【0008】
本発明を実施の形態と共に説明する。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について、
図1及び2を参照して説明する。
図1及び2は、第1実施形態に係る携帯通信端末の構成の一例を示す。
図1と
図2とは、携帯通信端末の通信状態が異なる。
図1及び2における携帯通信端末100は、無線LAN通信手段101と、読取り手段102とを備える。
無線LAN通信手段101は、アクセスポイント(AP)170に接続するステーション(STA)モード及びアクセスポイントとして動作するアクセスポイント(AP)モードで動作する。これらのモードは切り替え可能である。
また、無線LAN通信手段101は、例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11a/b/g/nの何れかの規格に従う通信手段である。また、無線LAN通信手段101は、例えば、通信機器150、或いは、インターネット180に接続するためのアクセスポイント170と接続する。
上述のSTAモードは、携帯通信端末100がアクセスポイント170に接続するモードであり、ステーションモード或いは端末モードとも呼ばれる。また、上述のAPモードは、携帯通信端末100が無線LANのアクセスポイント(AP)として動作するモードであり、アクセスポイントモードや基地局モードとも呼ばれる。
読取り手段102は、通信機器150の通信状態に関する情報を読取る手段である。この通信機器150の通信状態に関する情報は、例えば、通信機器150がアクセスポイント170に接続しているか否かの情報を含む。
更に、この通信状態に関する情報は、例えば、通信機器150がアクセスポイント170に接続している場合には、携帯通信端末100からアクセスポイント170への接続に必要な設定値を含む。また、通信機器150がアクセスポイント170に接続していない場合には、通信状態に関する情報は、通信機器150から携帯通信端末100への接続に必要な設定値を含む。尚、読取り手段102として、例えば、通信機器150に表示された情報を読取るカメラ(撮像手段)や、通信機器150の無線タグに格納された情報を読取る無線タグリーダが使用される。
このように構成された携帯通信端末100は、読取り手段102により読取られた情報に基づいて、動作モードがSTAモードとAPモードのいずれかに決定される。例えば、通信機器150がアクセスポイント170に接続している場合、携帯通信端末100はSTAモードで動作し、アクセスポイント170に接続する。これにより、携帯通信端末100は通信機器150に接続する(
図1参照)。また、通信機器150がアクセスポイント170に接続していない場合、すなわち、通信機器150がスタンドアロン状態の場合は、携帯通信端末100は読取りにより取得した設定値を元にAPモードで動作する。このような状態で動作する携帯通信端末100に、通信機器150が接続される(
図2参照)。
第1の実施形態によれば、携帯通信端末100は、ユーザが接続しようとする通信機器150の通信状態に関する情報を読取り、その情報に基づき、STAモードとAPモードのいずれかの動作モードを決定する。このため、第1の実施形態によれば、携帯通信端末100は、通信機器150の通信状態に応じて決定された接続方式で、通信機器150と接続される。
第1の実施形態に係る携帯通信端末と通信機器のシステムにおいては、ユーザは通信機器150の接続形態を確認する必要がない。また、ユーザはこの接続形態に応じて、携帯通信端末100の接続の設定を変更する必要がない。従って、携帯通信端末100と通信機器150との接続処理における、煩雑な操作からユーザが解放される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、
図3乃至7を参照して説明する。
図3及び4は、第2実施形態に係る携帯通信端末の構成の一例を示す。
図3と
図4とは、携帯通信端末の通信状態が異なる。
図5は、第2実施形態に係る携帯通信端末200に通信接続する通信機器150の構成の一例を示す。
図6は、第2実施形態に係る携帯通信端末200における接続処理の一例を示すフローチャートである。
図7は、第2実施形態に係る携帯通信端末200に通信接続される通信機器150において、二次元コードを表示する処理の一例を示すフローチャートである。尚、第1実施形態において説明された構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付し、その説明は省略或いは、簡略に言及する。
図3及び4に示される携帯通信端末200は、無線LAN通信手段101と、カメラ201と、制御手段202とを備える。
無線LAN通信手段101は、例えば、IEEE802.11a/b/g/nのうちの何れかの通信規格に従って動作する通信手段である。
カメラ201は、通信機器150の通信状態に関する情報を読取る読取り手段である。具体的には、カメラ201は、通信機器150の表示手段152に表示された二次元コード203(例えば、QRコード)を撮影し、QRコードに含まれる情報を取得する。
二次元コード203は、通信機器150の通信状態に関する情報、即ち、通信機器150がアクセスポイント170に接続しているか否かの情報を含む。さらに、二次元コード203は、通信機器150がアクセスポイント170に接続している場合はアクセスポイント170への接続に必要な設定値を、通信機器150がアクセスポイント170に接続していない場合は携帯通信端末200への接続に必要な設定値を含む。
表示された二次元コード203は、通信機器150がアクセスポイント170に接続している場合、接続を示す情報、及び、携帯通信端末200からアクセスポイント170への接続処理に必要な設定値(アクセスポイント170に接続するためのESSID(Extended Service Set Identifier)を含む)を含む。また、表示された二次元コード203は、通信機器150がアクセスポイント170に接続していない場合、未接続を示す情報、及び、通信機器150から携帯通信端末200への接続処理に必要な設定値(通信機器150が生成したESSIDを含む)を含む。
制御手段202は、携帯通信端末200内の各手段の動作を制御する。また、制御手段202は、カメラ201により読取られた二次元コード203の情報を復号化(デコード)する機能を備え、更に、復号化された情報に基づいてSTAモード或いはAPモードでの動作を制御する。
図5に示される通信機器150は、無線LAN通信手段151と、表示手段152とを備える。更に、通信機器150は、情報収集手段153と、情報変換手段154を備える。
無線LAN通信手段151は、例えば、IEEE802.11a/b/g/nの何れかの通信規格に従って動作する通信手段である。表示手段152は、通信機器150の通信状態に関する情報を、携帯通信端末200に提供する。携帯通信端末200はこの情報を読取る。この表示手段152は、以下の手順に従って生成された二次元コード203を表示する。表示手段152には、例えば、液晶表示器が使用される。
情報収集手段153は、通信機器150の通信状態に関する情報を収集する。通信機器150の通信状態に関する情報は、通信機器150がアクセスポイント170に接続しているか否かを示す情報を含む。さらに、通信機器150の通信状態に関する情報は、通信機器150がアクセスポイント170に接続している場合は、このアクセスポイント170に接続しているとの情報と、この接続に必要な設定値とを含む。また、通信機器150がアクセスポイント170に接続していない場合は、通信機器150がアクセスポイント170に接続していないとの情報と、通信機器150から携帯通信端末200への接続に必要な設定値が含まれる。尚、この通信機器150から携帯通信端末200への接続に必要な設定値は、例えば、制御手段155により生成される。
情報変換手段154は、情報収集手段153から受取った情報をもとに、二次元コード203を生成する。また、制御手段155は、この通信機器150内の各手段の動作を制御プログラムに基づき、制御する。
本実施形態に係る携帯通信端末200における処理について、
図6および7を参照して説明する。
図7は、通信機器150において、二次元コード203を表示する処理の一例を示すフローチャートである。
ステップ271(以下、ステップを「S」と記す)において、通信機器150の制御手段155は、無線LAN接続アプリケーションが起動されたか否かを判別する。この無線LAN接続アプリケーションにより、通信機器150はアクセスポイント170と接続する。
無線LAN接続アプリケーションが起動されたと判別されると(S271でYes)、制御手段155の制御により、情報収集手段153は、通信機器150の通信状態に関する情報を収集する(S272)。
次に、情報変換手段154は、収集した情報を二次元コード203に変換(エンコード)する(S273)。変換された二次元コード203は、表示手段152に表示される(S274)。
次に、制御手段155は所定の時間が経過したか否かを判別し(S275)、所定の時間が経過すると(S275でYes)、制御手段155は表示手段152での二次元コード203の表示を停止する(S276)。
以上のように、通信機器150は、携帯通信端末200が通信機器150の通信状態に関する情報を読取ることができるように、二次元コード203を表示する。
次に、本実施形態に係る携帯通信端末200の動作について、
図6のフローチャートを参照して、説明する。
ユーザは、通信機器150への接続を希望する場合、その通信機器150で表示された二次元コード203を携帯通信端末200のカメラ201で撮影する。携帯通信端末200の制御手段202は、カメラ201で二次元コード203が読取られたか否かを判別する(S251)。カメラ201で二次元コード203が読取られたと判別されると(S251でYes)、制御手段202は二次元コード203に含まれる情報を復号化(デコード)し、復号化された情報を解析する(S252)。そして、制御手段202は、通信機器150がアクセスポイント170に接続しているか否かを判別する(S253)。
通信機器150がアクセスポイント170に接続している場合(S253でYes)、制御手段202は、読取られた情報に含まれる、アクセスポイント170への接続に必要な設定値を利用して、携帯通信端末200がSTAモードでアクセスポイント170に接続するよう制御を行う(S254)。
また、通信機器150がアクセスポイント170に接続していない場合(S253でNo)は、制御手段202は、読取られた情報に含まれる、通信機器150への接続に必要な設定値を元に、携帯通信端末200がAPモードで動作し、通信機器150に接続されるよう制御を行う(S255)。
制御手段202は、接続終了か否かを判別し(S256)、接続終了と判別される(S256でYes)まで、接続を継続する。
本実施形態によれば、携帯通信端末200は、ユーザが接続を希望する通信機器150の通信状態に関する情報を読取り、その情報に基づいてSTAモード又はAPモードで動作する。これにより、携帯通信端末200は、通信機器150の通信状態に応じた状態で、通信機器150に接続する。
本実施形態によれば、ユーザが通信機器150と携帯通信端末200との接続状態を視認などにより把握しなくても、携帯通信端末200と、アクセスポイント170を経由して或は直接に、通信機器150を接続する処理が可能である。このため、ユーザによる、通信機器150と携帯通信端末200との接続手続が簡単化される。
なお、上記の説明では、二次元コードの一例として、QRコードが採用されて、通信機器150に情報を表示したが、これに限定されず、他の方式の二次元コードが採用されてもよい。また、二次元コードに限らず、バーコードなどの一次元コードが採用されてもよい。さらに、ユーザが読取り可能な文字や、記号を含む文字が採用されてもよい。パスフレーズなどの文字列が採用されてもよい。文字列が採用される場合、ユーザが読み取り可能な文字とすることにより、接続の状態がユーザに報知されるので、ユーザに安心感を与える効果がある。
また、通信機器150に表示される情報として、通信機器150に表示されるカーソルやマウスポインタの表示位置の動きのパタンが採用されてもよい。この動きのパタンは、モールス符号のような点滅のパタンを含んでもよい。さらに、カーソルやマウスポインタのかわりに、記号や所定の図形などが採用されてもよい。この場合、携帯通信端末200は、上述の動きや点滅のパタンを、通信機器150の通信状態に関する情報に復号し、必要な情報を取得する。なお、上述のカーソル、マウスポインタ、記号、図形等は、通信機器150の表示部に表示されてもよいが、通信機器150とは別体の表示手段に表示されてもよい。更に、通信機器150が投影機能を備えれば、カーソルなどの文字や図形などが壁などに投影して表示されてもよい。
また、上述の情報の伝送の媒体は、上述のような光学的な信号伝達媒体に限定されず、通信機器150との通信で読み取り可能な媒体であればよい。例えば、通信機器150における図示しない無線タグに情報が格納されてもよい。この場合、携帯通信端末200は、通信機器150の無線タグの情報を読取る読取手段を備える。
また、携帯通信端末200は、通信機器150と、IrDA(Infrared Data Association)等の近距離赤外線通信で通信し、通信機器150から情報を読取ってもよい。尚、無線タグの一例としてRFID(Radio Frequency Identification)タグが挙げられる。このRFIDタグは、IDタグ、無線IC(Integrated Circuit)タグ、非接触ICタグ、電子タグを含む。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、
図8を参照して説明する。
図8は、第3実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す。
本実施形態に係る通信システム300は、第2の実施形態で説明された携帯通信端末200及び通信機器150を備える。なお、携帯通信端末200のかわりに、第1の実施形態で説明した携帯通信機器100を備えてもよい。
携帯通信端末200と通信機器150のそれぞれは、図示しないコンピュータを備える。該コンピュータは入力手段、出力手段、記憶手段、演算機能を有する中央処理装置、及び、制御手段を備える。例えば、携帯通信端末200は、製造時に、通信制御用プログラムを記憶手段に格納する。また、通信機器150は、図示しないディスクドライブなどの入力手段を用いて、通信制御用プログラムが記憶された記憶媒体より、通信制御用プログラムを記憶手段に格納する。なお、通信制御用プログラムの取得の時期及び方法は、これらに限定されない。例えば、通信システム300を設置した後に、携帯通信端末200と通信機器150とのそれぞれに通信制御用プログラムがインストールされてもよい。また、記憶媒体を介さずに、通信機能が利用されてもよい。更に、記憶手段への格納以外の方法により、通信制御用プログラムが通信システム300へ組み込まれてもよい。例えば、通信制御用プログラムが書き込まれたROM(Read Only Memory)を、携帯通信端末200或は通信機器150に取り付けることにより、通信制御用プログラムが組み込まれてもよい。
通信制御用プログラムは、アクセスポイントとして動作する携帯通信端末200に、通信機器150を接続する処理をコンピュータに実行させるプログラムである。この通信制御用プログラムは、例えば、通信機器150に組み込まれる。なお、この通信制御用プログラムは、通信機器150の通信状態に関する情報を、QRコード等で表示する表示処理を実行させるプログラムを備えてもよい。
また、もう一つの通信制御用プログラムは、読取り処理と、接続処理とをコンピュータに実行させるプログラムである。その読取り処理は、通信機器150の通信状態に関する情報を読取る処理である。また、接続処理とは、読取られた情報に基づいて、携帯通信端末200を、STAモードで動作させて、アクセスポイント170に接続する処理、又は、携帯通信端末200をAPモードで動作させて、携帯通信端末200に通信機器150を接続させる処理である。なお、この通信制御用プログラムは、例えば、携帯通信端末200に組み込まれる。
上述した通信制御用プログラムは、2つの別個の通信制御用プログラムであるが、これらの2つの通信制御用プログラムの機能を併合して、一つの通信制御用プログラムにしてもよい。このとき、携帯通信端末200と通信機器150のそれぞれに同一の通信制御用プログラムが組み込まれる。このとき、携帯通信端末200は、プログラムの携帯通信端末200の制御に関する部分における処理に従って動作し、通信機器150は、プログラムの通信機器150の制御に関する部分における処理に従って動作する。
このようなプログラムが組み込まれた通信システム300において、携帯通信端末200のコンピュータによって読取り処理が実行される。この読み取り処理に先立って、通信機器150は、自機の通信状態に関する情報を、携帯通信端末200に読取らせる処理を実行する。この処理は、例えば、第1実施形態や第2実施形態で説明されたように、通信機器150が情報を表示する処理、或は、無線タグに情報を格納する処理である。
次に、携帯通信端末200のコンピュータによって接続処理が実行される。この処理により、携帯通信端末200は、STAモード或はAPモードで動作する。STAモードで動作する場合、携帯通信端末200はアクセスポイント170に接続する。また、APモードで動作する場合、携帯通信端末200は、STAモードで動作する通信機器150から接続される。このSTAモードで動作する通信機器150においては、通信機器150のコンピュータによって、通信機器150が携帯通信端末200に接続する処理が実行される。本実施形態に係る通信システム300において、携帯通信端末200は、ユーザが接続を希望する通信機器150の通信状態に関する情報を読取り、読取られた情報に基づいてSTAモード又はAPモードで動作する。これにより、ユーザは、携帯通信端末200を、通信機器150の状態に応じて、通信機器150に容易に接続できる。
なお、本実施形態に係る通信制御用プログラムは、上述の構成に限定されない。
例えば、上述の情報は、通信機器150がアクセスポイント170に接続しているか否かを示す情報を含んでよい。さらに、上述の情報は、通信機器150がアクセスポイント170に接続している場合にはアクセスポイント170への接続に必要な設定値を含んでよい。また、上述の情報は、通信機器150がアクセスポイント170に接続していない場合には携帯通信端末200から通信機器150への接続に必要な設定値を含んでよい。また、上述の情報は、通信機器150に表示された情報、又は、携帯通信端末200が通信機器150との通信で読取り可能な情報を含んでよい。
また、通信機器150がアクセスポイント170と接続している場合には、この接続が切断されたときに、通信機器150の通信状態に関する情報を収集又は更新する収集更新処理を、通信機器150のコンピュータに実行させてよい。また、通信機器150がアクセスポイント170と接続していない場合には、この未接続の状態において、上述の収集更新処理を、通信機器150のコンピュータに実行させてよい。
更に、通信機器150において、携帯通信端末200と通信するアプリケーションプログラムの起動をトリガとして、通信機器150の通信状態に関する情報を収集又は更新する第2収集更新処理を、更に通信機器150のコンピュータに実行させてもよい。この第2収集更新処理を通信機器150のコンピュータに実行させる例について、後述の第4実施形態の
図12のS451、S452において説明する。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について、
図9乃至16を参照して説明する。
図9は、第4実施形態に係る通信システムの構成の一例を示す。
図10は、第4実施形態に係る通信システムにおける携帯通信端末の構成の一例を示す。
図11は、第4実施形態に係る通信システムにおける通信機器の構成の一例を示す。
図12は、第4実施形態に係る通信システムの動作の一例を示す。
図13は、第4実施形態に係る通信システムにおいて、携帯通信端末が通信機器の情報を読取る状態の一例を示す。
図14は、第4実施形態に係る通信システムにおいて、通信機器がアクセスポイントに接続している状態の一例を示す。
図15は、第4実施形態に係る通信システムにおいて、携帯通信端末及び通信機器がアクセスポイントに接続している状態の一例を示す。
図16は、第4実施形態に係る通信システムにおいて、携帯通信端末がAPモードで動作し、これに通信機器が接続する状態の一例を示す。
図9に示される通信システム400は、携帯通信端末401と通信機器431を含む。携帯通信端末401及び通信機器431はそれぞれ、アクセスポイント170へ接続するための無線LAN通信手段を備える。アクセスポイント170は、図示しないインターネットやイントラネット等のネットワークに接続されている。
図10に示される携帯通信端末401は、例えば、携帯電話あるいはPHS(Personal Handy−phone System)等であるが、本実施形態においては、APモード及びSTAモードで動作する機能を備えていれば、これらに限定されない。携帯通信端末401として、或いは、その一部として、撮像手段を備えるノート型PCや、携帯ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistants、個人用携帯情報端末)、電子スチルカメラなどが利用可能である。携帯通信端末401は、無線LAN通信制御部402、制御部403、携帯通信端末通信制御部404、カメラ405、音声入出力部406、表示部407、電源制御部408を備える。
無線LAN通信制御部402は、無線LAN通信手段の機能を有する。風景や人物等を撮影可能なカメラ405は、二次元コードの一例として表示されるQRコード449(
図13参照)の読取りにも利用される読取り手段である。
無線LAN通信制御部402は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)409と、通信インタフェース制御部410と、無線LAN送信部411と、無線LAN受信部412と、メモリ413と、メモリ414と、無線LAN送受信制御部415と、クロック416とを備える。これらの部は、バスを介して接続される。また、無線LAN通信制御部402には、アンテナ417が接続される。更に、携帯通信端末通信制御部404には、アンテナ418が接続される。
メモリ413は、読み書き可能な記憶手段(デバイス)であり、例えばRAM(Random Access Memory)が使用される。メモリ414は、読み込み専用の記憶手段(デバイス)であり、例えばROM(Read Only Memory)が使用される。また、このメモリ414には、例えば、通信制御用プログラム等が格納されてもよい。更に、メモリ413又はメモリ414には、無線LANを使って通信機器431と接続するアプリケーションプログラムが格納されてもよい。更に、メモリ413又はメモリ414には、読み取られたQRコード449をデコードして、デコードされた情報を取得するアプリケーションプログラムが格納されてもよい。なお、上述したプログラムを格納するメモリについて、上述の説明は、本実施形態の一例である。従って、上述のメモリ構成での格納場所に限定されない。上述のプログラムはメモリ413とメモリ414のうちのいずれか一方に格納されてもよいし、或いは両方に分けて格納されてもよい。
電源制御部408は、各部に電源を供給する。
この携帯通信端末401は、制御部403の制御に従って、無線LAN通信制御部402により、STAモード或いはAPモードで動作する。
なお、CPU409、制御部403、入力手段及び出力手段(アンテナ417、418、音声入出力部406等)は、図示しないコンピュータの一部を構成してもよい。
図11は、本実施例に係る通信機器431の一例を示す。
図11に示される通信機器431は、例えば、携帯型のノートパソコンである。また、通信機器431は、無線LAN通信手段を備えるゲーム機や、電子スチルカメラや、PDA(Personal Digital Assistants、個人用携帯情報端末)や、携帯電話やPHS等の携帯通信端末等でもよい。
通信機器431は、無線LAN通信制御部432と、制御部433と、表示部434、電源制御部435を備える。
無線LAN通信制御部432は、無線LANを介して、携帯通信端末401と通信する。制御部433は、通信機器431内の各部を制御する。表示部434は、文字や各種の図形を表示する。また、この表示部434には、例えば、液晶表示器が使用される。更に、この表示部434には、QRコード449が表示される(
図13参照)。電源制御部435は、各部への電源の供給を制御する。
無線LAN通信制御部432は、CPU436と、通信インタフェース制御部437と、無線LAN送信部438と、無線LAN受信部439と、メモリ440と、メモリ441とを備える。更に、無線LAN通信制御部432は、無線LAN送受信制御部442と、クロック443とを備える。また、無線LAN通信制御部432は、無線LAN通信用のアンテナ444を備える。CPU436は、無線LAN通信制御部432内の各部を制御する。無線LAN送信部438は、無線LANを介して携帯通信端末401と通信する。無線LAN受信部439は、アンテナ444からの信号を受信する。メモリ440は、読み書き可能な記憶手段で、RAMが使用される。メモリ441は、読み込み専用の記憶手段で、ROMが使用される。また、メモリ441は、通信制御用プログラム等を格納する。また、メモリ440は、通信機器の制御用プログラムを格納する。
通信制御用プログラムが、例えば、製造時にインストールされる場合は、メモリ441に格納されてよい。また、通信制御用プログラムが、図示しないディスクドライブなどの入力手段を使用して記憶媒体からインストールされる場合は、メモリ440に格納されてよい。また、通信機器431の状態に基づいてQRコード449を作成し、QRコードを所定の時間表示する表示プログラムは、例えば、メモリ440又はメモリ441に格納されてよい。
なお、上述したプログラムを格納するメモリについて、上述の説明は、本実施形態の一例である。従って、上述のメモリ構成での格納場所に限定されない。上述のプログラムは、メモリ440とメモリ441のうちのいずれか一方に格納されてもよいし、或いは両方に分けて格納されてもよい。
無線LAN送受信制御部442は、無線LANにおける送受信を制御する。クロック443は、各部間で処理の同期を取るためのクロック周波数を生成する。通信インタフェース制御部437は、通信インタフェースについての制御を行う。
なお、CPU436、制御部433、入力手段及び出力手段(アンテナ444、表示部434等)は、図示しないコンピュータの一部を構成してもよい。
携帯通信端末401や通信機器431に、通信制御用のプログラムを組込む方法は、上述の製造時のインストール方法或いは、記憶媒体からインストールする方法に限定されない。第4実施形態に係る通信システムにおいても、第3実施形態と同様に、通信機能を利用したインストールや、通信制御用のプログラムが書き込まれたROMの取り付けにより、通信制御用のプログラムが組み込まれてもよい。
本実施形態に係る通信システム400の動作を、
図12を参照して、説明する。
ユーザの指示により、通信機器431の無線LAN接続アプリケーションが起動する(S451)と、制御部433は無線LAN設定情報を収集する(S452)。収集された情報はQRコード449に変換され、表示部434に所定時間表示される(S453)。
制御部433は、アクセスポイント170に帰属中(接続中)か否かを判別(S454)し、帰属中であれば(S454でYes)、接続アプリケーションが終了する(S455)。
QRコード449の情報は、通信機器431がアクセスポイント170に接続している場合、即ち帰属している場合(S454でYesの場合)は、2つの情報:(1−1)帰属中であるとの情報及び、(1−2)帰属しているアクセスポイント170の情報(例えば、ESSID、暗号化方式の種類及びその暗号化鍵(「暗号鍵」と呼ばれることもある))、を含む。アクセスポイント170の情報は、アクセスポイント170に接続に必要な設定値であり、アクセスポイント170に接続するためのESSID、使用している暗号化方式の種類及び暗号化鍵等である。暗号化方式は、例えば、セキュリティ無し、WEP(Wired Equivalent Privacy)、WPA(Wi−Fi Protected Access)、WPA−TKIP(Temporal Key Integrity Protocol)、WPA−PSK(Pre Shared Key)、WPA2−PSK、認証サーバが必要な802.1X TTLS(Tunneled Transport Layer Security)等である。
また、QRコード449の情報は、通信機器431がアクセスポイント170に接続していない場合、即ち帰属していない場合(S454でNoの場合)は、2つの情報:(2−1)非帰属であるとの情報及び、(2−2)ランダムに生成した、アクセスポイントとの接続情報(例えば、ESSID、暗号化方式の種類及びその暗号化鍵)、を含む。このとき、生成されたESSID、暗号化鍵はさらにセキュリティを高めるため暗号化されても良い。
また、携帯通信端末401において、ユーザの指示により、無線LAN接続アプリケーションが起動する(S461)と、制御部403はカメラ405を起動する。ユーザが、カメラ405で、QRコード449を撮影する(S463、
図10参照)と、制御部403はQRコード449をデコードする(S465)。デコードにより、QRコード449に含まれる情報、即ち上述した、(1−1)及び(1−2)の情報か、(2−1)及び(2−2)の情報の何れか一つが得られる。得られた情報を元に、制御部403は、通信機器431がアクセスポイント170に帰属中か否かを判別する(S466)。
通信機器431がアクセスポイント170に帰属中の場合(S466でYesの場合、
図14参照)は、通信機器431とアクセスポイント170の間の接続パス481が確立されており、制御部403は、QRコード449から取得したESSIDを用いて接続されるアクセスポイント170との間で、STAモードで接続パス482を確立する(S467、
図15参照)。即ち、携帯通信端末401は、無線LANを介したアクセスポイント170との接続により、通信機器431と通信可能になる。
また、通信機器431がアクセスポイント170に帰属中でない場合(S466でNoの場合)は、制御部403は通信モードをAPモードに変更する(S468)。制御部403は、QRコード449から取得されたESSIDをビーコンに設定して、通信機器431に送信する(S469)。
携帯通信端末401からのビーコンを受けると、通信機器431の制御部433は、QRコード449に変換されて表示された設定値(ランダムに生成したESSID及び暗号化鍵)を元に、アクセスポイントをサーチする(S456)。このとき、携帯通信端末401が、通信機器431のアクセスポイントとなる。
次に、通信機器431と携帯通信端末401との間で、帰属処理が行われ、接続パス483が確立される(
図16参照)。このとき、暗号化鍵は既に交換されているので、データ通信が可能である。
接続パス483が確立すると、通信機器431の無線LAN接続アプリケーションは終了し(S457)、携帯通信端末401の無線LAN接続アプリケーションも終了する(S470)。
本実施形態によれば、携帯通信端末401は、ユーザが接続を希望する通信機器431の通信状態に関する情報を読取り、その情報に基づいてSTAモード又はAPモードで動作し、通信機器431に接続する。従って、本実施形態によれば、通信機器431の状態に応じて接続の状態が選択される。
本実施形態によれば、ユーザには、接続形態の確認、或いは、接続の設定作業が不要である。このため、ユーザは、煩雑な作業なしに、機器同士(携帯通信端末401と通信機器431とを接続)を簡単に接続できる。
なお、本実施形態においては、携帯通信端末401からアクセスポイント170への接続に必要な設定値、及び携帯通信端末401から通信機器431への接続に必要な設定値が、暗号化方式の種類を含む。しかしながら、本発明は、本実施形態に限定されない。すなわち、セキュリティについての不安がない場合には、携帯通信端末401からアクセスポイント170への接続に必要な設定値と、携帯通信端末401から通信機器431への接続に必要な設定値の少なくとも一つが、暗号化方式の種類及び暗号化鍵を含まなくてもよい。
また、本実施形態においては、ユーザが接続アプリケーションを起動させた時点で、通信機器431は、アクセスポイント170に接続しているか否かの情報(前述の(1−1)又は(2−1))及び、その関連情報((1−2)又は(2−2))を収集する。本発明は、本実施形態に限定されない。すなわち、通信機器431が携帯通信端末401と通信するときに、上述の(1−1)又は(2−1)の情報、及び、(1−2)又は(2−2)の情報を収集してもよい。例えば、通信機器431の通信アプリケーションは、ユーザの指示によらずに、所定のスケジュールに従った通信、或いは、所定の条件に基づいた時点での通信を行ってもよい。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について、
図17を参照して説明する。
図17は、第5実施形態に係る通信システムにおいて、携帯通信端末が通信機器の情報を読取る構成の一例を示す。
第4実施形態に係る通信システム400では、通信機器431がQRコード449を表示し、このQRコード449は携帯通信端末401により読取られる。これに対し、第5実施形態に係る通信システム500では、携帯通信端末501が、通信機器531のRFIDタグ532に格納された情報を、図示しない読み取り手段により読取る。なお、この第5実施形態に係る通信システム500においても、第4実施形態に係る通信システム400と同様に、無線LAN接続アプリケーションが起動すると(
図12のS451)、接続動作が開始される。
第5実施形態に係る通信システム500は、携帯通信端末501と、通信機器531とを備える。
通信機器531は、RFIDタグ532を備える。このRFIDタグ532には、第4実施形態で説明された情報(1−1)及び(1−2)、又は、(2−1)及び(2−2)が格納される。
携帯通信端末501は、RFIDタグ532に格納された情報を読取る図示しないリーダを備える。
本実施形態に係る通信システム500においては、通信機器531のRFIDタグ532に、上述した情報(1−1)及び(1−2)、又は、(2−1)及び(2−2)の何れかが格納される。
図17に示すように、ユーザは、携帯通信端末501を通信機器531に近づけて、携帯通信端末501のリーダにより、RFIDタグ532に格納された情報を読取る。携帯通信端末501は、読取られた情報に基づいてSTAモード又はAPモードで動作し、通信機器531に接続する。本実施形態によれば、携帯通信端末501が、通信機器531の状態に対応した状態で、通信機器531に接続する。
第5実施形態及び第4実施形態においては、ユーザが、無線LAN接続アプリケーションを起動させる(
図12のS451)と、接続動作が開始する。即ち、ユーザが無線LAN接続アプリケーションを起動する操作が必要である。このため、携帯通信端末501と通信機器531との接続処理にはその手間を要するとの問題がある。
この問題を解消するために、携帯通信端末501のリーダと通信機器531のRFIDタグ532とが通信した時点で、無線LAN接続アプリケーションが起動するように構成してもよい。この場合、ユーザが携帯通信端末501を通信機器531に近づけて、携帯通信端末501と通信機器531とが通信すると、この時点で無線LAN接続アプリケーションが起動する。通信機器531は、無線LAN設定情報を収集し、収集された情報をRFIDタグ532に格納する。次に、携帯通信端末501のリーダは、この格納された情報をRFIDタグ532から読取る。これ以降の処理は、第4実施形態における処理と同一であるので、説明を省略する。
以上のように、本実施形態に係る通信システム500においては、携帯通信端末501のリーダと通信機器531のRFIDタグ532とが通信した時点で、無線LAN接続アプリケーションが起動する。これにより、携帯通信端末501と通信機器531との接続処理が、簡単になる。
なお、上記の構成においては、携帯通信端末501のリーダにより、格納された情報がRFIDタグ532から読取られる。しかし、本発明はこの読取り方法に限定されない、携帯通信端末501により読取り可能な情報は、第4実施形態で説明した二次元コード、これ以外のコード、第6実施形態で説明されるパスフレーズ等により伝送されてもよい。
[第6実施形態]
次に、本発明の第6実施形態について、
図18を参照して説明する。
図18は、第6実施形態に係る通信システムにおいて、携帯通信端末が通信機器の情報を読取る構成の一例を示す。
第4実施形態に係る通信システム400では、通信機器431が二次元コードの一例としてのQRコード449を表示し、このQRコード449は携帯通信端末401により読取られる。これに対し、第6実施形態に係る通信システム600では、通信機器631がパスフレーズ632を表示し、このパスフレーズ632は携帯通信端末601により読取られる。
第6実施形態に係る通信システム600は、携帯通信端末601と、通信機器631とを備える。
通信機器631は、情報提供手段としての表示手段634を備える。この表示手段634に、第4実施形態で説明された情報(1−1)及び(1−2)、又は、(2−1)及び(2−2)に基づいて生成されたパスフレーズ632が表示される。このパスフレーズ632は、例えば8桁の整数であるが、8桁以外の桁数の文字列でもよい。
また、携帯通信端末601は、パスフレーズ632を読取る図示しないカメラを備え、読取られたパスフレーズ632を復号して、通信機器631の通信状態に関する情報を、読取られた情報として、取得する。即ち、携帯通信端末601は、パスフレーズ632の生成手順に対応する手順に従ってパスフレーズ632を復号し、パスフレーズ632から通信機器631の通信状態に関する情報を取得する。
第4実施形態において説明されたQRコードの場合、そのQRコードを第三者が読取ると、接続に必要な設定値が漏洩する。このため、第4実施形態においては、QRコードが悪意の第三者に読取られないように、所定時間経過後、QRコードの表示が停止する。
これに対し、本実施形態におけるパスフレーズは、接続に必要な設定値をもとに秘密の手順に従って生成され、接続に必要な設定値それ自体は表示されない。このため、パスフレーズが第三者に読取られても、設定値の漏洩の恐れはない。
本実施形態に係る通信システムにおいて、パスフレーズは、QRコード等の他のコードよりも、構成が単純である。このため、認識が容易であり、迅速な設定が可能である。さらに、パスフレーズは、第三者に読取られても、情報が漏洩する危険が少ない。
[第7実施形態]
次に、本発明の第7実施形態について、
図19を参照して説明する。
図19は、第7実施形態に係る通信システムにおいて、通信機器がQRコードを生成して、表示する処理の一例を示すフローチャートである。
第2乃至第6実施形態において、携帯通信端末は、通信機器の状態に応じて、STAモード又はAPモードで動作し、アクセスポイントを介して通信機器に接続する、或いはアクセスポイントを介さずに通信機器から直接接続される。
これに対して、本実施形態においては、通信機器がアクセスポイントに接続しているか否かが判別される。通信機器がアクセスポイントに接続している場合には、接続を切断したときに、通信機器の通信状態に関する情報が収集又は更新される。通信機器がアクセスポイントに接続していない場合は、接続していない状態で、通信機器の通信状態に関する情報が収集又は更新される。
また、第2乃至第6実施形態においては、ユーザが無線LAN接続アプリケーションを起動する時点で、通信機器は、携帯通信端末が読取る情報を、収集又は更新する。即ち、ユーザは、通信機器と携帯通信端末と接続するためには、意識的に、通信機器の無線LAN接続アプリケーションを起動しなければならない。
これに対して、本実施形態では、通信機器において起動したアプリケーションが、通信機器が携帯通信端末と通信するアプリケーションか否かが判別される。そして、その判別する時点で、通信機器は自動的に、携帯通信端末が読取る上述の情報を確認(収集又は更新)し、更に、この情報に基づき、QRコードを生成し、表示する。なお、第2実施形態で説明されるように、QRコードの代わりに、QRコードとは異なる方式の二次元コード、一次元コード、パスフレーズ等が生成されてもよい。また、QRコードが表示される代わりに、予め備えたRFIDタグ等の無線タグに、伝送される情報が格納されてもよい。
本実施形態において、通信機器がQRコードを生成し、表示する処理の一例を、
図19を参照して説明する。
通信機器の制御手段は、アプリケーションが起動したか否かを判別する(S701)。アプリケーションが起動したら(S701でYes)、制御手段は、該アプリケーションが携帯通信端末と通信するアプリケーションか否かを判別する(S702)。携帯通信端末と通信するアプリケーションは、例えば、携帯通信端末のデータ(写真、電話帳、アドレス帳、スケジュール表等)を通信機器にバックアップするソフトウェアである。また、該アプリケーションは、通信機器にバックアップあるいは保管されたデータを、携帯通信端末に送信するアプリケーションでもよい。
該アプリケーションが、携帯通信端末と通信するアプリケーションではない場合(S702でNo)、制御手段により、QRコードが生成、表示される処理が実行されずに終了する。
該アプリケーションが、携帯通信端末と通信するアプリケーションである場合(S702でYes)、処理はS703に移行する。
本実施形態に係る通信機器はSTAモードのみを備える。このため、通信機器の接続状態は、アクセスポイントに接続している状態と、アクセスポイントに接続していない状態の2つの状態を有する。
制御手段はまず、通信機器がアクセスポイントに接続しているか否かを判別する(S703)。
通信機器がアクセスポイントに接続していると判別される場合(S703でYes)、制御手段はこのアクセスポイントへの接続を強制的に切断し(S704)、処理がS705に移行する。通信機器がアクセスポイントに接続していないと判別される場合(S703でNo)も、処理がS705に移行する。次に、通信機器の制御手段は、自機(通信機器)の接続状態を確認する(S705)。この確認は、通信機器の通信状態に関する情報の収集である。格納された情報が古いと判断される場合、該情報は更新される。
さらに、制御手段は、携帯通信端末がAPモードで動作するために必要な設定値を、QRコードに変換し、そのQRコードを表示手段に所定の時間だけ表示する(S706)。QRコードが表示されると、ユーザの操作により、携帯通信端末はQRコードを読取る。これ以降の、携帯通信端末の動作は、上述の実施形態における動作と同様であるので、説明を省略する。
本実施形態によれば、通信機器がアクセスポイントに接続している場合には、この接続が強制的に切断されるので、携帯通信端末は常にAPモードで動作し、この携帯通信端末に通信機器が常に接続される。これにより、携帯通信端末と通信機器との接続は常に直接接続である。この接続は、アクセスポイントを介した接続に比べて、通信速度、セキュリティ、トポロジ形態等の点で有利な接続である。
また、本実施形態によれば、起動されたアプリケーションが、通信機器が携帯通信端末と通信するアプリケーションか否かが判別される。このため、通信機器が携帯通信端末と通信するアプリケーションが起動されたときは、通信機器の通信状態に関する情報が収集され、更新される。これにより、通信機器が携帯通信端末と通信するアプリケーションが起動したときに、通信機器の通信状態に関する情報の収集と更新が自動的に行われる。
[第8実施形態]
次に、本発明の第8実施形態について、
図20を参照して説明する。
図20は、第8実施形態に係る通信システムにおける通信制御方法の一例を示す説明図である。
本実施形態に係る通信制御方法800は、読取りステップ801と、接続ステップ802とを備える。
読取りステップ801は、通信機器の通信状態に関する情報を読取るステップである。接続ステップ802は、読取られた情報に基づいて、携帯通信端末をSTAモードで動作させて通信機器が接続されるアクセスポイントに接続する、或いは、携帯通信端末をAPモードで動作させ通信機器を携帯通信端末に接続させるステップである。なお、読取りステップ801及び接続ステップ802は、例えば、携帯通信端末で実行される。
本実施形態に係る通信制御方法800によれば、携帯通信端末は、他の通信機器の通信状態に関する情報を読取る読取り手段により読取られた情報に基づいて、STAモード又はAPモードで動作する。このため、ユーザは、通信機器の状態に応じて、携帯通信端末を通信機器に簡単に接続できる。
なお、上述した通信制御方法800において、上述の情報は、通信機器がアクセスポイントに接続しているか否かの情報を含んでもよい。更に、上述の情報は、通信機器がアクセスポイントに接続している場合にはアクセスポイントへの接続に必要な設定値、或いは、通信機器がアクセスポイントに接続していない場合には携帯通信端末から通信機器への接続に必要な設定値を含んでもよい。
また、上述の情報は、通信機器に表示されてもよいし、又は、携帯通信端末が通信機器と通信で読取り可能な情報であってもよい。
また、通信機器がアクセスポイントと接続している場合は、この接続が切断されたときに、通信機器の通信状態に関する情報を収集又は更新する収集更新ステップを備えてもよい。あるいは、通信機器がアクセスポイントと接続していない場合は、接続していない状態での上述の情報を収集又は更新する収集更新ステップを備えてもよい。
また、通信機器が携帯通信端末と通信するアプリケーションの起動に基づき、通信機器が通信機器の通信状態に関する情報を収集又は更新する第2収集更新ステップを、更に備えてもよい。なお、上述の収集更新ステップ及び第2収集更新ステップは、例えば、通信機器で実行される。
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されない。本願発明の構成や詳細は、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更が可能である。
なお、本実施形態に係る通信システムは、通信機器と携帯通信端末をそなえるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、通信端末は固定的に設置されてユーザに操作されるPC或いはワークステーション等の大型のコンピュータでもよい。
また、本実施形態に係る通信システムでは、通信機器と通信端末は無線を介して通信するが、本発明はこれに限定されない。すなわち、アクセスポイントとの通信は、光通信などの公衆回線を介してもよいし、通信機器と通信端末との間に通信回線を設置して通信を行ってもよい。なお、有線の通信回線は通信毎にユーザが設置してもよいし、設置したまま通信方法を変更してもよい。
この出願は、2010年4月19日に出願された日本出願特願2010−095834を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。