(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリ(アリーレンエーテル)は、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位あるいはこれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
前記第1の混合物は、ステップ(2)において前記第1の混合物に含められる、レゾルシノールジホスフェート(RDP)およびビスフェノールAジフェニールホスフェート(BPADP)から構成される群から選択された難燃剤(e)を含むことを特徴とする請求項13に記載のプロセス。
【発明の概要】
【0004】
高水準の光学的透明度と耐衝撃性とを有する樹脂は、耐衝撃性を低減させることで既知の他の添加剤の存在下であっても、耐衝撃性改良剤を用いて調製できる。耐衝撃性改良剤は、ラジアルブロックコポリマーとリニアブロックコポリマーを含む。該混合物に、水素化炭化水素樹脂またはテルペン樹脂をさらに使用することによって、ベンゾイン、トリデシルホスファイトおよびレゾルシノール(ビスジフェニールホスフェート)などの他の添加剤の存在下であっても、多軸衝撃値が著しく改善され、また、製品樹脂の低ヘイズと高光透過率が維持された。従って、本発明は、
(a)ポリ(アリーレンエーテル)と;
(b1)アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとから構成され、前記アルケニル芳香族モノマーから誘導された約50〜約70質量%の繰り返し単位を含み、数平均分子量が約50,000〜約70,000原子質量単位のラジアルブロックコポリマーと、(b2)アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとから構成され、前記アルケニル芳香族モノマーから誘導された約55〜約70質量%の繰り返し単位を含むリニアブロックコポリマーと、であって、(b1)と(b2)との比が0.5:1〜4:1である両ブロックコポリマーと;
(c)1種または複数種の光学的増強剤と;
(d)水素化脂環式炭化水素樹脂と水素化テルペン樹脂から構成される群から選択された炭化水素樹脂と、を含み、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が15%以下;
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が75%以上、の特性の少なくとも一つで特徴付けられる組成物に係る。
【0005】
本発明はさらに、こうした組成物の製造プロセスおよび、こうした組成物から形成される物品のプロセスに係る。
【0006】
(発明の詳細な説明)
引用された特許、特許出願および他の参考文献はすべて、参照により本明細書に援用される。しかしながら、本出願中の用語が援用された参考文献の用語と矛盾するか対立する場合、本出願の用語が援用された参考文献の矛盾する用語に優先する。本明細書で開示された範囲はすべて、終点を含むものであり、該終点は互いに独立に組み合わせできる。本発明の記述文脈(特に以下の請求項の文脈)における単数表現は、本明細書で別途明示がある場合または文脈上明らかに矛盾する場合を除き、単数および複数を含むものと解釈される。また、本明細書で用いられる、「第1の」「第2の」などの用語は、いかなる順序や量あるいは重要度を表すものではなく、ある成分と他の成分とを区別するために用いられるものである。量に関連して用いる「約」は、記載された数値を含むものであり、文脈上決定される意味を有する(すなわち、特定の量の測定に関連した誤差の程度を含む)ものである。本明細書での質量%は、100質量%の組成物に対するものである。
【0007】
成分
(a)ポリ(アリーレンエーテル)
該組成物はポリ(アリーレンエーテル)を含む。一部の実施形態では、該組成物の製造に用いられるポリ(アリーレンエーテル)は下式の繰り返し構造単位を含む:
【化1】
式中、各構造単位に対し、Z
1はそれぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C
1−C
12ヒドロカルビル、C
1−C
12ヒドロカルビルチオ、C
1−C
12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC
2−C
12ハロヒドロカルビルオキシであり、Z
2はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C
1−C
12ヒドロカルビル、C
1−C
12ヒドロカルビルチオ、C
1−C
12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC
2−C
12ハロヒドロカルビルオキシである。
【0008】
本明細書において、「ヒドロカルビル」は、単独であるいは別の用語の接頭辞、接尾辞またはフラグメントとして使用されたとしても、炭素と水素だけを含む残基を指す。該残基は、脂肪族または芳香族、直鎖、環式、二環式、分枝鎖、飽和または不飽和であり得る。それはまた、脂肪族、芳香族、直鎖、環式、二環式、分枝鎖、飽和および不飽和炭化水素部分の組み合わせも含み得る。しかしながら、該ヒドロカルビル残基が「置換」として記載された場合、置換された残基の炭素員および水素員上にヘテロ原子を含み得る。このように、置換と具体的に記載された場合、該ヒドロカルビル残基には、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボン酸基、エステル基、アミノ基、アミド基、スルホニル基、スルホキシル基、スルホンアミド基、スルファモイル基、水酸基、アルコキシル基なども含まれ得、また、ヒドロカルビル残基の骨格内にヘテロ原子を含み得る。
【0009】
該ポリ(アリーレンエーテル)は、典型的には前記ヒドロキシ基のオルト位置に存在するアミノアルキル含有末端基を有する分子を含み得る。テトラメチルジフェノキノン(TMDQ)副生成物が存在する反応混合物から典型的に得られるテトラメチルジフェノキノン末端基が存在することも多い。一部の実施形態では、該ポリ(アリーレンエーテル)は、ポリ(アリーレンエーテル)の質量に対して、TMDQ末端基を5質量%未満、具体的には3質量%未満、より具体的には1質量%未満含む。一部の実施形態では、該ポリ(アリーレンエーテル)は、ポリ(アリーレンエーテル)1モル当たり平均で、約0.7〜約2モルの、具体的には約1〜約1.5モルの連鎖停止水酸基を含む。
【0010】
該ポリ(アリーレンエーテル)は、ホモポリマー、コポリマー、グラフトコポリマー、イオノマー、ブロックコポリマー、あるいはこれらを少なくとも1つ含む組合せの形態であり得る。ポリ(アリーレンエーテル)は、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位と選択的に組み合わせられた2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位を含むポリフェニレンエーテルを含む。一部の実施形態では、該ポリ(アリーレンエーテル)は、非官能化ポリ(アリーレンエーテル)である。非官能化ポリ(アリーレンエーテル)は、1つまたは複数のフェノールの重合生成物から成るポリ(アリーレンエーテル)である。該「非官能化ポリ(アリーレンエーテル)」には、酸官能化ポリ(アリーレンエーテル)や無水物官能化ポリ(アリーレンエーテル)などの官能化ポリ(アリーレンエーテル)は含まれない。一部の実施形態では、該ポリ(アリーレンエーテル)はポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)を含む。
【0011】
該ポリ(アリーレンエーテル)は、2,6−キシレノールおよびまたは2,3,6−トリメチルフェノールなどのモノヒドロキシ芳香族化合物(類)の酸化カップリングで調製される。こうしたカップリングでは、一般に触媒系が用いられる。それらの触媒系には、1級アミン、2級アミン、3級アミン、ハロゲン化物またはこれらの2つ以上の組合せなどの、1つまたは複数の配位子と通常は組み合わせられた、銅、マンガンまたはコバルト化合物などの重金属化合物が含まれ得る。
【0012】
一部の実施形態では、該ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度は、25℃のクロロホルム中、ウベローデ粘度計で測定して約0.2〜約1.0dL/gである。一部の実施形態では、該ポリ(アリーレンエーテル)の固有粘度は約0.3〜約0.6dL/gである。このポリ(アリーレンエーテル)がポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)の場合、約0.3〜約0.6dL/gの固有粘度範囲は、約16,000〜約25,000原子質量単位の範囲の数平均分子量に相当し得る。
【0013】
一部の実施形態では、該組成物は、2質量%以下の、具体的には1質量%以下の、より具体的には0.5質量%以下のポリ(アリーレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーを含む。一部の実施形態では、該組成物はポリ(アリーレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーを含まない。少なくとも1つのポリ(アリーレンエーテル)ブロックと少なくとも1つのポリシロキサンブロックとを含むポリ(アリーレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマーは、例えば、米国特許出願公報第2010/0139944A1号(Guoら)に記載されている。
【0014】
一部の実施形態では、該ポリ(アリーレンエーテル)は、その比が約1.3:1〜約4:1である質量平均分子量とピーク分子量とで特徴付けられる。この範囲内で、この比は約1.5:1〜約3:1であり得、具体的には約1.5:1〜約2.5:1であり得、より具体的には約1.6:1〜約2.3:1であり得、さらにより具体的には1.7:1〜約2.1:1であり得る。本明細書での「ピーク分子量」は、分子量分布において最瀕分子量として定義される。統計用語では、ピーク分子量は分子量分布モードである。実用語では、分子量がゲル透過クロマトグラフィなどのクロマトグラフ法で決定される場合、ピーク分子量は、分子量(X軸)と吸光度(Y軸)のプロットの最高点におけるポリ(アリーレンエーテル)の分子量である。
【0015】
一部の実施形態では、該ポリ(アリーレンエーテル)は、取り込まれたジフェノキノン残基を本質的に含まない。「ジフェノキノン残基」は、本発明での使用に考慮したポリ(アリーレンエーテル)を生じる酸化重合反応で形成され得る二量体部分を意味する。米国特許第3,306,874号(Hay)に記載されているように、一価フェノールの酸化重合によるポリ(アリーレンエーテル)の合成では、所望のポリ(アリーレンエーテル)だけでなく、ジフェノキノンも副生成物として産出される。例えば、一価フェノールが2,6−ジメチルフェノールの場合、3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノン(TMDQ)が生成される。該ジフェノキノンは典型的には、前記重合反応混合物を加熱して末端または内部ジフェノキノン残基を含むポリ(アリーレンエーテル)を生成することによって、ポリ(アリーレンエーテル)内に「再平衡される」(すなわち、ジフェノキノンがポリ(アリーレンエーテル)構造内に取り込まれる)。本明細書での「本質的に含まない」とは、核磁気共鳴分光法(NMR)で測定したジフェノキノンの残基(TMDQのモル数×TMDQ単位の分子量)/(ポリマーのモル数×数平均分子量(Mn))を含むポリ(アリーレンエーテル)分子が1質量%未満であることを意味する。一部の実施形態では、ジフェノキノンの残基を含むポリ(アリーレンエーテル)分子は0.5質量%未満である。
【0016】
例えば、以下のスキームに示すように、ポリ(アリーレンエーテル)を2,6−ジメチルフェノールの酸化重合で調製してポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンを産出する場合、反応混合物の再平衡によって、取り込まれたジフェノキノンの末端および内部残基を有するポリ(アリーレンエーテル)が生成され得る。
【化2】
【0017】
しかしながら、こうした再平衡によって、ポリ(アリーレンエーテル)の分子量が低減する(例えば、pおよびq+rはn未満)。従って、より高分子量で安定した分子量のポリ(アリーレンエーテル)が望ましい場合、該ジフェノキノンをポリ(アリーレンエーテル)鎖へ再平衡化させずに、ポリ(アリーレンエーテル)から分離することが望ましいものであり得る。こうした分離は、例えば、ポリ(アリーレンエーテル)は不溶だがジフェノキノンが可溶の溶媒または溶媒混合物に、ポリ(アリーレンエーテル)を沈殿させることによって実現される。
【0018】
例えば、トルエン中の2,6−ジメチルフェノールの酸化重合によってポリ(アリーレンエーテル)を調製して、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)と3,3’,5,5’−テトラメチルジフェノキノンとを含むトルエン溶液を産出する場合、ジフェノキノンを本質的に含まないポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)は、該トルエン溶液1容積とメタノールまたはメタノール/水混合物約4容積とを混合することによって得られる。あるいは、酸化重合中に生成されるジフェノキノン副生成物の量は、(例えば、10質量%未満の一価フェノールの存在下で酸化重合を開始し、少なくとも50分の間に少なくとも95質量%の一価フェノールを添加することによって)最小化でき、およびまたは、ポリ(アリーレンエーテル)鎖へのジフェノキノンの再平衡は、(例えば、酸化重合終了後200分以内にポリ(アリーレンエーテル)を単離することによって)最小化できる。これらの方法は、国際特許出願第12/255694号(米国特許出願公報第2009/0211967号(Delsmanら))に記載されている。あるいは、ジフェノキノン量は、重合中に形成されたTMDQをろ過によって除去することによって、具体的には重合反応器への酸素供給を停止後にろ過することによって実現され得る。
【0019】
一部の実施形態では、該ポリ(アリーレンエーテル)はポリ(フェニレンエーテル)である。
【0020】
(b)ラジアルブロックコポリマー(b1)およびリニアブロックコポリマー(b2)
該組成物は、ポリ(アリーレンエーテル)に加えて、ラジアルブロックコポリマーとリニアブロックコポリマーとを含んでおり、これらのブロックコポリマーは水素化されていてもよい。
【0021】
該ラジアルおよびリニアブロックコポリマーは共に、アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンから調製されてもよい。
【0022】
(b1)ラジアルブロックコポリマー(b1)
本明細書での「ラジアルブロックコポリマー」は、ポリ(共役ジエン)ブロックと、ポリ(アルケニル芳香族)ブロックと、該ラジアルブロックコポリマーの分岐点または半径(radius)として作用するカップリング剤の残基と、を含む分枝ポリマーを指す。より具体的には、ラジアルブロックコポリマー構造では、ポリ(共役ジエン)ポリマーの通常は3個以上の複数鎖はそれぞれ、一方の端末でカップリング剤の残基に共有結合し、他方の端末でポリ(アルケニル芳香族)のブロックに共有結合している。一部の実施形態では、該ラジアルブロックコポリマーは、該ポリ(共役ジエン)ブロックと、ポリ(アルケニル芳香族)ブロックと、カップリング剤の残基と、から構成される。該ラジアルブロックコポリマーは、例えば、他の重合性モノマーから誘導された残基を含まなくてもよい。
【0023】
該ラジアルブロックコポリマーの製造に用いられるアルケニル芳香族モノマーは下式の構造を有し得る:
【化3】
式中、R
1およびR
2はそれぞれ独立に、水素原子、C
1−C
8アルキル基またはC
2−C
8アルケニル基を表し;R
3およびR
7はそれぞれ独立に、水素原子、C
1−C
8アルキル基、塩素原子または臭素原子を表し;R
4〜R
6はそれぞれ独立に、水素原子、C
1−C
8アルキル基またはC
2−C
8アルケニル基を表し、あるいは、R
3およびR
4は、中央の芳香環と共にナフチル基を形成し、あるいは、R
4およびR
5は、中央の芳香環と共にナフチル基を形成する。好適なアルケニル芳香族モノマーとしては、例えば、スチレン、p−クロロスチレンなどのクロロスチレン、α−メチルスチレンやp−メチルスチレンなどのメチルスチレン、およびこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、該アルケニル芳香族モノマーはスチレンである。
【0024】
該ラジアルブロックコポリマーの製造に用いられる共役ジエンは、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンおよびこれらの組み合わせであってもよい。一部の実施形態では、該共役ジエンは1,3−ブタジエンである。一部の実施形態では、該共役ジエンは2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)である。
【0025】
該カップリング剤は、少なくとも3つのブロックコポリマーを結合できる任意の化合物であってもよい。こうした化合物の例としては、マルチビニル芳香族化合物;マルチエポキシド化合物(エポキシ化大豆油を含む);マルチイソシアネート化合物;マルチイミン化合物;マルチアルデヒド化合物;マルチケトン化合物;マルチハロゲン化物;マルチ無水物化合物;およびマルチエステル化合物が挙げられる。カップリング剤の量は、組成物の合計質量に対して、典型的には約0.1〜約1質量%である。
【0026】
該ラジアルブロックコポリマーは、該アルケニル芳香族モノマーから誘導された繰り返し単位を約50〜約70質量%含み、その数平均分子量は約50,000〜約70,000原子質量単位である。ラジアルブロックコポリマーの数平均分子量は、ポリスチレン標準を用いたゲル透過クロマトグラフィによって決定され得る。
【0027】
一部の実施形態では、該ラジアルブロックコポリマーは水素化されていない(「未水素化」)。具体的には、該共役ジエンの重合で得られたポリ(共役ジエン)ブロック中の残余の脂肪族不飽和は、水素化によって低減されていない。
【0028】
一部の実施形態では、該ラジアルブロックコポリマーは、ラジアルブロックコポリマー中の脂肪族炭素−炭素二重結合の総数の5%未満が架橋している。具体的には、該ラジアルブロックコポリマーは、異なるラジアルブロックコポリマー分子のポリ(共役ジエン)ブロック間に共有結合架橋を形成する放射または化学物質による処理によって、意図的に架橋されたものではない。
【0029】
ラジアルブロックコポリマーの調製方法は当分野で既知であり、例えば、米国特許第3,281,383号(Zelinskiら)、同第3,639,517号(Kitchenら)、同第4,180,530号(Biら)および同第6,127,487号(Ahmedら)に記載されている方法などが挙げられる。また、ラジアルブロックコポリマーは、Chevron Phillips Chemical社からK−Resin(KK38、KR01、KR03およびKR05を含む)として市販されてもいる。
【0030】
一部の実施形態では、該ラジアルブロックコポリマーはChevron Phillips KK38である。
【0031】
(b2)リニアブロックコポリマー(b2)
該リニアブロックコポリマーの調製に用いられるアルケニル芳香族モノマーは、該ラジアルブロックコポリマーと同じ構造を有していてもよい。該水素化ブロックコポリマーの調製に用いられる共役ジエンは、該ラジアルブロックコポリマー用に準備されたものと同じであり得る。好適な共役ジエンとしては、例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなど、およびこれらの組み合わせが挙げられる。一部の実施形態では、該共役ジエンは、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエンあるいはこれらの組み合わせである。一部の実施形態では、該共役ジエンは1,3−ブタジエンから構成される。
【0032】
該リニアブロックコポリマーは、(A)アルケニル芳香族化合物から誘導された少なくとも1つのブロックと、(B)共役ジエンから誘導された少なくとも1つのブロックと、を含み、ブロックB中の脂肪族不飽和基含量が水素化によって少なくとも部分的に低減されているコポリマーである。一部の実施形態では、Bブロック中の脂肪族不飽和は、少なくとも約55%〜約70%低減されている。ブロックAとBの配置にはリニア構造が含まれる。リニアブロックコポリマーには、傾斜型リニア構造および非傾斜型リニア構造がある。一部の実施形態では、該リニアブロックコポリマーは傾斜型リニア構造を有する。一部の実施形態では、該リニアブロックコポリマーは非傾斜型リニア構造を有する。一部の実施形態では、該リニアブロックコポリマーは、アルケニル芳香族モノマーがランダムに取り込まれたBブロックを含む。リニアブロックコポリマー構造には、ジブロック(A−Bブロック)構造、トリブロック(A−B−AブロックまたはB−A−Bブロック)構造、テトラブロック(A−B−A−Bブロック)構造、ペンタブロック(A−B−A−B−AブロックあるいはB−A−B−A−Bブロック)構造、およびA−Bが合計で6個以上含まれたリニア構造などがあり、ここで、各Aブロックの分子量は、他のAブロックのそれと同じであっても異なっていてもよく、各Bブロックの分子量は、他のBブロックのそれと同じであっても異なっていてもよい。一部の実施形態では、該リニアブロックコポリマーは、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマーまたはこれらの組み合わせである。
【0033】
一部の実施形態では、該リニアブロックコポリマーは、該アルケニル芳香族化合物と共役ジエン以外のモノマーの残基を含まない。一部の実施形態では、該水素化ブロックコポリマーは、該アルケニル芳香族化合物と共役ジエンから誘導されたブロックから構成される。該ブロックコポリマーは、これらで形成されたグラフト、あるいは他の任意のモノマーで形成されたグラフトを含まない。また、該ブロックコポリマーは炭素原子と水素原子から構成され、従って、ヘテロ原子を含まない。
【0034】
一部の実施形態では、該リニアブロックコポリマーは、無水マレイン酸などの1つまたは複数の酸官能化剤の残基を含む。
【0035】
一部の実施形態では、該リニアブロックコポリマーは、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーを含む。
【0036】
一部の実施形態では、該リニアブロックコポリマーは、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン−スチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーを含む。
【0037】
一部の実施形態では、該リニアブロックコポリマーは、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン−スチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーと、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレントリブロックコポリマーと、を含む。
【0038】
一部の実施形態では、該リニアブロックコポリマーは、スチレンエチレンブチレンスチレンブロックコポリマーである。
【0039】
一部の実施形態では、該リニアブロックコポリマーは、アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとのブロックコポリマーであり、該アルケニル芳香族モノマーから誘導された繰り返し単位を約55〜約70質量%含む。
【0040】
一部の実施形態では、該リニアブロックコポリマーは、Asahi Tuftec H1043である。
【0041】
別の実施形態では、該ラジアルブロックコポリマーがChevron Phillips KK38である場合、リニアブロックコポリマーは、Asahi Tuftec H1043である。
【0042】
一部の実施形態では、本発明の組成物における(b1)の質量%は、(b2)の質量%未満である。他の実施形態では、本発明の組成物における(b1)の質量%は、(b2)の質量%超である。
【0043】
一部の実施形態では、該組成物における(b1)と(b2)との比は0.5:1〜4:1である。一部の実施形態では、該組成物における(b1)と(b2)との質量%比は1:1〜3:1である。他の実施形態では、該組成物における(b1)と(b2)との質量%比は1.5:1〜2.5:1である。他の実施形態では、該組成物における(b1)と(b2)との質量%比は1.75:1〜2.25:1である。他の実施形態では、該組成物における(b1)と(b2)との質量%比は1.9:1〜2.1:1である。他の実施形態では、該組成物における(b1)と(b2)との質量%比は2:1である。
【0044】
(c)光学的増強剤
該ポリ(アリーレンエーテル)とブロックコポリマーとを含む組成物の光学的特性は、ある添加剤の添加によって向上させられる。従って、少なくとも1種の光学的増強剤を該組成物に含有させてもよい。該組成物を脱色する光学的増強剤は、α−ヒドロキシケトンと、未置換または置換トリヒドロカルビルホスファイトと、下式(I)(II)または(III)のカルボン酸化合物およびその水和物と無水物と、から構成される群から選択される:
【化4】
式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立に、水素と、ヒドロキシ基(−OH)、ケトン基(−C(=O)−)、エーテル系酸素(−O−)およびカルボン酸基(−CO
2H)から選択された1つまたは複数の置換基で選択的に置換されたC
1−C
12ヒドロカルビルと、から構成される群から選択される。該選択的な二価ケトン置換基とエーテル系酸素置換基は、式(I)(II)または(III)の骨格あるいは置換基内に組み込まれていてもよい。
【0045】
α−ヒドロキシケトンは、R
9が、選択的にヒドロキシ基またはケトン基で置換されたC
1−C
12ヒドロカルビルであり;R
10が、水素あるいは、選択的にヒドロキシ基またはケトン基で置換されたC
1−C
12ヒドロカルビルである下記の一般式で表される。
【化5】
好適なα−ヒドロキシケトンとしては、例えば、ヒドロキシアセトン(1−ヒドロキシ−2−プロパノン)(CAS登録番号第116−09−6号)、アセトイン(3−ヒドロキシ−2−ブタノン)(CAS登録番号第513−86−0号)、2−ヒドロキシアセトフェノン(CAS登録番号第528−24−1号)、ベンゾイン(2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノン)(CAS登録番号第119−53−9号)2−ヒドロキシ−1−フェニル−2−p−トリル−エタノン(CAS登録番号第2431−02−9号)など、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0046】
トリヒドロカルビルホスファイトは、一般構造P(OR
11)
3を有し得る:式中、R
11はそれぞれ独立にC
1−C
18ヒドロカルビルである。一部の実施形態では、R
11はそれぞれ独立にC
6−C
18アルキルである。好適なトリヒドロカルビルホスファイトとしては、例えば、トリオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト(TDP)、トリドデシルホスファイト、フェニルジデシルホスファイト、デシルジフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリトリルホスファイトなど、およびこれらの組み合わせが挙げられる。好適なトリヒドロカルビルホスファイトとしてさらに、例えば3,9−ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン(CAS登録番号第26741−53−7号;Ciba社から商標名IRGAFOS126として市販)などのスピロジホスファイトが挙げられる。
【0047】
上記のように、該カルボン酸化合物としては、式(I)(II)または(III)で表されるものおよびそれらの水和物と無水物が挙げられる。式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立に、水素と、ヒドロキシ基、ケトン基、エーテル系酸素およびカルボン酸基から選ばれた1つまたは複数の置換基で選択的に置換されたC
1−C
12ヒドロカルビルと、から構成される群から選択される。好適なカルボン酸化合物としては、例えば、アコニット酸(CAS登録番号第499−12−7号)、アガリシン酸(CAS登録番号第666−99−9号)、クエン酸(CAS登録番号第77−92−9号)、シトラコン酸(CAS登録番号第498−23−7号)、フマル酸(CAS登録番号第110−17−8号)、無水イタコン酸(CAS登録番号第2170−03ー8号)、リンゴ酸(CAS登録番号第6915−15−7号)、マレイン酸(CAS登録番号第110−16−7号)など、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0048】
一部の実施形態では、該組成物は、ベンゾイン、クエン酸およびTDPの少なくとも1つを含む。一部の実施形態では、該組成物は、ベンゾインとTDPを含む。
【0049】
(d)炭化水素樹脂
本発明の組成物は流動促進剤も含む。一実施形態では、該流動促進剤は脂環式炭化水素樹脂である。不飽和C
5−C
9モノマーから誘導された低分子量炭化水素樹脂は特に有用である。非限定的な例としては、例えば、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、メチルシクロペンタジエンなどの環式オレフィンおよびジオレフィンと、例えば、ジシクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン二量体などの環式ジオレフィンジエンと、が挙げられる。また、該樹脂は、部分的または完全に水素化され得る。低分子量炭化水素樹脂の典型的な市販品としては、Eastman Chemical社から商標名Piccotac(登録商標)で市販されている炭化水素樹脂;軟化点に応じてArkon(登録商標)P140、P125、P115、P100、P90およびP70など、荒川化学工業(株)から商標名Arkon(登録商標)で市販されている、C
9モノマー系の完全水素化脂環式炭化水素樹脂または、Arkon(登録商標)M135、M115、M100およびM90として市販されている部分水素化炭化水素樹脂;軟化点に応じてRegalite(登録商標)R1100、S1100、R1125、R1090RおよびR1010など、Eastman Chemical社から商標名Regalite(登録商標)で市販されている完全または部分水素化炭化水素樹脂または、Regalite(登録商標)R7100、R9100、S5100およびS7125として市販されている部分水素化樹脂;および、Escorez(登録商標)1000、2000および5000シリーズなど、Exxon Chemical社から商標名Escorez(登録商標)で市販されている、C
5−C
9原料系の炭化水素樹脂およびその混合物あるいは、Escorez(登録商標)5300、5400および5600シリーズとして市販されている、環式およびC
9モノマー系の、選択的に水素化された炭化水素樹脂が挙げられる。
【0050】
特定の実施形態では、該流動促進剤は脂環式水素化炭化水素樹脂である。前述のように、こうした樹脂は、Arkon P−125およびArkon P−140など、荒川化学工業(株)から商標名Arkon(登録商標)で市販されている。
【0051】
別の実施形態では、該流動促進剤は水素化テルペン樹脂である。こうした水素化テルペン樹脂の例としては、(ヤスハラケミカル(株)製の)Clearon P、MおよびK樹脂、特にClearon P−150が挙げられる。
【0052】
(e)難燃剤
該組成物は選択的に難燃剤を含む。典型的な難燃性添加剤の量は、望ましくは、少なくともポリエステル樹脂の可燃性の低減に十分なものであり、好適には保険業者研究所94(UL94)V−0等級に十分なものである。この量は、樹脂の性質および添加剤の効率に応じて変わるであろう。しかしながら、添加剤の量は一般に2〜30質量%であろう。
【0053】
典型的な難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、ポリブロモフェニルエーテル、臭素化ポリスチレン、臭素化BPAポリエポキシド、臭素化イミド、臭素化ポリカーボネート、ポリ(ハロアリールアクリレート)、ポリ(ハロアリールメタクリレート)あるいはこれらの混合物などのハロゲン化難燃剤が挙げられる。
【0054】
他の好適な難燃剤としては、ポリジブロモスチレンやポリトリブロモスチレンなどの臭素化ポリスチレン、デカブロモビフェニルエタン、テトラブロモビフェニル、例えばN,N’−エチレン−ビス−テトラブロモフタルイミドなどの臭素化α,ω−アルキレン−ビス−フタルイミド、ポリ(ペンタブロモベンジル)アクリレート、オリゴマー性臭素化カーボネート、特に、テトラブロモビスフェノールAから誘導され、必要に応じて、フェノキシラジカルまたは臭素化フェノキシラジカルで末端キャップ化されたカーボネート、あるいは臭素化エポキシ樹脂が挙げられる。
【0055】
該ハロゲン化難燃剤は、典型的には、共力剤、特に無機アンチモン化合物と共に使用される。こうした化合物は広範に入手可能であり、あるいは既知の方法で製造できる。典型的な無機共力剤化合物としては、Sb
2O
5、Sb
2S
3、アンチモン酸ナトリウムなどが挙げられる。三酸化アンチモン(Sb
2O
3)は特に好適である。酸化アンチモンなどの共力剤の量は、最終組成物中の樹脂の質量に対して、典型的には約0.5〜15質量%である。
【0056】
一部の実施形態では、該組成物は、有機リン酸エステル、金属ジアルキルホスフィネート、窒素含有難燃剤、金属水酸化物およびこれらの混合物から構成される群から選択された難燃剤を含む。
【0057】
典型的な有機リン酸エステル難燃剤としては、これに限定されないが、フェニル基、置換フェニル基、またはこれらの組み合わせを含むリン酸エステル、例えばレゾルシノールビス−ジフェニルホスフェートなどのレゾルシノール系ビス−アリールホスフェートエステルおよび、例えばビス−フェノールAビス−ジフェニルホスフェートなどのビスフェノール系ビス−アリールホスフェートエステルなどが挙げられる。一部の実施形態では、該有機リン酸エステルは、トリス(アルキルフェニル)ホスフェート(例えば、CAS登録番号第89492−23−9号または同第78−33−1号)、レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート(例えばCAS登録番号第57583−54−7号)、ビス−フェノールAビス−ジフェニルホスフェート(例えばCAS登録番号第181028−79−5号)、トリフェニルホスフェート(例えばCAS登録番号第115−86−6号)、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート(例えばCAS登録番号第68937−41−7号)およびこれらの有機リン酸エステル類の複数のものの組み合わせなどが挙げられる。
【0058】
一部の実施形態では、該有機リン酸エステルは、式IVのビス−アリールホスフェートを含む:
【化6】
式中、R、R
5およびR
6はそれぞれ独立に、C
1−C
5アルキル基であり、R
1〜R
4は独立に、C
1−C
10アルキル基、C
1−C
10アリール基、C
1−C
10アリールアルキル基あるいはC
1−C
10アルキルアリール基であり;nは1〜25の整数であり、s1とs2は独立に、0〜2の整数である。一部の実施形態では、OR
1、OR
2、OR
3およびOR
4はそれぞれ独立に、フェノール、モノアルキルフェノール、ジアルキルフェノールまたはトリアルキルフェノールから誘導される。
【0059】
当業者には容易に理解されるように、該ビス−アリールホスフェートはビスフェノールから誘導される。典型的なビスフェノールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(所謂ビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタンおよび1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどが挙げられる。一部の実施形態では、該ビスフェノールはビスフェノールAを含む。
【0060】
有機リン酸エステルは、該熱可塑性組成物に用いられる異なる有機リン酸エステルの量の決定を困難にする異なる分子量を有し得る。一部の実施形態では、該有機リン酸エステルの結果としてのリン酸の量は、該組成物の合計質量に対して、0.8質量%〜1.2質量%である。
【0061】
該難燃剤が熱可塑性組成物中に存在する場合、その量は、被覆導体が、被覆導体タイプの関連する難燃性基準に合格するに十分なものである。例えば、該被覆導体がある被覆導体の場合、難燃剤の量は、国際標準化機構(ISO)6722で規定される火炎伝播手順に準拠して試験時の被覆導体の消炎時間が70秒以下とするに十分なものである。
【0062】
一部の実施形態では、該難燃剤は、組成物の合計質量に対して5〜30質量%の量の有機リン酸エステルを含む。この範囲内で、有機リン酸エステルの量は7質量%以上であり得、より具体的には10質量%以上であり得る。またこの範囲内で、有機リン酸エステルの量は25質量%以下であり得、より具体的には20質量%以下であり得る。
【0063】
(f)他の添加剤
該組成物には選択的に、1種または複数種の添加剤がさらに含まれていてもよい。こうした添加剤としては、例えば、安定剤、離型剤、加工助剤、難燃剤、防滴剤、成核剤、UVカット剤、染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤、鉱油、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤など、およびこれらの組み合わせが挙げられる。添加剤は、組成物の所望の物性を許容できないほど低下させない量で添加され得る。例えば、該組成物は、その合計質量に対して、約0.1〜約10質量%の添加剤を含んでいてもよい。
【0064】
一部の実施形態では、該組成物は充填剤をさらに含む。該充填剤は好適には、組成物の所望の光学的特性を損なわないものである。従って、一部の実施形態では、該組成物は、いずれかの寸法が200nm超の粒子を5質量%未満含む充填剤を含む。該充填剤は、いずれかの寸法が200nm超の粒子を実質的に含まなくてもよい。こうした充填剤としては、例えば、ナノタルク、ヒュームドシリカおよびナノクレイが挙げられる。
【0065】
一部の実施形態では、該組成物は、上記以外のポリマー成分を含まない。例えば、該組成物は、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、該ラジアルブロックコポリマー以外のブロックコポリマー、エポキシ置換ポリマー(エポキシ置換ポリ(アリーレンエーテル)を含む)および水溶性ポリマー(ヨーロッパ特許出願第1,512,725A1号(Ito)に記載されているものなど)を含まなくてもよい。
【0066】
組成物
一部の実施形態では、該組成物は、
(a)ポリ(フェニレンエーテル)であるポリ(アリーレンエーテル)と、
(b1)と(b2)との質量比が0.5:1〜4:1である、(b1)KK38および(b2)Tuftec H1043と、
(c)ベンゾイン(c1)とTDP(c2)とを含む混合物と、
(d)ARKON P−125(登録商標)、ARKON P−140(登録商標)およびCLEARON P−150(登録商標)から構成される群から選択された炭化水素樹脂と、
選択的に、
(e)レゾルシノール(ビスジフェニールホスフェート)(RDP)とビスフェノールAジフェニールホスフェート(BPADP)とから構成される群から選択された非ハロゲン化難燃剤と、を含む。
【0067】
一部の実施形態では、(e)はRDPである。
【0068】
一部の実施形態では、(b1)と(b2)との質量%比は1.5:1〜3:1である。
【0069】
一部の実施形態では、(b1)と(b2)との質量%比は1.75:1〜2.25:1である。
【0070】
一部の実施形態では、(b1)と(b2)との質量%比は1.9:1〜2.1:1である。
【0071】
一部の実施形態では、組成物中の(a)の質量%は30〜85%である。一部の実施形態では、組成物中の(a)の質量%は30〜60%である。
【0072】
一部の実施形態では、組成物中のChevron Phillips KK38(登録商標)(b1)の質量%は10〜30%であり、また、組成物中のAsahi Tuftec H1043(登録商標)(b2)の質量%は5〜15%であり、従って、(b1)と(b2)との質量%比は2.25:1〜1.75:1である。
【0073】
一部の実施形態では、組成物中のベンゾイン(c1)の質量%は0.01〜1%であり、組成物中のTDP(c2)の質量%は0.01〜0.7%である。他の実施形態では、組成物中のベンゾインの質量%は0.2〜0.9質量%であり、組成物中のTDPの質量%は0.01〜0.6質量%である。
【0074】
一部の実施形態では、組成物中の(d)の質量%は1〜20%である。他の実施形態では、組成物中の(d)の質量%は2〜12%である。
【0075】
一部の実施形態では、組成物中の(e)の質量%は0〜20%である。一部の実施形態では、組成物中の(e)の質量%は6〜14%である。
【0076】
一部の実施形態では、該組成物は,
40〜80質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との比が2.25:1〜1.75:1である、12〜36質量%のKK38および6〜18質量%のTuftec 1043と、を含む。
【0077】
一部の実施形態では、該組成物は,
40〜80質量%の(a)と、
30質量%のKK38と、
15質量%のTuftec H1043と、
0.2〜0.8質量%のベンゾインと、
0.1〜0.6質量%のTDP(c2)と、
0〜13質量%のRDPと、を含む。
【0078】
これらおよび他の実施形態では、組成物中のdの質量%は2〜12質量%であり、また、該組成物は、
(i)多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ヘイズ率が6%以下;
(iii)透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数によって特徴付けられ、好適には2つ以上の特性によって特徴付けられ、より好適には3つの特性すべてによって特徴付けられる。
【0079】
一部の実施形態では、該組成物は,
40〜80質量%の(a)と、
25質量%のKK38と、
12.5質量%のTuftec H1043と、
0.2〜0.8質量%のベンゾインと、
0.1〜0.6質量%のTDP(c2)と、
0〜13質量%のRDPと、を含む。
【0080】
これらおよび他の実施形態では、組成物中のdの質量%は2〜12質量%であり、また、該組成物は、
(i)多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ヘイズ率が6%以下;
(iii)透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数によって特徴付けられ、好適には2つ以上の特性によって特徴付けられ、より好適には3つの特性すべてによって特徴付けられる。
【0081】
一部の実施形態では、組成物中のARKON P−125(登録商標)の質量%は5〜12質量%であり、また、該組成物は、
(i)多軸衝撃強度が少なくとも30J;
(ii)ヘイズ率が6%以下;
(iii)透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数によって特徴付けられ、好適には2つ以上の特性によって特徴付けられ、より好適には3つの特性すべてによって特徴付けられる。
【0082】
一部の実施形態では、組成物中のARKON P−140(登録商標)の質量%は3〜8質量%であり、また、該組成物は、
(i)多軸衝撃強度が少なくとも25J;
(ii)ヘイズ率が6%以下;
(iii)透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数によって特徴付けられ、好適には2つ以上の特性によって特徴付けられ、より好適には3つの特性すべてによって特徴付けられる。
【0083】
一部の実施形態では、組成物中のCLEARON P−150(登録商標)の質量%は2〜8質量%であり、また、該組成物は、
(i)多軸衝撃強度が少なくとも25J;
(ii)ヘイズ率が6%以下;
(iii)透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数によって特徴付けられ、好適には2つ以上の特性によって特徴付けられ、より好適には3つの特性すべてによって特徴付けられる。
【0084】
一部の実施形態では、該組成物は、
30〜60質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との質量%比が2.25:1〜1.75:1である、20〜36質量%の(b1)および10〜18質量%の(b2)と、
0.1〜1質量%の(c1)と、
0.1〜0.7質量%の(c2)と、
4〜15質量%の(d)と、
0〜15質量%の(e)と、を含む。
【0085】
これらおよび他の実施形態では、組成物中のベンゾイン(c1)の質量%は0.2〜0.9質量%であり、組成物中のTDP(c2)の質量%は0.01〜0.6質量%である。
【0086】
一部の実施形態では、100質量%の(a)、(b1)、(b2)、(c1)、(c2)、(d)および(e)を含む組成物は、その質量に対して、
41.0〜48.7質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との比が2.25:1〜1.75:1である、24〜26質量%の(b1)および12〜13質量%の(b2)と、
0,2〜0.4質量%の(c1)と、
0.1〜0.6質量%の(c2)と、
4〜6質量%の(d)と、
11〜13質量%のRDPと、を含み、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が12%以下;
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数によって特徴付けられ、好適には2つ以上の特性によって特徴付けられ、より好適には3つの特性すべてによって特徴付けられる。
【0087】
一部の実施形態では、該組成物は、
35〜55質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との比が2.25:1〜1.75:1である、12〜36質量%のKK38および6〜18質量%のTuftec 1043と、
0.2〜0.8質量%のベンゾインと、
0.1〜0.6質量%のTDP(c2)と、
2〜12質量%のArkon P−125と、
0〜13質量%のRDPと、を含み、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が12%以下;
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数によって特徴付けられ、好適には2つ以上の特性によって特徴付けられ、より好適には3つの特性すべてによって特徴付けられる。
【0088】
一部の実施形態では、該組成物は、
35〜55質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との比が2.25:1〜1.75:1である、12〜36質量%のKK38および6〜18質量%のTuftec 1043と、
0.4〜0.8質量%のベンゾインと、
0.1〜0.6質量%のTDP(c2)と、
2〜12質量%のArkon P−140と、
0〜13質量%のRDPと、を含み、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が12%以下;
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数によって特徴付けられ、好適には2つ以上の特性によって特徴付けられ、より好適には3つの特性すべてによって特徴付けられる。
【0089】
一部の実施形態では、該組成物は、
40〜50質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との比が2.25:1〜1.75:1である、12〜36質量%のKK38および6〜18質量%のTuftec 1043と、
0.2〜0.8質量%のベンゾインと、
0.1〜0.6質量%のTDP(c2)と、
2〜12質量%のClearon−150と、
0〜13質量%のRDPと、を含み、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が6%以下;
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数によって特徴付けられ、好適には2つ以上の特性によって特徴付けられ、より好適には3つの特性すべてによって特徴付けられる。
【0090】
一部の実施形態では、該組成物は、
30〜60質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との質量%比が2.25:1〜1.75:1である、12〜36質量%の(b1)および6〜18質量%の(b2)と、
0.1〜1質量%の(c)と、
(d)がARKON P−125、ARKON P−140またはCLEARON P−150である、2〜15質量%の(d)と、を含む。
【0091】
この実施形態および他の実施形態では、(c)は、ヒドロキシアセトン(1−ヒドロキシ−2−プロパノン)(CAS登録番号第116−09−6号)、アセトイン(3−ヒドロキシ−2−ブタノン)(CAS登録番号第513−86−0号)、2−ヒドロキシアセトフェノン(CAS登録番号第528−24−1号)、ベンゾイン(2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノン)(CAS登録番号第119−53−9号)および2−ヒドロキシ−1−フェニル−2−p−トリル−エタノン(CAS登録番号第2431−02−9号)から構成される群から選択されたα−ヒドロキシケトンである(c1)と;トリオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、フェニルジデシルホスファイト、デシルジフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイトおよびトリトリルホスファイトから構成される群から選択された、式P(OR
11)
3(式中、R
11は、それぞれ独立にC
1−C
18ヒドロカルビル)のトリヒドロカルビルホスファイトである(c2)と、を含む。より詳しくは、(c1)はベンゾインであり、(c2)は、トリオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト(TDP)、トリドデシルホスファイト、フェニルジデシルホスファイト、デシルジフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイトおよびトリトリルホスファイトから構成される群から選択される。この実施形態および他の実施形態における組成物は、0.2〜0.9質量%のベンゾイン(c1)と、0.01〜0.6質量%のTDP(c2)と、を含む。
【0092】
この実施形態および他の実施形態では、該組成物はさらに、ハロゲン化難燃剤または亜リン酸含有難燃剤のいずれかの難燃剤(e)を0〜15質量%含む。より詳しくは、(e)は、レゾルシノール(ビスジフェニールホスフェート)(RDP)またはビスフェノールAジフェニールホスフェート(BPADP)である。
【0093】
一部の実施形態では、該組成物は、
(b1)がKK38であり、
(b2)がTuftec 1043であり、
(c)がベンゾインであり、
さらに、0.01〜0.6質量%のTDPと、0〜15質量%のRDPと、を含む。
【0094】
一部の実施形態では、該組成物は、
30〜60質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との質量比が2.25:1〜1.75:1である、20〜36質量%の(b1)および10〜18質量%の(b2)と、
0.1〜1質量%の(c)と、
ARKON P−140またはCLEARON P−150である、2〜15質量%の(d)あるいは、ARKON P−125である4〜15質量%の(d)と、
さらに選択的に、0〜15質量%の難燃剤(e)と、を含み、
ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20Jであり、
(i)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が15%以下;
(ii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が75%以上、の特性の1つまたは2つによって特徴付けられる。
【0095】
一部の実施形態では、該組成物は、
(b1)がKK38であり、
(b2)がTuftec 1043であり、
(c)がベンゾインであり、
さらに選択的に、0.1〜0.6質量%のTDPと、を含む。
【0096】
一部の実施形態では、該組成物は、その100質量%に対して、
41.0〜48.7質量%のポリ(アリーレンエーテル)と、
その比が2.25:1〜1.75:1である、24〜26質量%のKK38および12〜13質量%のTuftec 1043と、
0.2〜0.4質量%のベンゾインと、
0.1〜0.6質量%のTDPと、
2〜15質量%のARKON P−140またはCLEARON P−150、あるいは4〜15質量%のARKON P−125と、
11〜13質量%のRDPと、を含み、
ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20Jであり、
(i)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が15%以下;
(ii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が75%以上、の特性の1つまたは2つによって特徴付けられる。
【0097】
この実施形態および他の実施形態では、KK38とTuftec1043との質量%比は1.9:1〜2.1:1である。
【0098】
プロセス
別の態様では、本発明は、本明細書に記載の成分(a)、(b2)、(c)、(d)および選択的に(e)を、押出機の供給口(「上流」)で混合するステップを備えた熱可塑性組成物の調製プロセスを提供する。ヘイズを最小化しゴムの劣化を低減するために、成分(b1)を押出機供給口の下流で添加する。該プロセスは、例えば、本明細書に記載の成分(a)、(b2)、(c)、(d)および選択的に(e)を、温度220〜280℃、スクリュー回転速度350rpm、供給量40lb/hr(pounds/hour)とした、Werner Pfleiderer二軸スクリュー30mm押出機の供給口(「上流」)で、成分(b1)を第6バレル(「下流」)で混合するステップを備える。当業者であれば、他の押出機も使用しても本発明を実施し得ることは理解されるであろう。
【0099】
得られた熱可塑性プラスチックは、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii) ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が15%以下;
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が75%以上、の特性の少なくとも1つによって特徴付けられる。
【0100】
従って、一態様では、本発明は、
(a)ポリ(アリーレンエーテル)と;
(b1)アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとから構成され、前記アルケニル芳香族モノマーから誘導された約50〜約70質量%の繰り返し単位を含み、数平均分子量が約50,000〜約70,000原子質量単位のラジアルブロックコポリマーと、(b2)アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとから構成され、前記アルケニル芳香族モノマーから誘導された約55〜約70質量%の繰り返し単位を含むリニアブロックコポリマーと、であって、(b1)と(b2)との比が0.5:1〜4:1である両ブロックコポリマーと;
(c)1種または複数種の光学的増強剤と;
(d)水素化脂環式炭化水素樹脂と水素化テルペン樹脂から構成される群から選択された炭化水素樹脂と、を含み、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が15%以下;
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が75%以上、の特性の1つまたは複数で特徴付けられる組成物の調製プロセスであって、
(1)(a)、(c)、(b2)および(d)を押出機の供給口で混合して第1の混合物を形成するステップと、
(2)該第1混合物を、温度220〜280℃、スクリュー回転速度350rpmおよび供給量40lb/hrで押出すステップと、
(3)(b1)を押出機供給口からダイに向かって流れる該押出混合物に添加して第2の混合物を形成するステップと、を備えたプロセスに係る。
【0101】
一実施形態では、ステップ(1)の混合物は、レゾルシノールジホスホスフェート(RDP)およびビスフェノールAジフェニールホスフェート(BPADP)から構成される群から選択された難燃剤(e)を含み、(e)はステップ(2)において第1の混合物に添加され得る。
【0102】
別の実施形態では、該第1の混合物は、
(a)ポリ(フェニレンエーテル)を含むポリ(アリーレンエーテル)と、
(b2)Tuftec H1043と、
(c)ベンゾイン(c1)およびトリデシルホスファイト(c2、TDP)と、
(d)ARKON P−125(登録商標)、ARKON P−140(登録商標)およびCLEARON P−150(登録商標)から構成される群から選択された炭化水素樹脂と、を含む。
【0103】
別の実施形態では、該第2の混合物は、
(a)ポリ(フェニレンエーテル)を含むポリ(アリーレンエーテル)と、
(b1)KK−38と、
(b2)Tuftec H1043(登録商標)(b2)と、
(c)ベンゾイン(c1)およびトリデシルホスファイト(c2、TDP)と、
(d)ARKON P−125R(登録商標)、ARKON P−140(登録商標)およびCLEARON P−150(登録商標)から構成される群から選択された炭化水素樹脂と、
(e)レゾルシノール(ビスジフェニールホスフェート)(RDP)とビスフェノールAジフェニールホスフェート(BPADP)とから構成される群から選択された非ハロゲン化難燃剤と、を含む。
【0104】
別の実施形態では、該第2の混合物は、
35〜85質量%の(a)と、
10〜40質量%のChevron Phillips KK38R(登録商標)(b1)と、
5〜20質量%のAsahi Tuftec H1043R(登録商標)(b2)と、
0.1〜1質量%のベンゾイン(c1)と、
0〜0.7質量%のTDP(c2)と、
0〜20質量%の(d)と、
0〜20質量%の(e)と、を含む。
【0105】
別の実施形態では、該第2の混合物は6〜14質量%の(e)を含む。
【0106】
別の実施形態では、該第2の混合物は、
40〜80質量%の(a)と、
12〜35質量%のChevron Phillips KK38(登録商標)(b1)と、
3〜18質量%のAsahi Tuftec H1043(登録商標)(b2)と、を含む。
【0107】
別の実施形態では、該第2の混合物は、
25質量%のChevron Phillips KK38(登録商標)(b1)と、
12.5質量%のAsahi Tuftec H1043(登録商標)(b2)と、を含む。
【0108】
別の実施形態では、該第2の混合物は、
5〜8質量%のARKON P−125(登録商標)(d1)を含み、ステップ(4)で得られる組成物の押出品は、
(i)多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ヘイズ率が6%以下;
(iii)透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数によって特徴付けられる。
【0109】
別の実施形態では、該第2の混合物は、3〜8質量%のARKON P−140(登録商標)(d2)を含み、ステップ(4)で得られる組成物の押出品は、
(i)多軸衝撃強度が少なくとも25J;
(ii)ヘイズ率が6%以下;
(iii)透過率が80%以上。の特性の1つまたは複数によって特徴付けられる。
【0110】
別の実施形態では、該第2の混合物は、2〜8質量%のCLEARON P−150(登録商標)(d3)を含み、ステップ(4)で得られる組成物の押出品は、
(i)多軸衝撃強度が少なくとも25J;
(ii)ヘイズ率が6%以下;
(iii)透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数によって特徴付けられる。
【0111】
別の実施形態では、該第2の混合物は、
30〜60質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との質量%比が2.25:1〜1.75:1である、20〜36質量%の(b1)および10〜18質量%の(b2)と、
0.1〜1質量%の(c1)と、
0.1〜0.7質量%の(c2)と、
4〜15質量%の(d)と、
0〜15質量%の(e)と、を含む。
【0112】
これらおよび他の実施形態では、該組成物中のベンゾイン(c1)の質量%は0.2〜0.9質量%であり、該組成物中のTDP(c2)の質量%は0.01〜0.6質量%である。
【0113】
別の実施形態では、該第2の混合物は、100質量%の(a)、(b1)、(b2)、(c1)、(c2)、(d)および(e)を含む組成物に対して、
41.0〜48.7質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との比が2.25:1〜1.75:1である、24〜26質量%の(b1)および12〜13質量%の(b2)と、
0,2〜0.4質量%の(c1)と、
0.1〜0.6質量%の(c2)と、
4〜6質量%の(d)と、
11〜13質量%のRDPと、を含み、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が12%以下;
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が80%以上、の特性の少なくとも2つによって特徴付けられる。
【0114】
他の態様には、上記のいずれかの組成物から形成された物品が含まれる。該組成物は、例えば、動物の檻、食品包装、シート、フィルム、インクカートリッジ、トレー、チューブおよびパイプなどを含む製品に有用である。
【0116】
実施形態1:
(a)ポリ(アリーレンエーテル)と;
(b1)アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとから構成され、前記アルケニル芳香族モノマーから誘導された約50〜約70質量%の繰り返し単位を含み、数平均分子量が約50,000〜約70,000原子質量単位のラジアルブロックコポリマーと、(b2)アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとから構成され、前記アルケニル芳香族モノマーから誘導された約55〜約70質量%の繰り返し単位を含むリニアブロックコポリマーと、であって、(b1)と(b2)との比が0.5:1〜4:1である両ブロックコポリマーと;
(c)1種または複数種の光学的増強剤と;
(d)水素化脂環式炭化水素樹脂と水素化テルペン樹脂から構成される群から選択された炭化水素樹脂と、を含み、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20Jの特性と、
(ii)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が15%以下、および
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が75%以上、の内の少なくとも1つの特性と、によって特徴付けられる組成物。
【0117】
実施形態2:
(a)ポリ(アリーレンエーテル)と;
(b1)アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとから構成され、前記アルケニル芳香族モノマーから誘導された約50〜約70質量%の繰り返し単位を含み、数平均分子量が約50,000〜約70,000原子質量単位のラジアルブロックコポリマーと、(b2)アルケニル芳香族モノマーと共役ジエンとから構成され、前記アルケニル芳香族モノマーから誘導された約55〜約70質量%の繰り返し単位を含むリニアブロックコポリマーと、であって、(b1)と(b2)との比が0.5:1〜4:1である両ブロックコポリマーと;
(c)1種または複数種の光学的増強剤と;
(d)水素化脂環式炭化水素樹脂と水素化テルペン樹脂から構成される群から選択された炭化水素樹脂と、を含み、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が15%以下;
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が75%以上、の特性の1つまたは複数で特徴付けられる組成物。
【0118】
実施形態3:さらに(e)難燃剤を含むことを特徴とする実施形態1または実施形態2に記載の組成物。
【0119】
実施形態4:前記ポリ(アリーレンエーテル)は、下式で表される繰り返し構造単位を含むことを特徴とする実施形態1乃至実施形態3のいずれかに記載の組成物:
【化7】
式中、各構造単位に対し、Z
1はそれぞれ独立に、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C
1−C
12ヒドロカルビル、C
1−C
12ヒドロカルビルチオ、C
1−C
12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC
2−C
12ハロヒドロカルビルオキシであり、Z
2はそれぞれ独立に、水素、ハロゲン、ヒドロカルビル基が第三級ヒドロカルビルではない未置換または置換C
1−C
12ヒドロカルビル、C
1−C
12ヒドロカルビルチオ、C
1−C
12ヒドロカルビルオキシ、あるいは少なくとも2つの炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを分離しているC
2−C
12ハロヒドロカルビルオキシである。
【0120】
実施形態5:前記ポリ(アリーレンエーテル)は、2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル単位、2,3,6−トリメチル−1,4−フェニレンエーテル単位あるいはこれらの組み合わせを含むことを特徴とする実施形態1乃至実施形態4のいずれかに記載の組成物。
【0121】
実施形態6:(b1)と(b2)との比が3:1であることを特徴とする実施形態1乃至実施形態5のいずれかに記載の組成物。
【0122】
実施形態7:cが、ヒドロキシアセトン(1−ヒドロキシ−2−プロパノン)(CAS登録番号第116−09−6号)、アセトイン(3−ヒドロキシ−2−ブタノン)(CAS登録番号第513−86−0号)、2−ヒドロキシアセトフェノン(CAS登録番号第528−24−1号)、ベンゾイン(2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノン)(CAS登録番号第119−53−9号)および2−ヒドロキシ−1−フェニル−2−p−トリル−エタノン(CAS登録番号第2431−02−9号)から構成される群から選択されたα−ヒドロキシケトンである(c1)と;トリオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、フェニルジデシルホスファイト、デシルジフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイトおよびトリトリルホスファイトから構成される群から選択された、式P(OR
11)
3(式中、R
11は、それぞれ独立にC
1−C
18ヒドロカルビル)のトリヒドロカルビルホスファイトである(c2)と、を含むことを特徴とする実施形態1乃至実施形態6のいずれかに記載の組成物。
【0123】
実施形態8:(c1)はベンゾインであり、(c2)は、トリオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト(TDP)、トリドデシルホスファイト、フェニルジデシルホスファイト、デシルジフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイトおよびトリトリルホスファイトから構成される群から選択されることを特徴とする実施形態6に記載の組成物。
【0124】
実施形態9:(d)は、ARKON P−125、ARKON P−140およびCLEARON P−150から選択されることを特徴とする実施形態1乃至実施形態8のいずれかに記載の組成物。
【0125】
実施形態10:(e)は、ハロゲン化難燃剤および亜リン酸含有難燃剤から選択されることを特徴とする実施形態1乃至実施形態9のいずれかに記載の組成物。
【0126】
実施形態11:(e)は、レゾルシノール(ビスジフェニールホスフェート)(RDP)とビスフェノールAジフェニールホスフェート(BPADP)とから選択された亜リン酸含有難燃剤であることを特徴とする実施形態1乃至実施形態10のいずれかに記載の組成物。
【0127】
実施形態12:安定剤、離型剤、加工助剤、防滴剤、成核剤、UVカット剤、染料、顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、発泡剤、鉱油、金属不活性化剤、ブロッキング防止剤など、およびこれらの組み合わせで構成される群から選択された1種または複数種の添加剤をさらに含むことを特徴とする実施形態1乃至実施形態11のいずれかに記載の組成物。
【0128】
実施形態13:ナノタルク、ヒュームドシリカおよびナノクレイから構成される群から選択された充填剤をさらに含むことを特徴とする実施形態1乃至実施形態12のいずれかに記載の組成物。
【0129】
実施形態14:
(a)前記ポリ(アリーレンエーテル)はポリ(フェニレンエーテル)を含み、
(b1)はKK38、(b2)はTuftec H1043(両者の比は1.5:1〜2.5:1)であり、
(c)は、ベンゾイン(c1)とトリデシルホスファイト(c2、TDP)とを含む混合物であり、
(d)は、ARKON P−125(登録商標)、ARKON P−140(登録商標)およびCLEARON P−150(登録商標)から構成される群から選択され、
(e)は、レゾルシノール(ビスジフェニールホスフェート)(RDP)とビスフェノールAジフェニールホスフェート(BPADP)とから構成される群から選択された非ハロゲン化難燃剤である、ことを特徴とする実施形態1乃至実施形態13のいずれかに記載の組成物。
【0130】
実施形態15:
(a)はポリ(フェニレンエーテル)であり、
(b1)はKK38、(b2)はTuftec H1043(両者の比は2.1:1〜1.9:1)であり、
(c)は、ベンゾイン(c1)とトリデシルホスファイト(c2、TDP)とを含む混合物であり、
(d)は、ARKON P−125(登録商標)、ARKON P−140(登録商標)およびCLEARON P−150(登録商標)から構成される群から選択され、
(e)は、レゾルシノール(ビスジフェニールホスフェート)(RDP)とビスフェノールAジフェニールホスフェート(BPADP)とから構成される群から選択された非ハロゲン化難燃剤である、ことを特徴とする実施形態1乃至実施形態14のいずれかに記載の組成物。
【0131】
実施形態16:(e)はRDPであることを特徴とする実施形態15に記載の組成物。
【0132】
実施形態17:(b1)と(b2)との質量%比が1.75:1〜2.25:1であることを特徴とする実施形態1乃至実施形態16のいずれかに記載の組成物。
【0133】
実施形態18:(b1)と(b2)との質量%比が1.9:1〜2.1:1であることを特徴とする実施形態1乃至実施形態16のいずれかに記載の組成物。
【0134】
実施形態19:
30〜60質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との質量%比が2.25:1〜1.75:1である、20〜36質量%の(b1)および10〜18質量%の(b2)と、
0.1〜1質量%の(c1)と、
0.1〜0.7質量%の(c2)と、
4〜15質量%の(d)と、
0〜15質量%の(e)と、を含むことを特徴とする実施形態1乃至実施形態16のいずれかに記載の組成物。
【0135】
実施形態20:前記組成物中のベンゾイン(c1)の質量%は0.2〜0.9質量%であり、また、前記組成物中のTDP(c2)の質量%は0.01〜0.6質量%であることを特徴とする実施形態19に記載の組成物。
【0136】
実施形態21:100質量%の(a)、(b1)、(b2)、(c1)、(c2)、(d)および(e)を含み、その質量に対して、
41.0〜48.7質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との比が2.25:1〜1.75:1である、24〜26質量%の(b1)および12〜13質量%の(b2)と、
0,2〜0.4質量%の(c1)と、
0.1〜0.6質量%の(c2)と、
4〜6質量%の(d)と、
11〜13質量%のRDPと、を含み、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が12%以下;
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数で特徴付けられる実施形態1乃至実施形態20のいずれかに記載の組成物。
【0137】
実施形態22:
35〜55質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との比が2.25:1〜1.75:1である、12〜36質量%のKK38および6〜18質量%のTuftec 1043と、
0.2〜0.8質量%のベンゾインと、
0.1〜0.6質量%のTDP(c2)と、
2〜12質量%のArkon P−125と、
0〜13質量%のRDPと、を含み、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が12%以下;
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数で特徴付けられる実施形態1乃至実施形態16のいずれかに記載の組成物。
【0138】
実施形態23:
35〜55質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との比が2.25:1〜1.75:1である、12〜36質量%のKK38および6〜18質量%のTuftec 1043と、
0.4〜0.8質量%のベンゾインと、
0.1〜0.6質量%のTDP(c2)と、
2〜12質量%のArkon P−140と、
0〜13質量%のRDPと、を含み、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が12%以下;
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数で特徴付けられる実施形態1乃至実施形態16のいずれかに記載の組成物。
【0139】
実施形態24:
40〜50質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との比が2.25:1〜1.75:1である、12〜36質量%のKK38および6〜18質量%のTuftec 1043と、
0.2〜0.8質量%のベンゾインと、
0.1〜0.6質量%のTDP(c2)と、
2〜12質量%のClearon−150と、
0〜13質量%のRDPと、を含み、
(i)ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20J;
(ii)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が6%以下;
(iii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が80%以上、の特性の1つまたは複数で特徴付けられる実施形態1乃至実施形態16のいずれかに記載の組成物。
【0140】
実施形態25:
30〜60質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との質量%比が2.25:1〜1.75:1である、12〜36質量%の(b1)および6〜18質量%の(b2)と、
0.1〜1質量%の(c)と、
2〜15質量%の(d)と、を含むことを特徴とする実施形態2に記載の組成物。
【0141】
実施形態26:(d)は、ARKON P−125、ARKON P−140またはCLEARON P−150であることを特徴とする実施形態25に記載の組成物。
【0142】
実施形態27:(c)は、
ヒドロキシアセトン(1−ヒドロキシ−2−プロパノン)(CAS登録番号第116−09−6号)、アセトイン(3−ヒドロキシ−2−ブタノン)(CAS登録番号第513−86−0号)、2−ヒドロキシアセトフェノン(CAS登録番号第528−24−1号)、ベンゾイン(2−ヒドロキシ−2−フェニルアセトフェノン)(CAS登録番号第119−53−9号)および2−ヒドロキシ−1−フェニル−2−p−トリル−エタノン(CAS登録番号第2431−02−9号)から構成される群から選択されたα−ヒドロキシケトンである(c1)と;
トリオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリドデシルホスファイト、フェニルジデシルホスファイト、デシルジフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイトおよびトリトリルホスファイトから構成される群から選択された、式P(OR
11)
3(式中、R
11は、それぞれ独立にC
1−C
18ヒドロカルビル)のトリヒドロカルビルホスファイトである(c2)と、を含むことを特徴とする実施形態25に記載の組成物。
【0143】
実施形態28:(c1)はベンゾインであり、(c2)は、トリオクチルホスファイト、トリデシルホスファイト(TDP)、トリドデシルホスファイト、フェニルジデシルホスファイト、デシルジフェニルホスファイト、トリフェニルホスファイトおよびトリトリルホスファイトから構成される群から選択されることを特徴とする実施形態27に記載の組成物。
【0144】
実施形態29:0.2〜0.9質量%のベンゾイン(c1)と、0.01〜0.6質量%のTDP(c2)と、を含むことを特徴とする実施形態28に記載の組成物。
【0145】
実施形態30:0〜15の質量%の(e)難燃剤をさらに含むことを特徴とする実施形態25に記載の組成物。
【0146】
実施形態31:(e)は、ハロゲン化難燃剤または亜リン酸含有難燃剤であることを特徴とする実施形態29に記載の組成物。
【0147】
実施形態32:(e)は、レゾルシノール(ビスジフェニールホスフェート)(RDP)またはビスフェノールAジフェニールホスフェート(BPADP)であることを特徴とする実施形態31に記載の組成物。
【0148】
実施形態33:
(b1)がKK38であり、
(b2)がTuftec 1043であり、
(c)がベンゾインであり、
さらに、0.01〜0.6質量%のTDPと、0〜15質量%のRDPとを含むことを特徴とする実施形態25に記載の組成物。
【0149】
実施形態34:
30〜60質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との質量%比が2.25:1〜1.75:1である、20〜36質量%の(b1)および10〜18質量%の(b2)と、
0.1〜1質量%の(c)と、
ARKON P−140またはCLEARON P−150である、2〜15質量%の(d)あるいは、ARKON P−125である4〜15質量%の(d)と、を含み、
ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20Jであり、
(i)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が15%以下;
(ii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が75%以上、の特性の1つまたは2つによって特徴付けられる実施形態2に記載の組成物。
【0150】
実施形態35:0〜15の質量%の(e)難燃剤をさらに含むことを特徴とする実施形態34に記載の組成物。
【0151】
実施形態36:
(b1)がKK38であり、
(b2)がTuftec 1043であり、
(c)がベンゾインであることを特徴とする実施形態35に記載の組成物。
【0152】
実施形態37:0.1〜0.6質量%のTDPをさらに含むことを特徴とする実施形態36に記載の組成物。
【0153】
実施形態38:100質量%の(a)、(b1)、(b2)、(c1)、(c2)、(d)および(e)を含む組成物であって、その質量に対して、
41.0〜48.7質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との比が2.25:1〜1.75:1である、24〜26質量%の(b1)および12〜13質量%の(b2)と、
0,2〜0.4質量%の(c1)と、
0.1〜0.6質量%の(c2)と、
ARKON P−140またはCLEARON P−150である、2〜15質量%の(d)あるいは、ARKON P−125である4〜15質量%の(d)と、
11〜13質量%のRDPと、を含み、
ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20Jであり、
(i)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が15%以下;
(ii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が75%以上、の特性の1つまたは2つによって特徴付けられる実施形態2に記載の組成物。
【0154】
実施形態39:(b1)と(b2)との質量%比が1.9:1〜2.1:1であることを特徴とする実施形態38に記載の組成物。
【0155】
実施形態40:
(b1)がKK38であり、
(b2)がTuftec 1043であり、
(c1)がベンゾインであり、
(c2)がTDPであることを特徴とする実施形態39に記載の組成物。
【0156】
実施形態41:100質量%の組成物に対し、
41.0〜48.7質量%のポリ(フェニレンエーテル)と、
その比が2.25:1〜1.75:1である、24〜26質量%のKK38および12〜13質量%のTuftec 1043と、
0.2〜0.4質量%のベンゾインと、
0.1〜0.6質量%のTDPと、
2〜15質量%のARKON P−140またはCLEARON P−150、あるいは4〜15質量%のARKON P−125と、
11〜13質量%のRDPと、を含み、
ASTM D 3763−08に準拠して測定した多軸衝撃強度が少なくとも20Jであり、
(i)ASTM D 1003−00に準拠して測定したヘイズ率が15%以下;
(ii)ASTM D 1003に準拠して測定した透過率が75%以上、の特性の1つまたは2つによって特徴付けられる組成物。
【0157】
実施形態42:KK38とTuftec 1043との質量%比が1.9:1〜2.1:1であることを特徴とする実施形態41に記載の組成物。
【0158】
実施形態43:
(1)(a)、(c)、(b2)および(d)を押出機の供給口で混合して第1の混合物を形成するステップと、
(2)温度220〜280℃、スクリュー回転速度350rpmで、前記第1混合物を押出すステップと、
(3)(b1)を押出機供給口からダイに向かって流れる該押出混合物に添加して第2の混合物を形成するステップと、を備えたことを特徴とする、実施形態1乃至実施形態42のいずれかに記載の組成物の調製プロセス。
【0159】
実施形態44:前記第1の混合物は、ステップ(2)において第1の混合物に含められる、レゾルシノールジホスフェート(RDP)およびビスフェノールAジフェニールホスフェート(BPADP)から構成される群から選択された難燃剤(e)を含むことを特徴とする実施形態43に記載の調製プロセス。
【0160】
実施形態45:前記第1の混合物は、
(a)ポリ(フェニレンエーテル)を含むポリ(アリーレンエーテル)と、
(b2)Tuftec H1043(登録商標)(b2)と、
(c)ベンゾイン(c1)およびトリデシルホスファイト(c2、TDP)と、
(d)ARKON P−125(登録商標)、ARKON P−140(登録商標)およびCLEARON P−150(登録商標)から構成される群から選択された炭化水素樹脂と、を含むことを特徴とする実施形態43または実施形態44に記載のプロセス。
【0161】
実施形態46:前記第2の混合物は、
(a)ポリ(フェニレンエーテル)を含むポリ(アリーレンエーテル)と、
(b1)KK−38(登録商標)と、
(b2)Tuftec H1043(登録商標)(b2)と、
(c)ベンゾイン(c1)およびトリデシルホスファイト(c2、TDP)と、
(d)ARKON P−125(登録商標)、ARKON P−140(登録商標)およびCLEARON P−150(登録商標)から構成される群から選択された炭化水素樹脂と、
(e)レゾルシノール(ビスジフェニールホスフェート)(RDP)とビスフェノールAジフェニールホスフェート(BPADP)とから構成される群から選択された非ハロゲン化難燃剤と、を含むことを特徴とする実施形態43乃至実施形態45のいずれかに記載のプロセス。
【0162】
実施形態47:前記第2の混合物は、
30〜60質量%の(a)と、
(b1)と(b2)との質量%比が2.25:1〜1.75:1である、20〜36質量%の(b1)および10〜18質量%の(b2)と、
0.1〜1質量%の(c1)と、
0.1〜0.7質量%の(c2)と、
4〜15質量%の(d)と、
0〜15質量%の(e)と、を含むことを特徴とする実施形態43乃至実施形態46のいずれかに記載のプロセス。
【0163】
実施形態48:実施形態1乃至実施形態42のいずれかに記載の組成物を含むことを特徴とする物品。
【0164】
実施形態49:容器または保護被覆であることを特徴とする実施形態48に記載の物品。
【0165】
以下の非限定的実施例によって、本発明をさらに例証する。
【0166】
実施例
30mm Werner Pfleiderer押出機で、すべてのサンプルを調製した。KK38を除くすべての混合成分を押出機の供給口で添加し、特に明示されない限り、KK38を第6バレルで添加した。押出温度は、供給口からダイまで、240℃、250℃、260℃、260℃、260℃および250℃に設定した。スクリュー回転速度350RPM、供給量40lb/hr、バレル9は高真空として、押出機を作動させた。
【0167】
サンプルはすべて、170トン、8.5オンスバレルVandorn成形機で成形した。バレル温度を450°Fに、金型温度を150°Fに設定した。0.5インチのカットオフを備えた4.4インチショットを用い、速度は2インチ/sとした。4インチ×1/8インチ大きさの額2枚、2タイプのI型引張棒、アイゾッド棒2本および1/2インチ×5インチ×1/8インチ大きさの棒2本で成形ツリーを構成した。
【表1】
【0168】
ASTM試験
ASTM D1003−00に準拠し、温度23℃、厚み3.2mmでヘイズ率を測定した。ヘイズ率は、光学的透明度という主観的特性と相関する客観的特性である。
【0169】
ASTM D 1003−00に準拠し、厚み3.2mmで透過率を測定した。
【0170】
ASTM D 3763−08(「負荷およびずれセンサを用いたプラスチックの高速破裂特性標準試験方法」(Standard Test Method for High Speed Puncture Properties of Plastics Using Load and Displacement Sensor))に準拠し、試験速度3.3m/s、温度23℃、厚み3.2mmで多軸衝撃強度(単位:J)を測定した。
【0171】
ASTM D 648−07(「沿層方向におけるプラスチックの曲げ荷重たわみ温度の標準試験方法」(Standard Test Method for Deflection Temperature of Plastics under Flexural Load in the Edgewise Position))に準拠し、3.2mm×12.5mm試験棒、繊維負荷応力1.82±2.5%MPaで熱変形温度を測定した。
【0172】
実施例1〜12
15%のKK−38と7.5%のTuftec H1043を含むサンプルでは一般に、ベンゾインとArkon P125の添加によって、多軸衝撃強度測定値が低下した。実施例1〜12では、15質量%のKK−38と7.5質量%のTuftec H1043を用いて樹脂を製造した。各実施例において、KK−38とTuftec H1043との比は2〜1に維持し、その他の成分の量は変化させた。結果を表1A、1Bおよび1Cに示す。
【0173】
実施例1〜4(表1A)は、ベンゾインとArkon P−125との存在が樹脂に与える影響を示す。従って、実施例1(「対照」)の樹脂は、ベンゾインおよびArkon P−125を含まない。樹脂組成物に0.3質量%のベンゾインを添加すると(実施例2)、実施例1に対して、ヘイズと透過率は向上したが、多軸衝撃強度は低下した。ベンゾイン(0.3質量%)とArkon P−125(5質量%)の両方を含む実施例3においても、この現象が見られた。Arkon P−125の量を10質量%に増やすと、ヘイズと透過率は、実施例2、3に対して向上したが、多軸衝撃強度は、実施例1〜3に対して低下した。
【表1A】
【0174】
実施例5〜8の結果を表1Bに示す。実施例5の樹脂は、実施例1と同様にベンゾインとArkon P−125は含まないが、8質量%のRDPを含む。実施例5と実施例1との比較から、樹脂中にRDPが存在すると、多軸衝撃強度が低下することがわかる。樹脂組成物に0.3質量%のベンゾインを添加すると(実施例6)、ヘイズと透過率は、実施例5に対して向上したが、多軸衝撃強度は低下した。ベンゾイン(0.3質量%)とArkon P−125(5質量%)の両方を含む実施例7においても、この結果が見られた。Arkon P−125の量を10質量%に増やすと(実施例8)、ヘイズと透過率は、実施例7に対して向上したが、多軸衝撃強度はほぼ同じであった。
【表1B】
【0175】
実施例9〜12の結果を表1Cに示す。実施例9の樹脂は、実施例1と同様に、ベンゾインとArkon P−125は含まないが、12質量%のRDPを含む。実施例9と実施例1および5との比較から、樹脂中にRDPが存在すると、多軸衝撃強度が低下することがわかる。樹脂組成物に0.3質量%のベンゾインを添加すると(実施例10)、ヘイズと透過率は、実施例9に対して向上したが、多軸衝撃強度は低下した。ベンゾイン(0.3質量%)とArkon P−125(5質量%)の両方を含む実施例11においても、この現象が見られた。Arkon P−125の量を10質量%に増やすと(実施例12)、ヘイズと透過率は、実施例11に対して低下したが、多軸衝撃強度はほぼ同じであった。
【表1C】
【0176】
要約すると、15質量%のKK−38と7.5質量%のTuftec H1043を含むそれぞれの樹脂において、他のいずれかの添加剤が存在すると、多軸衝撃強度が低下した。ベンゾインとRDPが存在する場合、得られる樹脂のヘイズは、それらを含まない実施例と比較して低減し、透過率は向上することがわかった。
【0177】
実施例13〜24
実施例13〜24は、30質量%のKK−38と15質量%のTuftec H1043とを含む。各実施例において、KK−38とTuftec H1043との比は2〜1に維持し、その他の成分の量は変化させた。これらのサンプルでは、0.3質量%のベンゾインおよび5%質量%または10%質量%のArkon P125の添加によって、多軸衝撃強度は著しく向上した。結果を表2A、2Bおよび2Cに示す。
【0178】
実施例13〜16の結果を表2Aに示す。従って、実施例13(「対照」)の樹脂は、ベンゾインおよびArkon P−125を含まない。15質量%のKK−38と7.5質量%のTuftec H1043とを含む実施例13の多軸衝撃強度は、実施例1よりも低かった。樹脂組成物に0.3質量%のベンゾインを添加すると(実施例14)、ヘイズと透過率は、実施例13に対して向上したが、多軸衝撃強度は低下した。ベンゾイン(0.3質量%)とArkon P−125(5質量%)の両方と、その結果低含有量となったPPE(55質量%に対し49.7質量%)と、を含む実施例15では、多軸衝撃強度が実施例14と比較して向上した。Arkon P−125の量を10質量%に増やした実施例16では、多軸衝撃強度が、実施例13に対してさらに向上した。
【表2A】
【0179】
実施例17〜20の結果を表2Bに示す。実施例17の樹脂は、(実施例13と同様に)ベンゾインとArkon P−125は含まないが、8質量%のRDPを含む。樹脂組成物に0.3質量%のベンゾインを添加すると(実施例18)、ヘイズと透過率は、実施例17に対して向上したが、多軸衝撃強度は低下した。ベンゾイン(0.3質量%)とArkon P−125(5質量%)の両方と、その結果低含有量となったPPE(46.7質量%に対し41.7質量%)と、を含む実施例19では、多軸衝撃強度が実施例18と比較して向上した。Arkon P−125の量を10質量%に増やした実施例20では、多軸衝撃強度が、実施例13に対してさらに向上した。
【表2B】
【0180】
実施例21〜24の結果を表2Cに示す。実施例21の樹脂は、(実施例17と同様に)ベンゾインとArkon P−125は含まないが、12質量%のRDPを含む。樹脂組成物に0.3質量%のベンゾインを添加すると(実施例22)、ヘイズと透過率は、実施例21に対して向上したが、多軸衝撃強度は低下した。ベンゾイン(0.3質量%)とArkon P−125(5質量%)の両方と、その結果低含有量となったPPE(42.7質量%に対し37.7質量%)と、を含む実施例23では、多軸衝撃強度が実施例22と比較して向上した。Arkon P−125の量を10質量%に増やした実施例24では、多軸衝撃強度が実施例13に対してさらに向上した。
【表2C】
【0181】
要約すると、他の添加剤、特にベンゾインとRDPの存在に拘わらず、任意の量のArkon P−125が存在する場合、30質量%のKK−38と15質量%のTuftec H1043を含む樹脂の多軸衝撃強度は、15質量%のKK−38と7.5質量%のTuftec H1043を含む樹脂とは対照的に、向上した。しかしながら、ベンゾインとRDPが存在する場合、得られる樹脂のヘイズは低く、透過率は高く維持されることがわかった。
【0182】
実施例25〜51
実施例25〜51では、ベンゾイン含有の効果とArkonまたはClearonの使用量の影響について試験した。これらの試験からは一般に、軟化点が高ければ多軸衝撃強度が向上することがわかる。データを表3に示す。
【0183】
実施例25〜33では、25質量%のKK−38、12.5質量%のTuftec H1043、TDP(0.5質量%)およびRDP(12質量%)を含むサンプルにおいて、ベンゾイン含有対Arkon P−125含有の効果について調査した。Arkon P−125量が2.5質量%では、すべてのサンプルの多軸衝撃強度は、ベンゾイン量に拘わらず低かった(実施例25〜27)。Arkon P−125量が5質量%および7.5質量%では、多軸衝撃強度は一般に向上したが、ヘイズと透過率は比較的一定であった。
【0184】
実施例34〜42では、ベンゾイン含有対Arkon P−140含有の効果を調査した。軟化点がArkon P−125(125℃)より高いArkon P140(140℃)を使用することによって、多軸衝撃強度は向上した。Arkon P−140量が2.5質量%では、ベンゾイン量が0.3質量%のサンプル(実施例34)だけが低い多軸衝撃強度を示した。Arkon P−140の量が5質量%に、その後7.5質量%に増えるにつれて、すべてのサンプルの多軸衝撃強度は、すべてのベンゾイン濃度において著しく向上したが、ヘイズと透過率は、比較的一定であった。
【0185】
実施例43〜51では、ベンゾイン含有対Clearon P−150含有の効果を調査した。Clearon P−150の高い軟化点(152℃)によって、ベンゾイン濃度とは無関係に、すべてのClearon P−150の濃度において多軸衝撃強度は全体的に向上したが、ヘイズと透過率は比較的一定であった。
【表3】
【0186】
KK−38およびTuftec H1043の下流添加または上流添加の影響:
この実験は、該プロセス中の、耐衝撃性改良剤KK−38の最適添加位置を求める目的で行ったものである。30mm Werner Pfleiderer二軸スクリュー押出機で、すべてのサンプルを調製した。混合成分は、85質量%または70質量%の.46IV PPEおよび、その比が1:1(それぞれ7.5質量%かまたは15質量%)のKK−38とTuftec H1043とした。実施例の半分では、該3つの混合成分すべてを押出機の供給口(「上流」)で添加した。実施例の残り半分では、46IV PPEとTuftec H1043を上流で添加し、KK38を押出機の第6バレル(「下流」)で添加した。押出温度は、供給口からダイまで、240℃、250℃、260℃、260℃、260℃および250℃に設定した。スクリュー回転速度350RPM、供給量40lb/hr、バレル9は高真空として、押出機を作動させた。
【0187】
サンプルはすべて、170トン、8.5オンスバレルVandorn成形機で成形した。バレル温度を450°Fに、金型温度を150°Fに設定した。0.5インチのカットオフを備えた4.4インチショットを用い、速度は2インチ/sとした。4インチ×1/8インチ大きさの額2枚、2タイプのI型引張棒、アイゾッド棒2本および1/2インチ×5インチ×1/8インチ大きさの棒2本で成形ツリーを構成した。
【0188】
実施例52〜59の結果を表4に示す。実施例52、54、56および58では、KK38を下流で添加した。これらの実施例のヘイズは、KK−38を上流で添加した実施例53、55、57および59と比較して、実質的に向上した。
【表4】
【0189】
明確化と理解の目的で、前述の発明を例証と実施例を用いて少し詳細に説明した。本発明を種々の具体的な実施形態と技術を参照して説明した。本発明の趣旨および範囲内で、多くの変形と修正が可能であることは理解されるべきである。当業者にとっては、添付の請求項の範囲内で、変更と修正が可能であることは明らかであろう。上記の説明は例証であり、限定的なものではないと意図される。従って、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきでなく、以下の請求項と、こうした請求項が権利化される範囲と均等な全範囲とを参照して決定されるべきである。本出願で引用した特許、特許出願および出版物はすべて、そのそれぞれが個々に記載されている場合にはそれと同等な程度の目的のために、そのすべてが参照により本明細書に援用される。