(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記洗浄水再生装置は、固相吸着材粒子及び洗浄水が流入する入口部と、前記入口部から流入した固相吸着材粒子と洗浄水とが混合されてなる混合物をその長手方向に流動させる筒状の本体部と、前記本体部内の前記混合物を攪拌する攪拌機と、前記混合物を前記本体部から排出する出口部とを備えた流通型反応器であることを特徴とする、請求項1に記載の汚染土壌浄化装置。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばクロム、鉛、カドミウム、セレン、水銀などの有害金属及び/又はその化合物(以下、これらを「有害金属等」と総称する。)を原料又は材料として用いる生産施設の敷地又はその近隣地における土壌汚染、あるいは有害金属等を含む産業廃棄物の投棄等による土壌汚染が問題となっている。そして、有害金属等で汚染された土壌(以下「有害金属汚染土壌」という。)を、該有害金属汚染土壌が現に存在する位置(以下「原位置」という。)において、例えば有害金属等の不溶化、封じ込め又は電気修復などにより効果的に浄化することはかなり困難である。このため、有害金属汚染土壌は、一般に、掘削により原位置から除去され、外部の土壌浄化装置で浄化される。なお、有害金属汚染土壌が除去された跡地は、通常、土壌浄化装置で浄化された元の土壌又は別の清浄な土壌で埋め戻される。
【0003】
原位置外の土壌浄化装置で有害金属汚染土壌を浄化する手法としては、従来、溶融処理(例えば、特許文献1参照)や土壌洗浄処理(例えば、特許文献2、3参照)などが知られている。ここで、溶融処理は、有害金属汚染土壌を溶融させた後で急冷することにより有害金属等を封じ込め、該土壌を骨材などとして利用するようにした土壌浄化手法であるが、大量の熱エネルギーを消費するので、大量の有害金属汚染土壌を処理するのには適していないといった問題がある。
【0004】
他方、土壌洗浄処理は、有害金属汚染土壌を洗浄して有害金属等を除去するようにした土壌浄化手法であり、ほとんど熱エネルギーを必要としないので、大量の有害金属汚染土壌を処理するのに適している。そこで、本願発明者らは、すでに特許文献4において、土壌洗浄処理により有害金属汚染土壌を浄化する手法として、有害金属等で汚染された汚染物をキレート剤含有洗浄液で洗浄することにより汚染物から有害金属等を除去し、この洗浄により発生した洗浄廃液を、キレート剤よりも錯生成力の高い固相吸着材と接触させ、キレート剤含有洗浄液から有害金属等を除去・回収することにより、キレート剤含有洗浄液を再生するようにした有害金属汚染物の浄化方法を提案している(特許文献4の段落[0006]参照。)。
【0005】
特許文献4に記載された発明に係る有害金属汚染物の浄化方法によれば、有害金属等で汚染された汚染土壌を、キレート剤を含有する洗浄剤で洗浄した後の洗浄廃液から固相吸着材で有害金属等を除去するので、洗浄液ないしはキレート剤を繰り返し使用することができ、エネルギー消費が非常に少ない汚染土壌浄化システムを構築することができる。これにより、自然汚染土壌その他の汚染土壌の浄化が容易となり、また汚染廃棄物に対しては廃棄物の減量化と有効利用が期待される、といった顕著な効果を奏する(特許文献4の段落[0010]参照。)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記のとおり、特許文献4に記載された発明は、ほとんど熱エネルギーを消費することなく、キレート剤を含有する洗浄液を繰り返し使用しつつ有害金属汚染土壌を浄化することができる浄化システムを構築することを可能にするものである。しかしながら、特許文献4は、実験室規模の実施例は開示しているものの、大量の有害金属汚染土壌を事業として現実に浄化するための具体的な汚染土壌浄化装置を提案するには至っていない。そこで、本発明は、特許文献4に記載された発明に係る実験室規模の有害金属汚染物の浄化方法を利用して、大量の有害金属汚染土壌、さらには有害金属等以外の所定の汚染物質をも含む有害金属汚染土壌を事業として現実に浄化することを可能にする実用的な汚染土壌浄化装置を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するためになされた本発明に係る汚染土壌浄化装置は、破砕部と、分級部と、沈降分離部と、キレート剤再生部とを備えている。この汚染土壌浄化装置において、破砕部は、石及び/又は礫が混在しかつ有害金属等(有害金属及び/又はその化合物)で汚染された土壌を受け入れ、土壌中に混在している石及び/又は礫を破砕する。分級部は、破砕部から排出された土壌と、キレート剤を含む洗浄水とを混合し、土壌に付着している有害金属等を土壌から離脱させてキレート剤に捕捉させるとともに、土壌から粗骨材(石及び/又は礫)及び砂を分離して除去(回収)する。沈降分離部は、分級部から排出された細粒土(シルト及び/又は粘土)を含む洗浄水を、沈降分離により、上澄水と、細粒土を含むスラッジとに分離する。キレート剤再生部は、沈降分離部から排出された上澄水を受け入れ、上澄水中の有害金属等ないしはこれらのイオンを捕捉しているキレート剤から有害金属等ないしはこれらのイオンを除去してキレート剤を再生する。
【0009】
本発明に係る汚染土壌浄化装置において、キレート剤再生部は、洗浄水再生装置と、洗浄水分離スクリーンと、洗浄水還流機構と、固相吸着材再生機構と、固相吸着材粒子返送機構とを備えている。洗浄水再生装置は、キレート剤よりも錯生成力が高く沈降分離部から排出された上澄水と接触したときに該上澄水中の有害金属等ないしはこれらのイオンを吸着する固相吸着材を含む固相吸着材粒子と、沈降分離部から排出された上澄水とを混合して攪拌し、上澄水中のキレート剤から有害金属等を除去して該上澄水を洗浄水として再生する。洗浄水分離スクリーンは、洗浄水再生装置から排出された固相吸着材粒子と洗浄水の混合物から洗浄水を分離する。洗浄水還流機構は、洗浄水分離スクリーンから排出された洗浄水を分級部に還流させる。なお、分級部に加えて破砕部にも洗浄水を供給する(還流させる)ようにしてもよい。
【0010】
固相吸着材再生機構は、洗浄水分離スクリーンから排出された固相吸着材粒子を酸液と混合し、固相吸着材粒子に吸着された有害金属等を酸液により除去して該固相吸着材粒子を再生する。固相吸着材粒子返送機構は、洗浄水分離スクリーンから排出された固相吸着材粒子又は固相吸着材再生機構により再生された固相吸着材粒子を洗浄水再生装置に返送する。ここで、固相吸着材は、担体に環状分子を担持させ、該環状分子にキレート配位子を修飾した配位結合及び水素結合による多点相互作用を有するとともに有害金属等ないしはこれらのイオンを選択的に取り込むものである。
【0011】
本発明に係る汚染土壌浄化装置において、洗浄水再生装置は、固相吸着材粒子及び洗浄水が流入する入口部と、入口部から流入した固相吸着材粒子と洗浄水とが混合されてなる混合物をその長手方向に流動させる筒状の本体部と、本体部内の混合物を攪拌する攪拌機と、混合物を本体部から排出する出口部とを備えた流通型反応器であるのが好ましい。
【0012】
また、固相吸着材再生機構は、洗浄水分離スクリーンから排出された固相吸着材粒子を酸液と混合し該固相吸着材粒子を酸液で洗浄して再生する酸液洗浄装置と、酸液洗浄装置から排出された固相吸着材粒子と酸液の混合物から酸液を分離する酸液分離スクリーンと、酸液分離スクリーンから排出された固相吸着材粒子をすすぎ水と混合し該固相吸着材粒子を水洗する水洗装置と、水洗装置から排出された固相吸着材粒子とすすぎ水の混合物からすすぎ水を分離する水分離スクリーンとを有しているのが好ましい。ここで、固相吸着材粒子返送機構は、洗浄水分離スクリーンから排出された固相吸着材粒子又は水分離スクリーンから排出された固相吸着材粒子を洗浄水再生装置に返送するのが好ましい。
【0013】
本発明に係る汚染土壌浄化装置において、破砕部は、有害金属等で汚染された土壌と洗浄水還流機構から供給された洗浄水とを混合する混合装置と、混合装置から排出された土壌と洗浄水の混合物を受け入れて土壌に含まれている石又は礫を破砕する湿式のミルブレーカとを有するものであるのが好ましい。また、分級部は、ミルブレーカから排出された土壌と洗浄水還流機構から供給された洗浄水とを混合しつつ該土壌から粗骨材を分離して除去(回収)するトロンメルと、トロンメルから排出された土壌と洗浄水の混合物を受け入れ該混合物から砂を分離して除去(回収)する、サイクロン及びサンドスクリーンを備えた砂分離機構とを有するものであるのが好ましい。
【0014】
本発明に係る汚染土壌浄化装置は、沈降分離部から排出されたスラッジを濾過して濾過ケークを生成する濾過部、例えば、真空濾過機、フィルタプレス等を備えているのが好ましい。この場合、汚染土壌浄化装置は、濾過部から排出された濾過ケークを乾燥させる連続式の乾燥装置、例えば通気バンド乾燥機、通気回転乾燥機などを備えているのがより好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、破砕部から排出された土壌が、分級部においてキレート剤を含む洗浄水によって洗浄されるので、土壌に含まれる粗骨材(石及び/又は礫)、砂、細粒土等に付着している有害金属等が除去される。このため、分級部で分離・回収された粗骨材又は砂、あるいは沈降分離部から排出されたスラッジに含まれる細粒土は、有害金属等をほとんど含まない。したがって、粗骨材又は砂は土木・建築材料として使用することができ、またスラッジは、濾過等により脱水することにより、例えば改良土として植物栽培等に使用することができる。よって、有害金属等で汚染された土壌から、有害金属等をほとんど含まず再使用することができる粗骨材、砂(洗い砂)及び/又は細粒土(改良土)を生成することができる。なお、ある種のキレート剤は、有害金属等以外の特定の汚染物質(例えば、ホウ素、フッ素等)も捕捉することができる(例えば、本町化学工業株式会社の「排水用9000シリーズキレート剤」)。
【0016】
また、キレート剤を含む洗浄水は循環して使用され、その循環の途中でキレート剤に捕捉されている有害金属等が固相吸着材により除去され、また適宜に固相吸着材に吸着されている有害金属等が酸液により除去される。このため、キレート剤又は固相吸着材をほとんど補充することなく、有害金属等で汚染された大量の土壌を連続的に浄化して、清浄な骨材ないしは粗骨材、洗い砂、改良土等を生成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照しつつ本発明の実施形態を具体的に説明する。まず、
図1を参照しつつ、本発明に係る汚染土壌浄化装置の概略構成を説明する。
図1に示すように、本発明に係る汚染土壌浄化装置Sは、破砕部1と、分級部2と、沈降分離部3と、濾過部4と、キレート剤再生部5とを備えている。
【0019】
この汚染土壌浄化装置Sにおいて、破砕部1は、石及び/又は礫が混在しかつ有害金属等(有害金属及び/又はその化合物)で汚染された土壌を受け入れ、該土壌中に混在している石及び/又は礫を破砕する。分級部2は、破砕部1から排出された土壌と、キレート剤を含む洗浄水とを混合し、土壌に付着している有害金属等を該土壌から離脱させてキレート剤に捕捉させるとともに、該土壌から粗骨材及び砂を分離して回収する。沈降分離部3は、分級部2から排出された細粒土(シルト及び/又は粘土)を含む洗浄水を、沈降分離により、上澄水と、細粒土を含むスラッジとに分離する。濾過部4は、沈降分離部3から排出されたスラッジを濾過して濾過ケークを生成する。キレート剤再生部5は、沈降分離部3から排出された上澄水を受け入れ、上澄水中のキレート剤が捕捉している有害金属等ないしはこれらのイオンを除去してキレート剤を再生する。
【0020】
この汚染土壌浄化装置Sにおいて、キレート剤再生部5は、
図1中には示していないが、洗浄水再生装置と、洗浄水分離スクリーンと、洗浄水還流機構と、固相吸着材再生機構と、固相吸着材粒子返送機構とを備えている(
図2参照)。洗浄水再生装置は、キレート剤よりも錯生成力が高く沈降分離部3から排出された上澄水と接触したときに上澄水中の有害金属等ないしはこれらのイオンを吸着する固相吸着材を含む固相吸着材粒子と、沈降分離部3から排出された上澄水とを混合して攪拌し、上澄水中のキレート剤から有害金属等を除去して該上澄水を洗浄水として再生する。
【0021】
洗浄水分離スクリーンは、洗浄水再生装置から排出された固相吸着材粒子と洗浄水の混合物から洗浄水を分離する。洗浄水還流機構は、洗浄水分離スクリーンから排出された洗浄水を分級部2に還流させる。なお、洗浄水還流機構を、分級部2に加えて破砕部1にも洗浄水を供給するように構成してもよい。
【0022】
固相吸着材再生機構は、洗浄水分離スクリーンから排出された固相吸着材粒子を酸液と混合し、固相吸着材粒子に吸着された有害金属等を酸液により除去して該固相吸着材粒子を再生する。より具体的には、固相吸着材再生機構は、洗浄水分離スクリーンから排出された固相吸着材粒子を酸液と混合し該固相吸着材粒子を酸液で洗浄して再生する酸液洗浄装置と、酸液洗浄装置から排出された固相吸着材粒子と酸液の混合物から酸液を分離する酸液分離スクリーンと、酸液分離スクリーンから排出された固相吸着材粒子をすすぎ水と混合し該固相吸着材粒子を水洗する水洗装置と、水洗装置から排出された固相吸着材粒子とすすぎ水の混合物からすすぎ水を分離する水分離スクリーンとを有している。
【0023】
固相吸着材粒子返送機構は、洗浄水分離スクリーンから排出された固相吸着材粒子又は固相吸着材再生機構により再生された固相吸着材粒子を洗浄水再生装置に返送する。より具体的には、固相吸着材粒子返送機構は、洗浄水分離スクリーンから排出された固相吸着材粒子及び/又は水分離スクリーンから排出された固相吸着材粒子を洗浄水再生装置に返送する。ここで、固相吸着材は、担体に環状分子を担持させ、該環状分子にキレート配位子を修飾した配位結合及び水素結合による多点相互作用を有するとともに有害金属等ないしはこれらのイオンを選択的に取り込むものである。
【0024】
この汚染土壌浄化装置Sにおいて、洗浄水再生装置は、固相吸着材粒子及び洗浄水が流入する入口部と、入口部から流入した固相吸着材粒子と洗浄水とが混合されてなる混合物をその長手方向に流動させる筒状の本体部と、本体部内の混合物を攪拌する攪拌機と、混合物を本体部から排出する出口部とを備えた流通型反応器である。
【0025】
次に、
図2を参照しつつ、汚染土壌浄化装置Sの具体的な構成を説明する。
図2に示すように、汚染土壌浄化装置Sにおいては、まず、有害金属等(有害金属及び/又はその化合物)で汚染され、場合によってはその他の汚染物質(例えば、フッ素、ホウ素、シアン等の第二種特定有害物質)で汚染された地盤の掘削等により採取された土壌(汚染土壌)が、投入ホッパ11に受け入れられる。そして、投入ホッパ11内の土壌はまず混合装置12に投入され、混合装置12内で、キレート剤を含む洗浄水と混合される。ここで、土壌は、細粒土(粒径が0.075mm以下のシルト又は粘土)及び種々の粒径の土石ないしは土砂、例えば石(粒径が75mm以上)、礫(粒径が2ないし75mm)及び/又は砂(粒径が0.075ないし2mm)等を含むものである。
【0026】
投入ホッパ11内の土壌は有害金属等で汚染され、場合によってはさらにその他の汚染物質で汚染されている。ここで、有害金属等としては、例えばクロム、鉛、カドミウム、セレン、水銀、金属砒素及びこれらの化合物などが挙げられる。その他の汚染物質としては、例えば、フッ素又はその化合物、ホウ素又はその化合物、シアン化合物等の第二種特定有害物質などが挙げられる。
【0027】
混合装置12で生成された土壌と洗浄水の混合物(以下「土壌・水混合物」という。)は湿式のミルブレーカ13に移送される。ミルブレーカ13としては、例えばロッドミルを用いることができる。ロッドミルは、詳しくは図示していないが、ドラムの中に複数のロッド(例えば、10本の75mmφ×2mのスチールロッド)が配置された破砕装置であり、ドラムの回転によってロッドが互いに平行に転動して線接触し、その衝撃力、剪断力、摩擦力等により、比較的粒径の大きい石、礫等を破砕する。その際、石、礫等に付着し又は含まれている有害金属等あるいはその他の汚染物質は剥離又は除去され、洗浄水中に離脱する。
【0028】
かくして、土壌の表面から離脱した有害金属等あるいはその他の汚染物質ないしはこれらのイオンは、洗浄水中のキレート剤によって捕捉される。ここで、ミルブレーカ13はロッドミルに限定されるわけではなく、その他の破砕装置、例えばボールミルなどを用いることができるのはもちろんである。なお、混合装置12を設けず、投入ホッパ11内の土壌をミルブレーカ13に直接供給する一方、キレート剤を含む洗浄水をミルブレーカ13に直接供給するようにしてもよい。
【0029】
ここで、洗浄水に用いられるキレート剤としては、例えば、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、あるいは生分解性を有するHIDS(3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸)、IDS(2,2’−イミノジコハク酸)、MGDA(メチルグリシン二酢酸)、EDDS(エチレンジアミンジ酢酸)又はGLDA(L−グルタミン酸ジ酢酸)のナトリウム塩などが挙げられる。これらのキレート剤は、いずれも土壌に付着している有害金属等ないしはこれらのイオンを有効に捕捉する(キレートする)ことができものである。なお、実際に土壌を処理する際には、土壌に含まれる有害金属等の種類に応じて、その処理に適したキレート剤が選択され、又は複数種のキレート剤が用いられる。洗浄水中のキレート剤の濃度は、高ければ高い程有害金属等ないしはこれらのイオンの捕捉量が増えるが、実用上は0.005〜0.1モル/リットルの範囲、好ましくは0.01〜0.05モル/リットルの範囲に設定すればよい。
【0030】
ミルブレーカ13から排出された土壌・水混合物はトロンメル14に導入される。トロンメル14は、詳しくは図示していないが、洗浄水を貯留することができる受槽と、水平面に対して傾斜して配置された略円筒形のドラムスクリーンとを有する湿式の篩分装置であって、ドラムスクリーンは、モータによりその中心軸(円筒の中心軸)まわりに回転することができるようになっている。また、ドラムスクリーン内に、洗浄水をスプレー状で噴射することができるようになっている。
【0031】
トロンメル14の回転しているドラムスクリーンの内部を土壌・水混合物が流れる際に、ドラムスクリーンの網目より細かい土壌粒子は、洗浄水とともにドラムスクリーンの網目を通り抜け、ドラムスクリーン外に出て受槽内に入る。他方、ドラムスクリーンの網目より粗い土壌粒子は、ドラムスクリーンの網目を通り抜けることができないので、ドラムスクリーンの下側の開口端を経由して、ドラムスクリーン外に排出される。トロンメル14内では、土壌・水混合物中の土壌粒子同士が互いに擦れ合うので、土壌粒子の表面に残留・付着している有害金属等あるいはその他の汚染物質が剥離され、洗浄水中に離脱させられる。このように洗浄水中に離脱した有害金属等あるいはその他の汚染物質ないしはこれらのイオンは、洗浄水中のキレート剤によって捕捉される。
【0032】
この実施形態では、トロンメル14のドラムスクリーンの網目の分級径(目開き)は、粒径が2mm未満の土壌粒子がドラムスクリーンの網目を通り抜けるように設定されている。したがって、このトロンメル14では、粒径が2mm以上の土壌粒子(礫、石)が土壌・水混合物から分離ないしは回収される。粒径が2mm以上の土壌粒子(礫、石)は、ほとんど汚染物質を含まない。このため、トロンメル14で分離された粒径が2mm以上の土壌粒子(礫、石)は、例えばコンクリート用の骨材ないしは粗骨材として用いることができ、あるいは販売することができる。
【0033】
また、このような粒径が2mm以上の骨材ないしは粗骨材を、例えば篩分装置を用いて分級し、粒径が異なる複数種の骨材ないしは粗骨材を生産してもよい。例えば、粒径が5mm未満の比較的細かい骨材と、粒径が5mm以上の比較的粗い粗骨材に分級してもよい。なお、トロンメル14のドラムスクリーンの網目の寸法(目開き)は前記のものに限定されるわけではなく、得ようとする比較的粒径が大きい土壌粒子の粒径に応じて、任意に設定することができるのはもちろんである。
【0034】
トロンメル14の受槽内に収容された粒径が2mm未満の土壌粒子と洗浄水とを含む土壌・水混合物はサイクロン15に導入される。サイクロン15は、詳しくは図示していないが、下方に向かって狭まる略円錐状のシリンダ内に土壌・水混合物をポンプで圧送して旋回流を生じさせ、これによって生じる遠心力を利用して、土壌・水混合物を、比較的粒径が小さい(例えば0.075mm未満)細粒土と洗浄水の混合物と、比較的粒径が大きい(例えば0.075mm以上)土壌粒子とに分離する。そして、細粒土と洗浄水の混合物(以下「細粒土含有水」という。)はサイクロン15の上端部から排出され、比較的粒径が大きい土壌粒子はサイクロン15の下端部から排出される。ここで、細粒土含有水はシールタンク16(中間貯槽)に一時的に貯留される。細粒土含有水に含まれる細粒土は、例えばその粒径が0.075mm未満のシルト又は粘土である。
【0035】
他方、サイクロン15の下端部から排出された比較的粒径が大きい土壌粒子はサンドスクリーン17に導入される。なお、この比較的粒径が大きい土壌粒子は、例えばその粒径が0.075〜2mmの砂である。サンドスクリーン17は、所定の圧力及び水量で洗浄水を流動させて、比較的粒径が大きい土壌粒子すなわち砂にすすぎ洗浄処理を施すとともに、残留している浮遊物ないしは異物を捕集して除去する。サンドスクリーン17で捕集された浮遊物ないしは異物は、可燃物であれば燃料として再利用される(サーマルリサイクル)。また、すすぎ洗浄処理が施された比較的粒径が大きい土壌粒子すなわち砂(洗い砂)は、汚染物質をほとんど含んでいないので、再生砂として使用され、あるいは販売される。サンドスクリーン17から排出された洗浄水は、フィードタンク18(中間貯槽)に一時的に貯留される。
【0036】
シールタンク16に一時的に貯留された細粒土含有水はpH調整槽19に導入される。また、フィードタンク18に一時的に貯留された洗浄水もpH調整槽19に導入され、細粒土含有水に加えられる。そして、pH調整槽19では、細粒土含有水(加えられた洗浄水を含む)のpHが、pH調整剤、例えば酸性液(例えば、硫酸、塩酸等)及びアルカリ性液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液等)を用いて、ほぼ中性又は所定のpH(例えば、pH7〜8)となるように調整される。なお、図示していないが、pH調整槽19においては、細粒土含有水のpHは、pHメータ等を備えたpH自動制御装置により自動的に調整される。
【0037】
pH調整槽19でpHが調整された細粒土含有水は原水槽20に一時的に貯留される。原水槽20では、細粒土含有水にポリ塩化アルミニウム液(PAC)と、高分子凝集剤と、pH調整剤(酸性液又はアルカリ性液)とが添加される。これにより、原水槽20内に非水溶性の金属水酸化物と細粒土とが混在する多数のフロックが生成される。その際、洗浄水中の水質汚濁物質がフロックに吸着され又はフロックに付着する。なお、ポリ塩化アルミニウム液及び高分子凝集剤を、原水槽20ではなく、pH調整槽19で細粒土含有水に添加してもよい。また、pH調整槽19と原水槽20の間に、細粒土含有水にポリ塩化アルミニウム液と高分子凝集剤とpH調整剤とを添加する凝集反応槽を設けてもよい。
【0038】
原水槽20内の細粒土含有水は、浮遊物回収装置21により浮遊物が除去された後、シックナ22に導入される。シックナ22は、詳しくは図示していないが、細粒土含有水がほぼ静止している状態で非水溶性のフロックないしは細粒土を重力により沈降させ、下部に位置するスラッジ層(例えば、固形分の比率が5〜10%)と、上部に位置しほとんどフロックないしは細粒土を含まない上澄水(洗浄水)とを形成する。なお、上澄水の表面に浮遊している浮上油は、少量の上澄水をシックナ22の上部から溢流させることにより除去される。
【0039】
シックナ22の下部に滞留ないしは堆積しているスラッジは、スラッジポンプ等により引き抜かれて中間タンク23に移送され、中間タンク23内に一時的に貯留される。そして、中間タンク23内のスラッジは、適宜に又は連続的に、フィルタプレス24に移送される。フィルタプレス24は、詳しくは図示していないが、バッチ式又は半連続式の加圧式濾過器であって、中間タンク23から受け入れたスラッジを加圧濾過し、濾過ケークと濾液とを生成する。フィルタプレス24の濾過圧力は、例えば濾過ケークの含水率が30〜40%となるように設定される。ここで、フィルタプレス24の濾液はシックナ22に戻される。なお、フィルタプレス以外の濾過器、例えば真空濾過器(オリバー式濾過器)等を用いてもよい。フィルタプレス24から排出された濾過ケークは、有害金属等あるいはその他の汚染物質をほとんど含まないので、必要に応じて乾燥処理を施した上で、改良土として使用し、又は販売することができる。
【0040】
他方、シックナ22内の上澄水は、処理水槽25に導入されて貯留される。処理水槽25が満杯になったときには予備水槽26が使用される。処理水層25ないしは予備水槽26に貯留されている処理水は、後でその構成及び機能を詳しく説明するキレート剤再生部5に導入される。なお、処理水槽25に貯留されている処理水(循環水)が蒸発等により減少したときには、適宜に処理水槽25に水道水が補給される。
【0041】
この汚染土壌浄化装置Sにおいては、有害金属等で汚染された土壌が、順に混合装置12とミルブレーカ13とトロンメル14とサイクロン15とサンドスクリーン17とで処理される際に、土壌に付着している有害金属等あるいはその他の汚染物質は、キレート剤を含む洗浄水中に離脱するが、洗浄水中に離脱したこれらの汚染物質は、比較的粒径が小さい細粒土の表面に集約される(環境省、水・大気環境局、土壌環境課「汚染土壌処理業の許可審査等に関する技術的留意事項」第21頁、平成25年8月発行、参照)。したがって、トロンメル14で回収される粗骨材、あるいはサンドスクリーン17で回収される砂(洗い砂)は、ほとんど有害金属等を含まないので、土木・建築用の材料として再使用することができる。
【0042】
前記のとおり、混合装置12からサンドスクリーン17までの流通過程で洗浄水中に離脱した有害金属等あるいはその他の汚染物質は、比較的粒径が小さい細粒土の表面に集約されるが、細粒土は、シールタンク16又はフィードタンク18からシックナ22までの流通過程で、キレート剤を含む洗浄水と、十分に長い時間(例えば、1〜4時間)接触する。このため、細粒土に付着している有害金属等あるいはその他の汚染物質は、ほとんど洗浄水中に離脱する。そして、洗浄水中に離脱した有害金属等あるいはその他の汚染物質ないしはこれらのイオンはキレート剤に捕捉される。したがって、フィルタプレス24で生成される濾過ケーク(改良土)は、有害金属等あるいはその他の汚染物質をほとんど含まないので、例えば連続式の通気バンド乾燥機、通気回転乾燥機などを用いて乾燥させ、再使用することができる。
【0043】
以下、
図3を参照しつつ汚染土壌浄化装置Sのキレート剤再生部5の具体的な構成及び機能を説明する。
図3に示すように、キレート剤再生部5には洗浄水再生装置30が設けられている。この洗浄水再生装置30は、上下方向に長手となる細長い略円筒状の本体部31と、本体部31内に配置されモータによって回転駆動される攪拌機32と、本体部31の内周面に取り付けられた円環状の複数の邪魔板33(バッフル)とを有している。攪拌機32は、上下方向に伸びる回転軸に取り付けられた複数の撹拌翼ないしはブレードを有している。
【0044】
ここで、撹拌翼と邪魔板33は、上下方向に交互に並ぶように配設されている。本体部31の寸法(例えば、直径、長さ等)は、該本体部31内を流れる洗浄水及び固相吸着材粒子が、予め設定された滞留時間(例えば、0.1〜0.5時間)を確保することができるように好ましく設定される。また、攪拌機32の撹拌翼の数、形状、回転速度等は、本体部31内において、固相吸着材粒子が洗浄水中にほぼ均一に分散されるような乱流度(レイノルズ数)が達成されるように好ましく設定される。
【0045】
そして、本体部31の上端開口部には、シックナ22(沈降分離部3)から排出された上澄水ないしは洗浄水が、処理水槽25又は予備水槽26に一時的に貯留された後、ポンプ35により管路36を介して供給される。さらに、本体部31の上端開口部には、固相吸着材粒子貯槽37に貯留された固相吸着材粒子が、粒子フィーダー38によって供給される。本体部31の上端開口部に供給された洗浄水と固相吸着材粒子とは攪拌機32によって攪拌・混合され、固相吸着材粒子が洗浄水中にほぼ均一に分散されてなる混合物(以下「洗浄水・粒子混合物」という。)が生成され、この洗浄水・粒子混合物は攪拌機32の複数の撹拌翼によって攪拌されながら、全体的には本体部31内を下方に向かって流れる。
【0046】
かくして、洗浄水再生装置30(本体部31)内では、有害金属等ないしはこれらのイオンを捕捉しているキレート剤を含む洗浄水が、キレート剤より錯生成力が高い固相吸着材(固相吸着材粒子)と接触させられる。その結果、キレート剤に捕捉されている有害金属等ないしはこれらのイオンがキレート剤から離脱させられ、固相吸着材に吸着ないしは抽出される。これにより、洗浄水から有害金属等が除去・回収される一方、キレート剤は再び有害金属等を捕捉することができる状態となり、洗浄水が再生される。ここで、複数の邪魔板33は、本体部31内における洗浄水・粒子混合物の乱流度(レイノルズ数)を高め、これによって固相吸着材によるキレート剤からの有害金属等の除去が促進される。
【0047】
このようにキレート剤が再生された後、洗浄水・粒子混合物は、本体部31内の下端開口部から、該洗浄水・粒子混合物を洗浄水と固相吸着材粒子に分離するための洗浄水分離スクリーン40に導入される。洗浄水分離スクリーン40としては、例えば予め設定された目開き(口径)の金網ないしはメッシュが傾斜して配置された傾斜・水平型振動篩機、あるいは円型振動篩機等を用いることができる。ここで、洗浄水分離スクリーン40の金網ないしはメッシュの目開きは、固相吸着材粒子を通過させず、かつ洗浄水を円滑に通過させられるように好ましく設定される。
【0048】
かくして、洗浄水分離スクリーン40の金網を通過した洗浄水は、洗浄水貯槽41に導入され、貯留される。洗浄水貯槽41に貯留された洗浄水は、ポンプ42によって管路43を介して、混合装置12とトロンメル14とサンドスクリーン17とに供給(還流)される。なお、ポンプ42及び管路43は、洗浄水還流機構を構成する。他方、洗浄水分離スクリーン40の金網を通過しない固相吸着材粒子は、洗浄水分離スクリーン40から排出された後、第1バケットコンベア45及び第1ベルトコンベア46により、固相吸着材粒子貯槽37に返送される。
【0049】
以下、固相吸着材再生機構の具体的な構成及び機能を説明する。洗浄水分離スクリーン40から排出された固相吸着材粒子における固相吸着材の有害金属等の吸着量が飽和状態ないしはその近傍に達したときには、該固相吸着材粒子は第2バケットコンベア47及び第2ベルトコンベア48により、酸液洗浄装置50に移送される。そして、酸液洗浄装置50には、酸液貯槽51に貯留された酸液が、ポンプ52により管路53を介して供給される。
【0050】
酸液洗浄装置50は、上下方向に長手となる細長い略円筒状の本体部54と、本体部54内に配置されモータによって回転駆動される攪拌機55と、本体部54の内周面に取り付けられた円環状の複数の邪魔板56(バッフル)とを有している。攪拌機55は、上下方向に伸びる回転軸に取り付けられた複数の撹拌翼ないしはブレードを有している。ここで、撹拌翼と邪魔板56は、上下方向に交互に並ぶように配設されている。本体部54の寸法(例えば、直径、長さ等)は、該本体部54内を流れる酸液及び固相吸着材粒子が、予め設定された滞留時間(例えば、0.1〜0.3時間)を確保することができるように好ましく設定される。また、攪拌機55の撹拌翼の数、形状、回転速度等は、本体部54内において、固相吸着材粒子が酸液中にほぼ均一に分散されるような乱流度(レイノルズ数)が達成されるように好ましく設定される。
【0051】
そして、酸液洗浄装置50の本体部54の上端開口部には、酸液と再生すべき固相吸着材粒子とが供給され、酸液と固相吸着材粒子とは攪拌機55によって攪拌・混合され、固相吸着材粒子が酸液中にほぼ均一に分散されてなる混合物(以下「酸液・粒子混合物」という。)が生成され、この酸液・粒子混合物は攪拌機55の複数の撹拌翼によって攪拌されながら本体部54内を下方に向かって流れる。
【0052】
かくして、酸液洗浄装置50(本体部54)内では、固相吸着材粒子が酸液と接触させられ、固相吸着材に捕捉されている有害金属等ないしはこれらのイオンが酸液中に離脱させられる。これにより、固相吸着材から有害金属等が除去され、固相吸着材ないしは固相吸着材粒子が再生される。固相吸着材の有害金属吸着量が飽和状態ないしはその近傍に達したか否かは、洗浄水分離スクリーン40から排出された洗浄水中の有害金属等の含有量を検出することにより判定することができる。なお、邪魔板56は、本体部54内における酸液・粒子混合物の乱流度(レイノルズ数)を高め、これによって固相吸着材からの有害金属等の除去が促進される。
【0053】
このように固相吸着材が再生された後、酸液・粒子混合物は、本体部54の下端開口部から、該酸液・粒子混合物を酸液と固相吸着材粒子に分離するための酸液分離スクリーン57に導入される。酸液分離スクリーン57としては、例えば予め設定された目開き(口径)の金網ないしはメッシュが傾斜して配置された傾斜・水平型振動篩機、あるいは円型振動篩機等を用いることができる。ここで、酸液分離スクリーン57の金網ないしはメッシュの目開きは、洗浄水分離スクリーン40と同様である。
【0054】
かくして、酸液分離スクリーン57の金網を通過した酸液は、酸液貯槽51に戻され、貯留される。酸液貯槽51に貯留された酸液は、再び、ポンプ52によって管路53を介して酸液洗浄装置50に供給される。他方、酸液分離スクリーン57の金網を通過しない固相吸着材粒子は、酸液分離スクリーン57から排出された後、第3バケットコンベア58及び第3ベルトコンベア59により、水洗装置60に移送される。
【0055】
水洗装置60は、略円筒状の本体部61と、本体部61内に配置されモータによって回転駆動される攪拌機62とを有している。攪拌機62は、上下方向に伸びる回転軸に取り付けられた1つ又は複数の撹拌翼ないしはブレードを有している。本体部61の上端開口部には、すすぎ水と水洗すべき固相吸着材粒子とが供給され、すすぎ水と固相吸着材粒子とは攪拌機62によって攪拌・混合され、固相吸着材粒子がすすぎ水中にほぼ均一に分散されてなる混合物(以下「水・粒子混合物」という。)が生成される。かくして、水洗装置60(本体部61)内では、固相吸着材粒子がすすぎ水と接触させられ、固相吸着材に付着している酸液が除去される。これにより、固相吸着材ないしは固相吸着材粒子の再生が完了する。
【0056】
この後、水・粒子混合物は、水洗装置60の本体部61の下端開口部から、該水・粒子混合物をすすぎ水と固相吸着材粒子に分離するための水分離スクリーン63に導入される。水分離スクリーン63としては、例えば予め設定された目開き(口径)の金網ないしはメッシュが傾斜して配置された傾斜・水平型振動篩機、あるいは円型振動篩機等を用いることができる。なお、水分離スクリーン63の金網ないしはメッシュの目開きは、洗浄水分離スクリーン40と同様である。
【0057】
かくして、水分離スクリーン63の金網を通過したすすぎ水は、水貯槽64に導入され、貯留される。水貯槽64に貯留されたすすぎ水は、再び、ポンプ65によって管路66を介して水洗装置60に供給される。他方、水分離スクリーン63の金網を通過しない固相吸着材粒子は、水分離スクリーン63から排出された後、第4バケットコンベア67及び第4ベルトコンベア68により、固相吸着材粒子貯槽37に返送される。
【0058】
本発明に係るキレート剤再生部5において、固相吸着材粒子を移送又は返送する手段は、バケットコンベアとベルトコンベアの組み合わせに限定されるわけではなく、粒状物を搬送することができる搬送装置であれば、どのようなものでもよい。なお、第1〜第4バケットコンベア45、47、58、67及び第1〜第4ベルトコンベア46、48、59、68は、固相吸着材粒子返送機構を構成する。また、酸液洗浄装置50、酸液分離スクリーン57、酸液貯槽51、水洗装置60、水分離クリーン63、水貯槽64、ポンプ52、65及び管路53、66は、固相吸着材再生機構を構成する。
【0059】
本発明に係る汚染土壌浄化装置Sないしはキレート剤再生部5によれば、破砕部1(混合装置2、ミルブレーカ3)から排出された土壌が、分級部2(トロンメル14、サイクロン15、サンドスクリーン17)においてキレート剤を含む洗浄水によって洗浄されるので、土壌に含まれる粗骨材(石及び/又は礫)、砂、細粒土等に付着している有害金属等が除去される。このため、分級部2で分離・回収された粗骨材又は砂、あるいは濾過部4(フィルタプレス24)から排出される濾過ケークに含まれる細粒土は、有害金属等をほとんど含まない。したがって、粗骨材又は砂は土木・建築材料として使用することができ、また濾過ケークは、例えば改良土として使用することができる。よって、有害金属等で汚染された土壌から、有害金属等をほとんど含まず再使用することができる粗骨材、砂(洗い砂)及び/又は細粒土(改良土)を生成することができる。また、特定のキレート剤を用いることにより、有害金属等以外の特定の汚染物質、例えば、ホウ素、フッ素なども除去することが可能である。
【0060】
また、キレート剤を含む洗浄水は循環して使用され、循環の途中でキレート剤に捕捉されている有害金属等が固相吸着材により除去され、また適宜に固相吸着材に吸着されている有害金属等が酸液により除去される。このため、キレート剤又は固相吸着材をほとんど補充することなく、有害金属等で汚染された大量の土壌を連続的に浄化して、清浄な骨材ないしは粗骨材、洗い砂、改良土等を生成することができる。
【0061】
よって、本発明に係る汚染土壌浄化装置Sないしはキレート剤再生部5によれば、特許文献4に記載された発明に係る有害金属汚染物の浄化方法を利用して、大量の有害金属汚染土壌、さらには有害金属等以外の所定の汚染物質をも含む有害金属汚染土壌を事業として現実に浄化することが可能となる。
【解決手段】汚染土壌浄化装置Sは、破砕部1と分級部2と沈降分離部3と濾過部4とキレート剤再生部5とを備えている。破砕部1は、有害金属等で汚染された土壌中に混在している石及び/又は礫を破砕する。分級部2は、破砕部1から排出された土壌とキレート剤を含む洗浄水とを混合し、有害金属等を土壌から離脱させてキレート剤に捕捉させるとともに、土壌から粗骨材及び砂を分離して回収する。沈降分離部3は、分級部2から排出された細粒土を含む洗浄水を、沈降分離により、上澄水と細粒土を含むスラッジとに分離する。キレート剤再生部5は、沈降分離部4から排出された上澄水中のキレート剤が捕捉している有害金属等ないしはこれらのイオンを除去してキレート剤を再生する。