(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771387
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】溶融物がノズルプレートから無制御に流出することを防止する装置
(51)【国際特許分類】
B29B 9/06 20060101AFI20150806BHJP
B29C 47/30 20060101ALI20150806BHJP
【FI】
B29B9/06
B29C47/30
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-262549(P2010-262549)
(22)【出願日】2010年11月25日
(65)【公開番号】特開2011-110938(P2011-110938A)
(43)【公開日】2011年6月9日
【審査請求日】2013年8月14日
(31)【優先権主張番号】20 2009 016 055.6
(32)【優先日】2009年11月25日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】509267269
【氏名又は名称】オートマティック プラスティックス マシーナリー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100105991
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 玲子
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【弁理士】
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100114465
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100156915
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 奈月
(72)【発明者】
【氏名】ダイス,ステファン
【審査官】
大塚 徹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−088197(JP,A)
【文献】
実開平07−005719(JP,U)
【文献】
独国特許発明第19526165(DE,C2)
【文献】
独国特許発明第03815897(DE,C2)
【文献】
特開平07−124992(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 47/30
B29B 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノズルプレート(2)のノズル口(1)から、溶融物が無制御に流出することを防止するための、ノズルプレート(2)の前に可動の遮断部材を備えた装置において、
前記遮断部材が溶融ストランド受容部材(4)として形成され、前記溶融ストランド受容部材(4)は、溶融物が溶融ストランドの形態で前記ノズルプレート(2)の前記ノズル口(1)からプロセスチャンバ(3)内へ妨害なしに流出する製造位置と、溶融物が溶融ストランドの形態で前記ノズルプレート(2)の前記ノズル口(1)から前記溶融ストランド受容部材(4)内へ流出する受容位置との間で往復移動可能であり、前記溶融ストランド受容部材(4)が、受容位置において前記ノズルプレート(2)内の前記ノズル口(1)と位置合わせして前記溶融ストランド受容部材(4)内に配設されている、少なくとも1つの溶融物排出口(5)と、少なくとも1つの溶融物排出流路(6)を備え、前記少なくとも1つの溶融物排出口(5)が前記溶融ストランド受容部材(4)内の前記少なくとも1つの溶融物排出流路(6)と流体接続しており、前記溶融ストランド受容部材(4)は、平面状であって、前記ノズルプレート(2)平面と平行に移動し、受容位置で密封されて受容位置に隣接して配置されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記溶融物が、プラスチック溶融物である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記溶融ストランド受容部材(4)が、封止部材(7)により、前記プロセスチャンバ(3)および前記ノズルプレート(2)に対して密封されることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
封止部材(7)が封止リップである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記溶融ストランド受容部材(4)がスライダ部材として形成され、前記スライダ部材が平行移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記溶融ストランド受容部材(4)が回転部材として形成され、前記回転部材が回転軸(D)周りを回動可能に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
少なくとも1つのカム(10)が設けられ、少なくとも1つのカム路(9)が設けられ、前記少なくとも1つのカム(10)が前記少なくとも1つのカム路(9)内で可動に設けられ、前記少なくとも1つのカム路(9)が、前記少なくとも1つのカム(10)が存在する領域に設けられ、前記溶融ストランド受容部材(4)が受容位置にある場合は、前記ノズルプレート(2)に向かってずらして配設され、それによって前記溶融ストランド受容部材(4)が前記ノズルプレートに対向する受容位置に押しやられることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのカム(10)が前記溶融ストランド受容部材(4)上に設けられ、前記少なくとも1つのカム路(9)が前記プロセスチャンバ(3)の領域内にあることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのカム(10)が前記プロセスチャンバ(3)上に設けられ、前記少なくとも1つのカム路(9)が前記溶融ストランド受容部材(4)の領域内にあることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項10】
2つのカム路(9)に、前記各カム路(9)内で可動に設置された2つのカム(10)が設けられることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記溶融ストランド受容部材(4)が、前記製造位置において周囲の前記プロセスチャンバ(3)の輪郭に対応し、前記プロセスチャンバ(3)を密封するように構成された、輪郭を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセスチャンバ(3)がハウジング湾曲部(8)を備え、前記製造位置にある前記溶融ストランド受容部材(4)が前記ハウジング湾曲部(8)内へ移動することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つの溶融物排出流路(6)が、洗浄流体で洗浄可能であることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載の、プロセスチャンバ内においてノズルプレートのノズル口から、溶融物、特にプラスチック溶融物が溶融ストランドの形態で無制御に流出することを防止するための、ノズルプレートの前に可動遮断部材を備えた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレンのような熱可塑プラスチック材料のペレット化には、押出機を備えたペレット化装置が使用されるが、その場合、溶融したプラスチック材料は、ノズルプレートを通って冷却液、たとえば水中に押し出され、ノズルプレートのノズル口を流れ、カッター列の少なくとも1つの切刃によって切り取られてペレットが形成される。これに対応する、たとえば水中でペレット化する方法を実施する装置は、水中ペレット化設備として、たとえばオートマティック・プラスチック・マシナリー社(Automatik Plastics Machinery GmbH)の製品名SPHERO(登録商標)で公知である。
【0003】
上述のペレット化装置では、特に開始時に、低粘度のプラスチック溶融物を扱う場合は特に、溶融物がペレット化に適した事前定義状態にあることが要求される。そのためには、要求される溶融状態に達するまで、つまり溶融プラスチックが必要な可塑化度または溶融度に調整されるまで、溶融材料が水中ペレタイザのプロセスチャンバに到達しないことが必要である。そのためは、たとえばノズルプレートに向かう溶融物の流れ中にいわゆる始動弁を設け、この始動弁を用いて、ノズルプレートに達する前に溶融物を排出する。
【0004】
ドイツ特許第19526165号特許公報には、ノズルプレートから溶融ストランドの形状で流出する溶融物、特にプラスチック溶融物を遮断する装置であって、先端が尖った切刃エッジを備えノズルプレートの上を移動可能な遮断スライダが設けられており、この遮断スライダが、そのノズルプレートのノズルの上を移動する際に、流出した溶融ストランドを切り取り、ノズルプレートを遮断する装置が記載されている。直接鋳造設備の場合には、この装置がその教示に従って使用される。
【0005】
ドイツ特許第3815897号特許公報には、始動弁および絞り弁を備えた押出装置であって、この装置を始動するために、始動弁体が溶融物用の送出流路内に来るように押し込まれ、それによって溶融物用の送出流路が閉じられるが、そこで始動排出口が開き、そのためここを通って適切に溶融物材料を溶融物供給胴部のハウジングの孔部から外部へ搬送する、すなわち、外部へ排出することが可能となる、押出装置が記載されている。
【0006】
一般に、始動弁を備えた装置は、構造的にかなりコストがかかり、特に溶融物供給流路および始動弁の適切な温度調整に注意を払わねばならないことが常に問題となる。水中ペレット化装置のノズルプレートのノズルを精確に閉鎖する機能を備えた、ノズルプレートの前にある正確な遮断スライダは、連結された押出機の領域において未定義の状態を引き起こしその故障をもたらす。なぜなら、この遮断スライダはこの場合、閉鎖された空間に作用するからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ドイツ特許第19526165号特許公報
【特許文献2】ドイツ特許第3815897号特許公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の課題は、特に水中ペレット化用のペレット化装置の始動時に、ノズルプレートから溶融物が流出する際の従来技術における欠点を克服し、特に、構造的に簡単な方法によってコンパクトな構成と同時に熱的問題の軽減を提供する、ノズルプレートからの溶融物が無制御に流出することを防止する装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題は、請求項1に記載の特徴を備えた、ノズルプレートからの溶融物が無制御に流出することを防止する装置によって解決される。本発明の好適な実施形態は従属請求項において定義されている。
【0010】
本発明は、溶融物、特にプラスチック溶融物が、ノズルプレートの前で可動の遮断部材を備えたプロセスチャンバにおいて、ノズルプレートのノズル口から溶融ストランドの形態で無制御に流出することを防止する装置を扱う。本発明によれば、遮断部材は溶融ストランド受容部材として構成され、この溶融ストランド受容部材は、溶融物が溶融ストランドの形態でノズルプレートのノズル口からプロセスチャンバ内へ妨害なしに流出する製造位置と、溶融物が溶融ストランドの形態でノズルプレートのノズル口から溶融ストランド受容部材内へ流出する受容位置との間で往復移動可能である。そのために、本発明によれば、溶融ストランド受容部材は、受容位置においてノズルプレートのノズル口と位置合わせして溶融ストランド受容部材内に配設された、少なくとも1つの溶融物排出口または複数の溶融物排出口と、少なくとも1つの溶融物排出流路または複数の溶融物排出流路とを備え、この少なくとも1つの溶融物排出口または複数の溶融物排出口は、溶融ストランド受容部材の少なくとも1つの溶融物排出流路と流体接続している。つまり、本発明によれば、ノズルプレートの複数のノズル口の前に溶融物排出口を設けることができ、その際、溶融ストランドを共通の溶融物排出流路を通って排出させてもよく、また、ノズルプレートの各ノズル口に、個々の溶融物排出口を対応する溶融物排出流路とともに配してもよい。
【0011】
好適には平坦かつ平面状に構成された本発明に基づく溶融ストランド受容部材は、ノズルプレートの前のプロセスチャンバの領域に、構造的に簡単にあまり場所をとらず材料を使わずに設けられ、それによって、ノズルプレートへ溶融物を供給する領域において、従来の始動弁で生じていた熱的問題が回避されるという利点を提供する。同時に、本発明の溶融ストランド受容部材は、少なくとも1つの溶融物排出口と少なくとも1つの溶融物排出流路を通って溶融ストランドが排出されるので、ノズルプレートのノズル口の目詰まりが、特に始動プロセス時に確実に回避できるという利点を提供する。また、本発明によれば、最適な溶融パラメータに調整されるまで、確実に溶融ストランドを排出することができ、それによって、溶融ストランドはペレット化設備の始動時には既にノズルプレートのノズル口を通って動くので、ペレット化設備が押出機とともに簡単かつ迅速に平衡状態に達することができる。
【0012】
本発明の溶融ストランド受容部材は、好適には封止部材、特に好適には封止リップにより、プロセスチャンバおよびノズルプレートに対して密封することができる。その際、封止部材は個々の溶融物排出口および/または個々のノズル口の周囲の領域内に個別に配設してもよく、外側を取り囲んで、すべての溶融物排出口、または少なくとも1つの共通の溶融物排出口および/または孔部プレートのノズル口の周囲を併せて密封するように配設してもよい。その際、この1つまたは複数の封止部材は、たとえばノズルプレートの溝内またはプロセスチャンバのノズルプレートを取り囲む領域内に配設しても、および/または溶融ストランド受容部材の対応する溝内に配設してもよい。封止部材は、ノズルプレートおよびその内部に配設されたノズル口に対する溶融ストランド受容部材の密封と、プロセスチャンバに対する密封の、2つの課題を満たすことができる。その際、密封は、一方では溶融物の流出に対するものであり、他方では冷却液が中に入っていることもあるプロセスチャンバに対するものである。したがって、ハウジングまたはプロセスチャンバに対して、またノズル口を内部に有するノズルプレートに対して、両側で密封が行われる。封止部材、特に好適には封止リップは、たとえばポリアミドのような熱に安定で可撓性の材料から形成することができる。
【0013】
本発明の好適な一実施形態によれば、受容位置と製造位置の間で往復移動可能な溶融ストランド受容部材は、スライダ部材として形成され、このスライダ部材は平行移動可能に設けられている。
【0014】
本発明のさらなる好適な実施形態によれば、受容位置と製造位置の間で往復移動可能な溶融ストランド受容部材は、回転部材として形成され、この回転部材は回転軸(D)周りを回動可能に設けられている。その際、この動きは、溶融ストランド受容部材が定義済みの回転軸周りを回動することによって生じる。回転軸(D)周りでの回動は、特に構造的に簡単に、溶融ストランド受容部材を定義済みの受容位置および所定の製造位置へ確実に移動させる有効な手段を提供する。場合によっては、溶融ストランド受容部材が隣接した際に対応する位置を規定する、回転止めを設けてもよい。回転軸(D)は、ノズルプレートの周囲を取り囲む領域内にある、プロセスチャンバのハウジングの一部分に設けることができる。回運面がノズルプレート平面と平行に延び、したがって、溶融ストランド受容部材も、本発明によれは一般的であるが、ノズルプレートと平行に移動可能に、受容位置で密封されてこれに隣接して配設されるように、回転軸(D)の向きが定められる。
【0015】
溶融ストランド受容部材の往復移動の案内は、好適には簡単にかつ溶融ストランド受容部材の定義済みの位置決めに関して、少なくとも1つのカムを設け、少なくとも1つのカム路を設け、この少なくとも1つのカムはこの少なくとも1つのカム路内で可動に設け、その際、この少なくとも1つのカム路は、この少なくとも1つのカムが存在する領域内に設け、溶融ストランド受容部材が受容位置にある場合にノズルプレートに向かってずらして配設され、それによって溶融ストランド受容部材がノズルプレートに対向する受容位置に押しやられるように行うことができる。溶融ストランド受容部材は、この少なくとも1つカムおよびこの少なくとも1つのカム路により、平行移動可能に、または回動可能に設置することができ、その際、カム路内のカムの案内は、ノズルプレートに対向する溶融ストランド受容部材の受容位置において押圧運動を提供する。したがって、この場合、本発明の溶融ストランド受容部材のある種の連結リンクによる案内が行われる。
【0016】
この少なくとも1つのカム路は、好適には、溶融ストランド受容部材の直線的な摺動または弧状の回動がノズルプレート面と平行に走り、したがって、溶融ストランド受容部材が、ノズルプレートに対して平行に可動に、受容位置で密封してこれに隣接して配設できるように、向きを定められる。
【0017】
この少なくとも1つのカム路は、好適には、直線に形成することができ、溶融ストランド受容部材の、受容位置または製造位置への直線的な移動方向を、構造的に簡単にもたらすことができる。また、この少なくとも1つのカム路を屈曲したまたは弧状の形状にすることも可能であり、したがって受容位置または製造位置への溶融ストランド受容部材の回動も構造的に簡単に達成することができる。
【0018】
好適には、この少なくとも1つのカムを溶融ストランド受容部材に設けることができ、この少なくとも1つのカム路はプロセスチャンバの領域にある。その際、カム路は、好適にはプロセスチャンバの領域内またはプロセスチャンバのハウジング内の対応する領域に、ノズルプレートの周囲を延びるように配設される。
【0019】
しかしまた、この少なくとも1つのカムは、好適にはプロセスチャンバに設けることもでき、その場合、この少なくとも1つのカム路は溶融ストランド受容部材の領域内にある。
【0020】
好適には、2つのカム路は、それぞれ各カム路内で可動に設置された2つのカムを備える。したがって好適には、特に溶融ストランド受容部材がスライダ部材である実施形態において、たとえば4つのカムを設け、好適にはずらして設けられたカム路のそれに対応する4つの領域を、好適には2つのカム路のそれぞれに2つずつ設けることもできる。しかしまた好適には、特に溶融ストランド受容部材が回転部材である実施形態において、たとえば3つのカムを設け、好適にはずらして設けたカム路のそれに対応する3つの領域を、1つのカム路には2つ、他のカム路には1つ設けることもできる。したがって、構造的に簡単な方法で、溶融ストランド受容部材の均一な押圧と、均一な案内がもたらされ、往復移動時に起こりうる傾動の危険を充分に排除することができる。したがって好適には、2つのカム路を、対応する形状の溶融ストランド受容部材の両側に設けることができ、その場合、この溶融ストランド受容部材は、両方のカム路内でそれぞれ側方で案内される。また少なくとも1つまたは両方のカム路の領域内にそれぞれエンドストッパを設けてもよく、このエンドストッパが溶融ストランド受容部材の受容位置および製造位置を規定する。
【0021】
特にプロセスチャンバまたはプロセスチャンバのハウジングに対する溶融ストランド受容部材の密封性、さらにはノズルプレートに対する密封性を向上させるために、溶融ストランド受容部材は、好適には、製造位置において周囲のプロセスチャンバの輪郭に対応し、その際にそれを(追加的に)密封するように構成された輪郭を有する。これによって、追加的に、溶融ストランド受容部材が製造位置にある場合に、プロセスチャンバ内の冷却液を特に流れやすく案内することが可能になるが、これは溶融ストランド受容部材がプロセスチャンバ内に突き出して妨げとなることのないように配設されているからである。
【0022】
簡単な方法によって、密封を用意にし、かつ特に溶融ストランド受容部材とプロセスチャンバのハウジングとの間から周囲に流出するのを確実に、特に簡単に回避することを可能にするために、好適な実施形態に基づくプロセスチャンバは、ハウジング湾曲部を備え、製造位置にある溶融ストランド受容部材がハウジング湾曲部内へ移動するように構成することができる。その際、ハウジング湾曲部の輪郭を、好適には溶融ストランド受容部材の輪郭に対応させることができ、その結果、できるだけデッドスペースが小さくなるようにする。
【0023】
本発明に基づく溶融ストランド受容部材によって、始動プロセスにおいて溶融ストランドの排出を追加的に向上させるために、少なくとも1つまたは複数の溶融物路を、少なくとも1つの、対応して設けられた接続部を介して洗浄流体で洗浄可能にすることができる。したがって、溶融ストランドを洗浄液で取り囲むことができ、それにより、少なくとも1つの溶融物排出流路の閉塞を特に確実に防止し、したがって構造的に簡単な方法で溶融ストランドの排出を本発明により追加的に向上させることができる。その際、少なくとも1つの洗浄流体用接続部を、溶融ストランド受容部材内の少なくとも1つの溶融物流路の1つまたは複数の排出口の領域に設けることができる。
【0024】
本発明を、以下に例によって説明する実施形態に則して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の好適な第1実施形態に基づく、ノズルプレートから溶融物が無制御に流出することを防止する装置を備えた、水中ペレット化装置の概略部分断面図である。
【
図2】本発明の好適な第2実施形態に基づく、ノズルプレートから溶融物が無制御に流出することを防止する装置を備えた、水中ペレット化装置の概略部分断面図である。
【
図3a】受容位置における、本発明の好適な第1実施形態に基づく装置の概略上面図である。
【
図3b】製造位置における、本発明の好適な第1実施形態に基づく装置の概略上面図である。
【
図4a】受容位置における、本発明の好適な第2実施形態に基づく装置の概略上面図である。
【
図4b】製造位置における、本発明の好適な第2実施形態に基づく装置の概略上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の好適な第1実施形態に基づく、ノズルプレートから溶融物が無制御に流出することを防止する装置を備えた水中ペレット化装置の概略部分断面図である。
【0027】
図1には、ノズルプレート2を備え、ノズルプレート2内にノズル口1が配置された水中ペレット化装置が示されており、通常はこのノズル口1から溶融ストランドがプロセスチャンバ3内へ流入する。本発明によれば溶融ストランド受容部材4として構成される遮断部材は、
図1の記載において、ノズルプレート2の手前の受容位置へ移動している。
図1に示される本発明の好適な第1実施形態によれば、この溶融ストランド受容部材4は、スライダ部材として構成され、このスライダ部材は平行移動可能に設けられ、まっすぐに(
図1の矢印に示すように)製造位置へと下方に動くことができ、このとき、ノズルプレート2のノズル口1は開いており、したがってそこから出た溶融ストランドは、製造時にカッター機(不図示)によって切り取ることができ、プロセスチャンバ3内に備えられた冷却流体によって搬出することができる。
【0028】
図1記載の、本発明の好適な第1実施形態に基づく溶融ストランド受容部材4は、複数の溶融物排出口5を備え、この溶融物排出口5は溶融ストランド受容部材4内に、図示の受容位置においてノズルプレート2内のノズル口1に位置合わせして配置されるように配設されている。さらに、溶融物排出口5はそれぞれ、溶融ストランド受容部材4内の少なくとも1つの溶融物排出流路6と流体接続しており、その際、溶融ストランドは、下方に開口する少なくとも1つの溶融物排出流路6を通って排出することができる。この少なくとも1つの溶融物排出流路6は、
図1記載の下部領域にあるその開口を介して、洗浄流体で洗浄可能である。溶融ストランド受容部材4は、記載の場合は封止リップとして構成された、たとえばポリアミド製の、封止部材7によって、ノズルプレート2の1つのノズル口1およびプロセスチャンバ3に対して密封される。溶融ストランド受容部材4は、プロセスチャンバ3のハウジング内に設けられたカム路9によって移動可能に配設されており、その際、1つのカム路9のみ示されているが、溶融ストランド受容部材4の両側にそれぞれ対応するカム路9が設けられている(後続の
図3aおよび3b参照)。それぞれのカム路9内には、それぞれ上下にカム10が溶融ストランド受容部材4に接して可動に設けられ、その際、カム路9は、溶融ストランド受容部材4が
図1に示される受容位置にある場合、それぞれのカム10がある領域内において、ノズルプレート2に向かってずらして配設され、それによって、溶融ストランド受容部材4は受容位置においてノズルプレート2に対して密封するように押しつけられる。
【0029】
プロセスチャンバ3は、ハウジング湾曲部8(
図1には図示せず)を備え、このハウジング湾曲部8は、溶融ストランド受容部材4が製造位置においてハウジング湾曲部8内へ動くように構成されている。
【0030】
図1に図示されているように、好適な第1実施形態によれば、本発明に基づく溶融ストランド受容部材4の案内は、溶融ストランド受容部材4の両側に設けられたカム路9を通るような、ほぼ直線的な移動方向に沿って行われるが、上述したように、溶融ストランド受容部材4の受容位置におけるカム10の位置で、それぞれのカム路9がノズルプレート2に対して少しずらして配設されている。
【0031】
各図において、図示した装置の同一の部材には同一の参照符号が付されているが、個々の図およびその中の個々の部材に対してなされる説明は、該当する限り、残りの各図の実施形態にも適用される。
【0032】
図2は、本発明の好適な第2実施形態に基づく、ノズルプレートから溶融物が無制御に流出することを防止する装置を備えた水中ペレット化装置の概略部分断面図である。
【0033】
図2に示された本発明の第2実施形態は、以下の点で
図1に示された実施形態と異なる。すなわち、
図2によれば、溶融ストランド受容部材4は少なくとも1つのカム路9に沿って直線的に並行移動可能に設けられてはいず、
図2に示された本発明の好適な第2実施形態に基づく溶融ストランド受容部材4は、回転部材として形成され、この回転部材は回転軸D周りを回動可能に設置されている。プロセスチャンバ3のハウジングに接する少なくとも1つのカム10と、溶融ストランド受容部材4の領域内のカム路9は、溶融ストランド受容部材4を適切に案内するために、
図2に示された本発明の第2実施形態においても設けられている。
【0034】
回転軸Dは、好適には、ハウジングのプロセスチャンバ3の縁部領域に配設され、ノズルプレート2の平面、および溶融ストランド受容部材4の移動面に対して直角に延びる。好適な第2の実施形態に基づくシーリングの配置は、本発明の装置の好適な第1の実施形態に基づくシーリングの配置に対応する。
図2に示した本発明の装置の好適な第2の実施形態も、受容位置で示されている(
図1も参照)。
図2の、溶融物排出口5、少なくとも1つの溶融物排出流路6および封止部材7の配置は
図1の記載に対応する。
【0035】
図3aは、受容位置における、本発明の好適な第1実施形態に基づく装置の概略上面図を示す。この図を見るとよく分かるように、カム路9は、プロセスチャンバ3のハウジングの領域内において溶融ストランド受容部材4の左右にそれぞれ設けられ、溶融ストランド受容部材4はそれぞれ4つの互いに離間して配置されたカム10を備え、このカム10によって、溶融ストランド受容部材4がノズルプレート2に対して平面的で均一に押圧圧力をかけることができる。
図3aによる本発明の装置の好適な第1実施形態の説明は、さらに以下の点で
図1の対応する説明と異なる。すなわち、単一の溶融物排出口5が設けられ、この溶融物排出口5が、ノズルプレート2内のすべてのノズル口1を取り囲みまたは包摂するとともに、それに対応して、単一の溶融物排出流路が、この溶融物排出口5と流体接続している。これにより、特に好適には、溶融ストランド受容部材4内の対応する空洞の流れ断面積が広がり、それにより、受容された溶融ストランドが好適には本発明に基づいて形成された溶融ストランド受容部材4による流出をさらに向上させることができる。溶融ストランド受容部材4の流出口は、好適には下方に向かって設けられ、溶融ストランドの排出時に重力を有利に働かせることができる。
【0036】
図3bは、製造位置における、本発明の好適な第1実施形態に基づく装置の概略上面図を示す。ここでは、
図3aの溶融ストランド受容部材4は、その受容位置から製造位置へ移っている。このとき、溶融ストランド受容部材4はプロセスチャンバ3のハウジング湾曲部8にある。さらに、
図3bの位置ではよく分かるように、溶融ストランド受容部材4は、製造位置において流れやすくなるように周囲のプロセスチャンバ3の輪郭に対応し、したがってそれを追加的に密封するように構成された輪郭を有する。
【0037】
図4aは、受容位置における、本発明の好適な第2実施形態に基づく装置の概略上面図を示す。ここでは、
図4aに示された本発明の第2実施形態は、
図2に示された本発明の第2実施形態とほぼ対応し、この場合も
図3aおよび3bと同様に、共通の溶融物排出口5と、やはり共通の、溶融ストランド受容部材4内の、下方に通じる溶融物排出流路6とが設けられている。図を見るとよく分かるように、2つのカム路9が、溶融ストランド受容部材4の上部領域と下部領域に設けられ、プロセスチャンバ3またはプロセスチャンバ3のハウジングに接して3つの互いに離間して配置されたカム10が認められ、このカム10によって溶融ストランド受容部材4がノズルプレート2に対して平面的で均一に押圧圧力をかけることができる。また、
図4は回転軸Dの位置を示しており、プロセスチャンバ3のハウジングの周囲の領域において、溶融ストランド受容部材4が回転軸D周りに回動可能に設置されている。プロセスチャンバ3のハウジング湾曲部も認められ、この中で溶融ストランド受容部材4は旋回時に製造位置へ回動可能であり、プロセスチャンバ3のハウジング湾曲部はその輪郭が溶融ストランド受容部材4の輪郭に対応する。これに関しては
図4bも参照のこと。
【0038】
図4bは、製造位置における、本発明の好適な第2実施形態に基づく装置の概略上面図を示す。ここでは、
図4aの溶融ストランド受容部材4がその受容位置から回転軸D周りを
図4bの製造位置へと回動している。
【0039】
図4aおよび4bに示されるように、本発明の好適な第2実施形態に基づく溶融ストランド受容部材4は、少なくとも製造位置において、周囲のプロセスチャンバの輪郭に対応し、その際にこれを追加的に密封するように構成された、輪郭を有する。
図4aおよび4bの溶融ストランド受容部材4の輪郭に対応する開口の周囲に延びる縁部領域は、たとえば、1つまたは複数のリング状封止部材(
図4aおよび4bには図示せず)をこの縁部領域に追加的に配置することによっても、プロセスチャンバ3またはプロセスチャンバ3のハウジングに対して溶融ストランド受容部材4を密封する役割を果たすことができる。
【0040】
封止部材7は、本発明に基づく装置の好適な第2実施形態に関して
図2に図示されているが、
図4aおよび4bには図示していない。
【0041】
一般に、溶融ストランド受容部材4は、受容位置においてはノズルプレート2に対して、また製造位置においてはプロセスチャンバ3またはそのハウジングに対して密封することが望ましい。
【0042】
本発明に基づく装置により、特に開始プロセスにおいて、構造的に簡単な方法で、コンパクトな構成を提供し、同時に熱的問題を軽減しながら、ノズルプレートからの溶融物の無制御な流出を防止することができる。
【符号の説明】
【0043】
(D) 回転軸
1 ノズル口
2 ノズルプレート
3 プロセスチャンバ
4 溶融ストランド受容部材
5 溶融物排出口
6 溶融物排出流路
7 封止部材
8 ハウジング湾曲部
9 カム路
10 カム