(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を用いて実施例を説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の第1の実施例のデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。1はデータ記録再生装置であり、ホストコンピュータから入力したデータを記録媒体に記録する。また、記録媒体から再生したデータをホストコンピュータに出力する。2はデータ記録媒体、例えばBD−R(Blu−ray Disc Recordable)である。なお、以下の説明においては、光ディスク2として説明する。データ記録媒体は、必ずしも光ディスクに限定されるものではなく、光磁気ディスクやホログラム等の記録媒体であってもよく、ディスク形状でなくてもよい。
【0014】
3は光ピックアップであり、光ディスク2から信号を再生して増幅回路4に送る。また、信号処理回路5から送られた変調信号を光ディスク2に記録する。
【0015】
4は増幅回路であり、光ピックアップ3を介して光ディスク2から再生した信号を増幅して信号処理回路5に送る。また、サーボ信号を生成してサーボ回路8に送る。増幅回路4は、例えば、AFE(Analog Front End)によって実装する。
【0016】
5は信号処理回路であり、入力信号を復調してインタリーブを解き、誤り訂正を行い、スクランブルを解いたデータをインタフェース回路6に送る。また、インタフェース回路6から送られたデータにスクランブルを施し、誤り訂正符号を付加し、インタリーブを施し、変調して光ピックアップ3に送る。
【0017】
6はインタフェース回路であり、信号処理回路5から送られたデータをホストコンピュータに送る。また、ホストコンピュータから送られたデータを信号処理回路5に送る。インタフェース回路6は、例えばSATA(Serial Advanced Technology Attachment)その他の転送方式に準拠したデータ転送を行う。
【0018】
7はCPU(Central Processing Unit)であり、データ記録再生装置1の記録処理、再生処理の制御を行う。また、光ディスク2を記録再生するのに最適なセットアップ情報を取得する。また、光ディスク2から識別情報や媒体情報を読み出す。識別情報とは、例えば光ディスク内周のBCA(Burst Cutting Area)に記録されている製品番号やシリアル番号である。媒体情報とは、例えば光ディスクの種類、欠陥管理情報等、当該光ディスクを記録再生する際に必要な情報であり、光ディスク装着毎に光ディスクから読み出す情報である。なお、CPUでなくとも、任意の制御回路や、ASIC等の専用回路を用いてもよい。
【0019】
8はサーボ回路であり、増幅回路4にて生成されたサーボ信号により光ピックアップ3を制御する。
【0020】
次に、光ディスク2にデータを記録する場合のデータ記録再生装置1の動作を説明する。 データ記録再生装置1に光ディスク2が装着されると、CPU7は光ピックアップ3、増幅回路4、サーボ回路8を介して光ディスク2の識別情報を読み出し、セットアップ情報を取得して増幅回路4、サーボ回路8に最適値を設定する。また、光ピックアップ3、増幅回路4、信号処理回路5を介して光ディスク2から媒体情報を読み出す。なお、セットアップ情報や媒体情報を光ディスクから取得し、各種設定することを一般にセットアップ処理と呼ぶ。
【0021】
そして、ホストコンピュータからデータ記録再生装置1にデータが送られると、インタフェース回路6でデータを受け取り、信号処理回路5でスクランブルを施し、誤り訂正符号を付加し、インタリーブを施し、データ変調して光ピックアップ3に送り、光ディスク2に記録する。
【0022】
次に、光ディスク2からデータを再生する場合のデータ記録再生装置1の動作を説明する。データ記録再生装置1に光ディスク2が装着されると、CPU7は光ピックアップ3、増幅回路4、信号処理回路5を介して光ディスクの識別情報を読み出し、セットアップ情報を取得して増幅回路4、サーボ回路8に最適値を設定する。そして、ホストコンピュータからデータ記録再生装置1にデータが要求されると、光ピックアップ3を介して光ディスク2から読み出した信号を増幅回路4で増幅し、信号処理回路5でデータ復調し、インタリーブを解き、誤り訂正を行い、スクランブルを解き、インタフェース回路6を介してホストコンピュータにデータを送る。
【0023】
図2は、第1の実施例のデータ記録再生装置の動作を示すフローチャートである。データ記録再生装置に光ディスクが装着されたら、ステップS201において識別情報再生用のセットアップ処理を行い、ステップS202において光ディスクから識別情報を読み出す。
【0024】
次にステップS203において記録済ディスク用セットアップ処理を行う。記録済ディスク用セットアップ処理とは、例えば記録済のデータ領域の再生信号の振幅値が最大となる時の各種設定を最適値として求める処理を含むセットアップである。光ディスクが全面記録されていればどこを再生してもよいので、特にシークを必要としない。これに対して未記録ディスク用セットアップ処理は、例えば管理領域のPre−write Areaを再生して各種設定の最適値を求めるが、32クラスタしかないため処理中にシークを何度も繰り返す必要がある。このため、一般に未記録ディスク用セットアップ処理は記録済ディスク用セットアップ処理に比べて処理時間が長くなる。
【0025】
次にステップS204においてセットアップエラーが発生したかどうかを確認し、セットアップエラーの場合は未記録ディスクと判定し、ステップS205において未記録ディスク用セットアップ処理を行う。記録済ディスク用セットアップ処理は、前述のとおり記録済のデータ領域を再生するため、記録済のデータ領域がない未記録ディスクの場合はセットアップエラーが発生する。よって、セットアップエラーが発生する場合は未記録ディスクと判定できる。
【0026】
次にステップS206においてホストコンピュータからのデータ記録再生要求に応じて、データ記録再生処理を行う。
【0027】
以上の構成により本発明の第1の実施例では、光ディスクが装着されたら、まず記録済ディスク用セットアップ処理を行う。セットアップエラーになった場合は、未記録ディスクと判断し、未記録ディスク用セットアップ処理を行う。セットアップエラーになった場合のみ未記録ディスク用セットアップ処理を行うため、記録済ディスクのセットアップ処理時間を短縮することができる。
【実施例2】
【0028】
図3は、本発明の第2の実施例のデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
図1と同一の回路については説明を省略する。31はデータ記録再生装置であり、ホストコンピュータから入力したデータを記録媒体に記録する。また、記録媒体から再生したデータをホストコンピュータに出力する。37はCPUであり、データ記録再生装置31の記録処理、再生処理の制御を行う。また、光ディスク2を記録再生するのに最適なセットアップ情報を取得する。また、光ディスク2から媒体情報を読み出し、識別情報と共にメモリ38に書き込む。また、メモリ38から識別情報に対応した媒体情報を読み出す。なお、CPUでなくとも、任意の制御回路や、ASIC等の専用回路を用いてもよい。
【0029】
38はメモリであり、媒体情報を識別情報と共に記録する。識別情報とは、例えばBCA(Burst Cutting Area)に記録されている製品番号やシリアル番号である。媒体情報とは、例えば光ディスクの種類、欠陥管理情報等、当該光ディスクを記録再生する際に必要な情報であり、従来は光ディスク装着毎に光ディスクから読み出していた情報である。
【0030】
なお、メモリはCPUに接続する例を示したが、データ記録再生装置内外のどこに接続されていてもよく、ホストコンピュータ内にあってもよい。また、情報を保持できればメモリでなくてもよく、例えばハードディスクでもよい。
【0031】
次に、光ディスク2にデータを記録する場合のデータ記録再生装置31の動作を説明する。 データ記録再生装置31に光ディスク2が装着されると、CPU37は光ピックアップ3、増幅回路4、サーボ回路8を介して光ディスク2の識別情報を読み出し、セットアップ情報を取得して増幅回路4、サーボ回路8に最適値を設定する。また、光ピックアップ3、増幅回路4、信号処理回路5を介して光ディスク2から媒体情報を読み出し、識別情報と共にメモリ38に書き込む。
【0032】
そして、ホストコンピュータからデータ記録再生装置31にデータが送られると、インタフェース回路6でデータを受け取り、信号処理回路5でスクランブルを施し、誤り訂正符号を付加し、インタリーブを施し、データ変調して光ピックアップ3に送り、光ディスク2に記録する。
【0033】
次に、光ディスク2からデータを再生する場合のデータ記録再生装置31の動作を説明する。データ記録再生装置31に光ディスク2が装着されると、CPU37は光ピックアップ3、増幅回路4、信号処理回路5を介して光ディスクの識別情報を読み出し、該当する媒体情報をメモリ38から読み出し、セットアップ情報を取得し増幅回路4、サーボ回路8に最適値を設定する。そして、ホストコンピュータからデータ記録再生装置31にデータが要求されると、光ピックアップ3を介して光ディスク2から読み出した信号を増幅回路4で増幅し、信号処理回路5でデータ復調し、インタリーブを解き、誤り訂正を行い、スクランブルを解き、インタフェース回路6を介してホストコンピュータにデータを送る。
【0034】
図4は、本発明の第2の実施例のデータ記録再生装置の動作を示すフローチャートである。データ記録再生装置に光ディスクが装着されたら、ステップS401において識別情報再生用のセットアップ処理を行い、ステップS402において光ディスクから識別情報を読み出す。
【0035】
次にステップS403において前記識別情報に対応した媒体情報がメモリにある場合は、ステップS404においてメモリから媒体情報を読み出し、ステップS405において、記録済ディスク用セットアップ処理を行う。ステップS403において前記識別情報に対応した媒体情報がメモリにない場合は、ステップS406において未記録ディスク用セットアップ処理を行い、ステップS407においてディスクから媒体情報を読み出し、ステップS408においてメモリに媒体情報を識別情報と共に書き込む。
【0036】
次にステップS409においてホストコンピュータからのデータ記録再生要求に応じて、データ記録再生処理を行う。
【0037】
なお、初めて装着された光ディスクであればメモリに媒体情報はないが、その後ディスクから媒体情報を読み出してメモリに記録し、ユーザデータを記録するため、初めて装着された光ディスクでなければメモリに媒体情報があることになる。
【0038】
図5は第2の実施例のデータ記録再生装置のメモリに書き込まれた識別情報と媒体情報の例を示した表である。光ディスクから読み出した媒体情報を識別情報と共にメモリに書き込んでおき、光ディスクがデータ記録再生装置に装着された際に識別情報に対応する媒体情報をメモリから読み出す。光ディスク毎の識別情報として製品番号、シリアル番号が記録され、対応する媒体情報としてディスク種類、ディスク層情報が記録されている。図示していないが、他に例えば欠陥管理情報等を記録してもよい。メモリにこのような媒体情報が記録してあれば、当該媒体情報を改めてディスクから読み出す必要はなく、少なくとも当該媒体情報をディスクから読み出す時間を削減できる。
【0039】
以上の構成により本発明の第2の実施例では、光ディスクの媒体情報を識別情報と共にメモリに書き込んでおき、光ディスク装着の際に当該光ディスクに対応した媒体情報がメモリにあるかどうかでセットアップ処理を切り換えることにより、光ディスクのセットアップ処理時間を短縮することができる。更に、メモリから媒体情報を読み出すため、光ディスクから媒体情報を読み出す必要がなく、本発明の第1の実施例よりセットアップ処理時間を短縮することができる。
【実施例3】
【0040】
図6は、本発明の第3の実施例のデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
図1と同一の回路については説明を省略する。61はデータ記録再生装置であり、ホストコンピュータから入力したデータを記録媒体に記録する。また、記録媒体から再生したデータをホストコンピュータに出力する。67はCPUであり、データ記録再生装置61の記録処理、再生処理の制御を行う。また、光ディスク2を記録再生するのに最適なセットアップ情報を取得し、識別情報と共にメモリ68に書き込む。また、光ディスク2から媒体情報を読み出し、同様にメモリ68に書き込む。また、メモリ68から識別情報に対応したセットアップ情報と媒体情報を読み出す。なお、CPUでなくとも、任意の制御回路や、ASIC等の専用回路を用いてもよい。
【0041】
68はメモリであり、媒体情報とセットアップ情報を識別情報と共に記録する。識別情報とは、例えばBCA(Burst Cutting Area)に記録されている製品番号やシリアル番号である。媒体情報とは、例えば光ディスクの種類、欠陥管理情報等、当該光ディスクを記録再生する際に必要な情報であり、従来は光ディスク装着毎に光ディスクから読み出していた情報である。また、セットアップ情報とは、例えば増幅回路のゲインやオフセット、サーボの調整学習値等、当該光ディスクを記録再生する際に最適な設定値や学習結果であり、従来は光ディスク装着毎に光ディスクから取得していた情報である。
【0042】
なお、メモリはCPUに接続する例を示したが、データ記録再生装置内外のどこに接続されていてもよく、ホストコンピュータ内にあってもよい。また、情報を保持できればメモリでなくてもよく、例えばハードディスクでもよい。
【0043】
次に、光ディスク2にデータを記録する場合のデータ記録再生装置61の動作を説明する。 データ記録再生装置61に光ディスク2が装着されると、CPU67は光ピックアップ3、増幅回路4、サーボ回路8を介して光ディスク2の識別情報を読み出し、セットアップ情報を取得し、光ディスクの識別情報と共にメモリ68に書き込む。また、光ピックアップ3、増幅回路4、信号処理回路5を介して光ディスク2から媒体情報を読み出し、光ディスクの識別情報と共にメモリ68に書き込む。
【0044】
そして、ホストコンピュータからデータ記録再生装置61にデータが送られると、インタフェース回路6でデータを受け取り、信号処理回路5でスクランブルを施し、誤り訂正符号を付加し、インタリーブを施し、データ変調して光ピックアップ3に送り、光ディスク2に記録する。
【0045】
次に、光ディスク2からデータを再生する場合のデータ記録再生装置61の動作を説明する。データ記録再生装置61に光ディスク2が装着されると、CPU67は光ピックアップ3、増幅回路4、信号処理回路5を介して光ディスクの識別情報を読み出し、該当するセットアップ情報と媒体情報をメモリ68から読み出し、増幅回路4、サーボ回路8に設定する。そして、ホストコンピュータからデータ記録再生装置61にデータが要求されると、光ピックアップ3を介して光ディスク2から読み出した信号を増幅回路4で増幅し、信号処理回路5でデータ復調し、インタリーブを解き、誤り訂正を行い、スクランブルを解き、インタフェース回路6を介してホストコンピュータにデータを送る。
【0046】
図7は、本発明の第3の実施例のデータ記録再生装置の動作を示すフローチャートである。データ記録再生装置に光ディスクが装着されたら、ステップS701において識別情報再生用のセットアップ処理を行い、ステップS702において光ディスクから識別情報を読み出す。
【0047】
次にステップS703において前記識別情報に対応した媒体情報とセットアップ情報がメモリにある場合は、ステップS704においてメモリから媒体情報とセットアップ情報を読み出し、ステップS705において、記録済ディスク用セットアップ処理を行う。ステップS703において前記識別情報に対応した媒体情報がメモリにない場合は、ステップS706において未記録ディスク用セットアップ処理を行い、ステップS707においてディスクから媒体情報を読み出し、ステップS708においてメモリに媒体情報を識別情報と共に書き込む。
【0048】
次にステップS709においてホストコンピュータからのデータ記録再生要求に応じて、データ記録再生処理を行う。
【0049】
なお、初めて装着された光ディスクであればメモリに媒体情報とセットアップ情報はないが、その後ディスクから媒体情報を読み出してメモリに書き込み、ディスクのセットアップを行って得られたセットアップ情報をメモリに書き込み、ディスクにユーザデータを記録するため、初めて装着された光ディスクでなければメモリに媒体情報とセットアップ情報があることになる。
【0050】
図8は第3の実施例のデータ記録再生装置のメモリに書き込まれた識別情報と媒体情報とセットアップ情報の例を示した表である。光ディスクから読み出した媒体情報とセットアップ情報を識別情報と共にメモリに書き込んでおき、光ディスクがデータ記録再生装置に装着された際に識別情報に対応する媒体情報とセットアップ情報をメモリから読み出す。光ディスク毎の媒体情報としてディスク種類、ディスク層情報が記録されている。図示していないが、他に欠陥管理情報等を記録してもよい。メモリにこのような媒体情報が書き込んであるため、当該媒体情報を改めてディスクから読み出す必要はなく、少なくとも当該媒体情報をディスクから読み出す時間を削減できる。
また、光ディスク毎のセットアップ情報としてTR(TRacking)調整値、FO(FOrcus)調整値、BE(Beam Expander)調整値が記録されている。セットアップ調整結果としてメモリにこのようなセットアップ情報が書き込んであるため、各種調整処理の削減あるいは簡略化等が可能であり、光ディスクのセットアップ処理時間を短縮することができる。
【0051】
以上の構成により本発明の第3の実施例では、光ディスクの媒体情報とセットアップ情報を識別情報と共にメモリに書き込んでおき、光ディスク装着の際に当該光ディスクに対応した媒体情報とセットアップ情報がメモリにあるかどうかでセットアップ処理を切り換えることにより、光ディスクのセットアップ処理時間を短縮することができる。また、メモリから媒体情報を読み出すため、光ディスクから媒体情報を読み出す必要がなく、本発明の第1の実施例よりセットアップ処理時間を短縮することができる。更に、メモリからセットアップ情報読み出すため、各種調整処理等の削減が可能であり、本発明の第2の実施例より光ディスクのセットアップ処理時間を短縮することができる。
【実施例4】
【0052】
図9は、本発明の第4の実施例のデータライブラリ装置の構成を示すブロック図である。91はデータライブラリ装置であり、サーバ92を介してネットワーク93からハードディスク94に蓄積されたデータを光ディスクに記録する。あるいは光ディスクからデータを再生し、サーバ92を介してネットワーク93に送る。92はサーバであり、ハードディスク94とデータライブラリ装置91を制御してネットワーク93から送られたデータを管理する。94はハードディスクであり、サーバ92に制御されてネットワーク93から送られたデータの記録再生を行う。
【0053】
95は光ディスクであり、データライブラリ装置91に複数枚格納されており、ディスク交換装置96により選択され、データ記録再生装置101、102、103、104に装着され、データが記録再生される。101、102、103、104はデータ記録再生装置であり、ライブラリ装置制御回路97に制御されて、光ディスク95にデータを記録再生する。96はディスク交換装置であり、ライブラリ装置制御回路97に制御されて、データ記録再生装置101、102、103、104に装着する光ディスクを交換する。
【0054】
97はライブラリ装置制御回路であり、サーバ92からの要求により、ディスク交換装置96を制御して複数枚の光ディスク95から所望の光ディスクを選択し、データ記録再生装置101、102、103、104に装着する。
【0055】
98はメモリであり、ライブラリ装置制御回路97を介してデータ記録再生装置101、102、103、104から送られた媒体情報とセットアップ情報を識別情報と共に書き込む。また、媒体情報とセットアップ情報を読み出してデータ記録再生装置101、102、103、104に送る。更に、例えばデータ記録再生装置101、102、103、104の装置番号を1、2、3、4のように対応させ、セットアップ情報の1つとしてメモリ98に書き込めば、当該光ディスクのセットアップ情報が同一のデータ記録再生装置で得られたものかどうかがわかり、各種調整の参考にすることができる。あるいは、データ記録再生装置毎のセットアップ情報をメモリに全て書き込んでもよい。
【0056】
図10は第4の実施例のデータ記録再生装置の構成を示すブロック図である。
図1と同一の回路については説明を省略する。101はデータ記録再生装置であり、ライブラリ装置制御回路から入力したデータを光ディスクに記録する。また、光ディスクから再生したデータをライブラリ装置制御回路に出力する。107はCPUであり、データ記録再生装置101の記録処理、再生処理の制御を行う。また、光ディスク装着の際にライブラリ装置制御回路を介してメモリから媒体情報とセットアップ情報を入力し、排出の際等にライブラリ装置制御回路を介してメモリに媒体情報とセットアップ情報を出力する。
【0057】
なお、データ記録再生装置101について説明したが、データ記録再生装置102、103、104も同一である。
【0058】
図11は第4の実施例のデータライブラリ装置の動作を示すフローチャートである。ステップS1101においてデータライブラリ装置にデータ再生要求あるいはデータ記録要求があった場合は、ステップS1102において該当する光ディスクをデータ記録再生装置に装着する。ここでは、例えば装置番号1のデータ記録再生装置に装着したとする。
【0059】
次に、ステップS1103において識別情報再生用のセットアップ処理を行い、ステップS1104において光ディスクから識別情報を読み出す。
【0060】
次にステップS1105において前記識別情報に対応した媒体情報とセットアップ情報がメモリにある場合で、更にステップS1106においてセットアップ情報の1つの装置番号が一致する場合は、ステップS1107においてメモリから媒体情報とセットアップ情報を読み出す。ここでは、装置番号1のデータ記録再生装置に光ディスクを装着した場合を例としているので、装置番号が一致する場合とは、メモリに装置番号1の情報が記憶されている場合である。そして、ステップS1108においてメモリから読み出した媒体情報とセットアップ情報を使って記録済ディスク用セットアップ処理を行う。当該セットアップ情報は装置番号1の情報そのものであるため、セットアップ情報の各種設定値をそのまま設定する他、セットアップ情報の各種設定値を中心値として最適設定値を短時間で求めることができる。
【0061】
ステップS1105において前記識別情報に対応した媒体情報とセットアップ情報がメモリにある場合で、更にステップS1106において装置番号が一致する情報がない場合は、ステップS1109においてメモリから媒体情報を読み出す。ここでは、装置番号1のデータ記録再生装置に光ディスクを装着した場合を例としているので、装置番号が一致する情報がない場合とは、メモリに装置番号1の情報が記憶されておらず、装置番号2、3、4の情報が記憶されている場合である。そして、ステップS1110においてメモリから読み出した媒体情報を使って記録済ディスク用セットアップ処理を行う。そして、ステップS1111においてメモリに識別情報と媒体情報と装置番号を含むセットアップ情報を書き込む。
【0062】
あるいは、ステップS1109においてメモリから媒体情報とセットアップ情報を読み出し、ステップS1110においてメモリから読み出した媒体情報とセットアップ情報を使って記録済ディスク用セットアップ処理を行ってもよいが、当該セットアップ情報は装置番号1の情報ではないため、セットアップ情報の各種設定値をそのまま設定することはできない。或るデータ記録再生装置の最適設定値が別のデータ記録再生装置の最適設定値とは限らないからである。しかし、別のデータ記録再生装置で得たセットアップ情報の各種設定値を参考にして最適設定値を求めることはできる。
【0063】
ステップS1105において前記識別情報に対応した媒体情報がメモリにない場合は、ステップS1112において未記録ディスク用セットアップ処理を行い、ステップS1113においてディスクから媒体情報を読み出し、ステップS1114においてメモリに識別情報と媒体情報と装置番号を含むセットアップ情報を書き込む。
【0064】
次にステップS1115においてホストコンピュータからのデータ記録再生要求に応じて、データ記録再生処理を行う。
【0065】
一般にサーバは、ネットワークに接続された端末から送られたデータを一旦ハードディスクに記録し、例えばその後端末から一定期間アクセスがない場合等、予め定めた条件を満たすと当該データをデータライブラリ装置へ移動する。この時、データライブラリ装置は未記録ディスクをデータ記録再生装置に装着し、当該ディスクにデータを記録する。当該ディスクは初めて装着されるため、メモリに媒体情報とセットアップ情報はないが、その後ディスクから媒体情報を読み出してメモリに書き込み、ディスクのセットアップ処理を行って得られたセットアップ情報をメモリに書き込み、ディスクにユーザデータを記録するため、初めて装着された光ディスクでなければメモリに媒体情報とセットアップ情報があることになる。
【0066】
図12は第4の実施例のデータライブラリ装置のメモリに書き込まれた識別情報と媒体情報とセットアップ情報の例を示した表である。光ディスクから読み出した媒体情報とセットアップ情報を識別情報と共にメモリに書き込んでおき、光ディスクがデータ記録再生装置に装着された際に識別情報に対応する媒体情報とセットアップ情報をメモリから読み出す。メモリに媒体情報が書き込んであるため、当該媒体情報を改めてディスクから読み出す必要はなく、少なくとも当該媒体情報をディスクから読み出す時間を削減できる。また、セットアップ調整結果としてメモリにセットアップ情報が書き込んであるため、各種調整処理の削減あるいは簡略化等が可能であり、光ディスクのセットアップ処理時間を短縮することができる。また、セットアップ情報を取得したデータ記録再生装置の装置番号を書き込んであるため、該当する装置番号があるかどうかで処理を切り換えることができる。該当する装置番号があればセットアップ情報の各種設定値をそのまま設定する他、セットアップ情報の各種設定値を中心値として最適設定値を短時間で求めることができる。該当する装置番号なければ、各種設定値を参考にして最適設定値を求めることができる。
【0067】
例えば、製品番号126Ch、シリアル番号00001981hのBD−Rについて3つのセットップ情報がある。装置番号1、2、4についてのセットップ情報であり、当該ディスクが装置番号1のデータ記録再生装置に装着された場合は、装置番号1のセットアップ情報を読み出してセットアップを行い、装置番号2のデータ記録再生装置に装着された場合は、装置番号2のセットアップ情報を読み出してセットアップを行う。装置番号3のデータ記録再生装置に装着された場合は、例えば装置番号1のセットアップ情報を参考にしてセットアップを行う。
【0068】
なお、本実施例は、以下のようにも言い換えることが出来る。すなわち、複数枚の記録媒体にデータを記録・管理するデータライブラリ装置において、記録媒体にデータを記録再生する複数台のデータ記録再生装置と、複数台のデータ記録再生装置の記録媒体を交換する記録媒体交換装置と、記録媒体の識別情報と、データ記録再生装置ごとのセットアップ情報を記憶する記憶手段を備え、複数台のデータ記録再生装置は、記録媒体に適切な記録再生条件で記録再生するための複数のセットアップ方法を備え、サーバからデータ記録処理あるいはデータ再生処理が要求された場合は、記録媒体交換装置により該当する記録媒体を一つのデータ記録再生装置に装着し、記録媒体の識別情報と、データ記録再生装置ごとのセットアップ情報を読み出し、対応する記録媒体の識別情報と、データ記録再生装置ごとのセットアップ情報がある場合は、第1のセットアップ方法を実行し、対応する記録媒体の識別情報と、データ記録再生装置ごとのセットアップ情報がない場合は、第2のセットアップ方法を実行する。また、対応する記録媒体の識別情報はあるが、対応するデータ記録再生装置ごとのセットアップ情報がない場合は、第3のセットアップ方法を実行する。
【0069】
なお、本実施例ではライブラリ装置制御回路と各データ記録再生装置をSATAとは別の信号線で接続して、各ディスクの識別情報と媒体情報とセットアップ情報を送る例を示したが、SATAを介して送ってもよい。
【0070】
また、本実施例では各ディスクの媒体情報とセットアップ情報を、データライブラリ装置内のメモリに記録したが、メモリはどこにあってもよく、サーバにあってもよい。また、情報を保持できればメモリでなくてもよく、例えばサーバのハードディスクでもよい。
【0071】
また、本実施例ではメモリに記録した各ディスクの媒体情報とセットアップ情報を、各ディスクの識別情報により特定する例を示したが、一般にデータライブラリ装置は各ディスクのファイルシステムをハードディスクに記録しているため、このファイルシステムに対応させて媒体情報とセットアップ情報を特定してもよい。
【0072】
以上の構成により本発明の第4の実施例では、光ディスクの媒体情報とセットアップ情報を識別情報と共にメモリに記録しておき、光ディスク装着の際に当該光ディスクに対応した媒体情報とセットアップ情報がメモリにあるかどうかでセットアップ処理を切り換えることにより、光ディスクのセットアップ処理時間を短縮することができる。メモリから媒体情報を読み出すため、光ディスクから媒体情報を読み出す必要がなくなり、セットアップ処理時間を短縮することができる。
【0073】
また、セットアップ情報の1つとして装置番号をメモリに記録しておき、光ディスク装着の際に当該データ記録再生装置に対応したセットアップ情報がメモリにあるかどうかでセットアップ処理を切り換えることにより、光ディスクのセットアップ処理時間を短縮することができる。メモリからセットアップ情報を読み出すため、各種調整処理等の削減が可能であり、光ディスクのセットアップ処理時間を短縮することができる。
【0074】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0075】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード等の記録媒体に置くことができる。
【0076】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。