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特許5771333ループネットワークにおける無線装置の切り替え方法及び切り替えシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771333
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】ループネットワークにおける無線装置の切り替え方法及び切り替えシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20150806BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20150806BHJP
   H04W 16/26 20090101ALI20150806BHJP
【FI】
   H04W24/04
   H04W92/20
   H04W16/26
【請求項の数】20
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-527465(P2014-527465)
(86)(22)【出願日】2012年1月17日
(65)【公表番号】特表2014-525706(P2014-525706A)
(43)【公表日】2014年9月29日
(86)【国際出願番号】CN2012070499
(87)【国際公開番号】WO2012152086
(87)【国際公開日】20121115
【審査請求日】2014年4月16日
(31)【優先権主張番号】201110258902.1
(32)【優先日】2011年9月2日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511207729
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100170346
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 望
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】ドン ジハン
(72)【発明者】
【氏名】リ ジジョウ
(72)【発明者】
【氏名】タン シオン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ディチアン
【審査官】 古市 徹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/050631(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/105572(WO,A1)
【文献】 特表2007−529926(JP,A)
【文献】 特開2010−166531(JP,A)
【文献】 特表2008−516503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ループネットワークにおける無線装置の切り替え方法であって、
前記無線装置は、コア無線装置及び遠隔無線装置を含み、
前記コア無線装置は、第1ポート及び第2ポートを有し、
前記遠隔無線装置は、少なくとも第1遠隔無線装置及び第2遠隔無線装置を含み、
前記コア無線装置は、前記第1ポートを介して前記第1遠隔無線装置と接続され、且つ、前記第2ポートを介して前記第2遠隔無線装置と接続され、
前記コア無線装置が、前記コア無線装置の第1ポート及び第2ポートそれぞれのラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあるかどうかを検出し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にある場合、前記コア無線装置の第1ポートを介して前記第1遠隔無線装置のスレーブポートに第1有効制御文字を送信し、且つ、前記コア無線装置の第2ポートを介して前記第2遠隔無線装置のスレーブポートに前記第1有効制御文字とは異なる第2有効制御文字を送信し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にない場合、前記コア無線装置のそれぞれのポートを介して、前記第1遠隔無線装置及び前記第2遠隔無線装置のスレーブポートにそれぞれ無効制御文字を送信することと、
各遠隔無線装置が、前記遠隔無線装置のマスタポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあるかどうかを検出し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にある場合、スレーブポートで受信された第1有効制御文字または第2有効制御文字をマスタポートに転送し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にない場合、マスタポートに無効制御文字を送信し、前記遠隔無線装置が、前記遠隔無線装置のスレーブポートに無効制御文字を連続的に送信することと
を含むことを特徴とする切り替え方法。
【請求項2】
非接続状態において、前記遠隔無線装置の第1ポートで前記第1有効制御文字が受信され、前記遠隔無線装置の第2ポートで、前記第1有効制御文字よりも優先度の低い前記第2有効制御文字が受信された場合、前記遠隔無線装置が、前記遠隔無線装置の第1ポートをスレーブポートとし、前記遠隔無線装置の第2ポートをマスタポートとする
ことをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の切り替え方法。
【請求項3】
非接続状態において、前記遠隔無線装置の第1ポートで有効制御文字が受信され、且つ、前記遠隔無線装置の第2ポートで有効制御文字が受信されかった場合、前記遠隔無線装置が、前記遠隔無線装置の第1ポートをスレーブポートとし、前記遠隔無線装置の第2ポートをマスタポートとする
ことをさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の切り替え方法。
【請求項4】
前記遠隔無線装置は、さらに、1以上の第3遠隔無線装置を含み、
前記1以上の第3遠隔無線装置は、それぞれ相互に接続され、且つ、第1遠隔無線装置及び第2遠隔無線装置と直列的に接続される
ことを特徴とする請求項3に記載の切り替え方法。
【請求項5】
前記遠隔無線装置が、前記遠隔無線装置のスレーブポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、または、前記遠隔無線装置のスレーブポートで有効制御文字が検出されなかった場合、前記遠隔無線装置が、接続状態から非接続状態に移行することをさらに含む
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記遠隔無線装置が非接続状態にある場合、前記遠隔無線装置が、前記遠隔無線装置の2つのポートから無効制御文字を送信することを特徴とする
請求項5に記載の切り替え方法。
【請求項7】
前記コア無線装置は、ビルディングベースバンド処理ユニット(BBU:Building Baseband Unit)であり、前記遠隔無線装置は、遠隔無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)である
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の切り替え方法。
【請求項8】
ループネットワークにおける無線装置の切り替えシステムであって、
前記無線装置は、コア無線装置及び遠隔無線装置を含み、
前記コア無線装置は、第1ポート及び第2ポートを有し、
前記遠隔無線装置は、少なくとも第1遠隔無線装置及び第2遠隔無線装置を含み、
前記コア無線装置は、前記第1ポートを介して前記第1遠隔無線装置と接続され、且つ、前記第2ポートを介して前記第2遠隔無線装置と接続され、
前記コア無線装置は、前記コア無線装置の第1ポート及び第2ポートそれぞれのラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあるかどうかを検出し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にある場合、前記コア無線装置の第1ポートを介して前記第1遠隔無線装置のスレーブポートに第1有効制御文字を送信し、且つ、前記コア無線装置の第2ポートを介して第2遠隔無線装置のスレーブポートに、第1有効制御文字とは異なる第2有効制御文字を送信し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にない場合、前記コア無線装置のそれぞれのポートを介して、前記第1遠隔無線装置及び前記第2遠隔無線装置のそれぞれのスレーブポートに無効制御文字を送信することに用いられ、
前記遠隔無線装置は、前記遠隔無線装置のマスタポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあるかどうかを検出し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にある場合、スレーブポートで受信された第1有効制御文字又は第2有効制御文字をマスタポートに転送し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にない場合、マスタポートに無効制御文字を送信することに用いられ、且つ、前記遠隔無線装置のスレーブポートに無効制御文字を連続的に送信することに用いられる
ことを特徴とする切り替えシステム。
【請求項9】
非接続状態において、前記遠隔無線装置は、前記遠隔無線装置の第1ポートで第1有効制御文字を受信し、且つ、前記遠隔無線装置の第2ポートで前記第1有効制御文字よりも優先度の低い第2有効制御文字を受信したことを検出した場合、前記遠隔無線装置の第1ポートをスレーブポートとし、前記遠隔無線装置の第2ポートをマスタポートとすることにさらに用いられる
ことを特徴とする請求項8に記載の切り替えシステム。
【請求項10】
非接続状態において、前記遠隔無線装置は、前記遠隔無線装置の第1ポートで有効制御文字を受信し、且つ、前記遠隔無線装置の第2ポートで有効制御文字を受信しなかったことを検出した場合、前記遠隔無線装置の第1ポートをスレーブポートとし、前記遠隔無線装置の第2ポートをマスタポートとすることにさらに用いられる
ことを特徴とする請求項8または9記載の切り替えシステム。
【請求項11】
前記遠隔無線装置は、さらに、1以上の第3遠隔無線装置を含み、
前記1以上の第3遠隔無線装置は、それぞれ相互に接続され、且つ、第1遠隔無線装置及び第2遠隔無線装置と直列的に接続される
ことを特徴とする請求項8または9に記載の切り替えシステム。
【請求項12】
前記遠隔無線装置は、前記遠隔無線装置のスレーブポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、または、前記遠隔無線装置のスレーブポートで有効制御文字を受信しなかったことを検出した場合、接続状態から非接続状態に移行することにさらに用いられる
ことを特徴とする請求項10に記載の切り替えシステム。
【請求項13】
前記遠隔無線装置は、前記遠隔無線装置が非接続状態にあると判断した場合、前記遠隔無線装置の2つのポートから無効制御文字を送信することにさらに用いられる
ことを特徴とする請求項12に記載の切り替えシステム。
【請求項14】
前記コア無線装置は、ビルディングベースバンド処理ユニット(BBU:Building Baseband Unit)であり、前記遠隔無線装置は、遠隔無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)である
ことを特徴とする請求項8〜12のいずれか1項に記載の切り替えシステム。
【請求項15】
ビルディングベースバンド処理ユニットであって、
検出ユニット、第1送信ユニット、第2送信ユニット及び少なくとも2つのポートを含み、
前記少なくとも2つのポートは、遠隔無線ユニットを含むループネットワークに接続されるインタフェースとして用いられ、
検出ユニットは、ループネットワークを構成する2つのポートそれぞれのラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあるかどうかを検出し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にある場合、第1送信ユニットをトリガし、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にない場合、第2送信ユニットをトリガすることに用いられ、
第1送信ユニットは、ループネットワークを構成する2つのポートのうち一方のポートに第1有効制御文字を送信し、他方のポートに前記第1有効制御文字とは異なる第2有効制御文字を送信することに用いられ、
第2送信ユニットは、ループネットワークを構成する2つのポートに無効制御文字を送信することに用いられる
ことを特徴とするビルディングベースバンド処理ユニット。
【請求項16】
遠隔無線ユニットであって、
検出ユニット、第1送信ユニット、第2送信ユニット及び第3送信ユニットを含み、
検出ユニットは、マスタポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあるかどうかを検出し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にある場合、第1送信ユニットをトリガし、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にない場合、第2送信ユニット及び第3送信ユニットをトリガすることに用いられ、
第1送信ユニットは、スレーブポートで受信された第1有効制御文字又は第2有効制御文字をマスタポートに送信することに用いられ、
第2送信ユニットは、マスタポートに無効制御文字を送信することに用いられ、
第3送信ユニットは、スレーブポートに無効制御文字を連続的に送信することに用いられることを特徴とする遠隔無線ユニット。
【請求項17】
前記遠隔無線ユニットは、設定ユニットをさらに含み、
前記遠隔無線ユニットが非接続状態にある場合、
前記検出ユニットは、前記遠隔無線ユニットの第1ポートで第1有効制御文字を受信し、前記遠隔無線ユニットの第2ポートで第2有効制御文字を受信したことを検出した場合、設定ユニットをトリガすることにさらに用いられ、
設定ユニットは、第1ポートをスレーブポートに設定し、第2ポートをマスタポートに設定することに用いられる
ことを特徴とする請求項16に記載の遠隔無線ユニット。
【請求項18】
前記遠隔無線ユニットが非接続状態にある場合、
前記検出ユニットは、前記遠隔無線ユニットの第1ポートで有効制御文字を受信し、且つ第2ポートで有効制御文字を受信しなかったことを検出した場合、設定ユニットをトリガすることにさらに用いられ、
設定ユニットは、第1ポートをスレーブポートに設定し、第2ポートをマスタポートに設定することにさらに用いられる
ことを特徴とする請求項17に記載の遠隔無線ユニット。
【請求項19】
前記遠隔無線ユニットは、移行ユニットをさらに含み、
前記検出ユニットは、前記遠隔無線ユニットのスレーブポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、移行ユニットをトリガすることにさらに用いられ、
移行ユニットは、前記遠隔無線ユニットを接続状態から非接続状態に移行させることに用いられる
ことを特徴とする請求項17または18に記載の遠隔無線ユニット。
【請求項20】
前記遠隔無線ユニットは、移行ユニットをさらに含み、
前記検出ユニットは、前記遠隔無線ユニットのスレーブポートで有効制御文字を受信しなかったことを検出した場合、移行ユニットをトリガすることにさらに用いられ、
移行ユニットは、前記遠隔無線ユニットを接続状態から非接続状態に移行させることにさらに用いられる
ことを特徴とする請求項17または18に記載の遠隔無線ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ループネットワークにおける無線装置の切り替え技術に関し、特に無線通信ネットワークにおける遠隔無線ユニット(RRU:Remote Radio Unit)及びビルディングベースバンド処理ユニット(BBU:Building Baseband Unit)から構成されたループネットワーク構造における切り替え方法及び切り替えシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
より良いネットワークガバレッジを実現するために、オフィスビル、エレベータ内のようなネットワークガバレッジのブラインドエリアに分散型基地局構造が設置される。分散型基地局構造は、主にRRUとBBUを含み、RRUとBBUの間は光ファイバで接続される。RRUはさらに同軸ケーブルや、電力スプリッタ(カプラ)などを介してアンテナに接続される。1つのBBUは、複数のRRUをサポートすることができる。BBUは、主にコンピュータルームに置かれるが、RRUは、信号カバレッジの要求に応じて対応する場所、例えば各階、エレベータ内に取り付けられる。BBUは、主に、ベースバンドデータの処理、RRUとのデータ交換、及び基地局コントローラ(BSC:Base Station Controller)とのデータ交換を行う。RRUは、主に、リンクデータのRF処理及び移動端末とのデータ交換を行う。
【0003】
従来のRRUとBBUの間の接続は、いずれも分散型が用いられおり、ある分散リンク上には、一般的に複数のRRUが接続されている。一旦、BBUに接続されたリンク上のある特定のRRUに接続障害が発生したり、RRU間、あるいは、RRUとBBUの間のリンクに接続障害が発生したりすると、障害が発生したRRUまたは障害が発生したリンクの次のRRUが非接続状態となってしまうため、隣接するRRUの接続障害を誘発してしまうことになる。したがって、現在のRRUネットワーキング方式は、簡単であるが、そのネットワーク構造が比較的壊れやすく、一旦あるリンクにネットワーク障害が発生すると、一部のRRUに接続障害が発生してしまう可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本発明の主な目的は、ループネットワーク構造における冗長切り替えによる特徴を十分に利用することにより、BBU及びRRUなどのネットワーク要素のそれぞれの頑健性を保証することができ、ネットワークの安定性を強化させることができるループネットワークにおける無線装置の切り替え方法および切り替えシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の技術的なスキームは、以下のように実現される。
ループネットワークにおける無線装置の切り替え方法であって、
前記無線装置は、コア無線装置及び遠隔無線装置を含み、
前記コア無線装置及び2つ以上の前記遠隔無線装置は、前記コア無線装置の2つのポートを介して接続されてループネットワークを構成し、
前記コア無線装置が、前記コア無線装置の2つのポートそれぞれのラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあることを検出した場合、2つのポートからそれぞれ異なる有効制御文字を送信し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、無効制御文字を送信することと、
前記遠隔無線装置が、前記遠隔無線装置のマスタポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあることを検出した場合、スレーブポートで受信された有効制御文字をマスタポートに転送し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、マスタポートに無効制御文字を送信し、前記遠隔無線装置がスレーブポートに無効制御文字を連続的に送信することと
を含む。
【0006】
好ましくは、前記切り替え方法は、
非接続状態において、前記遠隔無線装置のうちの1つのポートで2つの異なる有効制御文字が受信され、別の1つのポートで別の1つの有効制御文字が受信された場合、優先度の高い有効制御文字を受信したポートをスレーブポートとし、別のポートをマスタポートとすることをさらに含む。
【0007】
好ましくは、前記切り替え方法は、
非連続状態において、前記遠隔無線装置のうちの1つのポートで有効制御文字が受信され、且つ別の1つのポートで有効制御文字が受信されなかった場合、前記遠隔無線装置が、有効制御文字を受信したポートをスレーブポートとし、別のポートをマスタポートとすることをさらに含む。
【0008】
好ましくは、前記切り替え方法は、
前記遠隔無線装置が、前記遠隔無線装置のスレーブポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、前記無線装置が接続状態から非接続状態に移行することをさらに含む。
【0009】
好ましくは、前記切り替え方法は、
前記遠隔無線装置のスレーブポートで有効制御文字が検出されなかった場合、前記遠隔無線装置が接続状態から非接続状態に移行することをさらに含む。
【0010】
好ましくは、前記遠隔無線装置が非接続状態にある場合、前記遠隔無線装置が、前記遠隔無線装置の2つのポートから無効制御文字を送信する。
【0011】
好ましくは、前記コア無線装置は、BBUであり、前記遠隔無線装置は、RRUである。
【0012】
ループネットワークにおける無線装置の切り替えシステムであって、
前記無線装置は、コア無線装置及び遠隔無線装置を含み、
前記コア無線装置及び2つ以上の前記遠隔無線装置は、前記コア無線装置の2つのポートを介して接続されたループネットワークを構成し、
前記コア無線装置は、前記コア無線装置の2つのポートのそれぞれのラインビット誤り率が所定の閾値範囲にあることを検出した場合、2つのポートからそれぞれ異なる有効制御文字を送信し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、無効制御文字を送信することに用いられ、
前記遠隔無線装置は、前記遠隔無線装置のマスタポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあることを検出した場合、スレーブポートで受信された有効制御文字をマスタポートに転送し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、マスタポートに無効制御文字を送信することに用いられ、且つ、スレーブポートに無効制御文字を連続的に送信することに用いられる。
【0013】
好ましくは、非接続状態において、前記遠隔無線装置は、前記遠隔無線装置のうちの1つのポートで1つの有効制御文字を受信し、別の1つのポートで別の1つの有効制御文字を受信したことを検出した場合、優先度の高い有効制御文字を受信したポートをスレーブポートとし、別のポートをマスタポートとすることにさらに用いられる。
【0014】
好ましくは、非接続状態において、前記遠隔無線装置は、前記遠隔無線装置のうちの1つのポートで有効制御文字を受信し、且つ、別の1つのポートで有効制御文字を受信しなかったことを検出した場合、有効制御文字を受信したポートをスレーブポートとし、別のポートをマスタポートとすることにさらに用いられる。
【0015】
好ましくは、前記遠隔無線装置は、前記遠隔無線装置のスレーブポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、接続状態から非接続状態に移行することにさらに用いられる。
【0016】
好ましくは、前記遠隔無線装置は、前記遠隔無線装置のスレーブポートで有効制御文字を受信しなかったことを検出した場合、接続状態から非接続状態に移行することにさらに用いられる。
【0017】
好ましくは、前記遠隔無線装置は、前記遠隔無線装置が非接続状態にあると判断した場合、前記遠隔無線装置の2つのポートから無効制御文字を送信することにさらに用いられる。
【0018】
好ましくは、前記コア無線装置は、BBUであり、前記遠隔無線装置は、RRUである。
【0019】
ビルディングベースバンド処理ユニットであって、
検出ユニット、第1送信ユニット、第2送信ユニット及び少なくとも2つのポートを含み、
前記少なくとも2つのポートは、遠隔無線ユニットを含むループネットワークに接続されるインタフェースとして用いられ、
検出ユニットは、ループネットワークを構成する2つのポートのラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあるかどうかを検出し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にある場合、第1送信ユニットをトリガし、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にない場合、第2送信ユニットをトリガすることに用いられ、
第1送信ユニットは、ループネットワークを構成する2つのポートにそれぞれ異なる有効制御文字を送信することに用いられ、
第2送信ユニットは、ループネットワークを構成する2つのポートに無効制御文字を送信することに用いられる。
【0020】
遠隔無線ユニットであって、
検出ユニット、第1送信ユニット、第2送信ユニット及び第3送信ユニットを含み、
検出ユニットは、マスタポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあるかどうかを検出し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にある場合、第1送信ユニットをトリガし、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にない場合、第2送信ユニットをトリガすることに用いられ、
第1送信ユニットは、スレーブポートで受信された有効制御文字をマスタポートに送信することに用いられ、
第2送信ユニットは、マスタポートに無効制御文字を送信することに用いられ、
第3送信ユニットは、スレーブポートに無効制御文字を連続的に送信することに用いられる。
【0021】
好ましくは、前記遠隔無線ユニットは、設定ユニットをさらに含み、
前記遠隔無線ユニットが非接続状態にある場合、
前記検出ユニットは、前記遠隔無線ユニットのうちの1つのポートで1つの有効制御文字を受信し、別の1つのポートで別の1つの有効制御文字を受信したことを検出した場合、設定ユニットをトリガすることにさらに用いられ、
設定ユニットは、優先度の高い有効制御文字を受信したポートをスレーブポートに設定とし、別のポートをマスタポートに設定することに用いられる。
【0022】
好ましくは、前記遠隔無線ユニットが非接続状態にある場合、
前記検出ユニットは、前記遠隔無線ユニットのうちの1つのポートで有効制御文字を受信し、且つ別の1つのポートで有効制御文字を受信しなかったことを検出した場合、設定ユニットをトリガすることにさらに用いられ、
設定ユニットは、有効制御文字を受信したポートをスレーブポートに設定し、別のポートをマスタポートに設定することにさらに用いられる。
【0023】
好ましくは、前記遠隔無線ユニットは、移行ユニットをさらに含み、
前記検出ユニットは、前記遠隔無線ユニットのスレーブポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、移行ユニットをトリガすることにさらに用いられ、
移行ユニットは、前記遠隔無線ユニットを接続状態から非接続状態に移行させることに用いられる。
【0024】
好ましくは、前記検出ユニットは、前記遠隔無線ユニットのスレーブポートで有効制御文字を受信しなかったことを検出した場合、移行ユニットをトリガすることにさらに用いられ、
移行ユニットは、前記遠隔無線ユニットを接続状態から非接続状態に移行させることにさらに用いられる。
【0025】
本発明において、BBUにおける2つのポートがループネットワーク構造を構成する1組のポートとして機能し、複数のRRUは、BBUにおける1組の2つのポートを介してループネットワーク構造を構成する。BBUは、BBU自身の2つのポートそれぞれのラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあることを検出した場合、有効制御文字を送信し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、無効制御文字を送信する。前記コア無線装置の2つのポートから送信される有効制御文字は、それぞれ異なる。RRUは、RRU自身のマスタポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあることを検出した場合、スレーブポートで受信された有効制御文字をマスタポートに転送し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、マスタポートに無効制御文字を送信し、かつ、前記コア無線装置が、スレーブポートに無効制御文字を連続的に送信する。このような方法により、ループネットワークにおけるリンクまたはある特定のRRUに障害が発生した場合に、リンクをタイムリーに切り替えることができ、これにより、障害が発生したリンクまたは障害が発生したRRUの両側に配置されたRRUが引き続き正常に動作できることを保証することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明に係るBBU及びRRUのループネットワークトポロジ構造を示す図である。
図2】本発明の実施形態におけるRRUの動作状態の移行を示す図である。
図3】本発明の実施形態におけるBBUと2つのRRUのリンク構築トポロジ構造を示す図である。
図4】本発明の実施形態におけるBBUと6つのRRUのループネットワークトポロジ構造を示す図である。
図5】本発明の実施形態における、リンク1が切断されてRRU#1の状態が変化した後のループネットワークトポロジ構造を示す図である。
図6】本発明の実施形態における、リンク1が切断されてRRU#1/RRU#2/RRU#3の状態が変化した後のループネットワークトポロジ構造を示す図である。
図7】本発明の実施形態における、RRU#3がUnlinked状態からLinked状態に移行した後のループネットワークトポロジ構造を示す図である。
図8】本発明の実施形態における、各RRUの状態が切り替えられた後のループネットワークトポロジ構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の基本的な考えは、以下のようなものである。BBUにおける2つのポートがループネットワーク構造を構成する1組のポートとされ、複数のRRUがBBUにおける1組の2つのポートを介してループネットワーク構造を構成する。BBUは、BBU自身の2つのポートのそれぞれのラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあることを検出した場合、有効制御文字を送信し、ラインビット誤り率が閾値範囲内にないことを検出した場合、無効制御文字を送信する。前記コア無線装置の2つのポートで送信される有効制御文字はそれぞれ異なる。RRUは、RRU自身のマスタポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあることを検出した場合、スレーブポートで受信された有効制御文字をマスタポートに転送し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、マスタポートに無効制御文字を送信し、かつ、前記コア無線装置が、スレーブポートに無効制御文字を連続的に送信する。
【0028】
本発明に係るループネットワーク切り替え方法では、まずBBUとRRUの間の制御チャネルで伝送される制御文字が定義される。当該制御文字は、制御文字A、制御文字B、制御文字Fに分類される。制御文字A/Bは、有効制御文字であり、制御文字Fは、無効制御文字である。制御文字A/B/Fは、互いに異なっている必要があり、且つ制御文字Aと制御文字Bの優先度は要求に応じて設定することができる。つまり、本発明の技術的なスキームでは、制御文字A/Bの優先度を設定することで、ループネットワークにおけるRRU状態に対する制御を柔軟に実現することができる。
【0029】
本発明では、RRUの稼働状態は、以下の2種類の状態に分けることができる。
接続(Linked)状態:つまり、RRUとBBUとの間でリンクが首尾よく構築されている状態。
非接続(Unlinked)状態:つまり、RRUとBBUとの間で、リンクが構築さていない状態。
【0030】
無線通信システムにおいて、BBUとRRUは、それぞれラインに対してラインビット誤り率の検出を行う。ラインビット誤り率が或る所定の閾値を超えると、当該リンクが、異常だとみなされる。
【0031】
本発明において、いわゆるLinked状態とは、RRUとBBUの間に通信リンクが構築されていることを意味し、Unlinked状態とは、RRUとBBUの間に通信リンクが構築されていないまたは構築されたリンクが使用不能であること(例えばラインビット誤り率が所定の閾値範囲を超えたこと)を意味している。本発明では、ラインビット誤り率の閾値範囲は、一つの具体的なラインビット誤り率閾値であり、即ちラインビット誤り率が当該閾値を超えない場合には、現在の通信リンクが良いとみなされ、一方で、ラインビット誤り率が当該閾値より高い場合には、現在の通信リンクに障害があり使用不能であるとみなされる。もちろん、要求に応じて閾値範囲を設定することもでき、当該設定された閾値範囲内のラインビット誤り率だけが現在の通信リンクが正常であることを示すとみなされ、それ以外の場合は、現在の通信リンクが異常であり、リンクに障害があるとみなされる。
【0032】
図1は本発明のBBU及びRRUのループネットワークトポロジ構造を示す図である。図1に示すように、本発明に係るBBUとRRUから構成されるループネットワークのネットワーキング方式は、以下のようなものである。
【0033】
BBUにおけるP0/P1の2つのポートが1組のループネットワークポートとして機能し、本発明では、この2つのポートが両方ともMasterポートとして機能する。RRUのP0/P1の2つのポートはRRUがLinked状態にある場合に、それぞれ、Masterポート、Slaveポートとして機能し、Unlinked状態にある場合に、デフォルトのP0/P1ポートとして機能する(P0/P1ポートがMasterポートおよびSlaveポートに分けられていない)。同図において、RRU#1〜RRU#nは、順次接続されており、RRU#1及びRRU#nは、それぞれBBUにおけるP0ポートとP1ポートに接続されている。本発明では、RRUにおけるマスタポート、スレーブポートは、具体的な状況によって設定される必要がある。
【0034】
図2は本発明におけるRRUの動作状態の移行を示す図である。図2に示すように、RRUは、2種類の移行状態があり、それぞれUnlinked状態からLinked状態への移行、Linked状態からUnlinked状態への移行である。図2の(1)、(2)、(3)、(4)は4つの移行条件を示し、この移行条件について以下でそれぞれ説明する。
【0035】
本発明に係るループネットワーク切り替え方法において、BBUとRRUは、異なる制御文字送信ルールを有する。
【0036】
BBU側の制御文字送信ルール: Masterポートにおいてラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあることを検出した場合、当該ポートの送信側に有効制御文字A/Bを送信し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にない場合は、無効制御文字Fを送信する。BBUの2つのMasterポートから送信される有効制御文字はそれぞれ異なっており、即ちP0ポートから制御文字Aが送信された場合には、P1ポートから制御文字Bが送信される。
【0037】
Linked状態にあるRRUの制御文字送信ルールと、UnLinked状態にあるRRUの制御文字送信ルールとは、それぞれ異なっている。
【0038】
Linked状態の場合のRRUの制御文字送信ルール: Masterポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあることを検出した場合、Slaveポートで受信された有効制御文字A/BをMasterポートに転送し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にない場合は、Masterポートに無効文字Fを送信し、また、RRUはSlaveポートに無効文字Fを連続的に送信する。
【0039】
Unlinked状態の場合のRRUの制御文字送信ルール: RRUがP0/P1の2つのポートに無効文字Fを送信する。
【0040】
本発明のループネットワークの切り替え方法において、RRUがUnlinked状態からLinked状態に移行するトリガ条件は、以下の通りである。
【0041】
(1)P0/P1ポートにおいて同時に制御文字Aと制御文字Bを受信した場合、RRUは、優先度が高い有効制御文字を受信したポートに優先的に切り替えられ、そしてこのポートをSlaveポートに設定し、別のポートをMasterポートに設定する。これにより、RRUの状態が、UnlinkedからLinkedに移行される。
【0042】
(2)P0/P1のうちの1つのポートで制御文字Aまたは制御文字Bを受信し、かつ別のポートで有効制御文字Aまたは制御文字Bを受信しなかった場合、RRUは、有効制御文字Aまたは制御文字Bを受信したポートに切り替えられ、そして有効制御文字Aまたは制御文字Bを受信したポートをSlaveポートに設定し、別のポートをMasterポートに設定する。これにより、RRUの状態が、UnlinkedからLinkedに移行される。
【0043】
RRUが、Linked状態からUnlinked状態に移行するトリガ条件は以下の通りである。
【0044】
(3)現在のSlaveポートの受信側において、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、RRUの状態は、Linked状態からUnlinked状態に移行する。
【0045】
(4)現在のSlaveポートにおいて、Slaveポートを決定するために用いられる有効制御文字Aまたは制御文字Bを検出しなかった場合、RRUは、Linked状態からUnlinked状態に移行する。
【0046】
上述の移行方式によって、ループネットワークにおける各RRUが、最終的にRRU自身の2つのポートで受信された制御文字及びRRU状態に応じて切り替えられるので、マルチステージRRUを含むループネットワークの切り替え機能が実現される。
【0047】
以降では、具体的な実施形態を参照して、本発明に係るループネットワークにおけるBBU及びRRU間のリンク構築におけるステップ(リンク及び各RRUが正常であると仮定する)を詳しく説明する。
【0048】
図3は本発明の実施形態におけるBBUと2つのRRUのリンク構築トポロジ構造を示す図である。図3に示すように、BBUは、2つのRRU(RRU#1、RRU#6)にのみ接続されている。具体的には、RRU#1はリンク1を介してBBUのP0ポートに接続され、RRU#6はリンク2を介してBBUのP1ポートに接続されている。なお、RRU#1とRRU#6のP1ポートには他のネットワーク装置(RRU)は接続されていない。RRUのデフォルト初期状態は全てUnlinked状態である。BBUがP0に有効制御文字A(0x36)を送信し、P1ポートに有効制御文字B(0xC9)、無効制御文字F(0xFF)を送信すると仮定する。
【0049】
BBUのP0ポートの受信側においてリンク2とリンク14のラインビット誤り率(ラインビット誤り率の閾値が10E−5であると仮定する)を検出する。リンクが正常であるので、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内(10E−5を超えない)であり、BBUは、それぞれP0ポートに制御文字Aを送信し、P1ポートに制御文字Bを送信する。
【0050】
RRU#1がリンク1で首尾よく制御文字Aを受信し、かつP1ポートから他の有効制御文字(制御文字B)を受信しなかった場合、P0ポートをSlaveポートに設定し、P1ポートをMasterポートに設定する。そして、RRU#1は、Unlinked状態からLinked状態に移行する。RRU#1は、Slaveポートに制御文字Fを送信し、Masterポートに他の装置が接続されていないので、Masterの受信側においてラインビット誤り率が所定の閾値を超えることを検出し、これにより、RRU#1は、P1に無効制御文字Fを送信する。RRU#6の状態変化は、RRU#1の状態変化と同じである。
【0051】
図4は本発明の実施形態におけるBBUと6つのRRUのループネットワークトポロジ構造を示す図である。図4に示すように、BBUは、6つのRRUに接続されている。当該トポロジ構造の接続プロセスにおいて、まず、図3に示すトポロジ構造に対して、RRU#2及びRRU#5の接続が行われるが、このときのRRU#2及びRRU#5の状態変化はRRU#1及びRRU#6の状態変化と同じであるので、ここでは、そのリンク構築の詳細を繰り返して説明しない。
【0052】
RRU#2及びRRU#5が接続されたトポロジ構造に対して、さらに、RRU#3及びRRU#4が接続される。このときのRRU#3とRRU#4の状態変化もRRU#1及びRRU#6の状態変化と同じであるため、そのリンク構築の詳細を繰り返して説明しない。
【0053】
RRU#3及びRRU#4は、リンク7とリンク8が接続される時点では既にLinked状態にあるので、RRUの状態移行原理に応じて、リンク7とリンク8に接続したとしても、RRU#3とRRU#4は、それぞれ2つの有効制御文字Aと文字Bを受信するが、RRU#3は、LinkedA状態(Linked状態であり、かつ有効制御文字Aを受信する方向に切り替えられる)になり、RRU#4は、LinkedB状態(Linked状態であり、かつ有効制御文字Bを受信する方向に切り替えられる)になる。このような切り替え方法により、ループネットワークにおけるBBUと6つのRRUのリンク構築が完了する。
【0054】
ループネットワークにおけるBBUと6つのRRUのトポロジ構造が完成した後に、或るリンクが切断された場合の各RRUの切り替えプロセスについて説明する。本実施形態においてリンク1が切断されることを例にする。
【0055】
図5は本発明の実施形態におけるリンク1が切断されてRRU#1の状態が変化した後のループネットワークトポロジ構造を示す図である。図5に示すように、リンク1が切断されたと仮定すると、RRU#1が、P0ポートのラインビット誤り率が所定の閾値を超え、かつ制御文字Aを受信しなかったことを検出する。上述のリンク状態移行条件により、このとき、RRU#1は、Linked状態からUnlinked状態に移行し、そしてP1ポートに制御文字Fを送信する。図の枠内のXマーク付きのRRUは、当該RRUがUnlinked状態にあることを示している。
【0056】
図6は本発明の実施形態における、リンク1が切断されてRRU#1/RRU#2/RRU#3の状態が変化した後のループネットワークトポロジ構造を示す図である。図6に示すように、RRU#2がP0で受信された制御文字が無効文字Fになったことを検出した場合、状態移行原理により、このとき、RRU#2は、Linked状態からUnlinked状態に移行し、そしてP1ポートに無効文字Fを送信する。RRU#3の状態変化は、RRU#2の状態変化と同様にして行われる。
【0057】
リンク1が切断された場合、RRU#1、RRU#2、RRU#3は全てLinked状態からUnlinked状態に変化する。
【0058】
図7は本発明の実施形態における、RRU#3がUnlinked状態からLinked状態に移行した後のループネットワークトポロジ構造を示す図である。図7に示すように、RRU#3の状態がUnlinked状態になった後、RRU#3は、P1ポートの受信側においてリンク8で有効制御文字Bを首尾よく受信し、P0ポートで無効制御文字Fを受信する。これにより、RRU#3は、P1ポートをSlaveポートに設定し、P0ポートをMasterポートに設定し、その後、RRU#3は、Unlinked状態からLinked状態に移行し、そしてSlaveポートに制御文字Bを送信する。
【0059】
図8は本発明の実施形態における、各RRUの状態が切り替えられた後のループネットワークトポロジ構造を示す図である。図8に示すように、RRU#2が、P1ポートで受信された制御文字が有効文字Bになったことを検出した場合、このときRRU#2は、状態移行原理により、Unlinked状態からLinked状態に移行する。そして、RRU#2は、P1ポートをSlaveポートに設定し、P0ポートをMasterポートに設定し、そしてP0ポートに制御文字Bを送信する。
【0060】
RRU#1が、P1ポートから受信された制御文字が有効文字Bになったことを検出した場合、このとき、RRU#1は、状態移行原理により、Unlinked状態からLinked状態に移行する。そして、RRU#1は、P1ポートをSlaveポートに設定し、P0ポートをMasterポートに設定する。RRU#1のMasterポートで受信されたラインビット誤り率は所定の閾値を超えるので、制御文字送信ルールにより、RRU#1がは、引き続きMasterポートに無効文字Fを送信する。
【0061】
本発明は、同時にループネットワークにおける無線装置の切り替えシステムを開示する。前記無線装置は、コア無線装置及び遠隔無線装置を含み、前記コア無線装置及び2つ以上の前記遠隔無線装置は、前記無線装置の2つのポートを介して接続されてループネットワークを構成する。
【0062】
前記コア無線装置は、コア無線装置の2つのポートのラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあることを検出した場合、2つのポートからそれぞれ異なる有効制御文字を送信し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、無効制御文字を送信することに用いられる。
【0063】
前記遠隔無線装置は、遠隔無線装置のマスタポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあることを検出した場合、スレーブポートで受信された有効制御文字をマスタポートに転送し、設定された閾値範囲にないことを検出した場合、マスタポートで無効文字を送信することに用いられ、且つ、スレーブポートに無効制御文字を連続的に送信することに用いられる。
【0064】
ここで、非接続状態において、前記遠隔無線装置は、遠隔無線装置のうちの1つのポートで1つの有効制御文字を受信し、別の1つのポートで別の1つの有効制御文字を受信したことを検出した場合、優先度の高い有効制御文字を受信したポートをスレーブポートとし、別のポートをマスタポートとすることにさらに用いられる。
【0065】
ここで、非接続状態において、前記遠隔無線装置は、遠隔無線装置のうちの1つのポートで有効制御文字を受信し、かつ別の1つのポートで有効制御文字を受信しなかったことを検出した場合、有効制御文字を受信したポートをスレーブポートとし、別のポートをマスタポートとすることにさらに用いられる。
【0066】
ここで、前記遠隔無線装置は、遠隔無線装置のスレーブポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、接続状態から非接続状態に移行することにさらに用いられる。
【0067】
ここで、前記遠隔無線装置は、遠隔無線装置のスレーブポートで有効制御文字を受信しなかったことを検出した場合、接続状態から非接続状態に移行することにさらに用いられる。
【0068】
前記遠隔無線装置は、遠隔無線装置が非接続状態にあると判断した場合、遠隔無線装置の2つのポートから無効制御文字を送信することにさらに用いられる。
【0069】
本発明のループネットワーク無線装置の切り替えシステムでは、前記コア無線装置は、BBUであり、前記遠隔無線装置は、RRUである。本発明のループネットワークにおける無線装置の切り替えシステムについて、一例として、BBU及びRRUから構成されるループネットワーク構造を例に挙げて説明を行ったが、当然、BBU及びRRUから構成されるループネットワーク構造に限られず、RNC及び基地局により構成されるネットワークや、基地局及び中継局により構成されるネットワークに応用することもできる。
【0070】
本発明のループネットワーク無線装置の切り替えシステムについては、上述の図1図8に示す構造を参照することによって理解することができる。
【0071】
本発明のビルディングベースバンド処理ユニットは、検出ユニット、第1送信ユニット、第2送信ユニット及び少なくとも2つのポートを含む。
【0072】
前記少なくとも2つのポートは、RRUを含むループネットワークに接続されるインタフェースとして用いられる。
【0073】
検出ユニットは、ループネットワークを構成する2つのポートそれぞれのラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあるかどうかを検出し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にある場合、第1送信ユニットをトリガし、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にない場合、第2送信ユニットをトリガすることに用いられる。
【0074】
第1送信ユニットは、ループネットワークを構成する2つのポートにそれぞれ異なる有効制御文字を送信することに用いられる。
【0075】
第2送信ユニットは、ループネットワークを構成する2つのポートに無効制御文字を送信することに用いられる。
【0076】
当業者であれば、本発明のビルディングベースバンド処理ユニットにおける各処理ユニットの実現機能について、上述のループネットワークにおける無線装置の切り替え方法及び切り替えシステムに関する説明を参照することによって理解することができると理解されるであろう。本発明のビルベースバンド処理ユニットにおける各処理ユニットの機能は、プロセッサで動作するプログラムにより実現することができ、具体的な論理回路により実現することもできる。
【0077】
本発明の遠隔無線ユニットは、検出ユニット、第1送信ユニット、第2送信ユニット及び第3送信ユニットを含む。
【0078】
検出ユニットは、マスタポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にあるかどうかを検出し、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にある場合、第1送信ユニットをトリガし、ラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にない場合、第2送信ユニットをトリガすることに用いられる。
【0079】
第1送信ユニットは、スレーブポートで受信された有効制御文字をマスタポートに送信することに用いられる。
【0080】
第2送信ユニットは、マスタポートに無効制御文字を送信することに用いられる。
【0081】
第3送信ユニットは、スレーブポートに無効制御文字を連続的に送信することに用いられる。
【0082】
前記遠隔無線ユニットは、設定ユニットをさらに含み、前記遠隔無線ユニットが非接続状態にある場合、
前記検出ユニットは、前記遠隔無線ユニットのうちの1つのポートで1つの有効制御文字を受信し、別の1つのポートで別の1つの有効制御文字を受信したことを検出した場合、設定ユニットをトリガすることにさらに用いられ、
設定ユニットは、優先度の高い有効制御文字を受信したポートをスレーブポートに設定し、別のポートをマスタポートに設定することに用いられる。
【0083】
ここで、前記遠隔無線ユニットが非接続状態にある場合、
前記検出ユニットは、前記遠隔無線ユニットのうちの1つのポートで有効制御文字を受信し、かつ別の1つのポートで有効制御文字を受信しなかったことを検出した場合、設定ユニットをトリガすることにさらに用いられる。
設定ユニットは、有効制御文字を受信したポートをスレーブポートに設定し、別のポートをマスタポートに設定することにさらに用いられる。
【0084】
本発明の遠隔無線ユニットは、移行ユニットをさらに含む。
前記検出ユニットは、前記遠隔無線ユニットのスレーブポートの受信側におけるラインビット誤り率が所定の閾値範囲内にないことを検出した場合、移行ユニットをトリガすることさらに用いられる。
移行ユニットは、前記遠隔無線ユニットを接続状態から非接続状態に移行させることに用いられる。
【0085】
または、前記検出ユニットは、前記遠隔無線ユニットのスレーブポートで有効制御文字を受信しなかったことを検出した場合、移行ユニットをトリガすることにさらに用いられる。
移行ユニットは、前記遠隔無線ユニットを接続状態から非接続状態に移行させることにさらに用いられる。
【0086】
当業者であれば、本発明の遠隔無線ユニットにおける各処理ユニットの実現機能にについて、上述のループネットワーク装置の切り替え方法及び切り替えシステムに関連する説明を参照することによって理解することができることを理解されるであろう。本発明の遠隔無線ユニットにおける各処理ユニットの機能についてプロセッサ上に動作するプログラムにより実現することができ、具体的な論理回路により実現することもできる。
【0087】
以上の説明は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲を限定することに用いられるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明により、ループネットワークにおけるリンクまたは或る特定のRRUに障害が発生した場合に、リンクをタイムリーに切り替えることができ、これにより、障害が発生したリンクまたは障害が発生したRRUの両側に配置されたRRUが引き続き正常に動作できることを保証することが可能となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8