【文献】
Pierre M. Beaujuge et al,Unsaturated Linkages in Dioxythiophene−Benzothiadiazole Donor−Acceptor Electrochromic Polymers: The Key Role of Conformational Freedom,Macromolecules,2009年 5月13日,vol42,p3694-3706
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記の1つまたは複数のポリマー配列が、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ポリマーネットワークまたは超分子構造の1つまたは複数の部分を含む請求項1記載のDAポリマー。
上記のクロスカップリングが、スティルカップリング、熊田カップリング、檜山カップリング、根岸カップリングまたは逆転鈴木カップリングを含む請求項12記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、DAポリマー中のA単位を含むいろいろな電子欠乏性アクセプター単位の構造を示しており、該単位は本発明の態様の透過性エレクトロクロミックポリマーに、a)青色またはb)緑色を与える。
【
図2】
図2は、従属発明の一態様に基づくものであり、式2でRがオクチルオキシであるP1の分光電気化学プロットを示し、P1はトルエン溶液(1mgmL
−1)からITO塗布ガラス上に吹き付け流延され、電気化学的酸化は、0.1M LiBF
4/PC支持電解質中、銀線を準基準電極(Fc/Fc
+に対して較正した)、白金線を対極として用い、0Vから0.95Vvs.Fc/Fc
+まで25mVずつ電圧を段階的に増加させて印加することにより、膜の電気化学酸化を行った。
【
図3】
図3は、本発明の一態様を示すものであり、式2でRがオクチルオキシであるP1の中性状態および完全酸化状態の写真を示す。
【
図4】
図4は、本発明の一態様を示すものであり、式2で示すP2であって、吹き付け流延した厚さの異なるP2について、印加電圧と相対輝度との関係を示し、λmaxにおける吸光度を各トレースの左に示すが、該吸光度は膜の厚さに比例している。着色正方形は、完全中性状態および完全酸化状態における測定したCIEL
*a
*b
*値を表示している。
【
図5】
図5は、本発明の一態様を示すものであり、式2に示すP1の640nmにおける透過率と時間との関係を示すプロットであり、−0.4Vで10秒、次いで0.95Vvs.Ag QRE(準基準電極)で10秒の矩形波電圧を用い、スイッチングを誘起した。
【
図6】
図6は、本発明の一態様を示すものであり、式2に示すP2の分光電気化学プロットを示し、P2はトルエン溶液(1mgmL
−1)からITO塗布ガラス上に吹き付け流延され、電気化学的酸化は、0.1M LiBF
4/PC支持電解質中、銀線を準基準電極(Fc/Fc
+に対して較正した)、白金線を対極として用い、0Vから0.95Vvs.Fc/Fc
+まで15mVずつ電圧を段階的に増加させて印加することにより、膜の電気化学酸化を行った。
【
図7】
図7は、本発明の一態様を示すものであり、式2に示すP3の分光電気化学プロットを示し、P3はトルエン溶液(1mgmL
−1)からITO塗布ガラス上に吹き付け流延され、電気化学的酸化は、0.1M LiBF
4/PC支持電解質中、銀線を準基準電極(Fc/Fc
+に対して較正した)、白金線を対極として用い、0Vから0.95Vvs.Fc/Fc
+まで25mVずつ電圧を段階的に増加させて印加することにより、膜の電気化学酸化を行った。
【
図8】
図8は、本発明の一態様を示すものであり、式3に示すP4の分光電気化学プロットを示し、P3はトルエン溶液(2mgmL
−1)からITO塗布ガラス上に吹き付け流延され、電気化学的酸化は、0.1M LiBTI/PC支持電解質中、銀線を準基準電極、白金線を対極として用い、−0.48、−0.28、−0.08、0.12、0.32および0.52Vvs.Fc/Fc
+で膜の電気化学酸化を行った。
【
図9】
図9は、本発明の一態様を示すものであり、式4に示すP5の分光電気化学プロットを示し、P5はトルエン溶液(1mgmL
−1)からITO塗布ガラス上に吹き付け流延され、電気化学的酸化は、0.2M LiBTI/PC支持電解質中、基準電極にAg/Ag
+、対極に白金線を用い、−0.5(緑色スペクトル)、−0.2(黄色スペクトル)、次いで0Vから1Vvs.Fc/Fc
+まで100mVずつ電圧を段階的に増加させて印加することにより、膜の電気化学酸化を行った。
【
図10】
図10は、本発明の一態様を示すものであり、式2に示すP2の吹き付け流延薄膜の矩形波電位ステップ吸光光度法を示すものであり(左、645nmで測定、−0.4→1.06Vvs.Fc/Fc
+)、0.2M LiBTI/PC溶液中、スイッチング時間は、10秒ステップを40秒間(2サイクル)、2秒ステップを20秒間(5サイクル)、および1秒ステップを20秒間(10サイクル)である。
【
図11】
図11は、本発明の一態様を示すものであり、式2に示すP3の吹き付け流延薄膜の矩形波電位ステップ吸収光度法を示すものであり(左、645nmで測定、−0.4→0.96Vvs.Fc/Fc
+)、0.2M LiBTI/PC溶液中、スイッチング時間は、10秒ステップを40秒間(2サイクル)、2秒ステップを20秒間(5サイクル)、および1秒ステップを20秒間(10サイクル)である。
【
図12】
図12は、本発明の一態様を示すものであり、式2に示すP1の吹き付け流延膜についての印加電圧に対する相対輝度(%)のプロットを示し、該プロットは、645nmにおける中性状態の吸光度を色合わせして示した厚さの異なる膜についてのものであり、L
*a
*b
*値(CIE 1976 L
*a
*b
*表色モデルを意味する)は完全中性状態および完全酸化状態の膜の値である。
【
図13】
図13は、本発明の一態様を示すものであり、式2に示すP2の吹き付け流延膜についての印加電圧に対する相対輝度(%)のプロットを示し、該プロットは、645nmにおける中性状態の吸光度を色合わせして示した厚さの異なる膜についてのものであり、L
*a
*b
*値(CIE 1976 L
*a
*b
*表色モデルを意味する)は完全中性状態および完全酸化状態の膜の値である。
【
図14】
図14は、本発明の一態様を示すものであり、式2に示すP3の吹き付け流延膜についての印加電圧に対する相対輝度(%)のプロットを示し、該プロットは、645nmにおける中性状態の吸光度を色合わせして示した厚さの異なる膜についてのものであり、L
*a
*b
*値(CIE 1976 L
*a
*b
*表色モデルを意味する)は完全中性状態および完全酸化状態の膜の値である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の態様は、エレクトロクロミック装置に使用するために容易に加工できる可溶性のドナー−アクセプター(DA)ポリマーに関するものであり、該DAポリマーは、中性状態で青色または緑色である。DAポリマーは、ジオキシチオフェン基を含むドナー単位を有し、該ジオキシチオフェン基は、3,4−アルキレンジオキシチオフェンドナー単位、3,4−ジアルコキシチオフェンドナー単位、3,6−ジアルコキシ[3,2−b]チオフェンドナー単位または3,5−ジアルコキシ−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェンドナー単位の形をとる。本発明のすべての態様では、DAポリマーのDAポリマー配列を含む共役鎖の全鎖長に沿って、D単位とA単位が交互に位置している。本発明の一態様では、3,4−プロピレンジオキシチオフェン(ProDOT)単位は、ドナー単位であり、アルキレン架橋部分は置換されてDAポリマーに対して所望の溶媒に対する溶解性を付与し、およびベンゾチアジアゾール(BTD)がアクセプター単位である。ドナー単位に対する要求を満たすものは、その他多くの、3,4−アルキレンジオキシチオフェン単位、3,4−ジアルコキシチオフェン単位、3,6−ジアルコキシチエノ[3,2−b]チオフェン単位または3,5−ジアルコキシ−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン単位があり、本明細書に示したものの多くは対称的に置換されたProDOTであるが、その他多くのドナー単量体も本発明の別の態様において同様の方法で用いることができると理解すべきである。
【0020】
新規なDAポリマーの可溶性により、回転塗布や吹き付け流延等の大規模作製可能な安価な堆積法を用いて、溶液加工法により、エレクトロクロミック装置の中に膜を容易に形成することが可能となる。DAポリマーは、中性ポリマーの酸化に伴い、青色から透過性または緑色から透過性への光学的変化を示す。また、本発明の一態様として、青色から透過性となるDAポリマーが記載されている場合、多くの点で共通するがD単位とA単位が特定の構造をとる点で該一態様と相違する本発明の他の態様が、所望のD単位とA単位を適切に選択することにより、特にA単位の構造と、該A単位の構造により付与されるポリマーのLUMO準位とに基づいて選択することにより達成される、と理解すべきである。例えば、所定のD単位が3,4−アルキレンジオキシチオフェン単位または3,4−ジアルコキシチオフェン単位であり、A単位がBTDである場合には、中性状態の色は青色かもしれないが、より電子欠乏性のアクセプター単位、例えば[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジンをDAポリマーに導入する、あるいはポリマーにより高いHOMO準位を与えるさらにより電子過剰なドナー、例えば、3,6−ジアルコキシチエノ[3,2−b]チオフェン単位または3,5−ジアルコキシ−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェン単位とともにBTDを用いると緑色になる可能性がある。より電子過剰なドナー単位を、より電子欠乏なアクセプター単位、例えば[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−c]ピリジンと結合させると、中性状態のDAポリマーは長波長でも透過性となり、黄色またはオレンジ色でさえも示すことが可能となる。
【0021】
本発明のいくつかの態様では、DAポリマーのポリマー配列は、ブロック共重合体、グラフト共重合体またはポリマーネットワークのセグメントである。例えば、当業者には理解できるようにトリブロック共重合体は、D単位および/またはA単位の中に一末端を有するポリマーを、本発明の態様に基づいて他のD単量体およびA単量体との交差縮合重合に用いることにより形成でき、D単位末端および/またはA単位末端を有するポリマーの一部がその両端で停止するとマルチブロックポリマーを形成し、D単位末端および/またはA単位末端を有するすべてのポリマーが架橋され、十分な数のポリマー末端で停止すると重合により架橋されたネットワークが形成される。交互DAポリマー配列がエレクトロクロミック特性を付与することのできるDAポリマーの他のセグメントには、段階成長法または連鎖成長法で製造できるいろいろなポリマーを用いることができ、DAポリマーの非DAセグメントは、当業者には理解できるように、DAポリマー配列の形成の前、その間またはその後に形成できる。DA配列での反応、例えば、限定されるものではないが、1つまたは複数のドナー単位での置換基の変換、または他のポリマーの1つまたは複数の単位を含む反応を用いて、DAポリマーを異なるDAポリマーに変換することができる。他のポリマーセグメントへのDAポリマー配列の付着(attachment)を、D単位またはA単位上の置換基から行うことができ、あるいはDAポリマー配列の末端単位から行うこともできる。例えば、D単位および/またはA単位が末端であり、その末端官能基は、ポリマーセグメントの末端、またはポリマーセグメントの末端へと変換可能な単量体種と結合形成反応を行うことができる。本発明の他の態様では、D単位、A単位またはDAポリマー配列の末端の少なくとも1種を、官能基に結合させることができ、該官能基は、自己会合、または複数の機能性付加物とクロス会合して(cross-associate)、水素結合、イオン双極子、イオン対、イオンキレート、双極子−双極子等の非共有結合性相互作用、または他の非共有結合性結合力により超分子構造を形成する。例えば、いくつかのD単位を特定のポリオール基と置換してもよく、該ポリオール基は、溶媒によって速やかに溶媒和されるが、DAポリマーまたは添加物の1つまたは複数の他のポリオール基と特異的に強く会合して、溶媒を除去すると超分子DAポリマー錯体を形成する。
【0022】
本発明の態様に基づく新規なDAポリマーは、可視域において高い光コントラストを示すとともに、青色ECPsについて以前報告されていた値よりも優れたスイッチング速度とスイッチング安定性を有している。これらの溶液加工可能で青色から透過性へ変化するポリマーは、可溶性と他の物理特性とを併せ持っているので、反射性および透過性を備えたエレクトロクロミック装置(ECDs)には有利であり、可溶性は製造コストの低減および優れた大規模製造性を与え、他の物理特性は、青色から透過性へと変化するECPの従来の代替品に比べ、優れた電気光学特性および機械特性を与える。従来の代替品は、装置開発に苦労しており、その理由として、特に有機電解質系の装置の場合、大量に合成するのが困難であり、また一度合成したものを溶解するのが困難であること、およびECPは、一貫して、光コントラストとスイッチング速度が不十分であることが挙げられる。
【0023】
本発明の一態様として、青色または緑色から透過性へと変化するDAポリマーは、以下の構造のDAポリマー配列を有する:
【0025】
ここで、Aはアクセプター単位であり、nは2〜200,000、xは0または1、yは0または1、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8は、独立に、H、C
1〜C
30アルキル、C
2〜C
30アルケニル、C
2〜C
30アルキニル、C
6〜C
14アリール、C
7〜C
30アリールアルキル、C
8〜C
30アリールアルケニル、C
8〜C
30アリールアルキニル、ヒドロキシ、C
1〜C
30アルコキシ、C
6〜C
14アリールオキシ、C
7〜C
30アリールアルキルオキシ、C
2〜C
30アルケニルオキシ、C
2〜C
30アルキニルオキシ、C
8〜C
30アリールアルケニルオキシ、C
8〜C
30アリールアルキルオキシ、CO
2H、C
2〜C
30アルキルエステル、C
7〜C
15アリールエステル、C
8〜C
30アルキルアリールエステル、C
3〜C
30アルケニルエステル、C
3〜C
30アルキニルエステル、NH
2、C
1〜C
30アルキルアミノ、C
6〜C
14アリールアミノ、C
7〜C
30(アリールアルキル)アミノ、C
2〜C
30アルケニルアミノ、C
2〜C
30アルキルアミノ、C
8〜C
30(アリールアルケニル)アミノ、C
8〜C
30(アリールアルキニル)アミノ、C
2〜C
30ジアルキルアミノ、C
12〜C
28ジアリールアミノ、C
4〜C
30ジアルケニルアミノ、C
4〜C
30ジアルキニルアミノ、C
7〜C
30アリール(アルキル)アミノ、C
7〜C
30ジ(アリールアルキル)アミノ、C
8〜C
30アルキル(アリールアルキル)アミノ、C
15〜C
30アリール(アリールアルキル)アミノ、C
8〜C
30アルケニル(アリール)アミノ、C
8〜C
30アルキニル(アリール)アミノ、C(O)NH
2(アミド)、C
2〜C
30アルキルアミド、C
7〜C
14アリールアミド、C
8〜C
30(アリールアルキル)アミド、C
2〜C
30ジアルキルアミド、C
12〜C
28ジアリールアミド、C
8〜C
30アリール(アルキル)アミド、C
15〜C
30ジ(アリールアルキル)アミド、C
9〜C
30アルキル(アリールアルキル)アミド、C
16〜C
30アリール(アリールアルキル)アミド、チオール、C
1〜C
30アルキルヒドロキシ、C
6〜C
14アリールヒドロキシ、C
7〜C
30アリールアルキルヒドロキシ、C
3〜C
30アルケニルヒドロキシ、C
3〜C
30アルキニルヒドロキシ、C
8〜C
30アリールアルケニルヒドロキシ、C
8〜C
30アリールアルキニルヒドロキシ、C
3〜C
30ポリエーテル、C
3〜C
30ポリエーテルエステル、C
3〜C
30ポリエステル、C
3〜C
30ポリアミノ、C
3〜C
30ポリアミノアミド、C
3〜C
30ポリアミノエーテル、C
3〜C
30ポリアミノエステル、またはC
3〜C
30ポリアミドエステルであり、アルキルは、直鎖、分岐鎖、多分岐鎖、環式、または多環式でもよく、該環式と該多環式は未置換、置換、または多置換でもよく、アルケニルは、モノエン、共役または非共役のポリエン、直鎖、分岐鎖、多分岐鎖、環式または多環式、末端または内部、いずれの炭素が置換されてもよく、EまたはZのアイソマー、またはそれらの混合物でもよく、アルキンは、モノイン、共役または非共役のポリイン、末端または内部、いずれの炭素が置換されてもよく、アリール基は、環式、特に形状を限定されない縮合または非縮合の多環式であり、エステルやアミド等の非対称官能基は、アルキレンジオキシチオフェン環に対してどちらか一方の配向をとることができ、ポリは2またはそれ以上を意味する。置換基R
1〜R
8のヘテロ原子は、それら置換基のいずれの位置にあってもよい。例えば、エーテルまたはエステルの酸素、あるいはアミンまたはアミドの窒素は、3,4−アルキレンジオキシチオフェンへの結合点に対して、α、β、γまたは他のいろいろな位置にあってもよい。置換基を含むヘテロ原子は、複数のヘテロ原子を含んでもよく、例えば、エーテルは、モノエーテル、ジエーテルまたはポリエーテルでもよく、アミンは、モノアミン、ジアミンまたはポリアミンでもよく、エステルは、モノエステル、ジエステルまたはポリエステルでもよく、アミドは、モノアミド、ジアミドまたはポリアミドでもよい。エーテル基とエステル基は、チオエーテル、チオエステルでもよく、ヒドロキシ基は、硫黄が酸素の代わりとなるチオール(メルカプト)基でもよい。本発明の一態様では、xは1、yは0、R
1、R
2、R
5およびR
6は水素で、R
3=R
4≠Hである。本発明の一態様では、xは1、yは0、R
1,R
2、R
5およびR
6が水素、R
3=R
4=CH
2OR、ここでRはアルキル基である。
【0026】
本発明の別の態様として、青色または緑色から透過性へと変化するDAポリマーは、以下の構造のDAポリマー配列を有する:
【0028】
ここで、Aはアクセプター単位、nは2〜200,000、R
1とR
2は、独立に、H、C
1〜C
30アルキル、C
2〜C
30アルケニル、C
2〜C
30アルキニル、C
6〜C
14アリール、C
7〜C
30アリールアルキル、C
8〜C
30アリールアルケニル、C
8〜C
30アリールアルキニル、C
2〜C
30アルキルエステル、C
7〜C
15アリールエステル、C
8〜C
30アルキルアリールエステル、C
3〜C
30アルケニルエステル、C
3〜C
30アルキニルエステル、NH
2、C
1〜C
30アルキルアミノ、C
6〜C
14アリールアミノ、C
7〜C
30(アリールアルキル)アミノ、C
2〜C
30アルケニルアミノ、C
2〜C
30アルキニルアミノ、C
8〜C
30(アリールアルケニル)アミノ、C
8〜C
30(アリールアルキニル)アミノ、C
2〜C
30ジアルキルアミノ、C
12〜C
28ジアリールアミノ、C
4〜C
30ジアルケニルアミノ、C
4〜C
30ジアルキニルアミノ、C
7〜C
30アリール(アルキル)アミノ、C
7〜C
30ジ(アリールアルキル)アミノ、C
8〜C
30アルキル(アリールアルキル)アミノ、C
15〜C
30アリール(アリールアルキル)アミノ、C
8〜C
30アルケニル(アリール)アミノ、C
8〜C
30アルキニル(アリール)アミノ、C(O)NH
2(アミド)、
C
2〜C
30アルキルアミド、C
7〜C
14アリールアミド、C
8〜C
30(アリールアルキル)アミド、C
2〜C
30ジアルキルアミド、C
12〜C
28ジアリールアミド、C
8〜C
30アリール(アルキル)アミド、C
15〜C
30ジ(アリールアルキル)アミド、C
9〜C
30アルキル(アリールアルキル)アミド、C
16〜C
30アリール(アリールアルキル)アミド、チオール、C
1〜C
30アルキルヒドロキシ、C
6〜C
14アリールヒドロキシ、C
7〜C
30アリールアルキルヒドロキシ、C
3〜C
30アルケニルヒドロキシ、C
3〜C
30アルキニルヒドロキシ、C
8〜C
30アリールアルケニルヒドロキシ、C
8〜C
30アリールアルキニルヒドロキシ、C
3〜C
30ポリエーテル、C
3〜C
30ポリエーテルエステル、C
3〜C
30ポリエステル、C
3〜C
30ポリアミノ、C
3〜C
30ポリミノアミド、C
3〜C
30ポリアミノエーテル、C
3〜C
30ポリアミノエステル、またはC
3〜C
30ポリアミドエステルであり、アルキルは、直鎖、分岐鎖、多分岐鎖、環式、または多環式でもよく、該環式と該多環式は未置換、置換、または多置換でもよく、アルケニルは、モノエン、共役または非共役のポリエン、直鎖、分岐鎖、多分岐鎖、環式または多環式、末端または内部、いずれの炭素が置換されてもよく、EまたはZのアイソマー、またはそれらの混合物でもよく、アルキンは、モノイン、共役または非共役のポリイン、末端または内部、いずれの炭素が置換されてもよく、アリール基は、環式、特に形状を限定されない縮合または非縮合の多環式であり、エステルやアミド等の非対称官能基は、3,4−ジオキシチオフェン環に対してどちらか一方の配向をとることができ、ポリは2またはそれ以上を意味する。置換基R
1とR
2のヘテロ原子は、それら置換基のいずれかの適切な位置にあってもよい。例えば、エーテルまたはエステルの酸素、あるいはアミンまたはアミドの窒素は、3,4−ジオキシチオフェンへの結合点に対して、α以外であれば、β、γまたは他のいろいろな位置にあってもよい。置換基を含むヘテロ原子は、複数のヘテロ原子を含んでもよく、例えば、エーテルは、モノエーテル、ジエーテルまたはポリエーテルでもよく、アミンは、モノアミン、ジアミンまたはポリアミンでもよく、エステルは、モノエステル、ジエステルまたはポリエステルでもよく、アミドは、モノアミド、ジアミドまたはポリアミドでもよい。エーテル基とエステル基は、チオエーテル、チオエステルでもよく、ヒドロキシ基は、硫黄が酸素の代わりとなるチオール(メルカプト)基でもよい。
【0029】
本発明の別の態様として、青色または緑色から透過性へと変化するDAポリマーは、以下の構造のDAポリマー配列を有する:
【0031】
ここで、Aはアクセプター単位、nは2〜200,000、R
1とR
2は、独立に、H、C
1〜C
30アルキル、C
2〜C
30アルケニル、C
2〜C
30アルキニル、C
6〜C
14アリール、C
7〜C
30アリールアルキル、C
8〜C
30アリールアルケニル、C
8〜C
30アリールアルキニル、C
2〜C
30アルキルエステル、C
7〜C
15アリールエステル、C
8〜C
30アルキルアリールエステル、C
3〜C
30アルケニルエステル、C
3〜C
30アルキニルエステル、NH
2、C
1〜C
30アルキルアミノ、C
6〜C
14アリールアミノ、C
7〜C
30(アリールアルキル)アミノ、C
2〜C
30アルケニルアミノ、C
2〜C
30アルキニルアミノ、C
8〜C
30(アリールアルケニル)アミノ、C
8〜C
30(アリールアルキニル)アミノ、C
2〜C
30ジアルキルアミノ、C
12〜C
28ジアリールアミノ、C
4〜C
30ジアルケニルアミノ、C
4〜C
30ジアルキニルアミノ、C
7〜C
30アリール(アルキル)アミノ、C
7〜C
30ジ(アリールアルキル)アミノ、C
8〜C
30アルキル(アリールアルキル)アミノ、C
15〜C
30アリール(アリールアルキル)アミノ、C
8〜C
30アルケニル(アリール)アミノ、C
8〜C
30アルキニル(アリール)アミノ、C(O)NH
2(アミド)、
C
2〜C
30アルキルアミド、C
7〜C
14アリールアミド、C
8〜C
30(アリールアルキル)アミド、C
2〜C
30ジアルキルアミド、C
12〜C
28ジアリールアミド、C
8〜C
30アリール(アルキル)アミド、C
15〜C
30ジ(アリールアルキル)アミド、C
9〜C
30アルキル(アリールアルキル)アミド、C
16〜C
30アリール(アリールアルキル)アミド、チオール、C
1〜C
30アルキルヒドロキシ、C
6〜C
14アリールヒドロキシ、C
7〜C
30アリールアルキルヒドロキシ、C
3〜C
30アルケニルヒドロキシ、C
3〜C
30アルキニルヒドロキシ、C
8〜C
30アリールアルケニルヒドロキシ、C
8〜C
30アリールアルキニルヒドロキシ、C
3〜C
30ポリエーテル、C
3〜C
30ポリエーテルエステル、C
3〜C
30ポリエステル、C
3〜C
30ポリアミノ、C
3〜C
30ポリミノアミド、C
3〜C
30ポリアミノエーテル、C
3〜C
30ポリアミノエステル、またはC
3〜C
30ポリアミドエステルであり、アルキルは、直鎖、分岐鎖、多分岐鎖、環式、または多環式でもよく、該環式と該多環式は未置換、置換、または多置換でもよく、アルケニルは、モノエン、共役または非共役のポリエン、直鎖、分岐鎖、多分岐鎖、環式または多環式、末端または内部、いずれの炭素が置換されてもよく、EまたはZのアイソマー、またはそれらの混合物でもよく、アルキンは、モノイン、共役または非共役のポリイン、末端または内部、いずれの炭素が置換されてもよく、アリール基は、環式、特に形状を限定されない縮合または非縮合の多環式であり、エステルやアミド等の非対称官能基は、4,4’−ジオキシ−オリゴチオフェン環に対してどちらか一方の配向をとることができ、ポリは2またはそれ以上を意味する。置換基R
1とR
2のヘテロ原子は、それら置換基のいずれかの適切な位置にあってもよい。例えば、エーテルまたはエステルの酸素、あるいはアミンまたはアミドの窒素は、4,4’−ジオキシ−オリゴチオフェンへの結合点に対して、α以外であれば、β、γまたは他のいろいろな位置にあってもよい。置換基を含むヘテロ原子は、複数のヘテロ原子を含んでもよく、例えば、エーテルは、モノエーテル、ジエーテルまたはポリエーテルでもよく、アミンは、モノアミン、ジアミンまたはポリアミンでもよく、エステルは、モノエステル、ジエステルまたはポリエステルでもよく、アミドは、モノアミド、ジアミドまたはポリアミドでもよい。エーテル基とエステル基は、チオエーテル、チオエステルでもよく、ヒドロキシ基は、硫黄が酸素の代わりとなるチオール(メルカプト)基でもよい。
【0032】
アクセプター単位Aは、電子欠乏性芳香族単位またはシアノビニレン単位でもよく、限定されるものではないが、それら単位は、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾール、ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール、キノクサリン、ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール、ピリド[3,4−b]ピラジン、シアノビニレン、チアゾロ[5,4−d]チアゾール、1,3,4−チアジアゾール、ピロール[3,4−c]ピロール−1,4−ジオン、2,2’−ビチアゾール、チエノ[3,4−b]ピラジン、[1,2,5]オキサジアゾロ[3,4−c]ピリジン、ジシアノビニレン、ベンゾ[1,2−c;4,5−c’]ビス[1,2,5]チアジアゾール、[1,2,5]チアジアゾロ[3,4−g]キノクサリン、ベンゾ[c]チオフェン、4−ジシアノメチレンシクロペンタ−ジチオフェンまたはそれらのいろいろな誘導体を含む。これらの例を
図1に示す。Aの構造が、DAポリマーが示す色に大きな影響を与える。本発明の態様では、可溶性を付与するためにA単位を置換してもよい。例えば、
図1のA単位のいずれかのR基またはいずれかの水素置換基をDAポリマー(II)の対応するR
1およびR
2で置換してもよい。
【0033】
本発明の態様では、構造IのDAポリマーであって、xが1かつyが0であるDAポリマーに、ProDOT−A ECPsの置換されたプロピレン架橋体を用いてもよく、該架橋体は、エレクトロクロミック特性の調整と所望の装置作製方法を採用することを可能とする。本発明のいくつかの態様では、置換基は非極性の側鎖を含む。他の態様では、置換基は、極性またはイオン性の側鎖を含み、該側鎖は限定されるものではないが、エーテル、エステル、アミド、カルボン酸、スルホネート、およびアミンの官能基鎖を含む。極性またはイオン性の置換基を導入することにより、金属表面または金属酸化物表面に吸着するようにProDOT−A ECPsを設計することができ、金属酸化物として、例えば、限定されるものではないが、太陽電池(グレッツエルセル)または他の装置に使用されるチタニアを挙げることができる。別のECPとは大きく異なる可溶性を付与することのできる置換基を有することにより、複雑なエレクトロクロミック装置を交互吸着法(layer-by-layer deposition process)により形成することが可能となる。
【0034】
本発明のいくつかの態様では、ProDOT−A ECPsは、ProDOT−A ECPを膜へと加工することを可能とする反応性のR
1〜R
6の基を含んでおり、膜は次に異なるProDOT−A ECPへ変換され、例えば、可溶性の膜が不溶性の膜に変換される。例えば、R
3とR
4がジエステル基の場合、2007年8月2日に公開されたレイノルズらの国際特許出願公開第WO2007/087587A2に記載された方法により、カルボン酸基へと変換することができ、出典明示により本明細書に組み入れられる。必要であれば、二価酸を続いてカルボン酸塩へと変換することもできる。
【0035】
本発明の態様に基づく青色から透過性へと変化するProDOT−A ECPは、広くいろいろな用途に用いることが可能である。例えば、その用途の一例として、バルクヘテロ接合太陽電池における活性層としての用途がある。R
1基とR
2基の構造は、色素増感太陽電池に使用するために、極性のカルボン酸塩またはリン酸塩の官能基によってProDOT−A ECPを金属酸化物に向けるととともに吸着を促進させることのできる構造とすることができ、ProDOT−A DAポリマーは、活性な光吸収層として作用する。本発明の態様に基づくProDOT−A DAポリマーの別の用途は、電界効果トランジスタの電荷移動層としての用途である。
【0036】
本発明の態様に基づく青色から透過性へと変化するProDOT−BTD DAポリマーは、2つの帯域からなる吸収スペクトルを示す。1つの帯域は、約650nmのλmaxを中心としてスペクトルの赤色域を吸収するのに対し、他の帯域は、スペクトルの紫外域を中心としてλmaxが約370nmであり、中性状態では、430nm付近に、可視スペクトルの青色領域を中心する顕著な光透過性を示す。本発明の態様に基づく青色から透過状態へと変化するDAポリマーは、中性状態で320〜480nmで最大の光透過状態を示し、緑色から透過状態へと変化するDAポリマーは、480〜540nmで最大の光透過状態を示す。両方の吸収帯域は酸化に伴い同時に消失し、終始飽和状態には達していない青色または緑色の色調の状態を経た後、最終的には十分に透過状態である酸化状態に至るが、このことは、本発明の態様に係るDAポリマーについての
図2に示す異なる印加電圧での合成スペクトルで示されており、ProDOT−BTD DAポリマーのR
3とR
4はC
8アルキルオキシ基である。中性状態から完全酸化状態への変化に伴う吸光度の大きな減少は、DAポリマーを多くの用途に用いることを可能とする。通常、実用的なECP装置には、少なくとも20%の吸光度の差が望まれている。このProDOT−BTD DAポリマーは、1.5V以下の電位窓の範囲で可逆的に切り替わるので、望ましい低電圧ECDとして使用することができる。例示的な膜におけるその中性状態および完全酸化状態における写真を
図3に示す。
【0037】
本発明の他の態様は、新規なDAポリマーの製造方法に関するものであり、該製造方法は、求核性単量体のアクセプター単位と、求電子性単量体のドナー単位との逆転鈴木縮合を用いたクロスカップリング反応によるものである。例えば、該製造方法によれば、ドナーProDOTとアクセプターBTDとをDAポリマー鎖の中に交互配置することができる。本発明はDAポリマーに十分な分子量を付与することができ、その理由は、求核性のBTDアクセプター単量体とProDOTドナー単量体の信頼性の高い精製を効果的に実施できるからである。実質的にすべてのクロスカップリング段階成長重合では、このDAポリマーの重合度は化学量論性からのずれによって制約される。多くの実用的なエレクトロクロミック装置に用いる十分にポリマー量のポリマーを得るためには、両方の単量体の純度が重要である。
【0038】
該方法の一態様として、クロスカップリング重合は逆転鈴木縮合であり、該逆転鈴木縮合は従来のクロスカップリング法から出発したものであり、従来の方法は例えば従来の鈴木縮合であり、従来の鈴木縮合では、求核試剤、例えば、二置換有機スズ化合物、ホウ素またはマグネシウム試薬は電子過剰なドナーアリール基であり、求電子試剤は電子欠乏性のアクセプターアリール基である。従来のクロスカップリング重合法は、新規なDAポリマーの実用的な製造方法ではない、なぜならメタレート化された求核性ProDOT単量体は、本質的に不安定であるため、従来および現在も挙動が理解されていない。本発明の一態様では、逆転鈴木重合は、アクセプター(BTD)を求核試剤として用い、ドナー(ProDOT)を求電子試剤として用いて行う。クロスカップリングは、例えば、パラジウムまたは他の金属触媒を介在させることにより触媒させることができる。
【0039】
BTD−CDT DAポリマーを製造するため、逆転鈴木縮合を用いるただ一つの例には反するが、本発明の態様に係る製造方法は、ベンゾチアゾールのジボロニックエステル(dibornic esters)とProDOTのジブロム化誘導体との無塩基系縮合を行うことが可能となる。有機ホウ素試薬の毒性は一般的に非常に弱いので、このカップリング条件は環境に優しい。鈴木カップリングは、必要に応じて塩基加水分解を抑制しながら、温和な条件で行うことができる。例えば、ブルッキンスらの"Macromolecules, 2007, 40, 3524"に開示され、出典明示により本明細書に組み入れられる、フッ素媒介鈴木縮合は、広くいろいろな種類の側鎖を導入することができる。塩基を使用しないので、背景で説明した、塩基を用いて製造したBTD−CDT DAポリマーと異なり、DAポリマーを高収率で得ることができ、かつ精製が容易である。従来の鈴木カップリングで製造されるBTD−CDT DAポリマーと異なり、本発明の態様に係るDAポリマーは、逆転鈴木縮合または他のクロスカップリング反応を必要とする。
【0040】
本発明の複数の態様は、以下のスキーム1に示すように、3,4−置換ジオキシチオフェンドナー(D)単位といろいろなアクセプター(A)単位との交互共重合体の合成方法に関するものである。D単量体は、いろいろと置換された3,4−ジオキシチオフェン、3,6−ジアルコキシチエノ[3,2−b]チオフェンまたは3,5−ジアルコキシ−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]チオフェンであり、それらはα炭素から硫黄原子までが、脱離基、例えばハロゲン、トリフラート、トシレート、メシレート、ノシレート、トリフルオロアセテートまたは脱離基として働く他の置換されたスルホネートで置換され、A単量体とのクロスカップリング反応における求電子試剤として働き、必要に応じて触媒存在下で、厳密に交互配置したDAポリマーを生成する。本発明のいくつかの態様では、A単位は、ホウ素部分よりもスズ部分または亜鉛部分を置換することができる。使用できる他のカップリング反応には、限定されるものはないが、スティルカップリング、熊田カップリング、檜山カップリング、根岸カップリングが含まれる。いくつかの態様では、D単量体は、一対のスズ成分または亜鉛成分を含み、A単位は脱離基で置換されている。
【0041】
スキーム1
nB−A−B + nX−D−X → [D−A]
n−
【0042】
ここで、Bは成分を含むいろいろなホウ素であり、Xは脱離基でnは2〜200,000である。
【0043】
方法および材料
本発明の態様に係るProDOT−BTD DAポリマーの合成例をスキーム2に示す。この方法に係る態様は、逆転鈴木重縮合において、ベンゾチアジアゾールのジボロニックエステル(1)をProDOTのジブロム化誘導体とともに用いる。単量体1は、容易に精製することができ、大部分の不純物は昇華により精製され、部分的に精製された単量体は続いて再結晶される。塩基またはフッ素活性化鈴木カップリングの使用により、エステル(および他の易加水分解性基)で官能化したProDOTを重合させることができる。必要に応じて、P3はジエステル(C(O)O−アルキル置換)であり、堆積後に脱官能化して加工しにくいジアシッド(C(O)OH)ポリマーを生成させることもできる。
【0044】
スキーム2.ProDOT誘導体とBTDの交互共重合体の合成
【0046】
本発明の態様に係る別のDAポリマーをスキーム3と4に示すが、スティル重合により可溶性の交互共重合体P4およびP5が生成し、異なるドナーとアクセプターの組み合わせが用いられている。P4では、チエノピラジンはProDOTと交互配置された繰り返し単位として使用され、550nmに吸収極大を有する緑色ポリマーが得られ、緑色材料を与える。P5では、3,6−ジアルコキシチエノ[3,2−b]チオフェンは、BTDと交互配置されたドナー繰り返し単位として使用され、470nmに吸収極大を有する可溶性の青色−緑色ポリマーが得られる。
【0047】
スキーム3.ProDOT−チエノピラジン交互共重合体の合成
【0049】
スキーム4.3,6−ジアルコキシチエノ[3,2−b]チオフェン−BTD交互共重合体の合成
【0051】
交互DA共重合体の合成
ピナコールエステル置換BTD(1):100mLのシュレンク管に、4,7−ジブロモ−2,1,3−ベンゾチアゾール(4.00g、14.6mmol)(6)、ビスピナコラートジボラン(7.9g、31mmol)、酢酸カリウム(8.0g、81mmol)、およびPd(dppf)Cl
2CH
2Cl
2(330mg、0.41mmol、3mol%)を装入し、フラスコを脱気してアルゴンを複数回充填した。1,4−ジオキサン(60mL)を次いで添加し、混合物を激しく攪拌しながら80〜85℃で一晩加熱した。次いで混合物を室温まで冷却した後、酢酸エチル(100mL)と水(200mL)の混合物の中に注いだ。有機相を回収し、水相を酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。一緒にした有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸留した。残留濃縮物を500mLの沸騰ヘキサンの中に移し、混合物を室温まで冷却した後濾過した。濾液を蒸留し、少量のアセトニトリルの中に移し、活性炭とセライト(重量比50/50で混合)の1.5”×4”カラムを用いて濾過した。カラムに400mLアセトニトリルおよび400mL酢酸エチルを流して溶出させ、無色のすべての溶出液を蒸留して、つるつるした白色固体を得た。揮発成分がなくなるまで(〜6時間)、この固体を昇華した(100℃、〜0.01Torr)。昇華しなかった残留物をヘキサンから再結晶して、融点が208.5〜209.5の白色固体(氷冷ヘキサン部分から)2.5g(47%)を得た。
1HNMR(CDCl3):δ8.12(s、2H)、1.43(s、24H)
13CNMR:δ157.2,137.9、84.6、25.1
C
18H
26B
2N
2O
4Sの計算値:C55.71、H6.73、N7.22;分析値:C55.38、H6.87、N7.01.
【0052】
P1〜P3の重合の一般的手順:
50mLのシュレンク管に、ジブロム化ProDOT誘導体(0.500mmol)、2(0.194g、0.500mmol)、炭酸カリウムまたはフッ化セシウム(8mmol)、Pd
2dba
3(9.1mg、10μmol)、P(o−tol)
3(12mg、40μmol)、および少量のアリコット336を装入した。次いでフラスコを脱気し、アルゴンを複数回充填した。次いでトルエン(12mL)と水(4mL)を添加し、混合物を80〜85℃に加熱し、一晩攪拌した。新しいPd
2dba
3(9.1mg、10μmol)およびP(o−tol)
3(12mg、40μmol)を、アルゴンを高流量で流しながら添加し、混合物を80〜85℃で加熱しながらさらに48時間攪拌した。次いでポリマーを20%水とメタノールの混合物から沈殿させ、ソックスレー抽出器でメタノールで洗浄し(一晩中)、最終的にクロロホルムで抽出した。次いでクロロホルム可溶分を濃縮し、メタノールから再沈殿させ、減圧下で乾燥して暗青色の固体を得た。
P1:収率98%。GPC M
w=43,870、M
n=23,260、PDI=1.89。
1HNMR(CDCl
3):δ8.45(br s、2H)、4.35(br s、4H)、3.66(br s、4H)、3.99(br s、4H)、1.6〜1.2(br、18H)、0.92(br s、12H)。C
31H
44N
2O
4S
2の計算値:C65.00、H7.74、N4.89;分析値:C64.67、H8.11、N4.77。
P2:収率97%。GPC M
w=25,000、M
n=15,000、PDI=1.67。
1HNMR(CDCl
3):δ8.44(br s、2H)、4.35(br s、4H)、3.67(br s、4H)、3.50(br s、4H)、1.6〜1.2(br、24H)、0.88(br、6H)。C
31H
44N
2O
4S
2の計算値:C65.00、H7.74、N4.89;分析値:C64.90、H8.33、N4.61。
P3:収率97%。GPC M
w=14,900、M
n=11,100、PDI=1.34。
1HNMR(CDCl
3):δ8.44(br s、2H)、4.48(bs、4H)、4.13(br s、4H)、2.91(br s、4H)、1.67(bs、4H)、1.24(br、14H)、0.88(br s、6H)。C
41H
60N
2O
6S
2の計算値:C66.45、H8.16、N3.78;分析値:C66.30、H8.82、N3.71。
【0053】
P4の合成:
トルエン10mLに、ジスタニル(distannyl)ProDOT−(CH
2OEtHx)2(3)(0.255g、0.25mmol)、5,7−ジブロモチエノ[3,4−b]ピラジン(0.081g、0.25mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.081g、0.25mmol)およびトリ(o−トリル)ホスフィン(6.1mg、0.02mmol)を含む溶液を、3回連続して凍結脱気し、シリコーンオイルバス中で100℃で36時間加熱した、次いで溶液をメタノール(300mL)の中に沈殿させた。沈殿をソックスレーシンブル(Soxhlet thimble)を通して濾過し、メタノールで24時間さらにヘキサンで48時間ソックスレー抽出を行った。ポリマーをクロロホルムで抽出し、蒸発により濃縮し、次いで再度メタノール中(300mL)で沈殿させた。回収したポリマーは、暗緑色の固体であった(0.11g、73%)。GPC分析:M
n:5200da、M
w:7000da、PDI:1.3。
【0054】
P5の合成:
50mLのシュレンク管に、2,5−ジ(トリメチルスタニル)−3,6−ジ−(2−エチルヘキシルオキシ)チエノ[3,2−b]チオフェン(5)(0.541g、0.749mmol)、6(0.217g、0.738mmol)、Pd
2dba
3(6mg、7μmol)、P(o−tol)
3(12mg、40μmol)、およびCuBr(30mg、210μmol)を装入した。次いでトルエン(20mL)を添加し、溶液を100℃で5日間加熱した。次いでブロモベンゼン(2mL)を添加し、溶液を4時間攪拌した。次いで、スパチュラ先端量のジエチルアンモニムジチオカルバメートを添加し、溶液を1時間攪拌した後、室温まで冷却した。溶液をピペットでメタノールの中に移し、得られた固体をセルロースシンブルに回収した。次いでその固体をメタノール(1日)、酢酸エチル(6時間)、そして最後にクロロホルムでソックスレー抽出を行った。次いでクロロホルム可溶分を再度メタノールの中にピペットで移した後、固体を回収し、減圧下で一晩乾燥して、暗色固体284mg(73%)を得た。
【0055】
膜特性
RがオクチルオキシであるP1の薄膜は、インジウムスズ酸化物(ITO)被覆スライドガラスの上に、トルエンとクロロホルムの1:1混合溶媒を用いた溶液(〜2mg/mL)を吹き付け流延して得た。安定で再現性のあるスイッチング特性が得られるまで、膜の酸化還元を繰り返した。膜の電気化学的酸化は、0.1MLiBF4/プロピレンカーボネート溶液中で、銀線を準基準電極(QRE)、白金線を対極に用いて行った。
図2は、この電気化学的酸化に伴う紫外可視吸収スペクトルの変化を示している。明らかに、両方の吸収帯域の強度は、酸化により顕著かつ同時に減少している。紫外可視吸収帯域の強度が減少すると、スペクトルの近赤外領域に新しい吸収帯域が現れるが、これはECPsに共通している。625nm付近の吸収極大では、53%の透過率の可逆的な変化が認められる。
【0056】
相対輝度変化は、人間の目の感度に合わせて調整された光源の輝度に対する光の輝度を評価するもので、Rが2−エチルヘキシルである、いろいろな膜厚(最大吸光度が0.61,1.14、1.65)のP2について、電気化学酸化による異なるドーピングレベルで測定した。
図4に示すように、吹き付け流延したP2は、膜の厚さに応じて最大48%の相対輝度の変化を示した。P2は、〜0.8Vの電位窓で完全な切り替わりが可能である。
【0057】
RがオクチルであるP1の場合について、DAポリマーが一つの状態から別の状態へと切り替わる速度を
図5に示すが、
図5は、吹き付け流延膜のλmaxでの吸光度の変化を示している。LiBF4/プロピレンカーボネート溶液に吊した膜に対し、白金線を対極、銀線を準基準電極に用いて、矩形波電位(−0.4V〜0.95Vvs.Ag準基準電極)を印加した。
図5から明らかなように、642nmにおける透過率25%から70%への切り替わりが0.6秒以内で起こり、逆の切り替わりも0.4秒以内であった。これは、青色ECPの場合には、非常に早い切り替わりである。
【0058】
P2とP3の薄膜は、インジウムスズ酸化物(ITO)被覆スライドガラスの上に、トルエン溶液を用いた溶液(〜2mg/mL)を吹き付け流延して得、それらの分光電気化学応答を、それぞれ
図6と
図7に示す。いずれのポリマーも、P1と同様の挙動を示し、負電位では可視領域に強い吸収が明らかに認められ、電気化学酸化に伴いその吸収帯域の強度が顕著に減少し、完全酸化により透過性が非常に高い膜が得られる。
【0059】
DAポリマーに異なる繰り返し単位を用いれば、交互共重合体の色調整が可能となる。
図8は、P4の分光電気化学分析を示し、チエノピラジンはアクセプター成分としてBTDに代わった。製造した緑色ポリマー(中性状態で550nm付近に吸収極大を有する)は、酸化に伴い顕著に退色する。また、P5も製造され、P5は、3,6−ジアルコキシチエノ[3,2−b]チオフェン成分が、BTDとの交互配置ドナーとしてProDOTに代わったものである。
図9に示すように、0〜1Vvs.Fc/Fc
+への電気化学電位の増加に伴い、青色状態から透過性の酸化状態に退色し、709nmにおいて可逆的な40%の透過率変化を示した。
【0060】
P1と同様に、矩形波電位吸光度法によりP2とP3についても切り替わり速度を評価した。
図10と11から明らかなように、矩形波電位の周期を10秒から1秒の間で変化させると、コントラスト比はほとんど減少せず、両方のポリマーは、1秒以内で完全切り替わりの状態の95%に達した。
【0061】
相対輝度変化の比較検討を行った。相対輝度変化は、人間の目の感度に合わせて調整された光源の輝度に対する光の輝度を評価するもので、いろいろな膜厚(最大吸光度が0.8、1.3、1.8)のP1について、電気化学酸化による異なるドーピングレベルで測定した。
図12に示すように、吹き付け流延したP1は、膜の厚さに応じて最大48%の相対輝度の変化を示した。P1は、〜0.8Vの電位窓で完全な切り替わりが可能である。また、
図13および
図14にそれぞれ示すように、P2とP3も酸化に伴い相対輝度が大きく変化した。
【0062】
本明細書において言及するか、または引用したすべての特許、特許出願、出願および刊行物のすべての図および表を含む全記載内容は、本明細書による明確な教示内容と整合する範囲で、本明細書に組み入れられる。
【0063】
本明細書に開示される実施例および態様は本発明を例示的に説明するために記載されたものであり、これらの記載内容に基づく種々の修正または変更は当業者によって想起される事項であって、これらの事項も本発明の技術的な思想と範囲に包含されるべきである。