(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1記載の光学測定デバイスにおいて、前記照明および検出アセンブリ、ならびに加圧アセンブリが、1つの携帯用デバイスに一体化され、フィードバック・ユニットが更に別個に設けられる、光学測定デバイス。
請求項1から4までのいずれか1項記載の光学測定デバイスにおいて、前記照明および検出アセンブリが、赤色発光ダイオード(LED)、赤外線LED、または双方を備える、光学測定デバイス。
請求項5記載の光学測定デバイスにおいて、前記ユーザの末梢酸素飽和(SPO2)情報が、前記赤色LEDおよび前記赤外線LEDから検出された出力光情報から導出可能である、光学測定デバイス。
請求項1から6までのいずれか1項記載の光学測定デバイスであって、更に、ケーブルレス構成で個人用移動体処理デバイスに結合するように構成される結合部材を備える、光学測定デバイス。
請求項2から7までのいずれか1項記載の光学測定デバイスにおいて、前記フィードバック・ユニットが、前記検出された信号の品質を、前記加えられた圧力の量と相関付け、且つ、該相関を前記フィードバック情報として前記ユーザに供給するように構成される、光学測定デバイス。
請求項8記載の光学測定デバイスにおいて、請求項3から7までのいずれか1項に従属する場合、前記照明および検出アセンブリ、加圧アセンブリ、ならびにフィードバック・ユニットが、携帯用デバイスに一体化される、光学測定デバイス。
請求項7記載の光学測定デバイスにおいて、前記個人用移動体処理デバイスが、前記検出した信号の品質を、前記加えられた圧力の量と相関付け、且つ、前記相関をフィードバック情報として前記ユーザに供給するように構成される前記フィードバック・ユニットを備える、光学測定デバイス。
請求項8から10までのいずれか1項記載の光学測定デバイスにおいて、前記フィードバック・ユニットは、前記フィードバック情報を、検出された圧力量に対応した複数の検出された信号の波形を生成すること、および前記複数の検出された信号の波形が有する曲線下の各エリアを計算することに基づき曲線下エリアの波形を生成することによって、前記ユーザに供給するように構成される、光学測定デバイス。
請求項11記載の光学測定デバイスにおいて、前記フィードバック・ユニットが、前記曲線下エリアの波形の振幅に基づいて最適な圧力を決定するように構成される、光学測定デバイス。
請求項8から12までのいずれか1項記載の光学測定デバイスにおいて、前記フィードバックが、前記ユーザが前記照明および検出アセンブリに加える圧力の量を調節すべきかの指示である、光学測定デバイス。
請求項8から15までのいずれか1項記載の光学測定デバイスにおいて、前記フィードバックが、前記ユーザに対する前記印加圧力を増大、減少、または維持する要求である、光学測定デバイス。
請求項8から16までのいずれか1項記載の光学測定デバイスにおいて、前記フィードバックが、前記検出信号および検出印加圧力のリアル・タイム映像出力である、光学測定デバイス。
請求項8または9記載の光学測定デバイスにおいて、前記フィードバック・ユニットが、プロセッサと、メモリと、ディスプレイとを備える携帯用コンピュータである、光学測定デバイス。
請求項9から18までのいずれか1項記載の光学測定デバイスにおいて、前記携帯用デバイスには、複数の照明および検出アセンブリならびに複数の加圧アセンブリが設けられる、光学測定デバイス。
請求項2から19までのいずれか1項記載の光学測定デバイスにおいて、前記照明および検出アセンブリならびに前記加圧アセンブリが、ワイヤレス・ネットワークを通じて前記フィードバック・ユニットと通信する、光学測定デバイス。
請求項1から21までのいずれか1項記載の光学測定デバイスにおいて、請求項7に従属するとき、前記個人用移動体処理デバイスが、移動体電話機、スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、移動体音楽プレーヤ、タブレット・コンピュータ、ネットブック、およびラップトップから成る一群から選択された1つである、光学測定デバイス。
請求項23記載の方法において、前記照明および検出アセンブリならびに圧力検出アセンブリが、更に、1つの携帯用デバイスに一体化され、フィードバック・ユニットが別個に設けられる、方法。
請求項23から26までのいずれか1項記載の方法において、前記照明および検出アセンブリが、赤色発光ダイオード(LED)、赤外線LED、または双方を備える、方法。
請求項27記載の方法において、前記ユーザの末梢酸素飽和(SPO2)情報を、前記赤色LEDおよび赤外線LEDの両方から検出された出力光情報から導出するステップを備える、方法。
請求項30から32のいずれか1項記載の方法であって、更に、前記照明および検出アセンブリに加えられる圧力の量を調節すべきかについての指示を前記ユーザに与えるステップを備える、方法。
請求項30から33のいずれか1項記載の方法であって、更に、最適印加圧力の範囲を、前記ユーザによって加えられる実際の印加圧力と共に表示するステップを備える、方法。
請求項30から35までのいずれか1項記載の方法であって、更に、前記ユーザに、前記印加圧力を増大、減少、または維持することを要求するステップを備える、方法。
請求項23から36までのいずれか1項記載の方法であって、更に、前記検出信号および前記検出印加圧力のリアル・タイム映像出力を表示するステップを備える、方法。
請求項24から37までのいずれか1項記載の方法において、前記フィードバック・ユニットが、プロセッサと、メモリと、ディスプレイとを備える携帯用コンピュータである、方法。
請求項30から38までのいずれか1項記載の方法において、前記照明および検出アセンブリ、加圧アセンブリ、およびフィードバック・ユニットが、携帯用デバイスに一体化される、方法。
請求項38記載の方法であって、更に、前記フィードバック・ユニットと前記照明および検出アセンブリならびに加圧アセンブリとの間においてワイヤレスで通信を行うステップを備える、方法。
請求項29記載の方法であって、更に、前記検出信号の品質を前記印加圧力量と相関付けるステップと、前記フィードバック・ユニットを用いて前記相関を前記フィードバック情報として前記ユーザに供給するステップとを備えており、前記個人用移動体処理デバイスが、前記フィードバック・ユニットを備える、方法。
請求項43記載の方法であって、更に、前記個人用移動体処理デバイスにおいて、前記曲線下エリアの波形の振幅に基づいて最適な圧力を決定するステップを備える、方法。
光学測定デバイスを用いて生理的信号を検出する方法を実行するように、前記光学測定デバイスのプロセッサに命令するための命令が格納されるコンピュータ読み取り可能媒体であって、前記方法が、
照明および検出アセンブリを用いて、ユーザの表面部分を測定のために照明し、前記ユーザの表面部分からの透過または反射出力光を信号として検出するステップと、
前記照明および検出アセンブリとは別個に圧力検出アセンブリを設けるステップであって、前記圧力検出アセンブリが力センサを備える、ステップと、
前記ユーザから前記力センサに物理的に力を伝えるステップと、
前記圧力検出アセンブリを用いて、前記ユーザによって前記照明および検出アセンブリに加えられた圧力の量を検出するステップであって、前記照明および検出アセンブリについて前記検出された信号と前記検出された圧力量とが相関付けられるように構成され、該相関が前記ユーザへのフィードバック情報として用いられるように構成される、ステップと、
を備える、コンピュータ読み取り可能媒体。
請求項46記載のコンピュータ読み取り可能媒体において、前記照明および検出アセンブリならびに圧力検出アセンブリが、1つの携帯用デバイスに一体化され、フィードバック・ユニットが別個に設けられる、コンピュータ読み取り可能媒体。
請求項46または47記載のコンピュータ読み取り可能媒体において、前記加圧アセンブリが、使用中において、実質的に変形も変位もしない、コンピュータ読み取り可能媒体。
請求項46から48までのいずれか1項記載のコンピュータ読み取り可能媒体において、前記照明および検出アセンブリが、赤色発光ダイオード(LED)、赤外線LED、または双方を備える、コンピュータ読み取り可能媒体。
請求項49記載のコンピュータ読み取り可能媒体において、前記方法が、更に、前記ユーザの末梢酸素飽和(SPO2)情報が、前記赤色LEDおよび赤外線LEDの両方から検出された出力光情報から導出するステップを備える、コンピュータ読み取り可能媒体。
請求項54から57までのいずれか1項記載のアクセサリにおいて、前記個人用移動体処理デバイスが、移動体電話機、スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、移動体音楽プレーヤ、タブレット・コンピュータ、ネットブック、およびラップトップから成る一群から選択された1つである、アクセサリ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005] 現在入手可能なPPGデバイスの大多数は、検出された信号において主要なピークを発見するために、単純な閾値比較、またはピーク検出アルゴリズムを拠り所としている。しかしながら、これらの方法は、検出された信号が理想に満たない場合、通例信頼性に欠ける。AC信号成分の基準線にノイズが乗ったりまたはこの基準線が複雑になると、特有の問題が生ずることがある。これは、穏やかな動きのアーチファクト(mild movement artifacts)でも生ずる可能性がある。
【0006】
[0006] したがって、以上の問題の内少なくとも1つに取り組むことを目指す光学測定デバイスを使用して、生理的信号を検出する光学測定デバイスおよび方法が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[0007] 生体組織の一部から非侵襲的生理的測定値を得るための光学測定デバイス、およびその使用方法を提供することができる。更に特定すれば、光学測定の間ユーザの身体部分によってそのデバイスに加えられる圧力の量を検出し表示するように構成される圧力検出アセンブリを含む。ユーザがしかるべき量の圧力を光学測定デバイスに加えると、その結果得られる、フォトプレチスモグラフィ信号のような、被検出光学測定信号の信号対ノイズ比を高めることができ、一層精度高い測定値をユーザから得ることができる。検出した光学測定信号を分析し、この信号の高信号対ノイズ比部分を、対応する印加圧力と相関付けることによって、最適な圧力をリアル・タイムで判定することができる。最も高い品質の信号を連続的に得るために、ユーザが加える圧力量を増大、減少、または同じレベルで維持すべきかを示すリアル・タイムのフィードバックをユーザに供給することができる。光学測定デバイスは、個々のユーザ毎にカスタム化した最適圧力の判定を容易に行い、これによってユーザ毎に最適な測定信号結果を得ることができる。
【0008】
[0008] 実施形態例では、光学測定デバイスを提供する。この光学測定デバイスは、ユーザの生体組織の一部に光を出力し、このユーザの生態組織の一部を透過したまたは反射した出力光を信号として検出するように構成される照明および検出アセンブリと、ユーザの生体組織の一部によって照明および検出アセンブリに加えられた圧力の量を検出するように構成される加圧アセンブリと、検出した信号の品質を印加圧力量と相関付け、この相関に関するフィードバックをユーザに供給するように構成されるフィードバック・ユニットとを備える。
【0009】
[0009] フィードバックは、ユーザが、照明および検出アセンブリに加える圧力の量を調節すべきか否かの指示とするとよい。
【0010】
[0010] フィードバックは、ユーザが加える実際の印加圧力と共に、最適印加圧力の範囲を表示するとよい。
【0011】
[0011] 最適印加圧力の範囲は、ゼロ経壁圧力の状態に対応するとよい。
【0012】
[0012] フィードバックは、ユーザに対する印加圧力を増大、減少、または維持する要求であるとよい。
【0013】
[0013] フィードバックが、検出信号および検出印加圧力のリアル・タイム映像出力であってもよい。
【0014】
[0014] フィードバック・ユニットは、プロセッサと、メモリと、ディスプレイとを含む携帯用コンピュータであるとよい。
【0015】
[0015] 照明および検出アセンブリ、圧力検出アセンブリ、およびフィードバック・ユニットを携帯用デバイスに一体化してもよい。
【0016】
[0016] 携帯用デバイスには、複数の照明および検出アセンブリならびに複数の加圧アセンブリが設けられてもよい。
【0017】
[0017] 前述の照明および検出アセンブリならびに加圧アセンブリは、フィードバック・ユニットと、ワイヤレス・ネットワークを通じて通信してもよい。
【0018】
[0018] 検出信号は、フォトプレチスモグラフィ(PPG)信号であるとよい。
【0019】
[0019] 実施形態例では、光学測定デバイスを用いて生理的信号を検出する方法は、ユーザの生体組織の一部を測定のために照明し、照明および検出アセンブリを用いて、このユーザの生体組織の一部からの透過または反射出力光を信号として検出するステップと、圧力検出アセンブリを用いて、ユーザの生体組織の一部によって照明および検出アセンブリに加えられた圧力の量を検出するステップと、検出信号の品質を印加圧力量と相関付けるステップと、相関に関するフィードバックをユーザに、フィードバック・ユニットを用いて供給するステップとを備える。
【0020】
[0020] この方法は、照明および検出アセンブリに加えられる圧力の量を調節すべきか否かについての指示をユーザに与えるステップを含むのでもよい。
【0021】
[0021] この方法は、最適印加圧力の範囲を、ユーザによって加えられる実際の印加圧力と共に表示するステップを含んでもよい。
【0022】
[0022] この方法は、ゼロ経壁圧力の状態に対応する最適印加圧力の範囲を表示するステップを含んでもよい。
【0023】
[0023] この方法は、ユーザに、印加圧力を増大、減少、または維持することを要求するステップを含んでもよい。
【0024】
[0024] この方法は、検出信号および検出印加圧力のリアル・タイム映像出力を表示するステップを含んでもよい。
【0025】
[0025] この方法は、プロセッサおよびメモリを有するコンピュータのディスプレイ上にフィードバックを供給するステップを含んでもよい。
【0026】
[0026] 照明および検出アセンブリ、加圧アセンブリ、およびフィードバック・ユニットは、携帯用デバイスに一体化されていてもよい。
【0027】
[0027] 携帯用デバイスには、複数の照明および検出アセンブリならびに複数の加圧アセンブリが設けられていてもよい。
【0028】
[0028] この方法は、フィードバック・ユニットと照明および検出アセンブリならびに加圧アセンブリとの間においてワイヤレスで通信を行うステップを含んでもよい。
【0029】
[0029] 検出信号は、フォトプレチスモグラフィ(PPG)信号であるとよい。
【0030】
[0030] 実施形態例では、光学測定デバイスを用いて生理的信号を検出するためのコンピュータ・プログラム生産物を提供する。このコンピュータ・プログラム生産物は、コンピュータ読み取り可能媒体上に具体化されており、プロセッサとメモリとを有するコンピュータによって実行すると、ユーザの生体組織の一部を照明し、照明および検出アセンブリを用いて、透過または反射光を信号として検出するステップと、ユーザの生体組織の一部によって照明および検出アセンブリに加えられた圧力の量を検出するステップと、検出信号の品質を印加圧力量と相関付けるステップと、相関に関するフィードバックをユーザに供給するステップとを備える方法を実行する。
【0031】
[0031] 本発明の一態様によれば、光学測定デバイスを提供する。この光学測定デバイスは、測定のためにユーザの表面部分に光を出力し、ユーザの表面部分を透過したまたは反射した出力光を信号として検出するように構成される照明および検出アセンブリと、ユーザによって照明および検出アセンブリに加えられた圧力の量を検出するように構成される加圧アセンブリとを備えており、検出された圧力の量は、ユーザへのフィードバック情報として用いることができる。
【0032】
[0032] 照明および検出アセンブリ、ならびに加圧アセンブリは、1つの携帯用デバイスに一体化してもよく、フィードバック・ユニットを更に別個に設けてもよい。
【0033】
[0033] 加圧アセンブリは、使用中において、実質的に変形も変位もしないとよい。
【0034】
[0034] 本デバイスは、反射率に基づくデバイスであるとよい。
【0035】
[0035] 照明および検出アセンブリは、赤色発光ダイオード(LED)、赤外線LED、または双方を備えるとよい。
【0036】
[0036] ユーザの末梢酸素飽和(SPO2)情報は、赤色LEDおよび赤外線LEDから検出された出力光情報から導出可能であるとよい。
【0037】
[0037] 光学測定デバイスは、更に、ケーブルレス構成で個人用移動体処理デバイスに結合するように構成される結合部材を備えるとよい。
【0038】
[0038] 前述のフィードバック・ユニットは、検出された信号の品質を、加えられた圧力の量と相関付け、この相関に関するフィードバックをユーザに供給するように構成されるとよい。
【0039】
[0039] 照明および検出アセンブリ、加圧アセンブリ、ならびにフィードバック・ユニットを、携帯用デバイスに一体化してもよい。
【0040】
[0040] 個人用移動体処理デバイスは、検出した信号の品質を、加えられた圧力の量と相関付け、相関に関するフィードバックをユーザに供給するように構成されるフィードバック・ユニットを備えるのでもよい。
【0041】
[0041] 前述のフィードバックは、ユーザが照明および検出アセンブリに加える圧力の量を調節すべきか否かの指示であるとよい。
【0042】
[0042] 前述のフィードバックは、ユーザが加える実際の印加圧力と共に、最適印加圧力の範囲を表示してもよい。
【0043】
[0043] 最適印加圧力の範囲は、ゼロ経壁圧力の状態に対応するとよい。
【0044】
[0044] 前述のフィードバックは、ユーザに対する印加圧力を増大、減少、または維持する要求であってもよい。
【0045】
[0045] このフィードバックは、検出信号および検出印加圧力のリアル・タイム映像出力であってもよい。
【0046】
[0046] このフィードバック・ユニットは、プロセッサと、メモリと、ディスプレイとを含む携帯用コンピュータであってもよい。
【0047】
[0047] 前述の携帯用デバイスに、複数の照明および検出アセンブリならびに複数の加圧アセンブリが設けられていてもよい。
【0048】
[0048] 照明および検出アセンブリならびに加圧アセンブリは、フィードバック・ユニットと、ワイヤレス・ネットワークを通じて通信するとよい。
【0049】
[0049] 検出信号は、フォトプレチスモグラフィ(PPG)信号であるとよい。
【0050】
[0050] 個人用移動体処理デバイスは、移動体電話機、スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、移動体音楽プレーヤ、タブレット・コンピュータ、ネットブック、およびラップトップから成る一群から選択された1つであるとよい。
【0051】
[0051] 本発明の別の態様によれば、光学測定デバイスを用いて生理的信号を検出する方法を提供する。この方法は、照明および検出アセンブリを用いて、ユーザの表面部分を測定のために照明し、ユーザの表面部分からの透過または反射出力光を信号として検出するステップと、圧力検出アセンブリを用いて、ユーザによって照明および検出アセンブリに加えられた圧力の量を検出するステップとを備えており、検出される圧力量が、ユーザに対するフィードバック情報として用いられる。
【0052】
[0052] 照明および検出アセンブリならびに圧力検出アセンブリを1つの携帯用デバイスに一体化するとよく、フィードバック・ユニットを別個に設けてもよい。
【0053】
[0053] 加圧アセンブリは、使用中において、実質的に変形も変位もしないとよい。
【0054】
[0054] 測定デバイスは、反射率に基づくデバイスであるとよい。
【0055】
[0055] 照明および検出アセンブリは、赤色発光ダイオード(LED)、赤外線LED、または双方を備えるとよい。
【0056】
[0056] 前述の方法は、ユーザの末梢酸素飽和(SPO2)情報を、赤色LEDおよび赤外線LEDから検出された出力光情報から導出するステップも備えるのでもよい。
【0057】
[0057] この方法は、更に、ケーブルレス構成で結合部材を個人用移動体処理デバイスに結合するステップを備えるとよい。
【0058】
[0058] この方法は、更に、検出信号の品質を印加圧力量と相関付けるステップと、相関に関するフィードバックをユーザに、フィードバック・ユニットを用いて供給するステップとを備えるとよい。
【0059】
[0059] この方法は、更に、照明および検出アセンブリに加えられる圧力の量を調節すべきか否かについての指示をユーザに与えるステップを備えるとよい。
【0060】
[0060] この方法は、更に、最適印加圧力の範囲を、ユーザによって加えられる実際の印加圧力と共に表示するステップを備えるとよい。
【0061】
[0061] この方法は、更に、ゼロ経壁圧力の状態に対応する最適印加圧力の範囲を表示するステップを備えるとよい。
【0062】
[0062] この方法は、更に、ユーザに、印加圧力を増大、減少、または維持することを要求するステップを備えるとよい。
【0063】
[0063] この方法は、更に、検出信号および検出印加圧力のリアル・タイム映像出力を表示するステップを備えるとよい。
【0064】
[0064] 前述のフィードバック・ユニットは、プロセッサと、メモリと、ディスプレイとを含む携帯用コンピュータであるとよい。
【0065】
[0065] 前述の照明および検出アセンブリ、加圧アセンブリ、およびフィードバック・ユニットが、携帯用デバイスに一体化されていてもよい。
【0066】
[0066] 前述の携帯用デバイスには、複数の照明および検出アセンブリならびに複数の加圧アセンブリが設けられていてもよい。
【0067】
[0067] 前述の方法は、更に、フィードバック・ユニットと照明および検出アセンブリならびに加圧アセンブリとの間においてワイヤレスで通信を行うステップを備えるとよい。
【0068】
[0068] この方法は、更に、検出信号の品質を印加圧力量と相関付けるステップと、フィードバック・ユニットを用いて相関に関するフィードバックをユーザに供給するステップとを備えており、個人用移動体処理デバイスが、フィードバック・ユニットを備えるとよい。
【0069】
[0069] 検出信号は、フォトプレチスモグラフィ(PPG)信号であるとよい。
【0070】
[0070] 本発明の更に他の態様によれば、光学測定デバイスを用いて生理的信号を検出する方法を実行するように、光学測定デバイスのプロセッサに命令するための命令が格納されるコンピュータ読み取り可能媒体を提供する。この方法は、照明および検出アセンブリを用いて、ユーザの表面部分を測定のために照明し、ユーザの表面部分からの透過または反射出力光を信号として検出するステップと、圧力検出アセンブリを用いて、ユーザによって照明および検出アセンブリに加えられた圧力の量を検出するステップとを備えており、検出される圧力量を、ユーザに対するフィードバック情報として用いることができる。
【0071】
[0071] 照明および検出アセンブリならびに圧力検出アセンブリは、1つの携帯用デバイスに一体化されるとよく、フィードバック・ユニットが別個に設けられてもよい。
【0072】
[0072] 加圧アセンブリは、使用中において、実質的に変形も変位もしないとよい。
【0073】
[0073] 照明および検出アセンブリは、赤色発光ダイオード(LED)、赤外線LED、または双方を備えていてもよい。
【0074】
[0074] 前述の媒体の方法は、更に、ユーザの末梢酸素飽和(SPO2)情報を、赤色LEDおよび赤外線LEDから検出された出力光情報から導出するステップを備えるとよい。
【0075】
[0075] この媒体の方法は、更に、検出信号の品質を印加圧力量と相関付けるステップと、相関に関するフィードバックをユーザに、フィードバック・ユニットを用いて供給するステップとを備えるとよい。
【0076】
[0076] 本発明の更に別の態様によれば、個人用移動体処理デバイス用のアクセサリを提供する。このアクセサリは、ユーザの表面部分によって、個人用移動体処理デバイスの照明および検出アセンブリに加えられる圧力の量を、測定のために検出するように構成される加圧アセンブリを備える。
【0077】
[0077] 加圧アセンブリは、使用中において、実質的に変形も変位もしないとよい。
【0078】
[0078] 前述のアクセサリは、個人用移動体処理デバイスのケーシングに着脱可能に取り付けられるとよい。
【0079】
[0079] このアクセサリは、個人用移動体処理デバイスのケーシングに一体的に取り付けられるのでもよい。
【0080】
[0080] 前述の個人用移動体処理デバイスは、移動体電話機、スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、移動体音楽プレーヤ、タブレット・コンピュータ、ネットブック、およびラップトップから成る一群から選択された1つであるとよい。
【0081】
[0081] 本発明に関する更に他の態様は、以下に続く説明において部分的に明記され、部分的にその説明から明白であり、あるいは本発明の実施によって学習することもできる。本発明の態様は、以下の詳細な説明および添付した特許請求の範囲において特定的に指摘される要素および種々の要素の組み合わせならびに態様によって、実現し達成することができる。
【0082】
[0082] 尚、以上の説明および以下の説明は双方とも例示的で説明のためのものに過ぎず、特許請求する発明およびその応用を、いかようであっても、限定することは意図していないことは理解されてしかるべきである。
【0083】
[0083] 添付図面は、本明細書に組み込まれその一部を成すが、本発明の実施形態を例示し、説明と共に、本発明の原理を説明し例示する役割を果たす。具体的には、以下のとおりである。
【発明を実施するための形態】
【0085】
[00117] 本明細書では、非侵襲的生理的測定値を得る光学測定デバイス、およびこれを用いる方法について、更に詳しく説明する。このデバイスは、光学測定の間にユーザの身体部分によってこのデバイスに印加された圧力量を検出するように構成される圧力測定アセンブリを備える。ユーザがしかるべき圧力量を光学測定デバイスに加えると、その結果、検出される光学測定信号の信号対ノイズ比を増大させることができ、一層精度の高い測定信号をユーザから得ることができる。最適な圧力は、検出した光学測定値を分析し、この信号の高信号/ノイズ比の部分を、対応する印加圧力と相関付けることによって、リアル・タイムで判断することができる。ユーザには、ユーザが加える圧力量を増大させるか、減少させるか、同じレベルで維持するのかを示すリアル・タイムのフィードバックを与えることができる。したがって、この光学測定デバイスは、個々のユーザ毎にカスタム化された最適圧力判定を容易に行うことができ、これによって結果的に、ユーザ毎に最適な測定信号を得ることができる。
【0086】
[00118] 本明細書における説明は、コンピュータ・メモリまたは電子回路内にあるデータに対して処理するアルゴリズムおよび/または機能的動作のように、ある部分では明示的または暗示的に記載される場合がある。これらのアルゴリズム的な記載および/または機能的動作は、情報/データ処理技術の当業者には、効率的な説明のために有用に用いられる。一般に、アルゴリズムは、所望の結果に至る、ステップの首尾一貫したシーケンスに関する。アルゴリズムのステップは、格納、送信、転送、結合、比較、およびその他の操作を行うことができる電気信号、磁気信号、または光信号というような、物理量の物理的操作を含むことができる。
【0087】
[00119] 更に、特に具体的に述べられていなければ、そして続き(the following)から通常明白であるのでなければ、「走査」、「計算」、「判断」、「交換」、「生成」、「初期化」、「出力」等のような用語を利用する論述は、命令するプロセッサ/コンピュータ・システム、または同様の電子回路/デバイス/コンポーネントの動作およびプロセスを指すこととし、これらの動作およびプロセスは、記載するシステム内における物理量として表されるデータを操作/処理し、本システムあるいは他の情報記憶、送信、または表示デバイス等における物理量として同様に表される他のデータに変換する。
【0088】
[00120] また、この説明は、記載する方法のステップを実行する関連デバイス/装置も開示する。このような装置は、本方法に限って具体的に構成されたのでもよく、あるいは記憶部材内に格納されるコンピュータ・プログラムによって選択的に作動または構成変更される (reconfigured)汎用コンピュータ/プロセッサまたはその他のデバイスを備えるのでもよい。本明細書において説明するアルゴリズムおよび表示は、いずれの特定のコンピュータにも他の装置にも本来関係がない。尚、汎用デバイス/機械を本明細書における教示にしたがって用いてもよいことは言うまでもない。あるいは、本方法のステップを実行するように特別に製作したデバイス/装置の構成が望まれる場合もある。
【0089】
[00121] 加えて、この説明はコンピュータ・プログラムも暗示的に包含することを具申する。何故なら、本明細書において記載する方法のステップは、コンピュータ・コードによって実行することができるからである。尚、本明細書における説明の教示を実現するためには、多様なプログラミング言語およびコーディングを用いることができることは認められよう。更に、コンピュータ・プログラムが適用できる場合には、本発明の範囲から逸脱することなく、いずれの特定の制御フローにも限定されず、異なる制御フローを用いることができる。
【0090】
[00122] 更に、コンピュータ・プログラムのステップの内1つ以上は、該当する場合、並列におよび/または順次実行することができる。このようなコンピュータ・プログラムは、該当する場合、いずれのコンピュータ読み取り可能媒体上にも格納することができる。コンピュータ読み取り可能媒体は、磁気ディスクまたは光ディスク、メモリ・チップ、あるいは適したリーダ/汎用コンピュータとインターフェースするのに適した他の記憶デバイスというような記憶デバイスを含むことができる。コンピュータ読み取り可能媒体は、インターネット・システムにおいて例示されるような有線媒体、またはBluetooth技術において例示されるようなワイヤレス媒体でさえも含むことができる。コンピュータ・プログラムは、適したリーダにロードされ実行されると、その結果事実上、記載する方法のステップを実現することができる装置となる。
【0091】
[00123] また、実施形態例は、ハードウェア・モジュールとして実現することもできる。モジュールとは、他のコンポーネントまたはモジュールと使用するために設計された機能的ハードウェア・ユニットである。例えば、モジュールは、ディジタルまたはディスクリート電子コンポーネントを用いて実現することができ、あるいは特定用途集積回路(ASIC)のような電子回路全体の一部を形成することができる。当業者であれば、実施形態例は、ハードウェアおよびソフトウェア・モジュールの組み合わせとして実現することもできることが認められよう。
【0092】
[00124] 以下の詳細な説明では、添付図面を参照する。前述の添付図面は、本発明の原理に沿った具体的な実施形態および実施態様を、例示として示すのであって限定として示すのではない。これらの実施態様について、当業者が本発明を実施することを可能にするように十分詳細に説明するが、他の実施態様も利用できること、そして種々の要素の構造的変化および/または交換は、本発明の範囲および主旨から逸脱せずに行うことができることは言うまでもない。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈してはならない。加えて、記載する本発明の種々の実施形態は、汎用コンピュータ上で実行するソフトウェアの形態、特殊なハードウェアの形態、またはソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせで実現することができる。
【0093】
[00125] 以下の説明では、記載する光学測定デバイスは、反射率に基づく測定デバイスとすることができるが、これには限定されないことは認められよう。実施形態例の中には、ユーザの末梢酸素飽和(SPO2:saturation of peripheral oxygen)情報を、赤色LEDおよび赤外線LEDの双方から検出された出力光情報から導出することができる場合もある。実施形態例の中には、測定デバイスは、個人用移動体処理デバイスのアクセサリとして機能することができる場合もある。
【0094】
[00126] 更に、本明細書における説明では、「光」という用語が本明細書において用いられる場合、広い意味で解釈されることを意図しており、可視光のみに限定されるのではない。「光」という用語は、本明細書において用いられる場合、X−線光線、可視光線、紫外線光線、および赤外線光線を含むことができるが、これらに限定されるのではない。
【0095】
[00127]
図1および
図2は、PPG信号の成分を端的に説明するために設けられる。
図1は、フォトプレチスモグラフィ(PPG)信号100のグラフ表現を示し、概略的に2つの成分に分割することができる。その成分とは、拍動性動脈血液体積106における光の吸収によるAC成分と、拍動性でない動脈悦駅、即ち、静脈血液および毛細管血液108、ならびに組織の吸収110によって生成される吸収によって生ずるDC成分104である。
【0096】
[00128]
図1において、このAC成分102は、組織および平均血液体積に関係する大きな擬似DC成分104上に重ね合わされる。このDC成分104は、呼吸、血管運動神経活動、および血管収縮波によってゆっくりと変動する。適した電子的フィルタリングおよび増幅によって、AC成分102およびDC成分104双方を、後続のパルス波分析のために抽出することができる。
【0097】
[00129] PPG ACパルス波形102の2つの重要な特性について説明し、
図2に示す。
図2において、パルス波形の外観は、2つのフェーズ、即ち、パルスの立ち上がりエッジである第1昇脚フェーズ(anacrotic phase)112、およびパルスの立ち下がりエッジである第2降脚フェーズ(catacrotic phase)114として定義された。第1フェーズ112は、主に収縮に関係があり、第2フェーズ114は拡張および周囲からの波の反射116を表す。重複切痕(dicrotic notch)118が、健康でしなやかな動脈(healthy compliant arteries)を有する被験者の第2拡張フェーズ114に通常見られる。
[00130] 先に論じたように、光学測定の使用によって、身体内における臓器の容積変化を表す生理的信号を取り込むことは、フォトプレチスモグラフ(PPG)として知られている。光学PPG信号を得るには、通例、測定される身体表面上に、外部圧力を加えることが必要になる。この圧力は、高い信号対ノイズ比で、良質のPPG信号を得ることと相関がある。
【0098】
[00131] しかしながら、外部から加える圧力は、大きすぎても、小さすぎてもいけない。そうでないと、検出されるPPG信号の品質が低くなる。例えば、
図3における血管300の断面に示すように、測定部位302における内部静脈圧力に比較して、外力の作用が十分でない場合、内圧が低すぎて適正な測定値を得ることができず、低いPPG信号が得られる。逆に、
図4に示すように、加える外力が大きすぎると、圧力が加えられる測定部位302において血管300が閉塞されてしまい、正規な血流が妨げられ、歪んだPPG信号が生成される結果となる。外部圧力が小さすぎるまたは大きすぎる場合、血管300の壁における反応圧力(reaction pressure)は低くなり、したがって、小さなPPG信号が観察される。
図5は、加えられた外部圧力の量と比較した、測定PPG信号の振幅502を示すグラフである。範囲Aにおける低印加圧力では、振幅502も対応して低くなる。範囲Bにおいて印加圧力を高めると、振幅も増大する。しかしながら、ある点を超えて印加圧力が高くなると、範囲Cに示すように、振幅は再度減少する。
【0099】
[00132] 強いPPG信号を得るためには、外部圧力が内部圧力に等しくなるように、外部圧力が、経壁圧力を最小にする程に十分でなければならない。更に
図5には、範囲Bの中に範囲504が示されており、ここで、PPG信号の振幅がそのピークに達する。この範囲504内では、外部印加圧力が内部動脈圧力と瞬時的に均衡し、その結果経壁圧力がゼロになる状態が生ずる。経壁圧力がゼロのとき、動脈の壁は無負荷であり、動脈のサイズは変化しない。その結果、測定領域における動脈内の血液体積は変化せず、精度高く測定することができ、良質なPPG信号を供給することができる。
【0100】
[00133] 一実施形態例では、加圧アセンブリが、長い時間期間にわたって最適なPPG信号を得るために最適な圧力を達成し維持するのを補助する。好ましくは、リアル・タイムの瞬時的フィードバックを、測定対象ユーザに供給することによって、このユーザは最適なPPG信号を得るために、デバイスに加える圧力量を即座に調節することができる(can be able to)。しかしながら、最適な圧力は、ゼロ経壁圧力の状態の結果だけでなく、光が測定対象ユーザの組織の一部に入射しそして射出するときの光の吸収および散乱経路の効果の結果であることもある。例えば、圧力が低すぎる場合、光源は、測定する血管を取り巻く組織を貫通することができないこともあり得る。したがって、相応しいPPG信号を検出するのに十分有効に指に入射しそして射出することができない。圧力が高すぎる場合、光が吸収または散乱され、検出される光量が、相応しいPPG信号を得るには不十分となることがあり得る。
【0101】
[00134] 一実施形態例では、本デバイスは、ユーザが不十分な圧力を加えるのか、高すぎる圧力を加えているのか、または正しい圧力量を加えているのかを示すフィードバックをユーザに供給するときに補助することができる。このユーザへのフィードバックは、映像表示または可聴音の形態として、視覚的または聴覚的でもよく、特に、本デバイスによって取り込まれるリアル・タイムのPPG信号の表示であるとよい。また、このフィードバックは、もっと簡素化した表示であってもよく、本デバイスに加える圧力量を増大または減少させるためにユーザが処置を講ずるべきか否かを示すのでもよい。他の実施形態では、フィードバックは触覚フィードバックの形態にしてもよく、この場合、本デバイスは、加えられる圧力が最適な範囲にあるときに、例えば、小さな振動を生成する。
【0102】
[00135] 本明細書において説明する実施形態例は、ユーザの身体部分の測定部位において、照明領域の光信号における信号対ノイズ比を高めることができるデバイスおよび方法を提供することを探求する。また、実施形態例は、測定部位から反射した光、および測定部位を透過した光の双方によって形成される光応答を検出する手段も備える。本明細書において説明する実施形態例は、測定部位(即ち血管)に向かう光の反射を利用して、逆に対象領域に戻す。
【0103】
[00136] 付加的な一実施形態例では、本デバイスは、個人毎に最適な圧力範囲を判定するために、個々のユーザ毎に一連の較正ステップを実行することができる。次いで、PPG信号を取り込む後続のステップでは、予め決められた最適範囲を、最適PPG信号を得るためのベンチマークとして使用する。
1.デバイスの全体像
[00137]
図6Aは、光学測定デバイス600の一実施形態例を示し、
図6Bは、この光学測定デバイス600の分解図を示し、照明および検出アセンブリ602ならびに圧力検出アセンブリ604の較正を示す。
図6Aに示すように、照明および検出アセンブリ602ならびに圧力検出アセンブリ604は、1つの小型光学測定デバイス600として一体化することができ、携行して使用するために、筐体601によって包囲されるとよい。
図6Bの分解図では、筐体601は、上面ケーシング603と底面ケーシング605に分割して示されており、照明および検出アセンブリ602ならびに圧力検出アセンブリ604がその中に収容される。圧力検出アセンブリ604の照明および検出アセンブリ602との一体化によって、ユーザにとって簡単で快適な対話処理が得られる。一実施形態では、圧力検出アセンブリ602は、圧力検出アセンブリ602がばね/弾性力を用いず、使用中に実質的に変形せず変位もしないように、非可動部を備える。即ち、外部圧力または外力がユーザによって圧力検出アセンブリに加えられるとき、圧力検出アセンブリは実質的に変形も変位もしない。圧力検出アセンブリ604を、例えば、外部フィードバック・ユニットと協同して使用することによって、ユーザにリアル・タイムのフィードバックを供給することができ、受け取られるPPG信号の品質、または振幅を改善することができる。光学測定デバイス600は、フィードバック・ユニット606(
図9A参照)と接続されており、フィードバック・ユニット606は、PPG信号および圧力測定値を光学測定デバイス600から受け、加えられる圧力量に関するフィードバックをユーザに供給する。したがって、この実施形態では、フィードバック・ユニット606を光学測定デバイス600とは別個に設けることができる。照明および検出アセンブリ602は、PPGセンサと呼ぶこともでき、光源608と、複数の光検出器610(
図17参照)とを含む。光源608は、ユーザの測定部位における生体組織の一部を貫通する光を伝搬させる。次いで、光検出器610は、ユーザの生体組織の一部を透過した光、またはユーザの生体組織の一部から反射した光を検出する。一実施形態例では、圧力検出アセンブリ604は圧力センサであり、指のような、ユーザの身体部分に加えられた圧力の量を検出する。圧力センサは、ピエゾ系(piezo-based) 検知デバイスまたはピエゾ抵抗(piezoresistive)検知デバイスのような、薄膜可撓性印刷基板とするとよく、回路によって検知される抵抗変化は、検知デバイス上に加えられる力の変化に反比例する。実施形態例の中には、この回路が微小電子機械(MEMS)ストリップである場合もある。しかしながら、加えられた接触力を検知することができるのであれば、他のいずれの力測定デバイスでも用いることができる。好ましくは、圧力センサは、非可動部品を備えており、スプリング/弾性力を用いず、使用中に実質的に変形も変位もしない。
【0104】
[00138] ある種の実施形態では、光学測定デバイスの圧力検出アセンブリは、カンチレバー手段を備えるのでもよい。このカンチレバー手段は、力伝達部材に結合されており、カンチレバー・モーメントによって発揮された力を、力伝達部材に伝達する。カンチレバー手段は、少なくとも1つの支点によって支持された梁状構造であるとよい。一実施形態では、使用時には、この支点は梁状構造の一端に配置される。また、カンチレバー手段は、嵌合手段も備えるとよく、この嵌合手段は、光学測定デバイスの筐体の相補的整合手段(matching means)と嵌合することができる。カンチレバー手段の嵌合手段は、カンチレバー手段が筐体内にぴったりと収まることができるように、筐体の整合手段と嵌合することができるのであれば、いずれの物理的機構でもよい。同様に、筐体の整合手段は、確固とした係合を行うためにカンチレバー手段の嵌合手段と嵌合することができるのであれば、いずれの物理的構造でもよい。一実施形態では、嵌合手段は、突起(protrusion)、突出(projection)、迫台(abutment)、延長(extension)等から成る一群から選択した1つ以上の機構を備え、一方整合手段は、孔、細い孔状陥凹(slot depression)、窪み、開口、アパーチャ等から成る一群から選択した1つ以上の機構を備える。他の実施形態では、整合手段は、突起(protrusion)、突出(projection)、迫台(abutment)、延長(extension)等から成る一群から選択した1つ以上の機構を備え、一方嵌合手段は、 孔、細い孔、陥凹、窪み、開口、アパーチャ等から成る一群から選択した1つ以上の機構を備える。好ましくは、嵌合手段および整合手段は、互いに相補的である段付き構造(stepped structure)である。他の実施形態では、カンチレバー手段が力伝達部材の一部であってもよく、そしてその逆であってもよく、カンチレバー手段および力伝達手段の双方が、1つの単体構造を形成するようにしてもよい。
【0105】
[00139]
図25Aは、本明細書において開示する他の実施形態によるカンチレバー型光学測定デバイスの断面図である。光学測定デバイス2500は、発光ダイオード2502の形態とした波動放射源(wave emitter)と、光検出器2504の形態とした波動検出器(wave detector)とを備える。これらは、同じ水平面(検知デバイスの底面に対して)および同じ基板上に配置されており、基板は、印刷回路ボード2512の形態となる。波動放射源および波動検出器は、照明検出アセンブリの一部であってもよい。基板または印刷回路ボード2512は、更に、LED2502と光検出器2504との間に配置された開口2520も備える。力伝達部材は、プラスチック・アセンブリ片2506とオーバーヘッド部2508とを備えており、プラスチック・アセンブリ片2506が、発光ダイオード2502と光検出器2505との間において、開口2520を貫通するように配列される。力伝達部材は、加圧アセンブリの一部であってもよい。オーバーヘッド部2508は、LED2502によって放出された光が直接光検出器2504に向かって進んでいくのを実質的に防止するために利用可能な表面エリア全体を増大させるために設けられる。この実施形態例では、オーバーヘッド部2508は、プラスチック・アセンブリ片の中に挿入され、これらの双方が互いとぴったり嵌り合うようになる。また、オーバーヘッド部2508は、LED2502によって放出された光が直接光検出器2504に向かって進むのを実質的に防止する役割を果たす限りにおいて、他の形態、形状、および/または向きで設けることもできる。オーバーヘッド部2508は、プラスチック・アセンブリ片2506に取り付けられる、取り外し可能な部分とすることができる。あるいは、オーバーヘッド部2508は、1つの構造として形成された、プラスチック・アセンブリ片2506の連続する一部とすることもできる。プラスチック・アセンブリ片2506は、不透明であり、実質的に発光ダイオード2502からの光を直接光検出器2509に向けて進ませない。また、オーバーヘッド部2508も不透明である。しかしながら、オーバーヘッド部2508は、孔2508aを備え、発光ダイオード2502から放出された光が孔2508bを通過し、孔2508bに達して、反射光がこの孔2508bを通過して光検出器2504に到達することを可能にする。
図25Aにおいて見ることができるように、力伝達部材2506は、全体的に、オーバーヘッド部2508が上に載ることができるように、フォーク形状の断面エリアを有するように見える。このフォーク形状の断面エリアは、オーバーヘッド部2508に対して安定性を設け、更に、カンチレバー型モーメントによって発揮された力の伝達を容易にする。側面図からは、フォーク形状の断面エリアは、複数の壁(例えば、2つの壁)を有する底面を備えるように見え、複数の壁は、底面に対して実質的に垂直になるように、底面から延びる。側面図からは、これらの壁は互いからある距離だけ離される。三次元視野(perspective)では、力伝達部材2506は、実際には、底面から延び、前述のフォーク形状の断面エリアを有する外周壁(circumferential wall)とすることができる。この外周壁は、底面上の空間周囲に囲いを形成するように、連続的に合体することができる(例えば、
図25Bのコンポーネント2506に示す通りである)。外周壁は、環状とすることができ、または底面上の空間周囲に囲いを形成するのである限り、他のいずれの形状でも可能である。また、他の実施形態では、外周壁は1つ以上の間隙を備えその連続性を中断させるが、なおも底辺上の空間を全体的に包囲すると見なされるのであってもよいことも可能である。底面から延びる壁(1つまたは複数)によって、この壁(1つまたは複数)によって包囲される底面上の空間は、窪みまたは空洞(cavity)と見なすことができる。他の場合には、この壁が、底面上の空間周囲の組み立てエリア(built up area)と見なされてもよい場合もある。オーバーヘッド部2508は、突起2508cを有することができる。突起2508cは、この窪みまたは空洞に対して相補的であり、オーバーヘッド部2508の突起を、プラスチック・アセンブリ片2506内部において窪みまたは空洞2506aに挿入し、一層ぴったりとまたは固定的に嵌め合わせることができるようにする。尚、実施形態例の中には、この相補嵌合構造を逆にしてもよい場合もあり、その際窪みまたは空洞がオーバーヘッド部に存在し、突起が力伝達部材に存在するようにしてもよいことは認められよう。
【0106】
[00140] 力伝達部材2506の位置決めおよび構造によって、発光ダイオード2502によって放出される光が直接光検出器2509に向かって進むことを実質的に防止する。力伝達部材は、力センサ2518の形態で、検知基板上に載せられる。力センサ2518は、可撓性プリント基板として設けることができ、接触力を検知して、関連する電気信号をプリント回路ボード2512に、力センサ2518の一端にある電気コネクタを介して(
図25Aには示されていない)供給する。力センサ2518は、その可撓性のために、力伝達部材が力を金属コネクタ2518に伝達するときに、多少変形することができる。また、光学測定デバイス2500は、前述した個々のコンポーネントを収容するためのプラスチック筐体2514も備える。筐体2514の上面には、検出対象のユーザの表面部分を受容するために、透明なプラスチック片2510の形態とした、向きが自由な測定面(orientation-free measurement surface)が設けられる。この向きが自由な測定面は、透明なプラスチック片2510の形態となっており、ユーザの表面部分を1つの方向に載せなければならないことには限定されない。例えば、クリップまたはカフ(cuff)と比較すると、この向きが自由な測定面と接触するユーザの表面が、放射された波を波動検出器に向けて反射することができる限り、向きが自由な測定面は、特定の様式でユーザの表面部分と係合することを必要としない。したがって、向きが自由な測定面は、二次元表面を検出できるという利点がある。一方、検出対象のユーザの部分は、クリップまたはカフが用いられる場合、検出のためにクリップまたはカフとの十分な係合を確保するためには、三次元でなければならない。透明なプラスチック片2510は、更に、追加の保護層を設け、LEDおよび光検出器への直接的な接触や損傷を防止することができる。また、これはゴミや細かい粒子が検知デバイスの筐体に入るのを防止することもできる。
【0107】
[00141] この実施形態例では、光測定デバイス2500は結合部材も備える。この結合部材は、プリント回路ボード2512に電気的に結合されるデータ通信ポート2516の形態となる。データ通信ポート2516は、電気信号を検知デバイス2500に送信すること、および電気信号を検知デバイス2500から受信することができる。また、データ通信ポート2516は、プリント回路ボード2512および、発光ダイオード2502、光検出器2504、および力センサ2518のような、電気的に接続されるそのコンポーネントに給電するために、電力を伝達することもできる。
【0108】
[00142] 使用するとき、検知デバイス2500は、個人用移動体処理ユニット、例えば、移動体電話機にデータ通信ポート2516を介して接続することができる。次いで、ユーザは、検出しようとする所望の表面、例えば、指を透明なプラスチック片2510の上に載せる。発光ダイオード2502から放出された光が、アクセス孔2508aを通過して、透明なプラスチック片2510と接触する指の表面に向かって進む。指の表面から反射した放出光は、アクセス孔2508bを通過して、光検出器2504に向かって進む。次いで、光検出器2504は、検出した反射光を表す電気信号を、移動体電話機にデータ通信ポート2516を介して送信する。データ通信ポート2516には、カバー2516Aを設けることもできる。同時に、及ぼされた力は、プラスチック・アセンブリ片2506を介して力検出器2518に伝えられる。すると、力検出器2518は、この力を表す電気信号を回路ボード2512に供給する。次いで、この電気信号は、移動体電話機に、データ通信ポート2516を介して送信される。移動体電話機は、処理ユニットを備えており、光学測定デバイス2500から受信した信号を処理することができる。また、移動体電話機は、フィードバック・ユニットも備え、指によって及ぼされた力が強すぎるかまたは弱すぎるか、ユーザに示すこともできる。すると、ユーザは、それにしたがって、力即ち圧力を調節し、一旦最適な圧力が検出されると、移動体電話機は、検出された反射光の固有性から導出される生理的特性を表示する。
【0109】
[00143]
図25Bは、
図25Aの検知デバイスの分解図である。個々のコンポーネントが分解されており、明確に見ることができる。プラスチック筐体2514は、上面部2514aと、底面部2514bとに分離されるのを見ることができる。力センサ2518は、接触力を検知し、関連する電気信号をプリント回路ボード2512に、力センサ2518の一端にある電気コネクタ2519を介して供給する。
【0110】
[00144]
図25Cは、
図25Aの簡略図であり、カンチレバー型モーメントによって発揮された力の伝達および検知に用いることができる主要なコンポーネントのみを示す。カンチレバー構造は、コラムの動きを、1つの方向を除いて全ての方向で制限することができる。これによって、より高い安定性をコラムに与えることができ、ユーザにとって一定の印加力を維持することが容易になる。
【0111】
[00145]
図25Dおよび
図25Eは、カンチレバー型力印加2530の模式図を示す。コンポーネント2534は、
図25Bの透明プラスチック片2510およびオーバーヘッド部2508を合わせたものを簡略化した表現と見なすことができる。コンポーネント2536は、
図25Bの力伝達部材2506を簡略化した表現と見なすことができ、コンポーネント2540は、
図25Bの力検出器2518を簡略化した表現と見なすことができる。力Fがコンポーネント2534上でコンポーネント2536に向かって加えられると、曲げモーメントが発生して、コンポーネント2534およびコンポーネント2536が一方向に向かって変形することになる。この曲げモーメントは、検出のためにコンポーネント2540に伝えられる。
【0112】
[00146]
図25Fは、
図25Bの透明プラスチック片2510と、プラスチック筐体2514aの上面部の下側の斜視図である。
図25Fに示すように、透明プラスチック片2510は、突起2510aを備える。これらの突起2510aは、透明プラスチック片2510を固定し、その望ましくない横方向の動きを防止するために、
図25Bのオーバーヘッド部2508のアクセス孔2508aおよび2508bに嵌入することができる。
【0113】
[00147]
図25Gは、本明細書において開示する光学測定デバイス2550の他の実施形態例の分解図である。この実施形態例では、コンポーネントの殆どは、
図25Bにおいて説明したものと同様である。これら同様のエレメントには、
図25Bにおいて用いた同じ参照番号を付けるが、ダッシュ「’」が含まれる。この実施形態例では、
図25Bの実施形態からの主要な相違は、コンポーネント2552および2554である。コンポーネント2552は、不透明または実質的に不透明なプラスチック片であるが(最少の光を通過させる)、光が通過できるようにアクセス孔2552aを有する。コンポーネント2554は、
図2Bのオーバーヘッド部2508と同様のオーバーヘッド部である。しかしながら、コンポーネント2554は、実質的に透明であり、光を通過させることができる。更に、
図25Bに示したアクセス孔2508aおよび2508bの代わりに、突起2544a(これらも透明である)がある。突起2554aは、プラスチック片2552を固定し、その望ましくない横方向の動きを防止するために、不透明または実質的に不透明なプラスチック片2552のアクセス穴2552aに嵌入することができる。尚、この構成は、
図25Fに示したものを逆にしたのであることは認められよう。
【0114】
[00148]
図25Hは、
図25Aの組み立て後の検知デバイスの、種々の抜き取り(stripping)レベルにおける断面図であり、透明プラスチック片の構造を強調する。
図25Hに示すように、透明片2510は、支持端2511aを有する。この支持端2511aは、XおよびY座標軸(Y軸はページに入る軸であり、X軸は見る人の視線から、ページの左から右に延びる軸である)によって定義される平面における横方向の動きが制限されるように、ぴったりとケーシング2514に嵌り込む。対向端2511bは、下向きにZ座標軸に沿って自由に動く(Z軸は、見る人の視線から、ページの底辺から上辺に進む軸である)。しかしながら、透明片2510は、段付き外縁を有し、底面がその上面よりも広くなる。ケーシング2514は、小さい方の上面だけが嵌まり込む一方底面は嵌まり込まないように、相応の寸法で作られる。したがって、大きい方の底面がケーシングの表面よりも外側に動くことを制限されるので、カンチレバー透明片の上方向の動きは、デフォルトの位置を超えることができない。カンチレバー透明片2510を上向きに動かそうとすると、対向端2511bにおける段付き縁が、ケーシング2514の相補的な段付き縁と係合し、こうしてその所定の位置から上方向の動きを抑える。これによって、透明片2510がケーシング2514から外れて落ちることを防止することができ、更に、外力が加えられないときに、精度高いデフォルト圧力の測定を可能にすることができる。ある種の実施形態では、ばねのような反発性手段を、対向端2511bにおいて段付き縁に結合し、ユーザが入れる下方向の力が抜かれたときにその元の外形に戻るようにすることができる。この反発手段は、ユーザが入れる対向端への力が抜かれたときに、対向端2511bにおける段付き縁をケーシング2514に向けて付勢し、それと係合させることができる。完全に組み立てると、透明プラスチック片2510(カンチレバーとして作用する)の支持端2511aは、
図25Hに示すように、通信ポート2516の上に静止する(sit on)ことができる。ある種の実施形態では、ばねのような反発手段は、透明プラスチック片2510と通信ポート2516との間に配置することができる。
図25Hにおいて、2511aの一部が解放され、通信ポート2516と接触しないように、透明プラスチック片2510が通信ポート2516の端部に載せられることが分かる。これは、対向端に力が加えられたときに、プラスチック片2510の時計回り方向の回転(
図25Hのユーザの視線から)を最大限(possibly)可能にすることができる。透明プラスチック片2510はカンチレバーとしても作用することができるので、透明プラスチック片2510は、実質的に可撓性であるが、同時にPPG測定の間ユーザによって及ぼされる力に耐えるだけの十分な曲げ強さを有することができる。また、透明プラスチック片2510は、及ぼされた力が抜かれたときには、その元の形状/位置に戻るように、十分な曲げ強さおよび/または可撓性を有することもできる。他の実施形態例の中には、透明プラスチック片2510を、ばねのような反発手段に結合し、一旦入れられる力が抜かれたときには、透明プラスチック片2510をその元の外形に戻すようにするとよい場合もある。異なるコンポーネント間にある相補嵌合構造によって、この検知デバイス例は、望ましくない動きを抑える硬質で安定したアセンブリを形成するように、容易に組み立てることができることが認められよう。これによって、存在する未知のパラメータまたは可変パラメータ(例えば、コンポーネントの望ましくない動きによって生ずる)の数を減らすことによって、検知デバイスは高いレベルの測定精度および一貫性を有することを可能にすることができる。相補嵌合構造の他の利点は、個々のコンポーネント互いに逆に組み立てることまたは分解することができ、個々のコンポーネントの修理または交換が便利になることである。また、この検知デバイス例は、その個々の相補嵌合構造によって、一層容易な組み立ておよび分解のために、瞬時嵌合構造(snap-fit design)に適応させることができることも認められよう。
【0115】
[00149]
図25Iは、
図25Gの検知デバイスを組み立てた場合の、種々の抜き取り(stripping)レベルにおける断面図であり、不透明または実質的に不透明なプラスチック片の構造を強調する。
図25Iに示すように、プラスチック片2552は、支持端2553aを有する。支持端2553aは、XおよびY座標軸(Y軸はページに入る軸であり、X軸は見る人の視線から、ページの左から右に延びる軸である)によって定義される平面における横方向の動きが制限されるように、ぴったりとケーシング2514’に嵌り込む。対向端2553bは、下向きにZ座標軸に沿って自由に動く(Z軸は、見る人の視線から、ページの底辺から上辺に進む軸である)。しかしながら、プラスチック片2552は、段付き外縁を有し、底面がその上面よりも広くなる。ケーシング2514’は、小さい方の上面だけが嵌まり込む一方底面は嵌まり込まないように、相応の寸法で作られる。したがって、大きい方の底面がケーシングの表面よりも外側に動くことを制限されるので、カンチレバー透明片の上方向の動きは、デフォルトの位置を超えることができない。カンチレバープラスチック片2552を上向きに動かそうとすると、対向端2553bにおける段付き縁が、ケーシング2514’の相補的な段付き縁と係合し、こうしてその所定の位置から上方向の動きを抑える。これによって、プラスチック片2552がケーシング2514から外れて落ちることを防止することができ、更に、ユーザによって外力が加えられないときに、精度高いデフォルト圧力の測定を可能にすることができる。ある種の実施形態では、ばねのような反発性手段を、対向端2553bにおいて段付き縁に結合し、ユーザが入れる下方向の力が抜かれたときにその元の外形に戻るようにすることができる。この反発手段は、ユーザが入れる対向端への力が抜かれたときに、対向端2553bをケーシング2514’に向けて付勢し、それと係合させることができる。カンチレバー片2552は、更に他の中央突起2552bを備えており、この中央突起2552bは、オーバーヘッド透明片2554の開口2554b(
図25G参照)を通過し、プラスチック・アセンブリ片2506’内において相補的な窪みまたは空洞に挿入して、一層ぴったりとまたはしっかりとした嵌合に備えることができる。完全に組み立てると、プラスチック片2554(カンチレバーとして作用する)の支持端2553aは、
図25Iに示すように、通信ポート2516’の上に静止する(sit on)ことができる。ある種の実施形態では、ばねのような反発手段を、プラスチック片2552と通信ポート2516’との間に配置することができる。
図25Iにおいて、2553aの一部が解放され、通信ポート2516’と接触しないように、透明プラスチック片2552が通信ポート2516’の端部に載せられることが分かる。これは、対向端に力が加えられたときに、プラスチック片2552の時計回り方向の回転(
図25Iのユーザの視線から)を最大限可能にすることができる。透明プラスチック片2552はカンチレバーとしても作用することができるので、プラスチック片2552は、実質的に可撓性であるが、同時にPPG測定の間ユーザによって及ぼされる力に耐えるだけの十分な曲げ強さを有することができる。また、透明プラスチック片2552は、及ぼされた力が抜かれたときには、その元の形状/位置に戻るように、十分な曲げ強さおよび/または可撓性を有することもできる。他の実施形態例の中には、透明プラスチック片2552を、ばねのような反発手段に結合し、一旦入れられる力が抜かれたときには、透明プラスチック片2552をその元の外形に戻すようにするとよい場合もある。異なるコンポーネント間にある相補嵌合構造によって、この検知デバイス例は、望ましくない動きを抑える硬質で安定したアセンブリを形成するように、容易に組み立てることができることが認められよう。これによって、存在する未知のパラメータまたは可変パラメータ(例えば、コンポーネントの望ましくない動きによって生ずる)の数を減らすことによって、検知デバイスは高いレベルの測定精度および一貫性を有することを可能にすることができる。相補嵌合構造の他の利点は、個々のコンポーネント互いに逆に組み立てるまたは分解することができ、個々のコンポーネントの修理または交換が便利になることである。また、この検知デバイス例は、その個々の相補嵌合構造によって、一層容易な組み立ておよび分解のために、瞬時嵌合構造(snap-fit design)に適応させることができることも認められよう。
【0116】
[00150] 以上の説明において、測定面(透明プラスチック片または不透明プラスチック片とすることができる)、オーバーヘッド部、および力伝達部材は、別個のコンポーネントとして説明したように思われるが、実施形態の中には、これらを、力が及ぼされたときにカンチレバー・モーメントが得られる1つの総合的機能コンポーネントの一部であると見なせる場合もある。したがって、実施形態の中には、プラスチック片、オーバーヘッド部、および力伝達部材は、集合的に、1つの単一構造を形成することができ、全体としてカンチレバー構造と見なすことができる場合もある。
【0117】
[00151] 加えて、以上では波動発生器(wave emitter)が1つのLEDを備えると説明したが、実施形態の中には、波動発生器が複数のLEDを備えていてもよく、少なくとも1つが赤色LEDであり、1つが赤外線LEDであってもよい。
【0118】
[00152]
図24は、本明細書において開示するピエゾ系検知デバイス2400を実現するための簡略化した代表的回路図例を示す。Vは電圧計を表し、R
1、R
2、およびR
3は複数の電気抵抗器を表す。コンポーネント2402は、ピエゾ系材料(例えば、圧電またはピエゾ抵抗)を表し、1つ以上の抵抗器として図示することができる。その内の1つ以上は、可変抵抗器であり、その抵抗はそれに加えられる力によって異なる。尚、コンポーネント2402の位置は、望ましければ、R
1、R
2、およびR
3のいずれの1つとでも相互交換することができ、またはその逆も可能であることは、当業者には認められよう。R
1、R
2、R
3、およびコンポーネント2402は、ホイートストーン・ブリッジ構成に接続される。
図24に示すブリッジ構成は、クオータ・ブリッジ構成になる。しかしながら、望ましければ、このブリッジは、半形態または全形態で動作することもでき、即ち、コンポーネント2402と同様の1つ以上のコンポーネントが、それぞれ、R
2またはR
1、R
2およびR
3と置き換わることができる。また、1つ以上の固定または可変電気抵抗器も、「ダミー」力ゲージとして追加し、例えば、温度変化の効果を打ち消すために、所望に応じてそして望ましいときに、ブリッジ回路を完成させることができる。
【0119】
[00153] ブリッジが
図24に示すクオータ構成で動作するときの一動作実施態様例では、R
3は力が加えられていないときのコンポーネント2402の抵抗に等しい値に設定される。R
3は、容易なゼロ設定を可能にするために、可変抵抗器とすることができる。他の2つの抵抗器R
1およびR
2は、互いに等しく設定される。このような配列では、コンポーネント2402に力が加えられていないとき、ブリッジは対称的に均衡する。即ち、電圧計Vは0ボルトを示し、コンポーネント2402にかかる力がゼロであることを表す。コンポーネント2402に力が加えられると、その抵抗が変化して、即ち、減少または増加し、このためブリッジの均衡が崩れ、電圧計V上においてゼロでない読み取り値が生ずる。この電圧計上で得られた読み取り値を、次に、コンポーネント2402に加えられる実際の機械的力と相関付けることができる。
【0120】
[00154] 圧力検出アセンブリは、微小電子機械システム(MEMs)を備えていてもよい。一実施形態では、圧力検出アセンブリは、ピエゾ系センサを備える。このピエゾ系センサは、材料に加えられる力を測定し、機械的応力によるこの材料の物理的および/または電気的固有性の変化に基づいて、信号を相関付ける。このような材料は、限定ではないが、クリスタル、セラミクス、または半導体を含むことができる。電気的固有性の変化は、限定ではないが、材料の導電性、固有抵抗、抵抗、容量、および/または生成電荷の変化を含むことができる。ピエゾ系センサは、圧電系センサ、ピエゾ抵抗系センサ、ピエゾ容量系センサ等から成る一群から選択することができる。実施形態例では、力伝達部材が圧力センサ上に載せられており、力伝達部材には実質的に変位も変形も生じることなく、それに加えられた力を圧力センサに伝える。
【0121】
[00155] 有利なこととして、圧力センサは、全体的な簡潔さには悪影響を及ぼすことなく、光学測定デバイスに容易に組み込むことができる。つまり、光学測定デバイスのサイズを最小に、例えば、厚さを約1cm未満に、抑えることができる。このような実施形態では、加えられた力の精度高い読み取り値を得るためには、変位も変形も殆ど不要にまたは実質的に不要にすることができる。更に、このために、変位または変形を生じさせるために必要な測定デバイス内部における空間量を削減するという効果がある。更に一層有利なことに、必要な可動部品が少ないので、内部コンポーネントの消耗や引き裂きが減少し、デバイスの寿命を長くすることができる。
【0122】
[00156]
図6Aにおける光学測定デバイスの分解図に示すように、ユーザの指612によって加えられる力がPPGセンサ602を介して圧力センサ604に移されるように、圧力センサ604をPPGセンサ602の下に位置付けることができる。次いで、圧力センサ604は、ユーザの指612によって及ぼされた外力を集めて追跡する。
図7Bは、PPGセンサ602と一緒に組み立てられた圧力センサ604の動作中における図を示し、ユーザの指606は、PPGセンサ602に接触して置かれる。
【0123】
[00157] フィードバック・ユニット606は、個人用移動体処理デバイスとすることができる。フィードバック・ユニット606は、プロセッサ、メモリ、および任意にディスプレイを含むコンピュータとすることができる。これについては、
図22に関して以下で更に説明する。フィードバック・ユニット606は、PPG信号および圧力測定値を光学測定デバイス600から受け、時間的にPPG信号を圧力測定値と相関付けて、
図8に示す比較PPG信号グラフ802および印加圧力グラフ804に示すような、最適なPPG信号を供給する最適な圧力量を判定する。これについては、以下で更に詳しく説明する。
【0124】
[00158]
図9Aおよび
図9Bに示すように、フィードバック・ユニット606にはディスプレイ614を設けるとよい。ディスプレイ614は、PPG信号を測定するプロセスの間、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)の形態でユーザに映像フィードバックを供給することができる。この映像フィードバックは、検出したPPG信号616のリアル・タイム表示とするとよく、ユーザは、光学測定デバイスに加えられる圧力を変化させた効果を瞬時に見ることができ、最適なPPG信号が表示されるまで、圧力量を調節することができる。また、ディスプレイ614は、加えられる圧力のリアル・タイムのグラフ指示618も供給するとよい。印加圧力のグラフ表示618は、同じグラフィカル・ディスプレイ(以下の
図21Aを参照)上でPPG信号616を追跡するとよく、または恐らくは、
図9Aおよび
図9Bに示すように、表示されるPPG信号の一方側に位置付けられた垂直な圧力状態バー620の形態で表示されるのでもよい。状態バー620は、ユーザによって加えられる力に応じて上下に動く。この実施形態では、ユーザは、表示されるリアル・タイムPPG信号616を改良することができるか否か判断するために、最適PPG信号を特定する。しかしながら、検出されたPPG信号616、そして可能であれば圧力状態バー620を表示することによって、最適なPPG信号を供給する圧力量を計算するためには、フィードバック・ユニット606は不要となる。これは、ユーザが、デバイスによる指図を受けずに、表示されるPPG信号616を分析し、調節を行うことによって、手作業でこのステップを実行するからである。
図9Bは、動作中のフィードバック・ユニット606および光学測定デバイス600を示し、ユーザの指612が光学測定デバイス600上に位置付けられる。
【0125】
[00159]
図10に示す一実施形態例では、フィードバック・ユニット606は、ユーザが圧力量を増やすか、減らすか、または同量にするために調節すべきか否かの指示を一層簡略化したGUIを生成し表示することができる。この種のGUIを設けるためには、いずれの数の方法があってもよい。例えば、ユーザに、加える圧力を調節するように指令するために、記号または形状を、恐らくは交通信号機の色を使用した表示でカラー・コード化も施して、表示してもよい。同様に、GUIは、単に、「もっと圧力を加えて下さい」、「圧力を減らして下さい」、または「同じ圧力量を加えて下さい」とユーザに指図する単語を表示するのであってもよい。
図10において、強調されるボックス622を、圧力状態バー620の上に配し、個々のユーザに対して圧力を加えるべき最適な範囲を特定することもできる。この実施形態では、フィードバック・ユニット606は、測定されたPPG信号と、対応する印加圧力とをリアル・タイムで比較して、最も高い振幅のPPG信号が得られる印加圧力範囲を決定する。これは、通常ではゼロ経壁圧力の状態となる。次いで、フィードバック・ユニット606は、ユーザが加える圧力が、決定した範囲内にあるのか、それよりも上にあるのか、またはそれよりも下にあるのかに応じて、ディスプレイ614上においてユーザに、対応するインディケータを供給する。
【0126】
[00160] 一実施形態例では、フィードバック・ユニット606は、ディスプレイを必要としなくてもよい。これは、スピーカまたは他の音響出力コンポーネントによって、可聴コマンドをユーザに供給できるからである。例えば、オーディオ・デバイスが、単に、「もっと圧力を加えて下さい」、「圧力を減らして下さい」、または「同じ圧力量を加えて下さい」とユーザに話しかけることもできる。また、音響フィードバックは、呼び鈴の音またはブザーの音というような、異なる音程または音の音楽トーンの形態にすることも可能である。これらは、正音(positive sound)または負音(negative sound)として広く知られる。
【0127】
[00161] 他の実施形態例では、光学測定デバイス600は、実際のPPG信号の測定を実行する前に、ユーザにデバイスを較正するように要求することもできる。これには、固定時間期間の間に種々の異なる圧力をデバイスに加えるようにユーザに要求することを必要とする場合があり、固定時間期間において、フィードバック・ユニットが、その時間期間において検出されたPPG信号を測定し、最適なPPG信号が得られる印加圧力範囲を決定する。例えば、
図8における印加圧力のグラフ804の力プロファイル808のような、ある時間期間に亘る圧力範囲のプロファイルにしたがいながら、ユーザに圧力をかけるように要求することもできる。較正の結果として、デバイス600は、測定対象である個々のユーザによっては精度が高くないこともある一般化した範囲ではなく、個々のユーザ毎に、印加圧力範囲を得ることができる。
【0128】
[00162] 一実施形態例では、フィードバック・ユニット606は、携帯用デバイスでもよく、更に好ましくは、移動体電話機、スマートフォン、パーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)、移動体音楽プレーヤ、タブレット、ネットブック、またはラップトップというような、個人用移動体処理デバイスとするとよいが、この羅列は、いかなる意味でも網羅的ではない。しかしながら、フィードバック・ユニット606が携帯用である必要もなく、同様にコンピュータまたはサーバとすることもできる。フィードバック・ユニット606は、有線でまたはワイヤレスで、更に好ましくは、ケーブルレス構成で、フィードバック・ユニット606の結合部材、またはユニバーサル・シリアル・バス(USB)ポート、またはApple(登録商標)社のiPhone(登録商標)(CA、CupertinoのApple Computer,Inc.)において用いられる30ピン接続というような、企業固有のコネクタを介して、光学検出デバイス600と接続することもできる。本明細書における説明では、ケーブルレス構成とは、個人用移動体処理デバイスから光学測定デバイスに延びるワイヤまたはケーブルの使用を伴わない接続を含むと捉えることとする。
【0129】
[00163] 他の実施形態では、
図11に示すような単体の光学測定デバイス1100のような、光学検出デバイスと携帯用デバイスを一体化してもよい。光学検出デバイス600は、携帯用デバイス606の筐体624内に組み込まれ、この場合、携帯用デバイス606のメニュー・ボタン626の付近で、ディスプレイ614から離れて配置される。このような構成では、携帯用デバイス606は、信号のコンディショニングや信号処理というような、光学検出デバイス600の処理機能を実行することができる。
図17のブロック図に関して以下で説明するが、携帯用デバイス606と一体化された光学検出デバイス600は、検知部628を備えており、一方、処理部630は、携帯用デバイス606のハードウェアまたはファームウェアによって設けられる。検知部628は、好ましくは、
図17に示すように、照明および検出アセンブリ602と、圧力検出アセンブリ604とを含む。
【0130】
[00164]
図12に示す他の実施形態例では、ディスプレイがタッチ・スクリーン・ディスプレイである場合、光学検出デバイス600をディスプレイ614と一体化することもできる。タッチ・スクリーン・ディスプレイに2つの開口を作るとよく、LED光源からの光が透過して、光検出器に達することができる。タッチ・スクリーン・ディスプレイ614のコンポーネントは、タッチ・スクリーン・ディスプレイ614に加えられる圧力量を検出する高精度圧力検知能力を有し、圧力検出アセンブリの機能は直接タッチ・スクリーン・ディスプレイ614によって設けることができ、これによって別個の圧力検出アセンブリの必要性をなくすことができる。したがって、赤色および赤外線(IR)LED光源および光検出器というような、光学検出デバイスの照明および検出アセンブリだけが、別個に設けられる。
【0131】
[00165] 他の実施形態例では、照明および検出アセンブリは、スマートフォンまたは他の携帯用デバイスのカメラおよびフラッシュを備えており、カメラが光検出器として機能し、一方フラッシュが光源として機能するとよい。フラッシュおよびカメラは、携帯用デバイス上で互いに近接して配置されており、フラッシュには、必要な光の波長を出力するために、赤色LEDおよび赤外線LEDを設置することができる。この実施形態例では、圧力検出アセンブリは、携帯用デバイスの唯一の大きな変更である。
【0132】
[00166] このように、この実施形態例では、個人用移動体処理デバイスにアクセサリを設けることができる。アクセサリは、圧力検出アセンブリを備えており、これによって、測定のためにユーザの表面部分によって個人用移動体処理デバイスの照明および検出アセンブリに加えられる圧力量を検出するように構成される。このようなアクセサリは、個人用移動体処理デバイスのケーシングに、着脱可能に取り付けることができる。あるいは、このアクセサリは、個人用移動体処理デバイスのケーシングに、一体的に取り付けることもできる。
【0133】
[00167]
図13Aおよび
図13Bは、更に他の実施形態例を示し、ユーザがディスプレイ614を横配置で見て、ユーザにとって携帯用デバイス606をユーザの手の中に一層保持し易くなる方法で、光学検出デバイス600と対話処理できるように、携帯用デバイス606を横配置に向けるとよい。横配置では、ユーザは指612を光学検出デバイス600上に置いて、PPG信号616をもっと長い時間期間一層容易に見ることができる。
【0134】
[00168]
図14Aおよび
図14Bは、他の実施形態例を示し、ここでは、複数の光学検出デバイス600Aおよび600Bが、横配置でユーザとの対話処理ができるように、携帯用デバイス606と一体化される。1つよりも多い光学検出デバイスを使用することによって、追加の生理的固有性の測定も可能になる。
図14Bに示すように、ユーザは、彼らの親指634Aおよび634Bを対応する光学検出デバイス600Aおよび600B上にも置きながら、両方の手632Aおよび632Bで携帯用デバイス606を容易に保持することができる。ユーザが自然な配置で人差し指612Aおよび612Bを対応する光学検出デバイス600Aおよび600Bと接触するように置くことができるように、
図15Aおよび
図15Bに示す同様の実施形態例では、光学検出デバイス600Aおよび600Bを携帯用デバイス606の側面部分636に配置してもよい。この実施形態では、ユーザの親指634Aおよび634Bは、このために、人差し指が光学検出デバイス600Aおよび600Bによって検知される間、タッチ・スクリーン・ディスプレイ614またはメニュー・ボタン626と対話処理することによって、携帯用デバイスを自由に動作させることができる。
図14および
図15に示す実施形態では、複数の光学検出デバイス600Aおよび600Bがあるので、これに応じて、対応する複数のPPG信号616Aおよび616B、ならびに圧力状態バー620Aおよび620Bがあるのでもよい。
【0135】
[00169] また、フィードバック・ユニットは、PPG信号の受信および処理に関する命令、圧力測定に関する命令、ならびに検出したPPG信号および圧力測定値の相関付けに関する出力の作成およびユーザへの提示に関する命令を実行する、ソフトウェアまたは他のコンピュータ・プログラマブル命令も含むことができる。
【0136】
[00170] (i)照明および検出アセンブリからのPPG信号、および(ii)加圧アセンブリからの個人によって及ぼされた力の量を監視することによって、光学測定デバイスは、高い信号対ノイズ比の最適なPPG信号を得ることが可能になる。信号対ノイズ比は、光信号では向上する。光学測定デバイスは、このデバイスを使用する各ユーザに唯一のゼロ経壁圧力でPPG信号を取り込むための手段を備える。
【0137】
[00171] 結果的に得られた最適PPG信号からは、血液における酸素飽和レベルというような、フォトプレチスモグラフィによって検出される種々の生理的パラメータの非常に正確な測定値が得られる。
【0138】
[00172] 他の実施形態では、光学測定デバイスは、更に、収縮期および拡張期血圧パラメータの取り込みも含む。これらのパラメータを検出して血圧を判定する1つの選択肢では、
図16Aおよび
図16Bに示すように、指の動脈がある指612の側面638を、照明および検出アセンブリ602上に置くことを伴う。
図8に示すように、PPG信号グラフ802におけるPPG信号806を監視しつつ、ユーザは、印加圧力グラフ803に示すように、時間に関して所定の印加力プロファイル808にしたがって、垂直な下方向の力を圧力センサ604上に加える。この分析の背後にある基本的な原理は、PPG信号806がPPG波形を表示し始めるとき(時点810)、およびPPG信号が最終的に消滅するとき(時点812)を特定することである。何故なら、これらの時点は、血圧の最高点および最低点と間接的に関連するからである。加えて、この分析では、ゼロ経壁圧力を達成するために必要とされる外部圧力を判定することができる。ゼロ経壁圧力が得られたとき、PPG波形は、PPG信号グラフ802におけるエリア814に示すように、最も高い振幅を反映する。
図8において、加えられる圧力の量は、ときの経過と共に急速に増大し徐々に減少するプロファイル808に従うので、PPG波形806の振幅は、これに応じて変化する。つまり、加えられる力808に関して810から812までのPPG波形の範囲全体を見ると、最も高い振幅のPPG波形814は、印加圧力グラフ804における対応する位置の指示を与える。この位置では、印加圧力の量が、ゼロ経壁圧力状態となる。
II.システム・アーキテクチャ
[00173] 光学測定デバイスの一実施形態例について、そのコンポーネントおよびそれらの関係を含めて、以下に更に詳しく説明する。以下の実施形態例では、光学測定デバイスは、市販のフィードバック・ユニット、対応するインターフェース、処理、およびディスプレイに結合された携帯用ユニットである。即ち、光学測定デバイスは、Apple(登録商標)iPhone(登録商標)というような個人用移動体処理デバイスに対するアクセサリとして備えることができるが、他の携帯用デバイスを使用してもよいことは、当業者には認められよう。
A.照明/検出アセンブリとフィードバック・ユニットとの間の相互作用
[00174] 照明および検出アセンブリ602は、ケーブルレス構成でフィードバック・ユニット606と接続することもできる。この場合、携帯用デバイスまたはiPhone(登録商標)のような個人用移動体処理デバイスは、フィードバック・ユニット606の底面において30ピン・コネクタを用いる。照明および検出アセンブリ602のフィードバック・ユニット606または他のいずれかの形態の処理デバイスとの物理的接続を確立した後、照明および検出アセンブリ602におけるマイクロコントローラ・ユニット(MCU)640(
図17参照)は、データをフィードバック・ユニット606または他のいずれかの形態の処理デバイスにデータを送る前に、認証の目的で情報を抽出する。この認証プロセスは、iPhone(登録商標)には特定的であってもよい。何故なら、Apple(登録商標)は、30ピン・コネクタを使用するデバイスはいずれも、Apple(登録商標)社から認証トークンを購入することを要求するからである。したがって、認証およびMCU640は、代替実施形態では、任意とすることができることは認められよう。
【0139】
[00175] iPhone(登録商標)の例では、iPhone(登録商標)の30ピン・コネクタからのユニバーサル非同期受信/送信(UART)プロトコルによって、通信が可能になる。8ミリ秒毎に照明および検出アセンブリ602のMCUからiPhone(登録商標)に、データのストリングがUARTに送られる。
【0140】
[00176] データは、2バイトのヘッダと、10バイトのペイロードで構成される。ペイロードは、5つの部分DC1(IR)、DC2(赤),PPG1(IR)、PPG2(赤)、およびFS(力センサ)に再分割され、各々が、2バイトのデータを含む。このデータは、HEXファイル・フォーマットで得られ、次いで電圧(V)に逆変換される。
【0141】
[00177] 戻って
図1を参照すると、DC1およびDC2は、PPG波形のDCコンポーネント104についての情報を提供し、末梢酸素の飽和、即ち、SpO2.PPG1およびPPG2の計算を可能にし、実際のPPG波形を確立し、PPG波形のAC成分102についての情報を提供する。FSは、照明および検出アセンブリ602に加えられた力の量に情報を提供するために書かれる。データ復号フォーマットの例を、以下の表1に示す。
【0143】
[00178] 表1:データ復号フォーマット
B.信号のコンディショニング
[00179] 生のPPG信号は、DCおよびAC成分を含み、これらの双方は、波形分析には非常に重要な情報を含む。信号のコンディショニングは、したがって、フィードバック・ユニットにおける更なる処理のために情報を得るために行われる。信号コンディショニング・プロセスの一実施形態について以下で説明し、
図17のブロック図に示す照明および検出アセンブリ602のコンポーネントによって実行することができる。
【0144】
[00180] PPG信号のDCコンポーネントを判定するために、光検出器610から得られた生の信号642をADC1 644においてディジタル化する。ディジタル化した信号をバッファ(IR)646およびバッファ(赤)648の双方にそれぞれ渡す。これらのバッファは、各々、照合データをプロセッサ650に送る前に、100までのサンプルを格納することができる。
【0145】
[00181] 生のサンプルを用いて、プロセッサ650によって基準線DC成分を判定する。プロセッサ650において、Vsub(IR)およびVsub(赤)(即ち、DC成分)のディジタル値を計算する。Vsub信号652は、続いて、ディジタル/アナログ変換器(DAC)654によって変化する。
【0146】
[00182] 次いで、生信号Vrawから、判定したDC成分(Vsub)を減算して、Vac656を得る。次に、新たな生信号Vac656に、第2段増幅器658において第2段増幅を行い、Vppg660を得る。Vraw642と比較すると、信号対ノイズ比が改善される。
【0147】
[00183] 新たな生の信号660の分解能は、こうして、ADC662においてディジタル化されたときに、著しく向上する。これは、
図18AにおけるVraw信号642、
図18BにおけるVac656、および
図18CにおけるVppg660のグラフ表現から見ることができる。
【0148】
[00184]
図12を参照すると、データを収集するために、第1間隔1202および第2間隔1204のそれぞれにおいて、LED(IR)664およびLED(赤)666双方からの結果を読み出すことに対処するために、所定の間隔で切り替わるように、MCUクロック1200を設定する。
図12に示す非限定的な実施形態では、間隔1210を4ミリ秒に設定する。次いで、第3間隔1206および第4間隔1208において、データ収集シーケンスを繰り返す。2つのLED間における各切り替えの前に、ADC1 644およびADC2 662からのデータを取り込み、UARTに送る。
III.動作方法
[00185] 光学測定デバイスの使用方法の一実施形態例について、これより
図20を参照し、
図21Aから
図21Cに示す対応するGUI例も参照しながら説明する。彼または彼女のPPG信号を得ようとするユーザは、最初に、指のような身体部分を、光学測定デバイスのセンサ/測定面上に置く(S1402)。即ち、ユーザの表面を、測定のために、センサ面上におく。個々のユーザに対するデバイスの較正を実行してもよい(S1404)。ここで、ユーザは、力プロファイル804(
図8参照)に対応して、特定の時間期間にわたってある量の圧力を加えるように要求される。言い換えると、システムが、種々の印加圧力から結果的に得られるPPG波形を分析することによって(S1406)、ユーザにとって最適な圧力を決定することができるように、ユーザは、加える力を変化させるように要求される。また、ユーザには、
図21Bおよび
図21Cにおけるグラフ表示に示すように、特定の印加圧力量によって生成された少なくとも1つの測定PPG波形を提示することもできる。
図21Aは、印加圧力2108に関する、
図21Bおよび
図21Cにおける曲線の下の計算したエリア2110の関係を示すグラフ表示2106である。
図21Bおよび
図21Cは、それぞれ、グラフ表示2102および2104であり、異なる印加圧力における異なるPPG波形を示し、更に、PPG波形の曲線の下のエリアをどのように計算するのかについて示す。
図21Aに示すように、
図21Cにおいて加えられた最適圧力2118は、299mmHgであり、較正の間に検出されたPPG波形の最も広いエリア2110に対応する(S1404)。一旦この最適圧力が判定されたなら、後続の測定期間が開始し、この期間において、最適圧力よりも上または下となる最適範囲内の圧力を加えるようにユーザは要求される(S1408)。
図9Aに関して既に説明したように、ユーザによって加えられる圧力の量は、ディスプレイ614上のグラフ618に表示することができ、加える圧力の量をユーザがリアル・タイムで見ることができるようになる。また、圧力状態バー620を用いて、グラフ618を表示することもできる。ユーザによって加えられる力の量が最適範囲から外れる場合、本システムは、これをリアル・タイムに検出することができ、最適な圧力範囲に留まるため、そして出来るだけ良いPPG信号品質を記録するために、印加圧力を増大または減少するようにユーザに要求する(S1410)。
【0149】
[00186] 最適圧力は、測定されたPPG信号が最大の波形振幅を有する、またはPPG波形の下に最大のエリア2112を有するときの圧力として判定される。
図21Bに示すように、エリア2112は、PPG信号2114および基準線2116によって境界が定められる。次に、
図21Aは、センサ上に加えられた圧力2108に関する、PPG波形の下にあるエリア2112の変動をグラフで示す。この例において観察できるように、最適圧力2118は、299mmHgであり、曲線の下にあるエリア2112は、その最大値である11.63になる。
【0150】
[00187]
図22は、本発明の方法の実施形態を実現することができるコンピュータ/サーバ・システム2200の一実施形態を示すブロック図である。システム2200は、プロセッサ2202およびメモリ2203を含むコンピュータ/サーバ・プラットフォーム2201を含み、当業者には周知のように、命令を実行するように動作する。「コンピュータ読み取り可能媒体」という用語は、本明細書において用いられる場合、プロセッサ2202に命令を供給して実行することに関与するあらゆる媒体を指す。加えて、コンピュータ・プラットフォーム2201は、キーボード、マウス、タッチ・デバイス、または音声コマンドというような、複数の入力デバイス2204から入力を受ける。加えて、コンピュータ・プラットフォーム2201は、携帯用ハード・ドライブ、光媒体(CDまたはDVD)、ディスク媒体、またはコンピュータが実行可能コードを読み取ることができる他のあらゆる媒体というような、リムーバブル記憶デバイス2205に接続することもできる。更に、コンピュータ・プラットフォームは、インターネットあるいはローカルなパブリックまたはプライベートのネットワークのその他のコンポーネントに接続するネットワーク・リソースにも接続することができる。ネットワーク・リソース2206は、命令およびデータをコンピュータ・プラットフォームに、ネットワーク2207上の遠隔地から供給することができる。ネットワーク・リソース2206への接続は、802.11規格、Bluetooth(登録商標)またはセルラ・プロトコル、のようなワイヤレス・プロトコル、あるいはケーブルまたは光ファイバのような、物理的伝送媒体を通じてでもよい。ネットワーク・リソースは、コンピュータ・プラットフォーム2201からは離れた場所において、データおよび実行可能命令を格納するための記憶デバイスを含むことができる。コンピュータはディスプレイ2208と相互作用を行って、データおよび他の情報をユーザに出力し、更に追加の命令および入力をユーザに要求する。ディスプレイ2208は、したがって、更にユーザと対話処理するための入力デバイス2204としても動作することができる。
【0151】
[00188]
図23は、一実施形態において光学測定デバイスを用いて生理的信号を検出する方法を示す模式フロー・チャート2300である。ステップ2302において、照明および検出アセンブリを用いて、ユーザの表面部分を測定のために照明し、ユーザの前記表面部分からの透過または反射出力光を、信号として検出する。ステップ2304において、ユーザによって照明および検出アセンブリに加えられた圧力の量を、圧力検出アセンブリを用いて検出する。ステップ2306において、検出された圧力の量は、ユーザへのフィードバック情報として用いることができる。