特許第5771534号(P5771534)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5771534スポンサー付きランドマーク及びロケーションラベルを配信するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771534
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】スポンサー付きランドマーク及びロケーションラベルを配信するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20150813BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20150813BHJP
【FI】
   G06Q30/02 150
   G06Q50/10 150
【請求項の数】13
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2011-552054(P2011-552054)
(86)(22)【出願日】2010年1月29日
(65)【公表番号】特表2012-518854(P2012-518854A)
(43)【公表日】2012年8月16日
(86)【国際出願番号】US2010022638
(87)【国際公開番号】WO2010098938
(87)【国際公開日】20100902
【審査請求日】2012年1月18日
(31)【優先権主張番号】12/392,678
(32)【優先日】2009年2月25日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】キング シモン
(72)【発明者】
【氏名】ヒギンス クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス マーク
【審査官】 梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−304976(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0083428(US,A1)
【文献】 特開2004−102927(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0004743(US,A1)
【文献】 特開2001−265809(JP,A)
【文献】 特表2008−518505(JP,A)
【文献】 特開2003−121189(JP,A)
【文献】 特開2002−063093(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/027844(WO,A1)
【文献】 特開2002−169914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ランドマークに関する関連性因子に基づき、1又はそれ以上の位置情報サービス応答を構築してクライアント装置にサービス提供する方法であって、前記方法は、プロセッサを使用する少なくとも1つのネットワークサーバによって実行され、前記ネットワークサーバは前記プロセッサを含み、前記方法は、
前記クライアント装置から、ユーザの位置情報サービス要求を受け取るステップと、
基準位置を生成するために前記クライアント装置の実際の位置を計算するステップと、
前記生成された基準位置に基づいて、前記ユーザの位置情報サービス要求に応答して、少なくとも1つのスポンサー付きランドマークを決定するステップと、
1つ以上の広告主から前記少なくとも1つのスポンサー付きランドマークに対応する1つ以上の広告主の入札を受信するステップであって、前記1つ以上の広告主の入札は、検索の範囲を前記少なくとも1つのスポンサー付きランドマークの辺りの所定の範囲まで拡張することによって到達する所定の数の広告主の入札と等しいものであるステップと、
少なくとも1つのスポンサー付きランドマークに基づいて、前記ユーザの位置情報サービス要求への1つ以上の応答候補を構築するステップであって、前記1つ以上の応答候補は、前記ユーザの位置情報サービス要求に応答した位置情報ラベル、及び前記少なくとも1つのスポンサー付きランドマークに対応する前記1つ以上の入札に関連する少なくとも1つの広告を含むものであるステップと、
前記少なくとも1つの広告の前記少なくとも1つのスポンサー付きランドマークとの関連性及び社会的関連性を少なくとも含む関連性基準に基づいて前記1つ以上の応答候補にスコア付けするステップと、
前記スコア付けに基づいて前記クライアント装置に前記応答候補を通信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記スコア付けステップが、スコア付けアルゴリズムに影響を与えるために差分重み付けを使用する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記応答候補を記憶するステップをさらに含み、前記記憶ステップが、テキストメッセージ、テキストページ、勧めるメディアの例、ナビゲーション指示、リンク、ウェブページの表示、ストリーミングメディアの一部、双方向メディアの一部のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ユーザ装置に情報を配信するステップをさらに含み、前記情報が、テキストメッセージ、テキストページ、勧めるメディアの例、ナビゲーション指示、リンク、ウェブページの表示、ストリーミングメディアの一部、双方向メディアの一部のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記構築ステップが、金銭的関連性、可視性関連性、周知性関連性、空間的関連性、時間的関連性、社会的関連性、時事的関連性のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記構築ステップが、少なくとも1つのラベルを構築するステップを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記スコア付けステップが、金銭的関連性、可視性関連性、周知性関連性、空間的関連性、時間的関連性、社会的関連性、時事的関連性のうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記構築ステップが、一般名ラベル、ユーザが別名を付けたラベル、スポンサー付きラベル、テキストラベル、写真ラベル、オーディオラベル、ビデオラベル、メディアラベル、クロスプロモーションラベルのうちの少なくとも1つを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ランドマークに関する関連性因子に基づき、1又はそれ以上の位置情報サービス応答を構築してクライアントシステムにサービス提供する方法を実施するための装置であって、 プロセッサと、
前記プロセッサによる実行のためのプログラムロジックを実体的に記憶するための記憶媒体と、を含み、前記プログラムロジックは、
前記クライアント装置から、ユーザの位置情報サービス要求を受け取るための前記プロセッサによって実行される受信ロジックと、
基準位置を生成するために前記クライアント装置の実際の位置を計算するための前記プロセッサによって実行される計算ロジックと、
前記生成された基準位置に基づいて、前記ユーザの位置情報サービス要求に応答して、少なくとも1つのスポンサー付きランドマークを決定するための前記プロセッサによって実行される決定ロジックと、
1つ以上の広告主から前記少なくとも1つのスポンサー付きランドマークに対応する1つ以上の広告主の入札を受信するための前記プロセッサによって実行される更なる受信ロジックであって、前記1つ以上の広告主の入札は、検索の範囲を前記少なくとも1つのスポンサー付きランドマークの辺りの所定の範囲まで拡張することによって到達する所定の数の広告主の入札と等しいものである受信ロジックと、
少なくとも1つのスポンサー付きランドマークに基づいて、前記ユーザの位置情報サービス要求への1つ以上の応答候補を構築するための前記プロセッサによって実行される構築ロジックであって、前記1つ以上の応答候補は、前記ユーザの位置情報サービス要求に応答した位置情報ラベル、及び前記少なくとも1つのスポンサー付きランドマークに対応する前記1つ以上の入札に関連する少なくとも1つの広告を含むものである構築ロジックと、
前記少なくとも1つの広告の前記少なくとも1つのスポンサー付きランドマークとの関連性及び社会的関連性を少なくとも含む関連性基準に基づいて前記1つ以上の応答候補にスコア付けするための前記プロセッサによって実行されるランク付けロジックと、
前記スコア付けに基づいて前記クライアント装置に前記応答候補を通信するための前記プロセッサによって実行される通信ロジックと、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項10】
コンピュータプロセッサによって実行されることができるコンピュータプログラム命令を実体的に記憶する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラム命令が、
前記クライアント装置から、ユーザの位置情報サービス要求を受け取るステップと、
基準位置を生成するために前記クライアント装置の実際の位置を計算するステップと、
前記生成された基準位置に基づいて、前記ユーザの位置情報サービス要求に応答して、少なくとも1つのスポンサー付きランドマークを決定するステップと、
1つ以上の広告主から前記少なくとも1つのスポンサー付きランドマークに対応する1つ以上の広告主の入札を受信するステップであって、前記1つ以上の広告主の入札は、検索の範囲を前記少なくとも1つのスポンサー付きランドマークの辺りの所定の範囲まで拡張することによって到達する所定の数の広告主の入札と等しいものであるステップと、
少なくとも1つのスポンサー付きランドマークに基づいて、前記ユーザの位置情報サービス要求への1つ以上の応答候補を構築するステップであって、前記1つ以上の応答候補は、前記ユーザの位置情報サービス要求に応答した位置情報ラベル、及び前記少なくとも1つのスポンサー付きランドマークに対応する前記1つ以上の入札に関連する少なくとも1つの広告を含むものであるステップと、
前記少なくとも1つの広告の前記少なくとも1つのスポンサー付きランドマークとの関連性及び社会的関連性を少なくとも含む関連性基準に基づいて前記1つ以上の応答候補にスコア付けするステップと、
前記スコア付けに基づいて前記クライアント装置に前記応答候補を通信するステップと、
を定義するものであることを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
前記1つ以上の広告主の入札は、前記少なくとも1つのスポンサー付きランドマークの周りの所定の範囲に検索の領域を徐々に拡大することによって達することができる所定の数の広告主の入札に等しい請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記スコア付けは、視線に基づくものである請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記スコア付けは、社会的関連性に基づくものである請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランドマーク及び位置データに基づいて広告を選択することに関する。
【背景技術】
【0002】
(GPSシステム、カーナビ装置などの)多くの位置測定システムは、(1200メインストリートなどの)所在地住所のような、人間が読み取り可能なユーザ位置のテキスト表現を使用して動作する。しかしながら、ユーザの現住所を正確に識別できる位置測定システムはほとんどない。これは、一部は位置を感知する上での不正確性に起因し、一部は逆ジオコーディング技術で使用される基本的なジオデータの精度又は完全性の欠如に起因する。この結果、位置測定システムによっては、ユーザが(緯度43.1234度、経度21.2345度などの)ある緯度及び経度に存在することしか報告しないものもあり、或いはユーザが(実際には存在しない1200メインストリートなどの)ある「でたらめの」住所に存在すると報告する場合もあり、或いはユーザが特定の位置とは対照的に特定の位置の近くに存在すると報告する場合もある。例えば、ユーザ「A」が、基本となるジオデータでは例えばエンパイアステートビルと同じ経度及び緯度に存在すると報告される経度及び緯度に存在する場合、位置測定システムによっては、ユーザ「A」がエンパイアステートビルの近くに存在すると報告するものもある。ほとんどの都市環境では、ユーザは多くの企業又はランドマーク付近に存在することが多く、従ってユーザの位置に近い又はユーザの位置から近いある範囲内のランドマークをリストする位置測定システムの報告では、報告される情報が多過ぎることがある。いわゆる「ジオモデル」内で使用されるフィルタ処理技術などの従来のフィルタ処理技術では、ユーザに示す位置情報の量を減少させることはできるが、ユーザに示すためのランドマークの「最良の」選択を行うことが望まれる。本発明は、不確かなエリア内のランドマーク又は企業をランク付けするものであり、本開示は、スポンサー付きランドマーク及びロケーションラベルを構築し、これらにランク付けして、報告すべき「最良の」ランドマークの組を得る上で使用するための技術を提供する。さらに、スポンサー付きコンテンツと本明細書で開示する技術とを組み合わせることで、(インプレッション数、クリック数、販売促進ダウンロード数、実販売などの)スポンサーのキャンペーン業績が改善され、従って収益を高めることができる。
【0003】
添付の図面及び以下の詳細な説明から本発明のその他の特徴及び利点が明らかになるであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(ユーザの位置が既知のランドマーク又はスポンサー付きロケーションに近いかどうかなどの)ランドマークに関する関連性因子に基づき、(「あなたはBob’s Cafeの近くにいます」又は「1ブロック北へ進めばBob’s Cafeです」などの)位置情報サービス応答を構築して(ユーザの携帯電話、スマートフォン、GPS端末などの)クライアント端末にサービス提供する方法を提供する。システムは、ユーザの(「私はどこにいますか」などの)位置情報サービス要求を受け取り、次にユーザの位置情報サービス要求に応えるための1又はそれ以上の応答候補を構築する。次に、(候補位置がユーザの最新のジオサービスクエリに関連するか、ほぼ近い範囲内にスポンサー付きランドマークが存在するかなどの)関連性因子に基づいて応答候補にスコア付けし、スコアの高いジオサービス応答をユーザのクライアント端末へ送信する。場合によっては、(近接性関連性、可視性関連性、周知性関連性などの)1つよりも多くの関連性因子を考慮する。
【0005】
本発明の新規の特徴は、添付の特許請求の範囲に記載する。しかしながら、説明を目的として、以下の図に本発明のいくつかの実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】いくつかの実施形態が機能するネットワーク環境を含むシステムの概略図である。
図1B】いくつかの実施形態による、位置情報要求に応答する方法のフロー図である。
図2A】いくつかの実施形態による、位置情報要求に応答する方法のフロー図である。
図2B】いくつかの実施形態による、位置情報要求に応答する方法のフロー図である。
図2C】いくつかの実施形態による、位置情報要求に応答する方法のフロー図である。
図2D】いくつかの実施形態による、位置情報要求に応答する方法のフロー図である。
図3】W4エンジンの一実施形態の概念モデルを示す図である。
図4】いくつかの実施形態による、定量的スコア付けに影響を与えるためのスライダの使用を示す図である。
図5】W4の一実施形態の考えられる分析構成要素を示す図である。
図6図5に示すサブエンジン内の様々な構成要素を示す、W4エンジンの一実施形態を示す図である。
図7】命令セットを実行できる例示的な形のコンピュータシステム内の機械の図表示である。
図8】通信プロトコルを実行できる、例示的な形のクライアントサーバネットワーク内のいくつかのコンピュータシステム環境の図表示である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の説明では、説明を目的として数多くの詳細を記載する。しかしながら、当業者であれば、これらの特定の詳細を使用せずに本発明を実施できることを理解するであろう。その他の場合、本発明の説明を不必要な詳細によって曖昧にしないために、周知の構造及び装置についてはブロック図形式で示している。
【0008】
携帯電話及びその他の移動体装置は、多くの先進国のほとんどの人々が今では少なくとも1台の移動体装置を携行するまでに急増した。さらに、このような移動体装置は、位置情報を認識することができる。従って、いわゆる位置情報サービスに対する需要は増加し続け、移動体ユーザ(以下、「ユーザ」)は、このようなサービスにますます多くを期待している。その上、上述の移動体装置、又はユーザがロケーションプラットフォーム(「UDLP」)であると宣言するあらゆる装置は、ネットワークサービスプロバイダと連動して、ユーザの位置を経度及び緯度によりある程度の精度で(例えば、半径10メートルの範囲かそこらで)識別することができる。しかしながら、経度及び緯度が分かるだけではユーザへの支援は限られ、経度及び緯度よりもランドマーク名又は写真の方がユーザにとって大いに役立つ可能性が高い。しかしながら、ほとんどの都市環境では、またあらゆる瞬間において、ユーザは多くのランドマーク及び企業の近くに存在し、これらは全て非常に近い距離内に位置する。移動体装置は、一度に比較的少量の情報しか無理なく表示することができないので、単に候補を(例えば、アルファベット順に又はカテゴリ別に)リストするだけでは、これもユーザに役立ちそうにない。
【0009】
本明細書で開示する本発明の実施形態は、ユーザとの関連性を考慮し、場合によっては(「Bob’s Cafe」などの)企業の位置に相関する関連性因子を含む。(空間的関連性、時間的関連性、社会的関連性、時事的関連性、キーワード、又は他のその関連性因子などの)このような関連性により、広告主又は事業主は、位置情報サービスとの関連において自社を際立たせるために代金を支払うことができるようになり、このような広告主が、自社のブランドを近隣のランドマークに関連付けることを望む可能性もある。当然ながら、本明細書では、関連性因子及びその他の因子にランク付け又はスコア付けし、従って多くの近隣のランドマークのより大きな組の中から適切な選択の組をシステム内に提供し、ユーザに戻すジオサービス情報の精度を著しく落とさずにこれらを行うための技術を提供する。この結果、実際の企業が、関連する参照ロケーションラベルを近隣の場所に関連付けるために代金を支払う。このことは、実際の企業が検索クエリ結果に関連広告を関連付けるために代金を払うという点で、所与のクエリに関するスポンサー付き検索結果に類似する。システムは、ラベル及びスポンサー付きラベルを戻すことに加え、(「コイトタワーから2ブロック北に進むとBob’s Cafeに到着します」などの)任意の位置からスポンサー付きランドマークへの道順を戻すことができる。従って、システムのエンドユーザが、人間が理解可能な信頼性の高いロケーションラベルを有するようになるという利点を得ると同時に、広告主は、「有望な見込み客」(例えば、コーヒーショップを探していてBob’s Cafeの前に立っている人物、又はBob’s Cafeの前に立っているだけの人物)に到達するための新たな方法を得るようになる。より良いユーザ体験の結果、ジオコーディングサービスの事業者は、より一層の実用性を獲得するようになる。
【0010】
本発明の実施形態は、UDLP(以下、「ユーザ装置」)からの逆ジオコーディング(位置)要求との関連で、新たな形の位置情報サービス及びスポンサー付き広告を創出する。典型的には、ユーザの位置をネットワークが利用できるようにすることができる。次に、ネットワーク上のアプリケーションサーバが、位置情報を他の情報とともに使用して、ユーザに関連性の高い情報を戻す。具体的には、ユーザに戻される情報は、(「エンパイアステートビル」などの)有名なランドマークの一般名、又は(「スターバックス」などの)よく知られた企業名を含むことができる。一方、本明細書で開示する技術は、関連性因子のマッチングに基づいて、場合によってはリアルタイム入札市場と関連してユーザを正しい位置に導くための代替モデルを提供する。電子入札フレーズオークションとして組織されるリアルタイム入札市場は、ランドマーク及びスポンサー付きロケーションラベルの両方のためのローカルな及び全国的な広告主のあらゆる組み合わせを含むことができる。さらに、ユーザを正しい位置に導くための技術は、(テキストラベル、オーディオラベル、ビデオラベル、メディアラベル、いずれかの1又はそれ以上の言語に翻訳されたテキストラベル、又は画像、音声、ビデオ、及び/又はその他のメディアなどの)特殊ラベルを含むことができ、このユーザを正しい位置に導くために選択するラベルを(「エンパイアステートビル」などの)一般的ラベル及び/又は(「エンパイアステートビルのブロードウェイ側入口にあるスターバックス」などの)スポンサー付きラベルから選択し、ユーザに標的化して配信することができる。
【0011】
当然ながら、ユーザの好み(電子メールを介したテキストメッセージを好むことなど)、ユーザの許可(位置を追跡するためのユーザの許可、以前に取り込んだユーザプロファイルデータ又はユーザの行動データを使用するためのユーザの許可など)、及び/又はこれに関する他のあらゆるユーザ情報を含む、ユーザを標的化するためのあらゆる数の技術を使用することができる。同様に、テキストメッセージング、及びテキストページ、勧めるメディア、進路変更ナビゲーションの指示、リンク、ウェブページの表示、ストリーミングメディア、双方向メディアなどを含む、ユーザに情報を配信するためのあらゆる数の技術を使用することもできる。
【0012】
本明細書で開示する技術は、単独で及び組み合わせによって、実際のランドマーク及び実際の企業、並びにその他の実際のエンティティ(以下、「RWE」)に基づいてユーザを有用な位置特定スキーマに結び付けることにより、ユーザが、実際のUDLPによって及びこれらに対して提供されるジオコーディング情報をより容易にかつ効率的に利用できるようにする。本発明のいくつかの実施形態は、広告主アカウント及びキャンペーン管理機能を備えたスポンサー付き検索広告市場システム(スポンサーシップイベントのための最大入札システムなど)を含む。他の実施形態では、ユーザの位置情報要求からの(又はこれに関する)情報を、位置情報要求に対する応答の内容を動的に構築し又はこれに別様にラベル付けするために利用できるようにする。
【0013】
図1Aの概略図に、移動体ユーザと、スポンサー付きランドマーク及びロケーションラベルを配信するための1又はそれ以上のサービスを提供するネットワークとのユーザのやりとりとに関する考えられるシナリオを示す。図示のように、位置L0に存在する歩行者ユーザが、ネットワーク150に位置情報サービスを要求する。このユーザの要求に応答して、ネットワーク150は、ユーザの位置情報をランドマーク及びスポンサー付きロケーションのデータベースと比較して分析するが、このような分析は1又はそれ以上の専用サーバ160、165を含むこともできる。このような分析は、入札市場155の形成及びリアルタイムオークションの実行を行うための動作を含むこともできる。ネットワーク150がユーザに情報を戻すと、ユーザは、この戻された情報を利用することができる。このような情報は、「あなたは市立公園プールの向かい側にいます−マイクスポーツ店提供」などのスポンサー付き情報を含むことができる。或いは、この情報は、「あなたは市立公園の東端にいます」などのスポンサーの付かない位置情報を含むこともできる。ユーザの位置の密集度に応じて、「あなたはBob’s Cafeからわずか2ブロックのところにいます」などの隣接位置に関する地理情報を含むこともできる。このシナリオに従って、ユーザは、(Bob’s Cafeの方向の)位置L1まで歩き、再び位置情報サービスを要求する。この場合も、ネットワークは、新たな位置情報に基づいて新規入札市場175を形成することができ、再びリアルタイムオークションを実行することができる。位置L1に少なくとも部分的に関連するこのような結果がユーザに戻される。このような結果は、「あなたは、Bob’s Cafeからわずか1ブロックのところにいます」などのように一般化することができ、或いは(「Bob’s Cafeでお好きなフレンチローストコーヒーを飲みませんか」のように)よりユーザに特化させることができ、或いは、場合によってはBob’s Cafeまでのリアルタイムの進路変更指示を含めてユーザカスタマイズすることさえもできる。実際には、上述のユーザカスタマイズした結果に、ユーザから入手できるあらゆる種類の情報、ユーザのプロファイル、ユーザの行動、又は関連性マッチングの過程で使用する他のあらゆるデータを使用してもよい(或いは以下で説明するように使用しなくてもよい)。ユーザは、ネットワークとのやりとりを継続し、ネットワークは、ユーザが位置情報サービス要求を行い続ける限り応答する。
【0014】
ここで、図1を背景として説明したようなシステムの様々な特性をやや詳細に考慮すると、ユーザが特定の位置からジオサービスを要求した際に、入札市場155、175を自発的に形成できる点に留意されたい。自発的オークションの落札者(スポンサー)が1人しか存在しないとしても、このスポンサーの広告が必ずしも選択されるとは限らない。あらゆるフィルタ処理及びスコア付け動作には、ユーザに戻すための最適な結果の組(及び必ずしも入札額の最も高い入札者が指示する結果のみとは限らない)を決定するために、一連のユーザデータを考慮できる他の関連性因子基準を含めることができる。いくつかの実施形態では、システムが、ユーザプロファイル又は特性に関して(匿名のジオコーディングのように)不可知論的に動作し、これらの場合、スポンサーシップイベントの市場に全てのふさわしい広告主が含まれる。
【0015】
上述したシステム及びシナリオを、図1Bに示すような方法に要約することができる。図示のステップは、(a)ユーザの位置情報サービス要求を受け取るステップ1B10と、(b)ユーザの位置情報データを分析するステップ1B20と、(c)関連応答を構築するステップ1B30と、(d)関連応答をユーザに戻すステップ1B40とを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、及び動作1B10に示すように、ユーザから(携帯電話又はその他のUDLPなどから)ジオ要求が到来し、この場合、ユーザがジオコーディングサービスからの応答を要求し、システムが、(GPS、セル三角推量などの)1又はそれ以上の技術を通じて実際の位置を計算して基準位置を生成する。次に、様々な技術を適用して、ユーザの基準位置情報を分析することができる1B20。一般に、位置情報からは、(GPS、セル三角推量などを通じた)位置特定技術に伴う精度の点位置が得られるので、一般に基準位置は、より広い地理的範囲を含むように外向きに拡がる。当然ながら、より広いとは、位置特定技術の分解能の分数の範囲でより広いことを意味することができ、或いは位置特定技術の分解能の倍数の範囲でより広いことを意味することができる。地理的範囲の拡大は、エリアのカバー範囲の上限に達するまで、又はカバーされるエリアに関連する十分な数の広告主が最初の広告主候補の組に追加されるまで外向きに継続することができる。動作1B30は、(「Bob’s Cafeまでちょうど50フィートです」などの)スポンサー付き応答、及び/又は(「あなたは市立公園の2ブロック東にいます」などの)スポンサーの付かない応答を含むことができる応答候補の組を生成するように関連応答を構築する。当然ながら、最初の広告主候補の組に十分なスポンサー(広告主)が投入された場合(すなわち、動作1B20において)、ユーザの位置情報を入札特性として使用して、自発的な入札市場を形成することができる。当業者であれば、せいぜい数秒又はこれらのわずかの間に自発的な市場を形成して入札を完了できることをすぐに認識するであろう。入札が完了すると、重み付けした距離によって広告主をランク付けし、入札及び過去の実績モデルの内容に基づいてさらにランク付けして、この要求/イベントの落札者(及び場合によっては補欠リスト)を生じることができる。動作1B40において、関連結果がユーザに戻される。ユーザに戻される結果は、テキスト、画像、オーディオ、ビデオ、又はこれらのあらゆる組み合わせを含むことができ、ユーザの位置を、企業又はランドマークの「近く」又は「そば」又は「間近」又は「隣」又は「背後」又は「外側」又は「前」、「間」、「通りの向い」、「中」、「そこ」、「北」、「南」、「左側」、「右側」などとして指定することができる。この結果をコンピュータのメモリ、又はキャッシュ、或いは場合によっては不揮発性媒体に記憶することができ、或いはネットワーク又はバスを介して要求側ユーザに転送されるメッセージ内に記憶することができる。
【0017】
図2Aは、ユーザの位置情報データを分析するための考えられる技術を実現するシステム2A00を示す図である。当然ながら、図1A図1Bの背景のいずれにおいてもシステム2A00を実現することができる。図示のように、図2Aの動作は連続して実行することができ、或いはこれらを平行して実施することができ、或いは、連続又は平行した実行の何らかの組み合わせであってもよい。上述したように、一般に位置情報からは、位置特定技術(例えば、GPS、セル三角推量、その他を介して)に応じた精度の点位置が得られるので、一般に基準位置は、やや広い地理的範囲を含むように外向きに拡大する。点位置情報を中心にして拡大するための1つの考えられる技術は、この点から、少なくとも1つの追加のランドマーク又はラベル付きロケーションをカバーするのに十分なエリアを含むように放射状に拡大することである。例えば、ユーザの位置情報が地点L0に存在する場合、エリア110内に示すようなランドマーク及び/又はラベル付きロケーションを全て含むようにエリアを拡大することができる。当然ながら、含まれるランドマークの位置情報点によって定義されるようなエリアは、(エリア110に示すように)不規則な形状を成す場合もある。場合によっては、数多くのランドマークが存在し、またスポンサー付き(ラベル付き)ロケーションがほとんど存在せず又はゼロのことさえもある。逆に、数多くのスポンサー付きロケーションが存在し、公共のランドマークがほとんど存在せず又はゼロのことさえもある。従って、別個の動作2A10及び2A20を定めて、候補となる位置の組内に個々の種類の少なくとも1つの位置が含まれるように(より大きな半径を使用した)近隣を定めるようにする。逆に、密集度の高い位置では、候補となる位置の組内に含まれる個々の種類の位置が十分に少なくなるように(より小さな半径を使用した)近隣を定めることができる。個々の種類の少なくとも1つの位置をこのように識別したら、動作2A30により、候補となる組内の位置のいずれか/全てに関するデータベースレコードを検索することができる。次に、このような検索又はこれらの部分集合を、他の動作で使用するために記憶することができる2A40。位置データを提供する様々なサービス及びデータベースが存在するが、実施形態で使用できるような位置データベースに投入するための1つの技術では、データがスポンサー又は広告主によって自己投入される点を強調すべきである。自己投入の概念は、本明細書で説明する技術とともに使用するためのスポンサーシップ又は広告キャンペーンを定義するという単なる行為により、スポンサー/広告主にとって重要な位置だけでなく、上述の提供される位置データ内では明確に見つからない位置も投入できるようになるという点を認識することによって理解することができる。例えば、コーヒーショップチェーンは、地方の商工会議所などの公開データソースから容易に入手できるものよりも最新の店舗位置の組をスポンサー付きロケーションとして公開することができる。当然ながら、ランドマークデータベースにスポンサー付きロケーションを全て投入することも可能であり、このような場合、上述の提供される位置データは不要となる可能性がある。スポンサー付きランドマークは、それ自体が企業である可能性が高いものもあるが、(「ローリーのパブから通りを挟んだバークレー市民公園」のように)企業が有名な公共ランドマークをスポンサーできる場合もある。公共ランドマークの場合、システムは、この特定のランドマークに対して競合/入札するスポンサーの数を、他のランドマークに対して競合/入札するスポンサーの数と比較して単純にランク付けすることにより、特定のランドマークの相対的な注目度(人気)を知ることができる。
【0018】
図2Bは、関連応答を選択するための考えられる技術を実現するシステム2B00を示す図である。当然ながら、図1A図2Aの背景のいずれにおいてもシステム2B00を実現することができる。図示のように、図2Bの動作は連続して実行することができ、或いはこれらを平行して実施することができ、或いは、連続又は平行した実行の何らかの組み合わせであってもよい。少なくともシステム2B00は、動作2A40で準備されたような候補位置に関する情報にアクセスする。場合によっては、動作2B10で検索される情報は、動作2A40で準備されたものと正確に同じ候補となる情報セットであってもよい。また場合によっては、動作2A40で準備されたような候補となる情報セットを、結合又は射影などの別のデータベース操作において使用することもできる。例えば、動作2A40で準備されたような候補となる情報セットは、ある位置又はこの近くで、ある日付に、ある期間中に発生する何らかのイベントの記事又は告示などのいずれの時間的情報も含まないことがあるが、結合又は射影によってこのような相関関係を得ることができる。
【0019】
動作2B20によって導入されるように、プレフィルタを適用することができる。実際には、候補を作成することにより、(ユーザの近くに複数のBob’s Cafeの位置が存在する場合、最も近い店以外を全て除外するなどの)明らかなつながり又は衝突を解消するためのルールを誘発することができる。ソート及び比較、及び重複又はつながり、又はその他の衝突を排除するための経験則などの、広い範囲のプレフィルタ処理技術が可能であるとともに想定される。一例として、酒類卸売業者などのスポンサーが、飲酒反対デモと同じ時間及び場所で受け取られた地理的要求に由来する入札市場から除外してほしいという要望を表すことができる。このようなプレフィルタ動作がスポンサーのキャンペーン除外をサポートすること、従ってスポンサーが除外(プレフィルタ処理)するつもりのスポンサーのキャンペーン内の広告が自発的な入札市場に提出されないことを少なくとも部分的に目的とする点を考慮すれば、プレフィルタ処理を行うためのあらゆる動作の意味を理解することができる。より一般的には、いくつかの実施形態では、広告主が、オークションで競合したいユーザのタイプ又は種類を限定することができる。この結果のために、広告主は、人口統計的データ又はその他の標的データを明確な除外又は明確な限定因子として指定することができ、或いは到来するユーザ要求によって作成され得るようないくつかの市場に関する認定/失格基準を明確に定義することができる。一例として、コーヒーショップは、朝及び昼下がりの時間帯には昼食時間中よりも高額で入札するようにキャンペーン設定を行うことができる。またさらに、特定の位置のキャンペーン設定では、その特定の位置に存在するコーヒーショップが閉店している時間中は入札への参加を明確に除外することができる。
【0020】
動作2B30は、候補となる及びプレフィルタ処理された市場参加者をオークションに提出する役割を果たす。当然ながら、このようなキーワード又はキーフレーズオークションは十分に理解されている。このシステム2B00との関連における動作の強調すべき点は、電子入札キーワード及び/又は入札フレーズ市場が形成され、オークションが開かれ、このオークションの結果、少なくとも1人の落札者(又は同点の場合にはこれよりも多いことがある)及び場合によっては一連の補欠が生じることを示す点にすぎない。同様に、広告主が1つのエリア内に複数の位置を有する場合、システム2B00で、及びより一般的にはシステム1B00で具体化される位置固有の技術は、実際の店舗への人の出入りが少ないエリアで費やされる広告をリアルタイム調整することにより、複数の位置への人の出入りのバランスを取ってこれを伸ばすための効果的な方法を提供する。
【0021】
いくつかの実施形態では、システムが、ユーザプロファイル又はユーザ関心プロファイル又はその他のユーザデータを使用して、市場内の考えられる広告主のリストをプレフィルタ処理すること、又はユーザのデータ内に見出されるユーザの好み又はその他の重み付け因子に基づいてリストを後でランク付けし直すこと(動作2B40参照)のいずれかを行うことにより、ユーザに最終的に戻すための関連候補を選択する。場合によっては、(ユーザプロファイル、ユーザの許可、ユーザの行動、又はその他のあらゆるユーザ関連データなどの)ユーザデータを使用して、認定される市場内のいずれかの広告主を他の広告主のいずれよりも好むことが示される又は推定されることを適用することができる。一般に、広告主が要求の地理的制約を満たし、特定の市場及び期間に適しており、ユーザのプロファイルデータにより広告主が不適格とみなされない場合、その広告主は検討対象となる。
【0022】
通常、従来のオンラインキーワードオークションでは、特定の所有物内の「最良の」位置がオークションでの入札に提供され、落札者の広告が「最良の」位置に配置される。状況によっては、配置には現金化を上回る因子が含まれる。特に、位置情報サービスのためのユーザ要求を満たすための動作は、空間的関連性に類似する因子などの、現金化以外の1又はそれ以上の因子を十分に含む場合がある。実際には、場合によっては、特定の応答を示すことが適切でなく、又は少なくとも特に関連性がないことがある。例えば、Bob’s Cafeが特定のオークションにおける最高入札者であるとすると、1つの観点からは、Bob’s Cafeが「川を挟んだ真向かい」に位置するという理由で納得がいく。しかしながら、位置情報サービスを要求するユーザが徒歩であり、川を渡る橋が徒歩では通行できない場合、ユーザはBob’s Cafeに容易に到達することができないので、ユーザにはほとんど確実に無関係である。ユーザはBob’s Cafeに容易に到達できず、広告を提示しても、その場ですぐに所望のユーザ行動を引き起こす可能性は低いので、Bob’s Cafeのスポンサーにもほとんど確実に無関係となる。当然ながら、上述の例はほんの一例にすぎない。より一般的には、ジオサービスの適用という状況では、上位入札者のリスト及び固有の金銭的関連性因子を、関連性の高い配置を生じるように意図された他の関連性因子と組み合わせることができる。動作2B40に示すように、ランク付け/スコア付けのために考慮される適当な想定される基準としては、可視性(視線による可視性、看板又は住所のサイズ/目立ち具合、注目度など)、W4関連性因子、すなわち、誰が/いつ/どこで/何をの関連性(社会的関連性、時間的関連性、空間的関連性、時事的関連性など)、周知性(ランドマーク又はラベル付きロケーションが一般的にどれほどよく知られているかなど)、及び追加的な金銭的関連性因子(絶対的落札額がいくらであったか、次点の入札額がいくらであったかなど)が挙げられる。
【0023】
スコア付け動作との関連における周知性の概念は一般的定義に勝り、社会的関連性、時間的関連性、空間的関連性、時事的関連性のいずれか又は全てと交わるモデルとみなすことができる。例えば、ある社会集団において、複数のユーザ間でラベルが知られている又は共有されているランドマークは、このユーザグループにとって、共有されていない何らかのラベルよりもよく知られているとランク付けすることができる。同様に、「大学女子寮」というランドマークは、この大学生にとって、たとえ位置情報表示システムによって戻された物理的位置情報が同じであったとしても「バンクオブアメリカのATM」よりもよく知られている。また、広告主の観点から言えば、広告主は、特定のランドマークに対する広告主のブランドの認識又は周知性を築くためのキャンペーンを行うことができ、例えば「ギラーデリー」という菓子メーカーは、「ピア39」として知られている位置にブランド名を関連付けるためのキャンペーンをずっと以前に打ち立てており、このようなキャンペーンを、位置情報サービスに関連する広告に拡張することができる。またさらに、特定の位置又はランドマークの周知性は、集約されたユーザデータに基づいてより高い値を得ることができる。例えば、多くのユーザが、一般的に「ハチ公」として知られている位置から「私の友人はどこですか」という要求を長期にわたって連続して発した場合、システム2C00は、「ハチ公」という位置及びラベルがよく知られているとみなすことができる。換言すれば、ランク付け/スコア付け動作という背景では、人々が「自分の足で投票」し、またこのような行動を使用することができる。
【0024】
スコア付け動作との関連における可視性の概念は一般的定義に勝り、単純に(エッフェル塔などの)絶対的可視性又は(ユーザの行動に基づいて長期にわたり学習されたものなどの)学習的可視性の、又は3Dモデルを使用した、及び/又は視線計算、又は街の画像を使用した特性、又は注目度さえも含むことができる。時間的情報が可視性に影響を与えることもある。例えば、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーは、12月の期間は素晴らしいランドマークであるが、1年の他の時期にはランドマークとしては機能しない。同様に、点灯されたネオンサインは、夜間又は企業が営業している時間は効果的なランドマークであり、モニュメントは、枝葉によって妨げられない冬にはハイウェイから見えるが、これらの上述したランドマークは、他の時期にはスコアの低い又は場合によっては役に立たないランドマークとなり得る。また、ブランド認知が可視性に影響を与えることもあり、20フィートの高さのマクドナルドの看板はブランドに関連して広く認知されているが、地方のカフェの看板は、たとえ同じ大きさでも同じ視覚的印象を与えることはない。ブランド認知に関する可視性のスコア付けには観衆も重要であり、外国人訪問者は、地元の人と同じブランド認知を有していないことがあり、従って個人のブランド又はランドマークの可視性は、少なくとも部分的に過去の個人体験の働きである。例えば、代理装置を通じて収集した物理的時空間経路が、特定のランドマーク、場所、又はブランドに関連する位置に何度か繰り返し訪問したことを示すことがあり、このデータを将来的に使用して、このユーザの要求への潜在的応答としてこれらの位置の重み付けを増やすことができる。通信に含まれる、又は通信の主題となるランドマーク、場所、及びブランドも、このユーザに対するこの場所の個人的可視性に影響を与えることがあり、従ってユーザがある場所を過去に物理的に訪れたことがない場合でも、場所又はランドマークに関する通信は関連性がある。いくつかの実施形態では、他のユーザのリアルタイム位置を使用して、要求側ユーザが知っている他のユーザがよく知っている又は他のユーザに近い位置又はランドマークを優先することにより、可視性に影響を与えることもできる。
【0025】
スコア付け動作との関連における空間的関連性の概念は単なる距離の概念に勝り、個人化した距離を含むことができる。1つの実施形態では、2つの実際のエンティティ間の個人化した距離の計算が、2つの実際のエンティティ間の1又はそれ以上のルートを決定することから開始することができる。ユーザの好みの移動モードに基づいて1又はそれ以上のルートを選択することができる。例えば、ある人は車を運転するよりも歩行又は公共交通機関の利用を好むかもしれない。ルート選択では、利用可能な最短ルートを単純に選択することができる。ルート選択では、高速道路、有料道路、スクールゾーン、建設区域などを避けるなどのさらなる移動の好みを追加で反映させることができる。既知のルートを定め、次にこのルートの空間距離を求めることができる。1つの実施形態では、空間距離がルートの長さである。別の実施形態では、目的地までの移動時間を1つの空間距離の形とみなすことができる。空間距離は、距離に直接関連しない空間因子によって修正することができる。このような空間因子は、高さ、標高、ビルの階数などの付加的な空間特性に関連することができる。このような因子は、ルート、或いはこのルート上又はこの近くにあるエンティティの物理特性に関連することができる。例えば、ある人が景色又は視覚的に刺激のある環境に価値を見出す場合、湾又は海又は地平線が見えるルートは、それが自然のものであるか又は人口的なものであるかに関わらずより望ましいものとなり得る。ルートの一部に、物理的条件が良くないという評判がある場合、又はルートが工事中である場合、このルートはあまり望ましくないものとみなすことができる。空間因子は、ユーザ又はその他のエンティティの速度(すなわち、方向及び速度)という追加要因をさらに含むことができる。空間因子は、その地域の気象条件などの、物理的位置に関連する環境条件をさらに含むことができる。その後、空間因子は、時間的因子、社会的因子、及び時事的因子を使用してさらに修正することができる。
【0026】
一般に、時間的因子は、時間の経過がルートの望ましさ及び交通手段にいかに影響を与えるかに関連する因子として定義することができる。最も基本的な時間的因子は、ルートを移動するのにかかる時間である。ルート上の移動時間は、過去からのルートに伴う平均移動時間に基づいて推定することができる。或いは、平均速度及び移動時間をリアルタイムモニタ又はセンサからモニタすることにより、移動時間をより正確に求めることができる。このようなセンサは、移動する主な大通りに沿いに交通の流れをモニタするために特別に設置された固定センサとすることができる。このようなセンサは、位置が継続的にモニタされ、従って物理的位置が分かっている個々のユーザ装置の移動速度を特定するために使用できる携帯電話、GPSなどのユーザ装置であってもよい。1つの実施形態では、ルート上の移動時間を求めるために使用するデータを、複数のセンサネットワークからの多くのデータソースの組み合わせとすることができる。このような移動時間は有用となり得るが、長期にわたって蓄積された過去の移動時間データと組み合わせることによって強化することができる。例えば、人々は昔から金曜日にはオフィスをいつもより早く出ることがあり、都市部から出る主要ルートでは、午後6:00から午後7:00の間に交通が予想通り15〜20分遅れる。従って、通勤時間が通常30分の人物にとっては、午後5:45の交通速度から午後6:00から午後7:00の間の移動時間を予測すると過度に楽観的なものとなる可能性がる。移動時間は、気象条件によって影響を受けることもある。従って、雨が降り始めると、都市部から出る主要ルートでは、交通が昔から30分遅れることがある。従って、雨が予想される場合又は雨が降り始めたばかりの場合、このようなルートの移動時間を適宜調整することができる。移動時間は、ローカルなイベントによって影響を受けることもある。例えば、特定の日に商業地区の巨大アリーナで午後7:00から開始のコンサートが予定されていることがある。履歴データは、コンサート中にアリーナ周辺で交通が渋滞し、通勤時間が10分ほど伸びることを示すことができる。時間的因子は、ルートの始点及び終点に関する時間データをさらに含むことができる。例えば、ルートの目的地がレストラン又は小売店の場所であり、完全にルートを移動し終える前にこの場所が閉まってしまう場合、このルートは望ましくない。レストランで着席するまでの待ち時間が例えば30分を超える場合、このルートも望ましくないものとなり得る。ある場所で特定の時間にイベントが予定されている場合、例えば午後10時にライブ音楽が始まる場合、この場所に午後10:00以降に到着するルートは望ましくないものとなり得る。時間的因子は、特定の人物に関する時間データを含むこともできる。例えば、ある人物に約束がある場合、この約束にゆうゆう間に合って到着するルートは望ましい。通常、ある人物が、特定のテレビ番組を見るなどの特定の行動を家で行う場合、家から離れた場所、例えばこの番組の放送前にこの人物が帰宅できないほど遠くにあるレストランへこの人物を連れて行くルートは望ましくないものとなり得る。従って、特定のルート又はルートグループに関して、リアルタイムデータ及び履歴データによって通知されるルートの移動にかかる時間、並びに同時に発生するイベントに対するこのような移動時間の影響を判断することができる。1つの実施形態では、空間距離、移動時間、及び移動時間により影響を受けるイベントを個別に表示することができる。或いは、時間的因子を使用して空間距離を修正し、個人化した距離を生成することができる。個人化した距離は、全体的なルートの望ましさを反映する。1つの実施形態では、ルートの望ましさが減少すると距離が延びる。例えば、10マイルの空間距離を反映するルートを、移動時間がかかるという理由で、又はリアルタイム移動推定に基づいてこのルートでは約束に遅れるという理由で30マイルに増やすことができる。10分の時間的距離として表されるルートは、リアルタイム移動推定に基づいてこのルートでは約束に遅れる場合、30分又は長すぎ(too long)を表す「TL」に増やすことができる。
【0027】
スコア付け動作との関連における時間的関連性の概念は、単なる時間的分離の概念に勝る。1つの実施形態では、時間的因子を、空間距離を一貫した方法で修正するために使用する重み付け因子又は加算因子として使用することができる。重み付け因子及び加算因子を使用して、単純な連続する数値関係を反映することができる。例えば、10マイルのルートの移動時間が、20mphの平均速度を反映して30分かかると予想されるのに対し、任意の目標移動速度を60mphとする場合、移動時間に目標移動速度を乗算することより、30マイルという重み付けした距離を計算することができる。別の例では、ある人物が約束に遅れると予想される追加の1分ごとに、空間距離に任意の1マイルの増分を加えることができる。別の実施形態では、例えば、10分の遅れには「10L」、或いは遅すぎる又は長すぎる遅れには「TL」などのように、予め定めたコード又はタグを空間距離に関連付けることができる。重み付け及び加算因子を追加的又は代替的に使用して、倍数的に又は追加的に使用される離散間隔を反映することができる。例えば、ある人物が約束に1〜10分遅れると予想される場合、空間距離に1.5の乗数又は10マイルの追加を適用できるのに対し、ある人物が11〜20分遅れると予想される場合、空間距離に10の乗数又は100マイルの追加を適用することができる。このようにして、時間的因子によって空間距離に多くの方法で重み付けして、ルートの空間距離を反映するとともにルートの望ましさ(さらには実現可能性)に対する時間的因子の影響も反映する定性的パーソナル距離を生成することができる。1つの実施形態では、空間距離と時間的重み付け因子を組み合わせるための正確な方法が人によって異なってもよく、これを人物の個性又は習慣を反映するようにカスタマイズすることができる。従って、車の運転が嫌いな人物は移動時間に大きく重み付けできるのに対し、異常なほど時間に几帳面な人物は、仕事又は約束に遅れることに大きく重み付けすることができる。1つの実施形態では、ユーザがこのような好みを明確に入力することができる。別の実施形態では、このような好みを、長期にわたって蓄積されたユーザのセンサデータ及びインタラクションデータによって反映される帰属ユーザ行動とすることができる。社会的因子を使用して空間距離をさらに修正することもできる。一般に、社会的因子は、人の社会的関係がルートの望ましさにいかに影響を与え得るかに関する因子として定義することができる。あるルートが、ある人物のソーシャルネットワーク内に存在する1人又はそれ以上の個人のすぐ近くに存在する場合、或いは空間的、時間的、又は時事的関係、相関関係、重複、又は分離度に基づいてユーザとの社会的関係を別様に示す場合、このルートをより望ましいものとみなすことができる。このような因子は、ある人物のソーシャルネットワーク内の個人に関連するプロファイルデータに基づくことができる。例えば、親しい友人の自宅住所を通るルートは、友人の家に立ち寄る潜在的機会を提供するので、より望ましいものとみなすことができる。このような因子は、ソーシャルネットワーク内の人物に関連する動的なリアルタイムデータに基づくこともできる。例えば、ある場所に現在1人又はそれ以上の友人又は知り合いが存在する場合、この場所へのルートをより望ましいものとみなすことができる。
【0028】
スコア付け動作との関連における社会的関連性の概念は、単なる個人間のつながりに勝る。社会的因子も、ある人物のソーシャルネットワーク内の個人に関連するインタラクティブデータ又は取引データを利用することができる。例えば、ある場所が、1人又はそれ以上の友人又は親戚が頻繁に訪れ又は高く評価する企業である場合、この場所へのルートをより望ましいものとみなすことができる。別の例では、友人が良くない評価を示したことがある、又は友人が常に避ける道路を含むルートは、あまり望ましくないものとみなすことができる。ソーシャルネットワーク因子は、否定的方法でも同様に使用することもできる。従って、ある個人が、ある人物のソーシャルネットワーク内で避けるべき人物として識別されている場合、その個人が頻繁に訪れる個人及び企業及び場所を避ける傾向にあるルートは好ましいものとみなすことができる。
【0029】
スコア付け動作との関連における時事的関連性の概念は、単なるキーワードの記憶及び比較に勝る。一般に、時事的因子は、位置、ユーザ、及び環境内のその他のエンティティに関連する既知の情報に関する因子を含むものとして定義することができる。このような因子は、ある人物の関心及び好み、並びに外部イベントがルートの望ましさにいかに影響を与えるかに関連することができる。例えば、時事的因子は、ルート周辺のエリア全体に関連することができる。ある人物が安全性を重視する場合、犯罪率の高いエリアを通るルートはあまり望ましくないものとみなすことができる。ある人物がオートクチュールのショッピングを楽しいと感じる場合、高級小売店又はブティックが密集したエリアを通るルートはより望ましいものとみなすことができる。時事的因子は、ルート上又はその付近で発生するイベントに関連することもできる。例えば、近所で祭りが催されている場合、その近くを通るルートは、ある人物が祭りに興味があるかどうかに応じてより望ましいもの又はあまり望ましくないものとすることができる。時事的因子は、ルートの目的地に関連することもできる。例えば、ある場所が、ユーザが関心を持っている(又は反感を持っている)トピックに関連する企業である場合、この場所へのルートをより望ましいものとみなすことができる。例えば、ある人物がブルース音楽のファンである場合、ブルース音楽に関連する目的地(すなわち、ブルースクラブ)へのルートはより望ましいものとみなすことができる。別の例では、ある人物が子供を好きでない場合、家族向けの優れた目的地として評価されている目的地へのルートはあまり望ましくないものとみなすことができる。ある場所が、好きなレポーター又はニュース記事又は友人によって良い評価を受けている企業である場合、この場所へのルートはより望ましいものとみなすことができる。例えば、地元記事で熱烈な賛辞を受けたレストランへのルートはより望ましいものとみなすことができるが、ユーザの最も親しい友人がこのレストランに酷評を与えた場合は、あまり望ましくないものとすることができる。このようにして、トピックに関するあらゆる既知の社会的因子により時事的因子に重み付けすることができる。1つの実施形態では、時間的因子に加え、社会的及び時事的因子を、空間距離を一貫した方法で修正して個人化した距離を生成するために使用する重み付け因子又は加算因子として使用することができる。1つの実施形態では、空間距離と時間的重み付け因子を組み合わせるための正確な方法が人によって異なってもよく、これを人物の個性又は習慣及び好みを反映するようにカスタマイズすることができる。なお、上述した方法を拡張して、物理的ルート、さらには空間的又は時間的特性にも関連しない個人化した距離を求めることができる。1つの実施形態では、ルートを始点位置と終点位置の間の直線、中央の第3の点からの相対距離、又は一群の位置に基づく計算とし、これを社会的及び時事的因子によって調整することができる。
【0030】
スコア付けに関する上述の技術に加え、ユーザの位置情報サービス要求に対する広告主のマッチングを、リアルタイム入札市場を使用せずに行うこともできるが、代わりにこれは何らかの時間を区切った固定価格のスポンサーシップ期間に基づく。このようなスポンサーシップの方法は、実際の場所の周囲に仮想テリトリを形成するという効果があり、これらの場所又は隣接エリアから到来する要求には経済面の相違が伴う。
【0031】
システム2B00のさらに別の実施形態は、位置感知技術の精度に限界があり、しばしば逆ジオコーディング(すなわち、緯度及び経度座標を所在地住所に変換すること)の精度さえも落ちることがあるという事実を利用する。すなわち、このような限界を考えた場合、(単に精度が落ちる場合)ユーザが(ある場所に存在すると言うのとは対照的に)ある場所の近くに存在すると言った方が正しいことが多い。従って、広告主は自社の入札に、適当な前置詞句に基づいて入札が増分的に高額になる何らかの仕様を含めることができる。すなわち、「Bob’s Cafeからモールを挟んだ反対側にいる」ユーザに広告を勧めるよりも、「Bob’s Cafeの目の前にいる」コーヒー党に広告を勧める方が所望のユーザ反応が得られる可能性が高い。従って、Bob’s Cafeのスポンサーは、「モールの反対側」という前置詞句を使用したラベルよりも、「目の前」という前置詞句を使用したラベルの方に高く入札することができる。
【0032】
再び図2Bを参照すると、動作2B50は、要求側ユーザに提示するためのランク付けした候補のグループを選択する役割を果たす。なお、(携帯電話、4行LCD画面装置、VGAディスプレイ付き携帯電話、タッチスクリーン付きスマートフォン、モバイルPCなどの)異なる装置の各々は、複数の配置の表示がより容易/困難であるという異なる特性を有する。動作2B50は、ランク付けした候補の配置を選択してユーザ装置の表示特性に対応させる役割を果たす。
【0033】
図1B、具体的には動作1B40に戻ると、当業者であれば、要求側ユーザに関連応答を戻すための最新技術では多くの変数が考慮されており、これらの多くが当業で公知であることを理解することができる。従って、動作1B40は、広告の動的作成などの、広告のオンライン配置で使用されるあらゆる数の技術を含むように拡張することができる。当然ながら、特定の広告主は、配置のオークションで最高入札者になったとしても、いくつかの実施形態では配置すべき広告グループからの選択を依然として行う。実際には、いくつかの広告のコピー及びフォームは、キーワード又はその他の関連性因子に基づいて動的に作成される。ユーザの位置情報要求に対する応答という背景でコピー又は広告又はその他のスポンサー付き情報を提示する上での拡張として、特定の位置に適用できるような広告主の所望のラベルを挙げることができる。ラベルは、(「エンパイアステートビル」などの)ランドマークの一般名と同じぐらいシンプルかつ直接的なものであってもよく、或いは(「Bob’s Cafe」などの)スポンサー名であってもよく、或いは(「あなたは街で最高のバーガーのそばにいます−Bob’s Cafe」などの)前置詞句の形にしてもよく、或いは(「あなたは街で最高のバーガーとデザートの近くにいます−こんなデザートはBob’s Cafeの中だけ」又は「ダイアモンドジムのナイトクラブへどうぞ−映画館の隣」などの)クロスプロモーションフレーズの形にすることも、或いは(「自宅」近く又は「甥のアパート」の前などの)特定の位置情報ポイント及び何らかの不確実な区域に関するユーザ定義ラベルとすることもできる。さらなる実施形態では、ラベルが、アイコン、又は画像、又はビデオ、又は音声、又は場合によっては(例えば、衛星が提供する又は街が提供する)リアルタイムデータを含むその他のあらゆるメディアの形を有することができる。
【0034】
先行段落では、動かない場所をランドマークとして例示した。しかしながら、移動する物体又は人物の位置情報がユーザに報告されることも考えられ想定される。例えば、「私の友人はどこですか」という形の位置情報クエリに応答して、サービスが、「シンディはBob’s Cafeにいます」又は「トニーはコイトタワーの近くにいます」と戻すことができる。当然ながら、このような実施形態では、社会的関連性因子をランク付けすることが特に重要となり得る。
【0035】
さらにこの実施形態では、人物又は移動する物体の時間に伴う経路を、長期にわたって定期的に、さらには継続的追跡のスキームに従って追跡することもでき、従って位置情報サービスは、「トニーはいつ到着するか」を知るためのユーザ要求に応答することもできる。このレベルの情報及び推定を考えた場合、広告主は、「食料品店に何かご用はありませんか−トニーは今そこにいます」と提案することができる。さらに、このレベルの情報及び推定を考えた場合、「Bob’s Cafeに集まりませんか−今そこにはシンディがいます。トニーは3分以内にそこへ行けます」のように集まる場所及びイベントごとのプロモーションを提案することができ、応答内に「Bob’s Cafeで飲み物クーポンがもらえる」を含めることさえもできる。変形例では、上述のクーポンをユーザ装置に勧めることができ、或いはユーザがオンデマンドで引き出すためのリンクを提供することもできる。当然ながら、「トニーは3分以内にそこへ行けます」のような提案では、移動モードに関する仮定又は推測を行う。同様に、本明細書で使用する技術は、距離だけでなく労力を考慮することもできる。例えば、ある人物は、「地点A」から「コイトタワーの頂上」まで歩くと5分かかるが、「コイトタワーの頂上」から「地点A」までは歩いて2分しかかからない。
【0036】
図2Cは、ユーザに関連応答を戻すための考えられる技術を実現するシステム2C00を示す図である。当然ながら、図1A図2Bの背景のいずれにおいてもシステム2C00を実現することができる。図2Cの動作は連続して実行することができ、或いはこれらを平行して実施することができ、或いは、連続又は平行した実行の何らかの組み合わせであってもよい。図示のように、システム2C00は、ランク付けされた候補のグループを選択する動作2B50において選択されるような1又はそれ以上の広告を構築することにより開始することができる。当然ながら、先行段落で示したように、様々な公知の技術のいずれかを使用して広告コピーを作成することができる。これに加えて、或いは場合によっては上述の広告コピーを要求側ユーザに提示する代わりに、ラベルを構築するための動作2C20を呼び出すことができる。ラベルを構築する動作は、広告を構築するための動作とは別個に図示して説明するが、本明細書に示す実施形態を理解するために広告コピーとラベルを強く区別する必要はない。実際には、いくつかの実施形態では、あらゆる数のラベルをあらゆる数の広告又はスポンサー付きラベルと混合する。一例として、位置情報サービスに(「ここからタイ料理店まではどう行けばよいですか」などの)ナビゲーションを支援するためのユーザ要求があったことに応答して、システム2C00は、「1ブロック西へ進み、Bob’s Cafeを通り過ぎ、さらに2ブロックでタイ料理店に着きます。市立公園に着いたら行き過ぎです」という応答を構築することができる。当然ながら、「Bob’s Cafe」「タイ料理店」及び/又は「市立公園」のいずれか又は全てにスポンサーを付けることができ、これを得るために競合するスポンサーについてはリアルタイムオークションによって解決することができる。当然ながら、道順を作成する上で、さらにはユーザのための単なるルートリストに、より見やすいランドマーク、又は周知のランドマークルートを経由する経路を使用するようにする偏りを含めることができ、或いは1又はそれ以上のスポンサー付きランドマークが含まれている可能性に基づいて、わずかに長い経路又は階段状の経路を含むことさえもできる。
【0037】
また、システム2C00は、動作2C30において広告とラベルの何らかの組み合わせを組み立てる。ラベルと広告の適当な組み合わせの選択は、戻すための第1の(優先される)結果の組の中から選択を行い、ユーザ装置に関連する、又はユーザのプロファイル又はその他のユーザデータに関連する(バイト数制限、ユーザ選好制限などの)何らかの制限を満たすもののみを戻すだけの単純なものであってよい。或いは、広告とラベルを組み立てる動作2C30は、広告とラベルの(又はラベルと広告の)何らかの関連付けを行い、これに従って結果を戻すことができる。例えば、システム2C00は、ユーザの位置情報サービス要求に応答して、「あなたはコイトタワーの近くにいます−SF港湾局提供」を戻すことができる。この例では、「あなたはコイトタワーの近くにいます」がラベル部分であり、「SF港湾局提供」が広告部分である。当然ながら、ラベル及び広告の両方は単なるテキストであってもよく、又はその他のいずれかの画像又はメディアであってもよく、或いはユーザに別個に提示するための返信であってもよく、例えば、ユーザに戻す結果は、「あなたはコイトタワーの近くにいます」を含むとともに、ユーザの位置にほぼ近いところから撮影したコイトタワーの写真を含むこともできる。位置情報サービスという背景では、サービスが、(「あなたはコイトタワーの近くにいます」などの)特定の位置情報に関する情報を有することができるが、対応するこの位置のためのスポンサーを付けないこともできる。このような(この時点で)スポンサーシップを有していない位置の場合でも、ユーザは、位置情報サービスが有用な結果を戻すことを期待する。従って、システム1B00、より具体的にはシステム2C00は、スポンサー付きランドマークのラベル付け及びスポンサーの付いていないランドマークのラベル付けの両方をサポートする。
【0038】
システム2C00の別の実施形態では、(「コイトタワーにあるBob’s Cafe」、「コイトタワー近くの最高のタイ料理店」などの)スポンサー付きロケーションラベルを好む結果の組から、(「コイトタワー」などの)ランドマークラベルとしての一般名のみで構成されるラベルの配信を合理的に省くことができる。システム2C00のさらに別の実施形態では、関連する又は別名を付けたラベル、或いはユーザ又はユーザ集団が識別できるような、ユーザが別名を付けたラベルを使用することによりラベルを構築することができる。例えば、一般名が「James Goodhand記念競技場」というランドマークのラベルを、(ユーザの娘であるシャノンを意味する)「シャノンサッカー場」などの、ユーザが別名を付けたラベルから、或いは(「あなたは、シャノンサッカー場近くのスターバックスから300フィートのところにいます」などの)推測又は連結により構築される、ユーザが別名を付けたラベルから構築することができる。これらのユーザが別名を付けたラベルは、(ユーザが「自宅」位置を入力したり、或いはある位置からの写真に「シャノンサッカー場」としてタグ付けしたりなどの)明確なユーザ入力から構築することができ、或いは長期にわたるデータから推測することもできる(例えば、ユーザがほとんどの夜を過ごす場所から「自宅」を推測することができ、ジョセフ・スミスがほとんどの日に9:00から5:00までを過ごす場所から「ジョーのオフィス」を推測することができ、あるユーザが貼り付けたアドレス帳のラベルから、「ジョー」というラベルをジョセフ・スミスにふさわしいラベルであると学習することができる)。ラベルは、ランドマーク又は場所に関連するメディアクリップなどのオーディオ又はビジュアル記録を介して適用することもでき、テキストラベルに関連付けることもでき、又はこれら自体をラベルとすることもできる。
【0039】
図2Dは、ユーザに対して広告及びラベルを組み立てるための考えられる技術を実現するシステム2D00を示す図である。当然ながら、図1A図2Cの背景のいずれにおいてもシステム2D00を実現することができる。図2Dの動作は連続して実行することができ、或いはこれらを平行して実施することができ、或いは、連続又は平行した実行の何らかの組み合わせであってもよい。少なくとも、システム2D00は、応答候補リストに事後ランク付けアルゴリズムを適用する役割を果たす。図示のように、動作2D10は、関連性因子の組の差分重み付けを確立する(図4参照)。特定の関連性因子に適用される差分重み付けに加え、ユーザは、以下に限定されるわけではないが、位置により一般的な名前又はブランド名を使用すること、より個人化した名前及び別名を付けたラベルを使用することなどの、あらゆる数の因子へのユーザの偏りを反映する連続体に沿って、好み又は差分重み付けを設定することができる。このようなブランド名の使用を好むことを表すユーザは、コスト・パー・アクション(CPA)広告キャンペーンにおける標的グループの候補となることができ、このキャンペーンでは、(隣のJoe’s Cafeではなく、スターバックスで会うように友人を説得するなどの)ブランドのCPAキャンペーンにふさわしい行動を行うようにユーザを駆り立てることができる。或いは、より一般的には、場合によっては(コストコで時計を買ってコストコで布団を買うなどの)複数の独立タスク又は複数の従属タスクの階層を含む、ブランドのCPAキャンペーンにふさわしい行動を行うようにユーザを駆り立てることができる。別の実施形態では、コスト・パー・アクションの概念に、ユーザ及びユーザ端末の移動性を利用することができる。厳密には、一例として、商業的意欲又はその他の広告主のプロモーション又はキャンペーン条件を満たすために、プロモーションを利用するのに必要な人物(例えば、同じ近所に存在する友人)をジオサービス要求によって識別し、個人化した通信及び命令を通じて調整できる場合、(2杯のモカジャバカプチーノを1杯の値段で提供するなどの)昔からの「半額セール」プロモーションの関連性は、広告主及び消費者の両方にとってさらに高くなる。
【0040】
動作2D10を再び参照すると、このような差分重み付け及び好みを、計算及びルール適用動作2D20、2D30、及び2D40において使用することができる。いくつかの実施形態では、非周知性関連性因子に基づいてスコア付けを適用する前であっても、周知性関連性因子を自動的に高めて、より馴染みの深いラベルを選択するように偏らせることができる。さらに、広告主は、因子に経験則を適用して差分重み付けを使用するための技術を考慮して、ランドマークの可視性又は周知性に基づくクロスプロモーションをスポンサーすることができる。例えば、見つけにくい金物店は、「ビング金物店−カーネギーホールの向かい側」などのラベルを使用したプロモーションをスポンサーすることができ、この場合の「カーネギーホール」というランドマークラベルは、近くの同じ場所に位置する他の全てのランドマークの中から、可視性次元のランク付けが高いということで選択したものである。可視性基準、具体的には視線による可視性基準に関するユーザへの応答の構築を含む別の例として、例えば、街の波止場からのユーザ要求に応答して、「ギラーデリー工場」までの道順を求める要求には、「ギラーデリーの看板に向かって北へ進む」よりもむしろ「ピア39に向かって北へ進む」を戻すことができるが、これは、(海上の近くの同じ場所からはギラーデリーの看板の方が非常によく見えるとしても)街の波止場からはギラーデリーの看板の可視性よりもピア39の可視性の方が大幅に高いからである。
【0041】
動作2D20及び2D30は、定量的かつルールに基づく技術を適用して、候補グループをフィルタ処理及びランク付けする。当然ながら、W4空間でのランク付け、又は場合によってはW4空間を含むあらゆるN空間でのランク付けは、文字通りN空間ベクトルを生成し、ベクトル間に距離を取って定量的尺度を生じさせるものとして理解される。同様に、ルールに基づく技術の適用2D30は、定量的尺度を偏らせ又はこれを無効にさえもする役割を果たす。場合によっては、経験則を適用する前に定量的測定のいくつかが行われ、従って汎用システム2D00は、経験則を適用する前後両方において定量的測定を行うことを含む。
【0042】
(動作2D20、2D30、2D40の結果として生じる)定量的にランク付けされた候補のリストを所与とした場合、その後動作2D50において、この候補のリストを事後ランク付けし、フィルタ処理して、フィルタ処理後のリストを戻すことができる。この動作は、同一の又はわずかに異なる候補のフィルタ処理を含むことができる。
【0043】
図3は、(2B40のランク付け動作などの)ランク付け動作で使用できる関連性因子について詳述し、「誰が」「いつ」「どこで」及び「何を」の関連性を含む関連性情報を戻すようになっているエンジンを含むシステムの考えられる実施形態を紹介する図である。システム300は、グローバル論理ネットワーククラウドの形の搭載されるメッセージングインフラストラクチャを構築し、このネットワーククラウドは、概念上、誰が、どこで、何を、いつ、という4Wの各々のためのネットワーク化クラウドに再分割される。Who(誰が)クラウド302には、送信者、受信者、データ点又は確認/認証ソース、並びにユーザプログラム処理、装置、エージェント、カレンダーなどの形のユーザプロキシのいずれとして機能するかに関わらず全てのユーザが存在する。Where(どこで)クラウド304には、空間的基準点又は位置に関連する全ての物理的位置、イベント、センサ、又はその他のRWEが存在する。When(いつ)クラウド306は、自然の時間的イベント(すなわち、日、時間、季節などの、特定の位置又は人物に関連しないイベント)並びに集合的なユーザの時間的イベント(休日、記念日、選挙など)、及びユーザが定義した時間的イベント(誕生日、スマートタイミングプログラム)で構成される。What(何を)クラウド308は、例えば、天気及びニュースなどの環境データ、RWE生成データ、情報オブジェクト(「IO」)及びIOデータ、ユーザデータ、モデル、プロセス、及びアプリケーションを含む、システム300がアクセスできるウェブデータ又はプライベートデータ、商業データ又はユーザデータなどの全ての既知のデータで構成される。従って、Whatクラウド308には概念上ほとんどのデータが含まれる。複数のクラウド内に、いくつかのエンティティ、センサ、又はデータが時間的に異なって又は同時に存在することができる。また、いくつかのIO及びRWEは、これらが1又はそれ以上のクラウドからの要素を組み合わせるという点で複合物とすることができる。このような複合物を必要に応じて分類して、RWEとIOの間の関連性の判断を容易にすることができる。例えば、位置及び時間で構成されるイベントを、Whenクラウド306、及びWhatクラウド308、及び/又はWhereクラウド304内に同様に分類することができる。W4エンジン310は、システム300の各階層間の全てのやりとりを制御し、システム300の動作又は相互運用アプリケーションにより有効にされたあらゆる承認済みのユーザ又はアプリケーションの目標を実行することに関与する。実施形態では、システム300が、(とりわけ)同期、曖昧性除去、ユーザ又はトピックのアドレス指定、アクセス権、優先度設定又はその他の価値に基づくランク付け、スマートスケジューリング、自動化、及び時事的、社会的、空間的、又は時間的警告を要求するための、標準化され公開されたAPIを有するオープンプラットフォームである。システム300の1つの機能は、システム300を介して行われる通信及びやりとりに関するデータを収集することであり、この機能は、オブジェクト内の情報を記憶するとともに、ランドマーク、企業、又はその他のあらゆる実際のエンティティを識別する、(誰が、何を、いつ、どこでの情報などの)対応する関連性情報を含むその他の情報を記憶することを含むことができる。システム300が収集するその他のデータは、位置、動作状態、モニタされる条件(例えば、実際のエンティティが気象センサの場合には、モニタされている現在の気象条件、或いは実際のエンティティが携帯電話の場合には、この電話が連絡しているセルタワーに基づく現在位置)及び現在の状況などのいずれかの所与の時点におけるあらゆる所与の実際のエンティティの状態に関する情報を含むことができる。実際のエンティティの情報及び/又は他の実際のエンティティが行う動作に関連する、又は関与される実際のエンティティを識別する機能をエンティティ抽出と呼ぶことができる。エンティティ抽出は、特定の情報オブジェクトの送信者及び受信者を識別することなどの単純な行為、及びメッセージが次のイベントの時間及び位置をリストしたと判断すること、及びこのイベントをメッセージの文脈に基づいてメッセージの送信者及び(単複の)受信者に関連付けること、又は実際のエンティティの位置と、同じ位置の交通モニタの状態との相関関係に基づいて、実際のエンティティが渋滞にはまっていると判断することなどの、システム300が収集する及び/又は利用できるデータのより複雑な分析の両方を含むことができる。図示の実施形態では、W4エンジン310を、通信ハードウェア及び/又はソフトウェアによりシステム300に接続された汎用パーソナルコンピュータ(PC)又は専用サーバコンピュータなどの分散型コンピュータ装置の1つ又は群とすることができる。このようなコンピュータ装置は、単一の装置であっても、又はともに動作する一群の装置であってもよい。コンピュータ装置は、コンピュータ装置のローカル又は遠隔の大容量記憶装置及び(RAMなどの)ローカルメモリに記憶されたあらゆる数のプログラムモジュール及びデータファイルを備えることができる。例えば、上述したように、コンピュータ装置は、MICROSOFT社のWINDOWS XP(登録商標)又はWINDOWS SERVER(登録商標)オペレーティングシステムなどの、ネットワーク化されたコンピュータの動作を制御するのに適したオペレーティングシステムを含むことができる。いくつかの実際のエンティティは、以下に限定されるわけではないが、スマートフォン、ウェブ対応機器、PC、ラップトップコンピュータ、及び携帯情報端末(PDA)などのコンピュータ装置であってもよい。コンピュータ装置は、インターネット、公衆交換電話網、携帯電話網、衛星通信ネットワーク、ケーブルテレビ又はプライベートエリアネットワークのような有線通信ネットワークなどの1又はそれ以上の通信ネットワークに接続することができる。コンピュータ装置は、有線データ接続、又はwi−fi、WiMAX(802.36)、Bluetooth(登録商標)、又は携帯電話接続などの無線接続を介してこのようなあらゆるネットワークに接続することができる。W4エンジン310を含む本明細書で説明したコンピュータ装置のいずれかに接続された又はその一部であるコンピュータ可読媒体(図示せず)上にローカルデータ構造を記憶することができる。例えば、1つの実施形態では、以下で説明するシステム300のデータバックボーンが、情報オブジェクト、メタデータ、及び本明細書で説明したような実際のエンティティと情報オブジェクトとの関係を判断するために必要なデータを保持する複数の大容量記憶装置を含む。
【0044】
図4は、W4因子のいずれか/全て、及び/又はその他のあらゆる因子に差分重み付けを適用するために使用できるインターフェイス400を示す図である。動作2B40を再び参照すると、及び特に広告キャンペーンの背景では、広告主又は広告主の広告キャンペーンマネージャが、動作2B40のランク付け/スコア付けアルゴリズムに影響を与えたいと望むことがある。従って、及び図示のように、インターフェイス400を使用し、スライダ2620、2520、2420、2320、2220、及び2210を使用して、対応する可視性因子2600、周知性因子2500、空間因子2400、時間的因子2300、時事的因子2200、及び社会的因子2100に差分重み付けを適用することができる。
【0045】
図5は、W4エンジンの実施形態の考えられるアーキテクチャを示しており、ここでは、W4エンジン502が、エンティティ抽出処理において異なる動作を実行する一連のサブエンジンを通じて全てのネットワーク参加者を接続し、相互運用し、考案する。属性エンジン504は、あらゆるIO内のあらゆるRWEの実際の所有権、制御、公開又はその他の条件付き権利を追跡する。例えば、W4エンジンが新規メッセージの生成又は送信を通じて新たなIOを検出した場合には常に、IOに新規トランザクションレコード、新規画像ファイル、その他の所有権が割り当てられる。属性エンジン504は、この所有権情報を生成し、さらにこの情報をシステム500が認識する個々のIOのために決定できるようにする。相関エンジン506は、(背景又は状況内のRWE及びIO及びこれらの属性、関係、及び評価のあらゆる組み合わせの合成グラフを生成することになどより)関連するRWE及びIO及びこれらの関係を識別する第1の能力、及びあらゆる内部又は外部ソースからのイベントに留意するためのセンサ分析性プリプロセッサとしての第2の能力という2つの能力で動作することができる。1つの実施形態では、利用可能なデータを例えば1又はそれ以上のヒストグラムを使用してグラフ化することにより、相関エンジン506の関連するRWE及びIO機能の識別が行われる。個々のIO、RWE、及び(時間、日付、位置などの)その他の既知のパラメータをヒストグラムの異なるビンとして選択して利用可能なデータをマッピングすることにより、RWE、IO、及びその他のパラメータ間の関係を識別することができる。全てのRWE及びIOのヒストグラムを生成し、ここからグラフに基づく相関関係を形成することができる。相関エンジン506は、プリプロセッサとして、W4エンジン502側で動作をトリガできるいずれかの条件が識別されるかどうかを判断するために、RWEにより提供された情報をモニタする。例えば、メッセージに配信条件が関連していた場合、相関エンジン506は、この条件が満たされたと判断すると、適当なトリガ情報をW4エンジン502へ送信し、このW4エンジン502がメッセージの配信をトリガすることができる。注目エンジン508は、全ての適当なネットワークノード、クラウド、ユーザ、アプリケーション、又はこれらのあらゆる組み合わせを考案し、相関エンジン506及び属性エンジン504との密接なやりとりを含む。
【0046】
図6は、図5を参照しながら上述したサブエンジン内の様々な構成要素を示すW4エンジンの一実施形態を示す図である。1つの実施形態では、W4エンジン602が、基本機能に基づくいくつかのサブマネージャを含む注目エンジン608、属性エンジン604、及び相関エンジン606を含む。注目エンジン608は、メッセージ取り込み及び生成マネージャ610と、にメッセージ配信マネージャ612とを含み、これらは、メッセージマッチングマネージャ614及びリアルタイム通信マネージャ616の両方と密接に連動して、システム600にわたる全ての通信を配信及び考案する。属性エンジン604は、ユーザプロファイルマネージャ618内で、及び他の全てのモジュールと連動して機能し、RWE、IO、及びこれらの組み合わせに関する所有権及び権利情報を識別し、処理/検証して示す。相関エンジン606は、両方のチャネル(センサ及び処理)からのデータを、W4分析性マネージャ622によって編成及び制御される同じデータバックボーン620内にダンプする。データバックボーン620は、ユーザログ624、注目度位置ログ626、ウェブインデックス及び環境ログ618、電子商取引及び金融取引情報630、検索インデックス及びログ632、スポンサーコンテンツ又は条件文、広告コピー、及びあらゆる処理、IO、又はイベント内で使用される他のあらゆるデータを含む、全てのネットワーク動作から得られるデータを集約して個別化したアーカイブバージョンを含む。システム600が記憶する可能性のあるデータ量に起因して、データバックボーン620は、システム600と通信する数多くのデータベースサーバ及びデータストアを含んで十分な記憶容量を提供する。システム600が収集するデータは、空間データ、時間データ、RWEインタラクションデータ、(メディアデータなどの)IOコンテンツデータ、及び明確に提供された及び推定される社会的及び関係データを含むユーザデータを含む。空間データは、RWEに関連する位置を識別するいずれのデータであってもよい。例えば、空間データは、セルタワーデータ、汎用パケット無線サービス(GPRS)データ、全地球測位システム(GPS)データ、WI−FIデータ、パーソナルエリアネットワークデータ、IPアドレスデータ、及び他のネットワークアクセスポイントからのデータなどのあらゆる受動的に収集される位置データ、或いはユーザが入力した位置データなどの能動的に収集される位置データを含むことができる。
【0047】
時間データは、ユーザ及び/又は電子装置に関連する特定の時間及び/又はイベントに関する(タイムスタンプなどの)時間に基づくデータである。例えば、時間データは、(電子装置上に常駐する時計からの時間データ、又はネットワーク時計からの時間データなどの)受動的に収集される時間データであってもよく、或いは(ユーザが保持するカレンダーなどの)電子装置のユーザが入力した時間データなどの能動的に収集される時間データであってもよい。論理及びIOデータとは、作成時間、所有者、関連するRWE、IOが最後にアクセスされた時間などの、IOに含まれるデータ及びIOに関連するデータのことである。例えば、IOは、メディアデータに関連することができる。メディアデータは、オーディオデータ、ビジュアルデータ、及びオーディオビジュアルデータなどの提示可能なメディアに関するあらゆるデータを含むことができる。オーディオデータは、ジャンル、アーティスト、アルバムなどのダウンロードした音楽に関するデータとすることができ、いくつか例を挙げれば、着メロ(登録商標)、着信音、購入したメディア、再生リスト、及び共有するメディアに関するデータを含む。ビジュアルデータは、電子装置が(インターネット又はその他のネットワークなどを介して)受信した画像及び/又はテキストに関するデータとすることができる。ビジュアルデータは、電子装置から送信された及び/又は電子装置で取り込まれた画像及び/又はテキストに関するデータとすることができる。オーディオビジュアルデータは、電子装置で取り込まれ、電子装置にダウンロードされ、又は別様に関連するあらゆるビデオに関連するデータとすることができる。メディアデータは、インターネットの使用などのネットワークを介してユーザに提示されるメディアを含み、ユーザがネットワークを使用して入力及び/又は受信した(検索語などの)テキスト、及び(広告バナークリック、ブックマーク、クリックパターンなどの)クリックデータなどのネットワークメディアとのやりとりに関するデータを含む。従って、メディアデータは、ユーザのRSSフィード、加入、グループメンバシップ、ゲームサービス、警告など関するデータを含むことができる。メディアデータは、携帯電話などの電子装置を使用した画像取り込み及び/又はビデオ取り込みなどの非ネットワーク行為を含むことができる。画像データは、ユーザが追加したメタデータ、又は写真に関していくつか例を挙げると、写真を撮影したときの位置、ショットの方向、ショットの内容、及び時刻などの、画像に関連するその他のデータを含むことができる。メディアデータを使用して、例えば、文化的な及び/又は購買の好みの情報などの行動情報又は好み情報を推定することができる。関係データは、RWE又はIOと他のRWE又はIOとの関係に関するデータを含むことができる。例えば、関係データは、性別、年齢、人種、名前、社会保障番号、写真、及びユーザの識別に関連するその他の情報などのユーザ識別データを含むことができる。ユーザ識別情報は、電子メールアドレス、ログイン名、及びパスワードを含むこともできる。関係データは、関連するRWEを明確に識別するデータをさらに含むことができる。例えば、携帯電話の関係データは、携帯電話を所有するユーザ、及びこの電話にサービスを提供する会社を示すことができる。別の例として、スマートカーの関係データは、所有者、所有者に関連する電子料金徴収の支払い用のクレジットカード、車の運転を許可された使用者、及び車のガソリンスタンドを識別することができる。関係データは、ソーシャルネットワークデータを含むこともできる。ソーシャルネットワークデータは、ユーザの友人、家族、同僚、取引関係などに関するデータなどの、ユーザ又はその他のRWEが明確に定義するあらゆる関係に関するデータを含む。ソーシャルネットワークデータは、例えば、ユーザが保持する電子アドレス帳と一致するデータを含むことができる。関係データを例えば位置データと相関させて、(ユーザの配偶者、ユーザの子供、及びユーザの親関係などの)一次関係又は(ユーザの友人、ユーザの同僚、ユーザの取引関係などの)その他の関係などのソーシャルネットワーク情報を推定することができる。関係データを利用して、例えば行動情報を推定することもできる。インタラクションデータは、能動的であるか受動的であるかに関わらず、電子装置のユーザのやりとりに関連するあらゆるデータとすることができる。インタラクションデータの例として、個人間通信データ、メディアデータ、関係データ、取引データ、及び装置インタラクションデータなどが挙げられる。インタラクションデータは、システム600を介して転送されるあらゆるRWE間の通信データを含む。例えば、通信データは、発着するショートメッセージサービス(SMS)メッセージ、電子メールメッセージ、(携帯電話通話、ボイス・オーバーIP通話などの)音声通話、又はRWEに関するその他の種類の個人間通信に関連するデータとすることができる。通信データを例えば時間データと相関させて、ユーザ行動情報を示すことができる集中通信パターンを含む、通信の頻度に関する情報を推定することができる。インタラクションデータは、取引データを含むこともできる。取引データは、いくつか例を挙げれば、ベンダ情報、(銀行情報などの)金融機関情報、(クレジットカード情報などの)金融口座情報、商品情報、及びコスト/価格情報、並びに購入頻度情報などの、移動体電子装置により又は移動体電子装置で行われる商取引に関連するあらゆるデータとすることができる。取引データを利用して、例えば行動及び選好情報を推定することができる。取引情報を使用して、ユーザが所有する及び/又はユーザが関心のありそうな装置及び/又はサービスの種類を推定することもできる。インタラクションデータは、装置又はその他のRWEインタラクションデータを含むこともできる。このようなデータは、システム600上でのユーザとRWEの間のやりとりによって生成されたデータ、及びRWEとシステム600の間のやりとりによって生成されたデータの両方を含む。RWEインタラクションデータは、他のモジュール/アプリケーションの電子装置データの使用に関連する習慣的パターン、電子装置上でいずれのアプリケーションが使用され、これらのアプリケーションがどのくらいの頻度で及びいつ使用されているかに関するデータなどの、上記カテゴリのいずれにも含まれないRWEと電子装置のやりとりに関するいずれのデータであってもよい。
【0048】
図7は、上述の方法のいずれか1つを機械に実行させるための命令セットを実行できる例示的な形のコンピュータシステム700内の機械の図表示である。図示の実施形態は例示的なものにすぎず、図1図6の1又はそれ以上の背景で実施することができる。代替の実施形態では、機械が、ネットワークルータ、ネットワークスイッチ、ネットワークブリッジ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブ機器、又はこの機械が行う動作を指示する一連の命令を実行できるあらゆる機械を含むことができる。
【0049】
コンピュータシステム700は、プロセッサ702、メインメモリ704、及びスタティックメモリ706を含み、これらはバス708を介して互いに通信する。コンピュータシステム700は、(液晶ディスプレイ又はブラウン管などの)ビデオディスプレイユニット710をさらに含むことができる。コンピュータシステム700は、(キーボードなどの)英数字入力装置712、(マウスなどの)カーソル制御装置714、ディスクドライブユニット716、(スピーカなどの)信号生成装置718、及びネットワークインターフェイス装置720も含む。
【0050】
ディスクドライブユニット716は、機械可読媒体724を含み、ここに上述の方法のいずれか1つ又は全てを具体化する命令セット(すなわち、ソフトウェア)726が記憶される。ソフトウェア726は、メインメモリ704内及び/又はプロセッサ702内に完全に又は少なくとも部分的に常駐することも示している。さらに、ソフトウェア726を、ネットワークインターフェイス装置720を通じてネットワークを介して送受信することもできる。
【0051】
なお、本発明の実施形態は、(コンピュータのCPUなどの)何らかの形のプロセッシングコア上で実行される、或いは機械又はコンピュータ可読媒体上又はその内部で別様に実施又は実現されるソフトウェアプログラムとして又はこれらをサポートするために使用することができる。機械可読媒体は、(コンピュータなどの)機械が読み取ることができる形で情報を記憶又は送信するためのあらゆる機構を含む。例えば、機械可読媒体として、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体、フラッシュメモリ装置、電気、光学、音響、又は(搬送波、赤外線信号、デジタル信号などの)その他の形の伝搬信号、或いは情報を記憶又は送信するのに適した他のあらゆる種類の媒体が挙げられる。
【0052】
図8は、通信プロトコルを実行できる、例示的な形のクライアントサーバネットワーク800内のいくつかのコンピュータシステム(すなわち、クライアント、コンテンツサーバ、広告サーバ)環境の図表示である。図示の実施形態は例示的なものにすぎず、図1図7までの1又はそれ以上の背景で実施することができる。図示のように、クライアント820は、要求を行うことにより通信プロトコルを開始することができる。このような要求は、コンテンツサーバ840によってのみ満たすことができ、或いはコンテンツサーバ840及び連動して機能するあらゆる数の追加のコンテンツサーバ又は広告サーバ870によって満たすことができる。一般に、いずれのサーバも、様々な形の関連性データを取得し、(場合によっては図示していない他のサーバとともに)入札オークションを実行し、及び/又は選択した広告を別のサーバへ送信することができる。また、位置情報データを分析し、ラベル候補を組み立て、関連性データを取得し、入札オークションを実行し、広告を選択し、広告コピーを構築し、広告コピーにスコア付けし、広告コピーを選択するための動作はあらゆるサーバ上で実行することができ、いずれのサーバ、及び通信プロトコル内のいずれの相対的時間であるかに関する決定は便宜上の事項であり、従って、いずれのサーバ(又はこれに関してはクライアント)もが、上述のタスクをいずれも実行することができる。
【0053】
数多くの具体的な詳細を参照しながら本発明について説明したが、当業者であれば、本発明の思想から逸脱することなく、本発明を他の特定の式で具体化できることを認識するであろう。従って、当業者であれば、本発明が上述の例示的な詳細によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲により定義されるものであることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0054】
1B00 システム
1B10 ユーザの位置情報サービス要求を受信
1B20 ユーザの位置情報データを分析
1B30 関連応答を構築
1B40 関連応答をユーザに戻す
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8