特許第5771393号(P5771393)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5771393ポリアミドを製造するための方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771393
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年8月26日
(54)【発明の名称】ポリアミドを製造するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   C08G 69/46 20060101AFI20150806BHJP
【FI】
   C08G69/46
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2010-535210(P2010-535210)
(86)(22)【出願日】2008年11月20日
(65)【公表番号】特表2011-504946(P2011-504946A)
(43)【公表日】2011年2月17日
(86)【国際出願番号】DE2008001929
(87)【国際公開番号】WO2009067995
(87)【国際公開日】20090604
【審査請求日】2011年5月12日
(31)【優先権主張番号】102007057189.7
(32)【優先日】2007年11月28日
(33)【優先権主張国】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509267269
【氏名又は名称】オートマティック プラスティックス マシーナリー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100115808
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 真司
(74)【代理人】
【識別番号】100114465
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100156915
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 奈月
(72)【発明者】
【氏名】ダイス,ステファン
【審査官】 柳本 航佑
(56)【参考文献】
【文献】 特公昭48−002233(JP,B1)
【文献】 特開平02−024322(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 69/00−69/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)重合反応器(6)において、重合によりポリアミド6またはコポリアミド類の溶融物を製造すること;
(b)水中ペレタイザー(1)により前記溶融物からペレットをプロセス流体中へ製造すること;
(c)流体除去接続(7)を通して、プロセス流体中のペレットを抽出装置(2)へ供給すること;
(d)前記抽出装置(2)において、重合しなかった低分子量成分を含むプロセス流体を抽出するとともに、ペレットを分離すること;
(e)前記分離したペレットを乾燥すること;
によるポリアミド6またはコポリアミド類のペレットの製造方法において、
(f)前記低分子量成分を含むプロセス流体の一部は前記抽出装置(2)、共通流体接続(3)、流体返還接続(3a)、前記水中ペレタイザー(1)および前記流体除去接続(7)の間で結ばれる第一の回路に運ばれ、
(g)前記低分子量成分を含むプロセス流体の残部は、前記抽出装置(2)、前記共通流体接続(3)、抽出流体接続(3b)、処理装置(4)、抽出流体接続(3b’)の間で結ばれる第二の回路に運ばれ、
(h)前記処理装置(4)において、前記低分子量成分を含むプロセス流体から低分子量成分が回収され、
ここで、前記第一の回路と第二の回路との間で前記低分子量成分を含むプロセス流体は前記共通流体接続(3)において少なくとも一部重複することを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記工程(b)におけるプロセス流体は、低分子量成分を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロセス流体は10重量%を超える低分子量成分を含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一の回路の流体返還接続(3a)において、前記低分子量成分を含むプロセス流体は、前記第二の回路の抽出流体接続(3b)とは独立した所定の温度であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
工程(b)および(d)において、前記プロセス流体は常圧に対して所定の高い圧力にあることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記圧力が、1バール以上であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記圧力が、3バール以上であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記圧力が、4バール以上であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
工程(d)において、前記ペレットを常圧で分離することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
工程(d)において、前記重合しなかった低分子量成分を含むプロセス流体を常圧に対して高い圧力で抽出し、ここで抽出後、前記圧力を常圧に下げることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
工程(b)のプロセス流体の送達比と、工程(d)の前記重合しなかった低分子量成分を含むプロセス流体の送達比が、少なくとも3:1の送達比に調整されることを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
重合反応器(6);
重合反応器(6)に接続するペレタイザー(1)、ペレタイザー(1)に接続する流体除去接続(7)、流体除去接続(7)に接続する抽出装置(2)、抽出装置(2)に接続する共通流体接続(3)、共通流体接続(3)およびペレタイザー(1)に接続する流体返還接続(3a)から構成される第一の回路;
抽出装置(2)、抽出装置(2)に接続する共通流体接続(3)、共通流体接続(3)に接続する抽出流体接続(3b)、抽出流体接続(3b)に接続する処理装置(4)、処理装置(4)および抽出装置(2)に接続する抽出流体接続(3b’)から構成される第二の回路;
を有する、ポリアミド6またはコポリアミド類のペレットの製造用装置であって、
ここで前記水中ペレタイザー(1)は重合反応器(6)で重合したポリアミド6またはコポリアミド類の溶融物からプロセス流体中にペレットをペレット化し
ペレットを含む前記プロセス流体のペレットは、前記流体除去接続(7)を通して水中ペレタイザー(1)から抽出装置(2)に供給され、
前記抽出装置(2)は、重合しなかった低分子量成分を含むプロセス流体を抽出するとともに、ペレットを分離し、
前記分離されたペレットを乾燥するために抽出装置(2)の下流に配置された乾燥機(5)を有し、
前記低分子量成分を含むプロセス流体は、前記抽出装置(2)から前記共通流体接続(3)を通り、前記低分子量成分を含むプロセス流体の一部が前記流体変換接続(3a)に分岐して前記第一の回路に運ばれ、前記低分子量成分を含むプロセス流体の残部が前記流体変換接続(3b)に分岐して前記第二の回路に運ばれ、
前記第二の回路に運ばれた前記低分子量成分を含むプロセス流体は、前記処理装置(4)で前記低分子量成分が回収される、
ことを特徴とする、前記装置。
【請求項13】
少なくとも水中ペレタイザー(1)の領域では、前記プロセス流体は常圧に対して高い圧力にあり、少なくとも抽出装置(2)では、前記高い圧力よりも低い圧力であり、ここで前記水中ペレタイザー(1)と前記抽出装置(2)との間には少なくとも一つの減圧装置(8)があることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記抽出装置(2)の圧力が常圧であることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
水中ペレタイザー(1)と抽出装置(2)の領域では、前記プロセス流体は常圧に対して高い圧力であり、ここで抽出装置(2)と乾燥機(5)との間には減圧装置(9)があり、前記乾燥機(5)は前記抽出装置(2)の下流に配置されていることを特徴とする、請求項12または13に記載の装置。
【請求項16】
流体除去接続(7)にはペレット/凝集体を除去するためにエアロック(10)が備えられていることを特徴とする、請求項12〜15のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に従ったポリアミド6またはコポリアミド類の製造並びに請求項9の前文に従ったポリアミド6またはコポリアミド類の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリアミド類は今日、射出成形品の製造、たとえば自動車業界または、包装用のプラスチックフィルム若しくはインフレート成形(blown)容器の製造などでテキスタイル、カーペットまたはタイヤコードなどの多様な分野で使用されている。これに関し、ポリアミドの優れた弾性と組み合わせた高い耐久性及び高い耐熱性など、特に重要な、多様で有益な特徴がある。
【0003】
カプロラクタムベースのポリアミド6またはコポリアミド類を含むポリアミド類を製造するための種々の方法の概説に関しては、非特許文献1に提供されている。ポリアミド類の紡糸用途の概説に関しては、たとえば非特許文献2に知見することができる。
【0004】
一般に、ポリアミド類の製造、特にポリアミド6またはコポリアミド類を製造するための現在確立されている方法及び装置では、カプロラクタムベースの溶融物を重合している。このようにして製造したポリアミド溶融物を次いで、水中ペレット化または、ストランドペレット化によってまず最初にペレット化する。しかしながらそのようなペレット化されたポリアミド材料は、カプロラクタム及び環式オリゴマー類などの低分子量種または成分をまだ約10%含んでいる。そのようなペレット化ポリアミド材料をさらに処理する間にそのような低分子量成分による崩壊が起きないようにするために、かかる低分子量成分は、抽出により特定の用途に必要なレベルまで減らして、その残存濃度を調節する。通常この目的に関しては、ペレット化後に乾燥されるペレットを水抽出するが、その過程では通常、ペレットはかなりの量の水を吸収する。従って、そのような抽出段階のあとにはさらに乾燥段階が続く。通常、従来法では例えば、不活性気体乾燥機を使用し、これは逆流抽出(countercurrent extraction)装置の下流に配置される。
【0005】
通常、抽出段階出口での水は10重量%を越える抽出物濃度、即ち低分子量成分濃度である。この抽出水は重合プロセスに直接戻されるか、抽出後に再処理され、ここで抽出された低分子量成分は回収され、次いで重合プロセスに戻すことができる。
【0006】
上記ペレット化プロセスに関し、通常、確実なペレット化プロセスに好適なペレット化水の組成に適合する必要があり、ペレット化水中の抽出物濃度は通常、約4重量%である。そうでない場合には、ペレット化水は最適に処理することができない。というのも、ペレット化水が発泡するからである。
【0007】
ペレット化水を抽出段階に直接供給すると、その中に含まれている抽出物濃度を不都合に低下させてしまうだろう。抽出段階への入口におけるポリアミドペレット(通常、PAチップと称する)の乾燥度の必要な程度は約1重量%である。
【0008】
図1は、従来法に従った装置の略図を示す。カプロラクタムベースのポリアミド6またはコポリアミド類の重合化溶融物は、重合反応器16(重合反応器16への矢印に対応)で製造する。水中ペレタイザー11では、重合化溶融物をペレット化水中でペレットにする。次にペレットを乾燥機13でペレット化水を乾燥し、次いで抽出装置12に供給し、そこで抽出物を回収するために、総合処理装置14を使用して別の抽出水回路で抽出水により抽出プロセスを実施する。回収した抽出物は重合反応器に戻すことができる。抽出後、さらに乾燥機15でのペレットの乾燥を行う。ペレット化水は別の回路で処理し、水中ペレタイザー11に戻される。材料と水の流れは、図1中に対応する矢印で特定される。
【0009】
特許文献1は、ポリアミドの抽出方法及び装置について記載し、ここでポリアミド溶融物のペレット化後、特殊な条件、特に高温及び高圧の複数の段階で、特別な抽出水を使用して、低分子量(残存)成分の個別抽出を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】WO02/094908A1号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Kunststoff−Handbuch[Plastics Manual]、第3巻、“Technische Thermoplaste”[Technical Thermoplastics]、サブボリューム4“Polyamide”[Polyamides]、G.W.Becker及びD.Braun、Hanser−Verlah Munich and Vienna、1998年、22〜75頁
【非特許文献2】“Synthetische Fasern”[Synthetic Fibers]、Handbuch fur Anlagenplanung[Manual of Plant Engineering]、Franz Fourne、Hanser−Verlag Munich and Vienna、1995年、36〜56頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、従来法における不都合な点を克服し、且つポリアミド6またはコポリアミド類のペレットの製造方法及び装置を提供することであり、前記方法/装置により、ポリアミド6またはコポリアミド類のペレットを簡便且つ費用効率の高い、その上信頼性のある方法で製造することが可能であり、前記ペレットは簡便な方法でさらに処理することができる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の目的は、請求項1に記載の特徴をもつ方法及び、請求項9に記載の特徴をもつ装置により達成される。
本発明の好都合な態様は、個々の従属請求項にて規定される。
【0014】
ポリアミド6またはコポリアミド類のペレットを製造するための本発明の方法は、以下の各段階を含む。
・重合によりポリアミド6またはコポリアミド類の溶融物を製造する。重合はカプロラクタムベースである。
・たとえば商品名SPHEROで本出願人より製造市販されている種類の水中ペレタイザーによる水中ペレット化により、前記溶融物からペレットを製造する。ここで前記ペレットはプロセス流体中へペレット化される。
・前記プロセス流体中の水中ペレット化部位からペレットを除去する。
・前記プロセス流体中のペレットを抽出段階へ供給する。
・低分子量成分、特に完全に重合しなかった成分を抽出物として抽出する。ここで抽出は流体ベースまたは水ベースであるのが好ましい。
・抽出後、ペレットを乾燥する。
【0015】
本発明の方法はさらに、水中ペレット化と抽出を同一のプロセス流体を使用して実施することを特徴とする。本発明に従って、前記水中ペレット化段階と抽出段階の両方で、プロセス流体を使用し、ここで前記プロセス流体は本方法のいずれの段階でも同一である。即ち水中ペレット化段階で使用される流体は、抽出段階で使用されるものと同一の流体である。要するに、水中ペレット化用の輸送流体は、抽出で使用される抽出流体と同じであるか、または完全に同一のものである。本発明に従って、一種類のプロセス流体をペレット化段階にも、ペレットの輸送にも、ペレットからの低分子量成分の抽出のいずれにも使用する。
【0016】
本発明の方法により、一方では、従来法で通常提供され、ペレット化段階と抽出段階に提供される中間の乾燥工程の必要性を除去することが可能である。他方で本発明のプロセス水へペレット化されるペレットの溶融エネルギーをプロセス流体の必要な加熱で同時使用(co−use)できるので、省エネルギーが可能になる。さらに、二つの異なる流体を利用する必要性を除去することによって、簡便且つ費用効率的な方法で、ポリアミド6またはコポリアミド類のペレットを製造するための、さらに信頼性のある方法を本発明に従って提供することが可能であり、本発明に従い製造されるペレットは、簡便且つ信頼性のある方法でさらに処理することが可能である。
【0017】
本発明の方法において、プロセス流体は、抽出段階後の組成物に等しい組成、好ましくは抽出段階後の通常の慣用の組成物と等しい組成をもつことができ、ここで前記プロセス流体は好ましくは抽出物、即ち低分子量成分を10重量%を超えて含む。従って、本発明に従った方法で使用されるプロセス流体は、抽出流体の組成をもつことができ、簡便且つより簡易な方法でさらに処理することができるペレットの製造に関して信頼性をさらに改善することができる。
【0018】
本発明に従った方法の好ましい態様では、プロセス流体は、水中ペレット化段階と抽出段階との間の第一の回路へ運ぶことができ、及びプロセス流体から抽出物を除去するための処理段階と抽出段階との間の第二の回路へ運ぶことができ、ここで前記第一の回路と第二の回路との間にはプロセス流体の流体接続があり、そのため前記第一の回路と第二の回路は少なくともそこで一部重複している。即ちそこには、流体接続がある。従って本発明に従って、閉鎖回路または二つの相互接続した閉鎖回路、特に二つの直接相互接続した閉鎖回路を技術的に簡略且つ費用効率的な方法で好適に実現することが可能である。
【0019】
本発明の方法において、ペレット化の信頼性、プロセス流体におけるペレットの除去及び供給と、第一の回路、好ましくは流体返還接続における、ペレット化段階へプロセス流体の返還をさらに改善するために、好ましくは抽出流体接続において、プロセス流体を第二の回路とは独立した温度にすることが可能である。
【0020】
特に信頼性のあるペレット化段階とするために、本発明の方法において、水中ペレット化の間並びにペレットの除去及び供給の間、プロセス流体は周囲圧力に対して高い圧力であることができ、前記圧力は好ましくは1バール以上であり、より好ましくは3バール以上であり、さらに好ましくは4バール以上である。これにより、プロセス流体の発泡を確実に予防または少なくとも軽減させることも可能である。
【0021】
本発明に従ったそのような方法では、高い圧力よりも低い所定の圧力、好ましくは周囲圧力で抽出段階を実施することが可能であり、ここで抽出前のプロセス流体の圧力は、高い圧力からより低い圧力、好ましくは周囲圧力に下げることができる。従って抽出段階は、ペレット化段階に対して減圧(reduced pressure)で実施する。
【0022】
あるいは本発明の方法において、抽出段階は、高い圧力で実施することができ、ここで抽出段階後であって乾燥前に、圧力は高い圧力からより低い圧力、好ましくは周囲圧力に下げることができる。従って、たとえば本発明に従って、ペレット化及び抽出段階は、高い圧力、好ましくは同一の高い圧力で実施することが可能である。これにより、抽出段階の効率がさらに上昇するかもしれない。即ちこれによって、低分子量成分の抽出の有効性を改善することができる。
【0023】
本発明に従って、可能であれば全てのプロセス条件及び特に送達速度の速い場合において、円滑なプロセスをさらに改善できるようにするために、水中ペレット化の間並びにプロセス流体中のペレットの除去及び供給の間のプロセス流体の送達比と、抽出の間のプロセス流体の送達比とを、少なくとも3:1の送達比に調節することが可能である。
【0024】
ポリアミド6またはコポリアミド類のペレットを製造するための本発明に従った装置は、本発明に従った方法の実施に使用することができる。本発明に従った装置は水中ペレタイザー(underwater pelletizer)であり、ここで重合反応器で重合したポリアミド6またはコポリアミド類の溶融物から、前記水中ペレタイザーはプロセス流体中へペレット化し、ここで前記水中ペレタイザーと抽出装置との間には流体除去接続があり、ここでペレットを含んだプロセス流体は、前記流体除去接続を通って水中ペレタイザーから除去され、抽出装置に供給される。抽出装置の下流には、ペレットを乾燥するための乾燥機が配置される。本発明に従って、抽出装置の上流にはそのような乾燥機は全く必要ないので本発明では省略され、特に本発明に従って、水中ペレタイザーと抽出装置の間には直接流体接続が供給される。本発明の装置では、水中ペレタイザーと抽出装置は同一のプロセス流体で操作し、ここで抽出装置と水中ペレタイザーとの間には、水中ペレタイザーから抽出装置へプロセス流体とその中に含まれるペレットの流体除去接続に加えて、抽出装置から水中ペレタイザーへペレットを戻す必要なしに、プロセス流体の流体返還接続がある。
【0025】
本発明により、一種且つ同一のプロセス流体により水中ペレタイザー/水中ペレット化段階と低分子量成分の抽出装置/抽出の間で本発明に従った接続が可能になり、本発明に従って抽出装置から水中ペレタイザーへプロセス流体を返還することもできる。これにより、本発明に従って装置が非常に簡略化されるので、費用効率的になり、ポリアミド6またはコポリアミド類のペレットのより信頼性の高い製造ができる。
【0026】
特に簡便な方法で、プロセス流体の組成物を調節するためには、本発明に従った装置において、好ましくは抽出装置の抽出流体接続の領域に、プロセス流体用の処理装置を提供することが可能である。
【0027】
本発明の装置において、好ましくはプロセス流体は、水中ペレタイザー、流体除去接続、抽出装置の少なくとも一部、共通流体接続と流体返還接続を通って、水中ペレタイザーと抽出装置の間の第一の回路で、並びに共通流体接続、抽出流体接続、処理装置と抽出装置の少なくとも一部を通って、抽出装置と処理装置との間の第二の回路で運ぶことができ、ここで前記第一の回路と第二の回路の間には共通流体接続があるので、前記第一の回路と第二の回路は少なくとも共通流体接続で一部重複している。従って、好ましくは本発明に従って、プロセス流体回路の閉鎖系が可能であり、ここで前記プロセス流体はペレット化段階と抽出段階のいずれでも使用され、循環できるので、本発明に従った全装置及び/または本発明に従った水中ペレタイザー及び抽出装置は一種且つ同一のプロセス流体を使用する。
【0028】
本発明の装置では、ペレット化の信頼性、プロセス流体におけるペレットの除去及び供給並びに、第一の回路におけるペレット化段階へのプロセス流体の返還をさらに改善するために、好ましくは流体返還接続の領域で、プロセス流体を第二の回路とは独立して所定の温度とすることが可能である。この目的に関して、温度測定装置及び温度調節装置を個々の領域/場所に提供することが可能である。
【0029】
本発明の装置において、少なくとも水中ペレタイザーの領域では、プロセス流体は周囲温度に対して高い圧力であり、且つ少なくとも抽出装置では、高い圧力よりは低い圧力、好ましくは周囲圧力であることが可能であり、ここで好ましくは流体除去接続には、水中ペレタイザー及び抽出装置の間に、少なくとも一つの減圧装置がある。これにより、本発明に従った装置で種々の圧力レベルを非常に簡便に調整することができる。
【0030】
本発明の装置において、水中ペレタイザーの領域及び抽出装置でも、プロセス流体を周囲圧力に対して高い圧力とすることが可能であり、ここで抽出装置と乾燥機の間には減圧装置があり、前記乾燥機は前記抽出装置の下流に配置される、即ち抽出装置は圧力抽出装置であることも可能である。従って、本発明に従って、抽出段階は抽出装置内で高い圧力で実施することが可能であり、高温が可能になることによって抽出段階の効率をさらに改善することができる。
【0031】
本発明に従った装置の流体除去接続は、ペレット/凝集体を除去するためのエアロックと共に提供することができる。これにより、特に装置を始動する間に、開始材料を簡便な方法で除去することが可能になる。
【0032】
本発明の方法に関連して先に記載された本発明の全ての特徴及び好都合な点は全て、本発明に従った装置に変更すべき所は変更して適用することができ、またこの反対、即ち本発明の装置に関して記載された本発明の全ての特徴及び好都合な点は、本発明に従った方法に変更すべき所は変更して適用することができることに注目すべきである。
本発明を付記概略図を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は従来法による装置の略図である。
図2】本発明の好ましい態様に従った装置の略図である。
図3】本発明に従った装置のさらに好ましい態様の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、背景技術の議論に関して既に記載した。
【0035】
図2は、ポリアミド6またはコポリアミド類のペレットを製造するための装置の例の略図を示しており、前記装置は、本発明の第一の好ましい態様に従った、本発明の方法の実施に特に適している。
【0036】
好適な環式ダイマー/オリゴマーのカプロラクタムベースのポリアミド6またはコポリアミド類の重合化溶融物を重合反応器6で製造する。そのような溶融物の製造は公知であるので、本明細書では詳細については記載しない。本発明に従った装置は、水中ペレタイザー1を提供し、これは重合反応器6から重合化溶融物をプロセス流体中へペレットの形状にペレット化する。その中にペレットを含むプロセス流体は、水中ペレタイザー1から流体除去接続7を通って運ばれ、抽出装置2に供給される。これは図2の対応する矢印により示されている。図2に示されている態様では、流体除去接続7において減圧装置8が水中ペレタイザー1と抽出装置2の間に提供されている。これにより、抽出装置の領域の低い圧力に対して水中ペレタイザー1の領域の高い圧力を低下させることができる。
【0037】
流体除去接続7は、ペレット除去用にエアロック10が備えられている。前記エアロック10は、開始材料からペレット/凝集体を単に除去するための装置の始動時に使用することができる。
【0038】
プロセス流体とそれに含まれているペレットとの混合物は、抽出装置2に入り、ペレットは下方へ移動する(図2の抽出装置2の平行線より下の領域を参照されたい)。プロセス流体は共通流体接続3と流体返還接続3aを通って水中ペレタイザー1に供給され、抽出流体接続3bを通って処理装置4にも供給され、且つ処理装置4に供給させた後、抽出流体接続3bを通って抽出装置2に供給される。水中ペレタイザー1、流体除去接続7を通って並びに、流体返還接続3aを通るプロセス流体中に含まれるペレットの除去及び供給の間の水中ペレット化段階のプロセス流体の送達速度と、抽出装置による抽出の間のプロセス流体の送達速度は3:1の送達比である。図2に示されている態様では、プロセス流体は、抽出装置2の少なくとも一部を通って底部から上部へ流れる。ペレットは下方へ移動する。いずれも図2に対応する矢印で表されている。
【0039】
図2に示されている装置は、水中ペレタイザー1、流体除去接続7、抽出装置2の少なくとも一部、共通流体接続3及び流体返還接続3aを通って水中ペレタイザー1と抽出装置2との間に第一の回路と、共通流体接続3、抽出流体接続3b、処理装置4及び抽出装置2の少なくとも一部を通って抽出装置2と処理装置4との間に第二の回路を形成し、ここで前記共通流体接続3は前記第一の回路と第二の回路と共通しているので、第一の回路と第二の回路はそこで少なくとも一部重複する。抽出装置2と水中ペレタイザー1との間のプロセス流体の流体接続は、流体返還接続3aを通り、その中にペレットを含むプロセス流体との流体接続は流体除去接続7を通る。
【0040】
本発明に従って、図2に示されている装置は、単一のプロセス流体により充填され、操作される。即ち、水中ペレタイザー1の領域のプロセス流体は抽出装置2の領域のプロセス流体と同一である。
【0041】
抽出装置2の下流でのペレットの除去は、たとえばロータリーシールエアロック(図2には示されていない)により実施することができる。その下流に備えられているのはペレットを乾燥するための乾燥機5であり、次いでペレットは適切に貯蔵され、さらに処理することができる。
【0042】
プロセス流体中に存在していた、処理装置4で得られた低分子量成分の抽出物は、処理装置4により回収され、重合するために重合反応器6に戻すことができる。これは図2で点線で表されている。さらに、図2の重合反応器6の領域では、重合の開始物質は外部供給源(図2中、重合反応器6の領域で対応する矢印により表されている)から重合反応器6に供給されることも見ることができる。
【0043】
通常、図2に示されている装置(及び続く図3に示されているもの)は、好適な位置、特に分岐で、好適なバルブ、圧力及び温度センサ、供給ポンプ、フィルター、熱交換器などと共に提供されることに留意すべきである。しかし、表示を明確にするために、そのような装置は示されていない。
【0044】
図3は、本発明に従った装置の第二の好ましい態様の例の略図である。
図3に示されている態様は図2に示されている態様と、単に、ペレット化及び抽出段階が同一または実質的に同一の高い圧力で実施するということと、減圧は、抽出装置2と乾燥機5との間の減圧装置9を提供することによって乾燥機5の直前まで実施しないということが異なっている。そのほか、図3に示されている態様は、図2に関連して記載されている態様と同一である。
【0045】
上記の本発明の装置に関しては、特に本発明の方法を実施することが可能である。これにより、本発明に従い、ポリアミド6またはコポリアミド類のペレットを確実に製造する簡便且つ費用効率的な手段が得られ、前記ペレットはさらに処理するのに特に適している。
【符号の説明】
【0046】
1 水中ペレタイザー
2 抽出装置
3 共通流体接続
3a 流体返還接続
3b 抽出流体接続
4 処理装置
5 乾燥機
6 重合反応器
7 流体除去接続
8 減圧装置
10 エアロック
図1
図2
図3