特許第5771636号(P5771636)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5771636
(24)【登録日】2015年7月3日
(45)【発行日】2015年9月2日
(54)【発明の名称】基板処理装置、基板搬出方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20150813BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20150813BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20150813BHJP
【FI】
   H05K13/02 U
   H05K13/08 D
   H05K3/00 V
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2013-23126(P2013-23126)
(22)【出願日】2013年2月8日
(65)【公開番号】特開2014-154699(P2014-154699A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2013年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105935
【弁理士】
【氏名又は名称】振角 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100105980
【弁理士】
【氏名又は名称】梁瀬 右司
(74)【代理人】
【識別番号】100136836
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 一正
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 芳邦
【審査官】 遠藤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−080625(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
H05K 3/00
H05K 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して処理を行って装置外部へ搬出する基板処理装置において、
載置された前記基板を基板搬送方向に搬送し、基板処理位置まで搬入するコンベアと、
前記コンベアによって基板処理位置まで搬入された前記基板に前記処理を行う処理ヘッドと、
前記処理を受けた前記基板に前記基板搬送方向の上流側から当接するプッシャーを備え、前記プッシャーを前記基板搬送方向の下流側へ移動させる移動動作によって、前記基板処理位置で前記処理を受けた前記基板を前記基板処理位置から前記プッシャーにより押し出して前記コンベアから前記装置外部へ搬出するとともに、前記移動動作を完了すると、前記基板搬送方向の上流側へ向けて前記プッシャーを戻す戻し動作を行う押出ユニットと
を備え
複数の前記基板に対して順番に前記処理を行って前記装置外部へ搬出し、
前記押出ユニットは、前記コンベアが前記基板処理位置へ向けて前記基板の搬入を開始してから前記処理ヘッドが前記基板処理位置の前記基板への前記処理を完了するまでの搬入処理期間に重複して前記戻し動作を行うことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記押出ユニットは、前記戻し動作によって、前記移動動作の開始時における前記基板の位置の前記基板搬送方向の上流側まで前記プッシャーを戻す請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記押出ユニットは、前記プッシャーに伴って移動するストッパーを有し、前記戻し動作の途中において、前記基板処理位置の前記基板搬送方向の下流端に対して前記ストッパーを位置させることで、前記搬入処理期間に搬入される前記基板を前記ストッパーにより前記基板処理位置に停止させる請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記押出ユニットは、前記プッシャーを鉛直方向に駆動する鉛直駆動部を有し、前記搬入処理期間中の前記基板に対して前記基板搬送方向に重なる区間では、前記鉛直駆動部によって前記基板から前記鉛直方向へ前記プッシャーを外しつつ前記プッシャーを戻して前記戻し動作を行う請求項1ないし3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記押出ユニットは、前記プッシャーを前記鉛直方向に昇降自在に保持する保持部と、前記保持部を前記基板搬送方向に移動させるロッドレスシリンダーと、前記プッシャーの移動範囲に対応して前記基板搬送方向に延設されて前記鉛直方向へ移動することで前記プッシャーを押し遣る延設部材とをさらに有し、前記鉛直駆動部によって前記延設部材を昇降させる請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記コンベアは、前記押出ユニットが前記移動動作を行っている期間は、前記基板処理位置への前記基板の搬入を行わない請求項1ないしのいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記押出ユニットは、前記装置外部へ押し出した前記基板の停止位置を変更可能である請求項1ないしのいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記押出ユニットは、前記基板搬送方向に直交する幅方向における前記基板の幅に応じて前記幅方向への前記プッシャーの位置を調整する請求項1ないしのいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記処理ヘッドは、前記基板搬送方向へ移動しつつ前記基板へ前記処理を実行可能であり、
前記押出ユニットは、前記処理ヘッドに取り付けられたサブプッシャーをさらに備え、前記処理を受けた前記基板を、前記処理ヘッドを移動させて前記サブプッシャーで押してから前記プッシャーでさらに押して、前記移動動作を行う請求項1ないしのいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記押出ユニットは、前記コンベアの前記基板搬送方向の下流端よりも前記プッシャーを突き出させて、前記移動動作を行う請求項1ないしのいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記処理ヘッドは、前記基板の状態の検査を前記処理として行う請求項1ないし10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
基板処理装置が処理を行った基板を装置外部へ搬出する基板搬出方法において、
載置された前記基板を基板搬送方向に搬送して基板処理位置まで搬入するコンベアによって前記基板処理位置まで搬入されて前記基板処理位置で前記処理を受けた前記基板を、移動動作によって前記コンベアから前記装置外部へ搬出する工程を備え、
前記移動動作は、前記基板処理装置に内蔵されたプッシャーを、前記基板処理位置で前記処理を受けた前記基板に前記基板搬送方向の上流側から当接させつつ前記基板搬送方向の下流側へ移動させて、前記処理を受けた基板を前記基板処理位置から前記プッシャーにより押し出すことで行われるとともに、
前記移動動作が完了すると、前記基板搬送方向の上流側へ向けて前記プッシャーを戻す戻し動作が行われ、
順番に前記処理が行われる複数の前記基板を順番に前記装置外部へ搬出するにあたって、前記コンベアが前記基板処理位置へ向けて前記基板の搬入を開始してから前記基板処理位置の前記基板への前記処理を完了するまでの搬入処理期間に重複して前記戻し動作が行われることを特徴とする基板搬出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板処理装置によって処理を受けた基板を装置外部に搬出する技術に関し、特に基板処理装置から搬出した基板を収納容器に収納するのに適するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、基板を生産する基板生産ラインでは、半田等の材料の塗布、部品の実装あるいは検査といった処理を基板に対して行う基板処理装置が用いられる。また、基板処理装置によって処理の施された基板を収納容器に収納して、例えば次工程等への基板運搬に備えるといったことが一般的に行われている。
【0003】
特に特許文献1では、処理を受けて基板処理装置から搬出された基板を、収納容器に収納するアンローダー(基板収納装置)が提案されている。具体的には、このアンローダーは、コンベアによって収納容器(収納ラック)の手前まで搬送した基板をプッシャーで収納容器に押し込んで、基板を収納容器に収納(アンロード)するものである。したがって、基板処理装置の搬出側にこのようなアンローダーを配置しておけば、基板処理装置から搬出された基板は、コンベアによって搬送された後にプッシャーによって押し込まれて自動的に収納容器に収納される。こうして、収納容器への基板の収納を効率的に行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−261895号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のとおりアンローダーは、基板処理装置から搬出された基板を収納容器まで搬送するコンベアを備える。このコンベアは、基板処理装置から搬出された基板を受け取って収納容器の手前まで搬送するためにアンローダーにとって必要な機構ではあるが、アンローダーを大きくする要因にもなっていた。したがって、基板生産ラインにアンローダーを組み込もうとすると、コンベアに応じた大きさを具備するアンローダーが基板生産ラインの大きさに影響してしまい、基板生産ラインの小型化を図ることが困難となる場合があった。
【0006】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、基板処理装置から搬出された基板の収納容器への収納を行う基板生産ラインを小型に構成することを可能とする技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明にかかる基板処理装置は、上記目的を達成するために、基板に対して処理を行って装置外部へ搬出する基板処理装置において、載置された基板を基板搬送方向に搬送し、基板処理位置まで搬入するコンベアと、コンベアによって基板処理位置まで搬入された基板に処理を行う処理ヘッドと、処理を受けた基板に基板搬送方向の上流側から当接するプッシャーを備え、プッシャーを基板搬送方向の下流側へ移動させる移動動作によって、基板処理位置で処理を受けた基板を基板処理位置からプッシャーにより押し出してコンベアから装置外部へ搬出するとともに、移動動作を完了すると、基板搬送方向の上流側へ向けてプッシャーを戻す戻し動作を行う押出ユニットとを備え、複数の基板に対して順番に処理を行って装置外部へ搬出し、押出ユニットは、コンベアが基板処理位置へ向けて基板の搬入を開始してから処理ヘッドが基板処理位置の基板への処理を完了するまでの搬入処理期間に重複して戻し動作を行うことを特徴としている。
【0008】
この発明にかかる基板搬出方法は、上記目的を達成するために、基板処理装置が処理を行った基板を装置外部へ搬出する基板搬出方法において、載置された基板を基板搬送方向に搬送して基板処理位置まで搬入するコンベアによって基板処理位置まで搬入されて基板処理位置で処理を受けた基板を、移動動作によってコンベアから装置外部へ搬出する工程を備え、移動動作は、基板処理装置に内蔵されたプッシャーを、基板処理位置で処理を受けた基板に基板搬送方向の上流側から当接させつつ基板搬送方向の下流側へ移動させて、処理を受けた基板を基板処理位置からプッシャーにより押し出すことで行われるとともに、移動動作が完了すると、基板搬送方向の上流側へ向けてプッシャーを戻す戻し動作が行われ、順番に処理が行われる複数の基板を順番に装置外部へ搬出するにあたって、コンベアが基板処理位置へ向けて基板の搬入を開始してから基板処理位置の基板への処理を完了するまでの搬入処理期間に重複して戻し動作が行われることを特徴としている。
【0009】
このように構成された発明(基板処理装置、基板搬出方法)では、基板処理装置にプッシャーが設けられており、処理を受けた基板に基板搬送方向の上流側からプッシャーを当接させつつプッシャーを基板搬送方向の下流側へ移動させる移動動作によって、基板が装置外部に搬出される。つまり、処理を受けた基板は、基板処理装置に設けられたプッシャーにより押し出されつつ装置外部に搬出される。したがって、基板処理装置の搬出側に収納容器を配置しておけば、基板処理装置から搬出されてきた基板をプッシャーで収納容器にそのまま押し込むことができ、コンベアを備えたアンローダーを要さずに基板を収納容器に収納できる。よって、このような基板処理装置で基板生産ラインを構成すれば、基板処理装置から搬出された基板の収納容器への収納を行う基板生産ラインを小型に構成することが可能となる。
【0010】
また、複数の基板に対して順番に処理を行って装置外部へ搬出する基板処理装置において、押出ユニットは、移動動作を完了すると、基板搬送方向の下流側へ向けてプッシャーを戻す戻し動作を行うように、基板処理装置を構成している。つまり、複数の基板に対して順番に処理を行って装置外部に搬出するにあたっては、移動動作を繰り返し実行する必要がある。そこで、移動動作を完了すると、基板搬送方向の下流側へ向けてプッシャーを戻す戻し動作を行うようにすれば、続く移動動作を速やかに開始することができ、スループットの向上を図ることができる。
【0011】
この際、押出ユニットは、戻し動作によって、移動動作の開始時における基板の位置の基板搬送方向の上流側までプッシャーを戻すように、基板処理装置を構成しても良い。このような構成では、続く移動動作をより速やかに開始することが可能となる。
【0012】
また、押出ユニットは、コンベアが基板処理位置へ向けて基板の搬入を開始してから処理ヘッドが基板処理位置の基板への処理を完了するまでの搬入処理期間に重複して戻し動作を行うように、基板処理装置を構成している。このような構成では、続いて処理を受ける基板の基板処理位置への搬入の開始から当該処理の完了までの期間(搬入処理期間)に重複して戻し動作が実行される。そのため、戻し動作の実行のみに費やされる時間を抑制あるいは排除して、スループットの向上を図ることができる。
【0013】
また、押出ユニットは、プッシャーに伴って移動するストッパーを有し、戻し動作の途中において、基板処理位置の基板搬送方向の下流端に対してストッパーを位置させることで、搬入処理期間に搬入される基板をストッパーにより基板処理位置に停止させるように、基板処理装置を構成しても良い。このようにプッシャーに伴ってストッパーが移動するように構成することで、プッシャーおよびストッパーのそれぞれに移動のための機構を設ける必要がなく、基板処理装置の構成の簡素化を図ることができる。しかも、プッシャーの戻し動作の機会を利用して、ストッパーによる搬入基板の基板処理位置への停止が併せて行われるため、プッシャーおよびストッパーを別々の機会で移動させるのに比べて、これらの移動を能率的に実行することができる。
【0014】
また、押出ユニットは、プッシャーを鉛直方向に駆動する鉛直駆動部を有し、搬入処理期間中の基板に対して基板搬送方向に重なる区間では、鉛直駆動部によって基板から鉛直方向へプッシャーを外しつつプッシャーを戻して戻し動作を行うように、基板処理装置を構成しても良い。このような構成では、搬入処理期間に伴って搬入および処理を受ける基板と、戻し動作に伴って移動するプッシャーとの干渉を確実に抑止することができる。
【0015】
この際、押出ユニットは、プッシャーを鉛直方向に昇降自在に保持する保持部と、保持部を基板搬送方向に移動させるロッドレスシリンダーと、プッシャーの移動範囲に対応して基板搬送方向に延設されて鉛直方向へ移動することでプッシャーを押し遣る延設部材とをさらに有し、鉛直駆動部によって延設部材を昇降させるように、基板処理装置を構成しても良い。このような構成では、ロッドレスシリンダーによって保持部を基板搬送方向に移動させることで、保持部に保持されるプッシャーを基板搬送方向へ移動させる。また、このようなプッシャーの移動範囲に対応して基板搬送方向に延設された延設部材が設けられており、鉛直駆動部で延設部材を鉛直方向に移動させることで、移動範囲内での位置によらずプッシャーを鉛直方向へ押し遣ることが可能となっている。そのため、プッシャーを昇降させる駆動原(ここでは鉛直駆動部)を、プッシャーの基板搬送方向への移動に伴って基板搬送方向へ移動させる必要がなく、当該駆動原に接続される電気的配線の引き回し等を簡素化することが可能となる。
【0016】
また、コンベアは、押出ユニットが移動動作を行っている期間は、基板処理位置への基板の搬入を行わないように、基板処理装置を構成しても良い。このような構成では、移動動作を行うプッシャーと搬入基板との干渉を確実に抑止することができる。
【0017】
また、押出ユニットは、装置外部へ押し出した基板の停止位置を変更可能であるように、基板処理装置を構成しても良い。このような構成では、例えば収納容器に基板を押し込む程度を基板の状態(例えば、基板の良否等)に応じて変化させて、後の工程において基板の状態を判別容易にするといった制御が可能となる。
【0018】
また、押出ユニットは、基板搬送方向に直交する幅方向における基板の幅に応じて幅方向へのプッシャーの位置を調整するように、基板処理装置を構成しても良い。このような構成では、基板の幅に応じた個所を押すことができるため、アンバランスな力が作用することによる基板の傾き等を抑制しつつ、適切な移動動作を基板に行うことができる。
【0019】
また、処理ヘッドは、基板搬送方向へ移動しつつ基板へ処理を実行可能であり、押出ユニットは、処理ヘッドに取り付けられたサブプッシャーをさらに備え、処理を受けた基板を、処理ヘッドを移動させてサブプッシャーで押してからプッシャーでさらに押して、移動動作を行うように、基板処理装置を構成しても良い。このような構成では、移動動作に必要となるプッシャーのストロークを短く抑えることができ、プッシャーの駆動機構の小型化を図ることができる。
【0020】
また、押出ユニットは、コンベアの基板搬送方向の下流端よりもプッシャーを突き出させて、移動動作を行うように、基板処理装置を構成しても良い。このような構成では、移動動作で基板を十分に押し出して、収納容器に基板を確実に収納することができる。
【0021】
また、処理ヘッドが実行する処理の内容としては種々のものがある。そこで例えば、処理ヘッドは、基板の状態の検査を処理として行うように、基板処理装置を構成しても良い。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、この発明によれば、基板処理装置の搬出側に収納容器を配置しておけば、基板処理装置から搬出されてきた基板をプッシャーで収納容器にそのまま押し込むことができ、コンベアを備えたアンローダーを要さずに基板を収納容器に収納できる。よって、このような基板処理装置で基板生産ラインを構成すれば、基板処理装置から搬出された基板の収納容器への収納を行う基板生産ラインを小型に構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明を適用可能な基板検査装置の一例を模式的に示す正面図である。
図2】第1実施形態にかかる基板搬送ユニットの一例を模式的に示す正面図である。
図3】第1実施形態にかかる基板搬送ユニットの一例を模式的に示す平面図である。
図4図1の基板検査装置を備える基板生産ラインの一例を模式的に示すブロック図である。
図5】第1実施形態において基板を検査して収納ラックに収納する一連の動作を例示するフローチャートである。
図6図5のフローチャートに従って実行される一連の動作を模式的に例示する動作説明図であり、特に検査位置から収納ラックへ基板を搬出する際の動作を例示する。
図7図5のフローチャートに従って実行される一連の動作を模式的に例示する動作説明図であり、特に検査位置へ基板を搬入する際の動作を例示する。
図8】第2実施形態において基板を検査して収納ラックに収納する一連の動作を例示するフローチャートである。
図9図8のフローチャートに従って実行される一連の動作を模式的に例示する動作説明図であり、特に検査位置へ基板を搬入する際の動作を例示する。
図10】第3実施形態において基板を検査して収納ラックに収納する一連の動作を例示する動作説明図であり、特にサブプッシャーによるプレ動作を例示する。
図11】第3実施形態において基板を検査して収納ラックに収納する一連の動作を例示する動作説明図であり、特にプッシャーによる押出動作を例示する。
図12】第4実施形態において基板を検査して収納ラックに収納する一連の動作を例示する動作説明図であり、特に検査位置から収納ラックへ基板を搬出する際の動作を例示する。
図13】第4実施形態において基板を検査して収納ラックに収納する一連の動作を例示する動作説明図であり、特に検査位置へ基板を搬入する際の動作を例示する。
図14】、第5実施形態にかかる基板検査装置が備える押出ユニットの一例を模式的に示す平面図である。
図15】第6実施形態にかかる基板検査装置が備える押出ユニットの一例を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
第1実施形態
図1は、本発明を適用可能な基板検査装置の一例を模式的に示す正面図である。同図および以下に示す図では、基板搬送方向をX方向とし、幅方向をY方向とし、鉛直方向をZ方向とするXYZ直交座標を適宜示す。基板検査装置1は、X方向に基板10を搬送する基板搬送ユニット3と、基板搬送ユニット3により検査位置Ptに搬送された基板10を検査する検査ヘッド5と、検査ヘッド5をXY平面内で移動させるXY駆動ユニット7とを、ハウジング9に収容した概略構成を備えている。
【0025】
ハウジング9には、基板搬送方向Xの上流側(図1右側)に開口する搬入口91と、基板搬送方向Xの下流側(図1左側)に開口する搬出口92とが設けられている。そして、基板搬送ユニット3は、搬入口91を介して装置1の外部(図1右側)から搬入した基板10を検査位置Ptまで搬送する。さらに、基板搬送ユニット3は、検査位置Ptで検査を受けた基板Sを搬出口92を介して装置1の外部(図1左側)へ搬出する。
【0026】
検査ヘッド5は、例えば特開2011−133306号公報の検査ユニットと同様の構成を具備するものであり、照明部51、撮像部53およびレーザー計測部55を有して、検査位置Ptに固定された基板10に対して検査を行う。具体的には、基板10には部品11が半田付けによって実装されており、検査ヘッド5は、基板10に対する部品11の半田付けの状態を検査する。
【0027】
照明部51は、鉛直方向Zに開口する開口部51aが頂部に形成されたドーム形のフレームの内側に、複数の発光素子(図示省略)を配列した構成を備える。そして、照明部51は、鉛直方向Zの下方に対向する検査対象範囲に発光素子からの光を照射する。これによって、検査対象範囲に対しては、鉛直方向Zの上方から光が照射される。撮像部53は、CCD(Charge Coupled Device)カメラで構成されており、照明部51の開口部51aを介して鉛直方向Zの上方から検査対象範囲に臨む。そして、撮像部53は、照明部51によって照らされた検査対象範囲の像を撮像する。また、レーザー計測部55は、検査対象範囲にレーザー光を照射する発光部55aと、検査対象範囲で反射された光を受光する受光部55bとを有し、検査対象範囲までの鉛直方向Zへの距離を測定するものである。
【0028】
そして、検査ヘッド5は、撮像部53により撮像した検査対象範囲のXY面内における二次元画像と、レーザー計測部55で取得した検査対象範囲までの鉛直方向Zへの距離とに基づいて検査対象範囲の三次元形状を把握して、半田付けの状態を検査する。具体的には、検査ヘッド5は、XY面内を移動することで、検査位置Ptに固定された基板Sの半田接合箇所(基板10に部品11を半田接合した箇所)に検査対象範囲を合せて、各半田接合箇所での半田付けの状態を検査する。ちなみに、検査ヘッド5のXY面内での移動は、XY駆動ユニット7によって行われる。XY駆動ユニット7は、いわゆるXYテーブルと同様の構成を具備しており、検査ヘッド5を構成する照明部51、撮像部53およびレーザー計測部55を一体的に移動させる。
【0029】
図2は、第1実施形態にかかる基板搬送ユニットの一例を模式的に示す正面図である。図3は、第1実施形態にかかる基板搬送ユニットの一例を模式的に示す平面図である。続いては、基板搬送ユニット3について詳述する。基板搬送ユニット3は、検査ヘッド5の鉛直方向Zの下方に配置され、コンベア31(例えば、ベルトコンベア)によって基板10を基板搬送方向Xへ搬送する概略構成を備える。コンベア31は、基板搬送方向Xへ延設されており、その上に載置された基板Sを基板搬送方向Xへ搬送する。具体的には、基板搬送ユニット3は、幅方向Yに間隔を空けて並ぶ2本のコンベア31を有し、これらコンベア31に幅方向Yから跨いで載置された基板Sを基板搬送方向Xへ搬送する。
【0030】
各コンベア31に対してはコンベアフレーム32が設けられており、各コンベア31は対応するコンベアフレーム32によって支持されている。そして、各コンベア31は、コンベアフレーム32に取り付けられたコンベアモーターM31によって基板搬送方向Xに駆動される。つまり、コンベアモーターM31を制御することで、基板10を2本のコンベア31によって装置外部から検査位置Ptに搬入したり、基板位置Ptから装置外部へ搬出したりできる。さらに、2本のコンベアフレーム32の少なくとも一方は、コンベア31を伴って幅方向Yに可動となっている。したがって、可動のコンベアフレーム32を移動させることで、2本のコンベア31の幅方向Yへの間隔を、基板10の幅方向Yへのサイズ(すなわち、幅)に応じて調整することができる。
【0031】
コンベア31の鉛直方向Zの下方には、基板固定部33が設けられている。基板固定部33は、昇降ピン331およびピンシリンダー332を有しており、ピンシリンダー332によって昇降ピン331を鉛直方向Zへ昇降させることができる。昇降ピン331は、検査位置Ptの基板搬送方向Xの下流端に対して設けられており、上昇した状態においてコンベア32による基板10の搬送経路上に位置する一方、下降した状態においてコンベア32による基板10の搬送経路から外れる。
【0032】
さらに、基板固定部33は、突上部材335、昇降テーブル336、テーブルシリンダー337を有しており、テーブルシリンダー337によって昇降する昇降テーブル336の上に突上部材335を配置した構成を備える。したがって、テーブルシリンダー337によって突上部材335を鉛直方向Zへ昇降させることができる。突上部材335は、上昇した状態において検査位置Ptにある基板10を突き上げてコンベアフレーム32に圧接する。これによって、基板10は、検査位置Ptに固定される。一方、突上部材335は、下降した状態において基板10とコンベアフレーム32との圧接を解除する。これによって、基板10は、検査位置Ptへの固定から解放される。
【0033】
さらに、基板搬送ユニット3は、コンベア31から搬出口92を介して装置外部へ基板10を搬出する押出ユニット4を備える。押出ユニット4は、基板搬送方向Xへ移動自在なプッシャー40によって基板10をコンベア31から装置外部へ押し出すものであり、プッシャー40を移動させる機構として、水平シリンダー41および鉛直シリンダー42を具備する。水平シリンダー41は、基板搬送方向Xに平行なストロークを有するロッドレスシリンダーであり、スライダー411を基板搬送方向X(あるいは、その逆方向)へ移動させる。鉛直シリンダー42は、水平シリンダー41のスライダー411に取り付けられて、鉛直方向Zに平行なストロークを有するロッドシリンダーであり、ロッド421を鉛直方向Zへ昇降させる。なお、水平シリンダー41および鉛直シリンダー42としては、例えばエアシリンダー等を用いることができる。
【0034】
水平シリンダー41によって基板搬送方向Xへ移動自在である鉛直シリンダー42のロッド421の上端には、プッシャー43が取り付けられている。したがって、水平シリンダー41を動作させることで、鉛直シリンダー42に伴ってプッシャー43を基板搬送方向Xへ移動させることができる。具体的には、プッシャー43の先端43a(基板搬送方向Xの下流端)は、基板搬送方向Xにおいて検査位置Ptより上流側の位置から、コンベア31の先端31a(基板搬送方向Xの下流端)より下流側の位置まで移動できる。また、鉛直シリンダー42を動作させることで、プッシャー43を鉛直方向Zへ昇降させることができる。具体的には、プッシャー43のセンタ43aは、上昇した状態においてコンベア32による基板10の搬送経路上に位置する一方、下降した状態においてコンベア32による基板10の搬送経路から外れる。
【0035】
このような基板搬送ユニット3は、検査位置Ptへの基板10の搬入、検査位置Ptへの基板10の固定/解放、および検査位置Ptからの基板10の搬出といった一連の動作を次のようにして実行する。基板10の搬入にあたっては、コンベア31によって検査位置Ptへ向けて搬送される基板10を、上昇した状態にある昇降ピン331が待ち受ける。検査位置Ptに到達した基板10は、検査位置Ptの基板搬送方向Xの下流端に接する昇降ピン331に当接する。こうして、昇降ピン331によって、基板10が検査位置Ptに停止させられる。基板10の検査位置Ptへの到着はセンサー338によって検出可能となっており、コンベア31はセンサー338の検出結果に基づいて、基板10の検査位置Ptへの到着と同時に停止する。
【0036】
こうして基板10の搬入が完了すると、突上部材335が上昇して基板10を検査位置Ptへ固定する。検査位置Ptへ固定された基板10に対しては、検査ヘッド5が検査を行う。そして、基板10への検査が完了すると、突上部材335が下降して基板10の検査位置Ptへの固定が解除される。基板10の搬出にあたっては、上昇した状態にあるプッシャー43が、基板搬送方向Xの上流側から検査位置Ptにある基板10に対向する。続いて、プッシャー43は、基板搬送方向Xへ移動することで、基板10を基板搬送方向Xへ押し出してコンベア31から装置外部へ搬出する。
【0037】
以上が基板検査装置1の概略構成である。ところで、基板生産ラインにおいては、上記の基板検査装置1は、基板10を検査するのみならず、アンローダーの有する収納ラックに検査済みの基板10を収納することができる。そこで、基板生産ラインにおける基板検査装置1の動作について詳述する。
【0038】
図4は、図1の基板検査装置を備える基板生産ラインの一例を模式的に示すブロック図である。基板生産ライン100は、上述の基板検査装置1の他に、アンローダー200およびホストコンピューターHCを備える。図1図3を用いた上記説明では詳述しなかったが、基板検査装置1は基板検査制御部1Cを具備しており、基板10の搬入、固定/解放、搬出といった基板10の搬送制御や、検査ヘッド5による基板10の検査は、基板検査制御部1Cが装置各部を制御することで実行される。特に、基板10の搬送制御は、テーブルシリンダー337、コンベアモーターM31、水平シリンダー41および鉛直シリンダー42を制御することで実行される。
【0039】
アンローダー200は、基板検査装置1の基板搬送方向Xの下流側に配置されており、基板検査装置1のプッシャー43により押し出された基板10を収納ラック210に収納する。収納ラック210は、鉛直方向に設けられた複数のスロットを有し、各スロットに基板10を収納するものであり、例えば特開平10−261895号公報の収納ラックストッカと類似の構成を具備する。さらに、アンローダー200は、収納ラック210を鉛直方向Zへ昇降させる昇降機構220を備える。昇降機構220は、収納ラック210を昇降させて、基板検査装置1から基板10が押し出される位置へ空きスロットを対向させものである。具体的には、昇降機構220は、基板10がスロットに収納される度に、スロット1つ分だけ収納ラック210を下降させて、基板検査装置1から基板10が押し出される位置へ空きスロットを対向させる。昇降機構220のかかる動作は、アンローダー200に設けられたアンローダー制御部200Cによって制御される。なお、アンローダー200は、収納ラック210まで基板10を搬送するためのコンベアを備えない。
【0040】
そして、ホストコンピューターHCからの指示に従って、基板検査制御部1Cおよびアンローダー制御部200Cがそれぞれの制御動作を行うことで、基板検査装置1で検査を受けた複数の基板10をアンローダー200の収納ラック210に順次収納することができる。続いては、基板10を検査して収納ラック210に収納する一連の動作について詳述する。
【0041】
図5は、第1実施形態において基板を検査して収納ラックに収納する一連の動作を例示するフローチャートである。なお、図5では、基板搬送方向Xの方向を特に「X軸順方向」と称し、基板搬送方向Xの逆方向を特に「X軸逆方向」と称している。図6は、図5のフローチャートに従って実行される一連の動作を模式的に例示する動作説明図であり、特に検査位置から収納ラックへ基板を搬出する際の動作を例示する。図7は、図5のフローチャートに従って実行される一連の動作を模式的に例示する動作説明図であり、特に検査位置へ基板を搬入する際の動作を例示する。
【0042】
図6の「基板検査中」の欄に示すように、検査ヘッド5が検査位置Ptの基板10へ検査を行っている間は、プッシャー43の先端43aは、検査位置Ptよりも基板搬送方向Xの上流側で鉛直方向Zに下降した待機位置Pwで待機する。図6の「基板検査完了」の欄に示すように、検査位置Ptでの基板10の検査が完了すると、検査位置Ptへの基板10の固定が解除されるとともに、ステップS100が実行されてプッシャー43が上昇する。これによって、プッシャー43の先端43aは、基板搬送方向Xの上流側から検査位置Ptの基板10に対向する。ステップS101では、プッシャー43が基板搬送方向Xへ移動を開始する。
【0043】
図6の「押出動作開始」の欄に示すように、プッシャー43は、その先端43aが基板10の基板搬送方向Xの上流端に当接する押出開始位置Psまで基板搬送方向Xへ移動して、基板10を基板搬送方向Xへ押し始める。さらに、図6の「押出動作終了」の欄に示すように、プッシャー43は、その先端43aがコンベア31の基板搬送方向Xの下流端から突出する押出終了位置Peまで基板搬送方向Xへ移動して、基板10を収納ラック210のスロット211に収納する。こうして、プッシャー43を押出開始位置Psから押出終了位置Peまで基板搬送方向Xへ移動させることで、検査を受けた基板10に基板搬送方向Xの上流側からプッシャー43を当接させつつプッシャー43を基板搬送方向Xの下流側を移動させる押出動作が実行される。これによって、検査を受けた基板10が押し出されてコンベア32から基板検査装置1の外部の収納ラック210へ搬出される。
【0044】
ステップS102では、基板10の収納ラック210への収納が押出動作によって完了したかが確認される。そして、基板10の収納ラック210への収納完了が確認されると(ステップS102で「YES」)、ステップS103で全基板検査が完了したかが確認される。全基板検査が完了している場合(ステップS103で「YES」の場合)は、図5のフローチャートが終了する一方、基板検査が残っている場合(ステップS103で「NO」の場合)は、後続のステップへと進んで、プッシャー43を基板搬送方向Xの逆方向へ戻す動作(ステップS104〜S108)と、基板10を検査位置Ptへ搬入して検査する動作(ステップS109〜S112)とが並行して実行される。
【0045】
ステップS104では、基板搬送方向Xの逆方向へのプッシャー43の移動が開始される。ステップS105では、プッシャー43の移動開始から所定時間が経過したか否かが確認される。この所定時間は、プッシャー43と収納ラック210とを鉛直方向Zへ相対移動させてもプッシャー43と収納ラック210とが干渉しないまで、プッシャー43が収納ラック210から基板搬送方向Xへ離れるのに要する時間以上に設定される。所定時間の経過が確認されると(ステップS105で「YES」)、ステップS106が実行されて、プッシャー43が下降される。これによって、図7の「プッシャー下降」の欄に示すように、コンベア31による基板10の搬送経路から鉛直方向Zの下方にプッシャー43が外れる。また、ステップS107では、1個のスロット211の分だけ収納ラック210を下降させて、基板検査装置1から基板10が押し出される位置へ空きスロット211を対向させる。なお、ステップS106、S107は、逆の順にシリアルに実行しても良いし、パラレルに実行しても良い。プッシャー43は、コンベア31による基板10の搬送経路に対する鉛直方向Zの下方で基板搬送方向Xの逆方向への移動を継続して(図7の「検査位置に基板到着」の欄)、待機位置Pwへ到る(図7の「待機位置へプッシャー移動」の欄)。そして、ステップS108では、プッシャー43が待機位置Pwへ到着したか否かが確認される。
【0046】
一方、ステップS109では、検査位置Ptへの基板10の搬入が開始され、続くステップS110では、基板10の検査位置Ptへの到着が確認される。図7の「検査位置に基板到着」の欄に示すように基板10が検査位置Ptに到着すると(ステップS110で「YES」)、ステップS111で検査ヘッド5による基板10への検査が開始される。そして、ステップS112では、基板10への検査が完了したか否かが確認される。
【0047】
このように、押出終了位置Peから待機位置Pwまで基板搬送方向Xの逆方向にプッシャー43を移動させる動作(戻し動作)と、基板10を検査位置Ptへ搬入して検査する動作(搬入検査動作)とが並行して実行される。この際、プッシャー43の移動は、基板10の搬送経路から外れた位置で行われるため、プッシャー43と基板10との干渉が回避されている。そして、プッシャー43の待機位置Pwへの到着が確認され(ステップS108で「YES」)、なおかつ基板10の検査完了が確認されると(ステップS112で「YES」)、ステップS100に戻って、図5のフローチャートが繰り返し実行される。これによって、複数の基板10に対して順番に、検査を行って収納ラック210へ収納することができる。
【0048】
以上に説明したように、第1実施形態では、基板検査装置1にプッシャー43が設けられており、検査を受けた基板10に基板搬送方向Xの上流側からプッシャー43を当接させつつプッシャー43を基板搬送方向Xの下流側へ移動させる押出動作によって、基板10が装置外部に搬出される。つまり、検査を受けた基板10は、基板検査装置1に設けられたプッシャー43により押し出されつつ装置外部に搬出される。したがって、基板検査装置1の搬出側に収納ラック210を配置しておけば、基板検査装置1から搬出されてきた基板10をプッシャー43で収納ラック210にそのまま押し込むことができ、コンベア31を備えたアンローダーを要さずに基板10を収納ラック210に収納できる。よって、このような基板検査装置1で基板生産ライン100を構成すれば、基板検査装置1から搬出された基板10の収納ラック210への収納を行う基板生産ライン100を小型に構成することが可能となる。
【0049】
また、第1実施形態では、複数の基板10に対して順番に検査を行って装置外部の収納ラック210へ搬出する。ただし、このように複数の基板10に対して順番に処理を行って装置外部に搬出するにあたっては、押出動作を繰り返し実行する必要がある。これに対して、第1実施形態では、押出動作が完了すると、基板搬送方向Xの下流側へ向けてプッシャー43を戻す戻し動作が実行されるため、続く押出動作を速やかに開始することができ、スループットの向上を図ることができる。
【0050】
また、第1実施形態の戻し動作では、押出動作の開始時における基板10の位置(検査位置Pt)の基板搬送方向Xの上流側の位置(待機位置Pw)までプッシャー43が戻される。その結果、続く押出動作をより速やかに開始することが可能となっている。
【0051】
また、第1実施形態では、コンベア31が検査位置Ptへ向けて基板10の搬入を開始してから検査ヘッド5が検査位置Ptの基板10への検査を完了するまでの搬入処理期間に重複して戻し動作が実行される。すなわち、続いて検査を受ける基板10の検査位置Ptへの搬入の開始から当該検査の完了までの期間(搬入処理期間)に重複して戻し動作が実行される。そのため、戻し動作の実行のみに費やされる時間を抑制あるいは排除して、スループットの向上を図ることができる。
【0052】
また、第1実施形態では、押出ユニット5は、プッシャー43を鉛直方向Zに駆動する鉛直シリンダー42を有する。そして、搬入処理期間中の基板10に対して基板搬送方向Xに重なる区間では、鉛直シリンダー43によって基板10から鉛直方向Zへ外しつつプッシャー43を戻して、戻し動作が実行される。このような構成では、搬入処理期間に伴って搬入および処理を受ける基板10と、戻し動作に伴って移動するプッシャー43との干渉を確実に抑止することができる。
【0053】
また、第1実施形態では、押出ユニット5が押出動作を行っている期間は、検査位置Ptへの基板10の搬入が実行されない。このような構成では、押出動作を行うプッシャー43と搬入基板10との干渉を確実に抑止することができる。
【0054】
また、第1実施形態では、押出ユニット5は、コンベア31の基板搬送方向Xの下流端よりもプッシャー43を突き出させて押出動作を行う。このような構成では、押出動作で基板10を十分に押し出して、収納ラック210に基板10を確実に収納することができる。
【0055】
第2実施形態
図8は、第2実施形態において基板を検査して収納ラックに収納する一連の動作を例示するフローチャートである。なお、図8では、基板搬送方向Xの方向を特に「X軸順方向」と称し、基板搬送方向Xの逆方向を特に「X軸逆方向」と称している。図9は、図8のフローチャートに従って実行される一連の動作を模式的に例示する動作説明図であり、特に検査位置へ基板を搬入する際の動作を例示する。以下では、これらの図を用いて第1実施形態との差異を中心に説明する。ただし、第1実施形態と共通する構成を具備することで同様の効果を第2実施形態においても奏し得ることは言うまでもない。
【0056】
この実施形態では、プッシャー43の基板搬送方向Xの上流側にストッパー44が接合されており、プッシャー43とストッパー44とを一体的に基板搬送方向Xおよび鉛直方向Zへ移動させることが可能となっている。そして、プッシャー43の戻し動作の途中において、ストッパー44により搬入基板10を検査位置Ptに停止させる停止動作が実行される。つまり、ストッパー44が、第1実施形態での昇降ピン331と同様の機能を担っており、第2実施形態では、昇降ピン331やピンシリンダー332は排されている。
【0057】
図8のステップS200〜S203に示すように、第2実施形態においても第1実施形態のステップS100〜S103と同様のフローが実行される。これによって、押出動作が実行されて、検査を受けた基板10が収納ラック210に収納されるとともに、全基板検査が終了したかが確認される。そして、全基板検査が完了している場合(ステップS203で「YES」の場合)は、図8のフローチャートが終了する一方、基板検査が残っている場合(ステップS203で「NO」の場合)は、後続のステップへと進んで、プッシャー43を基板搬送方向Xの逆方向へ戻す動作(ステップS204〜S210)と、基板10を検査位置Ptへの搬入して検査する動作(ステップS211〜S214)とが並行して実行される。
【0058】
ステップS204では、基板搬送方向Xの逆方向へのプッシャー43およびストッパー44の移動が開始される。ステップS205では、図9の「当接位置にストッパー到着」の欄に示すように、ストッパー44の後端44a(基板搬送方向Xの上流端)が検査位置Ptの基板搬送方向Xの下流端に接する当接位置Ppまで、プッシャー43およびストッパー44が基板搬送方向Xの逆方向へ移動したかが確認される。そして、プッシャー43およびストッパー44が当接位置Ppに到着したことが確認されると(ステップS205で「YES」)、プッシャー43およびストッパー44が当接位置Ppで停止される(ストップS206)。また、ステップS207では、1個のスロット211の分だけ収納ラック210を下降させて、基板検査装置1から基板10が押し出される位置へ空きのスロット211を対向させる。
【0059】
一方、ステップS204と並行してステップS211が開始されて、基板10の検査位置Ptへの搬入が開始される。これによって、当接位置Ppで停止するストッパー44は、検査位置Ptに基板10が到達するのを待ち受ける。そして、図9の「検査位置に基板到着」の欄に示すように、基板10は検査位置Ptに到達すると、当接位置Ppで停止するストッパー44に当接して基板搬送方向Xへの移動を停止する。これと同時に、ステップS212において、基板10が検査位置Ptに到着したこと(YES)が確認される。
【0060】
ステップS207、S212の両方が完了すると、プッシャー43の戻し動作の続き(ステップS208〜S210)と、基板10の検査(ステップS213〜S214)が並行して実行される。ステップS208では、プッシャー43が下降される。これによって、図9の「プッシャー下降」の欄に示すように、コンベア31による基板10の搬送経路、換言すれば、検査位置Ptで停止する基板10から鉛直方向Zの下方にプッシャー43が外れる。続くステップS209では、基板搬送方向Xの逆方向へのプッシャー43の移動が開始される。その結果、プッシャー43は、検査位置Ptで停止する基板10に対する鉛直方向Zの下方で基板搬送方向Xの逆方向へ移動して待機位置Pwへ到る(図9の「待機位置へプッシャー移動」の欄)。そして、ステップS210では、プッシャー43が待機位置Pwへ到着したか否かが確認される。
【0061】
一方、ステップS213では、検査位置Ptで停止する基板10に対する検査が開始され、ステップS214では、基板10への検査が完了したか否かが確認される。こうして、プッシャー43の待機位置Pwへの到着が確認され(ステップS210で「YES」)、なおかつ基板10の検査完了が確認されると(ステップS214で「YES」)、ステップS200に戻って、図8のフローチャートが繰り返し実行される。これによって、複数の基板10に対して順番に、検査を行って収納ラック210へ収納することができる。
【0062】
以上に説明したように、第2実施形態においても、検査を受けた基板10は、基板検査装置1に設けられたプッシャー43により押し出されつつ装置外部に搬出される。したがって、基板検査装置1の搬出側に収納ラック210を配置しておけば、基板検査装置1から搬出されてきた基板10をプッシャー43で収納ラック210にそのまま押し込むことができ、コンベア31を備えたアンローダーを要さずに基板10を収納ラック210に収納できる。よって、このような基板検査装置1で基板生産ライン100を構成すれば、基板検査装置1から搬出された基板10の収納ラック210への収納を行う基板生産ライン100を小型に構成することが可能となる。
【0063】
また、第2実施形態では、押出ユニット4は、プッシャー43に伴って移動するストッパー44を有する。そして、押出ユニット4は、戻し動作の途中において、検査位置Ptの基板搬送方向Xの下流端に対してストッパー44を位置させることで、搬入処理期間に搬入される基板10をストッパー44によって検査位置Ptに停止せる。このようにプッシャー43に伴ってストッパー44が移動するように構成することで、プッシャー43およびストッパー44のそれぞれに移動のための機構を設ける必要がなく、基板検査装置1の構成の簡素化を図ることができる。しかも、プッシャー43の戻し動作の機会を利用して、ストッパー44による搬入基板10の検査位置Ptへの停止が併せて行われるため、プッシャー43およびストッパー44を別々の機会で移動させるのに比べて、これらの移動を能率的に実行することができる。
【0064】
第3実施形態
図10は、第3実施形態において基板を検査して収納ラックに収納する一連の動作を例示する動作説明図であり、特にサブプッシャーによるプレ動作を例示する。図11は、第3実施形態において基板を検査して収納ラックに収納する一連の動作を例示する動作説明図であり、特にプッシャーによる押出動作を例示する。以下では、これらの図を用いて上記実施形態との差異を中心に説明する。ただし、上記実施形態と共通する構成を具備することで同様の効果を第3実施形態においても奏し得ることは言うまでもない。
【0065】
この実施形態では、サブプッシャー57が鉛直シリンダー58を介して検査ユニット5に取り付けられている。したがって、サブプッシャー57は、検査ユニット5に伴ってXY平面を移動自在であるとともに、鉛直シリンダー58の動作に伴って鉛直方向Zに移動自在となっている。そして、サブプッシャー57とプッシャー43とが協働して、検査位置Ptから収納ラック210への基板の搬出を実行する。具体的には、サブプッシャー57によって検査位置Ptから基板搬送方向Xに基板10を押すプレ動作を行った後に、プッシャー43によって基板10を収納ラック210へ押し出す押出動作を行う。なお、プレ動作の間は、プッシャー43は待機位置Pwで待機するが、図10に示すように、第3実施形態では、プッシャー43の待機位置Pwが検査位置Ptより基板搬送方向Xの下流側に設定されている。
【0066】
図10の「プレ動作開始」の欄に示すように、サブプッシャー57は、基板10への検査が完了に伴って、検査位置Ptにある基板10に基板搬送方向Xの上流側から当接して、プレ動作を開始する。さらに、図10の「プレ動作終了」の欄に示すように、サブプッシャー57は、基板10に当接しつつ基板搬送方向Xへ移動することで基板10を基板搬送方向に押して、プレ動作を完了する。これによって、基板10の基板搬送方向Xの上流端が、待機位置Pwのプッシャー43よりも基板搬送方向Xの下流側に位置する。なお、図10図11の例では、プレ動作の完了時点において、基板10の一部が収納ラック210内に進入しているが、プレ動作の完了時点における基板10の停止位置は適宜変更可能である。そして、図10の「サブプッシャー退避」の欄に示すように、プレ動作が完了すると、サブプッシャー57は、基板搬送方向Xの上流側へ向けて基板10から退避する。
【0067】
図11の「プッシャー上昇」の欄に示すように、サブプッシャー57の退避が完了すると、プッシャー43が上昇する。これによって、プッシャー43は、基板搬送方向Xの上流側から基板10に対向する。これに続いて、プッシャー43は基板搬送方向Xへ移動して押出動作を行う。そして、図11の「押出動作終了」の欄に示すように、プッシャー43は、コンベア31の基板搬送方向Xの下流端から突出する押出終了位置Peまで基板搬送方向Xへ移動して、基板10を収納ラック210のスロット211に収納する(押出動作)。
【0068】
以上に説明したように、第3実施形態においても、検査を受けた基板10は、基板検査装置1に設けられたプッシャー43により押し出されつつ装置外部に搬出される。したがって、基板検査装置1の搬出側に収納ラック210を配置しておけば、基板検査装置1から搬出されてきた基板10をプッシャー43で収納ラック210にそのまま押し込むことができ、コンベア31を備えたアンローダーを要さずに基板10を収納ラック210に収納できる。よって、このような基板検査装置1で基板生産ライン100を構成すれば、基板検査装置1から搬出された基板10の収納ラック210への収納を行う基板生産ライン100を小型に構成することが可能となる。
【0069】
また、第3実施形態では、検査ヘッド5に取り付けられたサブプッシャー57をプッシャー43の他に有している。そして、検査を受けた基板10を、検査ヘッド5を移動させてサブプッシャー57で押してからプッシャー43でさらに押して、押出動作が実行される。このような構成では、押出動作に必要となるプッシャー43のストロークを短く抑えることができ、プッシャー43の駆動機構である水平シリンダー41の小型化を図ることができる。
【0070】
第4実施形態
図12は、第4実施形態において基板を検査して収納ラックに収納する一連の動作を例示する動作説明図であり、特に検査位置から収納ラックへ基板を搬出する際の動作を例示する。図13は、第4実施形態において基板を検査して収納ラックに収納する一連の動作を例示する動作説明図であり、特に検査位置へ基板を搬入する際の動作を例示する。以下では、これらの図を用いて上記実施形態との差異を中心に説明する。ただし、上記実施形態と共通する構成を具備することで同様の効果を第4実施形態においても奏し得ることは言うまでもない。
【0071】
この実施形態では、プッシャー43を鉛直方向Zへ昇降させる機構が異なっている。つまり、水平シリンダー41のスライダー411には、基板搬送方向Xに延びる水平棒部材421が取り付けられており、水平棒部材421にその一端が軸支された回動棒部材422の他端にプッシャー43が取り付けられている。回動棒部材422は、寝た状態から立った状態へ変化する方向(図12図13の反時計回り方向)に付勢されている。そして、図12の「基板検査中」の欄に示すように、プッシャー43を待機位置Pwに位置させている状態では、当接部材423が鉛直方向Zの上方から回動棒部材422に当接して、回動棒部材422が寝るため、プッシャー43は鉛直方向Zにおいて下降した状態にある。一方、図12の「押出動作開始」の欄に示すように、当接部材423に対して基板搬送方向Xへプッシャー43を移動させると、当接部材423から回動棒部材422が外れて、付勢力によって回動棒部材422が立つため、プッシャー43は鉛直方向Zにおいて上昇した状態にある。
【0072】
図12の「基板検査中」の欄に示すように、検査ヘッド5が検査位置Ptの基板10へ検査を行っている間は、プッシャー43は、検査位置Ptの基板10の鉛直方向Zの直下にある待機位置Pwで待機する。このような第3実施形態では、検査位置Ptの基板10に対する検査の完了に伴ってプッシャー43を上昇させるためには、検査を受けた基板10をプッシャー43の上方から退避させる必要がある。そこで、基板検査が完了すると、コンベア31が基板10を基板搬送方向Xに移動させるプレ動作を実行する。その結果、図12の「プレ動作終了」の欄に示すように、待機位置Pwにあるプッシャー43の上方から基板10が基板搬送方向Xに外れる。続いて、プッシャー43は、基板搬送方向Xへ移動するのに伴って鉛直方向Zに上昇して、基板搬送方向Xの上流側から基板10に対向すると、基板搬送方向Xへ移動を開始する。
【0073】
図12の「押出動作開始」の欄に示すように、プッシャー43は、基板10の基板搬送方向Xの上流端に当接する押出開始位置Psまで基板搬送方向Xへ移動して、基板10を基板搬送方向Xへ押し始める。さらに、図12の「押出動作終了」の欄に示すように、プッシャー43は、コンベア31の基板搬送方向Xの下流端から突出する押出終了位置Peまで基板搬送方向Xへ移動して、基板10を収納ラック210のスロット211に収納する。こうして、プッシャー43を押出開始位置Psから押出終了位置Peまで基板搬送方向Xへ移動させることで、検査を受けた基板10に基板搬送方向Xの上流側からプッシャー43を当接させつつプッシャー43を基板搬送方向Xの下流側を移動させる押出動作が実行される。これによって、検査を受けた基板10が押し出されてコンベア32から基板検査装置1の外部の収納ラック210へ搬出される。
【0074】
基板検査を継続する場合には、基板搬送方向Xの逆方向へのプッシャー43の移動、すなわち戻し動作が実行されて、プッシャー43は待機位置Pwにまで移動する。また、図13の「プッシャー下降」の欄に示すように、待機位置Pwにおいては、プッシャー43は、鉛直方向Zに下降する。こうして、プッシャー43が待機位置Pwにまで戻ると、図13の「基板搬入」の欄に示すように、基板10の搬入が実行される。そして、図13の「検査位置に基板到着」の欄に示すように、検査位置Ptに基板10が到着すると、基板10に対する検査が再び実行される。
【0075】
以上に説明したように、第4実施形態においても、検査を受けた基板10は、基板検査装置1に設けられたプッシャー43により押し出されつつ装置外部に搬出される。したがって、基板検査装置1の搬出側に収納ラック210を配置しておけば、基板検査装置1から搬出されてきた基板10をプッシャー43で収納ラック210にそのまま押し込むことができ、コンベア31を備えたアンローダーを要さずに基板10を収納ラック210に収納できる。よって、このような基板検査装置1で基板生産ライン100を構成すれば、基板検査装置1から搬出された基板10の収納ラック210への収納を行う基板生産ライン100を小型に構成することが可能となる。
【0076】
第5実施形態
図14は、第5実施形態にかかる基板検査装置が備える押出ユニットの一例を模式的に示す平面図である。なお、以下では、上記実施形態との差異を中心に説明する。ただし、上記実施形態と共通する構成を具備することで同様の効果を第5実施形態においても奏し得ることは言うまでもない。
【0077】
図14に示すように、第5実施形態では、一端がコンベアフレーム31に軸支され、他端が水平シリンダー41に軸支された棒状のリンク部材45が設けられている。具体的には、一方のコンベアフレーム31から水平シリンダー41に接続されるリンク部材45と、他方のコンベアフレーム31から水平シリンダー41に接続されるリンク部材45とで構成される対が、水平シリンダー41の基板搬送方向Xの両端それぞれに設けられている。したがって、2本のコンベア31の幅方向Yへの間隔を基板Wの幅に応じて調整するために、2本のコンベアフレーム31のY方向への間隔が変化すると、これに応じて水平シリンダー41の位置も幅方向Yへ変化する。その結果、水平シリンダー41に支持されたプッシャー43は、2本のコンベア31の幅方向Yの間隔に応じて変位して、基板Wの幅の概ね中央に位置することとなる。
【0078】
このように、第5実施形態では、押出ユニット4は、基板搬送方向Xに直交する幅方向Yにおける基板10の幅に応じて幅方向Yへのプッシャー43の位置を調整する。このような構成では、基板10の幅に応じた個所をプッシャー43で押すことができるため、アンバランスな力が作用することによる基板10の傾き等を抑制しつつ、適切な押出動作を基板10に行うことができる。
【0079】
第6実施形態
図15は、第6実施形態にかかる基板検査装置が備える押出ユニットの一例を模式的に示す平面図である。なお、以下では、上記実施形態との差異を中心に説明する。ただし、上記実施形態と共通する構成を具備することで同様の効果を第6実施形態においても奏し得ることは言うまでもない。
【0080】
図15に示すように、第6実施形態の押出ユニット4では、保持部46によってプッシャー43が鉛直方向Zへ昇降自在に支持されている。具体的には、保持部46は、鉛直方向Zに延びて一端にプッシャー43が取り付けられた鉛直支持棒461を、移動部材462の貫通孔に嵌入させて、プッシャー43を支持する。保持部46の移動部材462は、水平シリンダー41(ロッドレスシリンダー)のスライダー411に取り付けられている。そのため、水平シリンダー41を動作させることで、保持部46に伴ってプッシャー43を基板搬送方向X(あるいは、その逆方向)へ移動させることができる。
【0081】
さらに、押出ユニット4は、基板搬送方向Xにおけるプッシャー43の移動範囲に対応して、基板搬送方向Xへ延設された延設部材47が設けられている。この延設部材47は、鉛直方向Zの下方から鉛直支持棒461の下端に臨んでおり、上昇することによって鉛直支持棒461を介してプッシャー43を鉛直方向Zの上方に押し遣ることができる。また、延設部材47の基板搬送方向Xの両端のそれぞれには鉛直シリンダー42が設けられている、したがって、鉛直シリンダー42を動作させることで、プッシャー43を鉛直方向Zへ昇降させることができる。
【0082】
このような構成では、ロッドレスシリンダーである水平シリンダー41によって保持部46を基板搬送方向Xに移動させることで、保持部46に保持されるプッシャー43を基板搬送方向Xへ移動させる。また、このようなプッシャー43の移動範囲に対応して基板搬送方向Xに延設された板状の延設部材47が設けられており、鉛直シリンダー42で延設部材47を鉛直方向Zに移動させることで、移動範囲内での位置によらずプッシャー43を鉛直方向Zへ押し遣ることが可能となっている。そのため、プッシャー43を昇降させる駆動原(ここでは鉛直シリンダー42)を、プッシャー43の基板搬送方向Xへの移動に伴って基板搬送方向Xへ移動させる必要がなく、当該駆動原に接続される電気的配線42aの引き回し等を簡素化することが可能となる。
【0083】
その他
上述のように、上記実施形態では、基板検査装置1が本発明の「基板処理装置」の一例に相当し、コンベア31が本発明の「コンベア」の一例に相当し、検査ヘッド5が本発明の「処理ヘッド」の一例に相当し、押出ユニット4が本発明の「押出ユニット」の一例に相当し、プッシャー43が本発明の「プッシャー」の一例に相当し、押出動作が本発明の「移動動作」の一例に相当し、基板10が本発明の「基板」の一例に相当し、検査位置が本発明の「基板処理位置」の一例に相当し、基板搬送方向Xが本発明の「基板搬送方向」の一例に相当する。また、鉛直方向Zが本発明の「鉛直方向」の一例に相当し、鉛直シリンダー42が本発明の「鉛直駆動部」の一例に相当し、保持部46が本発明の「保持部」の一例に相当し、水平シリンダー41が本発明の「ロッドレスシリンダー」の一例に相当し、延設部材47が本発明の「延設部材」の一例に相当し、サブプッシャー57が本発明の「サブプッシャー」の一例に相当し、検査が本発明の「処理」の一例に相当する。
【0084】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、プッシャー43が押出動作を終了する押出終了位置Peは上記の内容に限られず、適宜変更可能である。さらには、装置外部へ押し出した基板10の停止位置を変更可能であるように構成しても良い。このような構成では、例えば収納ラックに基板10を押し込む程度を基板10の状態(例えば、基板の良否等)に応じて変化させて、後の工程において基板10の状態を判別容易にするといった制御が可能となる。
【0085】
具体的には、基板10の検査結果に応じて、押出終了位置Peの位置を基板搬送方向Xにおいて異ならせても良い。具体的には、検査結果が良品であった良品基板10については、良品基板10の全体が収納ラック210に収まる位置ように押出終了位置Peを設定する一方、検査結果が不良であった不良品基板10については、不良品基板10の一部が収納ラック210からはみ出すように押出終了位置Peを設定しても良い。これによって、収納ラック210に収納された基板10の良否が容易に判別できる。
【0086】
また、プッシャー43の待機位置Pwや押出開始位置Psについても適宜変更可能であり、戻し動作においてプッシャー43を戻す位置も適宜変更可能である。さらに、押出ユニット4、プッシャー43、プッシャー43を移動させるための機構、あるいはコンベア31の種類等の装置各部の種々の構成ついても適宜変更が可能である。
【0087】
また、上記第1、第2実施形態においても、第3、第4実施形態で示したようなプレ動作を、押出動作の前に実行しても良い。具体的には、コンベア31によって基板10を検査位置Ptから基板搬送方向Xへ所定距離だけ移動させてから、プッシャー43による押出動作を実行すれば良い。
【0088】
上記実施形態では、基板検査装置1に本発明を適用した例について説明を行った。しかしながら、基板10に対して部品を実装する部品実装機や、基板10に対して半田等の液体を塗布する塗布装置に対して本発明を適用することもできる。このような場合、部品実装や液体塗布が本発明の「処理」の一例に相当することとなる。
【符号の説明】
【0089】
1…基板検査装置(基板処理装置)
10…基板
31…コンベア
4…押出ユニット4
41…水平シリンダー(ロッドレスシリンダー)
42…鉛直シリンダー(鉛直駆動部)
43…プッシャー43
44…ストッパー
46…保持部
47…延設部材47
5…検査ヘッド5(処理ヘッド)
57…サブプッシャー
X…基板搬送方向
Y…幅方向
Z…鉛直方向
Pt…検査位置(基板処理位置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15