで、ケークをオーブンに入れ、800℃で(4時間の定常段階)か焼する。
【0152】
[実施例13]
本実施例は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、及び酸化ニオブを、下記のそれぞれの質量比率:64%−27%−9%で含む組成物の調製に関する。
【0153】
実施例12と同様にプロセスを実施する。しかし、シュウ酸ニオブ(V)溶液は、113gの脱イオン水への35.1gのシュウ酸ニオブ(V)の高温溶解により調製する。この溶液の濃度は、3.45%Nb2O5である。
【0154】
[比較例14A]
本実施例は、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、及び酸化ニオブを、下記のそれぞれの質量比率:19%−78%−3%で含む組成物の調製に関する。
【0155】
アンモニア水溶液Dを、実施例1と同様に同じ化合物により調製するが、下記の比率とする:
−濃アンモニア水溶液:940g
−脱イオン水:6730g。
溶液Eも、実施例1と同様に同じ化合物により調製するが、下記の比率とする:
−脱イオン水:5710g
−硝酸セリウム(III)溶液:2540g
−過酸化水素水溶液:298g
−懸濁液C:625g。
次いで、プロセスを実施例1と同様に実施する。
以下の表3は、上記実施例の組成物のそれぞれに関して、
−800℃及び900℃で4時間か焼した後のBET比表面積;
−酸性度;
−被還元性
について記載している。
【0156】
酸性度
酸性度は、以下に記載されるTPD法により測定する。
【0157】
TPDにおいて酸性部位の特性化に使用されるプローブ分子はアンモニアである。
【0158】
−試料の調製:
試料(100mg)を、20℃/分の昇温でヘリウム(30ml/分)気流下で500℃にし、水蒸気を除き細孔の閉塞を防ぐために、この温度で30分間保つ。最後に、試料を、10℃/分の速度で、ヘリウム気流下で100℃に冷却する。
【0159】
−吸着:
次いで、試料を、大気圧で、100℃でアンモニア(ヘリウム中5体積%のNH3)の気流(30ml/分)に30分間(飽和点まで)曝す。試料を、最低1時間ヘリウム(30ml/分)の気流に曝す。
【0160】
−脱離:
TPDを、700℃まで10℃/分の昇温を行うことにより実施する。
【0161】
昇温の間、脱離した種、すなわちアンモニアの濃度を記録する。脱離相の間のアンモニアの濃度は、熱伝導度検出器(TCD)によりセル出口で測定される気流の熱伝導度の変化の較正により推測する。
【0162】
表3において、アンモニアの量は、ml(標準温度と圧力状態)/組成物の
m2(800℃での表面積)で表される。アンモニアの量が多いほど、生成物の表面酸性度は高い。
【0163】
被還元性
被還元性は、Micromeritics Autochem 2マシンで、昇温還元(TPR)を実施することにより測定する。この器械は、組成物の水素消費を、温度の関数として測定する。
【0164】
より具体的には、水素は、30ml/分の流速で、アルゴン中10体積%で還元ガスとして使用される。実験プロトコルは、事前風袋引き容器に200mgの試料を秤量することにある。次いで、試料を、底にクォーツウールを含むクォーツセルに導入する。最後に、試料をクォーツウールで包み、測定器械のオーブンに入れる。温度プログラムは以下のとおりである:
−Ar中10体積%のH2下で、20℃/分の上昇勾配で、室温から900℃まで昇温。
【0165】
このプログラムの間、試料の上のクォーツセル中に配置された熱電対を使用して、試料の温度を測定する。還元相の間の水素消費は、熱伝導度検出器(TCD)を使用してセル出口で測定される気流の熱伝導度の変化の較正により推測する。
【0166】
30℃〜900℃で水素消費を測定する。それは、表1において、生成物のgあたりH2のml(標準温度及び圧力条件)で与えられる。この水素消費が多いほど、生成物の被還元性(レドックス性)が良好である。
【0167】
【表3】
【0168】
[実施例15]
本実施例は、SCR触媒反応を利用する、上記実施例の組成物の触媒性を説明する。これらの性質は、以下の条件下で評価する。
【0169】
第一シリーズの測定において、使用する組成物は、上記の実施例に記載された合成から直接得たものであり、すなわち、800℃で4時間か焼した組成物である。
【0170】
第二シリーズの測定において、使用する組成物は、上記実施例のものであるが、熱水老化の後のものである。この熱水老化は、10体積%のH2Oを含む空気の合成気体混合物を、組成物を含む反応器に連続的に循環させるものである。気体の循環の間、反応器温度を、16時間の定常段階で750℃に保つ。
【0171】
次いで、組成物を触媒試験において評価する。この試験において、触媒プロセスを表す合成気体混合物(30L/時)を、組成物(90mg)(表4)の上に通す。
【0172】
【表4】
【0173】
NOxの転化を、気体混合物の温度の関数としてモニターする。
【0174】
結果を、NOx(この場合NO及びNO2)の転化パーセンテージとして、以下の表5に示す。
【0175】
【表5】
【0176】
実施例14Bは、酸化チタン及び酸化タングステンに基づく担体上の酸化バナジウムに基づく組成物を有する比較例である。比率は質量基準である。
【0177】
実施例14Cは、鉄を含むアルミノシリケートタイプのゼオライトを有する比較例である。比率は質量基準である。
【0178】
実施例14Dは、銅を含むアルミノシリケートタイプのゼオライトを有する比較例である。比率は質量基準である。
【0179】
表5から、本発明による生成物は、最も特に老化後に、比較生成物よりも効率が高いようである。
【0180】
[実施例16]
本実施例は、本発明による組成物が、パーティクルフィルタ上のウォッシュコートに使用される場合、或いは先に記載された押出形態で使用される場合の、本発明による組成物の触媒性を説明する。
【0181】
使用される組成物は、先に記載された熱水処理を経た組成物である。
【0182】
実施例1、14C、及び14Dによる組成物を、乳鉢中でモデル煤(Carbon Black Cabot Eltex)と、煤20%組成物80%の質量比率で混合する。
【0183】
熱重量分析(TGA)を、先に調製した混合物の20mgに、室温から900℃に昇温しながら、空気流(1l/時)を循環させることにより実施する。試料の質量損失を、250℃から900℃で測定する。この温度範囲での質量損失は、煤の酸化に相当すると考えられる。
【0184】
以下の表6は分析の結果を与え、煤の燃焼の開始温度及び煤の50%が酸化される「ライトオフ」温度(T50%)を示す。
【0185】
【表6】
【0186】
本発明の生成物(実施例1)は、触媒のない煤の燃焼と比べて、開始温度を90℃、ライトオフ温度を70℃低くすることができる。
【0187】
比較例の生成物は、煤の酸化に対して触媒的効果を全く有さない。